JP3191569B2 - 複合床版、その施工方法、及び複合床版の継手部 - Google Patents
複合床版、その施工方法、及び複合床版の継手部Info
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Description
構成し、内部に充填材を充填した複合床版、その施工方
法、及び継手部に関するものであり、橋梁等に用いられ
る。
C床版、鋼床版、合成床版等がある。
及びコンクリート16により構成されており、圧縮に対
しては主としてコンクリート16が抵抗し、引張に対し
ては鉄筋15が抵抗している。
組み合わせることにより構成されている。床版面を構成
する鋼板17、縦リブ18及び横リブ19がそれぞれ溶
接され、所定の耐荷力を発揮している。
果的に利用した構造であり、様々な構造が開発されてい
る。図14はその一例を示したものであり、底鋼板20
とコンクリート21がずれ止め22により合成され、床
版上部には鉄筋23が配筋されている。
において型枠を組み立てる必要があること、養生の期間
が長いこと等から現場工期が長くなる傾向にある。さら
に、RC床版の主構造であるコンクリートは繰り返し荷
重によりひび割れが生じ、床版としての機能が損なわれ
やすい形式である。その結果、床版の取り替え、補修の
時期が早くなるとともに、その工事が非常に困難であ
る。
という利点を有しているが、数多くの部材の組み合わせ
により構成されているため、工場における製作・組立の
加工度が非常に高く、経済的に不利になる傾向にある。
生かして耐荷力の向上を図っているが、RC床版同様、
主部材にコンクリートを使用しているため、架設現場に
おける工期が長くなること、床版の取り替え、補修の時
期が早くなること等の課題を残している。
課題である架設現場における工期の長期化、床版損傷頻
度の高さ、及び鋼床版の課題である工場における製作・
組立加工度の増大傾向を解決する複合床版の構造、及び
それに適した施工方法、継手部の構造を提供することを
目的としたものである。
主構造を底鋼板と、その上面に所要間隔で並列配置した
複数本の形鋼、及び隣接する形鋼間に架け渡した連結鋼
板とで構成し、底鋼板と連結鋼板との間に形成される中
空部に補強材または補剛材としての充填材を充填したも
のである。
ばT形鋼、H形鋼、溝形鋼等を用いることができ、通
常、工場等で形鋼の下縁または下フランジを溶接等によ
り底鋼板に接合する。
機能を期待したものではなく、底鋼板や形鋼等の鋼材か
らなる主構造を中空部の内側から補強、補剛するために
用いている。
泡コンクリート、軽量コンクリート、発泡スチロール等
の有機系発泡材等が使用可能であり、床版の取扱いの容
易さを考えた場合には軽量なものが望ましい。
場で実施した後、現場に搬入する方法と、鋼殻のみを工
場で製作し、架設の後、現場で充填する方法とがある。
の施工方法は、請求項1記載の複合床版を施工するに当
り、底鋼板と、その上面に所要間隔で並列配置した複数
本の形鋼と、隣接する形鋼間に架け渡した連結鋼板と
で、底鋼板と連結鋼板との間に中空部を形成した鋼殻を
所定位置に架設した後、中空部に超流動コンクリートを
充填することにより複合床版を施工するものである。
流動性が高くスランプフロー値が40cm以上であるとと
もに、水平方向の移動に対しても十分な分離抵抗性を有
するコンクリートをいう。
ては、フライアッシュ微粉末、高炉スラグ微粉末等の混
和材を用い、さらに界面活性剤、高性能減水剤等の混和
剤を添加したものが種々開発されており、ハイパーフォ
ーマンスコンクリート、高流動性コンクリートとも呼ば
れている。
超流動軽量骨材コンクリートとすることも可能である。
の継手部は、請求項1記載の複合床版の形鋼に平行する
方向の継手部に関するものであり、隣り合う複合床版の
底鋼板どうしを、形鋼方向に連続する底鋼板用下側添接
板と底鋼板用上側添接板とで挟み込んで高力ボルト摩擦
接合により接合する。
板を有する形鋼直角方向の仕切り鋼板が一体化されてお
り、この仕切り鋼板と形鋼に設けた縦リブ間を両面から
添接板を当てて高力ボルト摩擦接合する。
フランジ上に溶接し、このように形成された鋼殻の底鋼
板と連結鋼板間の中空部に充填材を充填することで継手
