JP3336690B2 - 演奏データ処理装置 - Google Patents

演奏データ処理装置

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JP3336690B2 JP19806693A JP19806693A JP3336690B2 JP 3336690 B2 JP3336690 B2 JP 3336690B2 JP 19806693 A JP19806693 A JP 19806693A JP 19806693 A JP19806693 A JP 19806693A JP 3336690 B2 JP3336690 B2 JP 3336690B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、リアルタイム入力さ
れた自動演奏データを正確なスッテプタイミングに合わ
せて修正するいわゆるクォンタイズ処理を行う演奏デー
タ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】リアルタイム方式による自動演奏データ
の入力では、キーオンやキーオフなどの演奏内容(イベ
ントデータ)をそのタイミングデータとともに発生順に
記憶するイベント方式が一般的に用いられている。リア
ルタイムの演奏では、演奏がテンポクロックからずれて
いてもイベントが発生したタイミングがそのままタイミ
ングデータとして記録される。このため、このようにず
れた内容のタイミングデータを正確なタイミングのデー
タに修正する機能(クォンタイズ機能)を備えた演奏デ
ータ処理装置が実用化されている。
【0003】クォンタイズ動作では、まずイベントの発
生タイミングであるタイミングデータを当てはめるステ
ップタイミングの分解能(最小ステップ)を設定する。
この分解能は例えば16分音符に設定される。次に、リ
アルタイム入力された自動演奏データからタイミングデ
ータを読み出しこのタイミングデータが設定された分解
能のステップタイミングからずれている場合には、所定
のルールでそのタイミングデータがいずれかのステップ
タイミングに一致するように修正する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のクオン
タイズ機能では、修正に用いられるルールが1つであ
り、タイミングデータがこのルールで決定されるステッ
プタイミングに強制的に修正されていたため、演奏者の
意図に反するステップタイミングに修正される場合がし
ばしばあった。
【0005】この発明は、タイミングデータを複数の候
補から1つ選択して修正するようにしたことにより、演
奏者の意図を反映した修正が可能な演奏データ処理装置
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、タイミング
データを含む自動演奏データを記憶する演奏データ記憶
手段と、演奏データ記憶手段に記憶されているタイミン
グデータを修正して複数種類の候補データを作成する修
正手段と、前記複数種類の候補データから1つを選択す
る選択手段と、選択された候補データで前記自動演奏デ
ータのタイミングデータを書き換える書換手段と、を備
えたことを特徴とする。
【0007】
【作用】この発明の演奏データ処理装置では、演奏デー
タ記憶手段に記憶されているタイミングデータを修正
し、複数の候補データを作成する。複数の候補データは
それぞれ異なるルールで修正される。この候補データか
ら1つが選択されるとこのデータで前記タイミングデー
タを書き換える。
【0008】これにより、演奏者は、自動的且つ所望の
位置にタイミングデータを修正することができる。
【0009】
【実施例】図1はこの発明の実施例である自動演奏デー
タの編集機能を備えた電子楽器のブロック図である。こ
の電子楽器ではCPU10が全体の動作を制御する。C
PU10にはバス11を介してROM12、RAM1
3、検出回路14、検出回路16、表示回路18、音源
回路19およびタイマ20が接続されている。ROM1
2にはこの電子楽器の動作を制御するプログラム等が記
憶されている。RAM13には、自動演奏データ記憶エ
リア、エデットバッファおよび各種レジスタが設定され
る。
【0010】エデットバッファは自動演奏データの発音
タイミングをクォンタイズするときに用いられる記憶エ
リアであり、同図(B)に示すような構成になってい
る。エディットバッファには同じエリアが7つ設定され
ており、そのうちエリア0には、自動演奏データ記憶エ
リアに記憶されているリアルタイム入力された自動演奏
データの一部(オリジナル)がコピーされる。エリア1
