JP3172127B2 - 原子力発電所内設備の化学除染方法 - Google Patents

原子力発電所内設備の化学除染方法

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JP3172127B2 JP27537497A JP27537497A JP3172127B2 JP 3172127 B2 JP3172127 B2 JP 3172127B2 JP 27537497 A JP27537497 A JP 27537497A JP 27537497 A JP27537497 A JP 27537497A JP 3172127 B2 JP3172127 B2 JP 3172127B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電所内に
設備として設置されている系統配管、ポンプ、弁、機器
等を除染対象物として、これらの除染対象物に化学除染
法を適用する原子力発電所内設備の化学除染方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所内設備、例えば原子炉再循
環(PLR)系配管などを化学除染する場合、その配管
の改良や交換工事等に合わせ、その工事従事者の放射線
被曝量低減を主目的に原子炉再循環(PLR)系統に対
して適用している。したがって、化学除染する除染対象
物の除染範囲を選定する場合には原子炉再循環系配管な
どの改良や交換工事等に依存されるところが大きい。
【0003】図は、原子力発電所内設備のうち、原子
炉再循環系統の配管・弁・ポンプ等の除染対象物に対し
て化学除染を行う場合の化学除染装置の除染液を循環さ
せるための装置および配管系統図である。
【0004】一般的な化学除染装置は、主な装置とし
て、薬液注入装置1,循環ポンプ装置2,電気ヒータ装
置(熱交換器)3,紫外線照射装置4,除染液容量調整
タンク(サージタンク)5,ミストセパレータ、ヘパフ
ィルタおよびブロワーからなる局所排風装置(デミス
タ)6,イオン交換樹脂塔7,補助ポンプ装置8が組み
合わされた構成となっており、以降本明細書ではこれら
各装置を集合呼称として、化学除染装置と呼ぶことにす
る。
【0005】次に、従来の上記化学除染装置による化学
除染方法を説明する。原子炉格納容器r内のドライウェ
ル(D/W)に設置した原子炉圧力容器n(図示せず)
や他系統への接続部である原子炉再循環系(PLR)の
原子炉再循環配管a、上部配管部および余熱除去系配管
bの一部を切断した後、数多くある既設配管切断部9へ
化学除染装置26とのフランジノズル付の取合用閉止板10
を溶接し、この取合用閉止板10に仮設ホース11を接続し
て、化学除染装置26との間に除染液循環ループを構成し
ている。この除染液循環ループへ、薬液注入装置1から
化学除染薬剤を注入し、原子炉再循環系統配管aや弁お
よびポンプ等に対して一括して化学除染を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の化学除染方法で
は、除染対象物と化学除染装置との除染液循環ループを
構成する際、既設設備の大口径配管などを切断したり、
また化学除染取合用閉止板10の溶接作業などの改造作業
が伴っていた。これら作業は、工事従事者の放射線被曝
量の増加や作業量の負荷および時間の増加を招来し、当
然のことながら既設設備の改造や改良工事を含めた全体
工事における放射線被曝量低減効果の低下や工事工程の
延長を引き起こすという課題がある。
【0007】また、除染対象物の数量が多く、除染対象
物の面積が大きい場合には、その除染範囲内に化学除染
装置と取合う場所の取合部が一カ所に集中する場合があ
る。しかしながら、この場合、取合部から離れている場
所の除染対象範囲については、除染液が行きわたらなか
ったり、除染液の撹拌や交換効率が悪くなったりして、
十分な除染効果が得られないという課題がある。
【0008】さらに、原子力発電所内設備の機器、タン
クや配管等の系統を除染対象物とする場合において、系
統内に設けられている弁を化学除染装置との取合部とす
る場合、取合部から除染対象範囲としない片系統に除染
液が流入するのを防止する必要がある。しかしながら、
この場合には必要とする除染範囲のみを除染系統として
隔離することができない課題がある。
【0009】例えば高線量率である冷却材(水)で満た
された原子力発電所内の系統に対し、その系統の一部を
