JP3180392B2 - ポリアミド樹脂組成物およびそのフィルム - Google Patents
ポリアミド樹脂組成物およびそのフィルムInfo
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Description
脂組成物およびそのフィルムに関する。さらに詳しくは
ガスバリヤー性、液体バリヤー性および透明性に優れた
フィルム用ポリアミド樹脂組成物、並びに食品、薬品、
化粧品等の包装用フィルムとして好適に使用しうるフィ
ルムに関する。
溶融重縮合反応により生成するポリアミド(以下、ナイ
ロンMXD6という)は、ガスバリヤー性及び溶融時の
熱安定性に優れており、更にポリエチレンテレフタレー
ト、ナイロン6およびポリプロピレン等種々の熱可塑性
樹脂との共押出や共射出成形が可能であることから、ガ
スバリヤー性多層構造物としての利用が積極的に進めら
れている。しかし、ナイロンMXD6は、無延伸または
低倍率の延伸状態では、製膜後の使用の際、成形加工時
にガラス転移温度以上に加熱された際、多湿下での保存
中、あるいは殺菌のための水蒸気処理・熱水処理の際に
白化・結晶化し、透明性が低下するという欠点を有す
る。米国特許第4,908,272号明細書には、ジカ
ルボン酸成分として脂肪族ジカルボン酸、イソフタル
酸、及びテレフタル酸を使用し、ジアミン成分としてメ
タキシリレンジアミンを使用して得た非晶性ポリアミド
とナイロンMXD6との混合ポリアミドが提案され、さ
らに米国出願番号277,244にはジカルボン酸成分
としてイソフタル酸及びテレフタル酸を使用し、ジアミ
ン成分としてヘキサメチレンジアミンを使用して得た共
重合ポリアミドとナイロンMXD6との混合ポリアミド
が提案されている。
れも非晶性であるとはいえ熱水処理あるいは長時間にわ
たる吸水により、わずかではあるが白化を起し、従って
そのフィルムも、熱水処理や長時間の吸水によって、ヘ
ーズがわずかに増大する。そのため、ナイロンMXD6
が、無延伸または低倍率の延伸状態でフィルムあるいは
フィルムからの包装体に使用されることはこれまで稀で
あった。
のような従来技術の課題を改良し、非晶で無延伸又は非
晶で低倍率の延伸状態でも優れた透明性を保持し、且つ
優れたガスバリヤー性を有するフィルム用ポリアミド樹
脂組成物、および該組成物を使用して得たポリアミドフ
ィルムを提供することにある。
の結果、ポリメタキシリレンアジパミドに特定の半結晶
化時間、溶解度指数、及び溶融粘度を有するポリアミド
を溶融混練することにより得られるポリアミド樹脂組成
物を使用することにより、非晶で無延伸あるいは非晶で
低倍率の延伸状態でも、製膜後の成形加工時の加熱、多
湿条件下での保存、あるいは殺菌のための水蒸気処理・
熱水処理によっても優れた透明性を保持し、更に、多湿
の環境に直接さらさる多層構造物の外層にも使用可能な
ガスバリヤー性に優れたポリアミドフィルムが得られる
ことを見いだし、本発明を完成させた。
ミンとアジピン酸との重縮合反応で生成する構造単位を
90モル%以上含有する相対粘度が2.6〜3.7の第
1のポリアミド(A)、及び脱偏光光度法による160
℃での定温結晶化における半結晶化時間の測定値が30
秒以下であり、且つ溶解度指数が13±1.5の範囲に
ある第2のポリアミド(B)とを、下記関係式(0.0
25C−2.2)≦logR≦(0.025C−0.
5)(ここで、Cは第1のポリアミドと第2のポリアミ
ドの合計重量を基準にしての第1のポリアミドの割合
(重量%)であり、そしてRは第1のポリアミドと第2
のポリアミドのうち融点の高い方のポリアミドの融点よ
りも20℃高い温度における、第1のポリアミドの溶融
粘度対第2のポリアミドの溶融粘度の比である、但し、
Cは20〜95(重量%)の範囲にある、)が成立する
条件下で溶融混練して得られるフィルム用ポリアミド樹
脂組成物、及び該樹脂組成物を使用して得たポリアミド
フィルムに関する発明である。
記式で表わされるメタキシリレンアジパミドを全繰返し
単位の90モル%以上で含有する。ポリアミド中のメタ
キシリレンジアミンとアジピン酸から生成する上記式の
構造単位が90モル%より少ないと得られるポリアミド
のガス透過性の増大および結晶性の過度な低下を招き、
本発明の目的に見合った材料をあたえない。この第1の
ポリアミド(A)は、好ましくは、メタキシリレンアジ
パミドを全繰返し単位の95モル%以上で含有する。第
1のポリアミド(A)は、メタキシリレンアジパミド単
位の他に、他のアミド単位を10モル%以下、好ましく
は5モル%以下で含有することができる。他のアミド単
位を構成するジアミンおよびジカルボン酸としては、例
えばヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン
等の炭素数4〜12の脂肪族ジアミンあるいは1,3−
ビスアミノメチルシクロヘキサン等の脂環式ジアミンの
如きジアミン、パラキシリレンジアミン、およびコハク
酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の炭素数4〜12
の脂肪族ジカルボン酸又は、イソフタル酸、テレフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸等の如き芳香族ジカルボン
