JP2616072B2 - 楽音データ処理装置 - Google Patents

楽音データ処理装置

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JP2616072B2 JP1331609A JP33160989A JP2616072B2 JP 2616072 B2 JP2616072 B2 JP 2616072B2 JP 1331609 A JP1331609 A JP 1331609A JP 33160989 A JP33160989 A JP 33160989A JP 2616072 B2 JP2616072 B2 JP 2616072B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 この発明は電子楽器の演奏情報等を記憶するシーケン
サ等の楽音データ処理装置に関する。
(b)従来の技術 現在実用化されているシーケンサはキーボードなどの
演奏装置で演奏された楽音の楽音データを時系列に配列
した演奏情報を記憶するようになっている。この楽音デ
ータの内容を音高を表すキーコード,発音レベルなどを
指示するタッチ情報,発音された楽音の長さなどを表す
タイミング情報などが含まれている。
(c)発明が解決しようとする課題 従来のシーケンサではこのような情報が記憶されてい
たが、実際の演奏の微妙なニュアンスを記憶し電子楽器
でそれを再現するためにはより細かい情報が必要とな
る。しかし、従来のシーケンサでは楽音を発音するため
に最低限必要なデータしか記憶されていないため微妙な
ニュアンスを表現することができない欠点があった。ま
た、このため発音する楽音のピッチを修正できるものも
提案されている全音一律の修正または音名毎の修正であ
るためやはり微妙なニュアンスを表現するには不十分で
あった。
この発明はこのような従来の課題に鑑み、従来の楽音
データに加えて1音毎のピッチ修正量を楽音データに加
えたことによりより細かい楽音表現が可能な楽音データ
処理装置を提供することを目的とする。
(d)課題を解決するための手段 この出願の請求項1の発明は、発音すべき楽音の楽音
データを記憶する楽音データ記憶エリアとして、少なく
とも該楽音のキーコードを記憶するキーコード記憶エリ
アおよび該キーコードが示すピッチからのピッチ修正量
データを記憶するピッチ修正量記憶エリアを各楽音毎に
備えた記憶手段と、発音すべき楽音毎に少なくともキー
コードを書き込む入力手段と、前記楽音データ記憶エリ
アを指定し、指定された楽音データ記憶エリアに、少な
くともピッチ修正量を書き込むエディット手段と、前記
記憶手段に記憶された楽音データを順次読み出し、キー
コードとピッチ修正量データを音源装置へと出力する再
生手段と、からなることを特徴とする。
この出願の請求項2の発明は、発音すべき楽音の楽音
データを記憶する楽音データ記憶エリアとして、少なく
とも該楽音のキーコードを記憶するキーコード記憶エリ
アおよび該キーコードが示すピッチからのピッチ修正量
データを記憶するピッチ修正量記憶エリアを各楽音毎に
備えた記憶手段と、平均律と純正律とのピッチ差を記憶
したピッチ差記憶手段と、発音すべき楽音毎に少なくと
もキーコードを書き込む入力手段と、前記楽音データ記
憶エリアを指定したとき、該楽音データ記憶エリアのキ
ーコード記憶エリアに記憶されているキーコードに対応
する前記平均率と純正律とのピッチ差を該楽音データ記
憶エリアのピッチ修正量記憶エリアに書き込むエディッ
ト手段と、前記記憶手段に記憶された楽音データを順次
読み出し、キーコードとピッチ修正量データを音源装置
へと出力する再生手段と、からなることを特徴とする。
(e)作用 この発明では、各楽音毎に楽音データ記憶エリアとし
て少なくともキーコード記憶エリアおよびピッチ修正量
記憶エリアを設け、楽音データ入力時に少なくともキー
コードを入力するようにした。こののち、この楽音デー
タをエディットするときに、1音ずつ微妙なピッチ修正
量をピッチ修正量記憶エリアに記憶することによって微
妙な楽音の表情づけを可能にした。
また、請求項2の発明では、キーコードが入力された
楽音データ記憶エリアを指定することにより、その楽音
データ記憶エリアのピッチ修正量記憶エリアにそのキー
コードに対応する平均律・純正律間のピッチ差が記憶さ
