JP2540966B2 - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JP2540966B2
JP2540966B2 JP2007949A JP794990A JP2540966B2 JP 2540966 B2 JP2540966 B2 JP 2540966B2 JP 2007949 A JP2007949 A JP 2007949A JP 794990 A JP794990 A JP 794990A JP 2540966 B2 JP2540966 B2 JP 2540966B2
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栄一郎 青木
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Yamaha Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 この発明は発音する楽音を純正律等の特定の音律に調
律できる電子楽器に関する。
(b)従来の技術 シンセサイザ等の電子楽器の多くは演奏装置として鍵
盤を有している。演奏装置として鍵盤を用いた場合、一
般的に音階は平均律に調律される。平均律とはオクター
ブ(二倍の周波数比)を対数的に12等分してそれを半音
とし、その倍を全音として音階を形成した音律である。
この平均律では全ての半音,全音の関係が均等になるた
めどのの調性で演奏しても同じ響きになり、転調,移調
が容易である特徴がある。
(c)発明が解決しようとする課題 ところで、「ド・ミ・ソ」等の和音はそれぞれの周波
数比が単純な分数で表されるとき最も美しく協和する。
しかし平均律では、全ての音程(音高と音高との比率)
が対数的に表されるためこのような単純な和音でさえ純
粋に協和せず響きが濁ってしまう欠点があった。
そこで、鍵盤を純正調等の和音の響きのよい音律に調
律することも考えられるが、このような自然音律は調律
された調性(たとえば、ハ長調)以外の調で演奏すると
平均律よりも響きが濁ってしまう欠点があり、転調、移
調ができない欠点があった。このため、演奏する曲の種
類が狭くなり、また演奏する曲毎に調律をしなおす必要
がある欠点があった。
この発明はこのような従来の課題に鑑み、指定された
和音を協和するようにピッチを調整でき、かつ、通常は
平均律で発音する電子楽器を提供することを目的とす
る。
(d)課題を解決するための手段 この発明は、演奏手段と、該演奏手段で演奏されてい
る楽音に基づいて和音を決定する和音決定手段と、該和
音決定手段によって決定された和音の構成音の音程を特
定の音程に調律して発音する調律手段とを有し、 その基準となる音を、 iそのとき前記和音の根音が前記演奏手段によって演奏
されているとき、その根音 iiそのとき前記和音の5度音が前記演奏手段によって演
奏されているとき、その5度音 iiiそのとき前記和音の他の構成音が前記演奏手段によ
って演奏されているとき、その構成音 の優先順位で決定する基準音決定手段を設けたことを特
徴とする。
(e)発明の作用 この発明の電子楽器では、和音指定手段によって和音
が指定されると、その和音の響きを良くするために和音
構成音の音程を特定の音程に調律する。このとき、調律
の基準音(音高を動かさない音)を、 iそのとき前記和音(これから発音しようとする和音
(以下、同じ))の根音が演奏手段によって演奏されて
いるとき、その根音 iiそのとき前記和音の5度音が演奏手段によって演奏さ
れているとき、その5度音 iiiそのとき前記和音の他の構成音が演奏手段によって
演奏されているとき、その構成音 の優先順位で決定する。このように決定することによ
り、演奏手段によって演奏されている楽音のピッチずれ
を少なくすることができ、曲の流れに不自然感を与える
ことがなくなる。
(f)実施例 第2図はこの発明の実施例である電子楽器の制御部の
ブロック図である。この電子楽器はCPU10によって制御
され、CPU10はバス11を介して各動作部やメモリと接続
されている。バス11にはキーオン検出回路13,スイッチ
インターフェイス14,音源回路15,ROM17,RAM18およびタ
イマ19が接続されている。ROM17にはこの電子楽器の動
作に必要な制御プログラム等が記憶されており、RAM18
には演奏中に発生したデータ等を記憶するレジスタが設
定されている。キーオン検出回路13には鍵盤1が接続さ