酸を好適なものとして挙げることができる。また、第1
のポリアミド(A)は、例えば重縮合の際に分子量調節
剤として添加されたモノアミンあるいはモノカルボン酸
等によって分子末端を封止されていてもよい。
合法により製造される。例えば、メタキシリレンジアミ
ンとアジピン酸からなるナイロン塩から主としてなる原
料を水溶媒の存在下に加圧下で昇温し、加えた水および
縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法により製
造される。また、メタキシリレンジアミンから主として
なるジアミンを溶融状態のアジピン酸から主としてなる
ジカルボン酸に直接加えて、常圧下で重縮合する方法に
よって製造することもできる。後者の場合、溶媒として
の水を加えずに反応系を均一な液状状態に保つ為に、メ
タキシリレンジアミンは反応系内に連続的に加えられ、
その間反応温度が生成するオリゴアミドおよびポリアミ
ドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、
重縮合が進められる。溶融重合後さらに固相重合により
高分子量化したポリマーも第1のポリアミド(A)とし
て使用可能である。又、本発明の第1のポリアミド
(A)の相対粘度は、2.6〜3.7の範囲である。当
該範囲とすることにより、1)ポリアミド(A)の熱分解
を防止でき、2)フィルム成形時の固化・未溶融を防止で
き、3)フィルムの変形を防止でき、4)押出機の回転トル
クが過大となることを防止できる。尚、本願発明に係る
フィルム用ポリアミド樹脂組成物の特徴は、ガスバリヤ
ー性、液体バリヤー性、及び透明性であるが、これらの
本質的な特徴はポリアミド(A)の有する作用・効果に
起因するものである。従って、上記相対粘度を有するポ
リアミド(A)を使用することを条件として、他のポリ
アミド(B)を適宜選択すれば、フィルム用ポリアミド
樹脂組成物を得ることができ、また、当該樹脂組成物の
好ましい成形条件を適宜選択すれば本願発明の無延伸フ
ィルム、又は延伸フィルムを得ることができる。
ド(B)は、脱偏光光度法による160℃での定温結晶
化における半結晶化時間が30秒以下であり、且つ溶解
度指数が13±1.5の範囲にあるものである。このよ
うに、第2のポリアミド(B)の半結晶化時間が30秒
以下であると、第2のポリアミド(B)は、第1のポリ
アミド(A)と混合溶融されそしてフィルムに成形され
る際に、結晶化を起し、この結晶が第1のポリアミド
(A)を結晶化させる核として有効に作用するため、第
1のポリアミド(A)は過大な球晶を生じないことにな
る。一方、ポリアミド(B)の上記半結晶化時間が30
秒を超えると、第2のポリアミド(B)の結晶化速度が
遅くなり、第2のポリアミド(B)は、第1のポリアミ
ド(A)と混合溶融されてフィルムに成形される際、結
晶化するに到らず、第1のポリアミド(A)の結晶化の
ための核として作用しない、従って第1のポリアミド
(A)に過大な球晶を生じ、透明性に優れるフィルムを
与えない結果となる。本発明で使用される第1のポリア
ミド(A)は、フィルム成形後の脱水・吸湿によるガラ
ス転移温度の低下によって、あるいはガラス転移温度以
上での加熱により結晶化する際に核材が存在しないと、
大きな球晶を生じ易い性質を示す。形成された大きな球
晶は光の散乱の原因となり、ヘーズを大きくし、フィル
ムの透明性を低下させる結果を招くことになる。加え
て、本発明で使用される第2のポリアミド(B)がフィ
ルム成形時に結晶化しないと、第2のポリアミド(B)
の結晶化により誘発される第1のポリアミド(A)の結
晶化も期待できなくなり、得られるフィルムのガスバリ
ヤー性も向上しないことになる。
化時間とは、ポリアミド単独の半結晶化時間はもちろん
核剤を含むポリアミドの結晶化時間のいずれをも意味す
る。それ故、半結晶化時間が30秒を超えるポリアミド
であっても、核剤を含むことにより半結晶化時間が30
秒以下に短縮された場合には本発明における第2のポリ
アミド(B)として使用することが可能である。第2の
ポリアミド(B)は好ましくは20秒以下の半結晶化時
間を示す。また、本発明における第2のポリアミド
(B)は13±1.5の溶解度指数を示す。ここでいう
溶解度指数は、J.Kern Searsmd Joseph R.Darby 著“ T
heTechnology of Plasticizers. ”1982年発行の9
7頁の表に記載の Smallの定数による。溶解度指数が上
記範囲を外れるポリアミドを使用した場合には得られる
ポリアミド組成物のヘーズが大きくなり、本発明の目的
である透明性に優れる包装材用の材料を得るに到らな
い。
は、例えばナイロン6、ナイロン66のいずれか単独あ
るいはナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイ
ロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン
12等の共重合体、又はブレンド物等を挙げることがで
きる。また、半結晶化時間と溶解度指数についての上記
条件を充足する限りにおいて上記の如き種々のナイロン
を構成するアミド単位の少くとも2種からなる共重合体
