JP3181223B2 - 米飯保温器 - Google Patents

米飯保温器

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JP3181223B2
JP3181223B2 JP17117196A JP17117196A JP3181223B2 JP 3181223 B2 JP3181223 B2 JP 3181223B2 JP 17117196 A JP17117196 A JP 17117196A JP 17117196 A JP17117196 A JP 17117196A JP 3181223 B2 JP3181223 B2 JP 3181223B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炊飯ジャー、保温
ジャー等の米飯保温器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、炊飯ジャー、保温ジャー等の米飯
保温器には、米飯の食味劣化を防止するために、米飯を
食べるのに適した温度である70℃〜74℃の範囲にあ
る通常保温温度と、米飯を保存するのに適した温度であ
る55℃〜77℃の範囲にある低温保温温度とを設け、
これら通常保温温度による保温と低温保温温度による保
温とを交互に繰り返すようにしたものがある。しかし、
この方法で例えば24時間以上のような長時間の保温を
行おうとすると、低温保温温度による保温時間が長くな
るため、腐敗菌が繁殖して腐敗臭が発生するという問題
がある。
【0003】これに対する第2の方法として、上記低温
保温温度による保温を行うことによる腐敗菌の繁殖防止
のために、上記通常保温温度と低温保温温度に加えて、
腐敗菌を死滅させる温度である75℃〜95℃の範囲に
ある高温保温温度を設け、低温保温温度による保温、高
温保温温度による保温及び通常保温温度による保温を順
に繰り返すサイクル保温がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このサイクル
保温であっても、上記24時間以上のような長時間の保
温を行おうとする場合には、以下のような問題がある。
【0005】まず、第1に、保温開始からある程度の長
時間が経過してしまうと、サイクル保温を行ったとして
も、食味劣化の防止という効果は得られないため、保温
開始時点から所定時間(例えば、24時間)経過した時
点でサイクル保温から通常保温温度による定温保温に強
制的に切り換える必要がある。しかし、上記所定時間経
過後に強制的に定温保温に切り換える際に、低温保温温
度による保温時間が短く、腐敗菌の繁殖が少ない場合に
まで、一律に高温保温温度による保温を行うとすると、
不必要な高温保温を行い食味劣化を促進させることにな
る。
【0006】第2に、通常保温温度での定温保温では、
約12時間が保温性能の限界であり、それ以上定温保温
を継続すると食味劣化が大きく進行することが従来より
知られている。よって、約12時間以上経過した時点で
定温保温を行っているのであれば、その後にサイクル保
温を開始したとしても、低温保温温度による保温を行う
ことによる食味劣化防止の効果が得られないばかりでな
く、高温保温温度による保温を行うことにより却って食
味劣化を促進することになる。
【0007】第3に、上記サイクル保温と通常保温温度
による定温保温を使用者が選択できる選択手段を設けた
場合、この選択手段の切り換え方によっては、低温保温
温度での保温時間が長くなり腐敗菌が繁殖する場合があ
る。すなわち、サイクル保温を開始するとまず低温保温
温度による保温が行われるが、この低温保温温度による
保温時間の終了前に、サイクル保温から定温保温に切り
換え、その後さらにサイクル保温に切り換え、再び低温
保温温度による保温時間の終了前にサイクル保温から定
温保温に切り換えるということを繰り返したとすると、
その結果、低温保温による保温時間が累積されて長時間
となり、腐敗菌が繁殖することになる。
【0008】本発明は、かかる24時間以上のような長
時間米飯を保温をする際の問題を解決するためになされ
たものである。すなわち、本発明の第1の課題は、低温
保温温度による保温時間が短い場合には、不必要な高温
保温を行わないようにすることにある。
【0009】また、本発明の第2の課題は、食味劣化防
止の効果が得られない状態での不必要なサイクル保温を
実施しないようにすることにある。
【0010】さらに、本発明の第3の課題は、サイクル
保温と定温保温が繰り返された場合であっても、低温保
温温度での保温時間が長くならないようにすることにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決す
るために本発明に係る炊飯器は、米飯を収容する容器
