JP2821318B2 - 電子写真感光体、該電子写真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリ - Google Patents

電子写真感光体、該電子写真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリ

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JP2821318B2
JP2821318B2 JP4167708A JP16770892A JP2821318B2 JP 2821318 B2 JP2821318 B2 JP 2821318B2 JP 4167708 A JP4167708 A JP 4167708A JP 16770892 A JP16770892 A JP 16770892A JP 2821318 B2 JP2821318 B2 JP 2821318B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関し、
詳しくは表面保護層を有する電子写真感光体、該電子写
真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリに関
する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体には運用される電子写真
プロセスにおいて所要の感度、電気特性、光学特性を備
えていることが要求されるが、さらに、繰り返し使用さ
れる感光体にあっては、感光体の表面層、すなわち、支
持体より最も隔離する層には、コロナ帯電、トナー現
像、紙への転写、クリーニング処理などの電気的、機械
的外力が直接に加えられるために、それらに対する耐久
性が要求される。具体的には、摺擦による表面の摩耗や
キズの発生、また、コロナ帯電時に発生するオゾンによ
る表面の劣化などに対する耐久性が要求されている。一
方、トナー現像、クリーニングの繰り返しによる表面層
へのトナー付着という問題もあり、これに対しては表面
層のクリーニング性を向上することが求められている。
【0003】上記のような表面層に要求される特性を満
たすために、樹脂を主成分とする表面保護層を設ける試
みがなされている。例えば特開昭57ー30843号公
報には導電性粉末として金属酸化物を添加して抵抗を制
御した保護層が提案されている。しかしながら、従来用
いられていた方法では、金属酸化物粒子の結着樹脂中で
の分散性、凝集性、保護層に用いた際の導電性、透明度
に問題があり、保護層表面の不均一性、ムラなどによる
画像欠陥、繰り返し帯電による残留電位の上昇、感度低
下といった現象が起こりやすかった。
【0004】電子写真感光体用の保護層に金属酸化物を
分散するのは、保護層自体の電気抵抗を制御し電子写真
プロセスの繰り返しにおける感光体内での残留電位の増
加を防止するのがその主な目的であり、他方、電子写真
感光体用の保護層の適切な抵抗値は1010〜1015oh
m・cmであることが示されている。しかしながら、前
記の範囲の抵抗値においては、保護層の電気抵抗はイオ
ン電導によって影響を受けやすく、そのために環境の変
化によって電気抵抗が大きく変化する傾向にある。特に
金属酸化物を膜中に分散している場合には、金属酸化物
表面の吸水性が高いために、全環境において、しかも電
子写真プロセスの繰り返しを行う際に、保護層の抵抗を
前記範囲内に保つことはこれまで非常に困難であった。
【0005】また、一般的に保護層に粒子を分散させた
場合、分散粒子による入射光の散乱を防ぐためには、入
射光の波長よりも粒子の粒径が小さいこと、すなわち、
0.3μm以下であることが必要である。しかし、一般
に金属酸化物粒子は樹脂溶液中において凝集傾向が強く
均一な分散が困難であり、いったん分散しても二次凝集
や沈降が起こるために安定して粒径0.3μm以下の分
散膜を生産することは非常に困難であった。さらに透明
度、導電均一性を向上させるためには、さらに粒径の細
かい超微粒子粉体(一次粒径0.1μm以下)を分散す
ることが有用であるが、このような超微粒子はさらに、
分散性、分散安定性が悪くなる傾向にあった。さらに特
に高湿下において、繰り返し帯電により発生するオゾ
ン、NOXなどのコロナ生成物などが表面に付着するこ
とにより感光体の表面抵抗の低下を引き起こし、画像流
れが発生するなどの問題により未だ保護層として満足で