を使用することもできる。本発明のポリアミド樹脂組成
物では、第1のポリアミド(A)が第1のポリアミド
(A)と第2のポリアミド(B)の合計重量を基準にし
て、20〜95重量%の範囲にある。
ポリアミド(A)と第2のポリアミド(B)との間の上
記重量組成物範囲において、下記関係式 (0.025C−2.2)≦logR≦(0.025C
−0.5) を充足する条件下で、第1のポリアミドの所定量と第2
のポリアミド(B)の所定量とを溶融混練して得られ
る。上記関係式において、Cは第1のポリアミド(A)
と第2のポリアミド(B)の合計重量を基準にしての第
1のポリアミド(A)の重量%の値である。また、Rは
第1のポリアミド(A)と第2のポリアミド(B)のう
ち融点のより高い方のポリアミドの融点よりも20℃高
い温度における、第1のポリアミドの溶融粘度対第2の
ポリアミドの溶融粘度の比である。上記関係式を定性的
に説明すれば、上記関係式は比Rが大となるほど第1の
ポリアミド(A)の割合を高くし、逆に比Rが小となる
ほど第1のポリアミド(A)の割合を低くすべきことを
示している。上記関係式を下限側で外れる組成物では、
第1のポリアミド(A)と第2のポリアミド(B)の溶
融粘度の差が大きすぎ、得られる組成物の押出性が不良
となり、製膜が困難となる。また、上記関係式を上限側
で外れる組成物は、ヘーズ値が高く、さらに、熱水処理
もしくは加熱処理によってさらに高いヘーズ性を示すよ
うになり、いずれにしても優れた透明性を示さない。
ヤー性、液体バリヤー性および透明性に優れたフィルム
を与えることができる。このフィルムはこのような性質
を利用して特に包装用として好適に使用される。それ
故、本発明によれば、本発明のポリアミド樹脂組成物か
らの無延伸フィルムおよび二軸延伸フィルムが同様に提
供される。
mに換算したときのヘーズ値が7%以下であることによ
って特徴づけられる。本発明の無延伸フィルムは好まし
くは10〜100μmの厚みを有し、より好ましくは1
5〜80μmの厚みを有する。このようなフィルム厚み
とヘーズ値の換算は以下に記述する本発明の二軸延伸フ
ィルムにも適用されると理解されるべきである。本発明
の無延伸フィルムは、好ましくは、第1のポリアミドフ
ィルムの厚みとヘーズ値の換算は、透過光量と厚みの間
にLambert−Beerの法則が成立するものとし
て下記関係式によって行うことができる。 〔log 1/(1−ヘーズ値/100)〕/d=k ここで、dはフィルムの厚さであり、kは定数である。
すなわち、上記関係式は下記2つの関係式から導かれ
る。 ヘーズ値=(D/T)×100(%) ここでDは拡散透過光量でありそしてTは全透過光量で
ある。 log(T/PT)=k・d ここで、T,kおよびdの定義は上記に同じであり、そ
してPTは平行透過光量であり、T−Dの値に等しい。
範囲にある本発明のポリアミド樹脂組成物からのもので
ある。この好ましい態様の無延伸フィルムも厚さ50μ
mに換算したときのヘーズ値は7%以下である。本発明
の上記無延伸フィルムは、本発明のポリアミド樹脂組成
物から公知の製膜方法、例えば押出Tダイ法、押出円筒
ダイ法(インフレーション法)、共押出法、射出法、共
射出法、ブロー成形法あるいはこれらの方法の組合せに
よって製造することができる。製膜の際の成形温度は好
ましくは235〜300℃であり、より好ましくは24
5〜285℃である。成形温度が300℃を超えると、
得られるポリアミドフィルムは吸水、熱水処理あるいは
ガラス転移温度以上の加熱処理により白化し、本発明の
目的である透明性に優れたフィルムを与えない。又、2
35℃未満では第1のポリアミド(A)が充分に溶融し
ないためフィルムを成形することは困難である。
の成形温度とは、押出機あるいは射出成形機等の成形機
の先端部出口のポリアミドの温度あるいは成形機の先端
に付設されたダイから排出されるときのポリアミドの温
度を意味する。成形の際の滞留時間は7分以下とするの
が好ましく、0.7〜5分とするのがより好ましい。本
発明でいう成形滞留時間とは、押出機あるいは射出成形
機等の成形機の材料供給口から混合ポリアミドからなる
材料が加熱溶融部であるシリンダー部に入った時点か
ら、フィルム製造装置の先端から混合ポリアミドが吐出
されるまでの時間である。成形滞留時間が7分を超える
と得られる混合ポリアミドのフィルムは、吸水、熱水処
理あるいはガラス転移温度以上での加熱処理により白化
し、且つ本発明の目的である透明性に優れるフィルムを
与えない。また、成形滞留時間が0.5分未満の場合に
は使用する成形機にもよるが、第1のポリアミド(A)
と第2のポリアミド(B)の混合が不充分となるおそれ
がある。混合が不充分な場合、得られるフィルムは高い
ヘーズ値を示し、又、吸水、熱水処理あるいは熱処理に
よりそのヘーズ値は更に増大する。
に換算したときのヘーズ値が3.5%以下であることに
よって特徴づけられる。本発明の二軸延伸フィルムは好
ましくは10〜50μmの厚みを有し、より好ましくは
15〜40μmの厚みを有する。本発明の二軸延伸フィ
ルムは、好ましくは、第1のポリアミド(A)の割合が
20〜60重量%の範囲にある本発明のポリアミド樹脂
組成物から得たものである。好ましい態様の二軸延伸フ
ィルムも厚さ25μmに換算したときのヘーズ値は3.
