JP3050701B2 - 電子写真感光体、それを有する電子写真装置及びファクシミリ - Google Patents

電子写真感光体、それを有する電子写真装置及びファクシミリ

Info

Publication number
JP3050701B2
JP3050701B2 JP4191360A JP19136092A JP3050701B2 JP 3050701 B2 JP3050701 B2 JP 3050701B2 JP 4191360 A JP4191360 A JP 4191360A JP 19136092 A JP19136092 A JP 19136092A JP 3050701 B2 JP3050701 B2 JP 3050701B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
layer
protective layer
parts
electrophotographic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP4191360A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0611877A (ja
Inventor
晶夫 丸山
晋 永原
昇司 雨宮
活水 青木
晴之 辻
進也 間山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP4191360A priority Critical patent/JP3050701B2/ja
Publication of JPH0611877A publication Critical patent/JPH0611877A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3050701B2 publication Critical patent/JP3050701B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Fax Reproducing Arrangements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体、特に表
面保護層を持つ電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体には使用される電子写真
プロセスに応じた所要の感度、電気特性及び光学特性を
備えていることが要求されるが、更に、繰り返し使用さ
れる感光体にあっては、感光体の表面層、即ち支持体よ
り最も隔離する層には、コロナ帯電、トナー現像、紙へ
の転写及びクリーニング処理などの電気的及び機械的外
力が直接に加えられるために、それらに対する耐久性が
要求される。具体的には、褶擦による表面の摩耗やキズ
の発生、またコロナ帯電時に発生するオゾンによる表面
の劣化等に対する耐久性が要求されている。一方、トナ
ーの現像及びクリーニングの繰り返しによる表面層への
トナー付着という問題もあり、これに対しては表面層の
クリーニング性を向上することが求められている。
【0003】上記のような表面層に要求される特性を満
たすために、樹脂を主成分とする表面保護層をもうける
試みがなされている。例えば特開昭57−207258
及び特開昭53−103741号公報等に提案されてい
るように硬化型樹脂を主成分とする保護層を用い、硬度
及び耐摩耗性の向上がはかられている。しかしながら、
これら硬化型の樹脂を表面保護層として用いた場合、特
に下層となる感光層が、これも樹脂を主成分とする有機
感光体の場合には、硬化性樹脂の硬化時の収縮によって
保護層または感光層に亀裂が入りやすいという問題があ
り、未だに有機感光体において、これら硬化性樹脂を用
いた保護層の実用化を妨げていた。また感光体の保護層
に要求される特性は高い硬度及び耐摩耗性等の表面物性
の他に、保護層自体の抵抗コントロールが重要な課題と
なる。すなわち保護層の抵抗が高すぎる場合には帯電−
露光を繰り返す電子写真プロセスにおいて、保護層自体
に電荷が蓄積していく、いわゆる残留電位の増加が起こ
り、そのため感光体の繰り返し使用時に電位が安定しな
いため、画像も不安定になる。また該抵抗が低過ぎる場
合には静電潜像が保護層中を面方向に流れて、画像がに
じむあるいはボケる等の問題が発生する。
【0004】これらの問題を解決するために、例えば特
開昭57−30843号公報に提案されているように、
導電性微粒子として金属酸化物を添加して抵抗を制御し
た保護層が提案されている。しかしながら従来用いられ
ていた方法では樹脂の硬度及び耐削れ性が低く、耐久性
に問題があり、さらに金属酸化物粒子を分散する場合
に、バインダー樹脂中での分散性、凝集性、及び保護層
に用いた際の導電性に問題があり、保護層表面の不均一
性及びムラなどによる画像欠陥、繰り返し帯電−露光に
よる残留電位の上昇あるいは感度低下による画像濃度薄
といった現象が起こり易かった。これらの問題を解決す
るために、本発明者らは光硬化型アクリル系モノマーを
含有する樹脂に金属酸化物微粒子を分散した溶液を塗
布、硬化した表面保護層を考案した。これによって上記
分散性、凝集性及び透明性等の問題点に関しては良好な
効果が得られた。しかし前記光硬化型アクリル系モノマ
ーを含有する樹脂に金属酸化物微粒子を分散した膜を表
面保護層として用いた場合には、これを感光層上に塗
布、光硬化した際に生じる収縮により感光体自体に亀裂
が生じやすく、これに起因して画像欠陥が発生するとい
う現象が問題となっていた。さらに前記亀裂の要因と思
われる保護層の硬化時の収縮は樹脂単体の場合に比べ
て、樹脂に金属酸化物微粒子を分散した場合のほうが大
きく、従って亀裂の発生も金属酸化物微粒子を分散した
場合のほうが頻雑となる傾向にあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述の要求に
答える電子写真感光体を提供しようとするものである。
本発明の目的は、保護層塗工による感光体の亀裂発生を
おさえ、耐久性が高く、かつ画像欠陥のない電子写真感
光体を提供することにある。さらに本発明の別の目的
は、繰り返し電子写真プロセスにおいて残留電位の蓄積
がなく、高品位の画質を保つことのできる電子写真感光
体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、導
電性支持体上に感光層及び保護層を有する電子写真感光
体において、該保護層が光硬化型アクリル系モノマーを
含有する液を硬化した膜であり、かつ該感光層がバイン
ダー樹脂として下記一般式[1],[2]及び[3]で
示される共重合体よりなる群より選ばれる1種の共重合
体を含有することを特徴とする電子写真感光体、それを
有する電子写真装置及びファクシミリである。
【0007】
【化5】 (式中、Aは炭素数1〜10の直鎖、分岐もしくは環状
のアルキリデン基、アルキレン基、アリール置換アルキ
レン基、アリーレン基、−O−,−CO−,−S−,−
SO−または−SO2 −を示し、R1 ないしR6 は水素
原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラル
キル基またはアルケニル基を示し、R7 は炭素数1〜1
0の直鎖、分岐もしくは環状のアルキリデン基、アルキ
レン基、アリール置換アルキレン基またはアリーレン基
を示し、nは正の整数を示し、xは0.05≦x≦0.