化学除染する場合には、系統全体の冷却材(水)を全排
水し、除染範囲のみを切断改造により隔離して除染液循
環ループ配管を取付け、化学除染を行う方法を適用して
いたが、全排水により多くの時間がかかったり、循環放
射線の線量率が上昇するなどの課題がある。
【0010】さらに、化学除染装置内の除染液位が、除
染対象設備中の除染範囲内除染液位より高い位置にあ
り、なおかつ除染対象から分岐する他系統への除染液流
出防止策施工が不可能な場合においては、除染対象範囲
のみを限定しながら除染液をバランスよく循環しながら
化学除染を行うことが困難となる課題がある。
【0011】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、原子力発電所内設備の除染対象物、例えば系
統配管、弁、ポンプ、機器等に対し、大掛かりな既設設
備の改造を行うことがなく、既設のフランジ座、系統配
管、ドレン、ベント配管などの小口径配管から化学除染
装置との取合いを行って除染液の循環ループを構成し、
この除染液の循環ループにより、化学除染準備作業にお
ける放射線被曝量を低減し、かつ作業時間を短縮できる
原子力発電所内設備の化学除染方法を提供することにあ
る。また、本発明は除染範囲の隔離、除染液の循環、撹
拌操作を適切に行い、良好な除染効果を得ることができ
る原子力発電所内設備の化学除染方法を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、原子
力発電所内設備の除染対象物に化学除染装置からの除染
液を循環させて前記除染対象物を除染する除染液の循環
ループを備えた原子力発電所内設備の化学除染方法にお
いて、前記除染対象物近傍に設けられた複数の弁の弁体
を取り外し、弁内の除染しない側の流路を除染する流路
側から閉止板で閉止し、この閉止板を締め付け金具でシ
ールし、除染対象物に除染液を循環させることを特徴と
する。
【0013】請求項1の発明によれば、原子力発電所内
設備の除染対象と化学除染装置との取合いにおいて、
設設備に大幅な改造を加えることなく、除染作業を行う
ことができる。また、除染対象でない部位への除染液の
流出を確実に防止することができる
【0014】請求項の発明は、前記弁の弁蓋を開放す
るとともに前記弁の弁体を取外し、前記弁の弁箱形状に
合わせた系統隔離機構とホース挿入ガイド機構を持ち合
わせた取合治具を用いて、除染用挿入ホースを前記除染
対象物内に挿入することを特徴とする。
【0015】の発明によれば、除染対象である原子力
発電所内設備の任意除染範囲両端の一方にある系統構成
弁のみが化学除染装置との取合いが可能であった場合、
弁取合治具を取り付け、除染範囲の他方に取り付けた
統構成弁を閉じることにより除染系統隔離をできるが、
化学除染装置取合弁から距離が離れている除染部分につ
いては、除染液の撹拌・交換効率が悪く、十分な除染効
果を得られない。
【0016】そこで、この発明では、弁箱形状に合わせ
た系統隔離機構を具備した取合治具に除染用ホース挿入
ガイド機能を合わせ持たせ、任意の除染範囲最端近傍ま
で除染用ホースを配置し、除染液の流入・流出を行える
除染液循環ループを構成し化学除染を行うことによって
十分な除染効果を得ることができる。
【0017】請求項の発明は、前記ホース挿入ガイド
機構の代りに噴射ノズル機構を用いることを特徴とす
る。請求項の発明によれば、前記と同様に一方の系統
構成弁のみが化学除染装置との取合いが可能であり、な
おかつ請求項5の方法でも除染範囲内の液循環が的確に
行うことができない場合、弁箱形状に合わせた系統隔離
機構と噴射ノズル機構を持ち合わせた取合治具を用い
て、化学除染装置とホースにより循環ループを構成し化
学除染を行うことにより、除染用挿入ホースを除染対象
内に挿入する方法と同等の十分な除染効果を得ることが
できる。
【0018】請求項の発明は、前記除染用挿入ホース
に閉止プラグを取付け、前記除染対象物の除染範囲を限
定することを特徴とする。請求項の発明によれば、除
染対象である原子力発電所内設備の任意除染範囲にある
系統構成中の弁、除染座、ストレーナ取外し部、機器内
ノズルなどの開口箇所へ、除染液を循環させるホースを
具備し、取り扱い易さを高めた閉止プラグを開口箇所へ
取付ける。これによって、除染液循環ループを構成し、
他系統へ除染液の流出を発生させることなく除染範囲の
みを隔離し化学除染を行うことができる。
【0019】請求項の発明は、前記除染対象物の除染
