JP3174076B2 - サンルーフ装置 - Google Patents

サンルーフ装置

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JP3174076B2
JP3174076B2 JP00591591A JP591591A JP3174076B2 JP 3174076 B2 JP3174076 B2 JP 3174076B2 JP 00591591 A JP00591591 A JP 00591591A JP 591591 A JP591591 A JP 591591A JP 3174076 B2 JP3174076 B2 JP 3174076B2
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茂 植木
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ベバスト ジャパン株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乗り物、特に乗用車等
の車両に適用されて昇降・摺動動作をするサンル−フ装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のサンル−フ装置の第1従来技術
として、特公昭63−32646号公報に開示されたも
のがある。この第1従来技術は屋根の開口部を開閉する
パネルの左右側下部にブラケットを設け、開口部の左右
側方のガイドレ−ルにスライダを設け、ブラケットとス
ライダとの間にスライダの前後移動でパネルを閉鎖姿勢
から下げ姿勢へ昇降動作させる前後昇降機構を設け、パ
ネルは下げ姿勢から開放姿勢までの水平動作をスライダ
と同伴可能になっている。
【0003】前記前後昇降機構はパネルを前部中心にチ
ルト動作させるもので、前昇降機構は補助的な役目をす
るだけで、パネル前部は昇降しない。又、各昇降機構は
カム溝とそれに係合するカムピンとで形成されている
が、カム溝が1本であるので、1本のカム溝の上下スト
ロ−クは長く、カム溝を形成した部材の上下高さは高く
なっている。そのためサンル−フ装置の厚さは厚くな
り、最近の車高の低い且つ丸みのある自動車屋根に適用
すると、ヘッドクリアランスを確保することが難しい。
【0004】この第1従来技術を改良した技術として、
特開平2−279422号公報(第2従来技術)があ
る。この従来技術は前昇降機構がなく、ガイドレ−ルに
パネルの昇降動作中にガイドレ−ルに対して位置不動と
なり且つパネルの水平動作中にスライダと同伴移動する
連動体を設け、この連動体とブラケットとにそれぞれカ
ム溝を形成し、両者間に各カム溝と係合するカムピンを
有する昇降体を配置し、この昇降体をスライダで前後動
させながら揺動するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記第2従来技術にお
いては、第1従来技術と同様に、パネル前部を中心にチ
ルト動作するだけでパネル前部は昇降しないので、サン
ル−フ装置の厚さを実質的に薄くすることは困難であ
る。また、後昇降機構の厚さを薄くできるが、昇降体が
直接ブラケットに係合しているため、長いカム溝を必要
とし、パネル後部の昇降量を多くすることが困難になっ
ている。本発明の第1の目的は、パネル前部を昇降する
前昇降機構を設けて、パネル全体を略水平姿勢で昇降可
能とすることにより、サンル−フ装置の厚さを実質的に
薄くできるようにすることである。
【0006】また、本発明の第2の目的は、前昇降機構
を設けた上で、パネルの後部と連動体との間にリフタを
設け、このリフタと連動体との間に後昇降体を設け、こ
の後昇降体とリフタ及び連動体との間に、それぞれ第
1、2後昇降手段を設けることにより、比較的短い後昇
降体移動量で所望のパネル後部昇降量が得られるように
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明における課題解決
のための第1の具体的手段は、屋根1の開口部2を開閉
するパネル3と、このパネル3の左右側部より下方で前
記屋根1に対して設けられた左右一対のガイドレ−ル5
と、この各ガイドレ−ル5に前後方向移動自在に支持さ
れたスライダ6と、このスライダ6と前記パネル3との
間に設けられていて、スライダ6の後方移動でパネル3