9である)
【0008】
【化6】 (式中、Bは炭素数1〜10の直鎖、分岐もしくは環状
のアルキリデン基、アルキレン基、アリール置換アルキ
レン基、アリーレン基、−CO−,−SO−または−S
2 −を示し、R11ないしR16は水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アリール基、アラルキル基またはアル
ケニル基を示し、yは0.05≦y≦0.9である)
【0009】
【化7】 (式中、B,R11ないしR18、及びyは一般式[2]に
おけるのと同義である)本発明の感光体は、前述の要求
に答えるものであり、さらに前記光硬化型アクリル系ポ
リマーを含有する樹脂を用いることにより導電性金属酸
化物を良好に分散することが可能となり、表面保護層の
抵抗をコントロールし、さらに特性の安定した電子写真
感光体を提供することが可能となった。
【0010】以下に本発明の内容を詳細に記す。
【0011】本発明の電子写真感光体は導電性支持体上
に感光層と保護層をこの順に積層した構造を有する電子
写真感光体である。以下にまず保護層について説明す
る。
【0012】電子写真感光体の保護層においては、残留
電位をその電子写真プロセスにおいて問題とならない程
度におさえる必要がある。これを解決する一つの手段が
層の厚さを薄くする方法であり、もう一つが保護層の抵
抗率をコントロールすることである。従って本発明にお
いて保護層が樹脂のみで構成される場合には、膜厚を
1.0μm以下とすることが好ましい。
【0013】次に保護層の抵抗をコントロールする場合
には、その手段として従来より、保護層中のバインダー
樹脂中に金属酸化物粒子を分散させて抵抗をコントロー
ルを行う方法が試みられているが、従来の感光体におい
ては金属酸化物粒子の分散性が悪く問題となっていた。
また一般的に保護層に粒子を分散させた場合、分散粒子
による入射光の散乱を防ぐためには、入射光の波長より
も粒子の粒径が小さいこと、すなわち0.3μm以下で
あることが好ましい。ここで0.3μm以下の微粒子を
樹脂中に均一に分散することはさらに困難であった。次
に電子写真感光体の保護層においては、残留電位の防止
と画像潜像の保持の点から、その膜厚は数μm以下が適
当と考えられるが、このような薄膜で従来の樹脂では、
キズ及び削れに対して十分な硬度が得られなかった。そ
こで我々は種々の検討の結果、保護層用の樹脂として光
硬化型アクリル系モノマーを含有する樹脂、特に一分子
当たりの官能基数が三官能以上であるか又は単位重量当
たりの官能基数が0.004モル/グラム以上のアクリ
ル系モノマーを含有する樹脂を用い、さらにこれに導電
性金属酸化物微粒子を分散した液を感光層上に塗布、硬
化した保護層によって、膜の硬度が高く、耐キズ及び耐
削れ性に優れ、しかも金属酸化物微粒子の分散が良好で
抵抗の不均一さがなく、透明で残留電位のない保護層が
得られた。
【0014】本発明で用いる導電性金属酸化物として
は、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモ
ン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした
酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ、及
び酸化ジルコニウム等の超微粒子を用いることができ
る。これら金属酸化物は一種類もしくは二種類以上を混
合して用いる。二種類以上を混合した場合には固溶体ま
たは融着の形をとっても良い。本発明で用いる金属酸化
物粒子の含有量は好ましくは5〜90重量%、より好ま
しくは10〜90重量%である。金属酸化物の含有量が
5重量%未満の場合には、保護層としての抵抗値が高く
なり過ぎ易く、90重量%より多い場合には感光体表面
層として低抵抗となり、帯電能の低下あるいはピンホー
ルの原因となり易い。
【0015】本発明においては、前記保護層中に、分散
性、接着性及び耐候性を向上させる目的でカップリング
剤及び酸化防止剤等の添加物を加えてもよい。本発明に
用いる光硬化型アクリル系モノマーとしては、次に示す
具体例が挙げられるがこれに限ったものではなく、市販
の光硬化型アクリル系モノマーを用いることができ、こ
れらアクリル系モノマーは単独で使用しても良く、また
は他のポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタ
ン、アクリル、エポキシ、シリコーン、アルキド及び塩
ビ−酢ビ共重合体樹脂等の市販の樹脂と混合して用いて
も良い。保護層はバインダー樹脂単体の溶液またはバイ
ンダー樹脂中に金属酸化物微粒子を分散した液を塗布、
硬化して形成する。本発明においては、保護層に光硬化
型のアクリル樹脂を用いているため、保護層の形成の際
には、保護層調合液には光開始剤を添加する。開始剤の
添加量はアクリル樹脂に対して好ましくは0.1〜40
重量%、より好ましくは0.5〜20重量%である。主
な光開始剤としては、次に示す具体例が挙げられる。本
発明における保護層の膜厚としては好ましくは0.1〜
10μm、より好ましくは0.5〜7μmである。
【0016】<光硬化型アクリル系モノマーの具体例>
【0017】
【化8】 構造式 官能基数
【0018】
【化9】
【0019】
【化10】
【0020】
【化11】
【0021】
【化12】
【0022】
【化13】
【0023】
【化14】
【0024】
【化15】
【0025】
【化16】 本発明における保護層の塗工はスプレーコーティング、
ビームコーティングの他に、溶媒を選択することにより
浸漬コーティングを行うこともできる。
【0026】以上に記した処方により、保護層自体とし
ては非常に良好な膜が得られた。しかしこの膜を通常の
感光層上に塗工、光硬化した場合に、前述したように感
光層又は保護層に亀裂が発生するという新たな問題点が
生ずる。この保護層の塗布、硬化による感光体の亀裂発
生の詳細な機構については現在のところ不明である。し
かし保護層硬化時の膜の収縮が一因となっていることは
容易に推察でき、また保護層用樹脂に用いる光硬化型ア
クリル系モノマーの構造にも起因することが判明してい
る。すなわちモノマーの重合に寄与する官能基数が一分
子当たりで多くなればなるほど、すなわち重合されてで
きるポリマーの構造がより三次元的になればなるほど亀
裂は発生し易くなる傾向にある。またモノマーの単位重
量当たりの官能基数とも相関があり、単位重量当たりの
官能基数が多い程亀裂は生じ易くなる傾向にある。しか
し前述のように保護層用の塗工液としては、光硬化型ア
クリル系モノマーの一分子当たりの官能基数が多い程、
または単位重量当たりの官能基数が多い程硬度が高く耐
