JPH06320280A - 両面クラッド複層鋼材の突合せ溶接方法 - Google Patents

両面クラッド複層鋼材の突合せ溶接方法

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JPH06320280A
JPH06320280A JP9492493A JP9492493A JPH06320280A JP H06320280 A JPH06320280 A JP H06320280A JP 9492493 A JP9492493 A JP 9492493A JP 9492493 A JP9492493 A JP 9492493A JP H06320280 A JPH06320280 A JP H06320280A
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JP
Japan
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welding
steel
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groove
stainless steel
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JP9492493A
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Hiroshige Inoue
裕滋 井上
Yukiyoshi Kitamura
征義 北村
Tadayuki Otani
忠幸 大谷
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭素鋼または低合金鋼を内層材とし、オース
テナイト系ステンレス鋼またはNi基合金を表面材とす
る両面クラッド複層鋼材を突合せ溶接する場合に、表層
部の耐食性を確保しつつ成分希釈による割れ発生を防止
する方法を提供する。 【構成】 両面クラッド複層鋼材のTIG溶接法による
突合せ溶接において、開先をV開先とし、まず、開先底
面側の表面材のみを高合金成分のステンレス鋼またはN
i基合金ワイヤを用いて溶接を行い、ついで重量%で、
Cr:22〜25%、Ni:13〜20%含有するステ
ンレス鋼ワイヤを用いて開先開口部側表面材の底面近く
まで溶接を行い、ついで表面材と同等以上の高合金成分
のステンレス鋼またはNi基合金ワイヤを用いて溶接す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素鋼または低合金鋼
を内層材(ベースメタル、母材)とし、オーステナイト
系ステンレス鋼またはNi基合金を表面材(クラッディ
ング、合わせ材)とする両面クラッド複層鋼材を突合せ
溶接する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、経済性の観点から腐食環境での構
造用部材として、表面材をステンレス鋼やNi基合金と
したクラッド鋼の適用が増加している。これらの溶接に
おいては、表面材および表面材同士の溶接金属が内層材
炭素鋼と同等成分のワイヤにより溶融されると、溶接金
属がステンレス鋼側からの希釈により、硬くて脆いマル
テンサイト組織となり、割れ発生などの問題を生じるこ
とがある。そこで、これらクラッド鋼の溶接方法として
は、特開昭58−167094、特開昭60−8379
7、特開平2−224873などの公報に開示されてい
るように、ステンレス鋼表面材同士の溶接金属の上に所
定組成の中間層を溶接し、さらにその上に内層材炭素鋼
と同等成分のワイヤで溶接する方法が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の溶接方法はいずれも表面材が片面のみの場合であっ
て、両表面が表面材からなる両面複層クラッド鋼の溶接
には適用できない。すなわち、最上層を炭素鋼と同等成
分のワイヤで溶接した場合、表層側のステンレス鋼表面
材が溶融し、割れ発生などの問題が生じる。
【0004】そこで、本発明は、炭素鋼または低合金鋼
を内層材とし、オーステナイト系ステンレス鋼またはN
i基合金を表面材とする両面クラッド複層鋼材の突合せ
溶接において、溶接欠陥がなく、良好な機械的特性を有
し、かつ、表層部の耐食性が表面材と同等となる溶接部
を確保することを目的とした溶接方法を提供するもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するものであって、炭素鋼または低合金鋼を内層材と
し、オーステナイト系ステンレス鋼またはNi基合金を
表面材とする両面クラッド複層鋼材のTIG溶接法によ
る突合せ溶接において、該複層鋼材溶接部端面の開先を
V開先とし、まず、開先底面側の表面材のみをそれと同
等またはそれ以上の高合金成分のステンレス鋼またはN
i基合金ワイヤを用いて溶接を行い、ついで重量%で、
Cr:22〜25%、Ni:13〜20%含有するステ
ンレス鋼ワイヤを用いて開先開口部側表面材の底面近く
まで溶接を行い、ついで表面材と同等またはそれ以上の
高合金成分のステンレス鋼またはNi基合金ワイヤを用
いて溶接し表層部を形成することを特徴とする両面クラ
ッド複層鋼材の突合せ溶接方法である。また、開先底面
側表面材を溶接時のTIGトーチの角度を8〜25°の
前進角とすること、少なくとも初層溶接時にはTIGト
ーチを振幅:0.5〜2mm、周期:30〜60周期/
分のウィービングをさせながら溶接することも特徴とす
る。
【0006】
【作用】本発明者らは、両面クラッド複層鋼材をTIG
溶接で突合せ溶接する最も好ましい方法について系統的
に検討を行った。すなわち、Cr,Niの2成分の複合
添加を基本に作製した溶接ワイヤで溶接継手を作製し、
溶接部の割れ調査および曲げ試験を実施した。この結
果、上記方法による溶接を行うことにより、溶接割れが
発生せず、かつ良好な曲げ延性が確保されることを見出
した。
【0007】図1は本発明における溶接部の断面図で
(a)は開先形状、(b)は溶接後の状態を示す図であ
る。以下、図1の参照符号を用いて説明すると、オース
テナイト系ステンレス鋼またはNi基合金を表面材1,
2とし、炭素鋼または低合金鋼を内層材3とする板厚t
の両面クラッド複層鋼材にV開先を設ける(開先角度
(θ):60°、ルート間隔(d)3〜4mm)。次
に、表面材1と同等または高合金成分のステンレス鋼ま
たはNi基合金ワイヤを用いてTIG溶接を行い初層ビ
ード4を形成させる。このように表面材と同等以上の合
金成分のワイヤを用いるのは溶接部の耐食性を十分に確
保するためである。この場合TIGトーチを8〜25°
前進角とし、振幅:0.5〜2mm、30〜60周期/
分のウィービング操作を行うことにより良好な裏波ビー
ドが形成されることを見出した。これら条件から外れる
と溶接金属の溶け落ちを生じたり裏面まで十分な溶け込
みが得られなくなる。なお前進角θは図2に示したよう
にTIGトーチを進行方向8と反対側に傾けるものであ
る。ここで10は被溶接材である。
【0008】次に、この初層ビード4の上に、重量%
で、Cr:22〜25%、Ni:13〜20%含有する
ステンレス鋼ワイヤを用い、ビード(溶接金属)5を表
面材2の底面近くまで形成させる。なお、このさい前記
と同様の溶接トーチのウィービングを行うと溶着量を増
大させ高能率で溶接を行うことができる。ここで、上記
ワイヤの各元素含有量の限定理由について述べる。
【0009】Cr:22〜25% Crが22%未満となると内層材3からの希釈を受け、
溶接金属5が硬くて脆いマルテンサイト組織となり割れ
が生じやすい。また、25%超となると、溶接熱サイク
ル中のσ相析出を促進するため、延性、靭性の低下が著
しい。したがって、22〜25%に限定した。
【0010】Ni:13〜20% Niはオーステナイト生成元素であり、フェライト生成
元素であるCrとのバランスのもとにオーステナイト組
織を安定させ、延性、靭性を維持させる上で有効であ
る。この観点から13%以上の含有が必要である。ま
た、20%超となるとCr含有量が22〜25%ではオ
ーステナイト単相となり、溶接高温割れが生じやすくな
る。したがって、13〜20%に限定した。
【0011】最後に、表面材2と同等または高合金成分
のステンレス鋼あるいはNi基合金ワイヤを用いて溶接
を行い、ビード6を形成させる。
【0012】
【実施例】表面材JIS規格SUS316L(各々厚み
2mm)、内層材がSM400からなる板厚20mmの
両面クラッド複層鋼材に図1(a)に示すV形開先を設
け、表1の溶接ワイヤを用いて、表2の組合せによりT
IG溶接を行った。その後、各溶接部についてR=2t
の側曲げ試験を実施し、その結果を表2に合せて示す。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】表2の番号1,2は比較例であり、各溶接
ビードの外観は良好であったが、側曲げ試験の結果、割
れが発生した。また、番号3も比較例で、ビード5(図
1(b))を形成時に高温割れが発生した。一方、本発
明である番号4,5の試験体では溶接時および溶接後の
割れ試験においても割れは発生せず良好な溶接継手が得
られた。したがって、以上の結果より、本発明の溶接方
法は比較例に比べ、溶接部の欠陥が無く、良好な機械的
特性が得られる溶接法であることが明らかである。
【0016】
【発明の効果】従来の片面クラッド鋼材の溶接方法では
困難であった両面クラッド複層鋼材の突合せ溶接に本発
明を適用することにより、複層鋼材の持つ特性と同等の
特性を有する溶接継手を得ることができる。したがっ
て、新たな素材の利用加工に広く適用できる技術であ
り、産業上の効果は極めて顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における溶接部の断面図で(a)は開先
形状、(b)は溶接後の状態を示す
【図2】TIGトーチの前進角を説明する図
【符号の説明】
1,2 表面材 3 内層材 4,5,6 ビード 7 TIGトーチ 8 溶接進行方向

