JP3176179B2 - 感熱記録材料の製造方法 - Google Patents

感熱記録材料の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱記録材料の製造方
法に関し、特に、サーマルヘッドでの記録時のヘッドの
汚れ及びプリント面の荒れを減少させることのできる感
熱記録材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録は、記録装置が簡易で安価であ
るにもかかわらず、記録の信頼性が高く、装置のメンテ
ナンスも不要であるので、近年発展を続けており、近年
では、安価な多色画像、更にはフルカラーの画像を得る
ための開発も進んでいる(例えば、特開昭63−450
84号)。
【0003】このような状況において、感熱記録層の主
バインダーをゼラチンまたはゼラチン誘導体とすること
が、多層同時塗布を行う上で好都合であることが見出さ
れたが、この場合は印字時にゼラチン膜が白濁化するの
みならず、サーマルヘッド汚れが生じ易いという欠点の
あることが判明した。斯る欠点は、変成ポリビニルアル
コールを主成分とする保護層を設けることにより改善さ
れる(特開平4−37585号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最上層
に変成ポリビニルアルコールを主成分とする保護層を設
けた感熱記録材料も、サーマルヘッドを用いた記録時に
おけるサーマルヘッドの汚れを十分に減少させることが
できないのみならず、記録面の面荒れが生じるという点
で、未だ満足できるものではなかった。そこで、変成ポ
リビニルアルコールを架橋するために、架橋剤を保護層
に添加すると、塗布時に液がゲル化し易くなり、安定し
た塗布が困難となるという欠点があった。
【0005】そこで、本発明者らは、塗布時のゲル化を
生じさせない方法について鋭意検討した結果、変成ポリ
ビニルアルコールの保護層と、ゼラチンを主バインダー
とすると共に前記変成ポリビニルアルコールに対する架
橋剤を含有する層とを同時塗布した場合には、前記従来
の欠点を改善することができることを見出し、本発明に
到達した。従って、本発明の目的は、サーマルヘッドを
用いた記録時における、サーマルヘッドの汚れを十分に
減少させることができ、しかも記録面の面荒れが生じな
い感熱記録材料を製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
熱記録時にサーマルヘッドと接触する層として、変成ポ
リビニルアルコールを主成分とする保護層を有すると共
に、該保護層以外の層としてゼラチン又はその誘導体を
主バインダーとして含有する層を少なくとも一層有する
感熱記録材料の製造方法であって、前記主バインダーを
ゼラチン又はその誘導体とする層の少くとも一層の塗布
液中に前記変成ポリビニルアルコールに対する架橋剤を
含有せしめ、且つ、少なくとも前記保護層及び前記架橋
剤を含有する層を実質的に同時に塗布し、前記架橋剤を
保護層に拡散させ、保護層中の前記変成ポリビニルアル
コールを架橋させることを特徴とする感熱記録材料の製
造方法により達成された。
【0007】以下、本発明の感熱記録材料の製造方法に
ついて更に詳細に説明する。本発明に用いる変成ポリビ
ニルアルコールとは、ポリビニルアルコールにおける水
酸基またはアセチル基を、シラノール基やカルボキシル
基のような反応性基で置換したものをいう。上記の変成
ポリビニルアルコールを架橋する架橋剤としては、前記
変成ポリビニルアルコールを架橋させることのできるも
のである限り、公知のものの中から適宜選択して使用す
ることができるが、本発明においては、特にポリビニル
アルコールの水酸基に対する架橋剤として、ほう酸を使
用することが好ましい。
【0008】本発明においては、上記ほう酸等の架橋剤
を変成ポリビニルアルコールを主成分とする保護層以外
の、ゼラチンまたはゼラチン誘導体を主バインダーとす
る層に添加する。架橋剤の添加量は、保護層のポリビニ