と、該容器を加熱して米飯を保温する保温ヒータと、容
器内の米飯の温度を検知する温度検知手段と、上記保温
ヒータを制御する制御手段とを備え、該制御手段は米飯
の保温温度として、通常保温温度と、該通常保温温度よ
りも高温である高温保温温度と、上記通常保温温度より
低温である低温保温温度とを有し、上記低温保温温度に
よる保温、高温保温温度による保温及び通常保温温度に
よる保温を所定順序で所定回数だけ繰り返すサイクル保
温と、上記通常保温温度による保温を継続する定温保温
との2種類の工程で上記保温ヒータを制御する米飯保温
器において、サイクル保温における低温保温温度による
保温中に、保温開始から第1の所定時間が経過するとそ
の低温保温温度による保温を強制的に終了し、かつ、そ
の強制的に終了された低温保温温度による保温時間が第
2の所定時間未満の場合には、そのサイクル保温中は高
温保温による保温を行わず通常保温温度による保温のみ
を行う構成としている。
【0012】上記第1の所定時間としては、例えば22
時間が好ましく、上記第2の所定時間としては例えば1
0分が好ましい。
【0013】また、米飯を収容する容器と、該容器を加
熱して米飯を保温する保温ヒータと、容器内の米飯の温
度を検知する温度検知手段と、上記保温ヒータを制御す
る制御手段とを備え、該制御手段は米飯の保温温度とし
て、通常保温温度と、該通常保温温度よりも高温である
高温保温温度と、上記通常保温温度より低温である低温
保温温度とを有し、上記低温保温温度による保温、高温
保温温度による保温及び通常保温温度による保温を所定
順序で所定回数だけ繰り返すサイクル保温と、上記通常
保温温度による保温を継続する定温保温との2種類の工
程で上記保温ヒータを制御する米飯保温器において、1
回のサイクル保温における低温保温温度による保温開始
時と終了時での米飯温度の差が所定値以内の場合には、
そのサイクル保温中は高温保温温度による保温を行わず
通常保温温度による保温のみを行う構成としてもよく、
あるいは、1回のサイクル保温における低温保温温度に
よる保温終了時の米飯温度と低温保温温度の差が所定値
以上の場合には、そのサイクル保温中は高温保温温度に
よる保温を行わず通常保温温度による保温のみを行う構
成としてもよい。
【0014】上記第2の課題を解決するために本発明に
係る米飯保温器は、米飯を収容する容器と、該容器を加
熱して米飯を保温する保温ヒータと、容器内の米飯の温
度を検知する温度検知手段と、上記保温ヒータを制御す
る制御手段とを備え、該制御手段は米飯の保温温度とし
て、通常保温温度と、該通常保温温度よりも高温である
高温保温温度と、上記通常保温温度より低温である低温
保温温度とを有し、上記低温保温温度による保温、高温
保温温度による保温及び通常保温温度による保温を所定
の順序で繰り返すサイクル保温と、上記通常保温温度に
よる保温を継続する定温保温との2種類の工程で上記保
温ヒータを制御し、これらサイクル保温と定温保温を選
択できる選択手段を備える米飯保温器において、保温開
始時点からの経過時間である保温経過時間が所定時間以
上となると、上記選択手段の定温保温からサイクル保温
への切り換えが不可となる構成としている。
【0015】上記所定時間としては例えば12時間が好
ましい。
【0016】上記第3の課題を解決するために本発明に
係る米飯保温器は、米飯を収容する容器と、該容器を加
熱して米飯を保温する保温ヒータと、容器内の米飯の温
度を検知する温度検知手段と、上記保温ヒータを制御す
る制御手段とを備え、該制御手段は米飯の保温温度とし
て、通常保温温度と、該通常保温温度よりも高温である
高温保温温度と、上記通常保温温度より低温である低温
保温温度とを有し、上記低温保温温度による保温、高温
保温温度による保温及び通常保温温度による保温を所定
の順序で繰り返すサイクル保温と、上記通常保温温度に
よる保温を継続する定温保温と、再加熱処理との少なく
とも3種類の工程で上記保温ヒータを制御し、これらサ
イクル保温、定温保温及び再加熱処理とを選択できる選
択手段を備える米飯保温器において、上記サイクル保温
の開始時からの経過時間を計時し、該経過時間が所定時
間に達すると上記サイクル保温中の低温保温温度による
保温、高温保温温度による保温及び通常保温温度による
保温のいずれかを上記所定の順序で実行すると共に、上
記選択手段によりサイクル保温から定温保温又は再加熱
処理に切り換えた場合にも、上記サイクル保温の開始時
からの経過時間を記憶保持する構成としている。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、図面に基づいて本発明の実
施形態を詳細に説明する。図1は本発明に係る炊飯ジャ
ーを示している。この炊飯ジャーは、有底筒状の本体1
