JP3120487B2 - 自動伴奏機能付電子楽器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鍵盤による演奏の他に
メモリに記憶された伴奏パターンに基づいてコード音や
ベース音あるいはリズム音等を発生して自動伴奏を行な
えるようにした自動伴奏機能付電子楽器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の電子楽器では、コード
音、ベース音、リズム音等の音色データや各音の発音タ
イミングを示す伴奏パターンデータ等をメモリに記憶
し、各データを所定のテンポに従ってメモリから読み出
し、自動伴奏を行なうようにしている。

【０００３】ここで、伴奏パターンデータは、例えばＣ
メジャーなど基準の音階におけるノートナンバ（音名の
データ）で記憶されており、このノートコードが鍵盤の
左鍵域等の伴奏用鍵で指定された和音に応じた音高デー
タに変換される。そして、この音高データとメモリから
読み出した音色データとによりそれぞれ所定の音高、音
色で発音されるようになっている。

【０００４】なお、コード、ベース、リズムの各音の音
色データと伴奏パターンデータは、ロックやカントリー
など曲のスタイルに応じて複数種類記憶されており、パ
ネルスイッチなどで選択した曲のスタイルに応じたリズ
ム、音色で自動伴奏が行なわれる。

【０００５】ところで、前記のように左鍵域等の鍵は、
自動伴奏モードでは通常モードとは異なる伴奏鍵として
設定され、和音検出用に用いられる。そこで、自動伴奏
モードで、まだ自動伴奏がスタートされない状態や一時
停止状態すなわち自動伴奏の待機状態において伴奏鍵を
押鍵すると、メモリに記憶されている伴奏パターンのう
ち予め定められたコード音のコード構成音で発音を行な
うようにしたものがある。

【０００６】このようにすると、伴奏鍵の押鍵時に、通
常の押鍵時と異なる音色すなわち選択したスタイルに対
応する音色で発音が行なわれるので、演奏者は現在自動
伴奏モードであることを容易に知ることができる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように、伴奏パターンの予め定められたコード音のコー
ド構成音で発音を行なうようにすると、例えば、伴奏音
の構成上あまり重要視されない音色やアタックが非常に
遅い音色など、単独発音に適さない音色で発音されるこ
とがある。

【０００８】このため、例えば、鍵盤だけによる演奏か
ら自動伴奏とのアンサンブル演奏に切り換える場合や、
逆にアンサンブル演奏から鍵盤だけによる演奏に切り換
える場合など、自動伴奏の待機状態での演奏が不自然に
なって好ましくなかった。

【０００９】本発明は、自動伴奏の待機状態で、選択さ
れているスタイルに応じて適切な演奏ができるような自
動伴奏機能付電子楽器を提供することを課題とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになした本発明の自動伴奏機能付電子楽器は、自動伴
奏の待機状態と動作状態との切換が可能で、自動伴奏の
動作状態のときに鍵盤の伴奏鍵における押鍵情報から検
出した和音と伴奏パターンとに基づいて自動伴奏の発音
を行なうようにした自動伴奏機能付電子楽器であって、
伴奏スタイルを選択指定する指定手段と、伴奏スタイル
毎に、伴奏パターンと、第１の音色と、第１の音色とは
異なる第２の音色と、を記憶している記憶手段とを備
え、前記自動伴奏の待機状態のときに前記伴奏鍵におけ
る押鍵情報から検出された和音に基づく和音構成音の楽
音を選択指定されている伴奏スタイルに対応する第１の
音色で発音し、前記自動伴奏の動作状態のときに前記伴
奏鍵における押鍵情報から検出された和音と選択指定さ
れている伴奏スタイルに対応した伴奏パターンとに応じ
た楽音を選択指定されている伴奏スタイルに対応した第
２の音色で発音するようにしたことを特徴とする。