ルアルコール固形分に対して、1重量%以上であること
が好ましく、特に10重量%以上添加することが好まし
い。
【0009】ゼラチンはほう酸等の架橋剤に対して不活
性であり、これらの架橋剤を添加しても安定な状態を維
持することができる。架橋剤は、このゼラチン等を主バ
インダーとする層から変成ポリビニルアルコールを主成
分とする保護層へ拡散し、変成ポリビニルアルコールを
架橋させて、保護層の熱に対する強度を向上させること
ができる。
【0010】このようにして設けられた保護層の均一性
は極めて良好である上、架橋して膜強度が増大している
ので、サーマルヘッドでの記録時におけるサーマルヘッ
ドの汚れを十分に減少させることができるのみならず、
記録面の面荒れをも防止することができる。架橋剤を添
加する層は、感熱記録材料であっても良いが、非発色性
の層であっても良い。また保護層を2層構成とし、上の
層の主たるバインダーを変成ポリビニルアルコールと
し、下の層の主バインダーをゼラチンまたはその誘導体
としても良い。
【0011】本発明の製造方法によって得られる感熱記
録材料は、単色であっても良いことは当然であるが、特
に、ゼラチンまたはその誘導体を主バインダーとして多
層塗布して多色感熱記録材料を得ることも容易である。
各発色層に前記架橋剤を含有させると共に、それぞれの
発色層の間に前記変成ポリビニルアルコールを主成分と
する保護層と同様の層を中間層として設けることもでき
る。
【0012】感熱発色成分としては、電子供与性染料前
駆体と電子受容性化合物との組み合わせ、ジアゾ化合物
とカプラーとの組み合わせ、有機金属塩と有機酸との組
み合わせなどが用いられるが、特に電子供与性染料前駆
体(発色剤)と電子受容性化合物(顕色剤)の組み合わ
せ、及びジアゾ化合物(発色剤)とカプラーとの組み合
わせが好ましく用いられる。
【0013】電子供与性染料前駆体の代表例としては、
トリアリールメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合
物、チアジン系化合物、キサンテン系化合物、スピロピ
ラン系化合物などが挙げられ、とりわけトリアリールメ
タン系化合物及びキサンテン系化合物が、発色濃度が高
いので有用である。
【0014】電子受容性化合物としては、フェノール誘
導体、サリチル酸誘導体、ヒドロキシ安息香酸エステル
等が挙げられ、特にビスフェノール類、ヒドロキシ安息
香酸エステル類が好ましい。更に熱感度を良くするため
に、低融点の有機物化合物を増感剤として添加すること
もできる。このような増感剤としては、分子内に芳香族
性基と極性基を適度に有している低融点有機化合物が好
ましい。
【0015】ジアゾ化合物と該ジアゾ化合物と熱時反応
して発色するカプラーとを主成分とする感熱記録層の場
合には、記録後ジアゾ化合物が分解する光で露光するこ
とにより、画像を定着することができる。ジアゾ化合物
とカプラーからなる感熱記録層の場合には、加熱時に両
者の反応を促進させる目的で、有機または無機の塩基性
物質を更に添加することが好ましい。
【0016】本発明に用いられる、上記ジアゾ化合物と
熱時反応して発色するカプラーは、公知のものの中から
適宜選択して使用することができる。その具体例として
は、例えば特開平4−37585号公報に記載されたも
のなどが挙げられる。塩基性物質としては、無機または
有機の塩基性化合物のほか、加熱時に分解等を生じ、ア
ルカリ物質を放出する化合物が挙げられる。加熱時に分
解してアルカリ物質を放出する化合物としては、例えば
シクロヘキシルグアニジン、グアニジントリクロロ酢酸
塩、N,N−ジベンジルピペラジン等が挙げられる。
【0017】前述した如く、保護層を、変成ポリビニル
アルコールを主バインダーとする保護層(上層)と、ゼ
ラチンまたはその誘導体を主成分とする保護層(下層)
の二層構成とする場合には、感熱記録材料を構成する他
の層のバインダーは、ゼラチンまたはその誘導体でなく
ても良い。しかしながら、多色感熱記録材料の場合に