〜エリア6は、オリジナルのデータをそれぞれ異なるル
ールに基づいてクォンタイズした候補データ(候補1〜
候補6)が記憶される。
【0011】検出回路14には鍵盤15が接続されてい
る。鍵盤15は5オクターブ程度の鍵盤であり、これを
操作して直接演奏することができるとともに、モードを
切り換えることにより、この鍵盤15から自動演奏デー
タをリアルタイム入力することもできる。検出回路16
にはパネルスイッチ17が接続されている。パネルスイ
ッチ17には、表示回路18の表示内容を変更するため
のカーソルスイッチ31(図2参照),+/−スイッチ
32や各種の機能スイッチ33が含まれている。表示回
路18は図2に示すようなLCDディスプレイ30を含
んでおり、その時の演奏モードやクォンタイズの状態等
が表示される。音源回路19はCPU10から送られて
きた発音データに基づいて楽音信号を形成する回路であ
る。楽音信号の形成方式としては、例えばFM方式や波
形メモリ方式等種々の方式を採用することができる。音
源回路19で形成されたディジタルの楽音信号はD/A
変換回路21に入力されアナログの楽音信号に変換され
る。アナログの楽音信号はサウンドシステム22に入力
され、増幅されスピーカから放音される。
【0012】また、タイマ20は、CPU10が指示す
るテンポで割り込み信号を出力する。この割り込み信号
はCPU10の割込端子に入力される。このタイマ20
は、自動演奏データの再生時やリアルタイム入力時に動
作し、CPU10はこのタイマ20の割り込みに基づい
て自動読み出しや自動書き込みを行う。
【0013】図2は前記パネルスイッチ17や表示回路
18が設けられた操作パネルの一部構成を示す図であ
る。操作パネルにはLCDディスプレイ30が備えられ
ているほか、カーソルスイッチ31、+/−スイッチ3
2および各種機能スイッチ33が設けられている。機能
スイッチ33としてはクォンタイズモードに入るための
クォンタイズスイッチ(QUANTIZEスイッチ)、
クォンタイズモード時にクオンタイズされた演奏データ
を試聴するためのトライスイッチ(TRYスイッチ)、
候補1〜候補6(図1(B)参照)から1つを選択する
ための候補選択スイッチ(NEXTスイッチ,PREV
スイッチ)、自動演奏データ記憶エリアに記憶されてい
るオリジナルの自動演奏データをエデットバーファに記
憶されているクォンタイズ済の自動演奏データと差し替
えるためのエンタースイッチ(ENTERスイッチ)お
よびクォンタイズモードから通常のプレイモードに移行
するための解除スイッチ(EXITスイッチ)からなっ
ている。
【0014】また、クォンタイズモード時にはLCDデ
ィスプレイ30に同図に示すような内容が表示される。
画面の左上端にはクォンタイズモードであることを示す
「QUANTIZE」の文字が表示される。右上にはエ
ディットバッファに読み込まれる区間(読込区間)が表
示される。試聴スイッチがオンされたときこの読込区間
の演奏データが自動演奏される。図示の場合には第1ト
ラックの第17小節〜第18小節が読み込まれる。読込
区間のデータのうちクォンタイズ対象音符(クォンタイ
ズ対象イベント)のタイミングデータを修正した候補デ
ータ(図1(B)参照)が画面中央部に音符で表示され
る。この表示のうち反転している音符40がクォンタイ
ズ対象音符である。画面左部には、表示されている候補
番号およびその候補のクォンタイズのルールが表示され
る。図示の例では候補2が表示れており、そのクォンタ
イズのルールは、「2番目に近いステップタイミングに
修正する」であることを示している。さらに、画面下部
にはクォンタイズの分解能が表示されている。図示の例
では分解能は16分音符である。なお、読込区間および
クォンタイズ対象音符は利用者によって指定される。
【0015】図3は前記エディットバッファに記憶され
る自動演奏データの内容を示す図である。同図において
横軸は時間の経過を示しており、横軸上に描かれた黒点
は音符の発音タイミングを示している。自動演奏データ
記憶エリアからは「オリジナル」のデータがエリア0に
読み込まれる。このうちクォンタイズ対象音符40が種
々のルールでクォンタイズされ、候補1〜候補6として
エリア1〜エリア6に書き込まれる。候補1〜候補6の
クォンタイズのルール(ルール1〜ルール6)は以下の
ようである。
【0016】 候補1:最も近いステップタイミングに修正する 候補2:2番目に近いステップタイミングに修正する 候補3:直前・直後のステップタイミングの中間点に修
正する 候補4:直前・直後のステップタイミングの間隔を3等