れており、オン/オフされたキーを検出する。スイッチ
インターフェイス14には音色等を指定するためのスイッ
チ群2が接続されており、各スイッチのオン/オフを検
出する。音源回路15には複数(8または16)の発音チャ
ンネルを有しており、CPU10から指定された楽音を各チ
ャンネルに割り当てて発音する。この音源回路15にはサ
ウンドシステム4が接続されており発音された楽音を増
幅してスピーカ等から出力する。またタイマ19はCPU10
から指定されたテンポでクロック信号を出力し、所定の
タイミング毎にCPU10に割り込みをかける回路である。
この割り込み信号によってCPU10は鍵盤1のスキャンや
発音中の楽音の処理等を行う。
この電子鍵盤楽器は、自動和音発音モード(自動伴奏
モード)のとき、鍵盤1で発音する和音を指定すること
ができる。指定方式は、たとえば、「特定のオクターブ
の1キーを押下すればその調の長3和音が発音される」
等である。
第3図は前記ROM17およびRAM18に設定されているメモ
リエリアの一部を示す図である。同図(A)はROM17に
設定されているシフト量テーブルTBL(i)を示してい
る。このテーブルは平均律からを純正律へのピッチシフ
ト量を記憶したテーブルである。このテーブルのアドレ
スは主音(和音の根音)を0とした半音数を示し、デー
タは各音程の平均律から純正律へのピッチシフト量を示
す。たとえば、主音から長3度上(ミ)の音は半音数で
5であるが、この音を主音を基準とする純正律に調律す
る場合平均律から2セント下にシフトすればよいことが
分かる。
また、この実施例では主音が基準音にならない場合も
あるため、この場合には以下のような演算によりピッチ
シフト量が決定される。
(基準音のピッチシフト量)−(発音する音のピッチシ
フト量)=(発音する音の実際のピッチシフト量) 同図(B)はRAM18に設定されるレジスタ群を示して
いる。
ROOTレジスタ,TYPEレジスタはそれぞれ指定された和
音の根音および種類を記憶するレジスタである。ここ
で、和音の種類とは調和音,属7度和音等のことであ
る。
KC(i)レジスタは、指定された和音の各構成音の音
高(キーコード)が記憶されるレジスタである。このレ
ジスタは構成音の数設定されそれぞれは指数iで区別さ
れる。
NT(i)レジスタは、KC(i)レジスタに記憶されて
いるキーコードから変換された音名データ(Cを0とす
る半音数)を記憶するレジスタである。
KONNT(i)フラグは、各半音階(音名データ0〜1
1)毎に設けれたキーオンフラグであり、キーオンによ
る発音中の楽音に対応するフラグがセットされる。
FNTレジスタは、基準音レジスタである。和音を純正
律に調律するとき、音程関係の基準となる音をこのレジ
スタに記憶する。
PCHNT(i)レジスタは、発音される各和音構成音の
ピッチ修正量を記憶するレジスタである。発音時にこの
内容がキーコード(KC(i))とともに音源回路15に送
られる。
第1図(A)〜(D)は同電子楽器の動作を示すフロ
ーチャートである。同図(A)はメインルーチンを示
す。この電子楽器の電源がオンされるとまずn1で初期設
定動作を実行する。初期設定動作とは所定のプログラム
の読み出しや音源回路のプリセット,レジスタのクリア
等の動作である。次にキーオン/オフイベントの有無を
判断し(n2)、イベントがあったときには対応する処理
を実行する(n3)。次に発音中のキーをチェックし(n
4)、n5において音量制御等の処理を行ってn2に戻る。
電源がオンされている間n2〜n5の動作を繰り返し実行す
る。
同図(B)は発音チェック動作である。この動作は前
記メイン処理ルーチンのn4において実行され、現在キー
オンによる発音中の楽音に対応するキーオンフラグをセ
ットしてゆく動作である。まず、音名データを表す指数
iを0にし(n11)、この指数iの音名データでキーオ
ンによる発音中の楽音があるか否かを全鍵盤にわたって
検索する(n12)。いかなるオクターブであってもこの
音名の音が発音されていればKONNT(i)を1にする(n
13)。一方発音中の音がなければKONNT(i)を0にす
る(n14)。こののちiに1を加算し、i=0〜11まで
(n16)、n12以下の動作を繰り返し実行する。
同図(C)はキーのオン/オフイベント処理動作であ
る。キーのオン/オフイベントがあるとこの動作がスタ
ートする。まず、そのときオンされているキーの組み合
わせによって指定された和音を判断し、和音の根音,タ
