JP3185848B2 - リッドのロック構造 - Google Patents

リッドのロック構造

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JP3185848B2 JP19407795A JP19407795A JP3185848B2 JP 3185848 B2 JP3185848 B2 JP 3185848B2 JP 19407795 A JP19407795 A JP 19407795A JP 19407795 A JP19407795 A JP 19407795A JP 3185848 B2 JP3185848 B2 JP 3185848B2
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孝祥 山内
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば自動車のイン
ストルメントパネルに設けられる小物入れ等に適用され
るリッドのロック構造に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば自動車のインストルメントパネ
ルにおいては、限られたスペースを有効に利用するた
め、図3に示す如くインストルメントパネル1の内部に
残された比較的小さな空間に小物入れ2等を設けること
がある。
【0003】上述した小物入れ2は、図4及び図5に示
す如く、インストルメントパネル1内部の空間に収納部
となるボックス本体3が配設され、その開口部4を覆う
ようにしてリッド5が開閉可能に取り付けられている。
このような小物入れ2は、ボックス本体3及びリッド5
がポリプロピレン等の樹脂成形品で構成されることが多
く、この場合、リッド5の開閉用ヒンジには樹脂の肉厚
を部分的に薄くした薄肉ヒンジ6が採用され、一般的に
はPPヒンジという名称で呼ばれている。
【0004】また、リッド5を閉状態に保持するロック
構造には、たとえばリッド5の上部に位置する取手部5
aの裏面に突設された上爪ロック7がある(図6参
照)。この上爪ロック7はリッド5と一体に成形された
もので、上面の段差部7aがボックス本体3側に設けら
れた係止開口8の上端部と係合してロックするように構
成されている。なお、上爪ロック7の係合を解除してリ
ッド5を開く時には、取手部5a下方の裏面に手を入れ
て車室側へ引けばよく、従ってロック解除の操作方向と
ロックのかかり方向とが逆向きで操作性がよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した小
物入れ2は、リッド5の開閉用ヒンジに成形性が良好な
薄肉ヒンジ(PPヒンジ)6を採用しているため、ロッ
ク状態においては、リッド5の自重及び上爪ロック7が
受ける下向きの応力により薄肉ヒンジ6の周辺でリッド
5が変形する不具合がある。このような変形が大きくな
ると、上爪ロック7が係止開口8と十分に係合しなくな
り、リッド5を閉状態に保持できなくなるおそれがあ
る。
【0006】ロック状態で上爪ロック7に作用する下向
きの応力を回避するためには、図7に示すような下爪ロ
ック9を備えたロック構造が考えられる。このようなロ
ック構造では、下面の段差部9aが係止開口8の下端部
と係合するように構成されているため、ボックス本体3
から受ける反力は上向きとなる。従って、薄肉ヒンジ部
6の周辺でリッド5が変形するという不具合は解消され
るものの、下爪ロック9の係合を解除してリッド5を開
く時には、取手部5a下方の表面を車両前方へ押しなが
ら同取手部5a自体を車室側へ引かなければならずその
操作性に問題がある。
【0007】そこで、本発明の目的は、たとえばインス
トルメントパネルに設けられる小物入れ等に適用される
リッドのロック構造において、ロック解除や開閉の操作
性が良好でしかもリッドの変形を防止できる構造を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述した課題
を解決するためになされたもので、車両のインストルメ
ントパネルに設けられたボックス本体同ボックス本体
の開口部を覆うリッドをロックするロック構造におい
て、上記ボックス本体に設けられた係止開口と、上記リ
ッドの上端裏面に突設され、同リッドを閉じた時に上記
