JP2001264490A - 弁の除染方法及び除染装置 - Google Patents

弁の除染方法及び除染装置

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JP2001264490A
JP2001264490A JP2000077768A JP2000077768A JP2001264490A JP 2001264490 A JP2001264490 A JP 2001264490A JP 2000077768 A JP2000077768 A JP 2000077768A JP 2000077768 A JP2000077768 A JP 2000077768A JP 2001264490 A JP2001264490 A JP 2001264490A
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chemical
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JP2000077768A
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Kazumi Anazawa
和美 穴沢
Makoto Nagase
誠 長瀬
Yoshinori Chiba
吉紀 千葉
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Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、放射性核種によって汚染され
た弁の点検作業または修理作業において、除染費用を合
理的に抑制しつつ、弁の点検作業または修理作業に従事
する作業員の被曝を確実に低減することにある。 【解決手段】除染範囲を、除染対象弁に加えて、それに
接続された配管部品のうち弁端部から配管内径に20cm
を加えた距離以上の領域にまで広げて、除染を実施す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば原子力発電
プラントの一次冷却系等の弁の点検・修理時の被曝低減
対策用の除染方法および除染装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、原子力発電所内に設置されてい
る原子炉再循環系設備のうち、再循環ポンプの前後に設
置されている止め弁等は、定期的に検査を実施すること
が法規で義務付けられている。これらの弁は放射性核種
に汚染されているため、点検・修理作業を行う場合に
は、作業員の被ばくの問題を考慮する必要がある。
【0003】被曝低減策としては、一般的に距離確保,
時間短縮,遮蔽設置が有効な手段となる。しかし、弁の
点検作業等においては、作業の内容上、距離,時間,遮
蔽のいずれの条件も改善することが難しい。このため本
作業において被曝低減を実現しようとする場合には、線
源そのものの除去が必要となる。
【0004】これに対し、放射性核種に汚染された設備
から放射性核種を取り除く技術としては、化学除染ある
いは機械除染等に代表される除染技術が有効である。
【0005】化学除染方法としては、一般的に循環ポン
プ,イオン交換樹脂塔,ヒータ,薬剤注入装置,薬剤分
解装置、これらを連結する配管・ホース類からなる除染
装置一式を用意し、これに容器を加え、弁体のみを取り
外して当該容器に移し替え、弁体のみを除染するタンク
浸漬方法が考えられている。
【0006】あるいは、前記除染装置を、除染対象とな
る機器・配管設備を含む除染範囲の中の適当な接続口に
接続して閉ループを構成し、インライン循環方式で除染
を行う方法が考えられている。
【0007】一方、機械除染方法としては、弁体のみを
取り外して別途用意した容器に移し替え、ジェット洗浄
により弁体のみを除染する除染方法が考えられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】タンク浸漬方法による
化学除染を弁の点検・修理作業に適用する場合、除染前
の放射線線量当量率の高い作業環境の中で弁を分解し、
表面汚染レベルの高い弁体を気中に引き抜き、タンクに
移し替える作業が必要になる。この間の被曝量も無視で
きない量になる。
【0009】さらに、弁ケーシング側に対しては被曝低
減対策がとられないことから、弁ケーシング側の点検作
業および弁点検後の弁体組み込み作業については被曝低