分し、そのうち近い方のタイミングに修正する 候補5:直前・直後のステップタイミングの間隔を3等
分し、そのうち遠い方のタイミングに修正する 候補6:最も近いステップタイミングの側の次のステッ
プタイミングに修正する。
【0017】以上のルールは、一般的に適用の可能性の
高いルールから順に配列されており、利用者は候補1か
ら順に候補を検査(試聴)していくことにより的確にク
ォンタイズされた演奏データを迅速に発見することがで
きる。
【0018】図4〜図8は同電子楽器の動作を示すフロ
ーチャートである。
【0019】図4はクォンタイズモード時の動作を示す
フローチャートである。まず、クォンタイズの対象とな
る演奏データが指定される(n1)。指定される内容
は、自動演奏データのトラックナンバ,読込区間(試聴
する区間)およびクォンタイズ対象音符である。この入
力は、カーソルスイッチ31や+/−スイッチ32を用
いて行われる。次に基本分解能の指定を受け付ける(n
2)。基本分解能は、例えば16や32等の最小音符を
表す数値で設定される。この入力操作もカーソルスイッ
チ31や+/−スイッチ32を用いて行われる。次に、
指定された区間の演奏データをエデットバッファのエリ
ア0(オリジナル用)にコピーする(n3)。こののち
各種ルール(図3参照)を用いてクォンタイズ処理を実
行し、作成された候補データをエデットバッファのエリ
ア1〜エリア6に記憶する(n4)。こののち、各種機
能スイッチ33の入力を受け付け、入力された機能スイ
ッチに対応する処理を実行する(n5)。まずNEXT
スイッチがオンされた場合には、現在選択されている候
補(エリア)の次の候補を選択し(n6)、選択された
候補を読み出してLCDディスプレイ30に表示する。
この場合において、候補6が選択されているときNEX
Tスイッチがオンされると候補1が選択される。またP
REVスイッチがオンされた場合には、現在選択されて
いる候補の1つ前の候補を選択し(n8)、n7に進ん
でそのデータの表示を実行する。この場合において、候
補1が選択されていきときPREVスイッチがオンされ
ると候補6が選択される。TRYスイッチがオンされた
場合にはそのとき選択されている候補の再生処理を実行
する(n9)。再生処理は図6,図7において詳細に説
明する。またENTERスイッチがオンされた場合に
は、そのとき選択されている候補データを自動演奏デー
タ記憶エリアの読込区間にコピーする(n10)。これ
によって、クォンタイズされたデータが自動演奏データ
として記憶されることになる。こののち、リターンす
る。またEXITスイッチがオンされた場合には何も処
理を行わずに直接リターンする。
【0020】図5はクォンタイズ処理を示すフローチャ
ートである。この動作は前記図4のフローチャートのn
4において実行される。まず候補ナンバを示すkに1を
セットする(n20)。つぎに、エリア0(オリジナ
ル)のデータを1音づつ読み出してクォンタイズ対象音
符であるか否かを判断する(n22)。クォンタイズ対
象音符でなければこのデータをそのままエリアkに書き
込む(n25)。クォンタイズ対象音符であればこのデ
ータの発音タイミングをk番目のルールに基づいて修正
し(n23)、修正されたデータをエリアkに書き込む
(n24)。n24またはn25の動作ののち読込区間
について上記処理が終了したか否かを判断する(n2
6)。終了していればn28以下の動作に進む。処理が
終了していない場合にはエリア0から次のデータを読み
だして(n27)、n22の動作にもどる。
【0021】n28ではk=6であるかを判断する。k
=6の場合は、6種類のルールに基づいてクォンタイズ
処理を行い候補1〜候補6を作成したことを示している
ためエリア1の候補データを読み出してLCDディスプ
レイ30に表示し(n30)、図4の動作にリターンす
る。k<6であればkに1を加算して(n29)、n2
1にもどる。以上の動作によってクォンタイズ対象音符
についてルール1〜ルール6によるクォンタイズ処理が
行われ候補1〜候補6が作成される。
【0022】図6は再生処理を示すフローチャートであ
る。この動作は図4のフローチャートのn9において実
行される。この再生処理では、まず処理タイミングにな
るまでn31で待機する。この処理タイミングはタイマ
20の割り込みによって与えられるものであり、再生テ
ンポに応じた演奏の最小分解能毎に処理タイミングが指
示される。処理タイミングになればトラック1〜トラッ
ク4についてトラック処理(図7参照)を実行する。読
込区間についてこの処理が終了するまでこの動作を繰り
返す。読込区間が終了すればn36の判断でリターンす