と、この本体1に収容される内鍋2と、上記本体1に開
閉自在に軸支された蓋体3とからなっている。
【0018】上記本体1の内底には内鍋2の底部を加熱
する炊飯ヒータ4が設けられている。また、本体1の内
側側面には内鍋2の外周面を加熱する保温ヒータ5が配
設されると共に、内鍋2の温度を検出する温度センサ6
が取付けられている。一方、蓋体3の内面には内鍋2の
上端開口部を密閉する内蓋7が取り付けられ、この内蓋
7には保温ヒータ8と、蓋体3の温度を検出する温度セ
ンサ9とが配設されている。
【0019】上記本体1の正面には、図2に示すような
操作パネル部10が設けられている。この操作パネル部
10には、炊飯動作の実行及び保温動作中の再加熱処理
への切り換えのための炊飯/再加熱スイッチ11が設け
られている。また、操作パネル部10には保温動作の開
始及び取り消しを行うための保温/取消スイッチ12が
設けられている。さらに、操作パネル部10には、おや
すみ保温(サイクル保温)を行うか否かを選択する選択
スイッチ13が設けられている。この選択スイッチ13
は、睡眠等で長時間米飯を食べずに保温しておく場合
に、低温保温温度による保温、高温保温温度による保温
及び通常保温温度による保温を繰り返す機能を選択する
ものである。また、操作パネル部10には、炊飯時のメ
ニュー選択、時計調節等を行う他のスイッチ15a〜1
5eが設けられている。また、図2において17は操作
手順等を表示する液晶表示装置等からなる表示装置であ
る。
【0020】さらに、本体1には、図1に示すように、
マイクロコンピュータ19、読出し専用メモリ(RO
M)20、読み書き可能メモリ(RAM)21及びタイ
マ22等からなる制御手段23と、上記炊飯ヒータ4、
保温ヒータ5,8に電力を供給する電源装置24とが設
けられている。上記制御手段23のマイクロコンピュー
タ19は、温度センサ6,9やスイッチ11,12,1
3より入力された信号をROM20に記憶されたプログ
ラムに従って処理し、RAM21及びタイマ22と協働
しつつ、電源装置24に信号を出力して上記炊飯ヒータ
4、保温ヒータ5,8への通電を制御することにより、
炊飯動作、保温動作及び再加熱動作等の種々の動作を行
なう。
【0021】炊飯動作等は本発明とは直接関係しないた
め、以下、保温動作及び再加熱動作を図3から図7のフ
ローチャートに従って説明する。なお、図3は保温動作
及び再加熱動作の全体的な工程の移行を示している。ま
た、図4から図7は保温動作のうちのおやすみ保温(サ
イクル保温)の第1から第4保温処理の詳細を示してい
る。
【0022】炊飯動作が終了すると自動的に保温動作が
開始され、図3のステップS1でタイマ22による保温
動作の開始時点(炊飯動作の終了時点)からの経過時間
(保温経過時間)の計時を開始し、ステップS2の第1
保温処理を実行する。この第1保温処理では、米飯温度
が徐々に低下するように保温ヒータ5,8を制御し、温
度センサ6の検出温度が85℃となるとステップS3の
第2保温処理に移行する。第2保温処理では、米飯温度
を通常保温温度である72℃で保持するように保温ヒー
タ5,8を制御する。
【0023】上記ステップS2,S3の第1保温処理又
は第2保温処理中に選択スイッチ13がオンされると
(図3においてAで示す。)、ステップS4で保温セン
サ6の検出温度が50℃未満であるか否かを判断し、5
0℃未満であればステップS7においてブザーを鳴らし
た後、前モードすなわち第2保温処理に復帰する。一
方、ステップS4で保温センサ6の温度が50℃未満で
なければステップS5に移行する。
【0024】ステップS5では、上記タイマ22の計時
している保温経過時間が12時間以上であるか否かを判
断し、12時間以上であれば、上記ステップS7に移行
してブザーを鳴らした後に第2保温処理に移行する。一
方、ステップS5で保温経過時間が12時間以上でなけ
れば、ステップS6でブザーを鳴らした後、ステップS
8に移行しておやすみ保温処理(サイクル保温)を開始
する。
【0025】このように本実施形態では、保温経過時間
が12時間以上の場合には、選択スイッチ13を操作し
てもおやすみ保温が行われないようにしている。よっ
て、通常保温温度での定温保温である第2保温処理(ス
テップS3)が長時間行われたために米飯の食味劣化が
進み、低温保温温度による保温を行ったとしても米飯の
食味劣化を低減できない状態では、サイクル保温が行わ
れることがなく、不必要な高温保温温度による保温を行
うことによる食味劣化を防止することができる。
【0026】ステップS8〜ステップ11のおやすみ保
温は、第1おやすみ保温処理(ステップS8)から第4
おやすみ保温処理(ステップS11)の4段階の処理を
所定回数(本実施形態では2回)繰り返して行う。
【0027】まず、ステップS8の第1おやすみ保温処