は、同時多層塗布を行う観点から、感熱記録層等の他の
層のバインダーは、やはり、ゼラチンまたはその誘導体
であることが好ましい。
【0018】尚、本発明において、主成分とは、固形分
としたときに50重量%以上を占める成分を意味し、主
バインダーとは、全バインダーのうち、50重量%以上
を占めるバインダーを意味する。従って本発明において
は、バインダー成分の50重量%を超えない範囲で、好
ましくは35重量%を超えない範囲で、他の水溶性バイ
ンダー、または疎水性バインダーのエマルジョン若しく
はラテックスを併用することができる。
【0019】感熱記録層を支持体上に設けるに際して
は、発色剤及び顕色剤を各々別々に水溶性高分子水溶液
中で分散し、十分に水溶性高分子を各素材表面に吸着さ
せてから混合する方法、少なくともどちらか一方の成分
をマイクロカプセル化する方法、反応成分を別々の層に
含有させる2層構成にする方法等の、何れの方法を採用
しても良いが、感熱記録材料の生保存性及び熱感度の観
点から、特にマイクロカプセル化する方法を採用するこ
とが好ましい。
【0020】本発明で使用するゼラチン又はその誘導体
は、公知のものの中から適宜選択して使用することがで
きるが、特にゲル化温度の高いものを使用することが好
ましい。本発明に用いられるマイクロカプセルの壁は、
常温ではカプセル内の物質とカプセル外の物質を厳密に
隔離する性質を有する必要があると同時に、加熱時には
壁の透過性が増大して発色剤と顕色剤を接触させる、熱
応答性マイクロカプセルであることが好ましい。
【0021】このマイクロカプセルの壁材としては、ゼ
ラチン、ポリウレア、ポリウレタン、ポリイミド、ポリ
エステル、ポリカーボネート、メラミン等を用いること
ができるが、特にポリウレア、ポリウレタン壁が好まし
い。また、カプセル壁に熱応答性を付与するために、そ
のガラス転移点を室温以上、200℃以下とすることが
必要であり、特に70〜150℃の範囲とすることが好
ましい。
【0022】カプセル壁のガラス転移温度の制御は、カ
プセル壁のポリマー種を選ぶか、適当な可塑剤を添加す
ることによって可能である。このような可塑剤として
は、フェノール化合物、アルコール化合物、アミド化合
物、スルホンアミド化合物等があり、これらは、カプセ
ルの芯物質中に含有させてもよいし、分散物としてマイ
クロカプセル外に添加してもよい。
【0023】マイクロカプセル化の手法、用いる素材及
び化合物の具体例については、米国特許第372680
4号、同第3796696号公報に記載されている。例
えば、ポリウレタン或いはポリウレアをカプセル壁材と
して用いる場合には、多価イソシアネート及びこれと反
応してカプセル壁を形成する第二の物質(例えばポリオ
ール又はポリアミン)を水相またはカプセル化すべき油
性液体中に混合し、水中に乳化分散させ、次に温度を上
昇させることにより、油滴界面で高分子形成反応を起こ
させて、マイクロカプセル壁を形成する。第一の壁膜形
成物質である多価イソシアネートと第二の壁膜形成物質
であるポリオール、ポリアミンを適宜選択して、カプセ
ル壁のガラス転移点を大幅に変えることができる。
【0024】また、発色剤等を溶解してカプセルの芯を
形成する有機溶剤としては高沸点オイルが用いられる。
斯る高沸点オイルの具体的としてはリン酸エステル、フ
タル酸エステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル、その他のカルボン酸エステル、脂肪酸アミド、
アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、アル
キル化ナフタレン、ジアリールエタン、塩素化パラフィ
ン等が挙げられる。発色剤等の溶解を助けるために、低
沸点の補助溶剤を加えることもできる。補助溶剤の具体
例としては、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチ
ル、メチレンクロライド、シクロヘキサノン等が挙げら