れるようにした。これにより、平均律から純正律への修
正が容易になり、この修正を必要なもののみ個別に行う
ことができるようになった。
(f)実施例 第2図はこの発明の実施例であるシーケンサのブロッ
ク図である。このシーケンサはキーボード型演奏装置12
の楽音データを取り込んでフロッピィディスクに記憶す
る装置である。このシーケンサはCPU10によって制御さ
れ、各動作部はバス11を介してCPU10に接続されてい
る。バス11には、ROM14,RAM15,MIDIインターフェイス1
3,スイッチ群16,表示器17,クロック18およびフロッピィ
ディスク装置19が接続されている。ROM14には装置の動
作を規定する制御プログラムが記憶されており、RAM15
には第3図に示すようなレジスタエリアが設定される。
またMIDIインターフェイス13にへ前記キーボード型演奏
装置12が接続されており、MIDIコードに変換された楽音
データを取り込む。またMIDIインターフェイス13は出力
インターフェイスとしても機能し、この場合にはフロッ
ピィディスクに記憶している楽音データを音源装置に出
力してこの音源装置を発音指せることができる。スイッ
チ群16にはプログラムモードを設定するプログラムモー
ドスイッチ16a,再生モードを設定する再生モードスイッ
チ16b,エディットモードを設定するエディットモードス
イッチ16c,カーソルスイッチ16d,eおよびピッチ修正ス
イッチ16fが含まれている。表示器17には入力された楽
音データや小節数,拍数等が表示される。またクロック
18は入力や読み出し時のタイミングを計るためのテンポ
クロック信号を発振出力する。
第3図は前記RAM15に設定されるレジスタ群を示す図
である。この図において、 KCは、キーコードレジスタであり入力されたキーのキ
ーコードを一時記憶する。
TCHは、タッチデータレジスタであり、キーオン時の
キータッチ速度を一時記憶する。
PCHは、ピッチ修正量レジスタであり、スイッチ群16
から入力されたピッチ修正量が記憶される。
TCLKは、テンポクロックカウンタであり、クロック割
り込みによって加算される。
第4図(A)〜(E)はフロッピィディスクに記録さ
れる楽音データのフォーマットを示す図である。楽音デ
ータはイベントデータと連続するイベントデータ間のタ
イミングデータとで構成されている。各データの先頭に
はデータの種類を表すヘッディングデータ8H(キーオフ
イベントデータ),9H(キーオンイベントデータ),D
H(タイミングデータ),EH(タイミングデータ),FF
H(曲エンドデータ)が書き込まれる。同図(A),
(B)はキーオンイベントデータおよびキーオフイベン
トデータのフォーマットを示している。キーオンイベン
トデータにはオンされたキーのキーコード,キータッチ
情報のほか、音高を修正するピッチ情報を含んでいる。
キーオフイベントデータはオフされたキーのキーコード
データを含んでいる。同図(C),(D)はタイミング
データである。このデータはイベントデータが発生する
タイミングを記憶するものであり、連続するイベント間
の間隔をクロックカウント値で記憶する。このうち同図
(D)のデータはイベント間の間隔がクロックカウンタ
TCLKのカウント限度よりも長いとき、カウント限度値を
加算するためのデータとして同図(C)のデータととも
に用いられる。同図(F)は楽音データの最後に書き込
まれる曲エンドデータを示している。このデータはヘッ
ディングデータのみである。
第5図(A)は前記キーオンイベントデータ,キーオ
フイベントデータに書き込まれるキーコードのテーブル
を示し、同図(B)は前記ピッチ修正スイッチ16fをオ
ンしたとき修正されるピッチ量を記憶したピッチ修正テ
ーブルを示している。オン/オフされたキーのキーコー
ドは半音数で記憶される。また、ピッチ修正量は平均律
を純正律に修正するように各半音毎に記憶されている。
第1図は同シーケンサの動作を示すフローチャートで
ある。同図(A)はプログラムにおける楽音データ取り
込み動作を示すフローチャートである。まずn1でキー情
報が到来するまで待機する。キー情報とはキーオン/キ
ーオフに伴うキーコードデータ,キータッチデータ等で
ある。キー情報がMIDIインターフェイスを介してCPU10
に取り込まれると(n2)、このキー情報をKCレジスタ,T
CHレジスタに記憶するとともにPCHレジスタに0を代入