理を行う。この第1おやすみ保温処理は、内鍋2内の米
飯を低温保温温度である60℃に保温する処理である。
具体的には、図4に示すように、ステップS31におい
て、タイマ22によるおやすみ保温開始時点からの経過
時間(おやすみ保温経過時間)の計時を開始する。ま
た、ステップS32において、繰り返しカウンタnの値
が2以上であるか否かを判断する。保温繰り返しカウン
タnが2以上であれば、すでに所定回数だけおやすみ保
温を繰り返しているので、おやすみ保温を行うことな
く、上記図3のステップS3の第2保温処理に移行す
る。ステップS32で繰り返しカウンタnが2以上でな
ければ、ステップS33に移行して温度センサ6,9の
検出する米飯の温度が60℃以上か否かを判断し、60
℃以上であれば、ステップS34で保温ヒータ5,8を
オフする一方、60℃以上であればステップS35で保
温ヒータ5,8をオンしてステップS36に移行する。
【0028】ステップS36では、おやすみ保温経過時
間が6時間以上か否かを判断し、6時間以上であれば、
ステップS38に移行する一方、6時間以上でなけれ
ば、ステップS37に移行する。ステップS37では、
保温経過時間が22時間以上か否かを判断し、22時間
以上であれば、上記ステップS38に移行する一方、2
2時間未満であれば、ステップS33に戻る。このよう
に保温経過時間が22時間以上となると第1おやすみ保
温処理を終了するのは、保温経過時間が24時間以上と
なれば、おやすみ保温処理を強制的に終了して、上記し
た第2保温処理(図3のステップS3)に移行するため
である。また、保温経過時間が24時間ではなく22時
間で第1おやすみ保温処理を終了するのは第2から第4
おやすみ保温処理(ステップS9,S10,S11)を
行う時間を確保するためである。
【0029】上記ステップS38では、上記おやすみ保
温経過時間が10分以上であるか否かを判断し、おやす
み保温経過時間が10分以上であれば、ステップS39
で低温工程通過フラグFを“1”に設定し、10分以上
でなければ、ステップS40で低温工程通過フラグFを
“0”に設定した後、第1おやすみ保温処理を終了す
る。すなわち、低温工程通過フラグFは、“1”が第1
おやすみ保温処理で低温保温温度による保温を十分長い
時間行ったことを示し、“0”が低温保温温度による保
温をわずかな時間しか行っていないことを示している。
また、ステップS38でおやすみ保温経過時間が10分
未満が成立するのは、ステップS37で保温経過時間が
22時間以上が成立する場合、すなわちおやすみ保温の
強制終了までの残り時間が残り少ない場合である。
【0030】ステップS9の第2おやすみ保温処理で
は、通常保温温度である72℃で米飯を保温する。具体
的には、図5に示すように、ステップS41において、
温度センサ6,9の検出する米飯の温度が72℃以上か
否かを判断し、72℃以上であれば、ステップS42で
保温ヒータ5,8をオフする一方、72℃以上でなけれ
ばステップS43で保温ヒータ5,8をオンしてステッ
プS44に移行する。ステップS44では、おやすみ保
温経過時間が8時間以上か否か、すなわち第2おやすみ
保温処理の開始から2時間を経過したか否かを判断し、
おやすみ保温経過時間が8時間以上であれば、第2おや
すみ保温処理を終了する一方、8時間未満であればステ
ップS45に移行する。ステップS45では、保温経過
時間が24時間以上か否かを判断し、24時間以上であ
れば、第2おやすみ保温処理を終了する一方、24時間
未満であれば、ステップS41に戻る。
【0031】ステップS10の第3おやすみ保温処理で
は、米飯温度を高温保温温度である80℃まで上昇させ
る。具体的には、図6に示すように、まず、ステップS
46において、上記低温工程通過フラグFが“0”か否
かを判断し、低温通過フラグが“0”でなければ、ステ
ップS47に移行する。ステップS47で米飯温度が8
0℃以上であれば、ステップS52で保温ヒータ5,8
をオフした後、ステップS53に移行して低温通過フラ
グFを“0”に設定し、第3おやすみ保温処理を終了す
る。一方、ステップS47で米飯温度が80℃以上でな
ければ、ステップS49で保温ヒータ5,8をオンした
後ステップS50に移行する。ステップS50では、お
やすみ保温経過時間が10時間以上か否か、すなわち第
3おやすみ保温処理開始から2時間を経過したか否かを
判断し、おやすみ保温経過時間が10時間以上であれ
ば、上記ステップS52に移行する一方、10時間未満
であれば、ステップS51に移行する。ステップS51
では、保温経過時間が24時間以上か否かを判断し、2
4時間以上であれば、上記ステップS52に移行する一
方、24時間未満であれば、ステップS47に戻る。
【0032】一方、上記ステップS46で低温工程通過