5%以下である。本発明の上記二軸延伸フィルムは、そ
れ自体公知の方法例えばテンター法、チューブからのバ
ブル法、ロール延伸法、圧延法の如き延伸法によって製
造することができる。
は、さらに、押出ラミネート法、ドライラミネート法等
の積層法により多層フィルムあるいはフィルム層を有す
る多層構造物として利用することができる。それ故、本
発明によれば、さらに、本発明のポリアミド樹脂組成物
の層とその他の熱可塑性樹脂の層とからなる無延伸多層
フィルムおよび二軸延伸多層フィルムが同様に提供され
る。本発明の無延伸多層フィルムは、好ましくは、第1
のポリアミド(A)の割合が60〜95重量%の範囲に
ある、本発明のポリアミド樹脂組成物からなる層を有す
る。
えばポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリエステ
ル、スチレン重合体およびポリアミドを好ましいものと
して挙げることができる。ポリオレフィンとしては例え
ばポリエチレン、ポリプロピレンが、ポリカーボネート
としては例えばビスフェノールA型のポリカーボネート
が、ポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレート
が、スチレン重合体としてはポリスチレンが好ましく、
そしてポリアミドとしては本発明の組成物に第2のポリ
アミド(B)として用いられるものが好ましい。上記熱
可塑性樹脂のうち、特にポリオレフィン、ポリカーボネ
ート、ポリエチレンテレフタレートおよび第2のポリア
ミド(B)が有利に用いられる。
ば本発明のポリアミド樹脂組成物と他の熱可塑性樹脂と
を、それ自体公知の装置により、共押出することにより
製造でき、あるいは本発明のポリアミド樹脂組成物から
の無延伸フィルムと他の熱可塑性樹脂からの無延伸フィ
ルムを別個に製造し、これらの無延伸フィルムを接着剤
層を介して貼合せることによって製造することもでき
る。また、本発明の二軸延伸多層フィルムは、好ましく
は、第1のポリアミド(A)の割合が20〜60重量%
の範囲にある本発明のポリアミド樹脂組成物からなる層
を有する。二軸延伸多層フィルムは、例えば上記の如く
に製造した無延伸多層フィルムすなわち共押出により得
られたあるいは接着剤層を介した無延伸多層フィルムを
二軸延伸することによって製造することができる。
的に説明する。尚、本実施例及び比較例で採用した評価
法は以下の通りである。 (1) 溶融粘度 キャピラリーレオメーター((株)島津製作所製、商品
名:フローテスターCFT-500 )を使用して測定した。 キャピラリー寸法:直径;1mmφ、長さ;10mm、
圧力;10kg/cm2 (2) 相対粘度 試料1gを96%硫酸100mlに溶解して、25℃で
測定した値である。測定にはキャノンフェンスケ型の粘
度計を用い、相対粘度は下式により算出した。 相対粘度=(ホ゜リマーの硫酸溶液の落下秒数)/(硫酸の
落下秒数)
測定装置は、(株)コタキ製作所製、型式:MK701
である。以下の条件で測定した。 試料溶融温度:融点より15℃高い温度 試料溶融時間:3分 結晶化浴温度:160℃ (4) 溶解度指数(SP) The Technology of Plasticizers 、(著者:J.Kern Sear
s,Joseph R.Darby、 発行年度:1982) の97頁に記載の
Smallの定数を使用し、次式から計算した。 SP= (ΣF)/V F: Smallの molar-attraction constant V:モル容
積 (cm3/mol)
製、型式; OX-TRAN 10/50A 測定温度条件:23℃ 相対湿度; 100%または6
0% (6) ヘーズ ASTM D1003に準じた。 測定装置:日本電色工業(株)製、色差計 型式:Z−
Σ80 熱水処理条件:煮沸水に30分間浸漬
る。相対粘度3.6 )およびナイロン6(相対粘度4.1 )
のペレットをタンブラーにより混合し、ブレンド比(ナ
イロンMXD6/ナイロン6、重量比)が80/20の
混合ペレット(溶融粘度比:1.7、測定温度:260
℃)を準備した。この混合ペレットを、単軸押出機(ス
クリュー直径:90mmφ、L/D:35、スクリュー
形式:フルフライト)を使用して 260℃で溶融混練
した後、走行している金属製のベルト上に溶融物を押出
してストランド状に冷却し、ロータリーカッターで切断
し、混合ポリアミドのペレットを得た。次に、この混合
ポリアミドのペレットから単軸押出機(スクリュー直
径:20mmφ、L/D:25、スクリュー形式:フル
フライト、)を用い、Tダイ法によりシリンダー温度2
65〜270℃、Tダイ温度270℃、スクリュー回転
数40rpm、冷却ロール温度75℃の条件下で、幅約
120mm、厚さ約0.05mmのフィルムを得た。原
料組成、得られたフイルムの性能を表1に示す。
ンMXD6(相対粘度:3.6 及び2.6のものを使用し
た)とナイロン6(相対粘度がそれぞれ2.2及び4.
1 のもの)を使用し、実施例1と同様の方法により表1
と表2に示す配合割合で混合ポリアミドのペレットを準
備し、更にそのペレットからフィルムを作製した。得ら
れたフィルムの性能も表1と表2に示す。
ペレットから実施例1における混合ポリアミドペレット
の作製と同様の方法で、単軸押出機(スクリュー直径:
20mmφ、L/D:25、スクリュー形式:フルフラ
イト)を用い、Tダイ法によりシリンダー温度265〜
270℃、Tダイ温度270℃、スクリュー回転数40
rpm、冷却ロール温度75℃の条件下で、幅約120
mm、厚さ約0.05mmのフィルムを得た。原料組
成、および得られたフィルムの性能を表2に示す。
よびナイロン6(実施例1で使用したものと同じもの)
のペレットをタンブラーにより表1及び表2に記す所定