の前側を開口部2を閉鎖した閉鎖姿勢Aから下げ姿勢B
へ昇降動作させ且つ更なるスライダ6の後方移動でパネ
ル3の前側を下げ姿勢Bから開放姿勢Cへ移動させる
昇降機構7Fと、この前昇降機構7Fと相俟ってスライ
ダ6の後方移動でパネル3の後側を開口部2を閉鎖した
閉鎖姿勢Aから下げ姿勢Bへ昇降動作させ且つ更なるス
ライダ6の後方移動でパネル3の後側を下げ姿勢Bから
開放姿勢Cへ水平移動させる後昇降機構7Rと、前記ガ
イドレ−ル5に支持されていて、ガイドレ−ル5と係脱
自在なタイミング部材37を介してパネル3の昇降動作
中にガイドレ−ル5に対して位置不動となり且つパネル
3の水平動作中にスライダ6と同伴移動する連動体8と
を備え、前記前昇降機構7Fは、パネル3の前部左右側
部と左右連動体8との間に設けられていて、パネル3の
昇降動作中にスライダ6と同伴移動可能に連動連結され
た前昇降体9Fと、この前昇降体9Fとパネル3前部
の間に設けられていて前昇降体9Fの前後動により前昇
降体9Fに対してパネル3前部を昇降する第1前昇降手
段10Fと、前記前昇降体9Fと連動体8との間に設け
られていて前昇降体9Fの前後動により連動体8に対し
て前昇降体9Fを昇降する第2前昇降手段11Fとを備
えていることである。また、本発明における課題解決の
ための第2の具体的手段は、第1の具体的手段に加え
て、前記連動体8にリフタ12の前部を枢支し、このリ
フタ12の後部をパネル3に連結しており、前記後昇降
機構7Rは、リフタ12の前後中間部と連動体8との間
でパネル3の昇降動作中にスライダ6と同伴移動する後
昇降体9Rと、この後昇降体9Rの前後動により後昇降
体9Rに対してリフタ12を揺動することによりパネル
後部を昇降する第1後昇降手段10Rと、後昇降体9
Rの前後動により連動体8に対して後昇降体9Rを昇降
する第2後昇降手段11Rとを備えていることである。
【0008】また、本発明における課題解決のための第
2の具体的手段は、第1の具体的手段に加えて、前記
動体8にリフタ12の前部を枢支し、このリフタ12の
後部をパネル3に連結しており、前記後昇降機構7R
は、リフタ12と連動体8との間でパネル3の昇降動作
中にスライダ6と同伴移動する後昇降体9Rと、この後
昇降体9Rの前後動により後昇降体9Rに対してリフタ
12を揺動することによりパネル3を昇降する第1後昇
降手段10Rと、後昇降体9Rの前後動により連動体8
に対して後昇降体9Rを昇降する第2後昇降手段11R
とを備えていることである。
【0009】
【作用】パネル3が閉鎖姿勢Aにある状態から、スライ
ダ6を後方移動すると前後昇降機構7が作動し、前スラ
イダ6Fに前昇降体9Fが同伴移動することにより、第
1前昇降手段10Fを介して前昇降体9Fに対してパネ
ル3の前部が降下し、これと同時に第2前昇降手段11
Fを介して連動体8に対して前昇降体9Fが降下し、よ
ってパネル3の前部が大きく降下する。これと同時に後
昇降機構7Rの作動により、パネル3の後部が降下する
ので、パネル3は略水平姿勢のまま下げ姿勢Bとなる。
その後のスライダ6の後方移動は連動体8を同伴し、パ
ネル3を下げ姿勢Bから開放姿勢Cまで水平動作させ
る。
【0010】前記後昇降機構7Rは、後スライダ6Rに
後昇降体9Rが同伴移動することにより、第1後昇降手
段10Rを介して後昇降体9Rに対してリフタ12を下
向き揺動し、このリフタ12の揺動でパネル3の後部
降下し、これと同時に第2後昇降手段11Rを介して連
動体8に対して後昇降体9Rが降下し、よってパネル3
の後部が大きく降下する。前記リフタ12はてこの役目
をするため、リフタ12に対する後昇降体9Rの移動距
離が短くても、パネル3後部の昇降量が確保される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基ずいて説明
する。図1〜15において、1は乗用自動車の屋根、2
は屋根1に形成された開口部、3は開口部2を開閉する
パネルであり、このパネル3はガラス又は合成樹脂等で
透明に形成されるか、金属板で形成されており、その下
面外周部にパネル枠21が取りつけられ、このパネル枠
21を介して外周部にウエザ−ストリップ22が設けら
れている。前記パネル枠21の下面の左右側部には一対
のブラケット4がネジ23及びナット24を介して固定
されている。
【0012】前記屋根1の下方には、開口部2より若干