フラグFが“0”であれば、上記ステップS8の第1お
やすみ保温処理(低温保温温度による保温)をわずかな
時間しか行っていないと判断して、第3おやすみ保温処
理(高温保温温度による保温)を行わない。このように
本実施形態では、低温保温温度による保温をわずかな時
間しか行っておらず、腐敗菌の滅菌を行う必要がない場
合には、高温保温温度による保温を行わないようにして
いるため、不必要な高温保温温度による保温を行うこと
による米飯の食味劣化を低減することができる。
【0033】ステップS11の第4おやすみ保温では、
上記第2おやすみ保温処理と同様に米飯を通常保温温度
である72℃に保温する。具体的には、図7に示すよう
に、ステップS54において、温度センサ6,9の検出
する米飯の温度が72℃以上か否かを判断し、72℃以
上であれば、ステップS55で保温ヒータ5,8をオフ
する一方、72℃以上でなければステップS56で保温
ヒータ5,8をオンしてステップS57に移行する。ス
テップS57では、おやすみ保温経過時間が12時間以
上か否か、すなわち第4おやすみ保温処理の開始から2
時間を経過したか否かを判断し、おやすみ保温経過時間
が12時間以上であれば、ステップS59に移行する一
方、12時間未満であれば、ステップS58に移行す
る。ステップS58では、保温経過時間が24時間以上
か否かを判断し、24時間以上であれば、上記ステップ
S59に移行する一方、24時間未満であれば、ステッ
プS54に戻る。
【0034】上記ステップ59では、第1から第4おや
すみ保温処理を1回実行したことになるので、おやすみ
保温経過時間を“0”にリセットすると共に、ステップ
S60において繰り返しカウンタnを“1”加算して第
4おやすみ保温処理を終了し、上記ステップS8の第1
おやすみ保温処理に戻る。
【0035】本実施形態では、上記ステップS45,S
51,S58に示すように、第2から第4おやすみ保温
処理中に保温経過時間が24時間を経過した場合には、
これら第2から第4おやすみ保温処理(ステップS9,
S10,S11)を中止するようにしている。よって、
それ以上食味劣化を防止できない状態で、さらにサイク
ル保温を継続して高温保温温度による保温を行うことに
より食味劣化を促進させてしまうことがない。
【0036】次に、上記おやすみ保温中に、炊飯/再加
熱スイッチ11、保温/取消スイッチ12及び選択スイ
ッチ13を操作した場合について説明する。
【0037】まず、第1から第4おやすみ保温処理中
(ステップS8,ステップS9,ステップS10,ステ
ップS11)に炊飯/再加熱スイッチ11がオンされた
場合(図3においてBで示す。)には、ステップS5で
温度センサ6の検出温度が55℃未満であるか否か、ス
テップS16で保温センサ6の検出温度が85℃以下で
あるかをそれぞれ判断する。これらステップS15,S
16のいずれか1つでも該当すれば、上記ステップS7
でブザーを鳴らした後、ステップS3の第2保温処理に
戻る。一方、上記ステップS15,S16のいずれにも
該当しなければ、ステップS18〜ステップS20で再
加熱動作を行う。
【0038】この再加熱動作は第1から第3再加熱処理
(ステップS18〜S19)の3段階の再加熱処理から
なり、再加熱処理の間も上記した保温経過時間は継続し
て計時される。また、この再加熱処理の間、上記おやす
み保温経過時間の計時は停止するが、炊飯/再加熱スイ
ッチ11を操作した時点でのおやすみ保温経過時間はR
AM21内に記憶保持されている。
【0039】なお、第1保温処理(ステップS2)また
は第2保温処理(ステップS3)で炊飯/再加熱スイッ
チ11をオンした場合(図3においてBで示す。)に
も、ステップS15〜S17を経て再加熱処理が行われ
る。
【0040】次に、上記第1または第2おやすみ保温処
理(ステップS8,S9)中に選択スイッチ11がオン
された場合(図3においてAで示す。)には、ステップ
S12でブザーを鳴らし、ステップS13の第3保温処
理で5分間米飯を加熱した後、上記ステップS3の第2
保温処理に移行する。一方、第3または第4おやすみ保
温処理(ステップS10,S11)中に選択スイッチ1
1がオンされた場合(図3においてAで示す。)には、
ステップS14でブザーを鳴らした後、上記ステップS
3の第2保温処理に移行する。このように第1から第4
おやすみ保温処理中に、選択スイッチ11がオンされて
第2保温処理に移行する場合も、保温経過時間のカウン
トは継続される。また、この場合、おやすみ保温経過時
間の計時は停止するが、選択スイッチ11を操作した時
点でのおやすみ保温経過時間がRAM21内に記憶保持
される。
【0041】このように、本実施形態では、炊飯/再加
熱スイッチ11や、選択スイッチ13の操作を繰り返し