減効果が得られない、又は効果が小さくなるという課題
がある。
【0010】一方、インライン循環方法による化学除染
を弁の点検・修理作業に適用する場合、多くの場合に適
当な接続口が近隣に無く、除染範囲が広がるという問題
が生じる。除染範囲の拡大は除染液量の増大につなが
り、経済性および工程上の要求から除染液の量を最小限
にしたいという方向と相反するという課題がある。
【0011】また、上記のいずれの化学除染方法におい
ても、用意すべき除染装置が大掛かりになることから、
配置上の問題、据付/撤去工数増大の問題等に対処する
必要が生じる。
【0012】一方、ジェット洗浄等に代表される既存の
機械除染技術では、前述の化学除染に比較して金属表面
に形成される酸化皮膜を除去する能力が小さいため除染
効果が低く、被曝低減対策として十分な成果があげられ
ない現状にある。
【0013】本発明の目的は、放射性核種によって汚染
された弁の点検作業または修理作業において、除染費用
を合理的に抑制しつつ、弁の点検作業または修理作業に
従事する作業員の被曝を確実に低減できる弁の除染方法
及び除染装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、除染範囲を、除染対象弁に加えて、そ
れに接続された配管部品のうち弁端部から配管内径に2
0cmを加えた距離以上の領域にまで広げて実施する。即
ち、除染範囲を、除染対象弁に接続された配管部品のう
ち弁端部からの距離Lが、L≧(配管内径+20cm)の
条件を満たす領域にまで広げる。
【0015】これにより、弁に接続された配管に付着し
た線源も除去され、そこからの散乱放射線による影響も
低減される。後述する解析的評価によれば、上記の範囲
を除染対象とすることにより、弁点検作業等で作業者が
接近せざるを得ない弁ボディ内部の線量当量率への寄与
が90%を超える範囲が除染されることになる。
【0016】好ましくは、除染範囲を、除染対象弁に接
続された配管部品のうちの弁端部から配管内径に150
cmを加えた距離を超えない範囲に限定する。即ち、除染
範囲を、弁端部からの距離Lが(配管内径+20cm)≦
L≦(配管内径+150cm)の条件を満たす領域に限定
する。この場合、解析的評価によれば、それ以外の領域
の線源が弁ボディ内部の線量当量率に及ぼす寄与率は2
%未満になる。その影響は実務的に無視できるレベルで
あり、合理的に必要最小限の除染を行うことが可能にな
る。
【0017】このように、必要最小限に限定した範囲の
除染で確実に被曝低減を図ることが可能になれば、除染
の規模と正の相関がある除染装置の規模,除染期間,除
染装置の据付・撤去作業工数,除染運転作業工数,消耗
品類の物量,化学除染においてはこれらに加えて除染剤
の物量等のコスト増大因子を抑制することが可能とな
り、除染費用を合理的に抑制することが可能になる。
【0018】上記の除染を化学除染で実施する場合に
は、以下のような手段をとる。除染対象弁の前後の配管
部品のうち、上述の範囲の位置に適当な接続口がない場
合には、除染対象弁のボンネット部を取り合い位置とし
て、上述した位置に配管系内部止水装置を設置し、対象
範囲を限定することで必要最小の規模での除染を実施す
る。
【0019】なお、除染対象弁の前後の配管部品のうち
の上述の範囲の位置に適当な接続口がある場合には、そ
のまま本設備を使って必要最小規模の除染ループを構成
し化学除染を実施する。
【0020】一方、機械除染で実施する場合には、高圧
ジェット流を水中で噴出してキャビテーション気泡を形
成し、除染対象表面に3×104〜7×104J/cm2
範囲の投入エネルギーになるように衝突させる。これに
より、気泡崩壊による水撃圧力で除染対象表面に付着し
たクラッドのみならず強固に付着した酸化皮膜をも機械
的に除染する。これをノズル駆動機構によって前述の範
囲全面にスキャンさせる。
【0021】以上に述べた方法により目的とする範囲を
除染することで、効果が確実でかつ合理的な弁の除染を
行うことが可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(実施例1)本発明の第1実施例を図1により説明す
る。図1は除染対象となる弁とそれに接続されている配
管部位に化学除染を適用する場合の系統構成の1例を示
している。除染対象となる範囲は、弁ボディ1とボンネ
ット2の内面、弁体3及び弁の前後に設けられた一対の
プラグ5で仕切られた配管4の弁側内面となる。
