JPH07290244A - クラッド鋼管の溶接方法 - Google Patents

クラッド鋼管の溶接方法

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JPH07290244A
JPH07290244A JP9117194A JP9117194A JPH07290244A JP H07290244 A JPH07290244 A JP H07290244A JP 9117194 A JP9117194 A JP 9117194A JP 9117194 A JP9117194 A JP 9117194A JP H07290244 A JPH07290244 A JP H07290244A
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Yoshinori Ogata
佳紀 尾形
Hiroshi Tamehiro
博 為広
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 既存のUOE工程の有効活用を前提として特
に外面側の溶接において低合金鋼ワイヤーの適用を可能
とし強度、靭性および耐割れ性の優れたクラッド鋼管の
製造法を提供することを目的とする。 【構成】 外面側が低合金鋼で内面側がNi、Cr、M
oなどの成分を基調とするステンレス鋼乃至はそれ以上
の高合金鋼からなるクラッド鋼にX型の開先加工をほど
こし、該X型開先部をシーム溶接してクラッド鋼管を製
造するにあたり、その突合せ開先形状が内面側の開先深
さを合わせ材厚みの80〜130%、角度60〜80°
とし、ルートフェース厚みが1〜3mm、外面側の角度が
60〜80°として潜弧溶接を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内面側に耐食性の優れた
合わせ材を有し、外面側に強度の優れた低合金鋼を母材
とするクラッド鋼管をUOEなどの方法によってクラッ
ド鋼管を製造する場合のシーム溶接法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】最近、石油資源などの開発環境がより厳
しくなっており、敷設されるラインパイプなどには優れ
た耐食性が要求される。特に腐食性の強い使用環境にお
いては従来のような低合金鋼ではその寿命が極端に短く
なり、ステンレス鋼やステンレス鋼よりもさらにNi、
Cr、Mo量などの多い高耐食性鋼管の使用が検討され
る傾向がある。しかしながら、そのような鋼管自体を上
記の成分材で製造することは、ラインパイプの敷設費用
が莫大なものとなるため経済性に難点がある。そのた
め、耐食性が要求される鋼管の内面側に合わせ材を接着
させたクラッド鋼が注目され、実用に供せられるように
なってきている。
【0003】通常、この種のクラッド鋼を用いてUOク
ラッド鋼管となすには次のような工程で製造される。即
ちクラッド鋼板の端面には先ず開先加工がなされ、管状
に成形される。その後開先の突合せシーム部を溶接し、
必要に応じて拡管矯正をおこない大径鋼管となす。
【0004】しかるに、従来のUOE方式によるクラッ
ド鋼管の溶接方法について記述すると、特公昭59−1
37191号公報では、内面側の開先形状を2段開先と
し、その溶接ではまず内面側の低合金鋼の開先部分(第
1段開先)を合わせ材の開先部分に溶接ビードがかから
ないように潜弧溶接した後、外面側の潜弧溶接を行い、
最後に前記内面側の合わせ材開先部分(第2段開先)の
溶接を合わせ材よりも高品位な帯板電極を用いてバンド
アーク溶接する方法。また特公昭61−226187号
公報では、内面側の開先形状を2段開先とし、その溶接
においてはまず外面側、内面側(第1段開先)の順に低
合金鋼開先部分を低合金鋼ワイヤーで1層潜弧溶接、つ
いで内面側の合わせ材開先部分(第2段開先)を4mmφ
以上の高合金鋼コアードワイヤーを用いて潜弧溶接する
方法。さらに特公昭63−90370号公報では、外面
側の低合金鋼に角度が60〜90°、ルートフェイスが
3〜8mmの開先を設ける一方、内面側は幅が8〜15mm
の合わせ材削除部分を形成、その溶接では外面側から低