【００１１】

【作用】本発明の自動伴奏機能付電子楽器において、発
音制御手段は、自動伴奏の動作状態のとき、記憶手段に
記憶している伴奏パターンと、伴奏鍵における押鍵情報
から検出した和音とに基づいて自動伴奏を行なう。ま
た、発音制御手段は、自動伴奏の待機状態のときに伴奏
鍵が押鍵されると、伴奏鍵における押鍵情報から検出さ
れた和音に基づく和音構成音の楽音を、選択指定されて
いる伴奏スタイルにおけるに対応する第１の音色で発音
し、また、自動伴奏の動作状態のときに伴奏鍵における
押鍵情報から検出された和音と選択指定されている伴奏
スタイルに対応した伴奏パターンとに応じた楽音を選択
指定されている伴奏スタイルに対応した第２の音色で発
音する。

【００１２】

【実施例】図１は本発明実施例の自動伴奏機能付電子楽
器のブロック図、図２は同電子楽器のパネル面を示す図
であり、この電子楽器はＣＰＵ３によって制御され、鍵
盤１とパネルスイッチ２の操作により通常モードにおけ
る鍵盤演奏と自動伴奏モードにおける自動伴奏が行なわ
れる。

【００１３】押鍵検出回路１ａは、鍵盤１におけるキー
イベントを検出し、キーイベントのあった鍵に対応する
キーコードを、押鍵のイベントで“Ｈ”レベルおよび離
鍵のイベントで“Ｌ”レベルになるキーオン信号ととも
に発生する。また、スイッチ検出回路２ａは、パネルス
イッチ２におけるスイッチ操作のイベントを検出し、操
作されたスイッチに対応する信号を発生する。

【００１４】鍵盤１は、機能上、右鍵域１Ｒと左鍵域１
Ｌとに分けられており、自動伴奏モードのとき、右鍵域
１Ｒはメロディ演奏鍵として機能し、左鍵域１Ｌは伴奏
鍵として機能する。すなわち、通常モードのときは、右
鍵域１Ｒと左鍵域１Ｌはともに通常どおり発音される
が、自動伴奏中には、右鍵域１Ｒについては通常どおり
発音され、左鍵域１Ｌについては発音しないで和音の検
出だけが行なわれる。また、自動伴奏モードで自動伴奏
の待機状態では、左鍵域１Ｌについては、後述説明する
ように選択されたスタイルに応じた音色で発音される。

【００１５】パネルスイッチ２は、図２に示したよう
に、自動伴奏モードと通常モードとを切り換えるモード
切換スイッチ２１、自動伴奏モードで自動伴奏の開始と
停止を制御するためのスタート／ストップスイッチ２
２、演奏曲のスタイルを選択するための複数のスタイル
選択スイッチ２３、電源スイッチ２４、楽器の種類など
通常発音の音色を設定するための複数の音色スイッチ２
５を備えている。また、自動伴奏のテンポを調節するた
めのテンポ設定スイッチ、鍵盤演奏の音量を調節するボ
リュームスイッチ、自動伴奏の音量を調節するボリュー
ムスイッチ等の各種のスイッチを備えている。なお、自
動伴奏の初期テンポ値や調節された現在のテンポ値は表
示回路４の表示器４１に表示される。

【００１６】タイマ５はＣＰＵ３によって設定されるタ
イミングでテンポクロック割込み信号を発生し、ＣＰＵ
３はこのタイマ５からのテンポクロック割込み信号を自
動伴奏時のテンポクロックとして取り込み、割込み処理
によって自動伴奏の制御を行なう。

【００１７】音源６は、押鍵に対応して通常の楽音信号
を発生するノーマルＴＧ（トーンジェネレータ）、自動
伴奏時のコード音やベース音の楽音信号を発生する伴奏
ＴＧおよびリズム音等の楽音信号を発生するリズムＴＧ
を備えており、ＣＰＵ３から与えられるノートオン信
号、音色データ、ノートナンバ等に基づいて楽音信号を
発生する。この楽音信号はアンプやスピーカ等からなる
サウンドシステム７に出力され、サウンドシステム７は
この楽音信号に基づいて楽音を発生する。

【００１８】ＲＯＭ８には、図７〜図１２にフローチャ
ートを示した制御プログラム、自動伴奏の伴奏パターン
データ、コードの種類からコード構成音のノートナンバ
を得るためのテーブル等が記憶されており、後述説明す
るようにＣＰＵ３はＲＯＭ８の制御プログラムに基づい
てＲＡＭ９に設定した各種レジスタやフラグを使用しな
がら制御を行なう。