範囲内の除染液位が前記化学除染装置内の除染液位より
低位置で、かつ互いが開放された系統を構成し、前記除
染液の循環と液位監視制御機能を設けて、前記除染対象
物の除染範囲のみを限定し前記除染液を循環させること
を特徴とする。
【0020】除染装置内の除染液位が除染範囲内の除染
液位より高い位置にあり、それぞれ大気開放でエレベー
ションが相違する場合には、除染液の循環を適正に行う
ことが困難である。
【0021】請求項の発明によれば、解決する手段と
して、除染対象内の除染液位を監視する静電容量式水位
計、水位計に連動するMO弁、電源喪失時の除染液逆流
を防止するための電磁弁等が具備された化学除染液の循
環ループによって、除染系統内隔離が不可能な場合にお
いても他系統への除染液流出を確実に防止し、除染対象
範囲のみを限定し化学除染を行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1(a),(b),(c)によ
り本発明に係る原子力発電所内設備の化学除染方法の第
1の実施の形態を説明する。図(a)は、原子炉残留
熱(余熱)除去系(RHR)の弁に玉形弁を使用し
て、RHR系統を除染する化学除染方法の実施の形態で
ある。玉形弁に化学除染装置26を接続する玉形弁取合
治具18と玉形弁sとの構造図を示している。図
(b),(c)はRHRの弁に逆止弁tを使用して、
止弁tに逆止弁用取合治具19を取付けた構造図である。
【0023】それぞれの取合治具18,19には、弁座と合
致する閉止板20を有し、この閉止板20は締め付け金具21
によりシールされて系統隔離を行う。また、弁ボンネッ
ト形状に合わせた取合治具蓋18a,19aには、化学除染
装置26との取合ノズル22および除染系統水水抜きおよび
ベント用ノズル23を備えている。なお、22aは取合ノズ
ルフランジである。
【0024】本実施の形態によれば、RHR系統の除染
対象物近傍に設けられた玉形弁Sまたは逆止弁tを取り
外し、弁内の除染しない側の流路を除染する側から閉止
板20で閉止し、この閉止板20を締め付け金具21でシール
し、除染対象物に化学除染装置26から除染液を循環させ
て化学除染することができる
【0025】図は、本発明の第の実施の形態を説明
するもので、逆止弁tの弁蓋を取外して取合治具蓋19a
を取付け、弁箱形状に合わせた系統隔離および除染用挿
入ホース15を挿着した逆止弁用取合治具19の構造を示し
ている。この逆止弁用取合治具19の取合治具蓋19aに挿
入ガイド13を取付け、この挿入ガイド13から除染用挿入
ホース15を挿入ガイド13に沿って任意の除染範囲最端近
傍まで挿入する。
【0026】除染座dに取付けられた除染用挿入ホース
15と化学除染装置26とを仮設ホース11により接続、除染
用挿入ホース15の先端から除染液を除染範囲内へ噴射さ
せ、弁取合治具蓋19aに接続されている除染系統水水抜
き用ノズル23および逆止弁tの近傍に設けられている除
染対象付属のドレン配管等から除染液を排出することで
除染範囲内の除染液の撹拌および循環を行う。
【0027】本実施の形態によれば、任意除染範囲片端
の系統構成弁のみが化学除染装置との取合いが可能(開
放可能)であり、なおかつ他の装置取合部が一カ所に近
接し、除染範囲全体の除染液の循環が不可能な場合にお
いても、除染液を効率よく撹拌することができる上に、
十分な除染効果を得ることができる。
【0028】図は、本発明の第の実施の形態を説明
するもので、弁箱形状に合わせた系統隔離および噴射ノ
ズル機構を複合した弁取合治具の構造を示した図であ
る。本実施の形態は、前記実施の形態と同様な除染対象
条件の上に、除染用挿入ホース15が除染対象物に適さ
ず、例えば除染対象物の内径が大きくて除染用挿入ホー
ス15が除染対象内でUターンできる可能性がある場合、
弁箱uの形状に合わせた系統隔離機構とジェット噴射ノ
ズル16を持ち合わせた逆止弁用取合治具19と化学除染装
置26とを接続することにある。
【0029】ジェット噴射ノズル16は挿入ガイド13の先
端部に接続されており、このジェット噴射ノズル16から
除染液を噴射し、取合治具蓋19aに接続されている除染
系統水水抜き用ノズル23および逆止弁tの近傍に設けら
れている除染対象付属のドレン配管等から除染液を排出
することで除染範囲内除染液の撹拌・循環を行う。
【0030】本実施の形態によれば、除染範囲内の除染
液を効率よく撹拌・循環することができ、除染用挿入ホ
