JP3169953B2 - 音源装置 - Google Patents

音源装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 この発明は、複数の発音チャンネルを備え、入力され
た演奏情報を空いている発音系統に割り当てて発音する
ことのできる音源装置に関する。
(b)従来の技術 現在の電子楽器等においては、複数の楽音を同時に発
生するため複数の発音系統を備えたものが実用化されて
いる。この複数の発音系統にどの演奏情報を割り当てる
かの制御については従来より種々の方式が実用化されて
いる。従来より一般的な方式は、1つのキーまたは1台
の楽器(演奏装置)に1個の発音系統を割り当て、その
キーまたは演奏装置から演奏情報が出力されたときその
発音系統が楽音を形成するという方式である。ここで、
演奏装置とは、MIDIケーブル等を介して演奏情報を送信
するコントローラであり、キーボード型のほか、管楽器
型や弦楽器型のものが実用化されている。
(c)発明が解決しようとする課題 しかし、この方式では一つのキーまたは演奏装置に対
して1または複数の発音系統を固定的に割り当てておか
なければならないため、多くの楽器を同時に演奏しよう
とすれば極めて多くの発音系統が必要となる。しかし、
その中にはまれにしか使用されない発音系統もあり、発
音系統が多く必要とすることに比して各発音系統の稼働
効率が低いという欠点があった。
一方、全てのキーまたは演奏装置が全ての発音系統の
うち空いているものに対して演奏情報を出力して楽音を
発音できるようにしているものもある。しかし、この方
式では発音系統に空きがないために重要な発音されなか
ったり、重要な楽音が強制的に消音されてしまうという
不都合があった。
この発明では、グループ別に発音系統を割り当てられ
るようにしたことにより、多くない発音系統で多くのチ
ャンネルから入力される演奏情報を効率的に処理できる
音源装置を提供することを目的とする。
(d)課題を解決するための手段 この発明は、複数の発音系統(20〜23)と、 複数の外部演奏情報入力チャンネルを複数のチャンネル
グループに任意にグループ化するグループ化手段(15、
n15)と、 前記複数のチャンネルグループを前記複数の発音系統に
対応づけるアサイン手段(15、n6)と、 前記外部演奏情報入力チャンネルのチャンネル情報を
含む演奏情報を外部から取り込む取込手段(14)と、 この取込手段で取込まれた演奏情報に含まれるチャン
ネル情報に基づき、該チャンネル情報により示される外
部演奏情報入力チャンネルが属するチャンネルグループ
に対応づけられた発音系統で、前記取込手段で取込まれ
た演奏情報に応じた楽音を発音する発音系統指定手段
(10、n30〜n35)と、 を設けたことを特徴とする。
(e)作用 この発明の音源装置では、複数の外部演奏情報入力チ
ャンネル例えばMIDIチャンネルと複数の発音系統とを対
応づけてグループ化する。このグループ化は、例えばMI
DIチャンネルの1チャンネル〜5チャンネルに対して8
個の発音系統を割り当て、6チャンネル〜10チャンネル
に対して8個の発音系統を割り当てる等の方式で行われ
る。なお、MIDIチャンネルからは楽音のキーオンやキー
オフのイベント情報が入力されるため、1個のMIDIチャ
ンネルから入力される演奏情報で同時発音できる楽音数
は1に限らない。このようにグループ化されたMIDIチャ
ンネルから演奏情報が入力されたとき、そのMIDIチャン
ネルのグループに属する発音系統にこの演奏情報を送っ
て楽音の発音を行わせる。空いている発音系統がない場
合には、このグループに属する発音系統の一つを強制的
に消音させることもできるが、同じ種類の楽音をグルー
プ化しておくことにより、新たに発音する音で強制的に
消音された音をカバーすることができる。すなわち、こ
のようにすることにより各グループの発音系統が他のグ
ループのMIDIチャンネルの演奏情報に占有されてしまう
ことがなくなる。メロディーのMIDIチャンネル,リズム
音のMIDIチャンネル,伴奏音のMIDIチャンネルなど同じ
種類の楽音のチャンネル毎にグループ化することによっ
て、全ての種類の楽音が必ず発音されることになる。さ
らに、固定的にMIDIチャンネルと発音系統とを対応させ
た場合のように発音系統が極めて多数必要となったり、
発音系統が不足したりすることがなくなり、また、その
稼働効率が低下することもない。
(f)実施例 第1図はこの発明の実施例である音源装置の構成を示
すブロック図である。この音源装置はMIDIインタフェー
ス14を介して入力される演奏情報に基づいて楽音波形を
形成して出力する装置であり、自動演奏装置やキーボー
ド,管楽器型コントローラ等の演奏装置が接続され、形
成された楽音波形はインタフェース18を介してサウンド
システム(アンプ,スピーカ)等に出力される。この音