きる電子写真特性を示すものが得られていないのが現状
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は滑り性
に優れ、摺擦による表面の摩耗や傷の発生などに対して
耐久性を有する電子写真感光体を提供すること、さらに
別の目的は、繰り返し電子写真プロセスにおいて発生す
るコロナ生成物付着による表面抵抗の低下がなく、高湿
下においても高品位の画質を保つことのできる電子写真
感光体を提供すること、さらに別の目的は、繰り返し電
子写真プロセスにおいて、残留電位の蓄積や感度の低下
がない安定した電子写真特性を示す電子写真感光体を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は導電性支持体上
に感光層および保護層を有する電子写真感光体におい
て、保護層が下記一般式(1)で示す硬化型アクリル系
モノマーに導電性金属酸化物微粒子を分散した塗工液を
用い、これを感光層上に塗工、硬化させて形成されるこ
とを特徴とする電子写真感光体から構成される。
【0008】一般式(1)
【0009】
【外2】 式中、R1 〜R3 はアクリロイル基またはメタクリロイ
ル基を示し、R4 およびR5 はアクリロイル基、メタク
リロイル基またはアルキロイル基を示し、、R6はアク
リロイル基、メタクリロイル基、アルキロイル基または
水素原子を示す。
【0010】本発明の電子写真感光体は導電性支持体上
に感光層と保護層を有する電子写真感光体である。
【0011】前述のように導電性金属酸化物微粒子を結
着樹脂中に分散した膜を電子写真感光体の保護層に用い
る場合の問題点は該微粒子の分散性と膜の電気抵抗の環
境安定性である。本発明者らは上記の問題点を解決する
手段として前記一般式(1)で示す硬化型アクリル系モ
ノマーに導電性金属酸化物微粒子を分散することが非常
に有効であることを認識し、本発明に到達した。
【0012】一般式(1)で示す硬化型アクリル系モノ
マーは官能基であるアクリロイル基またはメタクリロイ
ル基を3つ以上有するため、比較的高い極性を有するの
で、該硬化型アクリル系モノマーを含有する結着樹脂に
導電性金属酸化物微粒子を分散することによって、分散
粒子の二次粒子の形成もなく、経時的にも安定した分散
性の良い塗工液が得られる。さらに、この塗工液より形
成した保護層は透明度が高く、耐水性、耐薬品性などの
耐環境性に優れた膜が得られる。
【0013】一般式(1)で示す硬化型アクリル系モノ
マーはアクリロイル基またはメタクリロイル基を3つ以
上有するものを単独で用いても、また、アクリロイル
基、メタクリロイル基の数の異なるものを2種以上任意
の割合で混合して用いてもよい一般に、反応性の官能基
を有する化合物により形成される硬化膜は、官能基の数
が多いほど膜の硬度は高く、摺擦による表面の摩耗やキ
ズの発生は少なくなる。しかしながら官能基の多いもの
ほど硬化時の膜の収縮率が大きく、電子写真感光体にお
いては下層となる感光層にクラックの発生を引き起こす
こともあり、十分な硬度を有し、かつ、収縮率の小さい
硬化系保護層の形成は困難であった。その点一般式
(1)で示す硬化型アクリル系モノマーは、官能基数が
異なるものどうしの相溶性がよく、2種以上のモノマー
を任意の割合で混合して用いることができ、官能基数の
異なるものどうしを混合することによって収縮率をコン
トロールすることも可能であり、硬化膜の強度をほとん
ど落とすことなく収縮率を小さくすることができる。
【0014】一般式(1)で示す硬化型アクリル系モノ
マーを含有する結着樹脂の硬化方法は硬化度および下地
の感光層との界面均一性の点より紫外線硬化が望ましい
が、熱によっても硬化させることができる。紫外線硬化
の場合には硬化促進のため光開始剤を用いることが望ま
しい。光開始剤としては、例えばベンゾフェノン、ミヒ
ラーケトン、チオキサントン、ベンゾインブチルエーテ
ル、アシロキシムエステル、ジベンゾスロベンなどが挙
げられる。熱硬化を行う場合にはラジカル開始剤を用い
ることが望ましいが、通常のラジカル開始剤としては、
例えばpーメトキシ過酸化ベンゾイル、m,m´ージメ
トキシ過酸化ベンゾイル、2,2´ーアゾビスイソブチ
ルニトリル、2,2´ーアゾビスイソ酪酸ジメチルエス
テル、4,4´ーアゾビスー4ーシアノヘプタン酸など
を用いることができる。
【0015】本発明における保護層用の結着樹脂として
