JPH0580766A - 自動伴奏装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コードの根音に応じて音高の平行移動がおこ
なわれるためにコードの変化時に音程が大きく離れるこ
とがあり、なめらかで自然な自動伴奏を得られないとい
う従来の自動伴奏装置の問題点を解決し、自然でなめら
かな効果的な自動伴奏を容易な構成で提供することを目
的とする。 【構成】 自動伴奏音の出力タイミングを制御する自動
伴奏出力タイミング制御装置と、決定された自動伴奏音
を記憶する自動伴奏音記憶装置と、上記自動伴奏出力タ
イミング制御装置によって制御される出力タイミングに
上記記憶された前回の自動伴奏音情報と別に与えられる
コード情報から得られるコードの構成音との音高を比較
しその音程差により自動伴奏音を決定する自動伴奏音決
定装置とを有し、あらかじめメモリに格納された自動伴
奏パターンをコードの根音によって平行移動することな
くコードの構成音から自動伴奏音を決定するので、自然
でなめらかな効果的な自動伴奏を容易な構成で提供する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動伴奏装置を内蔵し
た電子楽器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、電子楽器には自動伴奏装置など演
奏表現の豊かなものが内蔵され、初心者でも簡単に演奏
が楽しめるようになっている。

【０００３】以下に従来の自動伴奏装置について説明す
る。図２は従来の自動伴奏装置の構成を示すものであ
る。図２において、１０１は基本コードにおける自動伴
奏のパターン（出力タイミングと音程）を格納した自動
伴奏パターン格納メモリ、１０２は自動伴奏パターン格
納メモリ１０１から自動伴奏パターンデータを読み出す
自動伴奏パターン読み出し装置、１０３はコード指定用
鍵盤あるいはあらかじめ記憶されたシーケンサなどから
与えられるコード情報、１０４は読み出した自動伴奏パ
ターンを与えられたコード情報１０３によって音程変換
する自動伴奏パターン変換装置である。

【０００４】以上のように構成された自動伴奏装置につ
いて、以下その動作について説明する。まず、自動伴奏
パターン読み出し装置１０２が自動伴奏パターン格納メ
モリ１０１から基本コードにおける自動伴奏パターンデ
ータを読み出す。この自動伴奏パターンデータは自動伴
奏パターン変換装置１０４に送られ、コード情報１０３
に応じてデータ変換される。まずコードの種類に応じて
音程変換がなされ、さらにコードの根音に応じて音高を
平行移動する。このようにして、与えられたコード情報
各々に適した自動伴奏パターンが基本コードパターンを
メモリに格納しておくだけで得られるのである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、コードの根音に応じて音高の平行移動が
おこなわれるのでコードの変化時に音程が大きく離れる
ことがあり、なめらかで自然な自動伴奏を得られないと
いう問題点を有していた。

【０００６】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、自然でなめらかな効果的な自動伴奏を容易な構成で
提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の自動伴奏装置は、自動伴奏音の出力タイミ
ングを制御する自動伴奏出力タイミング制御装置と、決
定された自動伴奏音を記憶する自動伴奏音記憶装置と、
上記自動伴奏出力タイミング制御装置によって制御され
る出力タイミングに上記記憶された前回の自動伴奏音情
報と別に与えられるコード情報から得られるコードの構
成音との音高を比較しその音程差により自動伴奏音を決
定する自動伴奏音決定装置とを有している。

【０００８】

【作用】この構成によって、あらかじめメモリに格納さ
れた自動伴奏パターンをコードの根音によって平行移動
することなくコードの構成音から自動伴奏音を決定する
ので、自然でなめらかな効果的な自動伴奏を容易な構成
で提供することができる。

【０００９】

【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。

【００１０】図１は本発明の実施例における自動伴奏装
置の構成を示すものである。図１において、１は自動伴
奏の出力タイミングのみをあらかじめ格納した自動伴奏
タイミング格納メモリ、２は自動伴奏タイミング格納メ
モリ１から読み出した自動伴奏の出力タイミングデータ
に応じて自動伴奏の出力タイミングを制御する自動伴奏
出力タイミング制御装置である。３はコード指定用鍵盤
あるいはあらかじめ記憶されたシーケンサなどから与え
られるコード情報、４は自動伴奏出力タイミング制御装
置２から送られるタイミングデータ、コード情報３、前
回の自動伴奏音から自動伴奏音を決定する自動伴奏音決
定装置、５は自動伴奏音決定装置４で決定された自動伴
奏音を記憶し、記憶した自動伴奏音情報を次の自動伴奏
音決定時に自動伴奏音決定装置４にフィードバックする
自動伴奏音記憶装置である。

【００１１】以上のように構成された自動伴奏装置につ
いて、以下その動作を説明する。まず、自動伴奏出力タ
イミング制御装置２は自動伴奏タイミング格納メモリ１
から自動伴奏の出力タイミングを読み出し、その出力タ
イミングに応じて自動伴奏音決定装置４に信号を送る。
自動伴奏タイミング制御装置２から出力タイミングの信
号を受けた自動伴奏音決定装置４はまず、コード情報３
をコードの構成音に展開する。一方、自動伴奏音記憶装
置５からは前回の自動伴奏音情報が自動伴奏音決定装置
４に送られる。自動伴奏音決定装置４はこの前回の自動
伴奏音とコードの構成音それぞれとの音高を比較し、各
々の音程差を得る。この際、コードの構成音の音域は前
回の自動伴奏音との音程差が最も小さくなるように設定
し、さらに前回の自動伴奏音を中心にして音程差のデー
タが−６から＋５までの整数値となるようにする。そこ
で、得られた音程差の絶対値が最も小さいものを自動伴
奏音と決定し、出力するとともに、自動伴奏音記憶装置
５にも伴奏音情報を送る。