れる。
【0025】乳化油滴を安定に作るために、水相に保護
コロイドや界面活性剤を添加することができる。保護コ
ロイドとしては、水溶性高分子を使用することが一般に
可能である。水溶性高分子の具体的としては、ゼラチ
ン、ポリビニルアルコール、変成ポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸ナトリ
ウム、エチレン/マレイン酸共重合体等が挙げられる
が、本発明の効果を十分に期待するには、ゼラチンを保
護コロイドとして用いることが好ましい。
【0026】この場合、通常のゼラチンを使用した場合
には、そのアミノ基がイソシアネートと反応して、良好
なカプセルを生成しにくいため、アミノ基を封じた変成
ゼラチンを用いることが好ましい。マイクロカプセルの
サイズは、特に画像の解像度の向上及び取扱性の観点か
ら、体積平均で0.3〜20μmの範囲であることが好
ましく、特に0.5〜4μmの範囲であることが好まし
い。
【0027】発色剤と顕色剤の分離は、一般に水溶性高
分子の吸着層による素材の分離により完全に行われるた
め、反応成分のいずれか一方をマイクロカプセル化する
ことによって十分に両者の反応を抑えられる。従って、
例えば電子供与性染料前駆体をマイクロカプセル化した
場合、電子受容性化合物は単に微粒子に分散した分散液
として用意され、カプセル液と混合されるのが一般的で
ある。
【0028】特に、顕色剤を高沸点溶媒に溶解した後、
水溶性高分子の水溶液中で乳化し、発色剤を内包するマ
イクロカプセル液と混合することによって得られた感熱
塗布液を支持体上に塗布・乾燥した場合には、透明な感
熱記録層が得られるので、支持体としてプラスチックベ
ースのような透明支持体を用いることにより、透明な感
熱記録材料を得ることもできる。
【0029】本発明によって多色の感熱記録材料を得る
場合には、各感熱記録層の分離をより確実にするため
に、中間層を設けることが好ましい。中間層塗液として
は、ゼラチンまたはゼラチン誘導体をそのまま用いたも
のと、ゼラチンまたはゼラチン誘導体にほう酸水溶液を
混合したものを用いたものが挙げられ、更に必要に応じ
てステアリン酸亜鉛のような金属石鹸や、ワックス類、
融点120℃以下の有機物等を添加することもできる。
【0030】また、感熱層にほう酸等の架橋剤を含有さ
せ、中間層として保護層と同じ変成ポリビニルアルコー
ルを使用しても良い。中間層には、必要に応じて他のバ
インダーを、その重量比が50重量%を超えない範囲、
好ましくは35重量%を超えない範囲で併用することが
できる。
【0031】本発明の保護層塗液には、サーマルヘッド
との接着(スチィック)の防止や滑りを向上させる目的
で、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸、パラフィンワック
ス等のワックス類、アミド化合物等を添加しても良い。
以上のようにして得られた各記録層の塗液は、支持体上
に順次或いは同時塗布され、感熱記録材料が得られる。
【0032】塗布は、支持体上に感熱記録層、中間層、
感熱記録層の繰り返しとなるように塗布され、最上層の
感熱記録層上に一層以上からなる保護層が配される。こ
の場合、本発明においては、少なくともサーマルヘッド
と直接接触する保護層及びこの保護層に対する架橋剤を
含有し、ゼラチンを主バインダーとする層が実質的に同
時に塗布される。
【0033】そして塗布された後に、架橋剤が変成ポリ
ビニルアルコールを主バインダーとする保護層に移行
し、これを架橋する。これによって塗布時のゲル化が防
止され、塗布安定性が確保されると共に、サーマルヘッ
ドと隣接する保護層の膜強度が強化される。即ち、架橋
剤が保護層に移行し得る限り、保護層と架橋剤を含有す
る層の塗布間隔に時間的ずれがあっても良い。これが前
記「実質的に同時に塗布」の意味である。
【0034】感熱層の塗布量は、各感熱記録層中の発色