合金鋼ワイヤーを用いてプラズマ溶接し、その後内面側
の合わせ材開先部分を合わせ材よりも高品位なソリッド
もしくはコアードワイヤーを用いて溶接するワイヤーを
用いて潜弧溶接する方法、などが提案されている。
【0005】しかし前二者の方法は図3(a)に示すよ
うに内面側の低合金鋼1に対する開先3(第1段開先)
および合わせ材2部分の開先幅を低合金鋼の開先幅より
もさらに広く合わせ材2部分を削除する必要がある。ま
たその溶接方法(順序)は外側の低合金鋼1の開先谷部
の仮付け溶接、次に内面側の低合金鋼1の開先3に対
して低合金鋼溶接ワイヤーによる潜弧溶接、更に外面
側の開先5に対して低合金鋼溶接ワイヤーによる潜弧溶
接、最後に内面側の合わせ材開先部分4に対して合わ
せ材よりも高品位な溶接ワイヤーを用いて潜弧溶接を
行うものである。
【0006】しかるにこのような方法には下記のごとき
4つの問題がある。第1に内面側を2段開先に加工する
ことは既存のUOE工程における開先加工機の変更を余
儀なくされるために設備投資が必要であり、且つ低合金
鋼鋼管の製造を同一ラインで操業するためには組替えな
ども必要であり生産性にも影響を及ぼす。第2はその溶
接工程が非クラッド鋼管の製造工程に比較して1つ工程
が多くなっていることである。ちなみに非クラッド鋼管
(通常の低合金鋼々管)の場合は〜の3工程で溶接
が完了する。第3はの工程が必要なために、外面潜弧
溶接後再び内面溶接工程に鋼管を戻す必要がある。これ
は非クラッド鋼管の製造工程ではありえず、逆搬送のた
めの設備改造が必要となる欠点がある。第4は低合金鋼
1の内面側の潜弧溶接で生じた溶接スラグの除去、ビ
ード整形のためのグラインダー手入れが必要となり、そ
の生産性は著しい低下が避けられない。
【0007】また後者の場合も図3(b)に示すように
内面側の合わせ材2に該合わせ材部分を削除する必要が
あり、前二者と同様な開先加工に対する問題がある。さ
らにその溶接では、外面側の低合金鋼1の開先4に対し
て低合金鋼ワイヤーを用いてプラズマ溶接、次に内面
側の合わせ材削除部分3を合わせ材よりも高品位なコア
ードもしくはソリッドワイヤーで潜弧溶接を行う方法
である。
【0008】しかし、この方法でも下記のような2つの
問題が推定される。すなわち第1は外面側の低合金鋼1
の溶接においてプラズマ溶接で裏波溶接が必須な点にあ
る。裏波溶接では溶落ちの危険性が大きく一旦発生につ
ながればその鋼管はスクラップとなり、特にクラッド鋼
管のように高価な材料を対象にするには相当のリスクを
覚悟する必要がある。加えて内面側の低合金鋼に突出し
た裏波ビードの削除も必要となり、特にその手入れが鋼
管の内面側で作業を必要とするため作業者の負担は計り
知れないものがある。第2は外面側の溶込形状がキーホ
ール溶接のために梨型ビードとなりやすく凝固割れの発
生が助長されるという問題がある。
【0009】さらに、上記の3例では特に内面側の合わ
せ材削除部分の溶接(図3(a)の場合潜弧溶接、
(b)の場合潜弧溶接)において以下のような欠点が
ある。それは、合わせ材2の削除部分が幅広、かつ大断
面積のために高溶着量を必要とするばかりでなく、その
溶接では溶接アークが低合金鋼(もしくはその溶接金
属)に直接作用するため高希釈溶接となり、溶接は可能
であっても溶接金属の重要な機能である耐食性を確保す
ることが困難となる。
【0010】一方、本発明者らは上記の観点から図3
(c)に示す方法を提案した(特開平4−313468
号公報)。この方法はX型の開先形状を基本とし、その
溶接では、先ず外面側の低合金鋼1の開先3の谷部を低
合金鋼ワイヤーで仮付け溶接、次に内面側の合わせ材
2の開先4に対して合わせ材よりも高品位なワイヤーを
用いて潜弧溶接、更に外面側の低合金鋼1の開先3を
高品位なワイヤーで潜弧溶接するものである。この方
法によれば、既存のUO工程がそのまま適用できるため
に大きな効果が期待された。しかし、これらの方法でも
溶接材料コスト、外面溶接金属の強度、靭性及び耐割れ
性などの問題を有していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解消すべくなされたものであって、クラッド