【００１２】以上のように本実施例によれば、自動伴奏
音の出力タイミングを制御する自動伴奏出力タイミング
制御装置と、決定された自動伴奏音を記憶する自動伴奏
音記憶装置と、上記自動伴奏出力タイミング制御装置に
よって制御される出力タイミングに上記記憶された前回
の自動伴奏音情報と別に与えられるコード情報から得ら
れるコードの構成音との音高を比較しその音程差により
自動伴奏音を決定する自動伴奏音決定装置とにより、自
然でなめらかな効果的な自動伴奏を容易な構成で発生さ
せる自動伴奏装置を提供することができる。これは特
に、ストリングスやヴォーカルの自動伴奏ライン作成に
効果がある。

【００１３】なお、本実施例では単音の自動伴奏を例と
したが、本実施例の構成を複数組み合わせて重音の自動
伴奏を実現することも可能である。これは、ギターなど
の和音伴奏作成に効果がある。

【００１４】なお、自動伴奏音決定装置において、得ら
れた前回の自動伴奏音とコードの構成音との音程差の絶
対値が最も小さいコードの構成音が複数であった場合、
それらの音高により何番目のものを選ぶかを、乱数や使
用楽器、演奏される曲想、ジャンルなど別の手段で決定
してもよい。

【００１５】なお、自動伴奏音決定装置において決定さ
れた自動伴奏音が、前回の自動伴奏音と同音であった場
合、音程差の絶対値が次に小さいコードの構成音を自動
伴奏音として決定してもよい。またこの際、この処理を
同音がある回数以上続いた場合に限ったり、この処理を
行うか否かを乱数や使用楽器、演奏される曲想、ジャン
ルなど別の手段で決定してもよい。

【００１６】なお、自動伴奏音決定装置において決定さ
れた自動伴奏音があらかじめ限られた範囲をこえた場合
さらにオクターブ単位で変更することにより、使用楽器
や演奏される曲想、ジャンルなどに適した自動伴奏を得
ることができる。

【００１７】なお、本実施例では自動伴奏出力タイミン
グをあらかじめメモリに格納しておいたが、必ずしもそ
の必要はない。

【００１８】

【発明の効果】以上のように本発明は自動伴奏音の出力
タイミングを制御する自動伴奏出力タイミング制御装置
と、決定された自動伴奏音を記憶する自動伴奏音記憶装
置と、上記自動伴奏出力タイミング制御装置によって制
御される出力タイミングに上記記憶された前回の自動伴
奏音情報と別に与えられるコード情報から得られるコー
ドの構成音との音高を比較しその音程差により自動伴奏
音を決定する自動伴奏音決定装置とを設けることによ
り、自然でなめらかな効果的な自動伴奏を容易な構成で
発生させる自動伴奏装置を実現できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例における自動伴奏装置の構成図

【図２】従来の自動伴奏装置の構成図

【符号の説明】

１ 自動伴奏タイミング格納メモリ ２ 自動伴奏出力タイミング制御装置 ３ コード情報 ４ 自動伴奏音決定装置 ５ 自動伴奏音記憶装置

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】自動伴奏音の出力タイミングを制御する自
   動伴奏出力タイミング制御装置と決定された自動伴奏音
   を記憶する自動伴奏音記憶装置と上記自動伴奏出力タイ
   ミング制御装置によって制御される出力タイミングに、
   上記記憶された前回の自動伴奏音情報と、別に与えられ
   るコード情報から得られるコードの構成音との音高を比
   較し、その音程差により自動伴奏音を決定する自動伴奏
   音決定装置とを備え、自然で効果的な自動伴奏を容易な
   構成で発生できることを特徴とする自動伴奏装置。
2. 【請求項２】自動伴奏音決定装置は前回の自動伴奏音と
   の音程差が最も小さいコードの構成音を自動伴奏音と決
   定することを特徴とした請求項１記載の自動伴奏装置。
3. 【請求項３】自動伴奏音決定装置は前回の自動伴奏音と
   の音程差が最も小さいコードの構成音が複数ある場合、
   その複数の構成音の音高により自動伴奏音を決定するこ
   とを特徴とした請求項１記載の自動伴奏装置。
4. 【請求項４】自動伴奏音決定装置は決定した自動伴奏音
   が自動伴奏音記憶装置に記憶された前回の自動伴奏音と
   同音であった場合、前回の自動伴奏音との音高差が次に
   小さいコードの構成音を自動伴奏音と決定することを特
   徴とした請求項１記載の自動伴奏装置。
5. 【請求項５】自動伴奏音決定装置は決定した自動伴奏音
   の音域に応じてさらに音程の変更をおこなうことを特徴
   とした請求項１記載の自動伴奏装置。
6. 【請求項６】自動伴奏タイミング格納メモリを付加し、
   自動伴奏出力タイミング制御装置は上記自動伴奏タイミ
   ング格納メモリから読み出した自動伴奏出力タイミング
   データにより自動伴奏の出力タイミングを制御すること
   を特徴とした請求項１記載の自動伴奏装置。