は、一般式(1)で示す硬化型アクリルモノマーを単独
で用いてもよく、他の樹脂と混合して用いることもでき
る。混合使用可能な樹脂としては、例えばアクリル樹
脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、
セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレ
タン、エポキシ樹脂、シリコーン、ポリ塩化ビニルなど
が挙げられる。さらに、一般式(1)で示す硬化型アク
リル系モノマーと共重合を起こす硬化性モノマーおよび
オリゴマーを混合することも可能である。
【0016】本発明における導電性金属酸化物としては
酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化アンチモン、酸化
インジウム、酸化ビスマス、錫をドープした酸化インジ
ウム、アンチモンをドープした酸化錫、酸化ジルコニウ
ムなどの超微粒子を用いることができる。金属酸化物は
1種類または2種類以上混合して用いる。2種類以上混
合した場合には固溶体または融着の形をとってもよい。
金属酸化物の平均粒径は0.3μm以下、好ましくは
0.1μm以下である。
【0017】結着樹脂と導電性金属酸化物微粒子との割
合は直接的に保護層の抵抗を決定する値であり、保護層
の抵抗が1010〜1015ohm.cmの範囲になるよう
に設定する。
【0018】本発明においては前記保護層中に、分散
性、結着性、耐候性を向上させる目的でカップリング
剤、酸化防止剤などの添加物を加えてもよい。保護層は
前記結着樹脂中に金属酸化物を分散した溶液を塗布、硬
化して形成する。保護層の膜厚は0.2〜7μm、好ま
しくは0.5〜5μmである。
【0019】本発明の電子写真感光体の感光層の構成は
電荷発生物質と電荷輸送物質双方を同一層に含有する単
層型あるいは電荷発生層と電荷輸送層を導電性支持体上
に積層した積層型のいずれかである。
【0020】積層型の感光層の構成としては、導電性支
持体上に電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層した構
成と、逆に電荷輸送層、電荷発生層の順に積層する構成
がある。
【0021】導電性支持体は導電性を有するものであれ
ばよく、例えばアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、
亜鉛、ステンレスなどの金属や合金をドラムまたはシー
ト状に成型したもの、アルミニウムや銅などの金属箔を
プラスチックフイルムにラミネートしたもの、アルミニ
ウム、酸化インジウム、酸化錫などをプラスチックフイ
ルムに蒸着したもの、導電性物質を単独または結着樹脂
と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフイ
ルム、紙などが挙げられる。
【0022】電荷輸送層は、主鎖または側鎖にビフェニ
レン、アントラセン、ピレン、フェナントレンなどの構
造を有する多環芳香族化合物、インドール、カルバゾー
ル、オキサジアゾール、ピラゾリンなどの含窒素環化合
物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物などの電荷輸送
物質を成膜性を有する樹脂に溶解させた塗工液を用いて
形成される。成膜性を有する樹脂としてはポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリル
酸エステルなどが挙げられる。電荷輸送層の膜厚は5〜
40μm、好ましくは10〜30μmである。
【0023】電荷発生層はアゾ系顔料、ピレンキノン、
アントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔
料、ペリレン顔料、インジゴ、チオインジゴなどのイン
ジゴ系顔料、フタロシアニン顔料などの電荷発生物質を
ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニ
ル、アクリル樹脂などの結着樹脂に分散させて、この分
散液を塗工するか、前記顔料を真空蒸着することによっ
て形成する。電荷発生層の膜厚は5μm以下、好ましく
は0.05〜3μmである。
【0024】導電層と感光層の中間にバリアー機能と接
着機能を有する下引き層を設けることができる。下引き