た場合であっても、おやすみ保温経過時間はリセットさ
れることなく累積的に加算される。よって、仮に、使用
者が第1おやすみ保温処理の終了前に、炊飯/再加熱ス
イッチ11や、選択スイッチ13を操作して再加熱処理
や第2保温処理を行い、再び選択スイッチ13を操作し
ておやすみ保温に移行させ、さらに再度第1おやすみ保
温処理の終了前に炊飯/再加熱スイッチ11や、選択ス
イッチ13が操作するようなことを繰り返したとして
も、上記累積されたおやすみ保温時間が6時間を越える
とステップS36からステップS38に移行して第1お
やすみ保温処理が終了するため、低温保温温度による保
温である第1おやすみ保温処理の時間が長くなるのを防
止することができる。
【0042】第1から第4おやすみ保温中に、保温/取
り消しスイッチ12をオンした場合(図3においてCで
示す。)には、ステップS61でブザーを鳴らした後、
ステップS62でおやすみ保温経過時間がリセットされ
ると共に、ステップS63で保温経過時間がリセットさ
れ、保温動作が終了する(ステップS64)。また、第
1及び第2保温処理(ステップS2,S3)や第1から
第3再加熱処理(ステップS18,S19,S20)に
保温/取り消しスイッチ12をオンした場合(図3にお
いてCで示す。)もステップS61〜S63を経て保温
動作が終了する。
【0043】なお、上記第1再加熱処理中に炊飯/再加
熱スイッチ11をオンした場合(図3においてBで示
す。)には、ステップS21でブザーを鳴らした後、第
2保温処理に移行する。また、第2又は第3再加熱処理
中に炊飯/再加熱スイッチ11をオンした場合(図3に
おいてBで示す。)、ステップS22でブザーを鳴らし
た後、第1保温処理に移行する。さらに、第1から第3
再加熱処理中に選択スイッチ13をオンした場合(図3
においてAで示す。)、ステップS4〜S6を経ておや
すみ保温に移行する。
【0044】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態について説明する。この第2実施形態は、図4に示
す、おやすみ保温の第1おやすみ保温処理(ステップS
8)を図8に示す処理に置換している点を除いて第1実
施形態と同様である。
【0045】すなわち図8に示すように、ステップS7
1でおやすみ保温経過時間の計時を開始した後、ステッ
プS72で温度センサ6,9により第1おやすみ保温処
理開始時の米飯温度tを検出し、ステップS73に移
行する。ステップS73〜S78の処理は第1実施形態
と同様である。次に、ステップS79で温度センサ6,
9により第1おやすみ保温処理終了時の米飯温度t
検出し、ステップS80に移行する。ステップS80で
は、上記第1おやすみ保温処理開始時の米飯温度t
ら第1おやすみ保温処理終了時の米飯温度tを引いた
差(t−t)を求め、この差が所定値α(例えば2
°C)以上であれば、ステップS81で低温工程通過フ
ラグFを“1”に設定する一方、所定値α以上でなけれ
ば、ステップS82で低温工程通過フラグFを“0”に
設定する。このように第1おやすみ保温処理の前後の米
飯の温度差により、第3おやすみ保温処理で高温保温温
度による保温を行う必要があるか否かを判別してもよ
い。
【0046】(第3実施形態)次に、本発明の第3実施
形態についてい説明する。この第3実施形態は、図4に
示す、おやすみ保温の第1おやすみ保温処理(ステップ
S8)を図9に示す処理に置換している点を除いて第1
実施形態と同様である。
【0047】図9においてステップS81〜S87は、
上記第1実施形態と同様である。ステップS88で温度
センサ6,9により第1おやすみ保温処理終了時の米飯
温度tを検出する。次に、ステップS89でこの温度
から60℃を引いた差(t−60)を求め、この
差が所定値β以上であればステップS90で低温工程通
過フラグFを“0”に設定する一方、所定値β未満であ
ればステップS91で低温工程通過フラグFを“1”に
設定する。このように第1おやすみ保温処理後の米飯温
度と低温保温温度との温度差により、第3おやすみ保温
処理で高温保温温度による保温を行う必要がある程の時
間行ったか否かを判別してもよい。
【0048】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記通常
保温温度は、72℃に限定されず、70℃以上74℃以
下の範囲で設定すればよい。また、上記低温保温温度は
60℃に限定されず、55℃以上70℃未満の範囲に設
定すればよい。さらに、上記高温保温温度は80℃に限
定されず、75℃以上95℃以下の範囲に限定すればよ
い。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る米飯保温器では、1回のサイクル保温における低