成分(電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物の和、
あるいはジアゾ化合物とカプラーの和)として0.5〜
3.0g/m2 、好ましくは0.8〜2.0g/m2
ある。発色成分が0.5g/m2 未満となると、十分な
発色層濃度が得られず、3.0g/m2 を超えると経済
的に不利となる。
【0035】中間層及び保護層は、固形分で0.5〜
3.0g/m2 であることが好ましい。0.5g/m2
未満となると、十分な拡散防止能またはサーマルヘッド
の熱に対する保護能が得られず、3.0g/m2 を超え
ると熱伝達が不良となり、熱感度が低下する。支持体と
しては、紙、ポリエチレン等を紙上にラミネートしたラ
ミネート紙、合成紙、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リイミド、トリアセチルセルロース等のプラスチックベ
ースなど、公知のものが使用される。
【0036】支持体に塗布する方法としては、エアーナ
イフコート法、カーテンコート法、スライドコート法、
ローラーコート法、ディップコート法、ワイヤーバーコ
ート法、ブレードコート法、グラビアコート法、スピン
コート法などが一般的であるが、本発明の効果を十分に
発揮するには、ビード塗布方法によって、多層同時塗布
することが好ましい。
【0037】
【発明の効果】本発明は、塗布層間の架橋剤の拡散移動
を利用して保護層中の変成ポリビニルアルコールを架橋
させるので、塗布適正に優れると共に、膜強度に優れた
保護層を有する感熱記録材料が得られる。従って、本発
明によって得られた感熱記録材料を使用すれば、サーマ
ルヘッドでの記録時における、サーマルヘッドの汚れを
十分に減少させることができ、しかも記録面の面荒れが
生じないため、印字特性に優れる。
【0038】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
尚、以下における部及び%は、特にことわりのない限
り、それぞれ重量部及び重量%を意味する。
【0039】実施例1.直接感熱記録によりイエロー、
マゼンタ、シアンの3色を独立に発色させることのでき
るフルカラー感熱記録材料の作製例を示す。 (1)シアン感熱記録層液の調製 〔電子供与性染料前駆体カプセル液の調製〕電子供与性
染料前駆体として3−(o−メチル−p−ジメチルアミ
ノフェニル)−3−(1’−エチル−2’−メチルイン
ドール−3−イル)フタリドを、酢酸エチル20部に溶
解し、更に、高沸点溶媒であるアルキルナフタレンを2
0部添加した後、加熱して均一に混合した。得られた溶
液に、カプセル壁剤として、キシリレンジイソシアナー
ト/トリメチロールプロパンの3/1付加物20部を更
に添加し、均一に攪拌した。
【0040】別途、フタル化ゼラチン6%水溶液54部
中に、ドデシルスルホン酸ナトリウム2%水溶液2部を
添加し、更に先の電子供与性染料前駆体溶液を添加した
後、ホモジナイザーにて乳化分散した。得られた乳化液
に水68部を加えて均一化した後、攪拌しながら50℃
に昇温し、3時間カプセル化反応を行わせて目的のカプ
セル液を得た。カプセルの平均粒子径は1.2μmであ
った。
【0041】〔電子受容性化合物乳化液の調製〕電子受
容性化合物として、1,1−(p−ヒドロキシフェニ
ル)−2−エチルヘキサン5部、トリクレジルホスフェ
ート0.3部、マレイン酸ジエチル0.1部を酢酸エチ
ル10部中に溶解し、次いで、6%ポリニルアルコール
溶液50g、2%ドデシルスルホン酸ナトリウム溶液2
gを混合した水溶液中に上記溶解液を投入し、ホモジナ
イザーで10分間乳化して、目的の乳化液を得た。
【0042】〔塗液の調製〕次に、上記の電子供与性染
料前駆体カプセル液及び電子受容性化合物乳化液を、電
子供与性染料前駆体/電子受容性化合物の比率が1/4
となるように混合し、シアンの感熱記録層液を調製し
た。
【0043】(2)マゼンタ感熱記録層液の調製 〔ジアゾ化合物のカプセル液の調製〕ジアゾ化合物とし
て4−(N−(2−(2,4−ジ−tert−アミルフ