【００１９】図３は実施例における伴奏パターンデータ
のフォーマットを示す図である。伴奏パターンデータは
各種曲のスタイルにそれぞれ対応して複数組記憶されて
おり、各伴奏パターンデータはヘッダ部とトラック１〜
８からなるパターンデータ部とで構成されている。

【００２０】ヘッダ部には、伴奏パターンのスタイルを
示すスタイル番号、そのスタイルに応じた標準テンポ、
伴奏パターンの小節数、パターンデータ部の各トラック
におけるパターンデータの有無を示すパターンデータフ
ラグおよび各トラックに対応する音色データが記憶され
ている。

【００２１】パターンデータ部において、トラック１〜
６はコード１〜６に、トラック７はベースに、トラック
８はリズムにそれぞれ対応付けられており、伴奏パター
ンデータのスタイルに応じて、トラック１〜８の所定の
トラックにパターンデータが記憶されている。

【００２２】図４に示したように、各パターンデータは
タイミングデータとイベントデータとを１音毎に対応付
けて伴奏パターンの小節数分だけ記憶されており、タイ
ミングデータは小節の先頭からの発音タイミングを示し
ている。

【００２３】さらに、コードとベースのイベントデータ
は、図４(A) に示したように、音高情報としてのノート
ナンバ、発音継続時間を示すゲートタイムおよび音量を
示すベロシティから構成されている。また、リズムのイ
ベントデータは図４(B) に示したように、ノートナンバ
とベロシティから構成されている。なお、リズムの場合
のノートナンバは打楽器音種類に対応したものである。

【００２４】この実施例では、各曲のスタイルに対応し
て複数の伴奏パターンデータが記憶されているが、これ
らの伴奏パターンデータはスタイルに応じて、例えば図
５および図６のように２つのタイプに分けられる。

【００２５】図５および図６は伴奏パターンデータの記
憶状態を概念的に示す図であり、図５は伴奏の構成音の
中に単音発音に適した音が存在するようなスタイルの伴
奏パターンデータ（以後、タイプＡという。）の例を示
し、図６は伴奏の構成音の中に単音発音に適した音が存
在しないようなスタイルの伴奏パターンデータ（以後、
タイプＢという。）の例を示している。なお、図５およ
び図６の斜線の部分は有効なデータが記憶されている状
態を示している。

【００２６】図５のように、タイプＡの伴奏パターンデ
ータは、トラック１〜３およびトラック６にコード音の
パターンデータが記憶されており、トラック７とトラッ
ク８にベース音とリズム音の各パターンデータがそれぞ
れ記憶されている。また、各コード音、ベース音および
リズム音の音色データ（リズム音は打楽器音のセット）
は、音色番号をトラック番号に対応付けてヘッダ部に記
憶されている。なお、トラック６の音色番号が単音発音
に適した音色を示している。

【００２７】また、この例では、パターンデータはトラ
ック１〜３およびトラック６〜８にのみ記憶されてお
り、トラック４およびトラック５には有効なパターンデ
ータが記憶されていない。したがって、「パターンデー
タ有り」を“１”、「パターンデータ無し」を“０”と
するパターンデータフラグが、それぞれトラック番号に
対応付けてヘッダ部に記憶されている。

【００２８】一方、図６のように、タイプＢの伴奏パタ
ーンデータは、トラック１〜３にコード音のパターンデ
ータが記憶され、トラック７とトラック８にベース音と
リズム音の各パターンデータがそれぞれ記憶されてい
る。また、各コード音、ベース音およびリズム音の音色
番号が各トラック番号「１」，「２」，「３」，
「７」，「８」に対応付けられ、さらに、この伴奏パタ
ーンデータのスタイルに特徴的で単音発音に適した音色
の音色番号がダミー音色情報としてトラック番号「６」
に対応つけて音色データとされ、それぞれヘッダ部に記
憶されている。

【００２９】また、パターンデータはトラック１〜３お
よびトラック７，８にのみ記憶されているので、パター
ンデータフラグは、トラック番号「１」，「２」，
「３」，「７」，「８」については“１”にされ、トラ
ック番号「４」，「５」，「６」については“０”にさ
れている。

