JP3183958B2 - 高耐食性ニッケル基合金クラッド鋼の溶接方法 - Google Patents
高耐食性ニッケル基合金クラッド鋼の溶接方法Info
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Description
使用される高耐食性ニッケル基合金クラッド鋼同士を良
好に接合する溶接方法に関するものである。
には、高い耐食性が必要とされるが、構造材などに使用
される一般の炭素鋼材ではこれを満足することができな
い。このため、強腐食性雰囲気では、鋼材にハステロ
イ、インコネル(いずれも商標、以下同じ)などの高耐
食性ニッケル基合金を合材としてクラッドしたクラッド
鋼板が使用されている。従来、このクラッド鋼板同士を
突合せ溶接する際には、鋼板にV形状の開先を形成し、
合材と類似の組成を有する共金を溶接材に使用して、鋼
板間にビードを多層盛する肉盛溶接により接合してい
る。
を合材共金で肉盛すると、母材において要求される特性
が溶接部で十分に得られないという問題が生ずる。特に
クラッド鋼の母材降伏強度が45kg/mm2を越える
ような高強度材料では、溶着金属の降伏点が低いため母
材規格を満足することができない。また、高耐食性ニッ
ケル基合金は高価であり、溶接材の全量にこの材料を使
用するとコスト高になるという問題もある。
基合金とするのではなく、クラッド鋼板にX形状の開先
を形成して、母材側を母材共金(炭素鋼)、合材側を合
材共金(高耐食性ニッケル基合金)の溶接材で肉盛溶接
する方法が考えられる。この方法によれば、母材同士は
母材と同等の性質を有する共金溶接材で接合されるの
で、所望の強度を得ることが期待できる。しかし、合材
側に用いるニッケル基合金では、その高合金成分が、溶
接中に炭素鋼成分で希釈化され、その結果、耐食性を向
上させる合金成分が不足して必要な耐食性が得られない
という問題がある。したがって、母材共金と合材共金を
使用した上記溶接方法の採用も困難である。この発明
は、上記事情を背景としてなされたものであり、溶接す
べきクラッド鋼と同等の強度および耐食性を有する溶接
部を形成でき、しかもコストの低減が可能な高耐食性ニ
ッケル基合金クラッド鋼の溶接方法を提供することを目
的とするものである。
め、本願発明の高耐食性ニッケル基合金クラッド鋼は、
母材に高耐食性Ni 基合金からなる合材をクラッドした
クラッド鋼同士を溶接する方法において、母材同士を母
材共金からなる溶接材で溶接した後、合材側を、Cr :
20〜40wt%、Mo :9〜30wt%を含有し、残
部が実質的にNiからなる溶接材で肉盛溶接して緩衝層
を形成し、さらに、これに重ねて合材共金からなる溶接
材で肉盛溶接することを特徴とする。
母材として、これに高耐食性ニッケル基合金をクラッド
したものであり、高耐食性ニッケル基合金としては、ハ
ステロイ、インコネルと称される耐食性に優れたニッケ
ル基合金を例示することができる。なお、母材共金、合
材共金には、それぞれ母材または合材と同一または類似
の組成を有する材料が選択される。合材側で緩衝層の形
成に使用される溶接材は、上記したようにCr 、Mo を
主要な添加成分とし、残部が実質的にNi からなるもの
であり、その他は不可避不純物を含むものであってもよ
い。また、緩衝層は1層の他に、必要に応じて複数層形
成することも可能である。また、母材共金および合材共
金による肉盛も必要に応じてビードが1層または複数層
が形成されるように行う。
母材側は母材共金で肉盛溶接され、合材側の溶接に備え
られる。この溶接部は母材共金で構成されているので、
降伏点を含めて十分な強度を有している。一方、合材側
では、最初に、Cr、Moを所定量含有し、残部がニッケ
ルからなる溶接材で緩衝層が形成される。この溶接材
は、耐食性の向上に特に必要であるCr 、Mo 量が十分
に含有されており、母材による希釈を受けつつ緩衝層と
して形成された後も、これら成分が高水準で含有される
ことになる。そして、この緩衝層に重ねて合材共金で肉
盛溶接を行うことにより、必要な成分の希釈が極力防止
され、溶接部の表層部では、耐食性に必要な成分が十分
に確保されて、高い耐食性を得ることができる。
おいて、必要な耐食性を得るために、Cr :20wt
%、Mo :9%を下限とする。一方、これら含有量が過
度になると熱間加工性および冷間加工性が著しく低下し
て、例えば線引加工が困難になるので、Cr :40wt
%、Mo :30wt%を上限とする。また、同様に高い
耐食性を得るためには、Cr(重量%)+3.3Mo(重
量%)で示されるPI値が十分に高いことが望ましく、
最適には、合材のPI値以上とし、さらに希釈を考慮し
て合材のPI値を5以上越えるものとすれば一層望まし
い。
し、2.0mm厚のインコネル625ニッケル基合金また
はハステロイC-22ニッケル基合金を合材2とするクラッ
ド鋼をそれぞれ用意し、開先を形成した後、表1、2に
示す溶接条件で発明法、従来法または比較法によりクラ
ッド鋼同士を突合せ溶接した。なお、各溶接法で使用さ