削れ性、耐キズ性は向上し、しかも導電性金属酸化物微
粒子を抵抗コントロールの目的で分散する場合には、光
硬化型アクリル系モノマーの官能基数が多い程向上する
傾向にある。従ってこれら官能基数の多い光硬化型アク
リル系モノマーを保護層用の樹脂として用いる効果は大
きく、これを亀裂が発生することなく感光層上に形成す
る技術を発明することは非常に有益であった。
【0027】そこで、発明者らは種々の検討の結果、上
記感光体での亀裂の発生に対して非常に効果のある感光
層用のバインダー樹脂を発見し、これを用いて硬度及び
耐久性の高い感光体を、亀裂が発生することなく作製す
ることを可能にした。この亀裂の発生に対して効果のあ
る感光層用のバインダー樹脂は下記一般式[1],
[2]または[3]で示される構造を有するものであ
り、本発明においてはこれを用いて感光層を形成する。
【0028】本発明の電子写真感光体の感光層の構成
は、電荷発生材料と電荷輸送材料双方を含有する単層
型、あるいは電荷輸送層と電荷発生層が導電性支持体上
に積層されて成る積層型のいずれかが用いられる。
【0029】以下に積層型の感光層について説明する。
積層型の感光層の構成としては、導電性支持体上に電荷
発生層、電荷輸送層の順に積層したものと、導電性支持
体、電荷輸送層、電荷発生層の順に積層したものがあ
る。
【0030】本発明で用いる支持体は導電性を有するも
のであれば、何れのものでも良く、例えばアルミニウ
ム、クロム、ニッケル、ステンレス、銅及び亜鉛などの
金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニ
ウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネ
ートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化
スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、ある
いは、導電性物質を単独または適当なバインダー樹脂と
ともに塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィ
ルム及び紙などが挙げられる。
【0031】この導電層に用いられる導電性物質として
は、アルミニウム、銅、ニッケル及び銀などの金属粉
体、金属箔及び金属繊維、酸化アンチモン、酸化インジ
ウム及び酸化スズなどの導電性金属酸化物、ポリピロー
ル、ポリアニリン及び高分子電解質などの高分子導電
材、カーボンブラック、グラファイト粉体、有機及び無
機の電解質、または、これらの導電性物質で表面を被覆
した導電性粉体などが挙げられる。
【0032】本発明で用いる積層型感光体の電荷輸送層
は、主鎖または側鎖にビフェニレン、アントラセン、ピ
レン及びフェナントレンなどの構造を有する多環芳香族
化合物、インドール、カルバゾール、オキサジアゾール
及びピラゾリンなどの含窒素環式化合物、ヒドラゾン化
合物並びにスチリル化合物などの電荷輸送性材料を、前
記一般式[1],[2]または[3]で示される構造の
共重合体を含有する樹脂に溶解させた塗工液を用いて形
成される。
【0033】以下に、前記一般式[1],[2],
[3]で示される構造の共重合体を例示するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0034】
【化17】
【0035】
【17−H1】
【0036】
【17−H2】
【0037】
【化18】
【0038】
【18−H1】
【0039】
【18−H2】
【0040】
【化19】
【0041】
【19−H1】
【0042】
【19−H2】 バインダー樹脂として用いる前記一般式[1],[2]
または[3]で示される構造の共重合体は、単独で又は
他の樹脂と混合して用いる。混合する樹脂としてはポリ
エステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸エステ
ル及びポリスチレン等が挙げられる。電荷輸送層の厚さ
は好ましくは5〜40μm、より好ましくは10〜30
μmである。
【0043】積層構造型感光体の電荷発生層はスーダン
レッド及びダイアンブルーなどのアゾ顔料、ピレンキノ
ン及びアントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニ
ン顔料、ペリレン顔料、インジゴ及びチオインジゴなど
のインジゴ顔料、アズレニウム塩顔料、銅フタロシアニ
ン及びチタニルフタロシアニンなどのフタロシアニン顔
料などの電荷発生材料を本発明の樹脂、またはポリビニ
ルブチラール、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリ
ル樹脂、酢酸酪酸セルロース及びエチルセルロースなど
のバインダー樹脂に分散させて、この分散液を塗工する
ことによって形成できる。このような電荷発生層の膜厚
は、好ましくは5μm以下、より好ましくは0.05〜
2μmである。
【0044】次に単層型の感光層について説明する。単
層型感光層は前記導電性支持体上に前記電荷輸送材料と
電荷発生材料、さらに前記一般式[1],[2]または
[3]で示される構造の共重合体を含有する樹脂とを溶
解、分散して得られる液を塗工して形成される。樹脂は
積層型感光層における電荷輸送層と同様に、上記共重合
体と他の樹脂とを混合して使用することもできる。単層
型感光層の厚さは好ましくは5〜40μm、より好まし
くは10〜30μmである。
【0045】以上に示すように、本発明の電子写真感光
体は保護層が光硬化型アクリル系モノマーを含有する樹
脂よりなる溶液を塗布、硬化した膜より成り、かつバイ
ンダー樹脂として前記一般式[1],[2]または
[3]で示される構造の共重合体を含有する樹脂によっ
て構成される感光層よりなる電子写真感光体である。
【0046】従って本発明においては、保護層の硬度が
高く、耐久性に優れ、しかも保護層の塗布、光硬化によ
っても、感光体に亀裂の発生が全くなく、画像欠陥のな
い、高品位な画像が得られる電子写真感光体の提供が可
能となった。
【0047】さらに本発明においては、帯電器下放置に
よる感光体の劣化がないため、繰り返し耐久しても、画
像欠陥のない感光体を提供することができた。
【0048】図1に本発明の電子写真感光体を用いた一
般的な転写式電子写真装置の概略構成例を示した。
【0049】図において、1は像担持体としての本発明
のドラム型感光体であり軸1aを中心に矢印方向に所定
の周速度で回転駆動される。該感光体1はその回転過程
で帯電手段2によりその周面に正または負の所定電位の
均一帯電を受け、次いで露光部3にて不図示の像露光手