る。なお、各トラック1〜4は、それぞれ異なるパート
の演奏データが記憶されるものであり、例えば、トラッ
ク1はメロディを記憶するトラックであり、トラック2
はベース音を記憶するトラックであり、トラック3はコ
ードを記憶するトラックであり、さらに、トラック4は
リズム音を記憶するトラックである。上記動作におい
て、クォンタイズ処理の対象トラック、すなわち、エデ
ィットバッファに読み込まれているトラックについては
そのデータ(候補データ)を読み出し、その他のトラッ
クについては、自動演奏データ記憶エリアからデータを
読み出す。
【0023】図7はトラック処理を示すフローチャート
である。まず、自動演奏データのタイミングデータ読み
出し(n40)、このタイミングデータが示すタイミン
グと現在のタイミング(TIMEiが示すタイミング)
の一致を判断し、当該トラックのイベント(発音/消
音)を音源回路19へ出力すべきタイミングであるか否
かを決定する(n41)。TIMEiはiトラックの現
在のタイミングを記憶するレジスタである。読み出した
タイミングデータとTIMEiが一致していれば、その
タイミングにおけるイベントデータを読み出して音源回
路19に出力する(n42)。こののち、TIMEiを
更新して(n43)、リターンする。なお、イベントの
タイミングが各小節の先頭からのタイミングで表されて
いる場合には、レジスタTIMEiは小節線を越えたと
きクリアされ、イベントのタイミングがイベント間の発
生時間間隔で表されている場合にはレジスタTIMEi
はイベントが読み出され出力されるたびにクリアされ
る。
【0024】図8は割込処理を示すフローチャートであ
る。タイマ20が所定タイミングごとにCPU10に対
して割り込みをかけると、この動作が実行され、自動演
奏の処理タイミングであることを示すフラグをセットす
る(n50)。このフラグは前記図6のn31によって
確認され、確認ののちリセットされる。
【0025】上記実施例においては一度に複数の候補デ
ータを作成したが次候補が要求されるごとに新たなルー
ルで候補データを作成してもよい。また、この実施例に
おいては、試聴する区間(読込区間)をユーザが設定す
るようにしたが、予め決められた区間、例えばクォンタ
イズ対象音符の前後数音符分または前後数小節分等の区
間を自動的に設定するようにしてもよい。また、上記実
施例では1つの音符をクォンタイズ対象音符としたが、
複数音符を同時にクォンタイズ対象音符としてもよい。
この場合、1音符ごとにそれぞれ異なるルールでクォン
タイズして全ての組み合わせの候補を作成するようにし
てもよく、また、全てのクォンタイズ対象音符を同じル
ールでクォンタイズして6種類の候補を作成するように
してもよい。さらに、基本分解能はユーザが設定するよ
うにしたが、自動的に分解能が設定されるようにしても
よい。また、候補を作成するルールの数や種類またその
順序は実施例のものに限られない。
【0026】
【発明の効果】以上のようにこの発明の演奏データ処理
装置によれば、複数の候補データから1つを選択するよ
うにしたことにより、タイミングデータの修正が一義的
に決定されることがなく、利用者の意図どおりの位置に
タイミングデータを修正することができる。これによっ
て、複雑なタイミングか混ざり合っている音楽のタイミ
ング修正を合理的に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例である自動演奏データ修正機
能を備えた電子楽器のブロック図
【図2】同電子楽器の操作パネルの概略構成を示す図
【図3】同電子楽器におけるクォンタイズ機能を説明す
る図
【図4】同電子楽器の動作を示すフローチャート
【図5】同電子楽器の動作を示すフローチャート
【図6】同電子楽器の動作を示すフローチャート
【図7】同電子楽器の動作を示すフローチャート
【図8】同電子楽器の動作を示すフローチャート

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイミングデータを含む自動演奏データ
    を記憶する演奏データ記憶手段と、 演奏データ記憶手段に記憶されているタイミングデータ
    を修正して複数種類の候補データを作成する修正手段
    と、 前記複数種類の候補データから1つを選択する選択手段
    と、 選択された候補データで前記自動演奏データのタイミン
    グデータを書き換える書換手段と、 を備えたことを特徴とする自動演奏データ処理装置。
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