JP3183682B2 - 中空角形断面コンクリート柱体成形用の内型枠装置 - Google Patents

中空角形断面コンクリート柱体成形用の内型枠装置

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村 敬 之 島
谷 一 郎 蕗
辺 幹 夫 渡
沢 宏 悦 芹
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羽田ヒューム管株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は中空角形断面を有するコ
ンクリート柱体を遠心成形するための内型枠装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建設業界では中空角形断面を有す
るコンクリート柱体の内部に鉄筋や鉄骨を配設すると共
に、コンクリートを打設して建物の柱として利用するこ
とが行われている。この種の中空角形断面コンクリート
柱体を成形する場合、径の異なる角筒状外型枠と角柱状
内型枠とを用意し、外型枠の内部に内型枠を挿入すると
共に両端部を端板リングで密封固定し、これ等の外型枠
と内型枠との間隙に生コンクリートを充填して振動させ
ることで製造している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法で成形
された中空角形断面コンクリート柱体の外周表面は平滑
ではなく、該コンクリート柱体を建物の柱として用いる
場合には、外周表面にコンクリート或はモルタル等によ
って化粧を施すことが必要となるという問題がある。本
件出願人は、上記の如き問題を解決した中空角形断面を
有するコンクリート柱体を遠心成形する方法、及びこの
方法に利用される成形用型枠を開発して既に特許出願し
ている(特願平2−225216号)。
【0004】更に本件出願人は、中空角形断面コンクリ
ート柱体を効率的に成形することが出来る内形枠装置を
開発して、この発明も既に特許出願している(特願平3
−112130号)。
【0005】本発明の目的は、前述の内型枠装置を更に
改良して、極めて簡単な操作で外型枠内で組立てセット
したり、或は解体することが出来る内型枠装置を目的と
するものである。特に本発明に於ては、空気の圧入によ
って簡単にふくらませ、かつ一旦圧入した空気を排出す
ることによって、しぼませることが出来るチューブ体を
外型枠内に挿入して構成する内型枠装置に関するもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決する為に開発された全く新規な技術であって、その
要旨は角筒状に構成された外型枠の内部に配置されかつ
該外型枠との間に形成された間隙に生コンクリートを打
設して中空角形断面コンクリート柱体を成形する内型枠
装置であって、外周面軸方向に複数個の三角柱状パット
が所定の間隔を保って固着され、空気を圧入することに
よって膨張させて内型枠を形成し、かつ空気の排出によ
って収縮されて外型枠より脱型せしめることが出来る円
筒状チューブ体で構成したことを特徴とした中空角形断
面コンクリート柱体成形用の内型枠装置である。
【0007】
【作用】本発明に係る内型枠装置では、上述の如く、空
気の出し入れによって伸縮し得る円筒状チューブ体の外
周面軸方向に複数個の三角柱状のパットを固着して内型
枠を構成したので、収縮した状態で外型枠に挿入して空
気を圧入することによって外型枠内に内型枠を簡単に組
立構成することが出来る。
【0008】また外型枠と内型枠との間で成形された中
空角形断面コンクリート柱体を型枠装置から取り出す際
には、内型枠を形成する円筒状チューブ体内の空気を排
出することによって、内型枠を収縮せしめ、内型枠を外
型枠より脱型した後で、中空角形断面コンクリート柱体
を外型枠より外方に抜き取って脱形せしめることが出来
る。
【0009】また円筒状チューブ体の外周面に固着され
るパットの三角形状及び取付位置を適宜設定することに
よって、内型枠の外形を外型枠の角部から辺の中央に至
る間で外型枠の面から離隔させるように形成した場合に
は、外型枠と内型枠との間に形成された間隙に生コンク
リートを充填して遠心成形すると、遠心成形の作用によ
ってコンクリート柱体の辺の厚さを均一に成形すること
が出来る。
【0010】
【実施例】図により、本発明に係る内型枠装置の一実施
例を具体的に説明すると、図1(A),(B)は内型枠
の一部断面開示説明図、図2は内型枠を外型枠に収納し
た状態の側面説明図、図3は内型枠に空気を圧入する状
態の説明図、図4(A),(B)は内型枠を用いて遠心
成形された中空角形断面コンクリート柱体の一部断面説
明図である。
【0011】図1(A),(B)に於て、1は内型枠用
の円筒状チューブ体であって、布製チューブの表面にゴ
ムコートすることによって形成されている。このチュー
ブ体1には、図3に示すように、空気供給用のバルブ2
が設けられており、コンプレッサー3より供給される空
気を圧入することによってふくらませることが出来るよ
うに構成されている。4は中空三角柱状パットであって
外周面の断面形状がほぼ三角形状を持ったゴム製ブロッ
ク体より形成され、かつその頂部表面には軸と直交する
方向に多数の突リブ5が突設されている。チューブ体1
の外表面には、特に図1(A)に示す如く、前記中空三
角柱状パット4が軸方向に所定の間隔を保って、一体的
に固着されて、該チューブ体1と共に内型枠を構成して
いる。
【0012】上記実施例では、4個の中空三角柱状パッ
ト4を使用した実施例について説明したが、成形するコ
ンクリート柱体の断面形状に対応させて、3個,4個,
5個,6個等の中空三角柱状パット4を夫々円筒状チュ
ーブ体1の外周面に固着させることによって構成するこ
とが出来る。
【0013】また、上記実施例では、中空三角柱状パッ