段により光像露光L(スリット露光・レーザービーム走
査露光など)を受ける。これにより感光体周面に露光像
に対応した静電潜像が順次形成されていく。
【0050】その静電潜像はついで現像手段4でトナー
現像されそのトナー現像像が転写手段5により不図示の
給紙部から感光体1と転写手段5との間に感光体1の回
転と同期取り出されて給紙された転写材Pの面に順次転
写されていく。
【0051】像転写を受けた転写材Pは感光体面から分
離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けて複写
物(コピー)として機外へプリントアウトされる。
【0052】像転写後の感光体1の表面はクリーニング
手段6にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化さ
れ、更に前露光手段7により除電処理されて繰り返して
像形成に使用される。
【0053】感光体1の均一帯電手段2としてはコロナ
帯電装置が一般に広く使用されている。また転写装置5
もコロナ転写手段が一般に広く使用されている。電子写
真装置として、上述の感光体や現像手段、クリーニング
手段などの構成要素のうち、複数のものを装置ユニット
として一体に結合して構成し、このユニットを装置本体
に対して着脱自在に構成しても良い。例えば、感光体1
とクリーニング手段6とを一体化してひとつの装置ユニ
ットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着
脱自在の構成にしても良い。このとき、上記の装置ユニ
ットの方に帯電手段および/または現像手段を伴って構
成しても良い。
【0054】光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプ
リンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や
透過光、あるいは原稿を読取り信号化し、この信号によ
りレーザビームの走査、LEDアレイの駆動、または液
晶シャッターアレイの駆動などにより行われる。
【0055】ファクシミリのプリンターとして使用する
場合には、光像露光Lは受信データをプリントするため
の露光になる。図2はこの場合の1例をブロック図で示
したものである。
【0056】コントローラ11は画像読取部10とプリ
ンター19を制御する。コントローラ11の全体はCP
U17により制御されている。画像読取部10からの読
取データは、送信回路13を通して相手局に送信され
る。相手局から受けたデータは受信回路12を通してプ
リンター19に送られる。画像メモリ16には所定の画
像データが記憶される。プリンタコントローラ18はプ
リンター19を制御している。14は電話である。
【0057】回線15から受信された画像情報(回線を
介して接続されたリモート端末からの画像情報)は、受
信回路12で復調された後、CPU17で復号処理が行
われ、順次画像メモリ16に格納される。そして、少な
くとも1ページの画像情報がメモリ16に格納される
と、そのページの画像記録を行なう。CPU17は、メ
モリ16より1ページの画像情報を読み出し、プリンタ
コントローラ18に復号化された1ページの画像情報を
送出する。プリンタコントローラ18は、CPU17か
らの1ページの画像情報を受け取るとそのページの画像
情報記録を行なうべく、プリンター19を制御する。
【0058】尚、CPU17は、プリンター19による
記録中に、次のページの受信を行なっている。
【0059】以上の様にして、画像の受信と記録が行な
われる。
【0060】本発明の電子写真感光体は電子写真複写機
に利用するのみならず、レーザービームプリンター、C
RTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、
レーザー製版など電子写真応用分野にも広く用いること
ができる。
【0061】
【実施例】以下に、具体的実施例を挙げて、本発明をさ
らに詳しく説明する。実施例中、部は重量部、%は重量
%を示す。
【0062】(実施例1)10%の酸化アンチモンを含
有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50
部、フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、
メタノール5部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシ
ロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3
000)0.002部をφ1mmガラスビーズを用いた
サンドミル装置で2時間分散して導電層用塗料を調製し
た。アルミニウムシリンダー(φ30mm×260m
m)上に、上記塗料を浸漬塗布し、140℃で30分間
乾燥させ、膜厚20μmの導電層を形成した。
【0063】次にアルコール可溶性共重合ナイロン樹脂
(平均分子量29000)10部、メトキシメチル化6
ナイロン樹脂(平均分子量32000)30部をメタノ
ール260部、ブタノール40部の混合溶媒中に溶解し
た。この調合液を上記導電層上に浸漬塗布して1μm厚
の下引層を設けた。
【0064】次に下記構造式のスチリル化合物10部及
【0065】
【化20】 前記例示共重合体No.[1]−1(重量平均分子量4
0000)10部をジクロルメタン20部、モノクロル
ベンゼン40部の混合溶媒中に溶解し、この溶液を上記
下引層上に浸漬塗布し、120℃で60分間乾燥させ、
膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
【0066】次に、下記構造式
【0067】
【化21】 のジスアゾ顔料4部、ポリビニルブチラール(ブチラー
ル化率68%、重量平均分子量24000)2部および
シクロヘキサノン34部をφ1mmガラスビーズを用い
たサンドミル装置で12時間分散した後、テトラヒドロ
フラン(THF)60部を加えて電荷発生層用分散液を
調製した。この分散液を上記電荷輸送層上にスプレー塗
布し、80℃で15分間乾燥させ、膜厚0.15μmの
電荷発生層を形成し、積層型の感光層を得た。
【0068】次に前記例示アクリル系モノマー(21)
60部、分散前の平均粒径が400Åの酸化スズ超微粒
子30部、光開始剤として2−メチルチオキサントン
0.1部及びメタノール100部、メチルセルソルブ2
00部を混合してサンドミルにて48時間分散を行なっ
た。
【0069】この混合液を用いて先の感光層上にビーム
コーティング法により、膜を成膜し、乾燥した後、高圧
水銀灯にて8mW/cm2 の光強度で20秒間光硬化を
