JP3208530B2 - プレキャストコンクリート型枠及びこれを用いた構造体 - Google Patents

プレキャストコンクリート型枠及びこれを用いた構造体

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JP3208530B2
JP3208530B2 JP14126397A JP14126397A JP3208530B2 JP 3208530 B2 JP3208530 B2 JP 3208530B2 JP 14126397 A JP14126397 A JP 14126397A JP 14126397 A JP14126397 A JP 14126397A JP 3208530 B2 JP3208530 B2 JP 3208530B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、RC構造やSRC
構造における一般在来コンクリート打設工法の捨て型枠
として利用されるプレキャストコンクリート型枠、及び
これを用いて施工される壁,柱,梁等の構造体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、建築現場においては、型枠工の不
足や熱帯雨林の保全の面等から、合板型枠の代替品とし
て薄肉のプレキャストコンクリートからなる型枠を使用
する試みが盛んに行われている。
【0003】例えば、壁の型枠として用いられるプレキ
ャストコンクリート型枠としては、図15に示すよう
に、プレキャストコンクリート版151の後打ち(現場
打ち)コンクリート側の面にシア筋152を配設したも
のが知られている。かかるプレキャストコンクリート型
枠は、シア筋152によって後打ちコンクリートとの一
体化を図るものである。
【0004】また、柱若しくは梁の型枠として用いられ
るプレキャストコンクリート型枠としては、中空断面若
しくはU字状断面を有する型の内側に凹凸状のシアコッ
ターを形成したものが知られている。かかるプレキャス
トコンクリート型枠は、シアコッターによって後打ちコ
ンクリートとの一体化を図るものである。
【0005】これらのプレキャストコンクリート型枠は
捨て型枠として用いられ、型枠の解体・盛替え作業が不
要になり工期短縮が可能になるメリットがある。また、
例えば外壁の外型枠としてタイル等の仕上材を予め打込
んだプレキャストコンクリート型枠を用いることによ
り、外部仕上げの工程も不要になり大幅な工期短縮が可
能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したようなシア筋
を打ち込んだプレキャストコンクリート型枠は、比較的
厚く(80mm程度)、プレキャストコンクリート型枠
の一部の厚さ(通常はプレキャストコンクリートの厚さ
−30mm)を構造断面として扱えるメリットがある反
面重いため、運搬・据付けが容易ではなく、現場におけ
る施工性が悪かった。
【0007】また、シア筋は複雑に折り曲げ加工した複
数の鉄筋を溶接してトラス状に組み上げて作製するた
め、加工工数が非常に多く、量産化によるコスト面にお
けるメリットには限界があった。
【0008】本発明の目的は、薄肉化による軽量化、低
コスト化、更には現場施工性を向上し得る新規なプレキ
ャストコンクリート型枠を提供することである。
【0009】また、本発明の更なる目的は、薄肉であり
ながら、構造断面の一部を構成し得るプレキャストコン
クリート型枠を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、プレキャス
トコンクリート型枠の薄肉化・軽量化を図るに際し、プ
レキャストコンクリートの簡易な補強方法と共に、後打
ちコンクリートとの一体性確保、更には現場施工性につ
いて鋭意検討した結果、本発明に至ったものである。
【0011】すなわち、本発明第1は、平板状のプレキ
ャストコンクリート版の片面に有孔の波型鋼板が裏打ち
されていて、該波型鋼板の凸部の内側に前記孔に連通し
て空洞を有し、且つ、該波型鋼板は、片面若しくは両面
の凹部内に補強材を有することを特徴とするプレキャス
トコンクリート型枠に関する。
【0012】また、本発明第2は、中空断面を有するプ
レキャストコンクリート型の内面に有孔の波型鋼板が裏
打ちされていて、該波型鋼板の凸部の内側に前記孔に連
通して空洞を有し、且つ、該波型鋼板は、片面若しくは
両面の凹部内に補強材を有することを特徴とするプレキ
ャストコンクリート型枠に関する。
【0013】また、本発明第3は、U字状の断面を有す
るプレキャストコンクリート型の内面に有孔の波型鋼板
が裏打ちされていて、該波型鋼板の凸部の内側に前記孔
に連通して空洞を有し、且つ、該波型鋼板は、片面若し