ト4を円筒状チューブ体1の外周面に固着させて構成し
たが、そのまま内型として使用することが出来るよう
な、例えば空気を圧入させることによって角形断面状に
膨張せしめることが出来る角形状チューブ体(図示せ
ず)を使用した場合には、中空三角柱状パット4を全く
不要とすることが出来る。
【0014】遠心成形法を用いてコンクリート柱体を成
形する際に、内型枠に掛る側圧は一般的に約0.8kg/
cm2 であるので、前記チューブ体1には1〜2kg/cm2
の空気を圧入することによって、遠心成形時の側圧に充
分耐えることが出来る。上述の如く、チューブ体1と複
数個の中空三角柱状パット4で構成された内枠体を外枠
体にセットし、或は脱型する手順について説明すると次
ぎの通りである。
【0015】図1(A),(B)乃至図3に示す如く、
外型枠6の両端に端板7を固定し、この端板7の内部に
収縮した状態の内型枠を挿入する。この時に、外型枠6
の各隅部に前記内型枠の中空三角柱状パット4が配置さ
れるようにセットする。その後、チューブ体1のバルブ
2より空気を圧入してチューブ体1を徐々に膨張させ、
このチューブ体1の外周面が前記端板7の内周面に当接
するまで空気を圧入して内型枠を構成する。上述の如き
構成を有する内型枠を外型枠6内にセットしてた場合に
は、内型枠と外型枠6とで形成される隙間8が、角部で
狭く、中央部で広くなっており、従って中央部の隙間8
に生コンクリートが多く充填されるように形成されてい
る。
【0016】上述のように構成された内型枠と外型枠6
との間隙8に、所定の方法で生コンクリートを充填し、
外型枠6を遠心回転させることによって、図4(A),
(B)に示す如く、内周面に多数の凹溝9aが設けられ
た中空角形断面を有するコンクリート柱体9を遠心成形
せしめることが出来る。
【0017】前述のように、隙間8の大きい中央部分に
充填された多量の生コンクリートは、遠心成形の作用に
よって、各角部に分散されるので、最終的にはコンクリ
ート柱体9の辺の厚さを均一に成形することが出来る。
【0018】コンクリート柱体9が成形された後、チュ
ーブ体1のバルブ2より空気を排気することによって、
内型枠を収縮せしめ、これによって成形されたコンクリ
ート柱体9の内周面から剥離させ、これをコンクリート
柱体9の内側から外方に簡単に脱型せしめることが出来
る。
【0019】上述の如く、内型枠を脱型した後、コンク
リート柱体9の内周面に堆積されたノロはジェット噴流
で洗い落とし、更にコンクリート柱体9は外型枠6内に
収納したまま養成することが出来る。
【発明の効果】本発明に係る内型枠装置は、上述の如き
構造と作用とを有するので、外型枠内に組立セットした
り、或は脱型したりする作業が極めて簡単である。特に
全体がチューブ体で構成されるので、軽く取扱が容易で
ある特徴を有している。又内型枠は遠心成形型枠を構成
する際に、外型枠内に最後に挿入してセットすることが
出来るので、外型枠内へのインサート物や取付金物等が
外型枠の内側から取付けることが出来、その取付作業を
容易にすることが出来る特徴を有する。内型枠は収縮自
在なチューブ体で構成されるので、圧入する空気の量に
よって径を変化させることが出来、これによって或る程
度の径の異なるコンクリート柱体を成形する際に兼用す
ることが出来る。本発明に係る内型枠装置は、上述の如
く脱型が容易であるので、コンクリート柱体を遠心成形
した後で直ちに脱型することが出来、これによってコン
クリート柱体の内周壁面に堆積したノロを洗い流すこと
も出来る。従って、コンクリート柱体を養成する際に
は、この内型枠装置は不要となるので、内型枠装置は外
型枠に対して2分の1乃至3分の1の数で間に合わせる
ことが出来る等の特徴を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内型枠の一部断面開示説明図であ
る。
【図2】本発明に係る内型枠を外型枠に収納した状態の
側面説明図である。
【図3】本発明に係る内型枠に空気を圧入する状態の説
明図である。
【図4】本発明に係る内型枠を用いて遠心成形された中
空角形断面コンクリート柱体の一部断面開示説明図であ
る。
【符号の説明】
1・・・チューブ体 2・・・バルブ 3・・・コンプレッサー 4・・・中空三角柱状パット 5・・・突リブ 6・・・外型枠 7・・・端板 8・・・間隙 9・・・コンクリート柱体 9a・・凹溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芹 沢 宏 悦 東京都新宿区西新宿一丁目22番2号 羽 田ヒューム管株式会社 内 (56)参考文献 特開 昭62−233206(JP,A) 特開 平4−107104(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B28B 21/76 - 21/88

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角筒状に構成された外型枠の内部に配置
    されかつ該外型枠との間に形成された間隙に生コンクリ
    ートを打設して中空角形断面コンクリート柱体を成形す
    る内型枠装置であって、外周面軸方向に複数個の三角柱
    状パットが所定の間隔を保って固着され、空気を圧入す
    ることによって膨張させて内型枠を形成し、かつ空気の
    排出によって収縮されて外型枠より脱型せしめることが
    出来る円筒状チューブ体で構成したことを特徴とした中
    空角形断面コンクリート柱体成形用の内型枠装置。
JP22528091A 1991-08-12 1991-08-12 中空角形断面コンクリート柱体成形用の内型枠装置 Expired - Fee Related JP3183682B2 (ja)

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