層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロー
ス、エチレンーアクリル酸コポリマー、アルコール可溶
アミド、ポリウレタン、ゼラチンなどによって形成でき
る。下引き層の膜厚は0.1〜3μmが適当である。
【0025】本発明の電子写真感光体は硬度が高く、金
属酸化物微粒子の分散性のよい均質な保護層を形成する
ことができたため、ムラ、カブリ、黒ポチなどの画像欠
陥がなく、耐摩耗性、耐環境性が非常に高く、しかも電
子写真特性に優れている。
【0026】本発明の電子写真感光体は電子写真複写
機、レーザープリンター、LEDプリンター、液晶シャ
ッター式プリンターなどの電子写真装置一般に適応する
が、さらに、電子写真技術を応用したディスプレー、記
録、軽印刷、製版、ファクシミリなどの装置にも幅広く
適用することができる。
【0027】また、本発明は前記本発明の電子写真感光
体を備えた電子写真装置から構成される。
【0028】また、本発明は前記本発明の電子写真感光
体を備えた電子写真装置およびリモート端末からの画像
情報を受信する受信手段を有するファクシミリから構成
される。
【0029】次に、本発明の電子写真感光体を備えた電
子写真装置並びにファクシミリについて説明する。図1
に本発明の電子写真感光体を用いた電子写真装置の概略
構成を示した。図において、1は像担持体としてのドラ
ム型感光体であり軸1aを中心に矢印方向に所定の周速
度で回転駆動される。該感光体1はその回転過程で帯電
手段2によりその周面に正または負の所定電位の均一帯
電を受け、次いで露光部3にて不図示の像露光手段によ
り光像露光L(スリット露光・レーザービーム走査露光
など)を受ける。これにより感光体周面に露光像に対応
した静電潜像が順次形成されていく。その静電潜像は、
次いで現像手段4でトナー現像され、そのトナー現像像
が転写手段5により不図示の給紙部から感光体1と転写
手段5との間に感光体1の回転と同期取りされて給送さ
れた転写材Pの面に順次転写されていく。像転写を受け
た転写材Pは感光体面から分離されて像定着手段8へ導
入されて像定着を受けて複写物(コピー)として機外へ
プリントアウトされる。像転写後の感光体1の表面はク
リーニング手段6にて転写残りトナーの除去を受けて清
浄面化され、前露光手段7により除電処理がされて繰り
返して像形成に使用される。感光体1の均一帯電手段2
としてはコロナ帯電装置が一般に広く使用されている。
また、転写装置5もコロナ転写手段が一般に広く使用さ
れている。電子写真装置として、上述の感光体や現像手
段、クリーニング手段などの構成要素のうち、複数のも
のを装置ユニットとして一体に結合して構成し、このユ
ニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。
例えば、感光体1とクリーニング手段6とを一体化して
ひとつの装置ユニットとし、装置本体のレールなどの案
内手段を用いて着脱自在の構成にしてもよい。このと
き、上記の装置ユニットのほうに帯電手段および/また
は現像手段を伴って構成してもよい。また、光像露光L
は、電子写真装置を複写機やプリンターとして使用する
場合には、原稿からの反射光や透過光を用いる、あるい
は、原稿を読み取り信号化に従って、この信号によりレ
ーザービームの走査、発光ダイオードアレイの駆動、ま
たは液晶シャッターアレイの駆動などを行うことにより
行われる。また、ファクシミリのプリンターとして使用
する場合には、光像露光Lは受信データをプリントする
ための露光になる。
【0030】図2は、本発明の電子写真感光体を有する
ファクシミリのブロック図の例を示したものである。コ
ントローラ10は画像読取部9とプリンター18を制御
する。コントローラ10の全体はCPU16により制御
されている。画像読取部からの読取りデータは、送信回
路12を通して相手局に送信される。相手局から受けた
データは受信回路11を通してプリンター18に送られ
る。画像メモリには所定の画像データが記憶される。プ
リンタコントローラ17はプリンター18を制御してい
る。13は電話である。回線14から受信された画像
(回線を介して接続されたリモート端末からの画像情
報)は、受信回路11で復調された後、CPU16は画
像情報の信号処理を行い順次画像メモリ15に格納され
る。そして、少なくとも1ページの画像がメモリ15に
格納されると、そのぺージの画像記憶を行う。CPU1
6は、メモリ15より1ページの画像情報を読み出しプ