行ない保護層を得た。このときの保護層の膜厚は4μm
であった。また保護層調合液の分散性は良く、保護層表
面はムラのない均一な面であった。
【0070】このようにして製造した電子写真感光体を
帯電−露光−現像−転写−クリーニングのプロセスを
1.5秒サイクルで繰り返す正現像方式の複写機にとり
つけ、常温常湿下で電子写真特性の評価を行ない、さら
に繰り返し画像出し耐久を10000回行なった。
【0071】その結果は表1に示す通り比較例1に示す
保護層なしの感光体と比較して感度、残留電位は同等で
あり、ムラや黒ポチのない安定した画像を保つことがで
きた。さらに本発明の感光体においては、黒帯(黒色帯
状の画像欠陥)などの画像欠陥の生じない安定した画像
を得ることができた。
【0072】(実施例2〜5)実施例1において電荷輸
送層中のバインダー樹脂として各々、前記例示共重合体
No.[1]−8,[1]−9,[1]−10,[1]
−12を用い、保護層中のアクリル系モノマーとして前
記例示モノマー(4),(8),(11),(14)を
用いた他は実施例1と同様にして感光体を作製し、評価
を行なった。その結果を表1に示す。
【0073】(実施例6)実施例1と同様の方法でアル
ミニウムシリンダー上に導電層及び下引層を設けた。
【0074】次に下記構造式
【0075】
【化22】 のジスアゾ顔料4部、ポリビニルベンザール(ベンザー
ル化率80%、重量平均分子量11000)2部、及び
シクロヘキサノン30部をφ1mmガラスビーズを用い
たサンドミル装置で20時間分散した後、メチルエチル
ケトン60部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。
この分散液を上記下引層上にスプレー塗布し、80℃で
15分間乾燥させ、膜厚0.10μmの電荷発生層を形
成した。
【0076】次に実施例1と同様の電荷輸送材料10部
及び前記例示共重合体No.[1]−2(重量平均分子
量15000)10部をジクロルメタン20部、モノク
ロルベンゼン40部の混合溶媒中に溶解し、この液を前
記下引層上に浸漬塗布し、120℃で60分間乾燥さ
せ、膜厚15μmの電荷輸送層を形成した。
【0077】この電荷輸送層上に実施例1と同様の保護
層を設け、電子写真感光体を得た。
【0078】このように製造した電子写真感光体を帯電
−レーザー露光−現像−転写−クリーニングのプロセス
を1.5秒サイクルで繰り返す反転現像方式のレーザー
プリンタに取り付け、常温常湿下で電子写真特性の評価
を行ない、さらに繰り返し画像出し耐久を10000回
行なった。
【0079】結果を表1に示す。
【0080】(実施例7)実施例6において電荷発生層
と電荷輸送層の積層の順序を逆にした他は実施例6と全
く同様の方法で感光層を形成した後、保護層として前記
例示アクリル系モノマー(20)を20部、メタノール
30部、メトキシプロパノール50部及び光開始剤とし
て2−メチルチオキサントン2部の混合液を浸漬塗布
し、60℃で1時間乾燥した後、実施例1と同様の方法
で高圧水銀灯にて硬化した。このときの保護層の膜厚は
0.8μmであった。この感光体を帯電極性が逆な他は
実施例6と同様の評価機により同様の評価を行なった。
【0081】結果を表1に示す。
【0082】(比較例1)実施例1において保護層を形
成しなかった他は、実施例1と同様に感光体を作成し、
実施例1と同様に評価を行った。その結果、表4に示す
ように初期の電子写真特性は良かったが、耐久を行った
ところ300枚で、表面の電荷発生層が削れ、良好な画
像を得ることが困難となった。
【0083】結果を表1に示す。
【0084】(比較例2)実施例1において保護層中の
バインダー樹脂をポリカーボネート樹脂に変えた他は実
施例1と同様に感光体を作製した。この感光体を用い
て、実施例1と同様の評価を行った。
【0085】結果を表1に示す。
【0086】(比較例3〜5)実施例2において電荷輸
送層のバインダー樹脂として各々ポリスチレン(重量平
均分子量45000)、ポリカーボネート(重量平均分
子量35000)、ポリメチルメタクリレート(重量平
均分子量60000)を用いた他は実施例2と同様にし
て感光体を作製し、評価を行なった。
【0087】結果を表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】(実施例8)10%の酸化アンチモンを含
有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50
部、フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、
メタノール5部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシ
ロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3
000)0.002部をφ1mmガラスビーズを用いた
サンドミル装置で2時間分散して導電層用塗料を調製し
た。アルミニウムシリンダー(φ30mm×260m
m)上に、上記塗料を浸漬塗布し、140℃で30分間
乾燥させ、膜厚20μmの導電層を形成した。
【0090】次にアルコール可溶性共重合ナイロン樹脂
(平均分子量29000)10部、メトキシメチル化6
ナイロン樹脂(平均分子量32000)30部をメタノ
ール260部、ブタノール40部の混合溶媒中に溶解し
た。この調合液を上記導電層上に浸漬塗布して1μm厚
の下引層を設けた。
【0091】次に下記構造式のスチリル化合物10部及
び前記例示共重合体No.[2]−
【0092】
【化23】 1(重量平均分子量40000)10部をジクロルメタ
ン20部、モノクロルベンゼン40部の混合溶媒中に溶
解し、この溶液を上記下引層上に浸漬塗布し、120℃
で60分間乾燥させ、膜厚18μmの電荷輸送層を形成
した。
【0093】次に、下記構造式、
【0094】
【化24】 のジスアゾ顔料4部、ポリビニルブチラール(ブチラー
ル化率68%、重量平均分子量24000)2部および
シクロヘキサノン34部をφ1mmガラスビーズを用い
たサンドミル装置で12時間分散した後、テトラヒドロ
フラン(THF)60部を加えて電荷発生層用分散液を
調製した。この分散液を上記電荷輸送層上にスプレー塗
布し、80℃で15分間乾燥させ、膜厚0.15μmの
電荷発生層を形成し、積層型の感光層を得た。
【0095】次に前記例示アクリル系モノマー(21)
60部、分散前の平均粒径が400Åの酸化スズ超微粒
子30部、光開始剤として2−メチルチオキサントン
0.1部及びメタノール100部、メチルセルソルブ2
00部を混合してサンドミルにて48時間分散を行なっ
た。