の割合に混合し、混合ペレットを準備した。次に、この
混合ポリアミドのペレットから単軸押出機(スクリュー
直径:20mmφ、L/D:25、スクリュー形式:フ
ルフライト)を用い、Tダイ法によりシリンダー温度2
65〜270℃、Tダイ温度270℃、スクリュー回転
数40rpm、冷却ロール温度75℃の条件下で、幅約
120mm、厚さ約0.05mmのフィルムを得た。
原料組成、及び得られたフィルムの性能を表1、及び表
2に示す。
ナイロン66(相対粘度2.4)のペレットをタンブラ
ーにより混合し、ブレンド比(ナイロンMXD6/ナイ
ロン66、重量比)が、90/10の混合ペレット(溶
融粘度比:27.4、測定温度285℃)を準備した。
この混合ポリアミドのペレットから単軸押出機(スクリ
ュー直径:20mmφ、L/D:25、スクリュー形
式:フルフライト)を用い、Tダイ法によりシリンダー
温度265〜270℃、Tダイ温度270℃、スクリュ
ー回転数40rpm、冷却ロール温度75℃の条件下
で、幅約120mm、厚さ約53μmのフィルムを得
た。得られたフィルムのヘーズは1.1%、熱水処理後
のヘーズは5.9%であり、初期の良好な透明性が保持
された。原料組成及び結果を表3に示す。
で使用したと同じもの)から得た厚さ30μmのフィル
ムのヘーズは2.3%、熱水処理後のヘーズは46.8
%であり、明らかな白化が認められた。原料組成及び結
果を表4に示す。
びナイロン66(相対粘度3.3)のペレットをタンブ
ラーにより混合し、ブレンド比(ナイロンMXD6/ナ
イロン66、重量比)が40/60の混合ペレット(溶
融粘度比:0.7、測定温度:285℃)を準備した。
この混合ペレットを単軸押出機(スクリュー径:20m
m、L/D:25、スクリュー形式:フルフライト)を
使用して、275℃で溶融混合し、Tダイ法により厚み
225μmのシートを作製した。このとき、ダイ出口で
の樹脂温度は273℃、成形滞留時間は1.8分であっ
た。得られたシート(90mm×90mm)を2軸延伸
機(東洋精機(株)製、2軸延伸装置、テンター法)を
用い、100℃で5秒間加熱した後、同時2軸延伸(延
伸倍率:3×3、延伸速度:3m/分)した。得られた
厚み25μmの延伸フィルムのヘーズは3.0%であっ
た。また、同延伸フィルムを260℃の雰囲気中で5秒
間熱固定した。その熱固定フィルムの熱水処理(30分
/沸騰水浸漬)後のヘーズは3.2%であった。フィル
ムは良好な透明性を有していた。原料組成及び結果を表
3に示す。
びナイロン66(相対粘度:2.8)のペレットをタン
ブラーにより混合し、ブレンド比(ナイロンMXD6/
ナイロン66、重量比)が40/60の混合ペレット
(溶融粘度比:10.0、測定温度:285℃)を準備
したこの混合ペレットを単軸押出機(スクリュー直径:
20mmφ、L/D:25、スクリュー形式:フルフラ
イト)を使用して、275℃で溶融混合し、Tダイ法に
より厚み220μmのシートを作製した。このとき、ダ
イ出口での樹脂温度は275℃、成形滞留時間は1.8
分であった。得られたシート(90mm×90mm)を
2軸延伸機(東洋精機(株)製、2軸延伸装置、テンタ
ー法)を用い、100℃で5秒間加熱した後、同時2軸
延伸(延伸倍率:3×3、延伸速度3m/分)した。得
られた厚み25μmの延伸フィルムのヘーズは5.3%
であり、実施例8で作製したフィルムに比べて、透明性
に劣っていた。原料組成及び結果を表4に示す。
びナイロン6(相対粘度4.1)のペレットをタンブラ
ーにより混合し、ブレンド比(ナイロンMXD6/ナイ
ロン6、重量比)が40/60の混合ペレット(溶融粘
度比:1.7、測定温度:260℃)を準備した。この
混合ペレットを単軸押出機(スクリュー直径:20mm
φ、L/D:25、スクリュー形式:フルフライト)を
使用して、Tダイ法によりシリンダー温度265〜27
0℃、Tダイ温度260℃、スクリュー回転数60rp
m、冷却ロール温度60℃で幅120mm、厚み230
μmのシートを作製した。このとき、ダイ出口での樹脂
温度は269℃、成形滞留時間は2.3分であった。次
いで、得られたシート(90mm×90mm)を2軸延
伸機(東洋精機(株)製、2軸延伸装置、テンター法)
を用い、85℃で20秒間加熱した後、同時2軸延伸
(延伸倍率:3×3、延伸速度3m/分)した。得られ
た厚み25μmの延伸フィルムのヘーズは3.0%であ
った。また、同延伸フィルムを250℃の雰囲気中で5
秒間熱固定した。その熱固定フィルムの熱水処理(30
分/沸騰水浸漬)のヘーズは2.8%であり、フィルム
は良好な透明性を有していた。原料組成及び結果を表3
に示す。
びナイロン6(相対粘度4.1)のペレットをタンブラ
ーにより混合し、ブレンド比(ナイロンMXD6/ナイ
ロン6、重量比)が80/20の混合ペレット(溶融粘
度比:1.7、測定温度:260℃)を準備したこの混
合ペレットを単軸押出機(スクリュー直径:20mm
φ、L/D:25、スクリュー形式:フルフライト)を
使用して、Tダイ法によりシリンダー温度260〜27
0℃、Tダイ温度260℃、スクリュー回転数90rp
m、冷却ロール温度60℃で幅120mm、厚み230
μmのシートを作製した。このとき、ダイ出口での樹脂
温度は269℃、成形滞留時間は1.8分であった。次
いで、得られたシート(90mm×90mm)を2軸延
伸機(東洋精機(株)製、2軸延伸装置、テンター法)
を用い、85℃で20秒間加熱した後、同時2軸延伸
(延伸倍率:3×3、延伸速度3m/分)した。得られ
た厚み25μmの延伸フィルムのヘーズは3.2%であ
った。また、同延伸フィルムを250℃の雰囲気中で5
秒間熱固定した。その熱固定フィルムの熱水処理(30
分/沸騰水浸漬)のヘーズは3.3%でありフィルムは
良好な透明性を有していた。原料組成及び結果を表3に