小さい相似形の内開口部25を形成した支持枠26が、
屋根1側に固定の取り付け部27、28を介して取り付
けられ、その下方を内装材33で覆っている。開口部2
の左右側方にはガイドレ−ル5が配置されている。この
ガイドレ−ル5は支持枠26と共に、ボルト29、30
及びナット31、32を介して取り付け部27、28に
固定されている。尚、取り付け部28の位置では、支持
枠26は高さ調整可能になっいる。前記パネル3は昇降
・摺動動作するもので、開口部2を完全に閉鎖する閉鎖
姿勢A図7から略水平状態で降下した下げ姿勢B図8、
下げ姿勢Bから水平状態で後方移動した開放姿勢C図9
は移動途中の開放中途状態及び閉鎖姿勢Aから尻上がり
にチルトアップした上げ姿勢D図1、10にそれぞれ移
動して姿勢変更される。そして上げ姿勢Dからチルト下
げ動作するときには、閉鎖姿勢Aを一旦通り過ぎて、図
11のオ−バラン状態Eになってから閉鎖姿勢Aに戻
る。
【0013】ガイドレ−ル5はアルミ合金等でレ−ル部
5a、雨樋部5b及び取り付け部5cが一体成形された
ものであり、レ−ル部5aにはスライダ6、前後昇降機
構7、連動体8等が前後方向に摺動自在に設けられてい
る。またブラケット4の一部もこのガイドレ−ル5内に
入り込み得る構成になっている。前記スライダ6は前後
に2分割されており、前スライダ6Fと後スライダ6R
とは共にケ−ブル34に連結されていて、駆動装置35
によって一体的に駆動される。但し、前後スライダ6を
一体物にしても良い。前スライダ6にはタイミングピン
36が設けられており、このタイミングピン36は第
1、2タイミング部材37、38の溝39、40に挿入
されている。
【0014】第1タイミング部材37は前部が連動体8
の固定ピン41に連結され、後下部にガイドレ−ル5の
スリット42に係合する第1係合部43を有し、溝39
は後端が下向きに曲がっており、この後端にタイミング
ピン36が移動してくることにより、第1係合部43が
スリット42から離脱される。第2タイミング部材38
は前部が前昇降体9Fのピン44に連結され、後下部に
ガイドレ−ル5のスリット45に係合する第2係合部4
6を有し、溝40は後端が下向きに曲がっており、この
後端にタイミングピン36が移動してくることにより、
第2係合部46がスリット45から離脱される。溝40
は溝39よりも短く形成されている。
【0015】前昇降体9Fはピン44と同心のシュウ4
8を介してガイドレ−ル5に回動自在に且つ摺動自在に
支持されており、その前部にカムピン49、50を有し
ている。第1カムピン49は第2カムピン50よりも上
位に位置しており、ブラケット4に形成した第1カム溝
51に係合している。第2カムピン50は連動体8の前
部に形成した第2カム溝52に係合している。前記第
1、2カム溝51、52は前方から後方へ互いに逆方
向、即ち第1カム溝51は下から上へ、第2カム溝52
は上から下へそれぞれ折れ曲がっている。
【0016】前記前昇降体9Fはブラケット4と連動体
8との間に位置し、カムピン49と第1カム溝51とに
よって、前昇降体9Fの前後動により前昇降体9Fに対
してブラケット4を昇降する第1前昇降手段10Fが形
成され、カムピン50と第2カム溝52とによって、前
昇降体9Fの前後動により連動体8に対して前昇降体9
Fを昇降する第2前昇降手段11Fが形成されている。
そして、前昇降体9F、第1、2前昇降手段10F、1
1F等によって、前昇降機構7Rが構成されている。
【0017】連動体8の中途部にはリフタ12の前部の
軸56の一端が枢支連結され、軸56の他端はガイドレ
−ル5に摺動自在支持されている。このリフタ12の後
部はピン53を介してブラケット4の後部に連結されて
おり、ピン53は長孔54に挿入されていて、相対前後
動可能である。リフタ12の中途部はブラケット4の中
途部と連結リンク55で連結されている。リフタ12は
ピン53と連結リンク55とでブラケット4を2点支持
するので、パネル3を確実に支持し、ガタ付きを防止で
きる。
【0018】前記連動体8とリフタ12との間には後昇
降体9Rが配置されており、この後昇降体9Rの後端は
連結ピン58を介して後スライダ6Rと連結され
る。後昇降体9Rの前部には左右に第1、2ピン14,
16が設けられ、第1ピン14は第2ピン16よりも上
位に位置し、リフタ12に形成した第1カム溝15と係
合しており、第2ピン16は連動体8に形成した第2カ