リンタコントローラ17に信号かされた1ページの画像
情報を送出する。プリンタコントローラ17は、CPU
16からの1ページの画像情報を受け取るとそのページ
の画像情報記録を行うべく、プリンター18を制御す
る。なお、CPU16は、プリンター18による記録中
に、次のページの受信を行っている。以上のように、画
像の受信と記録が行われる。
【0031】
【実施例】
実施例1 アルミシリンダー(φ30mm×260mm)上に、ア
ルコール可溶性ポリアミド(商品名アミランCMー80
00、東レ(株)製)10部、メトキシメチルか6ナイ
ロン(商品名トレジンEFー30T、帝国科学(株)
製)30部をメタノール150部、ブタノール150部
の混合溶媒に溶解した調製液を浸漬塗布し、90℃で1
0分間乾燥させ、膜厚1μmの下引き層を形成した。
【0032】次に、下記構造式のジスアゾ顔料4部、
【0033】
【外3】 ブチラール樹脂(商品名エスレックBLーS、積水化学
(株)製)2部およびシクロヘキサノン100部をサン
ドミル装置にて48時間分散した後、テトラヒドロフラ
ン100部を加えて電荷発生層用の塗工液を調製した。
この塗工液を下引き層上に浸漬塗布し、80℃で15分
間乾燥させて、膜厚0.15μmの電荷発生層を形成し
た。
【0034】次に、下記構造式のスチリル化合物10
部、
【0035】
【外4】 およびポリカーボネート(商品名ユーピロンZー20
0、三菱ガス化学(株)製)10部をジクロルメタン2
0部、クロロベンゼン60部の混合溶媒に溶解し、この
溶液を電荷発生層上に浸漬塗布し、120℃で60分間
乾燥させて、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
【0036】次に、保護層用の塗工液として、平均粒径
0.02μmのアンチモン含有酸化錫微粒子(商品名T
ー1、三菱マテリアル(株)製)100部、下記構造式
で示す硬化型アクリル系モノマー100部、
【0037】
【外5】 光開始剤としての2ーメチルチオキサントン0.1部、
トルエン300部を混合してサンドミル装置で96時間
分散して、これを塗工液とした。この塗工液を用いて電
荷輸送層上にスプレー塗工にて成膜し、乾燥後、高圧水
銀灯にて8mW/cm2の光強度で20秒間紫外線照射
して膜厚5μmの保護層を形成し、電子写真感光体を作
成した。
【0038】このようにして作成した電子写真感光体を
帯電ー露光ー現像ー転写ークリーニングのプロセスを
1.5秒サイクルで繰り返す複写機に取り付け、20℃
・50%常温常湿下(N/N)で電子写真特性の評価を
行い、10℃・15%の低温低湿下(L/L)および3
5℃・85%の高温高湿下(H/H)での画像評価、さ
らに常温常湿下で繰り返し画出し耐久を10万回行っ
た。その結果、後記比較例1に示す保護層なしの電子写
真感光体と比較して、感度、残留電位は同等であり、ム
ラや黒ポチのない画像を得ることができた。しかも10
万回の繰り返し画出しにおいても安定した画像を保つこ
とができた。結果を表1に示す。暗部電位はコロナ放電
電圧+5KVで放電したときの電子写真感光体の表面電
位であり、その値が大きいほど帯電能が良いことを示
す。また、感度は表面電位が700Vから200Vに減
衰させるのに必要な露光量で示す。
【0039】実施例2および3 実施例1の保護層用の塗工液中の硬化型モノマーの構造
を下記のように代えた他は、実施例1と同様にして電子
写真感光体を作成し、評価を行った。
【0040】硬化型モノマーの構造 実施例2
【0041】
【外6】
【0042】実施例3
【0043】
【外7】
【0044】実施例4 実施例1の保護層用の塗工液を下記のように代えた他
は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し、同
様に評価した。
【0045】保護層用塗工液の調製 平均粒径0.02μmのアンチモン含有酸化錫微粒子
(前出)100部、下記構造式の硬化型アクリル系モノ
マー50部、
【0046】
【外8】 さらに下記構造式の硬化型アクリル系モノマー60部、
【0047】
【外9】 光重合開始剤としての2ーメチルチオキサントン0.1
部、トルエン300部を混合してサンドミル装置で96
時間分散し、分散液を保護層用の塗工液とした。
【0048】比較例1 実施例1において保護層を設けないことの他は、実施例
1と同様にして電子写真感光体を作成し、同様の評価を