温保温温度による保温時間が例えば10分のような所定
時間未満の場合には、そのサイクル保温中は高温保温温
度による保温を行わず通常保温温度による保温のみを行
う構成としているため、低温保温温度による保温時間が
短く、腐敗菌の繁殖が少ない場合には高温保温温度によ
る保温は行わず、不必要な高温保温温度による保温を行
うことによる食味劣化を防止することができる。
【0050】また、1回のサイクル保温における低温保
温温度による保温開始時と終了時の米飯温度の差が所定
値以内の場合には、そのサイクル保温中は高温保温温度
による保温を行わず通常保温温度による保温のみを行う
構成や、1回のサイクル保温における低温保温温度によ
る保温終了時の米飯温度と低温保温温度の差が所定値以
上の場合には、そのサイクル保温中は高温保温温度によ
る保温を行わず通常保温温度による保温のみを行う構成
としても、低温保温温度による保温時間が短く、腐敗菌
の繁殖が少ない場合には高温保温温度による保温は行わ
れず、不必要な高温保温温度による保温を行うことによ
る食味劣化を防止することができる。
【0051】保温開始時点からの経過時間である保温経
過時間が例えば12時間のような所定時間以上となる
と、選択手段による定温保温からサイクル保温への切り
換えを不可とする構成とした場合には、保温開始から長
時間が経過して食味劣化が大きく進行しており、サイク
ル保温を実行して低温保温温度による保温を行っても食
味劣化を防止できない場合には、サイクル保温は行われ
ず、不必要な高温保温温度による保温を行うことによる
食味劣化を防止することができる。
【0052】サイクル保温の開始時からの経過時間を計
時し、この経過時間が所定時間に達すると上記サイクル
保温中の低温保温温度による保温、高温保温温度による
保温及び通常保温温度による保温のいずれか所定の順序
で実行すると共に、選択手段によりサイクル保温から定
温保温又は再加熱処理に切り換えても、上記サイクル保
温の開始時からの経過時間を記憶保持する構成とした場
合には、選択手段を比較的短い時間間隔で頻繁に切り換
えても、低温保温温度による保温が長時間に及ぶことが
なく腐敗菌の繁殖を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る米飯保温器を示す概略構成図で
ある。
【図2】 操作パネル部を示す部分拡大正面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態に係る米飯保温器の作
動を示するためのフローチャートである。
【図4】 第1おやすみ保温処理を示すフローチャート
である。
【図5】 第2おやすみ保温処理を示すフローチャート
である。
【図6】 第3おやすみ保温処理を示すフローチャート
である。
【図7】 第4おやすみ保温処理を示すフローチャート
である。
【図8】 本発明の第2実施形態を示す部分的なフロチ
ャートである。
【図9】 本発明の第3実施形態を示す部分的なフロチ
ャートである。
【符号の説明】
1 本体 2 内鍋(容器) 4 炊飯ヒータ 5,8 保温ヒータ 6,9 温度センサ 11 炊飯/再加熱スイッチ 12 保温/取り消しスイッチ 13 選択スイッチ 17 表示装置 23 制御手段
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 27/00 103 A47J 27/00 109 A47J 47/04

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米飯を収容する容器と、該容器を加熱し
    て米飯を保温する保温ヒータと、容器内の米飯の温度を
    検知する温度検知手段と、上記保温ヒータを制御する制
    御手段とを備え、 該制御手段は米飯の保温温度として、通常保温温度と、
    該通常保温温度よりも高温である高温保温温度と、上記
    通常保温温度より低温である低温保温温度とを有し、上
    記低温保温温度による保温、高温保温温度による保温及
    び通常保温温度による保温を所定順序で所定回数だけ繰
    り返すサイクル保温と、上記通常保温温度による保温を
    継続する定温保温との2種類の工程で上記保温ヒータを
    制御する米飯保温器において、 サイクル保温における低温保温温度による保温中に、保
    温開始から第1の所定時間が経過するとその低温保温温
    度による保温を強制的に終了し、かつ、その強制的に終
    了された低温保温温度による保温時間が第2の所定時間
    未満の場合には、そのサイクル保温中は高温保温による
    保温を行わず通常保温温度による保温のみを行うことを
    特徴とする米飯保温器。
  2. 【請求項2】 上記第1の所定時間が22時間であり、