ム溝17と係合している。また後昇降体9Rの後端には
連結ピン58と同心状の第3ピン18が設けられ、連動
体8に形成した直線状の第3溝19に摺動自在に係合し
ている。
【0019】前記後昇降体9Rの第1ピン14と第1カ
ム溝15とによって、後昇降体9Rの前後動により後昇
降体9Rに対してリフタ12を昇降することによりブラ
ケット4を昇降する第1後昇降手段10Rが形成され、
第2ピン16と第2カム溝17とによって、後昇降体9
Rの前後動により連動体8に対して後昇降体9Rを昇降
する第2後昇降手段11Rが形成されている。そして、
後昇降体9R、第1、2後昇降手段10R、11R等に
よって、後昇降機構7Rが構成されている。第1、2後
昇降手段10R、11Rの第1、2カム溝15、17
は、図14に示すように、略中途部から後側が前昇降機
構7Rと相まって、パネル3を閉鎖姿勢Aから下げ姿勢
Bへ略水平姿勢のまま昇降させる昇降部分Pとなってお
り、略中途部から前側がパネル3を第1カムピン49を
中心に閉鎖姿勢Aから上げ姿勢Dへチルト動作させるチ
ルト部分Sとなっている。また、第1、2カム溝15、
17の中途部には、昇降部分Pの前側にパネル3を閉鎖
姿勢Aにする水平維持部分Tが形成され、チルト部分S
の後部には水平維持部分Tとの間に、パネル3を上げ姿
勢Dから閉鎖姿勢Aへ移行するときにオ−バラン状態E
までチルト動作させるオ−バラン部分Uが形成されてい
る。
【0020】前記後昇降体9Rはパネル3を上げ姿勢D
にした状態で、縦2本の第1、2ピン14、16が第
1、2カム溝15、17に係合し、第3ピン18が第3
溝19に係合するので、リフタ12を充分な保持力で持
ち上げておくことができ、また横振れも防止できる。前
記第2カム溝17の後部は可及的に下方に位置させるた
めに、図1、12に示すように、第3溝19の中途部と
重合する位置となっており、第2カム溝17を第3溝1
9より深溝に形成し、第2ピン16を第3ピン18より
長くして、第2ピン16が第3溝19の前部に入らない
ようにしている。これにより、第2カム溝17と第3溝
19とが連動体8の一側面に共に形成されていても、第
2ピン16を第3ピン18と同様に可及的下方まで下が
るようにすることができる。尚、第3溝19は第2カム
溝17と重合している中途部だけでなく後端まで深溝に
形成しても良い。
【0021】なお、前記パネル3の左右側部に設けられ
ているブラケット4は、パネル3に対して固定であるが
故にパネル3の一部であり、第1カム溝51を形成して
いるが故に第1前昇降手段10Fを構成する部材であ
り、長孔54を形成し且つ連結リンク55を枢支してい
るが故に第1後昇降手段10Rを構成する部材となって
いる。図3、7〜10、13に示すパネル浮き上がり防
止手段59おいて、後スライダ6Rにはア−ム60の下
部近傍が枢支され、このア−ム60は下端がガイドレ−
ル5に当接する又は後スライダ6Rにストッパを設けて
おいて、そのストッパと当接する略立ち上がり姿勢に、
コイルバネ61によって付勢されている。ア−ム60の
先端には係合ピン62が設けられており、この係合ピン
62はブラケット4の後部の係合部63と係合可能であ
る。
【0022】係合部63は案内面64と係合溝65とを
有しており、パネル3が上げ姿勢Dからオ−バラン状態
Eになる間は案内面64が係合ピン62と当接し、オ−
バラン状態Eから更に後スライダ6Rが後方移動する
と、係合ピン62は案内面64に案内されながら係合溝
65に入って係合し、パネル3が閉鎖姿勢Aになったと
きに浮き上がりを阻止可能になる。従って、車両が高速
走行してもパネル3がバタ付くことはない。66はドリ
ップレ−ルで、その両端は左右連動体8の後部に連結さ
れており、パネル3の後部から落ちる水滴を左右の雨樋
部5bに案内する。このドリップレ−ル66の後上部に
はシ−ル材67が設けられており、このシ−ル材67は
屋根1の下面に近接していて、パネル3に揚力が働いた
ときに、その浮き上がりを防止する役目もする。また、
ドリップレ−ル66は前上部にもシ−ル材68図16に
図示が設けられていて、下げ姿勢Bのパネル3との間を
シ−ル可能となっている。
【0023】図4、5、16〜19に示すサンシエ−ド
71において、サンシエ−ド71は内開口部25を開閉
すべくその上側に配置され、シエ−ドパネル72の左右
に前後一対のバネ板製のガイド体73を有している。こ