係止開口の下端部と当接する枠体と、上記枠体の内部に
おいて3方をスリットで囲まれて同枠体のリッド裏面側
内壁から突設されると共に、同枠体の上面よりも突出し
て上記係止開口の上端部に係合可能な上向き爪を有する
係止片とを備え、上記枠体の厚みは、上記リッドの開閉
動作により同枠体が上記係止開口に対して当接摺動する
際に、上記係止片の上向き爪を同枠体のスリット空間内
に収納させるような厚みであって かつ上記係止開口の
高さと略等しい厚みであることを特徴とする
【0009】
【作用】前述した本発明の手段によれば、リッドを閉じ
る際には、係止片の上向き爪がボックス本体の係止開口
の上端部と当接して押し下げられ、係止開口の上端部を
通過すると、係止片の上向き爪が元の状態に復帰して同
係止開口の上端部との係合が完了する。そして この状
態においては、枠体が係止開口の下端部に当接してお
り、しかも同枠体の厚みは同係止開口の高さと略等しい
ので、枠体が剛体として機能し 、同枠体に設けられた
係止片の上向き爪がボックス本体の係止開口の上端部に
係合しているロック状態で発生する応力は、枠体からボ
ックス本体へ作用することになる。従って、ヒンジ部に
下向きの力が作用することがなくなってリッドの変形を
防止できるので、係止片に操作性の良好な上向き爪を採
用することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明によるリッドのロック構造の一
実施例を図面に基づいて説明する。
【0011】図1は本発明の一実施例を示す要部(図5
のB部)拡大図であって、リッド5の上端部には開閉操
作用の取手部5aが設けられ、該取手部5aの裏面には
略長方形の枠体11が一体成形により突設されている。
この枠体11のボックス本体側先端部12は、図2に示
す如く、その下端側をテーパ形状にカットされている。
そして、枠体11のリッド裏面側内壁からは係止片14
が同枠体の内部において3方をスリット15で囲まれて
突設され、この係止片14は枠体11の上面よりも突出
している上向き爪13を有する。また、枠体11の下端
面は、リッド5を閉じた状態でボックス本体3の上面、
すなわちボックス本体3側に設けられた係止開口8の下
端部を形成する面と当接する位置にあり、上述した係止
片14の上向き爪13が係止開口8の上端部と係合する
ことにより、リッド5のロック構造が機能するように構
成されている。なお、先端部12のテーパ形状は、下端
側をカットした図示形状の他にも、たとえば上下端を略
同様にカットしたものでもよい。
【0012】また、上述した係止片14は、取手部5a
との連結部を除く3方にスリット15が存在するため、
取手部5aと略一体に上下方向の揺動が可能である。こ
のため、上向き爪13は、リッド5の開閉操作により係
止開口8の上端部と当接摺動する時、枠体11に十分な
厚みを与えることにより、枠体11の上面よりも突出し
ている係止片14の上向き爪13がスリット15の空間
内に収納される。すなわち、本発明によれば、枠体11
の厚みは、リッド5の開閉動作により同枠体が係止開口
8に対して当接摺動する際に、係止片14の上向き爪1
3を同枠体のスリット15の空間内に収納させるような
厚みとされている。その上、この枠体11の厚みは、ボ
ックス本体3とリッド5との良好な係合性を得るため、
係止開口8の高さと略等しくされている
【0013】続いて、上述したロック構造の作用をリッ
ド5の開閉操作と共に説明する。
【0014】リッド5を閉じる際には、係止片14の上
向き爪13がボックス本体3の係止開口8の上端部と当
接して押し下げられ、スリット15の空間内に収納され
た状態でスムーズに摺動する。一方、テーパ形状の先端
部12から係止開口8へ入り込んだ枠体11の下端面も
係止開口8の下端部に当接して摺動するので、リッド5
はスムーズに閉じられる。そして、係合片14の上向き
爪13が係止開口8の上端部を通過すると、自らの弾性
により押し下げられていた係合片14が元の状態に復帰
し、上向き爪13と係止開口8との係合が完了してリッ
ド5のロック状態が維持される。
【0015】このとき、枠体11の厚さと係止開口8の
高さとが略同一であるため、係止片14の当接・摺動が
スムーズに行なわれるようになり、ボックス本体3とリ