【0096】この調合液を用いて先の感光層上にビーム
コーティング法により、膜を成膜し、乾燥した後、高圧
水銀灯にて8mW/cm2 の光強度で20秒間光硬化を
行ない保護層を得た。このときの保護層の膜厚は4μm
であった。また保護層調合液の分散性は良く、保護層表
面はムラのない均一な面であった。
【0097】このようにして製造した電子写真感光体を
帯電−露光−現像−転写−クリーニングのプロセスを
1.5秒サイクルで繰り返す正現像方式の複写機にとり
つけ、常温常湿下で電子写真特性の評価を行ない、さら
に繰り返し画像出し耐久を10000回行なった。
【0098】その結果は表2に示す通り比較例6に示す
保護層なしの感光体と比較して感度、残留電位は同等で
あり、ムラや黒ポチのない安定した画像を保つことがで
きた。さらに本発明の感光体においては、黒帯(黒色帯
状の画像欠陥)などの画像欠陥の生じない安定した画像
を得ることができた。
【0099】(実施例9〜12)実施例8において電荷
輸送層中のバインダー樹脂として各々、前記例示共重合
体No.[2]−5,[2]−7,[2]−9,[2]
−13を用い、保護層中のアクリル系モノマーとして前
記例示モノマー(2),(7),(13),(15)を
用いた他は実施例8と同様にして感光体を作製し、評価
を行なった。その結果を表2に示す。
【0100】(実施例13)実施例8と同様の方法でア
ルミニウムシリンダー上に導電層及び下引層を設けた。
【0101】次に下記構造式
【0102】
【化25】 のジスアゾ顔料4部、ポリビニルベンザール(ベンザー
ル化率80%、重量平均分子量11000)2部、及び
シクロヘキサノン30部をφ1mmガラスビーズを用い
たサンドミル装置で20時間分散した後、メチルエチル
ケトン60部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。
この分散液を上記下引層上にスプレー塗布し、80℃で
15分間乾燥させ、膜厚0.10μmの電荷発生層を形
成した。
【0103】次に実施例8と同様の電荷輸送材料10部
及び前記例示共重合体No.[2]−2(重量平均分子
量15000)10部をジクロルメタン20部、モノク
ロルベンゼン40部の混合溶媒中に溶解し、この液を前
記下引層上に浸漬塗布し、120℃で60分間乾燥さ
せ、膜厚15μmの電荷輸送層を形成した。
【0104】この電荷輸送層上に実施例8と同様の保護
層を設け、電子写真感光体を得た。
【0105】このように製造した電子写真感光体を帯電
−レーザー露光−現像−転写−クリーニングのプロセス
を1.5秒サイクルで繰り返す反転現像方式のレーザー
プリンタに取り付け、常温常湿下で電子写真特性の評価
を行ない、さらに繰り返し画像出し耐久を10000回
行なった。
【0106】結果を表2に示す。
【0107】(実施例14)実施例13において電荷発
生層と電荷輸送層の積層の順序を逆にした他は実施例1
3と全く同様の方法で感光層を形成した後、保護層とし
て前記例示アクリル系モノマー(20)を20部、メタ
ノール30部、メトキシプロパノール50部及び光開始
剤として2−メチルチオキサントン2部の混合液を浸漬
塗布し、60℃で1時間乾燥した後、実施例8と同様の
方法で高圧水銀灯にて硬化した。このときの保護層の膜
厚は0.8μmであった。この感光体を帯電極性が逆な
他は実施例13と同様の評価機により同様の評価を行な
った。
【0108】結果を表2に示す。
【0109】(比較例6)実施例8において保護層を形
成しなかった他は、実施例8と同様に感光体を作成し、
実施例8と同様に評価を行った。その結果、表2に示す
ように初期の電子写真特性は良かったが、耐久を行った
ところ300枚で、表面の電荷発生層が削れ、良好な画
像を得ることが困難となった。
【0110】結果を表2に示す。
【0111】(比較例7)実施例8において保護層中の
バインダー樹脂をポリカーボネート樹脂に変えた他は実
施例8と同様に感光体を作製した。この感光体を用い
て、実施例8と同様の評価を行った。
【0112】結果を表2に示す。
【0113】(比較例8〜10)実施例9において電荷
輸送層のバインダー樹脂として各々ポリスチレン(重量
平均分子量45000)、ポリカーボネート(重量平均
分子量35000)、ポリメチルメタクリレート(重量
平均分子量60000)を用いた他は実施例9と同様に
して感光体を作製し、評価を行なった。
【0114】結果を表2に示す。
【0115】
【表2】
【0116】(実施例15)10%の酸化アンチモンを
含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50
部、フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、
メタノール5部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシ
ロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3
000)0.002部をφ1mmガラスビーズを用いた
サンドミル装置で2時間分散して導電層用塗料を調製し
た。アルミニウムシリンダー(φ30mm×260m
m)上に、上記塗料を浸漬塗布し、140℃で30分間
乾燥させ、膜厚20μmの導電層を形成した。
【0117】次にアルコール可溶性共重合ナイロン樹脂
(平均分子量29000)10部、メトキシメチル化6
ナイロン樹脂(平均分子量32000)30部をメタノ
ール260部、ブタノール40部の混合溶媒中に溶解し
た。この調合液を上記導電層上に浸漬塗布して1μm厚
の下引層を設けた。
【0118】次に下記構造式のスチリル化合物10部及
び前記例示共重合体No.[2]−
【0119】
【化26】 1(重量平均分子量40000)10部をジクロルメタ
ン20部、モノクロルベンゼン40部の混合溶媒中に溶
解し、この溶液を上記下引層上に浸漬塗布し、120℃
で60分間乾燥させ、膜厚18μmの電荷輸送層を形成
した。
【0120】次に、下記構造式、
【0121】
【化27】 のジスアゾ顔料4部、ポリビニルブチラール(ブチラー
ル化率68%、重量平均分子量24000)2部および
シクロヘキサノン34部をφ1mmガラスビーズを用い
たサンドミル装置で12時間分散した後、テトラヒドロ
フラン(THF)60部を加えて電荷発生層用分散液を
調製した。この分散液を上記電荷輸送層上にスプレー塗
布し、80℃で15分間乾燥させ、膜厚0.15μmの
電荷発生層を形成し、積層型の感光層を得た。
【0122】次に前記例示アクリル系モノマー(3)6
0部、分散前の平均粒径が400Åの酸化スズ超微粒子
30部、光開始剤として2−メチルチオキサントン0.
