JP2842144B2 - 半pc柱 - Google Patents

半pc柱

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JP2842144B2
JP2842144B2 JP10469993A JP10469993A JP2842144B2 JP 2842144 B2 JP2842144 B2 JP 2842144B2 JP 10469993 A JP10469993 A JP 10469993A JP 10469993 A JP10469993 A JP 10469993A JP 2842144 B2 JP2842144 B2 JP 2842144B2
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和明 津田
文明 遠藤
哲 平柳
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中空で管状の形を有
し、現場で配置した後に内部にコンクリートを打設する
ための半プレキャストコンクリート柱(以下半PC柱と
いう)に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、鉄筋コンクリート製の柱の施工効
率を向上でき、良質な鉄筋コンクリート製の柱を得るこ
とができる等の理由により、半PC柱が用いられる。こ
の半PC柱は断面が四角形や丸等の管状をしており、肉
厚部にはフープ筋が埋設されている。そして、現場では
例えば主筋を内部に配設して、所定位置に配置し、コン
クリートを打設する。このようにして半PC柱が現場に
おける型枠の働きをし、脱型の必要がないので施工効率
が良い。またPC柱は工場で作られるので、現場におけ
る種々の影響を受けず良質なコンクリート製の柱が得ら
れる。
【0003】このような半PC柱は、工場で遠心コンク
リート成形機で作られる。即ち、半PC柱を成形するた
めの型枠を横置にして、柱の長手方向軸回りに回転させ
ながら、前記型枠の端部からコンクリートを投入する。
投入されたコンクリートは、遠心力によって前記型枠の
内壁面にきつく密着する。コンクリートが硬化した後に
脱型すると、管状の半PC柱を得ることができる。
【0004】このようにして作られる半PC柱1の一例
を断面図にして図3に示す。肉厚部3にはフープ筋5が
埋設され、コンクリート打設時の側圧や建物の一部とし
て軸力を受けた場合に、柱が外側へ膨らむような歪みを
生じるのを防止する。更に、柱が高軸力を受けるため肉
厚部3に埋設されたフープ筋5のみでは足りない場合
に、半PC柱1の中空部分7に露出する中子筋9を用い
る。尚、類似の公知技術として例えば特開平2−106
304号の技術がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、半PC
柱1を遠心コンクリート成形機で作る場合に、中子筋9
が邪魔になりコンクリートの投入に時間がかかってしま
うものであった。例えば、中子筋9をまったく設けない
場合に比べ図3の中子筋9を設けているものはコンクリ
ート投入の時間が約2倍になるものであった。
【0006】更に、図3における中子筋9は四角形をし
ており、フープ筋5に対し接続する部分の辺9Aが、フ
ープ筋5に対し平行であった。このため遠心コンクリー
ト成形機によって受ける力、あるいは震動などによりフ
ープ筋5に沿って動いてしまうことがあった。また、フ
ープ筋5に対し中子筋9を位置決めして接続する前は、
中子筋9はフープ筋5に沿って自由に平行移動できるも
のであった。
【0007】即ち、中子筋9をフープ筋5に固定する固
定具に対し、フープ筋5及び中子筋9が筋の長手方向に
沿って動きやすいものであった。このため中子筋9を正
確な位置に位置決めするのが面倒であった。これらのこ
とから、中子筋が正確に設けられた精度の良い半PC柱
1を作ることが困難だった。
【0008】本発明は、以上の問題点を解決するために
成されたもので、コンクリートの投入に時間がかから
ず、精度の良い半PC柱を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、本発明は、管状の半PC柱であって、肉厚部に埋
設された環状又はスパイラル状のフープ筋に対し、ひし
形の中子筋の各角部を接続させたことを特徴とする。
【0010】
【作用】ひし形の中子筋を用いることで従来例(図3)
よりも、コンクリートを投入する開口部の大きさを大き
くできる(図1,図2)。中子筋をフープ筋に固定する
細い鉄筋等の固定具に対し、中子筋は角部が固定される
ことになるので動きにくい。また、位置決めの際にも、
ひし形の中子筋をフープ筋に対し断面(図1参照)内で
少し回動させて挿入した後、逆方向に回動させれば中子
筋の各角部がフープ筋に接するので、その接する位置が
位置決めされるべき位置となる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1及び図2にお
いて説明する。図1に本実施例の半PC柱1の断面を示
す。この半PC柱1は正方形断面の管状の形を有し、肉
厚部3にスパイラル状のフープ筋5が埋設されている。
即ち、フープ筋5は柱の軸方向に向ってスパイラル状に
配置され、柱が外側に向って膨らむような歪みを防止す
る。この歪みは、例えば現場において半PC柱1の内部
にコンクリートを打設した際のコンクリートの側圧によ
って生じ、あるいは建物の一部として地震等の際に高い
軸力を受けた場合に生ずる。
【0012】柱の長手方向から見たこのフープ筋5の各
辺の中央には、中子筋9の各角部11が接続している。
即ち、この中子筋9は各角が90度のひし形であり、ひ
し形の1つ1つが完結したループを成す閉鎖型となって
いる。そして、ひし形の各角部11は、フープ筋5の各
辺の中央に接続している。この接続は、細い鉄筋等の固
定具で両者を固定することでおこなわれる。
【0013】本実施例の半PC柱1は、図2に示す遠心
コンクリート成形機13で作られる。即ち、半PC柱1
を成形するための型枠15は、横置状態にされ、両端に
円盤17が取り付けられる。この取付は、円盤17に設
けられた三角断面の角材19が、スパイラル状のフープ
筋5のスパイラルによって形成される正方形の角部を支
えることでおこなわれる。また、型枠15に対してフー