源装置はCPU10によって制御され、CPU10はバス11を介し
て各部と接続されている。バス11上にはROM12,RAM13,MI
DIインタフェース14,操作パネル15,音源回路16が接続さ
れている。ROM12にはこの装置の動作に必要な制御プロ
グラム等が記憶されており、RAM13にはMIDIインタフェ
ース14を介して入力される演奏情報や操作パネル15によ
って設定されたパラメータ等が記憶され、操作モードを
記憶するモードレジスタMODE,発音系統のグルーピング
を記憶するアサインモードレジスタAMおよびMIDIチャン
ネルのグルーピングを記憶するチャンネルグルーピング
テーブルが設定されている。MIDIインタフェース14はMI
DIコネクタを備えており、複数トラックを有する自動演
奏装置や複数の演奏装置等を接続することができる。操
作パネル15にはスイッチ群や表示器が設けられている。
スイッチ群には、+/−キー,モードキー,チャンネル
セレクトキーが含まれ、操作モードやMIDIの選択時に操
作される。また、音源16が形成する楽音の波形を決定す
るためのパラメータ等を設定するスイッチも設けられて
いる。また、表示器には第3図に示すような表示がなさ
れる。音源回路16は第2図にその回路図を示すような波
形メモリ方式の音源回路であり、波形メモリ17に記憶さ
れている波形データを所定のタイミングで読み出してい
くことによって指定された音高の楽音を形成する。した
がって、音源回路16は波形メモリ17を接続しており、形
成された楽音信号を出力するためのインタフェース18が
接続されている。インタフェース18は上述したサウンド
システム等の装置に接続されている。
第2図は前記音源回路16主要部のブロック図である。
この音源回路には4個の音源チップ(LSI)20〜23が設
けられており、それぞれの音源チップが波形メモリ17を
アクセスして波形データを読み出し、各々8音の楽音を
形成することができる。各音源チップは、バス11のデー
タバスを介してCPU10から演奏情報を受信する。この演
奏情報には音高や発音レベル等の情報が含まれている。
各音源チップは時分割チャンネル(発音系統)を8個有
しているが、どの発音系統でこの楽音の発音をさせるか
は、CPU10がアドレスバスを介してアドレスを送信する
ことによって指定される。音源チップは受信した演奏情
報に基づいて波形メモリ17をアクセスし、波形データを
受信する。このため、各音源チップには、外部インタフ
ェースA0〜7,D0〜7および内部インタフェース端子
MA0〜7,MD0〜7を備えている。インタフェースA,Dは
バス11のアドレスバス,データバスを介してCPU10に接
続されており、インタフェースMA,MDはメモリインタフ
ェース24を介して波形メモリ17に接続されている。
また、4個の音源チップ20〜23が時分割動作すること
によって32の楽音を同時発音することができるが、それ
ぞれの音源チップの同期をとるため、各音源チップ20〜
23にはシンクロイン端子SYIが設けられており、それら
の端子には音源チップ20(シンクロアウト端子SYO)が
出力するシンクロ信号が入力されている。また、データ
の競合をなくすため、音源チップ20,21をA系統、音源
チップ22,23をB系統に分離し、それぞれの系統で2個
の音源チップをマスタ−スレーブの関係で接続してい
る。マスタチップ20,22とスレーブチップ21,23は同一ア
ドレスでデータを取り込むが、取り込むタイミングを異
ならせてある。これにより、CPU10が同一アドレスでデ
ータを送っても、その送信タイミングをずらすことによ
ってマスタチップまたはスレーブチップの何れか一方に
そのデータを受信させることができる。また、CPU10は
A系統,B系統への演奏情報の送信は同一のアドレスを用
いて時分割(切換制御)で行うが、この切り換えはチッ
プセレクト信号CSで行う。このチップセレクト信号は音
源チップ20,21には直接入力され、音源チップ22,23には
インバータ28で反転して入力される。これにより、音源
チップ20,21または音源チップ22,23が択一的に選択され
ることになる。
各音源チップが形成した1〜8個の楽音信号は各チッ
プ内で加算され、カスケード出力端子CASOから出力され
る。この音源回路の楽音信号の出力端子はG1OUT,G2OUT
の2系統であるため、4個の音源チップの楽音信号は2
系統に加算される。この加算の組み合わせはグループセ
レクト信号GSELで切り換えられる。グループセレクト信
号GSELはゲート25に直接入力され、インバータ27を介し
てゲート26に入力される。ゲート25は音源チップ21のカ
スケードアウト端子CASOと音源チップ20のカスケードイ
ン端子CASIとの接続を開閉し、ゲート26は音源チップ21
のカスケードアウト端子CASOと音源チップ23のカスケー
ドイン端子CASIとの接続を開閉する。グループセレクト