くは両面の凹部内に補強材を有することを特徴とするプ
レキャストコンクリート型枠に関する。
【0014】さらに、本発明第は、上記本発明のプレ
キャストコンクリート型枠を捨て型枠として用いて施工
された構造体であって、プレキャストコンクリートと後
打ちコンクリートの間に有孔の波型鋼板がサンドイッチ
され、且つ、前記空洞内に後打ちコンクリートが充填さ
れた構造を有することを特徴とする構造体に関する。
【0015】本発明においては、波型鋼板(波型状の鋼
板)を基本とする簡易な構成を有する裏打材をプレキャ
ストコンクリートと一体に成形し、プレキャストコンク
リートの剛性を高めることにより、従来よりも薄くて軽
いプレキャストコンクリート型枠を実現したものであ
る。また、かかる波型鋼板からなる裏打材は、従来のシ
アコッターと同様の作用を有し、プレキャストコンクリ
ート型枠と後打ちコンクリートとの一体性を確保するで
きるものである。更には、鋼製の裏打ち材を有するた
め、構造鉄筋等を予めこれに溶接しておくこともでき、
現場での配筋作業を省力化することもできる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態例を図
面を参照して説明するが、言うまでもなく本発明はこれ
らの形態例に限定されるものではない。
【0017】図1及び図2に、主として壁の捨て型枠と
して用いられる本発明第1の平板状のプレキャストコン
クリート型枠の参考例を示した。図1は、型枠10の全
体図及び断面図であり、図2は、鋼材のみの斜視図であ
る。
【0018】本型枠10は、プレキャストコンクリート
版11の片面に、金網13を溶接した波型鋼板12を裏
打ちしたものであり、かかる波型鋼板12はプレキャス
トコンクリート版11に一体化されている。また、側面
部分には、セパレータ取付用の凹部14が設けられてい
る。
【0019】波型鋼板12は、主として薄肉(30mm
程度)のプレキャストコンクリート版11の補強部材と
なるものであり、凹部・凸部が交互に連続した形状を有
している。かかる凹部・凸部の形状は、図2に示したよ
うな矩形状のものに限定されるものではなく、任意の形
状を採用でき、例えば三角波や三角形の他にも、図3に
示すような台形状等にすることができる。また、凹部・
凸部の深さ・高さ及びピッチは、プレキャストコンクリ
ート版11及び後打ちコンクリートとの一体化が十分に
確保される程度にする必要があり、通常、凹部・凸部の
深さ・高さは5mm乃至15mm程度、好ましくは8m
m乃至15mmであり、ピッチは100mm乃至250
mm程度である。
【0020】波型鋼板12の凹部・凸部は、型枠10を
壁の捨て型枠として立設した際に、水平方向に交互に連
続しているのが好ましい。すなわち、波型鋼板12は、
凹部・凸部が交互に連続する方向内での曲げ剛性が小さ
く、特に本発明の型枠は従来のものよりも薄く成形され
るものであるため、金網13等を溶接して補強したとし
ても、波型鋼板12の凹部・凸部が垂直方向に交互に連
続するように立設すると、型枠全体が撓んだり破断し易
く、型枠据付け作業が困難になる場合がある。
【0021】図1に示した例では、波型鋼板12の左右
両端部分がプレキャストコンクリート版11内に埋め込
まれた形態を有しているが、例えば図4の断面図(図1
のB−B’断面図に対応する。)に示すように、波型鋼
板12とプレキャストコンクリート版11を平面的に同
じ大きさとして、プレキャストコンクリート版11の片
面全面に波型鋼板12が裏打ちされた形態とすることも
できる。なお、図1に示した形態の場合であっても、波
型鋼板12は、できる限りプレキャストコンクリート版
11と平面的に同じ大きさのものを用いることが好まし
い。
【0022】波型鋼板12は、プレキャストコンクリー
ト型枠を成形する際の成形型の一部としても活用され
る。すなわち、上記のような平板状のプレキャストコン
クリート型枠の製造方法としては、成形型(金型)にコ
ンクリートを流し込み、その上面を均す平打ち方式が一
般的であるが、この際、波型鋼板12でコンクリートの
上面を押さえることにより、これらの一体化と同時にプ
レキャストコンクリート版11を所望の厚さで成形する
ことができるものである。
【0023】金網13(図1及び図2参照)は、主とし
て波型鋼板12を補強し、薄肉のプレキャストコンクリ
ート版11の剛性を高めるためのものである。
【0024】波型鋼板12と金網13の仕様は、プレキ
ャストコンクリート型枠の大きさや互いの仕様に応じて
適宜設計することができる。具体的には、例えば波型鋼
板12には0.6mm乃至1.2mm程度の厚さのも
の、金網13には直径2.0mm乃至4.0mmの鋼線
を50mm乃至150mmに格子状等に組んだものが好
適に用いられる。
