JPS6348441Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車のコンソールボツクスに関す
るものである。

一般に自動車のコンソールボツクスは、そのボ
ツクス本体に小物収納用の物入れが形成され、該
物入れの開口をボツクス本体に取付けられたリツ
ドで開閉するようになつている。そして従来リツ
ドは、その後端部が蝶番により、あるいは実開昭
54−109848号公報に示されているように、上記リ
ツドと一体の薄肉ヒンジ（いわゆるP.P.ヒンジ）
により、ボツクス本体に開閉自在に枢着されてい
た。

ところでコンソールボツクスの後部に、シート
ベルトを巻取るシートベルトリトラクタを格納す
る場合等は、上記物入れはコンソールボツクスの
前部に寄せて設けられ、それに伴なつて上記リツ
ドは上記物入れの開口の後端部に枢着されること
となる。このようなコンソールボツクスにおい
て、リツドを従来の蝶番やP.P.ヒンジでボツクス
本体に枢着すると、蝶番が外部から見えたり、リ
ツドとボツクス本体との間に隙間が必要となつた
りし、そのため外観上好ましくなく、商品価値も
低くなるという問題があつた。

この考案は、このような従来のものの問題点に
鑑みてなされたもので、ヒンジをリツドの内部に
設けてヒンジが外部から見えないようにし、リツ
ドを開けるとその開き始めにおいて、該リツドが
前方に移動して該リツドとボツクス本体との隙間
が広くなるようにし、またリツドを全閉すると該
リツドが後方に移動して、該リツドとボツクス本
体との隙間が狭くなるようにすることによつて、
リツドを容易に開閉することができ、また外観上
も好ましく商品価値も高い自動車のコンソールボ
ツクスを提供することを目的としている。

以下本考案の一実施例を図について説明する。

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示し、
図においてコンソールボツクス１は運転席と助手
席の間に車両前後方向に取付けられており、該コ
ンソールボツクス１の後部はボツクス本体２にな
つており、該ボツクス本体２の前部には、物入れ
３が凹設され、該物入れ３の上端開口３ａにはこ
れを開閉自在に覆うリツド４が設けられている。
また上記ボツクス本体２の後部は、後席のシート
ベルト（図示せず）を巻取るシートベルトリトラ
クタ５を格納するリトラクタ格納部６になつてお
り、該格納部６の上面６ａは、上記リツド４の上
面と同じ高さになつている。

上記リツド４の後端部には、該リツド４を下面
から切り欠いて凹部４ａが形成されており、また
上記ボツクス本体２のリツド載置面２ａの後端部
には、左右２個の支持突起７が上記凹部４ａ内に
上方に突設されており、該支持突起７の下部に
は、止軸７ａが挿入固定され、さらに該支持突起
７の上部には、前後方向に長い長穴７ｂが穿設さ
れ、該長穴７ｂには、上記リツド４の凹部４ａに
挿入固定された回動用の支軸であるヒンジ４ｂ
が、前後方向に平行移動可能に嵌挿されている。
そして上記支軸７ａの左右２個所にはそれぞれス
プリング８が嵌装されており、その一端８ａは上
記リツド載置面２ａの後端部と当接し、その他端
８ｂは上記ヒンジ４ｂの後側と当接して、上記リ
ツド４を常時前方（第１図ａ左方）に付勢してい
る。

また上記リツド４の左側（第１図ａ紙面手前
側、第１図ｂ右側）下面にはストツパ９がその上
端を固定されて取付けられており、該ストツパ９
は円弧状のもので、その上端には当接部９ａが車
両前方に一体的に突設されており、該当接部９ａ
はリツド４を全閉すると上記リツド載置面２ａに
形成されたガイド孔３ｂの前端と当接し、上記ス
プリング８の付勢力に抗してリツド４を後方（第
１図ａ右方）に移動させるようになつている。ま
た上記リツド載置面２ａ後端下方のボツク本体２
の側壁には、支軸６ｃが突設されており、該支軸
６ｃにはキツクばね１０が嵌装され、その一端１
０ａは上記リツド載置面２ａの後端部裏面と当接
し、その他端１０ｂは上記ストツパ９の下端に形
成された係止片９ｂと係止して、上記リツド４を
常時第２図時計回りに回転付勢している。また上
記リツド４先端部の把手４ｃの下面には、ロツク
部材１１がスプリング（図示せず）で第１図ａ右
方に付勢されて取付けられ、該ロツク部材１１
は、上記物入れ３の側壁前端に形成された係合孔
３ｃと係合して、リツド４が開くのを防止してい
る。