のガイド体73はガイドレ−ル5のシエ−ドレ−ル部5
dに前後摺動自在に案内されている。シエ−ドパネル7
2の前部にはハンドル部材74が上板75を介して挟持
状に取り付けられている。前記ハンドル部材74はシエ
−ドパネル72から下方へ膨出状に形成され、中央近傍
に左右一対のハンドル部76が下方から見て凹状に形成
されている。ハンドル部76はシエ−ドパネル72の上
側には突出していなく、従って、シエ−ドパネル72は
可及的にドリップレ−ル66及び屋根1に近ずけて配置
されている。ハンドル部76の左右側方にはル−バ部7
7が形成されている。このル−バ部77もハンドル部材
74の膨出した部分から凹状に形成され、上板75の開
口78と連通し、室内の空気を上方へ排出可能になって
いる。
【0024】図7〜11に基ずいて、サンル−フ装置の
開閉動作を説明する。パネル3が図7の閉鎖姿勢Aにあ
る状態からスライダ6を後方移動していくと、前後スラ
イダ6F,6Rによって前後昇降体9F,9Rが後方移
動し、第1、2前昇降手段10F、11Fを介してパネ
ル3の前部が下降すると同時に、第1、2後昇降手段1
0R、11Rを介してパネル3の後部が下降し、パネル
3は下げ姿勢Bまで略水平姿勢で下降する。この動作末
期に前スライダ6Fのタイミングピン36は溝39,4
0を後部まで移動し、第1、2係合部43,46をスリ
ット42,45から離脱させる。これにより第1、2タ
イミング部材37、38はガイドレ−ル5に対してフリ
−となり、連動体8のロックが解除される。
【0025】連動体8のロックが解除されたことによ
り、その後、スライダ6が後方移動すると、連動体8、
ブラケット4及びパネル3は一体となってスライダ6と
同伴移動し、開口部2を略全面開放する開放姿勢Cまで
パネル3を後方移動させる。パネル3を開放姿勢Cから
閉鎖姿勢Aへの移動は前記と逆の動作となる。パネル3
が閉鎖姿勢Aにある状態からスライダ6を前方移動させ
ていくと、前スライダ6Fのタイミングピン36は溝3
9、40内を移動するだけで前昇降体9Fを作動させな
く、従ってパネル3の前部は不動である。後スライダ6
Rの前方移動は後昇降体9Rを前方へ移動し、第1、2
後昇降手段10R、11Rを介してパネル3の後部を持
ち上げる。パネル3は第1カムピン49を中心にチルト
アップ動作をして、上げ姿勢Dへ移動することになる但
し、チルトアップ動作初期にオ−バラン状態Eを通過す
る。。
【0026】パネル3が上げ姿勢Dにある状態からスラ
イダ6を後方移動させ、パネル3をチルトダウンさせて
いくと、閉鎖姿勢Aを通り過ぎてオ−バラン状態Eにま
で下降し、その後若干チルトアップして閉鎖姿勢Aにな
る。これによりパネル3は常に上昇してから閉鎖姿勢A
になることになり、ウエザ−ストリップ22のめくれ上
がりが防止される。またこのとき、ア−ム60の係合ピ
ン62が案内面64に当接して下向きに回動し、その
後、後スライダ6の後方移動に伴ってコイルバネ61の
付勢力によって立ち上がり、係合溝65に係合して、パ
ネル3の閉鎖姿勢Aを保護することになる。
【0027】尚、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、種種変形することができる。例えば、本発明
の前昇降機構7Fと従来技術の後昇降機構とを組み合わ
せたり、後昇降機構7Rの第1、2カム溝15、17を
昇降部分Pと水平維持部分Tとだけで形成したり、連結
リンク55を削除したりしても良い。また、パネル浮き
上がり防止手段59は、ア−ム60をブラケット4側
に、係合部63を後スライダ6R側にそれぞれ設けても
良い。
【0028】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、パネル3
は後部だけでなく前部も昇降することができ、パネル3
全体を略水平姿勢で昇降可能となり、サンル−フ装置の
厚さを実質的に薄くでき、自動車等の屋根1のヘッドク
リアランスを確保することができる。また、パネル3を
略水平昇降可能にした上で、後昇降体9Rの比較的短い
移動カム溝の長さでも、リフタ12にてこ作用をさせ
て、パネル後部昇降量を多くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体を示す断面側面図である。
【図2】全体の平面図である。
【図3】要部の分解斜視図である。
【図4】図2のX−X線断面図である。