鋼管を製造するに際し、特にUOE法で成形した管体長
手方向の内側シーム部突き合わせ溶接をするにあたっ
て、既存のUOE工程の有効活用を前提として特に外面
側の溶接において低合金鋼ワイヤーの適用を可能とし強
度、靭性および耐割れ性の優れたクラッド鋼管の製造法
を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、以下の構成を要旨とする。 (1)外面側が低合金鋼で内面側がNi、Cr、Moな
どの成分を基調とするステンレス鋼乃至はそれ以上の高
合金鋼(以下合わせ材という)すらなるクラッド鋼にX
型の開先加工をほどこし、該X型開先部をシーム溶接し
てクラッド鋼管を製造するにあたり、その突合せ開先形
状が内面側の開先深さを合わせる材厚みの80〜130
%、角度60〜80°とし、ルートフェース厚みが1〜
3mm、外面側の角度が60〜80°とすることを特徴と
するクラッド鋼管の溶接方法。
【0013】(2)上記開先の溶接にあたり、まず外面
側の谷部の低合金鋼部を低合金鋼のワイヤーを用いて溶
着金属の高さが7mm以上になるような溶接ビードを形
成、つぎに内面側の合わせ材開先部分をその溶融割合及
び希釈率に相応したワイヤーを用いて潜弧溶接、さらに
外面側の低合金鋼の開先部分を低合金鋼のワイヤーを用
いて潜弧溶接することを特徴とする(1)記載のクラッ
ド鋼管の溶接方法。
【0014】更に本発明においては、外面側の谷部の低
合金鋼部を低合金鋼ワイヤーで溶接するにあたって次の
条件を採用することが好ましい。すなわち、 溶接ワイヤーは、その送給やアークを安定するため、
細いことが良く、0.9〜1.6mmの範囲とすることが
好ましい。 また溶接ワイヤーの種類は、ソリッド及びフラックス
コアードのいずれでも良いが溶落ち防止、ビード形成の
観点からは後者の方が好ましい。 ワイヤーの成分は、該溶接ビードが継ぎ手の一部とし
て残ることから、強度及び低温靭性などの材質面におい
て外面側の潜弧溶接部に遜色のない成分系の溶接ワイヤ
ーを用いることが好ましい。 溶接方法としては、現UO溶接工程の有効活用の観点
からガスシールドアーク溶接法の適用が好ましい。シー
ルドガスはCO2 、およびCO2 +Arガスのどちらで
も良い。
【0015】以下本発明を詳細に説明する。図1は本発
明の開先形状、図2は本発明の溶接工程を示す。ここで
溶接工程について記述すると、先ず図2(a)におい
て、外面側の低合金鋼1のシーム突き合わせ部3の開先
5に対して低合金鋼ワイヤーを用いて溶接する。このと
き溶着金属の高さh3 が7mm以上になるようなビード
を形成する。次に同図(b)に示すように内面側の合わ
せ材2の開先4に対して合わせ材よりも高品位なワイヤ
ーを用いて潜弧溶接を行う。更に同図(c)の如く外
面側の低合金鋼1の開先5の残り部分を低合金鋼ワイヤ
ーを用いて潜弧溶接してクラッド鋼管鋼管のシーム溶
接を終了する。
【0016】以上の溶接工程はすべて現状の非クラッド
鋼管(通常の低合金鋼々管)の製造工程と同じであり何
等問題がない。しかし、ここにはクラッド鋼管の溶接に
関して本発明の重要な技術的ポイントがある。以下その
点について記述する。それは図2(a)の溶接において
溶着金属高さh3 が7mm以上になるようなビードを形
成するという点にある。このようなビードの形成はルー
トフェイス厚みが大きい場合は潜弧溶接法の適用によっ
て容易に可能であるが、後述するようにルートフェイス
厚みが比較的小さい本発明法では溶落ちが発生しやす
い。そのため本発明では溶接入熱を分散する方法、つま
りガスシールドアーク溶接法により、1層目の溶接はほ
とんど溶込のないビードを形成し、2層目、3層目の溶
接で得られる溶着金属高さの和h3 が7mm以上になるよ
うなビードを形成する。なお、この3層溶接は3電極
を適当な極間距離に設定することによって1ラン溶接が
可能である。
【0017】次に図1の本発明による開先形状とその溶
接方法について詳述する。図1において、開先形状は外
側面の低合金鋼1と内側面の合わせ材2からなるクラッ
ド鋼のシーム突き合わせ部3に対して、内面側の合わせ
材2に深さh1 が合わせ材厚みtの80〜130%、角
