JPS6029936Y2 - 電気炊飯器用空炊き防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は鍋の温度をサーミスタ等感温電気素子により検
出して炊飯動作を制御するものにおいて、空炊きを防止
する機能をもたせた電気炊飯器用空炊き防止装置に関す
る。

従来、電気炊飯器においては炊飯動作の制御、即ち炊き
上り時に電気ヒータを自動的に断電させるための温度検
出手段を備えている。

この温度検出手段としては従来二つの方法があり、その
第一の方法は整磁鋼或いはバイメタルとマイクロスイッ
チとの組合わせによるスイッチング形温度検出方式であ
り、第二の方式は鍋の温度をサーミスタによって検出し
その検出信号を電子回路によって処理する非スイッチン
グ形温度検出方式である。

これら両者のうち、スイッチング形温度検出方式のもの
は、本質的にレバースイッチ機構をなしており、その機
構の工夫によって本体に鍋が収容されていないときは電
源投入を行ない得ない構成としており、従って誤操作に
よる空炊きを防止できると云う利点がある。

しかし、動作温度の調節が不可能であるため、′おかゆ
炊き、′こげ日付け１等を行なうことができないと云う
欠点がある。

これに対して非スイッチング形温度検出方式のものは温
度検出信号を電子回路によって処理する構成であるから
、′おかゆ炊きＪ％ｒこげ日付け１等種々態様の炊飯動
作を容易に行ない得ると云う利点がある。

しかし反面、電源はいつでも投′入できる状態にあるた
め、誤って空炊きを行なってしまうと云う欠点がある。

本考案は上記の欠点に対処すべくなされたものであり、
その目的は鍋の温度サーミスタ等感温電気素子によって
検出し、その温度検出信号によって炊飯動作を制御する
ものにおいて、所謂空炊きを気概的手段よりも簡単な構
成となる電気的手段によって確実に防止し得る電気炊飯
器用空炊き防止装置を提供するにある。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明すると、ま
ず第１図及び第２図において、１は略円筒状の外ケース
、２は外ケース１の下部に嵌着された底枠、３は外ケー
ス１内に配設された内ケース、４は外ケース１及び内ケ
ース３間に配設された断熱材、５は内ケース３内に着脱
自在に配設される鍋、６は内ケース３の内底部に配設さ
れた炊飯用電気ヒータ、７は内ケース３の上部外周に巻
装された保温用電気ヒータ、８は外ケース１に回動可能
に支持された蓋、９は蓋８を鎖錠状態に保持するロック
装置である。

１０はばね１０ａにより鍋５の外底部に圧接するように
設けられた伝熱ケースで、その内部には非スイッチング
形感熱電気素子例えば負特性のサーミスタ１１が伝熱的
に配設されている。

また、１２は外ケース１の外側部に配設された時計装置
で、これは１時ヨ・１分ヨをディジタル表示する表示部
１３と、操作部１４とから戒る。

尚、この時計装置１２は通常の時計機能とタイマー機能
とを有するもので、各機能の選択及び調整は操作部１４
の各操作釦１４ａにより行なうようになっている。

さらに、１５は同じく外ケース１の外側部に配設された
手動操作手段たる加熱パターン選択装置で、これは複数
個の操作釦１５ａを有し、この操作釦１５ａによって鍋
５の複数種例えば５種の加熱パターン、即ち、所謂１お
かゆ炊きヨ用、炊き上がったご飯に若干のこげ付きをつ
くるための１こげ日付きヨ用、炊き込みご飯をつくると
きの１炊き込みヨ用、所謂に度炊きヨ用並びに１保温ヨ
用の各加熱パターンのうち任意のものを選択するための
ものであり、選択された加熱パターンに対応したパター
ン選択信号を出力する。