行った。その結果は、後記表1に示す用に初期の電子写
真特性は良好であったが、耐久を行ったところ、帯電能
が低下し、4万枚頃から良好な画像が得られなくなっ
た。
【0049】比較例2 平均粒径0.02μmのアンチモン含有酸化錫微粒子
(前出)50部およびポリカーボネート(前出)100
部、クロロベンゼン300部を混合し混合してサンドミ
ル装置で96時間分散し、分散液を保護層用の塗工液と
した。この塗工液を用いて比較例1における電荷輸送層
上にスプレー加工にて成膜し、110℃で1時間加熱乾
燥し、膜厚5μmの保護層を形成し、電子写真感光体を
作成し、実施例1と同様の評価を行った。その結果、後
記表1に示すように初期の電子写真特性は良好であった
が、耐久を行ったところ、1万枚程から画像にカブリ、
黒ポチが発生し、良好な画像が得られなくなった。
【0050】上記実施例および比較例における電子写真
感光体の評価結果を下表に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、保護層に用
いる結着樹脂中に導電性金属酸化物微粒子が分散、含有
されているため、保護層における金属酸化物の分散性が
良く、電子写真特性に優れている。さらに保護層の耐環
境性、耐摩耗性が良いため、繰り返し耐久を行っても画
質の良い安定した画像が得られるという顕著な効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有する電子写真装置
の概略構成図の例である。
【図2】本発明の電子写真感光体を有するファクシミリ
のブロック図の例である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体(本発明の電子写真感光体) 2 コロナ帯電装置 3 露光部 4 現像手段 5 転写手段 6 クリーニング手段 7 前露光手段 8 像定着手段 L 光像露光 P 像転写を受けた転写材 9 画像読取部 10 コントローラー 11 受信回路 12 送信回路 13 電話 14 回線 15 画像メモリ 16 CPU 17 プリンタコントローラ 18 プリンター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−37765(JP,A) 特開 昭63−264767(JP,A) 特開 平2−176666(JP,A) 特開 平4−226469(JP,A) 特開 平5−173350(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/147

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層および保護層を
    有する電子写真感光体において、保護層が下記一般式
    (1)で示す硬化型アクリル系モノマーに導電性金属酸
    化物微粒子を分散した塗工液を用い、これを感光層上に
    塗工、硬化させて形成されることを特徴とする電子写真
    感光体。 一般式(1) 【外1】 式中、R1 〜R3 はアクリロイル基またはメタクリロイ
    ル基を示し、R4 およびR5 はアクリロイル基、メタク
    リロイル基またはアルキロイル基を示し、R6 はアクリ
    ロイル基、メタクリロイル基、アルキロイル基または水
    素原子を示す。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載する塗工液が、請求項1
    に記載する一般式(1)で示す硬化型アクリル系モノマ
    ーの官能基の異なる少なくとも2種以上を含有する請求
    項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載する保護層が、該保護層
    塗工液の塗工後に紫外線照射によって硬化させて形成さ
    れる請求項1記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電子写真感光体を備えた
    電子写真装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の電子写真感光体を備えた
    電子写真装置およびリモート端末からの画像情報を受信
    する手段を有するファクシミリ。
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