度θ1 が60〜80°なる開先4を、またシーム突合わ
せ部のルートフェイス厚みh2 を1〜3mm、さらに外側
面の低合金鋼1に角度θ2 が60〜80°の開先5を形
成する。本発明において開先形状を上記の通り設けた理
由は、第1にその形状がX型形状であるため既存のUO
工程の開先加工機械の有効活用が可能なため設備投資が
少なくて済むという点にある。第2に内面側の開先形状
は特にその深さh1 (mm)を合わせ材厚みtの80〜1
30%とし、角度θ1 が60〜80°の範囲とした。深
さ及び角度の下限を上記の如く設定した理由は、通常の
UO工程の内面溶接ではその開先を溶接電極の倣い溝と
するため、ある程度の深さが必要なためである。また深
さと角度の上限を上記とした理由は、開先深さおよび角
度が上記の範囲以上の場合には低合金鋼の溶込率、希釈
率ともに増加するからである。第3に突合せ部3のルー
トフェイス厚みh2 を上記の如く1〜3mmの範囲とし
た。その理由について記述すると、前記の如く図2
(a)の外面側の溶接でビードを形成後、同図(b)
で内面側の潜弧溶接でビードを形成するが、この時に
該ビードの溶込先端部分がビードの先端とメタルタッ
チさせる必要がある。そのメタルタッチ量は主に内面側
の溶接条件、例えば電流を高電流とすることで可能であ
るが、高溶込率、高希釈率となるため限界が生ずる。本
発明者らが希釈の観点から検討した結果によれば、許容
できる内面側溶接での溶込深さは開先深さh1 の先端か
ら外側面に向けて4.5〜5.0mm程度であった。この
ことからルートフェイス厚みh2 はその上限を4mm程度
まで厚くすることは可能であるが十分なメタルタッチを
確保するためそのh2 の上限を3mmとした。またh2
下限は図2(a)の溶接において溶落ち防止の観点か
ら1mmとした。
【0018】さらに、外側面の低合金鋼1の開先5はそ
の角度をθ2 を60〜80°の範囲とした。この角度が
60°以下では外側面のビードが梨型形状となりやすく
凝固割れの発生する危険性が助長されるからであり、ま
た80°以上では開先の断面積が大きくなるため高溶接
入熱による材質低下を避けるためである。一方、本発明
ではこの外側面の溶接に低合金鋼ワイヤーの適用を行う
が、その際の溶込深さの先端は内面側の溶接ビードとメ
タルタッチしないようにする必要がある。万一メタルタ
ッチによって外面側の溶接金属に内面側の溶接金属が希
釈された場合にはその凝固組織はマルテンサイト組織と
なり凝固割れにつながるからである。それを防止するた
めに本発明では図2(a)における溶着金属の高さh3
を7mm以上とした。その理由はh3 が7mm以下の場合、
特に開先や溶接条件の変動によって該溶接部の溶込先端
が内面側の溶接部に達することがあるからである。
【0019】
【実施例】表1に示す成分のクラッド鋼板(低合金鋼:
X65、厚み15mm、合わせ材:SUS316L、厚み
3mm)に、表2に示すような開先加工を行い、表3に示
す溶接ワイヤーを用い、表4に示すような溶接条件を適
用して試験を実施した。開先形状は内面側の角度θ1
70°、深さh1 が3.5mmの一定、ルートフェイス厚
みh2 は0、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0
mmの6種類、外面側の開先深さはクラッド鋼板の全厚み
−(h1 +それぞれのh2 )を設け、その角度θ2 は7
0°一定となるように加工し、ルートフェイス厚みh2
が4mm材の一部を比較用に用いた。
【0020】溶接材料として外面側の開先谷部のCO2
溶接ワイヤーは、本発明法として低温靭性を考慮した低
C、Ni入り市販フラックス入りワイヤー、比較用には
あまり低温靭性を必要としない通常成分の市販ソリッド
ワイヤーを適用した。また内面側の合わせ材開先部の潜
弧溶接用としては、表1のクラッド鋼板成分、表2の内
面側の開先形状および表4の内面側溶接条件に適合した
合わせ材よりも高品位な試作ワイヤー、フラックス(ボ
ンドタイプ)の組合せを内面側の共通材料として全ての
試験に使用した。さらに外面側の溶接用としては、本発
明法に対しては通常の低合金鋼用の低温靭性を考慮した
既存の市販ワイヤー、フラックス(メルトタイプ)の組