ースを除染範囲内に挿入する方法と同等な除染効果を得
ることができる。
【0031】図は、本発明の第の実施の形態を説明
するためのものである。すなわち、図において、弁箱
u内に閉止プラグ24を先端部に取付けたL字状パイプ25
を挿着し、このパイプ25のフランジ25aに仮設ホース11
を接続する。仮設ホース11は化学除染装置26に接続して
いる。パイプ25にはベント管25bと圧縮空気吸排気管25
cが接続している。
【0032】原子力発電所内設備の任意の除染対象物に
おいて、その除染対象範囲の両端に設けた弁、除染座、
ストレーナ取外し部、機器内ノズル等の開口箇所へ、円
筒形中空体ゴムからなる閉止プラグ(エアタイトプラ
グ)24を挿入し、圧縮空気(〜5kg/cm2 )を圧縮空気
吸排気口25から供給する。
【0033】閉止プラグ24は、第1から第3に示した閉
止板20と同様の機能を有するもので、耐薬品性シリコー
ンゴム製円筒形中空体で構成されている。したがって、
圧縮空気を供給すると、閉止プラグ24は膨らみ、既設配
管内を傷つけずにシールすることができる。化学除染液
の流出入は化学除染装置と接続されている中空体の中心
を通るパイプ部25aから行い、除染範囲中両端の取合部
から除染液の循環を行う。
【0034】本実施の形態によれば、手軽に除染対象の
種々開口部と化学除染装置との接続ができるとともに、
他系統へ除染液の流出を発生させることなく除染範囲の
みを隔離し化学除染を行うことができる。
【0035】図は、本発明の第の実施の形態を説明
するために除染液を循環させる第の実施の形態で示し
た閉止プラグ24を使用して化学除染する方法を示してい
る。原子炉圧力容器nに接続する再循環配管全体(原子
炉内ジェットポンプ立ち上り管も含む)を除染する場
合、原子炉圧力容器n内の再循環配管入口ノズル部oお
よびジェットポンプインフレントミキサーを取外した
後、開口部pそれぞれへ、図に示した閉止プラグ24を
取付け、オペレーティングフロア36に設置する化学除染
装置26と接続し、除染液の循環を行う。
【0036】また、化学除染装置の設置場所条件によっ
ては、化学除染装置を原子炉建屋内の低層階に設置し、
再循環配管下部にある除座等を用いて化学除染装置と
の接続を行う。この場合は、原子炉圧力容器n内の再循
環配管入口ノズル部oおよびジェットポンプインフレン
トミキサーを取外した後の開口部pは閉止プラグ治具に
より直接に接続する。
【0037】本実施の形態によれば、高線量率である原
子炉圧力容器n内の冷却材(水)を全排水し、接続部で
ある再循環配管を切断・改造することなく、再循環配管
全体(原子炉内ジェットポンプも含む)を隔離し、化学
除染を行うことができ、原子炉圧力容器の排水作業時間
の削除や、環境放射線線量率上昇の防止対策を図ること
ができる。
【0038】図は本発明の第の実施の形態を説明す
るために、エレベーションが相違する2カ所を大気開放
として化学除染を行った時の配置図を示している。この
工事は、原子炉再循環ポンプ出口弁点検時の放射線被曝
低減対策として、点検前に原子炉再循環ポンプ・出入口
弁の化学除染を行い、環境線量率の低減を図ることがで
きる。
【0039】したがって、原子炉再循環配管の除染範囲
27は弁・ポンプが化学除染液で水没する範囲で十分であ
り、図中の斜線部分を除染範囲とした。化学除染装置26
を発電所内の空きエリアの関係から、原子炉建屋1階に
設置することとなり、必然的に除染範囲27の最高液位よ
り高い位置になる。このような場合には、原子炉再循環
配管aの下部に設けた除染座d(図示せず)近傍に配管
内の除染液を化学除染装置26まで押し上げるためのブー
スターポンプ28を設置した。
【0040】図は図で説明した第の実施の形態に
おける除染液位制御法について説明した除染系統フロー
を示している。原子炉再循環配管aに取付けたフランジ
タイプの一方の除染座dにホース挿入ガイド13を取付
け、除染用挿入ホース15を挿入ガイド13に沿って再循環
配管a内へ挿入し、垂直配管内の任意範囲まで除染用挿
入ホース15を立ち上げる。
【0041】その後、除染用挿入ホース15,ブースター
ポンプ28,電磁弁32,MO弁31,化学除染装置の薬液注
入装置1,紫外線照射装置4,除染液容量調整タンク
5,循環ポンプ装置2,電気ヒータ装置3,第1の流量
調整弁34,仮設ホース11,MO弁31,電磁弁32を順次接
続し、最後に他方の除染座dに接続して循環系統を構成
する。再循環ポンプ出入口ドレンラインgの小口径ライ