信号GSELがローレベル“L"のときゲート25が開いてゲー
ト26が閉じ、音源チップ21,20をカスケード接続する。
この出力はG2OUT端子から出力される。また、このとき
音源チップ23,22もカスケード接続されており、この出
力はG1OUT端子から出力される。一方、グループセレク
ト信号GSELがハイレベル“H"のときゲート26が閉じてゲ
ート25が開き、音源チップ21,23,22をカスケード接続す
る。この出力はG1OUT端子から出力される。音源チップ2
0の出力は単独でG2OUT端子から出力される。G1OUT端子
およびG2OUT端子の出力はサウンドシステムにおいて、
増幅され音響として出力される。
CPU10は音源回路の発音系統を各音源チップを単位に
1または2組にグルーピングする。全体を1グループに
するとき、および、2チップ(16音)づつ2組にグルー
ピングするときは、前述のようにグループセレクト信号
GSELを“L"にしてG1OUT,G2OUT端子から16音づつを取り
出すようする。全体を1グループとするときは、G1OUT,
G2OUTの出力を後のインタフェース18内でミックスして3
2音全てをG1とする。1チップ(8音)と3チップ(24
音)の2組にグルーピングするときには、グループセレ
クト信号GSELを“H"にしてG1OUT端子から8音,G2OUT端
子から24音を取り出すようにする。
第3図の表示例および第4図,第5図のフローチャー
トを参照してこの音源装置の動作を説明する。
第4図は前記操作パネル15の処理動作を示すフローチ
ャートである。この動作はCPU10が所定タイミング毎に
定期的に実行する動作である。まず、操作パネル上の操
作スイッチをスキャンしオンイベントがあるか否かを判
断する(n1,n2)。操作パネル上のイベントがある場合
には、レジスタMODEの内容に応じた処理を行う。つま
り、そのときの操作モードを判断する(n3)。操作モー
ドがMODE=0の場合にはアサインモード(第1グループ
(G1),第2グループ(G2)に振り分ける発音系統の数
を決定するモード)であるため、それに対応した表示を
行う(n4)。このときオンされたキーがプラスキーまた
はマイナスキーである場合にはn5〜n6に進み、押された
キーに対応してアサインモードレジスタAMを更新する。
アサインモードレジスタは0,1または2の値を取るレジ
スタである。このアサインモードレジスタAMの内容が0
の場合にはG1グループに32音全ての発音系統が振り分け
られ、アサインモードレジスタAM=1の場合にはG1グル
ープに24音,G2グループに8音の発音系統が振り分けら
れる。また、アサインモードレジスタAM=2の場合には
G1グループ,G2グループともに16の発音系統が振り分け
られる。この場合、表示器にはそれぞれ第3図(A)〜
(C)の内容が表示される。プラスキーがオンされた時
には既に2になっていない限りこの内容に1を加算し、
マイナスキーがオンされた時にはAMが0でない限り1を
減算する。この更新内容に基づいて表示も更新する。一
方、n7でモードキーがオンされた場合には、レジスタMO
DEの値を1つインクリメントして指定されたモードにそ
の表示を変更する(n8)。このモードキーはオンする毎
にサイクリックに表示内容を変更するキーであってもよ
く、またそれぞれのモード毎に個別に設けられたキース
イッチであってもよい。
また、モードレジスタMODE=1のときはチャンネルグ
ルーピングモード(MIDIチャンネルをグループG1または
グループG2にグルーピングするモード)である。この場
合、n3→n10に進み、第3図(D)または(E)に対応
する表示を行う。チャンネルセレクトキーがオンされた
場合には押されたキーに応じて現在のセレクトチャンネ
ルを変更する(n12)。またプラスキーまたはマイナス
キーがオンされた場合にはアサインモードレジスタAMが
0でない限り押されたキーに対応してその入力チャンネ
ルの割り当てグループを変更する(n15)。プラスキー
がオンされた場合にはグループG2にこのチャンネルを割
り当て、マイナスキーがオンされた場合にはグループG1
にこのMIDIチャンネルを割り当てる。ところで、アサイ
ンモードレジスタAMの内容が0の時には、前発音系統が
グループG1に割り当てられているため、グループG2にMI
DIチャンネルを割り当ててもこれを発音する発音系統が
ない。そこでアサインモードレジスタAMの内容が0のと
きにはn13におけるキー操作に拘わらず全てのMIDIチャ
ンネルをグループG1に振り分けることとする。
モードレジスタMODE=2〜Nの場合には各発音系統の
パラメータ制御の動作である。このパラメータとして
は、波形を決定するパラメータ,発音レベルを決定する
パラメータ等がある。これらのパラメータをその入力に
応じてその内容を更新して(n16)リターンする。
第5図は発音処理動作である。この動作はCPU10が一