1部及びメタノール100部、メチルセルソルブ200
部を混合してサンドミルにて24時間分散を行なった。
【0123】この調合液を用いて先の感光層上にビーム
コーティング法により、膜を成膜し、乾燥した後、高圧
水銀灯にて8mW/cm2 の光強度で20秒間光硬化を
行ない保護層を得た。このときの保護層の膜厚は3μm
であった。また保護層調合液の分散性は良く、保護層表
面はムラのない均一な面であった。
【0124】このようにして製造した電子写真感光体を
帯電−露光−現像−転写−クリーニングのプロセスを
1.5秒サイクルで繰り返す正現像方式の複写機にとり
つけ、常温常湿下で電子写真特性の評価を行ない、さら
に繰り返し画像出し耐久を10000回行なった。
【0125】その結果は表4に示す通り比較例11に示
す保護層なしの感光体と比較して感度、残留電位は同等
であり、ムラや黒ポチのない安定した画像を保つことが
できた。さらに本発明の感光体においては、黒帯(黒色
帯状の画像欠陥)などの画像欠陥の生じない安定した画
像を得ることができた。
【0126】(実施例16〜19)実施例15において
電荷輸送層中のバインダー樹脂として各々、前記例示共
重合体No.[3]−2,[3]−6,[3]−8,
[3]−10を用い、保護層中のアクリル系モノマーと
して前記例示モノマー(2),(7),(13),(1
5)を用いた他は実施例15と同様に感光体を作製し、
評価を行なった。その結果を表4に示す。
【0127】(実施例20)実施例15と同様の方法で
アルミニウムシリンダー上に導電層及び下引層を設け
た。
【0128】次に下記構造式
【化28】 のジスアゾ顔料4部、ポリビニルベンザール(ベンザー
ル化率80%、重量平均分子量11000)2部、及び
シクロヘキサノン30部をφ1mmガラスビーズを用い
たサンドミル装置で20時間分散した後、メチルエチル
ケトン60部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。
この分散液を上記下引層上にスプレー塗布し、80℃で
15分間乾燥させ、膜厚0.10μmの電荷発生層を形
成した。
【0129】次に実施例15と同様の電荷輸送材料10
部及び前記例示共重合体No.[3]−2(重量平均分
子量15000)10部をジクロルメタン20部、モノ
クロルベンゼン40部の混合溶媒中に溶解し、この液を
前記下引層上に浸漬塗布し、120℃で60分間乾燥さ
せ、膜厚15μmの電荷輸送層を形成した。
【0130】この電荷輸送層上に実施例15と同様の保
護層を設け、電子写真感光体を得た。
【0131】このように製造した電子写真感光体を帯電
−レーザー露光−現像−転写−クリーニングのプロセス
を1.5秒サイクルで繰り返す反転現像方式のレーザー
プリンタに取り付け、常温常湿下で電子写真特性の評価
を行ない、さらに繰り返し画像出し耐久を10000回
行なった。
【0132】結果を表3に示す。
【0133】(実施例21)実施例20において電荷発
生層と電荷輸送層の積層の順序を逆にした他は実施例2
0と全く同様の方法で感光層を形成した後、保護層とし
て前記例示アクリル系モノマー(20)を20部、メタ
ノール30部、メトキシプロパノール50部及び光開始
剤として2−メチルチオキサントン2部の混合液を浸漬
塗布し、60℃で1時間乾燥した後、実施例15と同様
の方法で高圧水銀灯にて硬化した。このときの保護層の
膜厚は1.0μmであった。この感光体を帯電極性が逆
な他は実施例20と同様の評価機により同様の評価を行
なった。
【0134】結果を表3に示す。
【0135】(比較例11)実施例15において保護層
を形成しなかった他は、実施例15と同様に感光体を作
成し、実施例15と同様に評価を行った。その結果、表
3に示すように初期の電子写真特性は良かったが、耐久
を行ったところ300枚で、表面の電荷発生層が削れ、
良好な画像を得ることが困難となった。
【0136】結果を表3に示す。
【0137】(比較例12)実施例15において保護層
中のバインダー樹脂をポリカーボネート樹脂に変えた他
は実施例15と同様に感光体を作製した。この感光体を
用いて、実施例15と同様の評価を行った。
【0138】結果を表3に示す。
【0139】(比較例13〜15)実施例16において
電荷輸送層のバインダー樹脂として各々ポリスチレン
(重量平均分子量45000)、ポリカーボネート(重
量平均分子量35000)、ポリメチルメタクリレート
(重量平均分子量60000)を用いた他は実施例16
と同様にして感光体を作製し、評価を行った。
【0140】結果を表3に示す。
【0141】
【表3】
【0142】
【発明の効果】本発明によれば、硬度が高く耐久性に富
む保護層を感光体の亀裂が発生しない状況で形成するこ
とができ、初期から繰り返し耐久後まで画像欠陥、画像
ムラのない安定した高品位な画像を提供できる電子写真
感光体が作製可能となった。
【0143】さらに保護層に導電性金属酸化物微粒子を
分散することもでき、その良好な分散性と分散安定性に
より、耐久性が高く、かつ残留電位もなく、より高品位
な画像を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な転写式電子写真装置の概略構成図であ
る。
【図2】電子写真装置をプリンターとして使用したファ
クシミリのブロック図である。
【符号の説明】
1 感光体 2 帯電手段 3 露光部 4 現像手段 5 転写手段 6 クリーニング手段 7 前露光手段 8 像定着手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 活水 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 辻 晴之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 間山 進也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−91240(JP,A) 特開 昭57−207258(JP,A) 特開 昭59−46652(JP,A) 特開 平4−149557(JP,A) 特開 平4−149558(JP,A) 特開 昭61−117561(JP,A) 特開 平1−183666(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00 H04N 1/29

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層及び保護層を有
    する電子写真感光体において、該保護層が光硬化型アク
    リル系モノマーを含有する液を硬化した膜であり、かつ
    該感光層がバインダー樹脂として下記一般式[1],
    [2]及び[3]で示される共重合体よりなる群より選
    ばれる1種の共重合体を含有することを特徴とする電子
    写真感光体。 【化1】 (式中、Aは炭素数1〜10の直鎖、分岐もしくは環状
    のアルキリデン基、アルキレン基、アリール置換アルキ
    レン基、アリーレン基、−O−,−CO−,−S−,−
    SO−または−SO2 −を示し、R1 ないしR6 は水素
    原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラル
    キル基またはアルケニル基を示し、R7 は炭素数1〜1
    0の直鎖、分岐もしくは環状のアルキリデン基、アルキ
    レン基、アリール置換アルキレン基またはアリーレン基
    を示し、nは正の整数を示し、xは0.05≦x≦0.