する(n3)。このときのクロックカウンタTCHのカウン
ト値をタイミングデータとしてフロッピィディスクに記
憶するとともに、キーオンデータの場合、これらのデー
タを第4図(A)のフォーマットでフロッピィディスク
に書き込み,キーオフデータの場合、第4図(B)のフ
ォーマットで書き込む(n4)。こののち、同様のデータ
をMIDIインターフェイスを介して音源装置に出力し(n
5)、TCLKをクリアして(n6)n1にもどる。
第1図(B)はクロック割り込み動作を示すフローチ
ャートである。この動作は数百ミリセカンド毎に実行さ
れる割り込み動作である。動作がスタートすると、まず
そのときのモードが再生モードであるかプログラムモー
ドであるかを判断する(n11,n12)。どちらのモードで
もなければそのままリターンする。再生モードではイベ
ント発生のタイミングを検出してイベントデータの音源
装置への送出を行い、プログラムモードではイベント間
のタイミングをクロック数でカウントする。
再生モードであると判断された場合には、n11→n13に
進みTCLKが0であるか否かを判断する。TCLKが0であれ
ば次のイベント発生タイミングであるためn13→n14に進
んで次のイベントデータを音源装置に送信してイベント
処理を行う。このイベントデータの次に記憶されている
タイミングデータをTCLKにセットし(n15)、TCLKから
1を減算して(n16)リターンする。n13でTCLKが0でな
い場合には直接n16に進む。
プログラムモードであればn12→n17に進みTCLKを歩進
(1加算)したのち、TCLKがオーバーフローしたか否か
を判断する(n18)。オーバーフローした場合にはタイ
ムオーバーデータ(第4図(D))を記録したのち(n1
9)TCLKをリセットして(n20)リターンする。n18でTCL
Kがオーバーフローしなかったときにはそのままリター
ンする。
第1図(C)は上記クロック割り込み動作(同図
(B))のn14におけるイベント処理動作を示すフロー
チャートである。まず、読み出されたイベントがキーオ
ンイベントであるか否かを判断し(n21)、キーオンイ
ベントであればキーコード,タッチ情報,ピッチ情報を
音源装置に送出して発音処理を実行する(n22)。その
他のイベントであればそれぞれ対応する処理を実行する
(n23)。
同図(D)はエディットモード動作を示すフローチャ
ートである。エディットモードにおいては,演奏者が演
奏ののちフロッピィディスクから楽音データを読み出し
て対象とするキーオンイベントデータにカーソル(ポイ
ンタのアドレス)を移動する(n31)。ここでピッチ修
正スイッチ16fがオンされるか否かを判断し(n32)、オ
ンされればこのキーオンイベントのピッチ情報を書き換
える。すなわち、このキーオンイベントデータのキーコ
ードを取り込み(n33)このキーコードの音名番号をKC.
MOD.12の演算で算出し(n34)、これに基づいて前記ピ
ッチ修正量テーブルを参照してこれをピッチ情報に書き
込む(n35)。
以上の動作でフロッピィディスクに記憶された楽音デ
ータに平均律から純正律へ変換するためのピッチ修正量
データが付加されたことになり、これを音源装置で再生
するとき澄んだ響きのよい楽音を発音することができ
る。
上記実施例ではキーコードに加えてピッチ修正量を記
憶するようにしているが、発音すべき楽音のピッチ(周
波数)を直接記憶するようにしてもよい。この場合、キ
ーオンイベント情報を記憶する記憶エリアは第7図に示
すようになり、プログラムモードの動作は第6図のフロ
ーチャートに示すようなものになる。すなわち、キーオ
ンイベント情報記憶エリアには周波数データ記憶エリア
がフォーマットされている。また、ピッチ制御が出来な
い音源装置で発音する場合のためにキーコード記憶エリ
アも念のためフォーマットされている。第6図のフロー
チャートにおいて、まずn41でキー情報が到来するまで
待機する。キー情報がMIDIインターフェイスを介してCP
U10に取り込まれると、このキー情報をKCレジスタ,TCH
レジスタに記憶する(n42)。TCHの内容に基づいてピッ
チ修正量(PCH)を算出するとともに(n43)、キーコー
ド(KC)を周波数データ(PKC:A4であれば440Hzに対応
するデータ)に変換する(n44)。PKCとPCHとを加算し