【００３０】このように、タイプＢの伴奏パターンデー
タでは、トラック１〜３、トラック７，８の各音色の中
に単独発音に適したものが存在しないので、単独発音に
適した音色の音色番号（ダミー音色情報）が、パターン
データに対して空きトラックとなっているトラック番号
「６」に対応付けて記憶されている。

【００３１】このような伴奏パターンに対して、後述説
明するようにＣＰＵ３は、自動伴奏の動作状態では、パ
ターンデータフラグが“１”（パターンデータ有り）の
トラック番号についてのみ、各パターンデータと音色番
号とに基づいて自動伴奏の発音を行なうように制御す
る。また、自動伴奏の待機状態では、左鍵域１Ｌで押鍵
が検出されると、トラック番号「６」についての音色番
号と押鍵された鍵の押鍵情報から検出されるコードに対
応したコード構成音に基づいて発音を行なうように制御
する。

【００３２】これにより、選択されたスタイルの伴奏パ
ターンデータがタイプＡまたはタイプＢのいずれの場合
であっても、パターンデータと各パターンデータに対応
する音色で自動伴奏が行なわれ、かつ、自動伴奏の待機
状態においては、左鍵域２Ｌの押鍵に対して常に単音発
音に適した音色で発音される。

【００３３】図７は制御プログラムのメインルーチン、
図８〜図１２はサブルーチンおよび割込み処理ルーチン
を示すフローチャートでり、各フローチャートに基づい
て動作を説明する。

【００３４】なお、以下の説明および各フローチャート
において、制御に用いられる各レジスタおよびフラグを
以下のラベルで表記し、各レジスタおよびフラグとそれ
らの内容は特に断らない限り同一のラベルで表す。 「ＲＵＮ」：自動伴奏の待機状態と動作状態を示すラン
フラグ 「ｉ」：トラック番号 「ＣＨＯＲＤ」：検出したコード（和音）の種類を記憶
するコードレジスタ 「ＳＴＹＬ」：選択されたスタイル番号を記憶するスタ
イルレジスタ 「ＴＯＮＥ」：選択された音色番号を記憶する音色レジ
スタ 「Ｔ」：自動伴奏の小節数内のタイミングをカウントす
るカウントレジスタ

【００３５】先ず、電源が投入されると、ＣＰＵ１は図
７のメインルーチンの処理を開始し、ステップＳ１でラ
ンフラグＲＵＮのリセットや各種レジスタのセットアッ
プなどのイニシャライズを行なう。次に、ステップＳ２
で図８および図９の押鍵処理を行い、ステップＳ３で図
１０および図１１のパネルスイッチ処理を行なう。そし
て、ステップＳ４で自動伴奏のテンポの表示等のその他
の処理を行い、ステップＳ２以降の処理を繰り返す。

【００３６】先ず、パネルスイッチ処理から説明する。
図１０のパネルスイッチ処理Ｓ３において、ステップＳ
３１でモード切換スイッチ２１が切り換えられたか否か
を判定し、切り換えられなければステップＳ３５に進
み、切り換えられればステップＳ３２で自動伴奏モード
のＯＮであるか否かを判定する。モード切換スイッチ２
１の操作が自動伴奏モードのＯＮ操作でなければステッ
プＳ３３で通常モードに設定し、自動伴奏モードのＯＮ
操作であればステップＳ３４で自動伴奏モードに設定す
る。

【００３７】次にステップＳ３５では、スタイル選択ス
イッチ２３がＯＮされたか否か判定し、ＯＮでなければ
ステップＳ３７に進み、ＯＮであればステップＳ３６で
ＯＮとなったスタイル選択スイッチ２３のスタイル番号
をレジスタＳＴＹＬに格納してステップＳ３７に進む。

【００３８】ステップＳ３７では音色スイッチ２５がＯ
Ｎされたか否か判定し、ＯＮでなければ図１１のステッ
プＳ３９に進み、ＯＮであればステップＳ３８でＯＮと
なった音色スイッチ２５の音色番号をレジスタＴＯＮＥ
に格納してステップＳ３９に進む。