【0023】なお、プラグ5にはシール用に風船状シー
ル材5aが取り付けられているが、万一風船状シール材
5aによるシールが不完全であった場合を想定して、風
船状シール材を二重化するとともに、ドレンポンプ25
によって風船状シール材5a,5b間にたまったリーク
水を吸い出す構造を設けておくことが望ましい。
【0024】また、除染対象弁の前後の配管ルートの関
係からプラグ5が不要な場合、プラグ5を削除しても良
い。具体的にプラグ5が不要な場合としては、除染対象
弁に隣接して弁がある場合、除染対象弁に隣接して配管
が立ち上がっている場合などがある。
【0025】化学除染による弁の除染方法の手順を図2
に示す。前記除染対象弁を除染するためには、まず除染
対象弁前後の弁を操作して水位を弁のフランジ1aより
も低い位置に下げる。なお、これ以降の作業の作業性の
観点から水の残存が障害になると判断される場合には、
一旦水抜きした上でこれ以降の作業を始めても良い。次
に弁のフランジ1aをはずして、弁体3をボンネット2
ごと引き上げ、配管4内部にプラグ5を挿入するととも
に、スペーサ7を弁ボディ1のフランジ1a上に設置す
る。
【0026】プラグ5の挿入位置は、弁に近すぎると除
去しなかった配管部からの影響で弁内部の線量率が下が
らず被曝低減上効果が小さくなるが、領域を広げすぎる
と除染領域が増大し、除染設備の大型化や除染時間の増
大を招く。
【0027】そこで最適な除染範囲を選ぶために、配管
口径ごとに、除染しない配管部に付着した線源からの放
射線が弁内部の線量率に寄与する割合が10%以下とな
る位置を解析的に求めた結果を図3に示す。図3から得
られる関係より、除染対象配管長さL(弁端部からの距
離とする)を、配管内径に少なくとも20cmを加えた距
離以上の長さに設定すれば有効な除染が実施できること
になる。すなわち、プラグ5の弁側の端部位置を弁端部
から配管内径に少なくとも20cmを加えた距離以上の位
置に設置すればよい。なお、ここで言う弁端部とは弁と
配管の溶接部、又はフランジ接続時にはフランジ部のこ
とである。
【0028】なお、同様の解析手法に基づき、弁内部の
線量率に寄与する割合が2%未満になる位置を求める
と、その位置は配管口径に依存し、弁端部から配管内径
に少なくとも60〜150cmを加えた位置になる。つま
り、弁端部から配管内径に少なくとも150cmを加えた
距離を超える領域については、除染を実施するメリット
がほぼ無いと考えてよい。
【0029】以上の考え方に従って、プラグ5の設置位
置を決定する。
【0030】続いてプラグ5に付いている風船状シール
材5aに流体加圧,減圧装置6から空気又は水を供給し
て膨らませ除染領域を仕切る。引き上げておいた弁体3
とボンネット2をスペーサ7の上部に戻してフランジを
閉めて除染剤を除染剤供給ライン15から循環ポンプ9
を用いて注入し、除染剤出口ライン16を経由して循環
させ、化学除染を行う。
【0031】化学除染の薬剤としては、例えばシュウ酸
を0.2 %で90℃で用いることができる。この場合、
溶解した放射性核種や金属イオンを捕集するためにバイ
パスライン弁17を閉じ、弁18,弁19を開いてカチ
オン交換樹脂塔11に通水し、ヒーター13で温度を制
御して弁22,サージタンク8を介して、循環ポンプ9
により循環除染する。除染対象部位に供給する除染剤は
スペーサ7より上方に向いたノズルよりボンネット2に
向けて噴出するようにする。これにより気泡が溜まりや
すいボンネット2の内面に除染剤が供給され除染効果を
高めることができる。
【0032】また、除染剤の抜き出しをプラグ5に近い
部位から行うことにより、弁内部及び配管部の流動が確
保されるので除染効果を高めることができる。弁周辺の
線量当量率が低下したら、弁23,弁24を開け、弁2
2を閉めて除染剤分解装置14によりシュウ酸を分解す
る。除染剤分解装置には紫外線照射装置や触媒充填塔な
どを用いることができる。この際、過酸化水素を供給す
ることにより分解を促進することができる。
【0033】除染剤が分解したら、クーラー10を用い
て除染剤の温度を下げ、弁20,弁21を開いて弁1
8,弁19を閉じて混床イオン交換樹脂塔12に通水
し、ヒーター13を止め、弁22を開いて除染剤分解装
置14をバイパスする。これにより除染対象部位には純
水が供給され、純水で除染対象部位を洗浄する。純粋洗
浄終了後、水抜きを行ってフランジをはずして弁体3を