て発音周波数データを算出し(n45)、これらのデータ
(KC,TCH,発音周波数データ等)をフロッピィディスク
に記憶する(n46)。キーオンデータの場合、このデー
タを第7図のフォーマットでフロッピィディスクに書き
込む。こののち、同様のデータをMIDIインターフェイス
を介して音源装置に出力し(n47)、TCLKをクリアして
(n48)n41にもどる。
すなわち、この実施例ではキーオン時のイニシャルタ
ッチデータに基づいてピッチを上下させるようにしてい
るが、上述した第1の実施例のように入力ののちのエデ
ィットモード時に修正するようにしてもよい。
なお、上記2つの実施例では修正データは修正量のデ
ータであったが、「平均律」,「純正律」といった定性
的なデータであってもよい。すなわち、第4図(A)の
ピッチ情報の記憶エリアに平均律を示すデータ(たとえ
ばEH)や純正律を示すデータ(たとえば1H)が記憶され
た場合、その楽音のピッチを平均律,純正律に修正する
ようにすればよい。
(g)発明の効果 以上のようにこの発明の楽音データ処理装置によれ
ば、記憶して自動演奏させるための楽音データの1つず
つにピッチ修正量を記憶することができるため、自動演
奏時にも微妙にピッチ修正された楽音を発音することが
でき、さらに、各楽音データ毎に個別に平均律から純正
律へピッチを修正することも可能になるため、表現力を
より向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)〜(D)はこの発明の実施例であるシーケ
ンサの動作を示すフローチャート、第2図はシーケンサ
の制御部のブロック図、第3図は同シーケンサのメモリ
の一部構成図、第4図(A)〜(E)は同シーケンサの
フロッピィディスクに記憶される楽音データのフォーマ
ットを示す図、第5図(A),(B)は楽音データに用
いられるキーコードおよびピッチ修正量データを記憶し
たテーブルを示す図である。 また、第6図および第7図はこの発明の他の実施例を説
明するための図であり、第6図はその一部動作のフロー
チャート、第7図はメモリの一部構成図を示す。 16a……プログラムモードスイッチ、 16b……再生モードスイッチ、 16c……エディットモードスイッチ、 16d,16e……カーソルスイッチ、 16f……ピッチ修正スイッチ、 19……フロッピィディスク装置。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発音すべき楽音の楽音データを記憶する楽
    音データ記憶エリアとして、少なくとも該楽音のキーコ
    ードを記憶するキーコード記憶エリアおよび該キーコー
    ドが示すピッチからのピッチ修正量データを記憶するピ
    ッチ修正量記憶エリアを各楽音毎に備えた記憶手段と、 発音すべき楽音毎に少なくともキーコードを書き込む入
    力手段と、 前記楽音データ記憶エリアを指定し、指定された楽音デ
    ータ記憶エリアに、少なくともピッチ修正量を書き込む
    エディット手段と、 前記記憶手段に記憶された楽音データを順次読み出し、
    キーコードとピッチ修正量データを音源装置へと出力す
    る再生手段と、 からなる楽音データ処理装置。
  2. 【請求項2】発音すべき楽音の楽音データを記憶する楽
    音データ記憶エリアとして、少なくとも該楽音のキーコ
    ードを記憶するキーコード記憶エリアおよび該キーコー
    ドが示すピッチからのピッチ修正量データを記憶するピ
    ッチ修正量記憶エリアを各楽音毎に備えた記憶手段と、 平均律と純正律とのピッチ差を記憶したピッチ差記憶手
    段と、 発音すべき楽音毎に少なくともキーコードを書き込む入
    力手段と、 前記楽音データ記憶エリアを指定したとき、該楽音デー
    タ記憶エリアのキーコード記憶エリアに記憶されている
    キーコードに対応する前記平均率と純正律とのピッチ差
    を該楽音データ記憶エリアのピッチ修正量記憶エリアに
    書き込むエディット手段と、 前記記憶手段に記憶された楽音データを順次読み出し、
    キーコードとピッチ修正量データを音源装置へと出力す
    る再生手段と、 からなる楽音データ処理装置。
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