【００３９】図１１のステップＳ３９では、スタート／
ストップスイッチ２２がＯＮされたか否か（操作された
か否か）を判定し、ＯＮであればステップＳ３０１の処
理に進み、ＯＮでなければステップＳ３０５の処理を行
なう。

【００４０】ステップＳ３０１では、ランフラグＲＵＮ
を“０”から“１”または“１”から“０”に反転し、
ステップＳ３０２でＲＵＮ＝１か否かを判定する。この
判定でＲＵＮ＝１でなければステップＳ３０３で音源６
にオールノートオフを出力してステップＳ３０５に進
み、ＲＵＮ＝１であれば、ステップＳ３０４で自動伴奏
の準備を行なってステップＳ３０５に進む。

【００４１】そして、ステップＳ３０５でその他のパネ
ルスイッチの処理を行い、メインルーチンに復帰する。
なお、ステップＳ３０４の自動伴奏の準備では、ＳＴＹ
Ｌに設定されたスタイル番号に基づく伴奏パターンデー
タのヘッダ部の読み出し処理や、このヘッダ部の標準テ
ンポデータに基づくタイマ５の割込み信号の発生タイミ
ングの設定などの処理を行なう。

【００４２】次に、図８の押鍵処理Ｓ２において、ステ
ップＳ２１でキーオンイベントの有無を判定し、キーオ
ンイベントがなければ図９のステップＳ２９に進み、キ
ーオンイベントがあればステップＳ２２で左鍵域（伴奏
鍵域）１Ｌであるか否かを判定する。

【００４３】ステップＳ２２で、キーオンイベントが左
鍵域１ＬのものであればステップＳ２３に進み、左鍵域
１Ｌのものでなければ右鍵域（メロディ鍵域）１Ｒのキ
ーオンイベントであるので、ステップＳ２４でＴＯＮＥ
で指示されている音色番号と押鍵された鍵のノートナン
バおよびノートオンを音源６に出力し、図９のステップ
Ｓ２９に進む。

【００４４】ステップＳ２３では、自動伴奏モードがＯ
Ｎであるか否かを判定し、自動伴奏モードでなければス
テップＳ２４の処理を行なって通常モードにおける左鍵
域１Ｌの通常の発音を行い、自動伴奏モードであればス
テップＳ２５で左鍵域１Ｌの押鍵された鍵に基づいてコ
ードの検出処理を行なう。なお、コードの検出は実際に
押鍵された鍵の組合せからコードを検出するフィンガー
ド、あるいは、簡略化された押鍵パターンに対してコー
ドを付与するシングルフィンガーなどの方法を用いるこ
とができる。

【００４５】ステップＳ２５でコードが検出されると、
ステップＳ２６で検出したコード種類を示すデータをレ
ジスタＣＨＯＲＤに格納してステップＳ２７でＲＵＮ＝
０か否かを判定し、ＲＵＮ＝１であれば図９のステップ
Ｓ２９に進み、ＲＵＮ＝０であればステップＳ２８の処
理を行なってステップＳ２９に進む。

【００４６】ステップＳ２８の処理は、自動伴奏モード
で自動伴奏の待機状態（ＲＵＮ＝０）における伴奏鍵に
ついての処理であり、ＣＨＯＲＤに格納されたデータか
らテーブルを参照してコード構成音のノートナンバを求
めて記憶し、前回の処理で求められたコード構成音のう
ち今回なくなっているものについては、ノートオフを音
源６に出力する。また、今回新たに追加されたコード構
成音については、ノートナンバとノートオンを、現在選
択されていスタイルの伴奏パターンデータのヘッダ部に
記憶されているトラック６の音色番号とともに音源６に
出力する。

【００４７】図９のステップＳ２９では、キーオフイベ
ントの有無を判定し、キーオフイベントがなければメイ
ンルーチンに復帰し、キーオフイベントがあればステッ
プＳ２０１で左鍵域１Ｌであるか否かを判定する。