尚、１６は外ケース１の外側部に配設された表示装置で
、これは例えば４個の表示ランプ１６ａを有腰各々の点
灯によって全現在の動作状態を表示する。

このとき、表示装置１６は、′炊飯Ｊ′二度炊きヨ、′
むらしヨ及び１保温、の各動作状態を表示するようにな
っている。

次に電気的構成を第３図及び第４図に従って説明する。

まず電気回路の概略を示す第３図において、１７はスイ
ッチング手段たる双方向性３端子サイリスタ（以下単に
サイリスタと呼ぶ）で、これと前記炊飯用電気ヒータ６
との直列回路が差し込みプラグ１８から電源を受けるよ
うに接続されている。

また、サイリスタ１７と並列に前記保温用電気ヒータ７
が接続されており、従ってサイリスタ１７がオフされた
ときには炊飯用電気ヒータ６及び保温用電気ヒータ７が
直列に通電されて各各が比較的小発熱容量で発熱して保
温動作が行なわれると共に、サイリスタ１７がオンされ
たときには炊飯用電気ヒータ６のみが通電されてこれが
比較的大発熱容量で発熱し炊飯動作が行なわれる。

１９は電源開閉部であり、後述する空炊き信号を受けた
ときに炊飯用電気ヒータ６及び保温用電気ヒータ７に対
する電源の供給を遮断するようになっている。

２０はマイクロコンピュータによって構成された制御装
置で、これは操作釦１５ａの操作によって選択された加
熱パターンとなるように前記サイリスタを制御し、以て
１おかゆ炊き、′こげ目付け、Ｊ二度炊ヨ及び１炊き込
みヨの何れかを実行するようになっている。

しかしこのこと自体は本考案の直接的な対象ではないの
でこれ以上の説明は省略する。

次に本考案の直接的な対象である空炊き防止に関する事
項について詳述する。

第４図には温度検出部２２と鍋５の温度に関する立上り
勾配判定部２３について示されている。

特に立上り勾配判定部２３は制御装置２０内のマイクロ
コンピュータのプログラムによって達威し得るが、第４
図では説明の便宜上、電子的な機能回路の組合せをもっ
てブロック的に示している。

さて温度検出部２２において、サーミスタ１１の内部抵
抗の変化に伴う検出信号Ｓ１はＡ−Ｄ変換器２４により
ディジタル化された温度検出信号Ｓｌａとなる。

この温度検出信号Ｓｌａは鍋５或いは伝熱ケース１０の
温度をサーミスタ１１によって検出した信号であり、前
述した種々の炊飯動作を制御するのに必要な温度情報と
なるものである。

そして本考案ではこの温度検出信号Ｓｌａを空炊き判定
のための温度情報としても用いるようにしている。

この空炊きの判定は立上り勾配判定部２３が温度検出信
号Ｓｌａによって温度の立上り勾配を判定することによ
り行なうものとしている。

ちなみに伝熱ケース１０の温度の立上り勾配は鍋５の状
態別に一例として挙げると次の通りである。

即ち、伝熱ケース１０の１分間当りの温度上昇量は鍋５
の未装置状態では３６．４℃、空の鍋５の装着状態では
２５℃、鍋５に０．４での水を入れた状態では７℃、鍋
５に１．５１の水を入れた状態では２．３℃である。

これらから理解されるように、所謂空炊きは検出温度の
立上り勾配をもって判定することができるものであり、
これを具体化したのが第４図に示す立上り勾配判定部２
３の構成である。

以下これを説明するに、２５は第一の比較器で、これは
温度設定回路２６に予め設定されている例えば６０℃な
る基準温度値信号Ｓ２と前記温度検出信号Ｓｌａとを常
時比較しており、検出温度が６０°Ｃを超えたときにラ
イン２７にスタート信号Ｓ３を出力させる。

すると、このスタート信号Ｓ３によって初期値メモリー
２８にこのときの温度検出信号Ｓｌａの内容である６０
℃なる検出温度情報が初期値５６ＧＡとして記憶される
と共に、該スタート信号Ｓ３によって３０ｙｅＪ）の時
限をもつタイマー２９を計時動作開始させる。