    上記第2の所定時間が10分であることを特徴とする請
    求項1に記載の米飯保温器。
  3. 【請求項3】 米飯を収容する容器と、該容器を加熱し
    て米飯を保温する保温ヒータと、容器内の米飯の温度を
    検知する温度検知手段と、上記保温ヒータを制御する制
    御手段とを備え、該制御手段は米飯の保温温度として、
    通常保温温度と、該通常保温温度よりも高温である高温
    保温温度と、上記通常保温温度より低温である低温保温
    温度とを有し、上記低温保温温度による保温、高温保温
    温度による保温及び通常保温温度による保温を所定順序
    で所定回数だけ繰り返すサイクル保温と、上記通常保温
    温度による保温を継続する定温保温との2種類の工程で
    上記保温ヒータを制御する米飯保温器において、 1回のサイクル保温における低温保温温度による保温開
    始時と終了時での米飯温度の差が所定値以内の場合に
    は、そのサイクル保温中は高温保温温度による保温を行
    わず通常保温温度による保温のみを行うことを特徴とす
    る米飯保温器。
  4. 【請求項4】 米飯を収容する容器と、該容器を加熱し
    て米飯を保温する保温ヒータと、容器内の米飯の温度を
    検知する温度検知手段と、上記保温ヒータを制御する制
    御手段とを備え、該制御手段は米飯の保温温度として、
    通常保温温度と、該通常保温温度よりも高温である高温
    保温温度と、上記通常保温温度より低温である低温保温
    温度とを有し、上記低温保温温度による保温、高温保温
    温度による保温及び通常保温温度による保温を所定順序
    で所定回数だけ繰り返すサイクル保温と、上記通常保温
    温度による保温を継続する定温保温との2種類の工程で
    上記保温ヒータを制御する米飯保温器において、 1回のサイクル保温における低温保温温度による保温終
    了時の米飯温度と低温保温温度の差が所定値以上の場合
    には、そのサイクル保温中は高温保温温度による保温を
    行わず通常保温温度による保温のみを行うことを特徴と
    する米飯保温器。
  5. 【請求項5】 米飯を収容する容器と、該容器を加熱し
    て米飯を保温する保温ヒータと、容器内の米飯の温度を
    検知する温度検知手段と、上記保温ヒータを制御する制
    御手段とを備え、該制御手段は米飯の保温温度として、
    通常保温温度と、該通常保温温度よりも高温である高温
    保温温度と、上記通常保温温度より低温である低温保温
    温度とを有し、上記低温保温温度による保温、高温保温
    温度による保温及び通常保温温度による保温を所定の順
    序で繰り返すサイクル保温と、上記通常保温温度による
    保温を継続する定温保温との2種類の工程で上記保温ヒ
    ータを制御し、これらサイクル保温と定温保温を選択で
    きる選択手段を備える米飯保温器において、 保温開始時点からの経過時間である保温経過時間が所定
    時間以上となると、上記選択手段の定温保温からサイク
    ル保温への切り換えが不可となることを特徴とする米飯
    保温器。
  6. 【請求項6】 上記所定時間が12時間であることを特
    徴とする請求項5に記載の米飯保温器。
  7. 【請求項7】 米飯を収容する容器と、該容器を加熱し
    て米飯を保温する保温ヒータと、容器内の米飯の温度を
    検知する温度検知手段と、上記保温ヒータを制御する制
    御手段とを備え、該制御手段は米飯の保温温度として、
    通常保温温度と、該通常保温温度よりも高温である高温
    保温温度と、上記通常保温温度より低温である低温保温
    温度とを有し、上記低温保温温度による保温、高温保温
    温度による保温及び通常保温温度による保温を所定の順
    序で繰り返すサイクル保温と、上記通常保温温度による
    保温を継続する定温保温と、再加熱処理との少なくとも
    3種類の工程で上記保温ヒータを制御し、これらサイク
    ル保温、定温保温及び再加熱処理とを選択できる選択手
    段を備える米飯保温器において、 上記サイクル保温の開始時からの経過時間を計時し、該
    経過時間が所定時間に達すると上記サイクル保温中の低
    温保温温度による保温、高温保温温度による保温及び通
    常保温温度による保温のいずれかを上記所定の順序で実
    行すると共に、上記選択手段によりサイクル保温から定
    温保温又は再加熱処理に切り換えた場合にも、上記サイ
    クル保温の開始時からの経過時間を記憶保持することを
    特徴とする米飯保温器。
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