取り出し、スペーサ7とプラグ5を撤去することにより
作業は終了となる。
【0034】本実施例によれば、除染対象弁に加えて、
弁に接続された配管のうち必要十分な範囲についても同
時に除染することが可能になり、そこからの散乱放射線
による影響も低減され、効果が確実でかつ合理的な弁の
除染を行うことが可能になる。 (実施例1の変形例)本実施例の変形例として、除染対
象弁の前後に接続口があり、かつ経済性が成立する範囲
で除染範囲を設定できるようなケース、例えば同一ライ
ン内の隣接する機器,配管の除染工事に合わせて同時に
実施できるような場合には、除染剤供給ライン15と除
染剤戻りライン16を除染対象弁前後の接続口に接続す
るとともに、当該除染対象弁を中間開度にすることで循
環ラインを構成することができる。その場合には、図2
の薬液注入ステップから除染を開始することで、当該除
染対象弁を開放することなく、同様の効果を達成するこ
とが可能になり、準備作業時の作業員の被曝をさらに低
減することが可能になる。 (実施例2)本発明の第2実施例を図4により説明す
る。図4は、除染対象を、除染対象弁の弁ボディ1及び
それに接続されている配管部位と、ボンネット2及び弁
体3等の取り外し可能な部品とに分割して、それぞれに
水中超高圧ウォータージェットキャビテーションを用い
た機械除染を適用する場合の系統構成の1例を示してい
る。除染対象となる範囲は、1つは弁ボディ1と前記弁
ボディ1に接続された配管4の弁側内面、もう1つはボ
ンネット2の内面及び弁体3となる。
【0035】なお、本実施例で採用する水中超高圧ウォ
ータージェットキャビテーションによる除染法の場合に
は、除染対象外の部位には水封水しか及ばないことか
ら、特に配管側を仕切る必要はない。
【0036】ただし、別の理由により水封範囲を限定し
て実施したい場合には、除染対象弁前後の配管部品内部
に、実施例1で使用したプラグ5等を設置して実施して
も良い。
【0037】水中超高圧ウォータージェットキャビテー
ションを利用した機械除染による弁の除染方法の手順を
図5に示す。除染対象弁を除染するためには、まず除染
対象弁前後の弁を操作して水位を弁のフランジ1aより
も低い位置に下げる。なお、これ以降の作業の作業性の
観点から水の残存が障害になると判断される場合には、
一旦水抜きした上でこれ以降の作業を始めても良い。
【0038】次に弁のフランジをはずして、弁体3をボ
ンネット2ごと引き上げ、仮設タンク26に移設する。
弁ボディ1側にはノズル27a,27b、ノズルを駆動
する回転軸28a,回転腕28bが付いた仮設フランジ
29を設置し、弁内部に水張りしてノズル27が冠水し
た後、超高圧ポンプ30を起動して純水供給ライン31
からの水を加圧し、超高圧水供給ライン32aを介して
超高圧水をノズル27a,27bに導き除染対象表面に
噴射することで、機械除染を行う。
【0039】除染時の高圧水の圧力は例えば2500気
圧とすることで酸化皮膜を除去できることが試験の結果
明らかとなっている。なお、この効果は水中超高圧ウォ
ータージェットキャビテーションを除染対象表面に3×
104〜7×104J/cm2 の範囲の投入エネルギーにな
るよう衝突させることにより得られる。ここで、投入エ
ネルギーが3×104J/cm2より小さい場合には酸化皮
膜を十分に除去することができなくなり、逆に7×10
4J/cm2を超えると材料の壊食が顕著となり材料健全性
の観点から好ましくない。
【0040】ノズル27は回転軸28aに直角に取り付
けられた回転腕28bの先端に2個対象に設置され、ジ
ェットの反力を利用して回転軸を中心に自転するように
なっている。この回転腕28bを外部電源33からの動
力によって回転軸28aに沿って昇降させることによ
り、弁ボディ1の内部を隅々まで除染することができ
る。これによって、除染対象配管長さL内をくまなく除
染する。
【0041】ジェットによって剥離した放射性核種を含
む酸化皮膜は、仮設フランジ29に設置された放射能回
収ライン34aを通してフィルタ35で捕集する。フィ
ルタ通過水は排水ライン36を通して捨てる。機械除染
が終了したら、水抜きを行って仮設フランジ29をはず
すことにより作業は終了となる。
【0042】一方移設した弁体3とボンネット2は仮設
タンク26にフランジ止めし、中の空気を空気抜きライ
ン37からエア抜きポンプ38を用いて抜く。その後、
水を張って超高圧ポンプ30を起動して超高圧水供給ラ
イン32bから超高圧水をノズル27に導き、機械除染