示す。
びナイロン6(相対粘度4.1)のペレットをタンブラ
ーにより混合し、ブレンド比(ナイロンMXD6/ナイ
ロン6、重量比)が80/20の混合ペレット(溶融粘
度比:0.4、測定温度:260℃)を準備した。この
混合ペレットを単軸押出機(スクリュー直径:20mm
φ、L/D:25、スクリュー形式:フルフライト)を
使用して、Tダイ法によりシリンダー温度260〜27
0℃、Tダイ温度260℃、スクリュー回転数90rp
m、冷却ロール温度60℃で幅120mm、厚み500
μmのシートを作製した。このとき、ダイ出口での樹脂
温度は260℃、成形滞留時間は1.8分であった。次
いで、 得られたシート(90mm×90mm)を2軸
延伸機(東洋精機(株)製、2軸延伸装置、テンター
法)を用い、85℃で20秒間加熱した後、同時2軸延
伸(延伸倍率:3×3、延伸速度3m/分)した。得ら
れた厚み45μmの延伸フィルムのヘーズは16.3%
であり、実施例10で作製されたフィルムに比べて透明
性に劣っていた。原料組成及び結果を表4に示す。
ナイロン6(相対粘度:4.1)のペレット(溶融粘度
比:1.7)をタンブラーにより混合し、ブレンド比
(ナイロンMXD6/ナイロン6、重量比)が80/2
0の混合ペレットを準備した。この混合ペレットを、押
出機(スクリュー直径:20mmφ、L/D:25、ス
クリュー形式:フルフライト、単軸)を用い、Tダイ法
により、シリンダー温度:265〜270℃、Tダイ温
度:270℃、スクリュー回転数:40rpm、冷却ロ
ール温度:75℃の温度条件下で幅約120mm、厚さ
約0.05mmのフィルムを得た。このときのダイ出口
の樹脂温度は270℃であった。また、成形滞留時間は
3分であった。得られたフィルムは良好な透明性を有し
ていた。原料組成、フィルム成形条件および結果を表5
に示す。
ナイロン6(相対粘度:4.1)のペレット(溶融粘度
比:1.7)をタンブラーにより混合し、ブレンド比
(ナイロンMXD6/ナイロン6、重量比)が80/2
0の混合ペレットを準備した。この混合ペレットを、押
出機(スクリュー直径:20mmφ、L/D:25、ス
クリュー形式:フルフライト、単軸)を用い、Tダイ法
により、シリンダー温度:270〜290℃、Tダイ温
度:290℃、スクリュー回転数:42rpm、冷却ロ
ール温度:75℃の温度条件下で幅約120mm、厚さ
約0.05mmのフィルムを得た。このときの押出機先
端部の樹脂温度は288℃であった。また、成形滞留時
間は2.8分であった。得られたフィルムは良好な透明
性を有していた。原料組成、フィルム成形条件および結
果を表5に示す。
ナイロン6(相対粘度:4.1)のペレット(溶融粘度
比:1.7)をタンブラーにより混合し、ブレンド比
(ナイロンMXD6/ナイロン6、重量比)が80/2
0の混合ペレットを準備した。この混合ペレットを、押
出機(スクリュー直径:20mmφ、L/D:25、ス
クリュー形式:フルフライト、単軸)を用い、Tダイ法
により、シリンダー温度:270〜290℃、Tダイ温
度:290℃、スクリュー回転数:42rpm、冷却ロ
ール温度:75℃の温度条件下で幅約125mm、厚さ
約0.10mmのフィルムを得た。このときの押出機先
端部の樹脂温度は288℃であった。また、成形滞留時
間は2.8分であった。さらに、滞留時間を長くしたと
きのフィルム試料を準備する為、得られたフィルムを押
出機に供給できる程度の小片に破砕し、再度、同一の押
出機を使用し、同一の条件でフィルムを作製した。この
フィルムを再び小片に破砕し、3回目の押出を行って、
フィルムを成形した。3回目の押出により成形滞留時間
は、合計で8.2分となった。3回目の押出により得ら
れたフィルムのヘーズと酸素透過率を原料組成およびフ
ィルム成形条件と共に表7に示す。
ナイロン6(相対粘度:4.1)のペレット(溶融粘度
比:0.39)をタンブラーにより混合し、ブレンド比
(ナイロンMXD6/ナイロン6、重量比)が80/2
0の混合ペレットを準備した。この混合ペレットを、押
出機(スクリュー直径:20mmφ、L/D:25、ス
クリュー形式:フルフライト、単軸)を用い、Tダイ法
により、シリンダー温度:265〜270℃、Tダイ温
度:270℃、スクリュー回転数:40rpm、冷却ロ
ール温度:75℃の温度条件下で幅約120mm、厚さ
約0.05mmのフィルムを得た。このときの押出機先
端部の樹脂温度は268℃であった。また、成形滞留時
間は3分であった。得られたフィルムは、実施例12の
フィルムに比べて高いヘーズを有しており、また、熱水
処理後のヘーズも高かった。原料組成、フィルム成形条
件および結果を表7に示す。
びナイロン6(相対粘度:4.1)のペレット(溶融粘
度比:1.7)をタンブラーにより混合し、ブレンド比
(ナイロンMXD6/ナイロン6、重量比)が40/6
0の混合ペレットを準備した。この混合ペレットを、押
出機(スクリュー直径:20mmφ、L/D:25、ス
クリュー形式:フルフライト、単軸)を用い、Tダイ法
により、シリンダー温度:265〜270℃、Tダイ温
度:270℃、スクリュー回転数:40rpm、冷却ロ
ール温度:75℃の温度条件下で幅約120mm、厚さ
約0.05mmのフィルムを得た。このときのダイ出口
の樹脂温度は269℃であった。また、成形滞留時間は
3分であった。得られたフィルムは良好な透明性を有し
ていた。原料組成、フィルム成形条件および結果を表5
に示す。
ナイロン6(相対粘度:4.1)のペレット(溶融粘度
比:0.39)をタンブラーにより混合し、ブレンド比
(ナイロンMXD6/ナイロン6、重量比)が40/6
0の混合ペレットを準備した。この混合ペレットを、押
出機(スクリュー直径:20mmφ、L/D:25、ス
クリュー形式:フルフライト、単軸)を用い、Tダイ法