【0025】上記のような金網13を用いた波型鋼板1
2の補強方法は、比較的加工が簡単でコスト的に大きな
メリットがある。しかし、その反面、金網13は波型鋼
板12の表面に重ねて溶接されるため、型枠全体の厚み
を抑えるためには波型鋼板12の凹部・凸部の深さ・高
さを犠牲にしなければならず、プレキャストコンクリー
ト版11及び後打ちコンクリートとの一体性を十分に確
保する上で、凹部・凸部のピッチを小さくするなどの工
夫が必要となる場合がある。
【0026】本発明においては、上記のような金網13
による波型鋼板12の補強方法に代えて、波形鋼板12
自体に高い剛性を持たせている。その一例を図5及び図
6を用いて説明する。
【0027】図5の波板鋼板12’は、図2に示したよ
うな波型鋼板12の表裏両面の凹部内に、複数の補強板
51を溶接したものである。また、図6の波板鋼板1
2”は、図3に示したような波型鋼板12の片面の凹部
内に、複数の補強板51を溶接したものである。
【0028】上記のように、補強板51を波型鋼板の凹
部の内側に取り付けることにより、前記の金網13を用
いた補強方法のように波型鋼板12の凹部・凸部の深さ
・高さを犠牲にすることなく型枠全体の薄肉化が可能に
なるとともに、凹部・凸部のピッチを小さくすることな
くプレキャストコンクリート版11及び後打ちコンクリ
ートとの一体性を十分に確保することも可能になる。
【0029】また、本発明の型枠においては波型鋼板と
して有孔鋼板を用いる。そして、例えば図4中の波型鋼
板12の凸部の内側15に空洞を設けた状態で型枠を成
形する。すなわち、後打ちコンクリートが上記空洞内に
充填され、本発明の型枠と後打ちコンクリートとの高い
一体性を確保することができるものである。
【0030】以上説明したように、本発明においては、
波型鋼板12を基本とする裏打材をプレキャストコンク
リート版11と一体に成形し、プレキャストコンクリー
トの剛性を高めることにより、図15に示したようなシ
ア筋を用いた従来のものの半分程度(例えば30mm乃
至40mm)の厚さの型枠とすることができる。また、
波型鋼板12は、従来のシアコッターと同様の作用を有
し、プレキャストコンクリートと後打ちコンクリートと
の高い一体性を確保することもできる。さらに、裏打材
は波型鋼板を基本とする簡易な構成であり加工が容易で
あるとともに、かかる波型鋼板を型枠成形時に有効に活
用できるため、製造コスト面においても大きなメリット
がある。
【0031】次に、本発明第1の平板状のプレキャスト
コンクリート型枠の別の参考例を、図7及び図8を用い
て説明する。図7は、型枠70の全体図及び断面図であ
り、図8は、鋼材のみの斜視図である。尚、波型鋼板1
2は前述したような任意の形状のものを用いることがで
き、その補強方法等も前記と同様に行うことができる。
【0032】本型枠70は、図1に示した型枠10の波
型鋼板12のプレキャストコンクリート面側とは反対の
面に、構造用の鉄筋71a,71bを溶接したものであ
る。すなわち、本発明の型枠には鋼製の波型鋼板12が
裏打ちされているため、予め工場で波型鋼板12に鉄筋
71a,71bを溶接しておくことが可能になり、現場
での配筋作業を省力化することができる。尚、鉄筋71
a,71bが溶接された状態では型枠を現場に搬入する
ことが困難な場合等には、現場において溶接することも
できる。
【0033】上記のような鉄筋71a,71bは、詳し
くは後述するものの、相隣接して据えつけられる型枠、
更には柱、梁、床スラブ等との連結・定着のため、図7
及び図8に示すように型枠の一方の側に張り出させてお
くことが好ましい。この張り出し部分の長さは、通常、
鉄筋径の30倍以上である。また、張り出し部分の先端
にはフックを設けておくことも好ましい。
【0034】上記のように、波型鋼板12のプレキャス
トコンクリート面側とは反対の面に構造用鉄筋を溶接し
た場合には、プレキャストコンクリートと後打ちコンク
リートとの一体性を十分に高めることができ、十分な剛
性・耐力の確保が可能となる。このため、型枠相互の接
合部の施工を十分に行うことにより、プレキャストコン
クリート型枠の一部若しくは全部を構造断面として扱え
る可能性が高い。
【0035】図9は、本発明第2の中空断面を有するプ
レキャストコンクリート型枠の参考例を示したものであ
る。本型枠90では、プレキャストコンクリート型91
の内面に、前述と同様の金網13を溶接した波型鋼板1
2が裏打ちされている。尚、波型鋼板12は前述したよ
うな任意の形状のものを用いることができ、その補強方
法等も前記と同様に行うことができる。このプレキャス
トコンクリート型枠90は、柱の捨て型枠として用いら
れるものであり、柱の断面形状に応じた中空断面を有す