ンへも除染液が流れるようなライン構成としている。
【0042】つぎに具体的に化学除染システム構成、除
染液位制御法を説明する。薬液注入装置1から除染系統
内へ純水を張り込み、紫外線照射装置4,不溶解クラッ
ド捕集用のカートリッジフィルタ29,イオン交換樹脂塔
7をバイパスさせたバルブ構成によりブースターポンプ
28および循環ポンプ装置2を起動させる。この際に、除
染液容量調整タンク5にはバイパスしないで運転するも
のとし、原子炉再循環系配管内aの除染液位と除染液容
量調整タンク5内の液位は、ブースターポンプ28と循環
ポンプ装置2の流量調整によりバランスさせる。
【0043】バランスは循環ポンプ装置2の出口側に設
けた第1の流量調整弁34の開度調整により実施する。除
染系統の主循環流量バランスが安定したならば、電気ヒ
ータ装置3を起動、所定の液温まで昇温し、薬液注入装
置1から除染系統内へ化学薬品を注入開始することで化
学除染の開始となる。
【0044】化学除染中は、化学除染法の工程にしたが
い、循環ポンプ装置2の起動によるイオン交換樹脂塔7
内のイオン交換樹脂のインサービを行うなど、除染系
統の各操作バルブを動かすことになり、流量バランスが
崩れ原子炉再循環配管a内の除染液位の上昇、余熱除去
系配管bの分岐ラインへ除染液が流出するおそれがあ
る。
【0045】そこで、除染液位レベルは、水位計30によ
り液位監視を行いながら第1および第2の流量調節弁3
4,35を操作し液位制御を行う。この液位制御によって
も除染液の流出が防止できなかった場合には、水位計30
と連動した機能を有するMO弁31が任意の設定値で閉
じ、除染液の流入を止めることができる。
【0046】さらに、安全対策として、ブースターポン
プ28,再循環ポンプ装置2等への電源供給が遮断または
停止し、除染液が配置的に低い再循環配管側へ流入した
場合を考慮して、電源喪失時に閉じる機能を有する電磁
弁32を除染系統循環ライン中の低位置に設置する。
【0047】最後に除染終了後は、再循環ポンプ出入口
ドレンラインgを主ラインとして、水抜きポンプ33によ
り除染系統水を抜き取り、カートリッジフィルタ29によ
り不溶解物を取除いた後に、建屋内排水系の既設ドレン
ファンネルqへ放出する。
【0048】本実施の形態によれば、化学除染装置26内
の除染液位が除染範囲内の除染液位より高い位置にあ
り、それぞれ大気開放でエレベーションが相違する場合
においても、他系統への除染液流出を確実に防止し、除
染液の循環処理を適正に行うことができる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、つぎに述べる効果があ
る。 (1) 除染前に大口径配管等の既設設備へ切断加工等の改
造を加えていなければ実施不可能であった原子力発電所
内設備の化学除染が、最小限の改造のみで実施可能にな
り、大幅な作業負荷軽減を達成できる。 (2) 除染準備作業時における工事従事者の被曝量低減、
設備全体改造工期の短縮が得られる上に、経済的なメリ
ットを図ることができる。
【0050】(3) 化学除染液を除染対象範囲内のみに隔
離することができ、除染対象ではない他系統への除染液
の流出を確実で安全に防止し、良好な除染工事結果を得
ることができる。 (4) 除染液の循環が不可能であった除染部位に対しての
良好な除染効果を得られることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第の実施の形態においてR
HR系弁に玉形弁を使用し、この玉形弁に取合金具を取
付けた状態を示す縦断面図、(b)は(a)と同じく逆
止弁に取合金具を取付けた状態を示す縦断面図、(c)
は(b)を90°方向から見た縦断面図。
【図2】(a)は本発明の第の実施の形態において、
弁箱に除染用挿入ホース機構付弁取合治具を取付けた状
態を示す縦断面図、(b)は(a)を90°方向から見た
縦断面図。
【図3】(a)は本発明の第の実施の形態において、
弁箱に除染用噴射ノズル機構付弁取合治具を取付けた状
態を示す縦断面図、(b)は(a)を90°方向から見た
縦断面図。
【図4】本発明の第の実施の形態において弁箱に中
空体閉止プラグを装着した状態を一部側面で示す縦断面
図。
【図5】本発明の第の実施の形態において中空体閉止
プラグを使用する除染方法を説明するための配管系統
図。
【図6】本発明の第の実施の形態における化学除染装
置のレイアウト構成図。
【図7】図における化学除染システムを説明するため