そして、この時から初期値５６ＧＡと温度検出信号Ｓ１
ａとによって減算回路３０が刻々変化する実際の検出温
度と初期値５６ＧＡとの差をとり、その温度差量信号Ｓ
４を差量メモリー３１に常時供給する。

そしてこの差量メモリー３１は前記スタート信号Ｓ３が
発生してから３形の経過によってタイマー２９から出力
された判定タイミング信号Ｓ５を記憶命令信号として受
け、この時点での温度差量信号Ｓ４を記憶する。

従ってこの差量メモリー３１の記憶内容は伝熱ケース１
０の温度が初期値である６０℃に達してから３０８７間
内の温度上昇量を表わし、これは温度立上り勾配に相当
する。

そしてその温度立上り勾配信号Ｓ６は差量メモリー３１
から第二の比較器３２に供給され、ここで空炊き判定基
準信号Ｓ７と比較される。

この空炊き判定基準信号Ｓ７は前述した鍋５の未装着若
しくは空の鍋５の装着状態として挙げた１分間当りの温
度上昇量（３６，４℃、２５℃）を参考にして特定の温
度値に予め設定されているので、温度立上り勾配信号Ｓ
６が空炊き判定基準信号Ｓ７よりも高いときに第二の比
較器３２から空炊き信号Ｓ８が出力される。

この空炊き信号Ｓ８が出力されると制御装置２０は電源
開閉部１９を動作させて前記両電気ヒータ６．７に対す
る電源の供給を遮断する。

このようにして非気イツチング形温度検出手段であるサ
ーミスタ等感温電気素子によって鍋の温度を検出しこれ
によって炊飯動作を制御する構成とした場合でも所謂空
炊きを確実に防止できるものである。

しかも、空炊きの防止作用を、温度検出信号を電気的に
処理することによって遠戚しているので、機械的手段に
よって遠戚するものに比して構造が極めて簡単になり、
更には電気的構成においても、炊飯動作を制御するため
の温度検出信号を空炊き判定のための信号としても利用
できるので簡単な構成となる。

尚、上記実施例において、温度設定回路２６に設定する
温度は温度の立上り勾配の判定が可能な最低温度であれ
ばよいので６０℃と云う数値には限られない。

また、初期値５６ＧＡは温度検出信号Ｓｌａの記憶によ
って得ているが、このような記憶によらないでハードウ
ェアとして予め設定しておくようにしてもよい。

また、温度の立上り勾配は単位時間当りの温度上昇量を
もって判定しているが、単位温度上昇量当りの時間長を
もって判定するようにしてもよい。

本考案は以上述べたように鍋の温度をサーミスタ等感温
電気素子によって検出し、その温度検出信号によって炊
飯動作を制御するものにおいても、所謂空炊きを確実に
防止できると共に、温度の立上り勾配によって空炊きを
判定すると云う電気信号処理手段によって遠戚している
ので構造上の複雑さも招かないですむと云う効果が得ら
れるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は一部断
面して示す側面図、第２図は正面図、第３図は全体的な
電気的構成図、第４図は主要部の電気的構成を示すブロ
ック図である。 図中、５は鍋、６は炊飯用電気ヒータ、１１はサーミス
タ（感温電気素子）、２２は温度検出部、２３は立上り
勾配判定部、Ｓ８は空炊き信号である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 鍋の温度をサーミスタ等感温電気素子により検出す
   ることにより炊飯動作を制御する電気炊飯器において、
   その検出温度の立上り勾配を判定して空炊き信号を出力
   する立上り勾配判定部を設けたことを特徴とする電気炊
   飯器用空炊き防止装置。 ２ 立上り勾配判定部は検出温度が予め定められた特定
   温度に達してから判定動作を行なうようになっているこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載の
   電気炊飯器用空炊き防止装置。