る。尚、図9の柱型枠は壁パネル(図中の一点鎖線)と
の取合部分に開口を設けたものであり、柱と壁が一体的
にコンクリートの打設が行われる。また、壁との取合が
ない独立柱の型枠の場合には、上記のような開口を設け
ず、完全な中空断面に形成される。
【0036】図10は、本発明第3のU字状の断面を有
するプレキャストコンクリート型枠の参考例を示したも
のである。本型枠100では、プレキャストコンクリー
ト型101の内面に、前述と同様の金網13を溶接した
波型鋼板12が裏打ちされている。尚、波型鋼板12は
前述したような任意の形状のものを用いることができ、
その補強方法等も前記と同様に行うことができる。この
プレキャストコンクリート型枠100は、梁の捨て型枠
として用いられるものであり、梁の断面形状に応じたU
字状断面を有する。
【0037】上記のような中空断面若しくはU字状断面
を有するプレキャストコンクリート型枠においても、前
述した平板状のプレキャストコンクリート型枠と同様
に、柱部分若しくは梁部分の鉄筋を予め波型鋼板12に
溶接しておくことができ、プレキャストコンクリート型
枠の一部若しくは全部を構造断面として扱える可能性が
高い。
【0038】また、中空断面若しくはU字状断面を有す
るプレキャストコンクリート型枠の成形に際しても、波
型鋼板12を成形型の一部として活用することができ、
これらの一体化と同時にプレキャストコンクリート型を
所望の厚さで成形することができる。
【0039】次に、図7に示したようなプレキャストコ
ンクリート型枠70を用いた耐力壁の一施工例を図11
乃至図14を用いて説明する。なお、図11は型枠の設
置状態を示す立面図、図12は図11中のA−A’面に
おける断面図、図13は図11中のB−B’面における
断面図、図14は図11中のC−C’面における断面図
である。
【0040】まず、型枠立て込み時の型枠間隔の精度を
高めるため、床に所定のピッチで幅止金物(不図示)を
固定する。
【0041】次に、型枠70を波型鋼板12の面を内側
にして立て込む。この時、型枠から張り出した部分の鉄
筋によって相隣接する壁型枠、更には柱、梁、床スラブ
との連結・定着がなされる。また、特に型枠下部はコン
クリート打設圧に対して溶接などで補強するのが好まし
く、型枠同士の接合部におけるあばれを少なくするため
に、型枠同士の接合面には図13に示すような凹凸11
1を付けておくのが好ましい。そして、図14に示すよ
うに型枠の間隔を一定に保持するセパーレータ112を
型枠の接合面に設けた凹部14(図7参照)及びチャン
ネル材113に通して取り付ける。
【0042】次に、例えば型枠70の上面に床型枠11
4(図12参照)を渡し、所定の配筋を組んだ後、コン
クリートを打設する。この時、壁型枠の変形、ノロ漏れ
を防止するために、コンクリートの打設を2〜3回に分
けて行うのが好ましい。
【0043】最後に、チャンネル材113等の仮設材を
撤去した後、型枠接合部及びセパレータ部分の目地処理
をする。この際、上述の例のようにセパレータ112を
型枠接合部に取り付けることによって、型枠接合部及び
セパレータ部分の目地処理を同時に効率良く行うことが
できる。
【0044】また、図9に示したような型枠90を用い
て柱を施工する場合には、予め配筋を組んだ後、型枠9
0を上から吊り降ろして据え付けることができる。この
時、本発明の型枠は従来の型枠よりも薄く軽量化されて
いるため、作業効率が高い。また、図10に示したよう
な型枠100を用いて梁を施工する場合には、型枠10
0を据え付けた後、配筋を組むことができる。
【0045】以上のようにして施工される壁・柱・梁等
の構造体では、プレキャストコンクリートと後打ちコン
クリートとの間に鋼板がサンドイッチされており、総合
的な遮音性能の向上が見込まれる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のプレキャ
ストコンクリート型枠によれば以下の効果を奏する。 (1)従来のプレキャストコンクリート型枠の半分程度
の厚さで製造でき、軽量化に伴い、運搬・据付けが容易
になり、現場施工性が向上する。 (2)裏打材は波型鋼板を基本とした簡易な構成であ
り、加工工数を削減できるとともに、かかる波型鋼板を
型枠成形時に有効に活用できるため、低コスト化が実現
される。 (3)波型鋼板は従来のシアコッターと同様の作用を有
し、後打ちコンクリートとの一体性を高めることができ
る。 (4)特に、波型鋼板のプレキャストコンクリート面側
とは反対の面に構造用鉄筋を溶接した場合には、現場で
の配筋作業を省力化できると共に、プレキャストコンク
リートと後打ちコンクリートとの一体性を極めて高くす
ることができ、十分な剛性・耐力の確保が可能であり、