により、シリンダー温度:265〜270℃、Tダイ温
度:270℃、スクリュー回転数:40rpm、冷却ロ
ール温度:75℃の温度条件下で幅約120mm、厚さ
約0.05mmのフィルムを得た。このときのダイ出口
の樹脂温度は270℃であった。また、成形滞留時間は
3分であった。得られたフィルムは良好な透明性を有し
ており、また、熱水処理後のヘーズの増加は少なかっ
た。原料組成、フィルム成形条件および結果を表5に示
す。
ナイロン6(相対粘度:3.5)のペレット(溶融粘度
比:3.3)をタンブラーにより混合し、ブレンド比
(ナイロンMXD6/ナイロン6、重量比)が60/4
0の混合ペレットを準備した。この混合ペレットを、押
出機(スクリュー直径:20mmφ、L/D:25、ス
クリュー形式:フルフライト、単軸)を用い、Tダイ法
により、シリンダー温度:265〜270℃、Tダイ温
度:270℃、スクリュー回転数:40rpm、冷却ロ
ール温度:75℃の温度条件下で幅約120mm、厚さ
約0.05mmのフィルムを得た。このときのダイ出口
の樹脂温度は269℃であった。また、成形滞留時間は
3分であった。得られたフィルムは良好な透明性を有し
ており、また、熱水処理後のヘーズの増加は少なかっ
た。原料組成、フィルム成形条件および結果を表6に示
す。
ナイロン6(相対粘度:4.1)のペレット(溶融粘度
比:0.098)をタンブラーにより混合し、ブレンド
比(ナイロンMXD6/ナイロン6、重量比)が60/
40の混合ペレットを準備した。この混合ペレットを、
実施例15と同様の押出機を用い、同一の成形条件でフ
ィルムの作製を試みたが、均一な厚さを有するフィルム
を作製することができなかった。このときのダイ出口の
樹脂温度は268℃であった。また、成形滞留時間は3
分であった。原料組成、フィルム成形条件および結果を
表7に示す。
びナイロン6(相対粘度:2.22)のペレット(溶融
粘度比:10)をタンブラーにより混合し、ブレンド比
(ナイロンMXD6/ナイロン6、重量比)が40/6
0の混合ペレットを準備した。この混合ペレットを、押
出機(スクリュー直径:20mmφ、L/D:25、ス
クリュー形式:フルフライト、単軸)を用い、Tダイ法
により、シリンダー温度:265〜270℃、Tダイ温
度:270℃、スクリュー回転数:40rpm、冷却ロ
ール温度:75℃の温度条件下で幅約120mm、厚さ
約0.05mmのフィルムを得た。このときの押出機先
端部の樹脂温度は270℃であった。また、成形滞留時
間は3分であった。得られたフィルムは実施例1で得た
フィルムに比べ高いくもり価を有しており、また、熱水
処理後のヘーズも高かった。原料組成、フィルム成形条
件および結果を表7に示す。
ナイロン6(相対粘度:3.5)のペレット(溶融粘度
比:0.77)をタンブラーにより混合し、ブレンド比
(ナイロンMXD6/ナイロン6、重量比)が20/8
0の混合ペレットを準備した。この混合ペレットを、押
出機(スクリュー直径:20mmφ、L/D:25、ス
クリュー形式:フルフライト、単軸)を用い、Tダイ法
により、シリンダー温度:245〜260℃、Tダイ温
度:260℃、スクリュー回転数:40rpm、冷却ロ
ール温度:65℃の温度条件下で幅約120mm、厚さ
約0.05mmのフィルムを得た。このときのダイ出口
の樹脂温度は258℃であった。また、成形滞留時間は
3分であった。得られたフィルムは良好な透明性を有し
ていた。原料組成、フィルム成形条件および結果を表6
に示す。
ナイロン6(相対粘度:4.1)のペレット(溶融粘度
比:0.39)をタンブラーにより混合し、ブレンド比
(ナイロンMXD6/ナイロン6、重量比)が20/8
0の混合ペレットを準備した。この混合ペレットを、押
出機(スクリュー直径:20mmφ、L/D:25、ス
クリュー形式:フルフライト、単軸)を用い、Tダイ法
により、シリンダー温度:265〜270℃、Tダイ温
度:270℃、スクリュー回転数:40rpm、冷却ロ
ール温度:65℃の温度条件下で幅約120mm、厚さ
約0.05mmのフィルムを得た。このときのダイ出口
の樹脂温度は269℃であった。また、成形滞留時間は
3分であった。得られたフィルムは良好な透明性を有し
ており、また、熱水処理後のくもり価の増加は小さかっ
た。原料組成、フィルム成形条件および結果を表6に示
す。
ナイロン6(相対粘度:4.1)のペレット(溶融粘度
比:1.7)をタンブラーにより混合し、ブレンド比
(ナイロンMXD6/ナイロン6、重量比)が20/8
0の混合ペレットを準備した。この混合ペレットを、押
出機(スクリュー直径:20mmφ、L/D:25、ス
クリュー形式:フルフライト、単軸)を用い、Tダイ法
により、シリンダー温度:245〜260℃、Tダイ温
度:260℃、スクリュー回転数:40rpm、冷却ロ
ール温度:65℃の温度条件下で幅約120mm、厚さ
約0.05mmのフィルムを得た。このときのダイ出口
の樹脂温度は259℃であった。また、成形滞留時間は
3分であった。得られたフィルムは実施例10、11に
比べて高いヘーズを有しており、熱水処理後も高いヘー
ズを示した。原料組成、フィルム成形条件および結果を
表7に示す。
ナイロン66(商品名:宇部ナイロン2026B、相対
粘度:3.3)のペレット(溶融粘度比:2.70)を
タンブラーにより混合し、ブレンド比(ナイロンMXD
6/ナイロン66、重量比)が、85/15の混合ペレ
ットを準備した。この混合ペレットを、単軸押出機(ス
クリュー直径:40mmφ、L/D:22、スクリュー
形式:フルフライト)を使用して、275℃で混合溶融
し、環状ダイより空冷インフレーション法により厚さ3
2μmのフィルムを作製した。このときのダイ出口の樹
脂温度は273℃であった。また、成形滞留時間は2.