部を形成する。
記載の継手部において、さらに底鋼板用上側添接板に形
鋼方向の補剛材を一体化したものである。
の鋼製部材で構成し、従来の鋼床版に必要な縦リブ、横
リブ、その他の補剛材の機能を軽量コンクリート等の充
填材の充填効果で担っている。その結果、構成部材数を
削減することが可能となり、工場における製作・組立加
工度が低減できる。
填することも可能であり、その場合、架設現場において
は一部主桁との取り合い部分にコンクリート等を打設す
るだけでよく、架設現場における工期短縮が図れる。
リートを用いた場合においても、充填材を主部材として
期待しておらず、主構造を構成する鋼製部材の補強材ま
たは補剛材としてのみ考慮している。従って、繰り返し
荷重が作用したときにひび割れが生じても床版としての
機能が損なわれることはなく、鋼床版と同様、床版の耐
久性が長期にわたり十分に期待できる構造である。
用について述べると、請求項1記載の複合床版における
充填材の材料としては、普通コンクリート、発泡コンク
リート、軽量骨材コンクリート、あるいは有機系の発泡
材等が考えられるが、このうち発泡コンクリート及び有
機系の発泡材では、繰り返し荷重の作用による充填材の
磨耗や体積の減少により、特に連結鋼板と充填材との間
に空隙が生ずる場合が考えられ、大型トラックが頻繁に
通行するような厳しい条件の場合には適当でない場合が
ある。
は、普通コンクリートもしくは軽量骨材コンクリート等
を用いることとなる。その場合、コンクリートの充填を
工場で行って、現場に搬入・架設するとすると、充填作
業は容易に実施できるものの、充填材の単位体積重量は
普通コンクリートで約2.35t/m3、軽量骨材コンクリ
ートで1.7〜1.9t/m3であり、鋼殻のみの場合と比
較して重量が3倍程度となり、運搬・架設等の取扱いが
困難である。
ンクリートを充填する場合、鋼殻は連結鋼板により上面
が覆われているため、コンクリートは上面の一部に設け
られたコンクリート打設孔から流し込み、水平方向に移
動させて充填する必要がある。
悪く、コンクリートを確実に充填することが困難であ
る。特に、連結鋼板の下面とコンクリートとの間に隙間
が生じ、充填材の本来の目的である鋼製部材に対する補
強もしくは補剛の目的を果たせなくなる。また、通常の
コンクリートでは打設に際して水平方向に移動させる
と、材料が分離し、品質が低下する。
工方法によれば、運搬や架設に際しては、鋼殻のみであ
るため、軽量で取扱いが容易であるとともに、鋼殻の架
設後、超流動コンクリートを充填することにより、確実
かつ容易な充填が可能であり、現場作業の省力化と工期
の短縮が可能となる。
の継手部の作用について述べると、請求項1記載の複合
床版を現場に搬入する際、トラック輸送の寸法制限等か
ら、床版の幅は通常約2.5m以下に制限されてしまう
ため、形鋼方向の現場継手が必要となる。
して、最も簡単なものは隣接するパネル間において形鋼
のフランジを突き合せ溶接あるいは高力ボルト摩擦接合
により接合するものであるが、その場合、継手部におけ
る形鋼直角方向の剛性及び強度が本体部と比較して極端
に小さくなる場合がある。
荷重が作用した場合、継手部における形鋼直角方向への
荷重分散効果が期待できず、作用位置近傍の床版のみで
荷重を負担することにより、局部的な床版形鋼方向発生
モーメントが増加する。
より継手部が変形し、床版上の舗装が損傷するととも
に、繰り返し荷重の作用によっては継手部が損傷するこ
とも考えられる。
部によれば、複合床版の底鋼板及び形鋼直角方向に設け
られた仕切り鋼板を、摩擦接合により直接連結した上、
連結鋼板を形鋼間に架け渡すことができるとともに、形
鋼直角方向の仕切り鋼板は下部が添接板に結合されてお
り、添接板を介して底鋼板と結合されているため、形鋼
直角方向にも十分な剛性を有し、床版本体部と同等の形
鋼直角方向剛性及び強度を有する現場継手とすることが
できる。
場合には、添接板に補剛材を設けることにより、接合部
にも本体部と同等の補剛効果が期待できる。
に適用した場合の一実施例を示したものである。床版下
面全体に配置されている底鋼板1と底鋼板1の上面に並
列配置された形鋼2(本実施例ではT形鋼)が床版に必