を行う。
【0043】機械除染中は、ノズル移動機構39a,3
9bを用いてノズル27をガイドレール40上で移動さ
せ、弁体3の周りに回転させるとともに、ノズル27の
向きを変えることによって噴射ジェットの向きをボンネ
ット2から弁体3の下部までスキャンするように変えて
いく。これによりボンネット2と弁体3の除染が可能と
なる。
【0044】除染中に発生したジェットによって剥離し
た放射性核種を含む酸化皮膜は、仮設タンク26に接続
された放射能回収ライン34bを通してフィルタ35で
捕集する。フィルタ通過水は排水ライン36を通して捨
てる。除染後は、水を抜き、フランジをはずしてボンネ
ット2と弁体3を取り出すことで除染作業は終了する。
【0045】尚、弁ボディ1及び配管側の除染におい
て、配管4の内面が十分に除染できない場合には、図6
に示すように自在継手等の部品を用いて回転軸28aに
関節28cを設け、回転軸28aの先端部を配管内部に
挿入できるようにし、配管内でノズル27が周方向に回
転できるようにすることで、除染対象配管長さL内をく
まなく除染する。これによって配管4内面の除染効果も
大きくすることができる。
【0046】本実施例によれば、除染対象弁に加えて、
弁に接続された配管のうち必要十分な範囲についても同
時に除染することが可能になり、そこからの散乱放射線
による影響も低減され、効果が確実でかつ合理的な弁の
除染を行うことが可能になる。 (実施例2の変形例:その1)図7に示すように、実施
例2において、ノズルを駆動する回転軸28a,回転腕
28bを仮設フランジ29に接続する際、ボールジョイ
ント41等を用いて自在性を持たせることにより、人力
によってノズル27を動かすこともできる。
【0047】その場合には、ノズル27a,27b先端
に噴射距離確保用スペーサ42a,42bを取り付け、
発生させた水中超高圧ウォータージェットキャビテーシ
ョンが除染対象表面に与える投入エネルギーが3×10
4〜7×104J/cm2の範囲に収まるように調整する。 (実施例2の変形例:その2)実施例2においては、ボ
ンネット2と弁体3を除染対象物として仮設タンク26
に移設して機械除染を実施することを記載しているが、
仮設タンク26に入れられる大きさのものであれば、弁
体3に限定する必要はない。すなわち、図8に示すよう
に除染対象物43を仮設タンク26内部に設置してある
支持台44に固定し、ノズル27をX−Y−Zロボット
45により移動させながら超高圧ポンプ30及び超高圧
水供給ライン32によって水中超高圧ウォータージェッ
トキャビテーションを発生させて除染することができ
る。
【0048】除染中に発生したジェットによって剥離し
た放射性核種を含む酸化皮膜は、仮設タンク26に接続
された放射能回収ライン34a及び浄化ポンプ46を通
してフィルタ35で捕集する。フィルタ通過水は排水弁
47及び排水ライン36を通して捨てる。この際、遮蔽
付フィルタ35で浄化された浄化水を超高圧ポンプ30
上流の純水供給ライン31に戻す循環構成とすることも
できる。循環させることにより給排水の量を大幅に削減
することができる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、弁の点検・修理時の作
業者の受ける被曝線量を低減することが可能となる。ま
た、除染対象範囲を限定するため、除染コストを低減で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】弁の化学除染を実施する場合の系統構成を示す
図である。
【図2】弁の化学除染手順の一例を示す図である。
【図3】配管内径と除染対象配管長さ(弁端部からの距
離)との関係を示す図である。
【図4】弁を分割して機械除染を実施する場合の系統構
成を示す図である。
【図5】弁を分割して機械除染を実施する場合の機械除
染手順の一例を示す図である。
【図6】弁を分割して機械除染を実施する場合におけ
る、配管深部を除染するためのノズル駆動部構成を示す
図である。
【図7】弁を分割して機械除染を実施する場合におけ
る、手動でノズルを操作するためのノズル駆動部構成を
示す図である。
【図8】除染対象物を仮設タンク内に移動し、機械除染
を実施する場合の系統構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…弁ボディ、1a…フランジ、2…ボンネット、3…
弁体、4…配管、5…プラグ、5a…風船上シール材、
