JPH0122764Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車のグローブボツクスの構
造、特にリツドの開閉構造の改良に関するもので
ある。

従来より、リツドの閉扉時リツドを閉扉位置に
保持する掛金等の係止機構と、リツドの開扉時、
インストルメントパネル（以下、インパネとい
う）の係止穴の周囲の背面側に係止されるストツ
パを有してリツドをそれ以上開くことができない
ようにリツドを係止するストツパアームとを備え
たグローブボツクスはよく知られている。

また、リツドに回転自在に連結された腕に屈曲
部と湾曲部とを設けて、リツドの閉扉時、屈曲部
をばね作用によつて係止穴に係合させてリツドを
閉扉状態に保持するようにして、特別な係止機構
を不要とした構造が提案されている（実公昭48−
34332号公報参照）。

しかしながら、上記従来のリツドの閉閉構造で
は、リツドの閉扉時においてリツドに大きな衝撃
が加わつた場合、係止機構が破損するか、或いは
上記の屈曲部が外れて、リツドが開き乗員に傷害
をもたらす問題があつた。

この考案は、かかる問題に鑑みてなされたもの
であつて、リツドの閉扉時に大きな衝撃がリツド
に作用してもリツドを閉扉状態に保持することが
できる構造を備えた自動車のグローブボツクスを
提供することを目的としている。

このため、この考案においては、リツドの閉扉
時、インパネの係止穴に位置するストツパアーム
の中間部にリツドに衝撃が作用して上記ロツク機
構と係止部材との係合が解かれたとき、係止穴周
囲のインパネ背面に係合する係合部を一体的に設
け、リツドに大きな衝撃が作用した際には、上記
係合部によつて、リツドの開きを確実に防止する
ことができる構造としたことを基本的な特徴とし
ている。

以下、図示の実施例に基づいてこの考案をより
具体的に説明する。

第１図に示すように、自動車のグローブボツク
ス１は、インパネ２の取付部に固定して取付けた
グローブボツクス本体３と、該ボツクス本体３の
開口部の下辺に沿つてヒンジ部３ａで連結され、
該ボツクス本体３を開閉するリツド４と、上記開
口部の上辺中央部に突設したストライカ５と、リ
ツド４の閉扉時ストライカ５の進入でリツド４を
ロツクするリツド４の内面に装着したロツク機構
６とリツド４の内面の両側端部に一端が夫々固定
された円弧状のストツパアーム７，７とを備えて
いる。

上記ストツパアーム７は、第２図に示すよう
に、インパネ２のグローブボツクス取付部に開設
した長穴状の係止穴８を通つてグローブボツクス
本体３の外側壁３ｓに沿つてインパネ２の内方に
伸び、その自由端７ａには、係止穴８の周囲のイ
ンパネ背面に当て止められるフツク状のストツパ
９が一体に形成されている。

上記ストツパアーム７の中間部に、リツド４の
閉扉時、係止穴８内において先端１０ａが係止穴
８の周壁に係合する弾性変形可能なフツク状の爪
１０を一体に形成している。この爪１０は、リツ
ド４の通常の開閉に際しては、開閉に支障を生じ
ないように適当に弾性変形して係止穴８を通り越
すように設計されている。

一方、上記爪１０は、第２図に矢印Ｆで示すよ
うに、リツド４の全閉時に、リツド４の係止機構
５，６を破壊するような大きな衝撃荷重がリツド
４に作用してリツド４が変形し、この変形による
リツド４の下方への変位に伴つてそれに固定され
たストツパアーム７も仮想線で示すように下方に
変位し爪１０の先端１０ａは、イで示すように、
係止穴８の下方のインパネ背面に落ち込み、その
結果、リツド４は爪１０によつて開閉不能にイン
パネ２に係止される。

このため、リツド４は係止機構５，６が破損し
ても全閉状態をそのまま保持され、したがつて、
開かれたリツド４に乗員が２次衝突するおそれが
なくなる。なお、この場合、衝撃力がなくなつて
もリツド４自体が変形しているので、ストツパア
ーム７が復位することはなく、全閉状態が保持さ
れる。

上記実施例では通常の全閉時に爪１０の先端部
１０ａが係止穴８周辺に当接し開閉時に弾性変形
するためリツドの通常の開閉に際して節度を得る
ことができるといつた利点が得られる。

第３図は、他の実施例を示すもので、係合部
が、ストツパアーム７の中間部を切欠いた凹部１
１として形成されている。該凹部１１は、通常の
リツド４の開閉に際しては、インパネ２の係止穴
８周辺と接触することはないが、リツド４に衝撃
が作用してリツド４およびそれに固定されたスト
ツパアーム７が下方に変位したとき仮想線で示す
ように係止穴８の下方周縁に嵌合し、リツド４の
開きを防止する。

以上の説明から明らかなように、この考案によ
れば、係合部をストツパアームに単に設けるだけ
で、大きな衝撃がリツドに作用したときにリツド
を全閉状態に保持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例にかかる自動車の
グローブボツクスのリツドを開いた状態の斜視
図、第２図は、上記グローブボツクスのリツドを
閉じた状態での縦断面図、第３図は他の実施例を
示す縦断面図である。 ２……インパネ、３……グローブボツクス本
体、４……リツド、７……ストツパアーム、８…
…係止穴、９……ストツパ、１０……爪。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) インパネに取付けられたグローブボツクス
   と、グローブボツクスの開口部の下縁にヒンジ
   結合されたリツドと、一端がリツドに固定さ
   れ、自由端部がインパネに設けた係止穴を貫通
   してグローブボツクス側方に伸び、リツドが開
   かれたとき、上記係止穴の周囲で係止されるス
   トツパを先端に設けたストツパアームとリツド
   の閉扉時に上記グローブボツクスの開口部に設
   けられた係止部材に係合し、リツドを閉扉状態
   に保持するロツク機構とを備えた自動車のグロ
   ーブボツクスにおいて、 リツド全閉時に上記係止穴近くに位置するス
   トツパアームの中間部に、リツドに衝撃が作用
   し上記ロツク機構と係止部材との係合が解かれ
   たとき、係止穴周囲のインパネ背面に係合する
   係合部を設けたことを特徴とする自動車のグロ
   ーブボツクス。 (2) 係合部が、リツドが閉じられているときに、
   上記係止穴に先端部が当接する弾性変形可能な
   爪であつて、リツドの閉扉時にリツドに衝撃が
   作用した際、上記爪が係止穴の周囲のインパネ
   背面側に落ち込んでインパネ背面に係止されリ
   ツドの開きを阻止するようにしたことを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の自動
   車のグローブボツクス。