【００４８】ステップＳ２０１で、キーオフイベントが
左鍵域１ＬのものであればステップＳ２０２に進み、左
鍵域１Ｌのものでなければ、ステップＳ２０３で、キー
オフイベントのあった鍵のノートナンバで音源６におい
て発音中のチャンネルにノートオフを出力してメインル
ーチンに復帰する。これにより、離鍵時の消音が行なわ
れる。

【００４９】ステップＳ２０２では、自動伴奏モードが
ＯＮであるか否かを判定し、自動伴奏モードでなければ
ステップＳ２０３の処理を行なって通常モードにおける
左鍵域１Ｌの消音を行い、自動伴奏モードであればステ
ップＳ２０４の処理を行なう。

【００５０】ステップＳ２０４では、左鍵域１Ｌの鍵が
全てキーオフとなっているか否かを判定し、全てがキー
オフでなければそのままメインルーチンに復帰し、全て
がキーオフであれば、ステップＳ２０５で全ての伴奏音
についてのキーオフを音源６に出力し、メインルーチン
に復帰する。

【００５１】図１２の自動伴奏処理Ｓ５は、タイマ５か
らのテンポクロック割込み信号により現在のテンポに応
じたタイミングで起動され、先ず、ステップＳ５１でＲ
ＵＮ＝１であるか否かを判定し、ＲＵＮ＝０であれば、
ステップＳ５２でカウントレジスタＴをリセットし、こ
の割込み処理により中断している元のルーチンに復帰す
る。

【００５２】一方、ＲＵＮ＝１であれば、ステップＳ５
３でカウントレジスタＴをインクリメントしてステップ
Ｓ５４でレジスタｉに“１”をセットし、ステップＳ５
８のレジスタｉのインクリメントと、ステップＳ５７の
判定により、「１」〜「８」の各トラック番号について
ステップＳ５５以降の処理をそれぞれ行い、ステップＳ
５７の判定でレジスタｉが“８”に達していると、ステ
ップＳ５９に進む。

【００５３】ステップＳ５９ではカウントレジスタＴが
自動伴奏の小節数に相当する値に達したか否かを判定
し、達していなければそのまま元のルーチンに復帰し、
達していればステップＳ５０１でカウントレジスタＴを
リセットして元のルーチンに復帰する。

【００５４】各トラック番号についてのステップＳ５５
の処理では、伴奏パターンデータにおけるヘッダ部のパ
ターンデータフラグに基づいて、現在レジスタｉで示さ
れるトラックにパターンデータが有るか否かを判定し、
現在のトラックにパターンデータが無ければステップＳ
５７に進み、パターンデータがあればステップＳ５６の
処理を行なってステップＳ５７に進む。

【００５５】ステップＳ５６の処理では、現在のカウン
トレジスタＴの値と現在選択されている伴奏パターンデ
ータのタイミングデータに応じてトラック番号ｉのパタ
ーンデータ（イベントデータ）を読み出し、トラック番
号「８」以外のときは、ＣＨＯＲＤで指定されているコ
ードの種類に応じてイベントデータのノートナンバを変
換し、変換したノートナンバ、ベロシティ、トラック番
号ｉの音色番号、ゲートタイムおよびノートオンを音源
６に出力する。なお、トラック番号「８」のときは、ト
ラック番号「８」の音色（打楽器音のセット）番号、ノ
ートナンバおよびノートオンを音源６に出力する。

【００５６】以上の割込み処理Ｓ５により、例えば図５
の伴奏パターンデータであれば、トラック１〜３，６の
コード音、トラック７のベース音およびトラック８のリ
ズム音が、各々トラック１〜３，６〜８に設定された音
色番号の音色で発音され、自動伴奏が行なわれる。ま
た、図６の伴奏パターンデータであれば、トラック１〜
３のコード音、トラック７のベース音およびトラック８
のリズム音が、各トラック１〜３，７，８に設定された
音色番号の音色で発音され、自動伴奏が行なわれる。

【００５７】上記の実施例では、自動伴奏の動作中状態
にダミー音色（タイプＢのトラック６の音色番号）によ
る発音を行なわないようにしているが、イベントデータ
のベロシティなどにより通常は聴こえないようなレベル
にして自動伴奏中に発音するようにしてもよい。また、
ダミー音色をトラック６に設定するようにしているが、
他のトラックであってもよい。