プ筋5が所定寸法だけ内側に位置するように、図示しな
いスペーサが用いられる。
【0014】前記円盤17は2つの回転輪21によって
回転自在に支えられる。一方の回転輪21はモータ23
からベルト25を介して駆動力を受け、回転駆動され
る。この駆動により型枠15はフープ筋5等と共に、柱
の長手方向軸回りに回転する。一方の円盤17の中央に
は、コンクリートを投入するための円形の開口部27が
形成されている。この開口部27には、柱の長手軸方向
に見て中子筋9も露出していない。この開口部27から
コンクリートを投入しつつ、前記回転をおこなう。ある
いは十分に投入をおこなった後に回転をおこなう。そし
て、回転による遠心力により投入するコンクリートは型
枠15の内壁面にきつく密着し、きめ細かな外表面を形
成して硬化し、内部が中空の管状の半PC柱1を得る。
【0015】以上説明したように、本実施例によれば、
図3の従来例に示すように細長い四角形の中子筋9が互
いに90度に交差してフープ筋5に渡設される場合に比
べ、図1及び図2のようにコンクリートを投入するため
の開口部27の面積を大きくできる。即ち、コンクリー
トを型枠15内に素早く投入するためには、型枠15の
内部の中空部分7に中子筋9が余り露出していない方が
良い。つまり、開口部27から柱長手軸方向に見た場合
に、この開口部27に中子筋9が露出しておらず、しか
も開口部27の面積ができるだけ大きい方が良い。そし
て、本実施例は中子筋9をひし形とすることで、以上の
要求を満たし、コンクリートを短時間に素早く投入する
ことができる。しかも、中子筋9はフープ筋5の辺の中
央部分に接続させることができ、フープ筋5の中央部分
を支えることができるので、図3の従来に比べ、中子筋
9としての機能をより十分に果たすことが可能となる。
【0016】また、ひし形の中子筋9を、フープ筋5に
対し細い鉄筋等の固定具により固定し接続する際には、
中子筋9を所定の位置に位置決めしなければならない
が、この位置決めが容易となる。即ち、ひし形の中子筋
9をフープ筋5に対し断面図(図1)内で所定角度回動
し挿入しやすい姿勢にして挿入した後、再び逆方向に回
動させ、中子筋9の各角部11がフープ筋5に接した位
置が、位置決めされるべき位置となる。したがって、位
置決めされるべき位置を容易に見つけることができ、作
業が容易となる。
【0017】更に、細い鉄筋等の固定具に対し、中子筋
9の各角部11が固定されることになるので、固定具に
対し中子筋9は動かない。即ち、従来は固定具に対し中
子筋9とフープ筋5が平行に固定接続されていた(図
3)。これに対し、本実施例は平行ではなく中子筋の各
角部11が45度の状態でフープ筋5に固定されてい
る。したがって中子筋9は固定具に対し動かない。した
がって、遠心コンクリート成形機13から受ける遠心力
や振動で、中子筋9がフープ筋5に対し円周方向に動い
てずれるということを抑止できる。
【0018】このように中子筋9の位置決めが容易にお
こなえ、遠心コンクリート成形機13による成形の際に
も中子筋9が動きにくいので、中子筋9が正確に設けら
れた精度の良い半PC柱1を提供することができる。
【0019】なお、以上の実施例において、フープ筋5
はスパイラル状に設けられ柱の長手方向から見て結果的
に正方形を形成するものであったが、他の実施例におい
てはフープ筋5は環状で独立した正方形を有する閉鎖型
とすることも可能である。
【0020】また、以上の実施例では中子筋9はフープ
筋5に対し固定具で固定されるものとしたが、他の実施
例ではこの固定の際に固定鉄筋を補助的に用いることも
可能である。即ち、図1に示すようにフープ筋5の外側
に柱長手軸方向に固定鉄筋29を設け、固定具は固定鉄
筋29、中子筋9、及びフープ筋5の三者を同時に固定
するものにすることができる。
【0021】また、以上の実施例では半PC柱1は正方
形断面であり、中子筋9のひし形も角が90度であると
して説明したが、他の実施例においては半PC柱1の断
面は正方形以外の四角形であり、中子筋9のひし形は角
が90度以外の角度であるとすることももちろん可能で
ある。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のようにひ
し形の中子筋を用いることで、従来の中子筋(図3)に
比べコンクリートを投入するための開口部を大きくとる
ことができる。従ってコンクリート投入の時間を短くす
ることができる。
【0023】また、フープ筋に中子筋を固定する細い鉄
筋等の固定具に対し、中子筋の各角部は動かない。よっ
て、遠心コンクリート成形機からの遠心力や振動等に中
子筋が動いてしまうということを抑止できる。また、ひ
し形の中子筋の各角部がフープ筋に接する位置が、位置
決めされるべき位置であるので、位置決めの目安が得や
すく、位置決めが容易となる。
【0024】これらのことから、中子筋が正確に設けら
れた精度の良い半PC柱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す半PC柱の断面図であ
る。
【図2】図1の半PC柱を作るための遠心コンクリート
成形機を示す概略図である。
【図3】従来の半PC柱の断面図である。
【符号の説明】
1 半PC柱 3 肉厚部 5 フープ筋 7 中空部分 9 中子筋 11 角部 13 遠心コンクリート成形機 15 型枠 17 円盤 19 角材 21 回転輪 23 モータ 25 ベルト 27 開口部 29 固定鉄筋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04C 3/34 B28B 21/68 B28B 21/80

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管状の半PC柱であって、肉厚部に埋設
    された環状又はスパイラル状のフープ筋に対し、ひし形
    の中子筋の各角部を接続させたことを特徴とする半PC
    柱。
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JPH06313345A JPH06313345A (ja) 1994-11-08
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