ェノキシ)ブチリル)ピペラジノベンゼンジアゾニウム
ヘキサフルオロフォスフェート(365nmの光で分
解)2.0部を酢酸エチル20部に溶解し、更に高沸点
溶媒であるアルキルナフタレン20部を添加し、加熱し
て均一に混合した。得られた溶液に、カプセル壁剤とし
て、キシリレンジイソシアナート/トリメチロールプロ
パンの3/1付加物15部を更に添加し、均一に攪拌し
た。
【0044】別途、フタル化ゼラチンの6%水溶液54
部に2%のドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液2gを
混合した水溶液を用意し、先のジアゾニウム塩化合物を
添加した後、ホモジナイザーで乳化分散した。得られた
乳化液に水68部を加えて均一化した後、攪拌しながら
40℃に昇温し、3時間カプセル化反応を行わせて目的
のカプセル液を得た。カプセルの平均粒子径は1.2μ
mであった。
【0045】〔カプラー分散液の調製〕カプラーとして
1−(2’−オクチルフェニル)−3−メチル−5−ピ
ラゾロン2部、1,2,3−トリフェニルグアニジン2
部、トリクレジルホスフェート0.3部及びマレイン酸
ジエチル0.1部を酢酸エチル10部中に溶解し、得ら
れた溶液を、6%ゼラチン溶液50g及び2%ドデシル
スルホン酸ナトリウム2gを混合した水溶液中に投入
し、ホモジナイザーで10分間乳化して、目的の乳化液
を得た。
【0046】〔塗液の調製〕次に、上記のジアゾ化合物
のカプセル液及びカプラー乳化液を、ジアゾ化合物/カ
プラーの比率が2/3となるように混合し、マゼンタの
感熱記録層液を調製した。
【0047】(3)イエロー感熱記録層液の調製 〔ジアゾ化合物カプセル液の調製〕マゼンタ感熱記録材
層液で使用した4−(N−(2−(2,4−ジ−ter
t−アミルフェノキシ)ブチリル)ピペラジノベンゼン
ジアゾニウムヘキサフルオロフォスフェート(365n
mの光で分解)2.0部に代えて2,5−ジブトキシ−
4−トリルチオベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロフ
ォスフェート(420nmの光で分解)3.0部を用い
た他は、マゼンタ感熱記録層液の調製と全く同様にして
ジアゾ化合物のカプセル液を調製し、目的のカプセル液
を得た。カプセルの平均粒子径は1.3μmであった。
【0048】〔カプラー分散液の調製〕マゼンタ感熱記
録層液で使用した1−(2’−オクチルフェニル)−3
−メチル−5−ピラゾロン2部及び1,2,3−トリフ
ェニルグアニジン2部に代えて、それぞれ2−クロロ−
5−(3−(2,4−ジ−tert−ペンチル)フェノ
キシプロピルアミノ)アセトアセトアニリド2部及び
1,2,3−トリフェニルグアニジン1部を用いた他
は、マゼンタ感熱記録層液の調製と全く同様にしてカプ
ラー分散液を調製し、目的の乳化液を得た。
【0049】〔塗液の調製〕以上のようにして調製した
ジアゾ化合物のカプセル液及びカプラー分散液を使用し
た他は、マゼンタ感熱記録層液の調製と全く同様にし
て、イエローの感熱記録層液を調製した。
【0050】(4)中間層液の調製 中間層1には、ゼラチンの15%水溶液をそのまま用い
た。中間層2には、ゼラチンの15%水溶液100gに
4%ほう酸水溶液20gを混合したものを用いた。
【0051】(5)保護層液の調製 イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品番号:KL
−318、クラレ株式会社製)の10%水溶液100g
とエポキシ変性ポリアミド(商品番号:FL−71、東
邦化学株式会社製)の30%水溶液10gとを混合し、
更にステアリン酸亜鉛の40%分散液(商品名:ハイド
リンZ、中京油脂株式会社製)12gを添加して目的の
塗液を得た。
【0052】(6)塗布 厚み75μmのポリエチレンテレフタレート支持体上
に、スライドタイプホッパー式ビート塗布装置を用い、
スライド上でシアン感熱記録層、中間層1、マゼンタ感