の装置および配管系統図。
【図8】(a)は従来の原子炉発電所内設備の化学除染
方法を説明するための装置および配管系統図、(b)は
(a)においてライザー計装配管に取合閉止板を溶接し
た状態を示す縦断面図。
【符号の説明】
1…薬液注入装置、2…循環ポンプ装置、3…電気ヒー
タ装置、4…紫外線照射装置、5…除染液容量調整タン
ク、6…局所排風装置、7…イオン交換樹脂塔8…補助
ポンプ、9…既設配管切断部、10…取合用閉止板、11…
仮設ホース、12…仮設フランジ、13…挿入ガイド、14…
スプレイノズル、15…除染用挿入ホース、15a…ステン
レス鋼製ワイヤ、16…ジェット噴射ノズル、17…除染対
象内、18…玉形弁用取合治具、19…逆止弁用取合治具、
19a…取合治具蓋、20…閉止板、21…締め付け金具、22
…取合ノズル、23…水抜きおよびベント用ノズル、24…
閉止プラグ(エアタイトプラグ)、25…L字状パイプ、
25a…フランジ、25b…ベント管、25c…圧縮空気吸排
気口、26…化学除染装置、27…除染範囲、28…ブースタ
ーポンプ、29…カートリッジフィルタ、30…水位計、31
…MO弁、32…電磁弁、33…水抜きポンプ、34…第1の
流量調整弁、35…第2の流量調整弁、36…オペレーショ
ンフロア、a…原子炉再循環配管、b…余熱除去系配
管、c…原子炉再循環ポンプ、d…除染座、e…原子炉
再循環配管ドレンライン、f…再循環ポンプ出入口ベン
トライン、g…再循環ポンプ出入口ドレンライン、h…
再循環配管ヘッダー、i…外部ライザー管、j…ライザ
ー計装配管、k…余熱除去系熱交換器、l…第1の弁、
m…第2の弁、n…原子炉圧力容器、o…再循環配管入
口ノズル、p…ジェットポンプ立ち上り管開口部、q…
既設ドレンファンネル、r…原子炉格納容器、s…玉形
弁、t…逆止弁、u…弁箱、v…除染液水面、w…仕切
板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 仁志 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (72)発明者 稲見 一郎 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (56)参考文献 特開 平9−127294(JP,A) 特開 昭58−44395(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21F 9/28

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子力発電所内設備の除染対象物に化学
    除染装置からの除染液を循環させて前記除染対象物を除
    染する除染液の循環ループを備えた原子力発電所内設備
    の化学除染方法において、前記除染対象物近傍に設けら
    れた複数の弁の弁体を取り外し、弁内の除染しない側の
    流路を除染する流路側から閉止板で閉止し、この閉止板
    を締め付け金具でシールし、除染対象物に除染液を循環
    させることを特徴とする原子力発電所内設備の化学除染
    方法。
  2. 【請求項2】 前記弁の弁蓋を開放するとともに前記弁
    弁体を取外し、前記弁の弁箱形状に合わせた系統隔離
    機構とホース挿入ガイド機構を持ち合わせた取合治具を
    用いて、除染用挿入ホースを前記除染対象物内に挿入す
    ることを特徴とする請求項記載の原子力発電所内設備
    の化学除染方法。
  3. 【請求項3】 前記ホース挿入ガイド機構の代りに噴射
    ノズル機構を用いることを特徴とする請求項記載の原
    子力発電所内設備の化学除染方法。
  4. 【請求項4】 前記除染用挿入ホースに閉止プラグを取
    付け、前記除染対象物の除染範囲を限定することを特徴
    とする請求項記載の原子力発電所内設備の化学除染方
    法。
  5. 【請求項5】 前記除染対象物の除染範囲内の除染液位
    が前記化学除染装置内の除染液位より低位置で、かつ互
    いが開放された系統を構成し、前記除染液の循環と液位
    監視制御機能を設けて、前記除染対象物の除染範囲のみ
    を限定し前記除染液を循環させることを特徴とする請求
    1記載の原子力発電所内設備の化学除染方法。
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