次に動作について説明する。まずリツド４を開
ける場合は、把手４ｃを操作してロツク部材１１
と係合孔３ｃとの係合を解除すればよい。すると
リツド４はストツパ９を介してキツクばね１０で
もつて時計方向に回動され、この際ストツパ９の
当接部９ａがガイド孔３ｂ前端から離れると、リ
ツド４はスプリング８で前方に付勢されているの
で、ヒンジ４ｂを支持突起７の長穴７ｂの前端ま
で前方に移動させつつリツド４自体前方に平行移
動し、これによりリツド４の後端とリトラクタ格
納部６の上面前端との隙間ｌが大きくなり、上記
リツド４はボツクス本体２と当たることなく容易
に開けられる。そして第２図に二点鎖線で示すよ
うにリツド４を全開すると、ストツパ９下端の係
止片９ｂがガイド孔３ｂの周縁と当接し、該リツ
ド４は全開の状態に保たれる。

次にリツド４を閉める場合は、該リツド４の上
面を上記キツクばね１０の回転付勢力に抗して押
圧すればよい。するとリツド４はまずそのヒンジ
４ｂが長穴７ｂの前端にある状態で該長穴７ｂの
前端部を中心に回動するので、該リツド４はボツ
クス本体２と当ることなく容易に回動し、次に該
リツド４がほぼ全閉されると、ストツパ９の当接
部９ａがガイド孔３ｂ前端と当接し、該リツド４
は上記スプリング８の付勢力に抗して後方に移動
され、上記隙間ｌは小さくなる。なおこの際上記
ロツク部材１１はスプリングで後方に付勢されて
いるので、上記係合孔３ｃと係合し、これにより
上記リツド４は全閉状態に保持される。

このように構成され動作する本実施例装置によ
れば、リツド４の開閉動作時においてはその全開
状態時よりリツド４が前方に位置してリツド４と
ボツクス本体２との隙間ｌが大きくなるようにし
たので、リツド４をスムーズに開閉することがで
きる。またリツド４の全閉状態においてはリツド
４とボツクス本体２との隙間ｌが小さいので、外
観上非常に好ましい。さらにリツド４はキツクば
ね１０により常時上方に付勢されているのでその
開閉操作は非常に容易であり、またヒンジ４ｂは
リツド４の内部に設けて外部から見えないように
したのでこの点でも外観上好ましく、本コンソー
ルボツクス１の商品価値を大きく向上できる。

以上のように本考案に係る自動車のコンソール
ボツクスによれば、リツドの開閉動作中はリツド
とボツクス本体との隙間が広くなつてリツドがス
ムーズに回動できるようにし、またリツドを全閉
すると、上記隙間が狭くなるようにしたので、リ
ツドを容易に開閉できるとともに外観上も好まし
く、コンソールボツクスの商品価値を大きく向上
できる効果がある。またヒンジをリツドの内部に
設けて外部から見えないようにしたので、この点
からも外観上好ましいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例による自
動車のコンソールボツクスを示す図で、第１図ａ
はその側面図、同図ｂは同図ａのＡ−Ａ線断面図
同図ｃは同図ａのＢ−Ｂ線断面図、第２図は上記
実施例の拡大断面図である。 ２……ボツクス本体、３……物入れ、３ａ……
開口、４……リツド、４ｂ……支軸（ヒンジ）、
４ｃ……把手、７ｂ……長穴、８……スプリン
グ、９……ストツパ、９ａ……当接部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 内部に物入れを有し上方が開口したボツクス
   本体と、 その一端が上記ボツクス本体に支軸を介して
   軸支され該ボツクス本体の開口を開閉自在に覆
   うリツドと、 上記ボツクス本体に設けられ上記支軸を平行
   移動可能に支持する長穴と、 上記リツドをその把手側に常時付勢するスプ
   リングと、 上記リツドに固定されリツドの閉動作に伴つ
   て上記ボツクス本体の一部と係合しリツドを上
   記スプリングに抗して移動させる当接部とを備
   えたことを特徴とする自動車のコンソールボツ
   クス。 (2) 上記当接部は上記リツドの全開位置を規制す
   るストツパに一体的に形成されていることを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   自動車のコンソールボツクス。