定時間毎に繰り返し実行する。この動作においては、各
MIDIチャンネルからの入力(演奏情報)を判断し、この
入力に対応する動作を音源回路16に行わせる動作であ
る。まずMIDIチャンネルを指定するポインタchに1をセ
ットする(n21)。次にMIDIバッファよりこのチャンネ
ルに対応するMIDIデータを取り込む(n22)。MIDIデー
タがイベントデータであればn24〜n26においてそのイベ
ントを判断する。MIDIデータがイベントデータでなけれ
ば(すなわち、そのタイミングにそのチャンネルにイベ
ントがなければ)直接n27に進む。n24ではMIDIイベント
がノートオンであるか否かを判断し、n25ではMIDIイベ
ントがノートオフであるか否かを判断する。MIDIイベン
トがノードオンイベントであればn24〜n30に進む。n30
ではそのMIDIチャンネルが属するグループ番号を検索し
(n30)、このグループに属する発音系統で空いている
ものがあるか否かを検索する(n31)。空いているもの
があればその発音系統に対してMIDIデータを発音のため
のパラメータとして入力して発音させる(n35)。空き
チャンネルがない場合にはn32からn33に進み、ダンプす
べき発音系統をサーチする。ダンプすべき発音系統の検
索基準としては、減衰が最も進んでいる系統またはキー
オン時間が最も長い系統等がある。サーチののちその発
音系統を強制的にダンプし(n34)、n35に進む。取り込
んだMIDIデータがノートオフイベントデータであった場
合には、n25→n36に進んで、その発音が割り当てられて
いる発音系統を検索し(n26)、その発音系統に対して
発音終了の処理を行ったのち(n37)n37に進む。また、
MIDIイベントがノートオン,ノードオフ以外のイベント
であった場合にはn26でそのイベントに対応するMIDI情
報処理を実行する。こののちn27に進む。
n27ではチャンネルポインタchに1を加算し、この値
が17を超えない場合にはn28の判断でn22にもどる。チャ
ンネルポインタchが17を超えた場合には全てのMIDIチャ
ンネルについてこの処理が終了したとしてリターンす
る。
以上のようにこの実施例では16チャンネルのMIDIチャ
ンネルおよび32系統の発音系統をグループG1およびG2に
グループ分けし、その範囲内でアサインをするようにし
たことにより、入力される演奏情報の種類に対して固定
的に発音系統を割り当て、その同一種類の演奏情報内に
おいては任意にアサインを可能にすることができる。こ
れにより、必要な発音を確保することができるうえ、必
要な発音系統数を節減することができる。
なお、グループの分割数は2つに限らない。
(g)発明の効果 以上のようにこの発明の音源装置によれば、発音系統
とMIDIチャンネルとを対応させてグルーピングしたこと
により、各グループ間では固定的に発音系統の割り当て
を行い、各グループ内では任意に発音系統のアサインが
可能になる。さらに、この組み合わせをユーザが自由に
決定することができる。これにより、複数種類の楽音を
同時に発音させるときには、同一種類の楽音(伴奏,メ
ロディ等)毎にグルーピングすることによって、各グル
ープ内で発音系統のアサインが行われ、各グループ間の
競合がなくなり、必要な楽音の確保や音のバランスを確
保することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例である音源装置のブロック
図、第2図は同音源装置の音源回路のブロック図、第3
図は同音源装置の操作パネルに設けられた表示器の表示
例を示す図、第4図,第5図は同音源装置の動作を示す
フローチャートである。 14……MIDIインタフェース、 16……音源回路、17……波形メモリ、 20〜23……音源チップ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の発音系統(20〜23)と、 複数の外部演奏情報入力チャンネルを複数のチャンネル
    グループに任意にグループ化するグループ化手段(15、
    n15)と、 前記複数のチャンネルグループを前記複数の発音系統に
    対応づけるアサイン手段(15、n6)と、 前記外部演奏情報入力チャンネルのチャンネル情報を含
    む演奏情報を外部から取り込む取込手段(14)と、 この取込手段で取込まれた演奏情報に含まれるチャンネ
    ル情報に基づき、該チャンネル情報により示される外部
    演奏情報入力チャンネルが属するチャンネルグループに
    対応づけられた発音系統で、前記取込手段で取込まれた
    演奏情報に応じた楽音を発音する発音系統指定手段(1
    0、n30〜n35)と、 を設けたことを特徴とする音源装置。
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