熱記録層、中間層2、イエロー感熱記録層、保護層の順
に積層し塗布を行った。
【0053】各塗布層の固形分(乾燥)塗布量は、下層
(シアン層)から順に、6.1g、3.0g、7.8
g、3.0g、7.2g、1.3gであった。塗布は極
めてスムースに行われ、塗布層断面を走査型電子顕微鏡
にて確認したところ、極めて良好な層分離が行われてい
ることが確認された。得られた感熱記録材料はほぼ透明
で光透過性であった。
【0054】(7)熱記録 京セラ株式会社製のサーマルヘッドKST型を用い、単
位面積あたりの記録エネルギーが34mJ/mm2 とな
るように、サーマルヘッドに対する印加電力及びパルス
幅を決め、試料の感熱記録材料に印字した(以下、
(I)という)。その記録材料を発光中心波長420n
m、出力40Wの紫外線ランプ下に10秒間さらした
後、単位面積あたりの記録エネルギーが60mJ/mm
2 となるようにサーマルヘッドに対する印加電力及びパ
ルス幅を決めて、再度印字した(以下、(II)とい
う)。
【0055】更に、上記記録材料を発光中心波長365
nm、出力40Wの紫外線ランプ下に15秒間さらした
後、単位面積あたりの記録エネルギーが83mJ/mm
2 となるようにサーマルヘッドに対する印加電力及びパ
ルス幅を決めて更に印字した(以下、(III)とい
う)。得られた記録画像は、(I)のみの記録が行われ
た部分は黄色に、(II)のみの記録が行われた部分は
マゼンタ色に、(III)のみの記録が行われた部分は
シアン色に発色しており、(I)と(II)の記録が重
複した部分は赤に、(II)と(III)の記録が重複
した部分は緑に、(I)と(III)の記録が重複した
部分は青に、(I)(II)(III)の記録が重複し
た部分はほぼ黒に発色したものであった。
【0056】また、記録された画像には白濁が生じてお
らず、光透過性が高く、透過光での観察も可能であっ
た。更に、保護層と記録層の密着も良好で、粘着テープ
を保護層に接着し、その後粘着テープを剥離しても保護
層の損傷は認められなかった。また、記録後のサーマル
ヘッドを顕微鏡で観察したところ、汚れの付着が無かっ
た。
【0057】比較例1 保護層の塗布液に4%のほう酸40gを追加し、中間層
2からほう酸を除いた他は、実施例1と同様にして塗布
を行ったところ、塗布中に保護層液が凝集を起こし、安
定に塗布することができなかった。
【0058】比較例2 ほう酸を除いた他は、実施例1と同様にして感熱記録材
料を作製し、同様な評価を行った。その結果印字は良好
に行われたが、記録後のサーマルヘッドには、汚れの付
着が認められた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−371887(JP,A) 特開 平4−37585(JP,A) 特開 平4−53791(JP,A) 特公 平2−4436(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/28 - 5/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱記録時にサーマルヘッドと接触する層
    として、変成ポリビニルアルコールを主成分とする保護
    層を有すると共に、該保護層以外の層としてゼラチン又
    はその誘導体を主バインダーとして含有する層を少なく
    とも一層有する感熱記録材料の製造方法であって、前記
    主バインダーをゼラチン又はその誘導体とする層の少く
    とも一層の塗布液中に前記変成ポリビニルアルコールに
    対する架橋剤を含有せしめ、且つ、少なくとも前記保護
    層及び前記架橋剤を含有する層を実質的に同時に塗布
    し、前記架橋剤を保護層に拡散させ、保護層中の前記変
    成ポリビニルアルコールを架橋させることを特徴とする
    感熱記録材料の製造方法。
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