れる溶接材には、表3に示すワイヤー材を用いた。
溶接したものについて5、6層目の成分を分析し、表4
に示した。発明法によるものは、表層でもPI値が高く
良好な耐食性が期待されるのに対し、比較法では、希釈
化が相当進み、PI値の低下が顕著である。次に、各接
合クラッド鋼について溶接部の耐食性を評価する試験を
行い、その結果を表5および表6に示した。表から明ら
かなように、発明法によって溶接したクラッド鋼では、
溶接部の耐食性は非常に優れている。これに対し、従来
法でも、最低限必要な耐食性は得られているが、強度の
点では表7に示すように、従来法によると溶接部の降伏
強度が低いため、溶接金属で破断が生じる。発明法では
原質部と同等以上の降伏強度を示し、全て破断は原質部
で生じ、良好な継手性能を示している。また、比較法で
は耐食性が大きく劣っており、強腐食性環境では使用に
耐え得ないものであった。
鋼を母材5とし、2.0mm厚のハステロイC-276ニッ
ケル基合金を合材6とするクラッド鋼を用意し、突き合
わせたクラッド鋼間で、ルート深さが1mmとなるよう
に母材5側のみに逆V開先を形成した。このV開先側
に、表8に示す溶接条件で、合材が溶融しないように炭
素鋼共金で溶接材で肉盛溶接した。次いで、合材側を合
材共金2で炭素鋼を溶融させないように肉盛溶接して接
合した。得られた接合クラッド鋼の溶接部において、実
施例1と同様に耐食性試験を行ったところ、非常に優れ
た結果が得られた。
母材に高耐食性ニッケル基合金からなる合材をクラッド
したクラッド鋼同士を溶接する方法において、母材同士
を母材共金からなる溶接材で溶接した後、合材側に、C
r :20〜40wt%、Mo :9〜30wt%を含有
し、残部が実質的にNi からなる溶接材で緩衝層を形成
し、さらに、これに重ねて合材共金からなる溶接材を用
いて肉盛溶接するので、母材共金で溶接部の強度が向上
し、母材と同等の強度が得られる。そして合材共金の成
分は、緩衝層によって母材による成分の希釈が極力阻止
され、優れたな耐食性が確保される。
較例の開先形状および肉盛手順を示す一部断面図であ
る。
す一部断面図である。
部断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 母材に高耐食性ニッケル基合金からなる
合材をクラッドしたクラッド鋼同士を突合せ溶接する方
法において、母材同士を母材共金からなる溶接材で溶接
した後、合材側に、Cr :20〜40wt%、Mo :9
〜30wt%を含有し、残部が実質的にNi からなる溶
接材で肉盛溶接して緩衝層を形成し、さらに、これに重
ねて合材共金からなる溶接材で肉盛溶接することを特徴
とする高耐食性ニッケル基合金クラッド鋼の溶接方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21073892A JP3183958B2 (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | 高耐食性ニッケル基合金クラッド鋼の溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21073892A JP3183958B2 (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | 高耐食性ニッケル基合金クラッド鋼の溶接方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0631453A JPH0631453A (ja) | 1994-02-08 |
JP3183958B2 true JP3183958B2 (ja) | 2001-07-09 |
Family
ID=16594298
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21073892A Expired - Fee Related JP3183958B2 (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | 高耐食性ニッケル基合金クラッド鋼の溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3183958B2 (ja) |
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CN104342584A (zh) * | 2013-07-23 | 2015-02-11 | 丹阳市新航特种合金有限公司 | 镍铬钼铌耐蚀焊接合金及其制造方法 |
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-
1992
- 1992-07-16 JP JP21073892A patent/JP3183958B2/ja not_active Expired - Fee Related
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