5分であった。得られたフィルムのくもり価は2.5%
であり、沸騰水に30分間浸した後のくもり価は 4.
9%であり、初期の良好な透明性が保持されていた。ま
た、同様の方法により作製したナイロンMXD6(相対
粘度:3.6)からの厚さ30μmのフィルムのくもり
価は2.3%、熱水処理後のくもり価は46.8%であ
り、明らかに白化が認められた。原料組成、フィルム成
形条件および結果を表6に示す。
て得られるポリアミドフィルムは、非晶で無延伸又は非
晶で低倍率の延伸状態でも優れた透明性を保持し、且つ
優れたガスバリヤー性を有する。
Claims (14)
- 【請求項1】 メタキシリレンジアミンとアジピン酸と
の重縮合反応で生成する構造単位を90モル%以上含有
する相対粘度が2.6〜3.7の第1のポリアミド
(A)、及び脱偏光光度法による160℃での定温結晶
化における半結晶化時間の測定値が30秒以下であり、
且つ溶解度指数が 13±1.5の範囲にある第2のポ
リアミド(B)とを、下記関係式 (0.025C−2.2)≦logR≦(0.025C
−0.5) (ここで、Cは第1のポリアミドと第2のポリアミドの
合計重量を基準にしての第1のポリアミドの配合割合
(重量%)であり、そしてRは第1のポリアミドと第2
のポリアミドのうち融点の高い方のポリアミドの融点よ
りも20℃高い温度における、第1のポリアミドの溶融
粘度対第2のポリアミドの溶融粘度の比である、但し、
Cは20〜95(重量%)の範囲にある、)が成立する
条件下で溶融混練して得られるフィルム用ポリアミド樹
脂組成物。 - 【請求項2】 第2のポリアミドがポリアミド6又はポ
リアミド66である請求項1の樹脂組成物。 - 【請求項3】 厚み50μmに換算したときのヘーズ値
が7%以下である、請求項1のポリアミド樹脂組成物か
ら得られる無延伸フィルム。 - 【請求項4】 請求項3に記載した無延伸フィルムであ
って、厚み50μmに換算したときのヘーズ値が7%以
下でありそして第1のポリアミドと第2のポリアミドの
合計重量を基準にしての第1のポリアミドの配合割合
(C)が60〜95重量%の範囲にあるポリアミド樹脂
組成物からの無延伸フィルム。 - 【請求項5】 厚み25μmに換算したときのヘーズ値
が3.5%以下である、請求項1のポリアミド樹脂組成
物から得られる二軸延伸フィルム。 - 【請求項6】 請求項5に記載した二軸延伸フィルムで
あって、厚み25μmに換算したときのヘーズ値が3.
5%以下であり、そして第1のポリアミドと第2のポリ
アミドの合計重量を基準にしての第1のポリアミドの配
合割合(C)が20〜60重量%の範囲にあるポリアミ
ド樹脂組成物から得られる二軸延伸フィルム。 - 【請求項7】 請求項1のポリアミド樹脂組成物の層と
その他の熱可塑性樹脂の層からなる無延伸多層フィル
ム。 - 【請求項8】 請求項7に記載した無延伸多層フィルム
であって、第1のポリアミドと第2のポリアミドの合計
重量を基準にしての第1のポリアミドの割合(C)が6
0〜95重量%であるポリアミド樹脂組成物の層とその
他の熱可塑性樹脂の層からなる無延伸多層フィルム。 - 【請求項9】 他の熱可塑性樹脂がポリオレフィン、ポ
リカーボネート、ポリエチレンテレフタレートまたは第
2のポリアミドである、請求項7または8のいずれかの
無延伸多層フィルム。 - 【請求項10】 請求項1のポリアミド樹脂の層とその
他の熱可塑性樹脂の層との間に接着剤層が存在する、請
求項7または8のいずれかの無延伸多層フィルム。 - 【請求項11】 請求項1のポリアミド樹脂組成物の層
とその他の熱可塑性樹脂の層からなる二軸延伸多層フィ
ルム。 - 【請求項12】 請求項11に記載した二軸延伸フィル
ムであって、第1のポリアミドと第2のポリアミドの合
計重量を基準にしての第1のポリアミドの配合割合
(C)が20〜60重量%であるポリアミド樹脂組成物
の層とその他の熱可塑性樹脂の層からなる二軸延伸多層
フィルム。 - 【請求項13】 他の熱可塑性樹脂がポリオレフィン、
ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートまたは
第2のポリアミドである、請求項11または12のいず
れかの二軸延伸多層フィルム。 - 【請求項14】 請求項1のポリアミド樹脂の層とその
他の熱可塑性樹脂の層との間に接着剤層が存在する、請
求項11または12のいずれかの二軸延伸多層フィル
ム。
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JP32575591A JP3180392B2 (ja) | 1991-12-10 | 1991-12-10 | ポリアミド樹脂組成物およびそのフィルム |
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JPH05156155A JPH05156155A (ja) | 1993-06-22 |
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ID=18180276
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- 1991-12-10 JP JP32575591A patent/JP3180392B2/ja not_active Expired - Lifetime
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