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素鋼または低合金鋼を内層材とし、オ
    ーステナイト系ステンレス鋼またはNi基合金を表面材
    とする両面クラッド複層鋼材のTIG溶接法による突合
    せ溶接において、該複層鋼材溶接部端面の開先をV開先
    とし、まず、開先底面側の表面材のみをそれと同等また
    はそれ以上の高合金成分のステンレス鋼またはNi基合
    金ワイヤを用いて溶接を行い、ついで重量%で、Cr:
    22〜25%、Ni:13〜20%含有するステンレス
    鋼ワイヤを用いて開先開口部側表面材の底面近くまで溶
    接を行い、ついで表面材と同等またはそれ以上の高合金
    成分のステンレス鋼またはNi基合金ワイヤを用いて溶
    接し表層部を形成することを特徴とする両面クラッド複
    層鋼材の突合せ溶接方法。
  2. 【請求項2】 開先底面側表面材を溶接時のTIGトー
    チの角度を8〜25°の前進角とすることを特徴とする
    請求項1に記載の両面クラッド複層鋼材の突合せ溶接方
    法。
  3. 【請求項3】 少なくとも初層溶接時にはTIGトーチ
    を振幅:0.5〜2mm、周期:30〜60周期/分の
    ウィービングをさせながら溶接することを特徴とする請
    求項1または2に記載の両面クラッド複層鋼材の突合せ
    溶接方法。
JP9492493A 1993-03-31 1993-03-31 両面クラッド複層鋼材の突合せ溶接方法 Withdrawn JPH06320280A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010229894A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Hitachi Plant Technologies Ltd 羽根車およびその製造方法
CN101947697A (zh) * 2010-08-17 2011-01-19 宁夏天地奔牛实业集团有限公司 提高焊缝耐磨损性的焊接方法
CN111673217A (zh) * 2020-05-11 2020-09-18 首钢集团有限公司 一种采用陶瓷衬垫单面焊接复合板的方法
CN113996978A (zh) * 2021-12-06 2022-02-01 河南恒天久大实业有限公司 一种低成本简易复合筒体的方法
WO2023248650A1 (ja) * 2022-06-24 2023-12-28 三菱電機株式会社 溶接方法、缶体の製造方法および溶接装置

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