6…流体加圧,減圧装置、7…スペーサ、8…サージタ
ンク、9…循環ポンプ、10…クーラー、11…カチオ
ン交換樹脂塔、12…混床イオン交換樹脂塔、13…ヒ
ーター、14…除染剤分解装置、15…除染剤供給ライ
ン、16…除染剤戻りライン、17,18,19,2
0,21,22,23,24…弁、25…漏洩液回収ポ
ンプ、26…仮設タンク、27,27a,27b…ノズ
ル、28…ノズル駆動機構、28a…回転軸、28b…
回転腕、28c…関節、29…仮設フランジ、30…超
高圧ポンプ、31…純水供給ライン、32,32a,3
2b…超高圧水供給ライン、33…外部電源、34,3
4a,34b…放射能回収ライン、35…遮蔽付フィル
タ、36…排水ライン、37…空気抜きライン、38…
エア抜きポンプ、39a,39b…ノズル移動機構、4
0…ガイドレール、41…ボールジョイント、42a,
42b…噴射距離確保用スペーサ、43…除染対象物、
44…支持台、45…X−Y−Zロボット、46…浄化
ポンプ、47…排水弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長瀬 誠 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 千葉 吉紀 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射性核種に汚染された弁を除染する方法
    であって、除染範囲を、除染対象弁と、該除染対象弁に
    接続された配管部品のうち弁端部からの距離LがL≧
    (配管内径+20cm)の条件を満たす領域にまで広げ
    て、除染を実施することを特徴とする弁の除染方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記除染対象弁に接続
    された配管部品の除染範囲を、弁端部からの距離Lが
    (配管内径+20cm)≦L≦(配管内径+150cm)の
    条件を満たす領域に限定したことを特徴とする弁の除染
    方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、前記除染対象弁
    の弁箱とボンネットを接続するフランジ間に設けた仮設
    スペーサを介して、配管系内部の止水装置および化学除
    染薬剤用のノズルを前記除染対象弁の内部に挿入し、当
    該止水装置を前記条件を満たす距離Lの位置に設置し、
    当該止水装置の設置位置までの範囲の配管系内部に、前
    記ノズルから薬剤を注入あるいは通水することによって
    化学除染を行うことを特徴とする弁の除染方法。
  4. 【請求項4】請求項1又は2において、前記除染対象弁
    を中間開度にし、その前後の配管系に設けた接続口を介
    して配管系内部に薬剤を注入あるいは通水することによ
    って化学除染を行うことを特徴とする弁の除染方法。
  5. 【請求項5】請求項1又は2において、前記除染対象弁
    の取り外し可能な部品を除染用容器に移しかえ、当該容
    器内で高圧ジェット流を水中で噴出してキャビテーショ
    ン気泡を形成し、除染対象表面に3×104〜7×104
    J/cm2 の範囲の投入エネルギーになるように衝突させ
    ることにより、気泡崩壊による水撃圧力で機械式に除染
    することを特徴とする弁の除染方法。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の除染方法に使用される除
    染装置であって、 前記除染対象物を収納する容器,超高圧ポンプ,高圧ジ
    ェットキャビテーション発生用ノズル,ノズル駆動機
    構,放射能捕捉装置、及びこれらを接続する配管を備え
    ることを特徴とする弁の除染装置。
  7. 【請求項7】請求項3に記載の除染方法に使用される装
    置であって、2連式風船状シール材,当該風船状シール
    材に気体あるいは液体を給排水する連絡管、前記2連式
    風船状シール材間から漏洩液を排出するためのドレン
    管、当該連絡管およびドレン管を配管系開口部から当該
    配管系内部に挿入するための仮設スペーサを備えること
    を特徴とする弁除染用配管系内部止水装置。
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