プレキャストコンクリート型枠の一部若しくは全部を構
造断面として扱える可能性もある。 (5)捨て型枠として用いられるため、型枠の解体・盛
替え作業が不要になり工期短縮が可能になる。
【0047】また、本発明のプレキャストコンクリート
型枠を用いて施工される壁・柱・梁等の構造体では、プ
レキャストコンクリートと後打ちコンクリートとの間に
波型鋼板がサンドイッチされており、総合的に高い遮音
性能を有する構造体が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平板状のプレキャストコンクリート型
枠の参考例を示す図である。
【図2】図1の型枠における鋼材のみを示した斜視図で
ある。
【図3】本発明の型枠に用いられる波型鋼板の参考例
示す斜視図である。
【図4】本発明の平板状のプレキャストコンクリート型
枠の別の参考例を示す断面図である。
【図5】本発明の型枠に用いられる波型鋼板の一例を示
す斜視図である。
【図6】本発明の型枠に用いられる波型鋼板の別の例を
示す斜視図である。
【図7】構造用鉄筋を溶接した本発明の平板状のプレキ
ャストコンクリート型枠の参考例を示す図である。
【図8】図7の型枠における鋼材のみを示した斜視図で
ある。
【図9】本発明の中空断面を有するプレキャストコンク
リート型枠の参考例を示す断面図である。
【図10】本発明のU字状断面を有するプレキャストコ
ンクリート型枠の参考例を示す断面図である。
【図11】本発明の平板状のプレキャストコンクリート
型枠を壁の型枠として立て込んだ状態を示す立面図(参
考図)である。
【図12】図11中のA−A’面における断面図であ
る。
【図13】図11中のB−B’面における断面図であ
る。
【図14】図11中のC−C’面における断面図であ
る。
【図15】従来のプレキャストコンクリート型枠を説明
するための図である。
【符号の説明】
10,70,90,100 プレキャストコンクリート
型枠 11 プレキャストコンクリート版 12,12’,12” 鋼板 13 金網 14 セパレータ取付用の凹部 51 補強板 71a,71b 鉄筋 91,101 プレキャストコンクリート型 111 凹凸 112 セパレータ 113 チャンネル材 114 床型枠 151 プレキャストコンクリート版 152 シア筋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 2/86 E04B 1/16 E04B 5/40 E04C 2/28 E04C 3/293 E04C 3/34

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状のプレキャストコンクリート版の
    片面に有孔の波型鋼板が裏打ちされていて、該波型鋼板
    の凸部の内側に前記孔に連通して空洞を有し、且つ、該
    波型鋼板は、片面若しくは両面の凹部内に補強材を有す
    ることを特徴とするプレキャストコンクリート型枠。
  2. 【請求項2】 中空断面を有するプレキャストコンクリ
    ート型の内面に有孔の波型鋼板が裏打ちされていて、該
    波型鋼板の凸部の内側に前記孔に連通して空洞を有し、
    且つ、該波型鋼板は、片面若しくは両面の凹部内に補強
    材を有することを特徴とするプレキャストコンクリート
    型枠。
  3. 【請求項3】 U字状の断面を有するプレキャストコン
    クリート型の内面に有孔の波型鋼板が裏打ちされてい
    て、該波型鋼板の凸部の内側に前記孔に連通して空洞を
    有し、且つ、該波型鋼板は、片面若しくは両面の凹部内
    に補強材を有することを特徴とするプレキャストコンク
    リート型枠。
  4. 【請求項4】 波型鋼板のプレキャストコンクリート面
    側とは反対の面に、構造用の鉄筋が溶接されていること
    を特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のプレキャ
    ストコンクリート型枠。
  5. 【請求項5】 請求項1〜のいずれかに記載のプレキ
    ャストコンクリート型枠を捨て型枠として用いて施工さ
    れた構造体であって、プレキャストコンクリートと後打
    ちコンクリートの間に有孔の波型鋼板がサンドイッチさ
    れ、且つ、前記空洞内に後打ちコンクリートが充填され
    た構造を有することを特徴とする構造体。
JP14126397A 1997-05-30 1997-05-30 プレキャストコンクリート型枠及びこれを用いた構造体 Expired - Fee Related JP3208530B2 (ja)

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