ッド5との係合性は良好である。
【0016】次に、リッド5を開く際には、取手部5a
の裏側に手を差し込んで図1の反時計方向へ回動させる
ことにより、枠体11の下端面と係止開口8の下端部と
の当接部が支点となり、係止片14及び上向き爪13が
取手部5aと略一体に下向きに回転する。この結果、上
向き爪13がスリット15の空間内に収納されてロック
状態は解除され、しかも取手部5aを反時計方向へ回動
させる操作はリッド5を開く方向とも一致するので、リ
ッド5はロック解除と開操作をスムーズかつ容易に実施
できる。
【0017】従って、リッド5を閉じてロックする時に
は、ロック部の剛体として機能する枠体11がボックス
本体3の係止開口8の下端部に当接しており、しかも同
枠体11の厚さは同係止開口8の高さと略等しいことか
ら、リッド5の下部が開閉機能の支点となる薄肉で十分
な強度のない軟質のPPヒンジであっても、リッド5の
ボックス本体3に対する上下方向の位置決めがなされ、
該ヒンジ部に自重や上向き爪13の係合応力が作用して
下方への垂れ下がりによる変形が生じるのを防止でき
る。なお、リッド5の自重や上向き爪13の係合応力
は、剛体の枠体11を介してボックス本体3が受け止め
ることになる。
【0018】
【発明の効果】前述した本発明のロック構造によれば、
リッドの自重やロック状態の係合反力は、剛体の枠体を
介してボックス本体へ作用するので、リッドのヒンジ部
にPPヒンジのような薄肉で軟質なものを採用しても下
方への垂れ下がりによる変形が生じることはない。
【0019】また、上向き爪を有する係止片は枠体内に
スリットを介して形成されているため、開閉操作時には
弾性によるスリット空間内への収納がなされ、ロック及
びロック解除をスムーズに行うことができる。特に、上
向き爪の採用により、ロック解除の操作方向とリッド開
の操作方向とが一致するので、その操作性は良好であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す要部拡大断面図であ
る。
【図2】図1の枠体概要を示す斜視図である。
【図3】自動車のインストルメントパネル概要を示す斜
視図である。
【図4】図3に示した小物入れを拡大した図である。
【図5】図3のA−A断面図である。
【図6】図5のB部拡大図である。
【図7】下爪ロックを採用した図5のB部拡大図であ
る。
【符号の説明】
2 小物入れ 3 ボックス本体 5 リッド 5a 取手部 6 薄肉ヒンジ(PPヒンジ) 8 係止開口 11 枠体 13 上向き爪 14 係止片 15 スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平5−5606(JP,U) 実開 平5−35497(JP,U) 実開 昭62−88646(JP,U) 実開 平4−115960(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 7/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両のインストルメントパネルに設けられ
    たボックス本体同ボックス本体の開口部を覆うリッド
    をロックするロック構造において、上記ボックス本体に
    設けられた係止開口と、上記リッドの上端裏面に突設さ
    れ、同リッドを閉じた時に上記係止開口の下端部と当接
    する枠体と、上記枠体の内部において3方をスリットで
    囲まれて同枠体のリッド裏面側内壁から突設されると共
    に、同枠体の上面よりも突出して上記係止開口の上端部
    に係合可能な上向き爪を有する係止片とを備え、上記枠
    体の厚みは、上記リッドの開閉動作により同枠体が上記
    係止開口に対して当接摺動する際に、上記係止片の上向
    き爪を同枠体のスリット空間内に収納させるような厚み
    であって かつ上記係止開口の高さと略等しい厚みであ
    ことを特徴とするリッドのロック構造。
  2. 【請求項2】上記枠体のボックス本体側先端部は、その
    下端側をテーパ形状にカットされていることを特徴とす
    る請求項1記載のリッドのロック構造。
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