要とされる耐荷力を発揮し、形鋼2上面を連結している
連結鋼板3は、床版上面を形成するとともに形鋼2の形
状保持の効果を担っている。
によって形成される中空部内に充填した充填材4は、床
版上面を形成する連結鋼板3を支持するとともに形鋼2
の形状維持効果を果たしている。
へ搬入することにより、現場作業の工期短縮が図れる
が、鋼製のパネルのみを工場で製作し、架設の後、現場
で充填することも可能である。
接合されており、主桁6と底鋼板1との隙間には型枠7
を側面にあてがい無収縮モルタル8を充填することによ
り密着させている。
したもので、主桁6に溶植したずれ止め9が接合機能を
果たしている。なお、型枠7は左右にスライド可能であ
り、主桁6上フランジの端部にゴム片10を介して密着
している。
ル形状で架設現場に搬入した後、一体化するのが運搬上
も有利であるが、その際のパネル間継手の構造として、
比較的簡易なものを図3〜図5に示す。
鋼に平行する方向の継手)の例を示したもので、図3は
形鋼2の上フランジ相互を溶接11により一体化した場
合、図4は形鋼2の上フランジ相互をボルト12により
一体化した場合である。
方向の継手)の例を示したもので、橋軸方向は基本的に
橋梁の主桁6上で接合する。この例では底鋼板1に取り
付けたボルト14により、充填材4の上面に設置した連
結板13を締め付け、一体化している。
一実施例を示したものである。
と底鋼板1の上面に並列配置された形鋼2が床版に必要
とされる耐荷力を発揮し、形鋼2上面を連結している連
結鋼板3は、床版上面を形成するとともに、形鋼2の形
状保持の役割を担っている点、さらに底鋼板1、形鋼2
及び連結鋼板3によって形成される中空部内に充填した
充填材4が、床版上面を形成する連結鋼板3を支持する
とともに、形鋼2の形状維持効果を果たしている点は、
図1の場合と同様である。
鋼殻中空部は、形鋼2と、適当な間隔に設けられた鋼製
の仕切壁31によって仕切られ、それぞれ独立する隔室
が形成されている。各隔室には連結鋼板3上に、1つの
コンクリート打設孔32と1つもしくは複数の空気抜き
孔33を設けている。
孔32の周辺部を嵩上げするカラー34を設けている。
打設孔32は、隔室の端部に、また、空気抜き孔33は
打設孔32から最も離れた端部に設けられる。あるい
は、打設孔32を隔室の中心付近に設け、隔室の周辺部
に空気抜き孔33を設ける場合もある。
た後、桁6上に架設される。その後、打設孔32から超
流動コンクリートを打設する。この際、超流動コンクリ
ートは打設孔32付近から水平移動し、空気を押し出し
ながら中空部を充填する。充填の最後には打設孔32に
設けたカラー34にも超流動コンクリートを満たし、カ
ラーの高さ分増加したコンクリートの重量により、空気
抜き孔33からオーバーフローさせて充填を完全なもの
とする。
34等を撤去し、打設孔32及び空気抜き孔33の表面
を平坦に仕上げて、完成させる。
打ち込む必要がある。また、超流動コンクリートと言え
ども余りに長い距離の横移動をさせると材料の分離が発
生する可能性がある。従って、仕切壁31の位置は一度
に打設可能な超流動コンクリート量と、超流動コンクリ
ートの水平移動距離を考慮して決定する。
部の一実施例における継手部(形鋼2と平行する方向の
現場継手)の鋼材配置を示したものである。
される複合床版a,bを桁上に設置する。現場継手部に
おける複合床版a,bの底鋼板1には、形鋼2方向に所
定の間隔に1列もしくは複数列のボルト孔41を設けて
おく。また、形鋼2には、適当な間隔で縦リブ42を設
け、この縦リブ42には、適当な位置にボルト孔43を
設けておく。
添接板45及び高力ボルトにより摩擦接合される。底鋼
板用上側添接板44には、形鋼方向に所定の間隔で1列
もしくは複数列のボルト孔45を設けられ、ボルト孔4
6を有する形鋼直角方向の仕切り鋼板47と、この仕切
り鋼板47上のフランジ鋼板48が一体化されている。
a,bの形鋼2に設けられた縦リブ42どうしの間隔
と、また、フランジ鋼板48の長さは隣り合う複合床版
a,bに設けられた形鋼2の上フランジどうしの間隔と
概ね致する。
設けられた縦リブ42間は両面から当てた添接板49と
高力ボルトにより摩擦接合する。次に、形鋼2及び仕切