【００５８】さらに、空きトラックに対してダミー音色
を設定するようなものに限らず、曲のスタイルに応じて
それぞれダミー音色を用いるか用いないかのフラグおよ
びダミー音色データを設け、選択されたスタイルがダミ
ー音色を用いるものである場合はダミー音色で発音し、
ダミー音色を用いないものである場合には、伴奏パター
ンを構成するものの中から１つの音色で発音させるよう
にしてもよい。

【００５９】また、ダミー音色に対応する伴奏パターン
データを設け、自動伴奏の待機中に伴奏鍵のコードに応
じてアルペジオ等のメロディでダミー音色の発音を行な
うようにしてもよい。また、上記の実施例では、伴奏鍵
を左鍵域に設定するようにしているが、伴奏鍵を所定の
領域に固定せず、押鍵中の例えば低音側から３つの鍵で
コードを検出するというように、全鍵・コード検出型に
してもよい。

【００６０】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、自
動伴奏機能付電子楽器において、自動伴奏の待機状態の
ときに伴奏鍵が押鍵されると、伴奏鍵における押鍵情報
から検出された和音に基づく和音構成音の楽音を、選択
指定されている伴奏スタイルにおけるに対応する第１の
音色で発音し、また、自動伴奏の動作状態のときに伴奏
鍵における押鍵情報から検出された和音と選択指定され
ている伴奏スタイルに対応した伴奏パターンとに応じた
楽音を選択指定されている伴奏スタイルに対応した第２
の音色で発音するようにしたので、自動伴奏の待機状態
のとき伴奏鍵についての音色を自動伴奏のスタイルに応
じた特徴的な音色とすることができる。したがって、選
択されているスタイルに合った適切な演奏を行なうこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の自動伴奏機能付電子楽器のブロ
ック図である。

【図２】実施例におけるパネル面を示す図である。

【図３】実施例における伴奏パターンデータのフォーマ
ット図である。

【図４】実施例におけるパターンデータのフォーマット
図である。

【図５】実施例におけるタイプＡの伴奏パターンデータ
の一例を示す図である。

【図６】実施例におけるタイプＢの伴奏パターンデータ
の一例を示す図である。

【図７】実施例におけるメインルーチンのフローチャー
トである。

【図８】実施例における押鍵処理のフローチャートの一
部である。

【図９】実施例における押鍵処理のフローチャートの他
の一部である。

【図１０】実施例におけるパネルスイッチ処理のフロー
チャートの一部である。

【図１１】実施例におけるパネルスイッチ処理のフロー
チャートの他の一部である。

【図１２】実施例における自動伴奏処理のフローチャー
トである。

【符号の説明】

１…鍵盤、１Ｌ…左鍵域（伴奏鍵）、２…パネルスイッ
チ、３…ＣＰＵ、５…タイマ、６…音源、８…ＲＯＭ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G10H 1/36 - 1/42 G10H 1/18 G10H 1/24 G10H 1/00 101 - 102

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動伴奏の待機状態と動作状態との切換
   が可能で、自動伴奏の動作状態のときに鍵盤の伴奏鍵に
   おける押鍵情報から検出した和音と伴奏パターンとに基
   づいて自動伴奏の発音を行なうようにした自動伴奏機能
   付電子楽器であって、伴奏スタイルを選択指定する指定手段と、 伴奏スタイル毎に、伴奏パターンと、第１の音色と、第
   １の音色とは異なる第２の音色と、 を記憶している記憶
   手段とを備え、 前記自動伴奏の待機状態のときに前記伴奏鍵における押
   鍵情報から検出された和音に基づく和音構成音の楽音を
   選択指定されている伴奏スタイルに対応する第１の音色
   で発音し、 前記自動伴奏の動作状態のときに前記伴奏鍵における押
   鍵情報から検出された和音と選択指定されている伴奏ス
   タイルに対応した伴奏パターンとに応じた楽音を選択指
   定されている伴奏スタイルに対応した第２の音色で発音
   する ようにしたことを特徴とする自動伴奏機能付電子楽
   器。