合せを採用、比較用としては異材溶接用の高品位市販ワ
イヤーと試作フラックス(ボンドタイプ)の組合せを適
用した。
【0021】溶接工程は全ての試験材とも、外面側の
低合金鋼の開先谷部のCO2 溶接、内面側の合わせ材
開先部の潜弧溶接、外面側の低合金鋼の開先残部の潜
弧溶接の順で行った。溶接条件はあらかじめ予備試験で
得られた条件を採用した。溶接試験後、溶接部から試験
片を採取して調査した。表5に溶接金属の成分、表6に
その調査結果を示す。引張試験片は溶接金属の余盛を削
除して1試験体から各3本、側曲げ試験片は各試験体か
ら各2本(全厚)、シャルピー試験片は外表面1mm下か
ら(標準サイズ)1試験体について各5本ずつ採取して
試験した。
【0022】ルートフェイス厚みh2 が4mmで、外面側
の開先残部へ合わせ材よりも高品位な溶接ワイヤーを適
用して潜弧溶接した従来法の記号Dは、溶接部の強度が
X65の規格に対して余裕が少なく、3本中の2本が溶
接金属の中央部で破断した。また低温靭性もその絶対値
は必ずしも高くなく、仕様によっては問題の生じるレベ
ルである。
【0023】一方、ルートフェイス厚みh2 が1〜3mm
で、外面側の開先残部へ低合金鋼ワイヤーを適用して潜
弧溶接した本発明法の記号A〜Cは、記号Dに比較して
強度、靭性ともに良好な結果が得られた。しかし、外面
側の開先残部へ低合金鋼ワイヤーの適用を前提とした方
法であっても記号Eはルートフェイス厚みh2 が0mmの
場合、その厚みが少ないために外面側の開先谷部の1層
目のCO2 溶接において溶落ちが発生し、その後の溶接
は困難であった。
【0024】また、逆にh2 を4mm以上とした記号Fお
よびGはその厚みが厚くなるに従い、強度が低下すると
ともに、側曲げ試験において溶接部が開口した。これ
は、ルートフェイス厚みh2 が厚いため、内面側の合わ
せ材開先部分の潜弧溶接においてその溶込が外面側の開
先谷部のビードとメタルタッチができなくなるためであ
る。
【0025】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればク
ラッド鋼管のシーム溶接に際し、既存のUO工程が有
効に活用でき、かつ外面側へ低合金鋼溶接ワイヤーの
適用が可能なために強度、靭性に優れた溶接部を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による開先形状を示す図である。
【図2】本発明によるクラッド鋼管の溶接工程を示す図
である。
【図3】従来の開先形状と溶接工程を示す図である。
【符号の説明】
1 低合金鋼 2 合わせ材 3 開先 4 合わせ材開先部分 5 外面側開先 ビード ,, 潜弧溶接
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 33/00 A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外面側が低合金鋼で内面側がNi、C
    r、Moなどの成分を基調とするステンレス鋼乃至はそ
    れ以上の高合金鋼(以下合わせ材という)からなるクラ
    ッド鋼にX型の開先加工をほどこし、該X型開先部をシ
    ーム溶接してクラッド鋼管を製造するにあたり、その突
    合せ開先形状が内面側の開先深さを合わせ材厚みの80
    〜130%、角度60〜80°とし、ルートフェース厚
    みが1〜3mm、外面側の角度が60〜80°とすること
    を特徴とするクラッド鋼管の溶接方法。
  2. 【請求項2】 上記開先の溶接にあたり、まず外面側の
    谷部の低合金鋼部を低合金鋼のワイヤーを用いて溶着金
    属の高さが7mm以上になるような溶接ビードを形成、つ
    ぎに内面側の合わせ材開先部分をその溶融割合及び希釈
    率に相応したワイヤーを用いて潜弧溶接、さらに外面側
    の低合金鋼の開先部分を低合金鋼のワイヤーを用いて潜
    弧溶接することを特徴とする請求項1記載のクラッド鋼
    管の溶接方法。
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