イプを決定する。決定された根音,タイプをROOTレジス
タ,TYPEレジスタに記憶する(n21)。このROOTレジス
タ、TYPEレジスタの内容に基づいて発音すべき和音構成
音を決定し、KC(1)〜KC(N)に記憶する(n22)。
ここでNは和音構成音の数を示しており、和音の種類に
よって変化する。これらKC(1)〜KC(N)に設定され
たキーコードをそれぞれ音名データに変換してNT(1)
〜NT(N)に記憶する(n23)。ここで音名データは和
音の根音を0とする半音数で示される。
次に、キーオンフラグKONNT(NT(1))〜KONNT(NT
(N))のうちセットされているものがあるか否かを判
断する(n24)。セットされたものがある場合には、そ
れが複数あるか否か(n25)、複数ある場合にはその中
に和音の根音(ROOT)と等しいものがあるか(n26)、
5度音(ROOT+7)と等しいものがあるか(n28)を判
断し、 i 根音が発音中のとき、その根音 ii 5度音が発音中のとき、その5度音 iii 他の構成音が発音中のとき、その構成音 iv 和音の構成音が発音されていないとき、和音の根音 の優先順位で音名コードを基準音レジスタFNTにセット
する(n26〜n32)。これで基準音が決定され、この基準
音に基づいて各和音構成音のピッチシフト量PCHNT(NT
(i))を算出する(n33)。このピッチシフト量は上
述の演算動作によって行われる。このピッチシフト量PC
HNT(NT(i))をキーコードKC(i)とともに音源回
路15に送信してピッチ制御を行い楽音を発音する(n3
4)。
同図(D)はタイマ割込動作である。この動作は数百
msに一度実行される。まず指数カウンタiに0をセット
する(n41)。この指数で指定されるKONNTが0であるか
否かを判断し、0になっていればピッチシフト量レジス
タPCHNT(i)をSGN(PCHNT(i))だけ減算する。こ
こでSGN関数は、 i>0 :SGN(i)=1 i=0 :SGN(i)=0 i<−1:SGN(i)=−1 となる関数である。KONNTが1であれば発音中であるた
めピッチ変更を行わず直接n44に進む。n44においては、
iを歩進させiが12になるまでn42以下の動作を繰り返
し実行する(n45)。
(g)発明の効果 以上のようにこの発明の電子楽器では、発音する和音
を純正律等の響きのよい音律に調律するとき、その和音
の構成音がすでに発音中であった場合には、発音中の根
音,発音中の5度音等の優先順位で基準音を決定し、こ
れに合わせるように他の和音構成音のピッチ修正をする
ようにした。このように根音,5度音等の和音にとって重
要度の高い音を優先して基準音とすることによってピッ
チが微小量変化することによる不自然さを無くすことが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)〜(D)はこの発明の実施例である電子楽
器の制御部の動作を示すフローチャート、第2図は同電
子楽器の制御部のブロック図、第3図(A),(B)は
同電子楽器のメモリの一部構成図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】演奏手段と、該演奏手段で演奏されている
    楽音に基づいて和音を決定する和音決定手段と、該和音
    決定手段によって決定された和音の構成音の音程を特定
    の音程に調律して発音する調律手段とを有し、 その基準となる音を、 (a)そのとき前記和音の根音が前記演奏手段によって
    演奏されているとき、その根音 (b)そのとき前記和音の5度音が前記演奏手段によっ
    て演奏されているとき、その5度音 (c)そのとき前記和音の他の構成音が前記演奏手段に
    よって演奏されているとき、その構成音 の優先順位で決定する基準音決定手段を設けたことを特
    徴とする電子楽器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5565996A (en) * 1978-11-13 1980-05-17 Nippon Musical Instruments Mfg Electronic musical instrument
JPS58114098A (ja) * 1981-12-28 1983-07-07 ヤマハ株式会社 電子楽器

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