り鋼板47のフランジ鋼板48上に連結鋼板3を現場溶
接して、床版の構成部材を連結する。その後、底鋼板1
と連結鋼板3の間の中空部に充填材が充填され、現場継
手が完成する。
場合には、図10、図11に示すように、上側添接板4
4に補剛材50を溶接しておくことにより、床版本体部
と同等の補剛が可能となる。この例では補剛材としてT
形鋼を用いている。また、必要に応じて連結鋼板3にも
補剛材51を結合しておく。
場で行うことが可能であり、架設現場における作業の効
率化が図れる。
考慮されていないため、繰り返し荷重による充填材のひ
び割れ等が生じても耐荷力の劣化はなく、耐久性が高
い。
てや配筋作業が不要であるため、現場作業の省力化と工
期短縮が可能である。
架設する段階では重量が小さく、取扱いが容易であり、
超流動コンクリートを架設後に現場で打設することによ
り、確実かつ容易にコンクリートを充填することができ
る。
ることで、形鋼直角方向の剛性及び強度が、本体と同等
の現場継手が可能となる。また、形鋼直角方向の仕切り
鋼板等により充填区間を分割することも可能である。
である。
の一例を示す鉛直断面図である。
一例を示す斜視図である。
他の例を示す斜視図である。
を示す鉛直断面図である。
おける施工方法の概要を示す斜視図である。
向)の一実施例における継手部の鋼材配置を示す分解斜
視図である。
図である。
おける橋軸方向の鉛直断面図である。
ある。
る。
ある。
…取付穴、6…主桁、7…型枠、8…無収縮モルタル、
9…ずれ止め、10…ゴム片、11…溶接、12…ボル
ト、13…連結板、14…ボルト、15…鉄筋、16…
コンクリート、17…鋼板、18…縦リブ、19…横リ
ブ、20…底鋼板、21…コンクリート、22…ずれ止
め、23…鉄筋、31…仕切壁、32…打設孔、33…
空気抜き孔、34…カラー、a,b…複合床版、41…
ボルト孔、42…縦リブ、43…ボルト孔、44…上側
添接板、45…下側添接板、46…ボルト孔、47…仕
切り鋼板、48…フランジ鋼板、49…添接板、50…
補剛材、51…補剛材
Claims (4)
- 【請求項1】 主構造を底鋼板と、前記底鋼板の上面に
所要間隔で並列配置した複数本の形鋼と、隣接する前記
形鋼間に架け渡した連結鋼板とで構成し、前記底鋼板と
連結鋼板との間に形成される中空部内に補強材または補
剛材としての充填材を充填してあることを特徴とする複
合床版。 - 【請求項2】 底鋼板と、前記底鋼板の上面に所要間隔
で並列配置した複数本の形鋼と、隣接する前記形鋼間に
架け渡した連結鋼板とで、前記底鋼板と連結鋼板との間
に中空部を形成した鋼殻を所定位置に架設した後、前記
中空部に超流動コンクリートを充填することを特徴とす
る請求項1記載の複合床版の施工方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の複合床版の前記形鋼に平
行する方向の継手部であって、隣り合う複合床版の底鋼
板どうしを、前記形鋼方向に連続する底鋼板用下側添接
板と底鋼板用上側添接板とで挟み込んで高力ボルト摩擦
接合により接合し、前記底鋼板用上側添接板には上端に
フランジ鋼板を有する形鋼直角方向の仕切り鋼板が一体
化され、前記仕切り鋼板と前記形鋼に設けた縦リブ間を
両面から添接板を当てて高力ボルト摩擦接合し、前記形
鋼及び仕切り鋼板のフランジ上に連結鋼板を溶接し、前
記底鋼板と連結鋼板間の中空部に充填材を充填してなる
ことを特徴とする複合床版の継手部。 - 【請求項4】 底鋼板用上側添接板に形鋼方向の補剛材
を一体化してある請求項3記載の複合床版の継手部。
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JP17561594A JP3191569B2 (ja) | 1993-07-28 | 1994-07-27 | 複合床版、その施工方法、及び複合床版の継手部 |
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JPH0790970A JPH0790970A (ja) | 1995-04-04 |
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