【図5】図2のY−Y線断面図である。
【図6】図2のZ−Z線断面図である。
【図7】パネルが閉鎖姿勢の時の説明図である。
【図8】パネルが下げ姿勢の時の説明図である。
【図9】パネルが開放姿勢へ移動する途中の説明図であ
る。
【図10】パネルが上げ姿勢の時の説明図である。
【図11】パネルが閉鎖姿勢になる前にオ−バランした
時の説明図である。
【図12】第2カム溝と第3溝との重合部分の斜視図で
ある。
【図13】パネル浮き上がり防止手段の係合部の斜視図
である。
【図14】後昇降機構の要部の側面図である。
【図15】サンル−フ装置の平面図である。
【図16】開放したサンシエ−ドの前部の断面側面図で
ある。
【図17】ハンドル部材の平面図である。
【図18】ハンドル部材の断面図である。
【図19】ハンドル部材のル−バ部の断面図である。
【符号の説明】
1 屋根 2 開口部 3 パネル 4 ブラケット 5 ガイドレ−ル 6 スライダ 7 前後昇降機構 8 連動体 9 昇降体 10 第1昇降手段 11 第2昇降手段 12 リフタ A 閉鎖姿勢 B 下げ姿勢 C 開放姿勢 D 上げ姿勢 E オ−バラン状態

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屋根(1)の開口部(2)を開閉するパ
    ネル(3)と、このパネル(3)の左右側部より下方で
    前記屋根(1)に対して設けられた左右一対のガイドレ
    −ル(5)と、この各ガイドレ−ル(5)に前後方向移
    動自在に支持されたスライダ(6)と、このスライダ
    (6)と前記パネル(3)との間に設けられていて、ス
    ライダ(6)の後方移動でパネル(3)の前側を開口部
    (2)を閉鎖した閉鎖姿勢(A)から下げ姿勢(B)へ
    昇降動作させ且つ更なるスライダ(6)の後方移動でパ
    ネル(3)の前側を下げ姿勢(B)から開放姿勢(C)
    へ移動させる前昇降機構(7F)と、この前昇降機構
    (7F)と相俟ってスライダ(6)の後方移動でパネル
    (3)の後側を開口部(2)を閉鎖した閉鎖姿勢(A)
    から下げ姿勢(B)へ昇降動作させ且つ更なるスライダ
    (6)の後方移動でパネル(3)の後側を下げ姿勢
    (B)から開放姿勢(C)へ水平移動させる後昇降機構
    (7R)と、前記ガイドレ−ル(5)に支持されてい
    て、ガイドレ−ル(5)と係脱自在なタイミング部材
    (37)を介してパネル(3)の昇降動作中にガイドレ
    −ル(5)に対して位置不動となり且つパネル(3)の
    水平動作中にスライダ(6)と同伴移動する連動体
    (8)とを備え、 前記前昇降機構(7F)は、パネル(3)の前部左右側
    部と左右連動体(8)との間に設けられていて、パネル
    (3)の昇降動作中にスライダ(6)と同伴移動可能に
    連動連結された前昇降体(9F)と、この前昇降体(9
    F)とパネル(3)前部との間に設けられていて前昇降
    体(9F)の前後動により前昇降体(9F)に対してパ
    ネル(3)前部を昇降する第1前昇降手段(10F)
    と、前記前昇降体(9F)と連動体(8)との間に設け
    られていて前昇降体(9F)の前後動により連動体
    (8)に対して前昇降体(9F)を昇降する第2前昇降
    手段(11F)とを備えていることを特徴とするサンル
    −フ装置。
  2. 【請求項2】 前記連動体(8)にリフタ(12)の前
    部を枢支し、このリフタ(12)の後部をパネル(3)
    に対して連結しており、前記後昇降機構(7R)は、リ
    フタ(12)の前後中間部と連動体(8)との間でパネ
    ル(3)の昇降動作中にスライダ(6)と同伴移動する
    後昇降体(9R)と、この後昇降体(9R)の前後動に
    より後昇降体(9R)に対してリフタ(12)を揺動す
    ることによりパネル(3)後部を昇降する第1後昇降手
    段(10R)と、後昇降体(9R)の前後動により連動
    体(8)に対して後昇降体(9R)を昇降する第2後昇
    降手段(11R)とを備えていることを特徴とする請求
    項1に記載のサンル−フ装置。
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