    9である) 【化2】 (式中、Bは炭素数1〜10の直鎖、分岐もしくは環状
    のアルキリデン基、アルキレン基、アリール置換アルキ
    レン基、アリーレン基、−CO−,−SO−または−S
    2 −を示し、R11ないしR16は水素原子、ハロゲン原
    子、アルキル基、アリール基、アラルキル基またはアル
    ケニル基を示し、yは0.05≦y≦0.9である) 【化3】 (式中、B,R11ないしR18、及びyは一般式[2]に
    おけるのと同義である)
  2. 【請求項2】 前記保護層が前記光硬化型アクリル系モ
    ノマーを含有する液に導電性金属酸化物微粒子を分散し
    た液を硬化した膜である請求項1記載の電子写真感光
    体。
  3. 【請求項3】 前記光硬化型アクリル系モノマーの官能
    基数が1分子当たり3以上である請求項1記載の電子写
    真感光体。
  4. 【請求項4】 前記光硬化型アクリル系モノマーの官能
    基数が0.004mol/g以上である請求項1記載の
    電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記一般式[1]におけるA並びに一般
    式[2]および[3]におけるBが、下記に示される構
    造から選ばれる1種である請求項1記載の電子写真感光
    体。 【化4】
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5記載の電子写真感光体
    を有することを特徴とする電子写真装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし5記載の電子写真感光体
    を有し、かつリモート端末からの画像情報を受信する受
    信手段を有することを特徴とするファクシミリ。
JP4191360A 1992-06-26 1992-06-26 電子写真感光体、それを有する電子写真装置及びファクシミリ Expired - Fee Related JP3050701B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4191360A JP3050701B2 (ja) 1992-06-26 1992-06-26 電子写真感光体、それを有する電子写真装置及びファクシミリ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4191360A JP3050701B2 (ja) 1992-06-26 1992-06-26 電子写真感光体、それを有する電子写真装置及びファクシミリ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0611877A JPH0611877A (ja) 1994-01-21
JP3050701B2 true JP3050701B2 (ja) 2000-06-12

Family

ID=16273287

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4191360A Expired - Fee Related JP3050701B2 (ja) 1992-06-26 1992-06-26 電子写真感光体、それを有する電子写真装置及びファクシミリ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3050701B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8450035B2 (en) * 2006-08-08 2013-05-28 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Electrophotographic photosensitive body
US9753385B2 (en) 2015-02-27 2017-09-05 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, method for manufacturing electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
EP3062153B1 (en) * 2015-02-27 2018-09-26 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, method for manufacturing electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
CN106928280A (zh) 2015-12-29 2017-07-07 广东广山新材料股份有限公司 一种磷腈化合物、包含其的组合物、预浸板和线路板
JP6946099B2 (ja) 2016-08-01 2021-10-06 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
US10416581B2 (en) * 2016-08-26 2019-09-17 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0611877A (ja) 1994-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3287678B2 (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有する電子写真装置及び装置ユニット
US5391449A (en) Electrophotographic photosensitive member
EP0606035B1 (en) Electrophotographic photosensitive member, electrophotographic apparatus and device unit having it
KR0158921B1 (ko) 전자 사진용 감광성 부재, 이를 사용한 전자 사진 장치 및 장치 유닛
JPH0540360A (ja) 電子写真感光体
JPH05100464A (ja) 電子写真感光体、それを用いた電子写真装置、装置ユニツト及びフアクシミリ
JP3126889B2 (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置
JP2896823B2 (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリ
JP3050701B2 (ja) 電子写真感光体、それを有する電子写真装置及びファクシミリ
JP3253205B2 (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有する電子写真装置および装置ユニット
JP2821318B2 (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリ
JPH06308756A (ja) 電子写真感光体
JPH08160640A (ja) 電子写真感光体及び該電子写真感光体を備えた電子写真装置
JP3184692B2 (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有する電子写真装置および装置ユニット
JP2801427B2 (ja) 電子写真感光体、それを用いた電子写真装置およびファクシミリ
JP3050673B2 (ja) 電子写真感光体およびそれを有する電子写真装置
JP2839112B2 (ja) 電子写真感光体、それを用いた複写機及びファクシミリ
JPH0619176A (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリ
JPH11212291A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP3337747B2 (ja) 電子写真感光体及びそれを有する電子写真装置
JP3192550B2 (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有する電子写真装置及びプロセスカートリッジ
JPH0675415A (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有する電子写真装置及び装置ユニット
JP3297518B2 (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有する電子写真装置及び装置ユニット
JP2887209B2 (ja) 電子写真感光体
JP3294935B2 (ja) 電子写真感光体及び電子写真装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080331

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090331

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100331

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100331

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110331

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees