JP3166543B2 - 低アルコール含有量ポリウレタン樹脂の製造法及びそれを用いた印刷インキ組成物 - Google Patents

低アルコール含有量ポリウレタン樹脂の製造法及びそれを用いた印刷インキ組成物

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JP3166543B2 JP7527295A JP7527295A JP3166543B2 JP 3166543 B2 JP3166543 B2 JP 3166543B2 JP 7527295 A JP7527295 A JP 7527295A JP 7527295 A JP7527295 A JP 7527295A JP 3166543 B2 JP3166543 B2 JP 3166543B2
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俊一 加藤
実 大平
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東洋インキ製造株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟包装グラビアインキ
に好適に用いられる、低アルコール含有量ポリウレタン
樹脂の製造法及びそれを用いた印刷インキ組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、食品包装材料としてのプラスチッ
クフィルムは包装内容物の複雑化、包装技術の高度化に
伴い、各種のものが開発され、その結果内容物に適合し
うるフィルム及び構成を適宜選択して使用される様にな
った。包装形態としては、ポリエステルフィルム、ナイ
ロンフィルムを主に包装基材として用いられる、食品包
装後にボイル殺菌、レトルト殺菌工程を経由するもの
と、ポリプロピレンフィルムを主に包装基材として用い
られるボイル、レトルト殺菌を必要としないスナック食
品を主とするものに分けられ、それゆえこれらに用いら
れる印刷インキ用バインダーも要求される性能が異な
る。
【0003】近年、これら種々の基材フィルムに対する
接着性、印刷適性はもとより、ラミネート加工、ボイ
ル、レトルト加工適性を具備している印刷インキ用バイ
ンダーとしてポリウレタン樹脂が主に使用されている。
特にスナック食品を主とする印刷インキ用バインダーに
はボイル、レトルト加工適性は必要としないが、コスト
が低いこと、接着性が優れていること、印刷物、ラミネ
ート物の残留溶剤、特にトルエンを主とする芳香族炭化
水素系の残留溶剤が少ないポリウレタン樹脂が強く要求
されている。それゆえに、比較的安価なポリウレタン樹
脂のイソシアネート成分として4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネートを、溶剤成分としてトルエンを主
とする芳香族炭化水素系溶剤よりケトン系溶剤が、主に
利用されている。
【0004】また、一方で、有機溶剤を大量に使用する
グラビア印刷業界では、地方自治体における炭化水素排
出規制への対応や、最近相次いで施行された消防法、労
働安全衛生法改正への対応等の必要から、溶剤回収への
関心が高まっている。溶剤回収には単一溶剤系インキが
好ましく、尿素結合を有さないポリウレタン樹脂の中に
は、ケトン系またはエステル系単一溶剤に溶解するもの
が市販されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の尿素結合を有さないポリウレタン樹脂は、通常、多種
類の顔料を使用する軟包装用グラビア印刷の汎用性イン
キ用としては、流動性、発色性、接着性等の性能が低
く、工業的に安定して使用できない。一般的には、流動
性、発色性、接着性等の性能を良好にするために、ポリ
ウレタン樹脂骨格中に尿素結合を導入するが、尿素結合
を有するポリウレタン樹脂は、ケトン系またはエステル
系単一溶剤には溶解せず、アルコール等の極性溶剤の使
用が不可欠である。
【0006】しかしながら、多量のアルコールの存在
は、アルコールが水に溶解するため溶剤の分離、廃水処
理、経費面で、溶剤回収上(特に水蒸気脱着)好ましく
ないという欠点がある。また、イソシアネート成分とし
て、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートより
なるポリウレタン樹脂はケトン系溶剤およびアルコール
系溶剤に溶解するが、ケトン系溶剤およびアルコール系
溶剤中にて高分子ポリオールと過剰のイソシアネート化
合物とを反応させてなる末端にイソシアネート基を有す
るプレポリマーとアミン系鎖伸長剤にてポリウレタン樹
脂を製造する場合、芳香族炭化水素系溶剤およびアルコ
ール系溶剤中にて製造する場合よりも分子量が大きくな
らず、求める分子量にならないことがある。これは、鎖
伸長剤であるアミンとケトン系溶剤とが反応してケチミ
ンとなり、アミン系鎖伸長剤がブロックされてしまう為
と考えられる。よってケトン系溶剤以外の溶剤として、
エステル系溶剤およびアルコール系溶剤も利用できる
が、イソシアネート成分として4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネートよりなるポリウレタン樹脂はエス
テル系溶剤およびアルコール系溶剤への溶解性が悪く、
アルコール系溶剤の量が少なくなると、白濁、不溶解物
を生じ、経時にて増粘、ゲル化を起こす。アルコール系
溶剤の量を多くすれば、溶解性は向上するが、経時での
増粘、ゲル化は止まらず、又、溶剤回収の面でも好まし
くはない。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、前記従来技
術の課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、安価な
芳香族イソシアネートを使用した尿素結合を有するポリ
ウレタン樹脂に対して特定の溶剤組成比、特定のイソシ
アネート基と水酸基の当量比および特定の加熱処理を行
なうことにより、前記課題を解決しうることを見出し、
本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は高分
子ポリオールと過剰の4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネートとを反応させてなる末端にイソシアネート
基を有するプレポリマーを鎖伸長剤及び/又は反応停止
剤と反応させて得られる尿素結合を有するポリウレタン
樹脂において、溶剤として80重量%以上のエステル系
溶剤と20重量%以下のアルコール系溶剤からなり、か
つ高分子ポリオールと4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネートのイソシアネート基/水酸基の当量比が
1.5/1〜1.9/1の範囲で反応させ、ついで鎖伸
長剤および/または反応停止剤と反応後60〜90℃で
加熱させてなる低アルコール含有量ポリウレタン樹脂の
製造法に関する。
【0008】更には、低アルコール含有量ポリウレタン
樹脂を含有してなる印刷インキ組成物に関する。本発明
で用いられるエステル系溶剤としては、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢
酸−n−ブチル、酢酸イソブチルなどが挙げられるが、
印刷インキの乾燥性、臭気の面より酢酸エチルが好まし
い。アルコール系溶剤としては、メチルアルコール、エ
チルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコールなどが挙げられ
る。
【0009】アルコール系溶剤量は20重量%以下であ
り、ポリウレタン樹脂を溶解しうる範囲で少ないほど好
ましい。アルコール系溶剤量が20重量%を超えると溶
剤回収性の面で好ましくない。本発明に用いられるポリ
ウレタン樹脂を製造する方法について、均一なポリウレ
タン樹脂が得やすいという点で2段法が好ましい。すな
わち高分子ポリオールと4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネートとをイソシアネート基/水酸基の当量比
が1.5/1〜1.9/1の範囲内で、特に好ましくは
1.6/1〜1.8/1の範囲内でイソシアネート基が
過剰となる割合で反応させ、高分子ポリオールの両末端
にイソシアネート基を有するプレポリマーを調製し、次
いでこれをエステル系溶剤及びアルコール系溶剤の混合
溶剤中でアミン類鎖伸長剤及び/又は反応停止剤と反応
させる方法である。
【0010】ここで高分子ポリオールと4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネートとのイソシアネート基/
水酸基の当量比が水酸基を1当量とした場合、イソシア
ネーチ基の当量が1.5未満では乾燥性、耐ブロッキン
グ性、皮膜強度が充分でなく、これをバインダーに用い
た印刷インキにおいては接着性が劣り、又1.9を越え
るとポリウレタン樹脂溶液が白濁、不溶解物やゲル化を
生じ、印刷インキ用バインダーとしてはインキ化適性、
再溶解性、印刷適性などの点で好ましくない。また得ら
れたプレポリマーとアミン類鎖伸長剤及び/又は反応停
止剤を反応させる際の条件も特に限定はされないが、プ
レポリマーの両末端に有する遊離のイソシアネート基を
1当量とした場合、アミン類鎖伸長剤及び/又は反応停
止剤中のアミン基の合計当量が0.5〜1.3の範囲内
であることが好ましい。アミン基の合計当量が0.5未
満の場合、乾燥性、耐ブロッキング性、皮膜強度が充分
ではなく、1.3より過剰になるとアミン類鎖伸長剤及
び/又は反応停止剤が未反応のまま残存し、印刷物に臭
気が残り易くなる。
【0011】プレポリマーとアミン類鎖伸長剤及び/又
は反応停止剤と反応後はポリウレタン樹脂の経時での増
粘、ゲル化を生じにくくする為60〜90℃で30分〜
6時間加熱させる。60℃未満では経時での増粘、ゲル
化を抑えるのが不充分であり、90℃を越えても効果の
増加はみられない。該ポリウレタン樹脂を得るための高
分子ポリオールとしては、一般にポリウレタンの高分子
ポリオール成分として知られている各種のものが使用で
きる。例えば酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒ
ドロフラン等の重合体もしくは共重合体等のポリエーテ
ルポリオール類:エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジ
オール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオ
ール、1,4−ブチンジオール、ジプロピレングリコー
ル等の飽和及び不飽和の各種公知の低分子グリコール類
またはn−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキ
シルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテ
ル類、バーサティック酸グリシジルエステル等のモノカ
ルボン酸グリシジルエステル類と、アジピン酸、マレイ
ン酸、フマル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、コハク酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、
ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等
の二塩基酸またはこれらに対応する酸無水物やダイマー
酸等とを脱水縮合せしめて得られるポリエステルポリオ
ール類:環状エステル化合物を開環重合して得られるポ
リエステルポリオール類:その他ポリカーボネートポリ
オール類、ポリブタジエングリコール類、ビスフェノー
ルAに酸化エチレンもしくは酸化プロピレンを付加して
得られるグリコール類等が挙げられる。
【0012】なお、上記高分子ポリオールのうちグリコ
ール類と二塩基酸とから得られる高分子ポリオールの場
合には、該グリコール類のうち5モル%までを以下の各
種ポリオールに置換することができる。例えば、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタ
ン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブ
タントリオール、ソルビトール、ペンタエリスリトール
等が挙げられる。上記高分子ポリオールの分子量は、得
られるポリウレタンの溶解性、乾燥性、耐ブロッキング
性等を考慮して適宜決定され、通常は700〜5000
程度、好ましくは1000〜4000の範囲内とするの
がよい。分子量が700未満になると溶解性の低下に伴
い印刷適性が低下する傾向があり、5000を越えると
乾燥性及び耐ブロッキング性が低下する傾向がある。
【0013】アミン類鎖伸長剤としては各種公知のアミ
ン類を使用することができる。例えばエチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ト
リエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホ
ロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジア
ミンなどが挙げられる。その他、2−ヒドロキシエチル
エチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレン
ジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、
ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒ
ドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキ
シプロピルエチレンジアミン等の分子内に水酸基を有す
るジアミン類およびダイマー酸のカルボキシル基をアミ
ノ基に転化したダイマージアミン等もその代表例とし挙
げられる。
【0014】反応停止剤としては、例えばジ−n−ブチ
ルアミン等のジアルキルアミン類、ジエタノールアミン
等のジアルカノールアミン類が挙げられる。叙上のごと
くして得られるポリウレタン樹脂の分子量は5000〜
100000の範囲内とするのが好適である。分子量が
5000に満たない場合には、これをバインダーとして
用いられた印刷インキの乾燥性、耐ブロッキング性、皮
膜強度および耐油性などが劣り、100000を越える
場合にはポリウレタン樹脂溶液の粘度が上昇したり、印
刷インキの光沢が低下する傾向にある。ポリウレタン樹
脂の樹脂固型分濃度は特に制限されず、印刷時の作業性
などを考慮して適宜決定される。実用上は、樹脂固型分
濃度は15〜60重量%とし、粘度は50〜10000
0cps(25℃)とするのが好適である。
【0015】本発明のバインダーを使用して印刷インキ
を製造する場合は、各種顔料、溶剤を加え、必要に応じ
てブロッキング防止剤、可塑剤などの添加剤、インキ流
動性及び分散性を改良する為の界面活性剤、あるいはポ
リウレタン樹脂と相溶性を有する樹脂を併用し、ボール
ミル、アトライター、サンドミルなどの通常の印刷イン
キ製造装置を用いて混練する。使用する溶剤としては、
メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルア
ルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコ
ール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプ
ロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル等のエステ
ル系溶剤が挙げられるが、溶剤回収性の点よりインキ組
成物中の全溶剤量の10重量%以下のアルコール系溶剤
からなり、他の成分としてはエステル系溶剤が好まし
い。
【0016】併用できる樹脂としては、硝化綿、塩素化
ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化エチレン
/プロピレン等の塩素化ポリオレフィン、クロルスルホ
ン化ポリオレフィン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、
またはその塩素化もしくはクロルスルホン化物、マレイ
ン酸樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体等が挙げら
れる。
【0017】
【実施例】以下、実施例及び比較例をあげて本発明を詳
細に説明するが、本発明はこれら各例に限定されるもの
ではない。なお、各例中の部および%は重量部および重
量%を表わす。 〔実施例1〕攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガ
ス導入管を備えた四つ口フラスコにアジピン酸と3−メ
チル−1,5−ペンタンジオールから得られる分子量2
000のポリエステルジオール1000部、および4,
4−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと
いう)225.2部を仕込み、窒素気流下に90℃で6
時間反応させ、これに酢酸エチル1213部を加えてウ
レタンプレポリマーの均一溶液とした。次いでイソホロ
ンジアミン12.2部、ジ−n−ブチルアミン2.58
部、酢酸エチル243部及びイソプロピルアルコール
(以下IPAという)121部からなる混合物の存在下
に上記ウレタンプレポリマー溶液488部を添加し、攪
拌下に70℃で3時間反応させ、固形分30%、25℃
における粘度2900cps、重量平均分子量(以下M
wという)38000のポリウレタン樹脂溶液(A)を
得た。
【0018】このものの外観は無色透明であった。次
に、ポリウレタン樹脂溶液(A)40部、酸化チタン
(ルチル型)30部及び酢酸エチル30部の混合物を練
肉し、白色印刷インキ(a)を作成した。 〔実施例2〕実施例1と同様の反応装置に分子量200
0のポリ(プロピレンアジペート)ジオール1000部
およびMDI200.2部を仕込み、窒素気流下に90
℃で6時間反応させ、これに酢酸エチル1319部を加
えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いでイ
ソホロンジアミン9.16部、ジ−n−ブチルアミン
1.94部、酢酸エチル264部及びIPA59部から
なる混合物の存在下に上記ウレタンプレポリマー溶液5
04部を添加し、攪拌下に70℃で3時間反応させ、固
形分30%、25℃における粘度1500cps、Mw
41000のポリウレタン樹脂溶液(B)を得た。この
ものの外観は無色透明であった。
【0019】次に、ポリウレタン樹脂溶液(B)40
部、酸化チタン(ルチル型)30部、酢酸エチル27部
及びIPA3部の混合物を練肉し、白色印刷インキ
(b)を作成した。 〔比較例1〕実施例1と同様の反応を行ない、ウレタン
プレポリマー滴下後、攪拌下に70℃で3時間のところ
を50℃で3時間反応させ、固形分30%、25℃にお
ける粘度3000cps、Mw39000のポリウレタ
ン樹脂溶液(C)を得た。このものの外観は無色透明で
あった。 〔比較例2〕実施例1と同様の反応装置にアジピン酸と
3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られる分
子量2000のポリエステルジオール1000部および
MDI275.3部を仕込み、窒素気流下に90℃で6
時間反応させ、これに酢酸エチル1294部を加えてウ
レタンプレポリマーの均一溶液とした。次いでイソホロ
ンジアミン18.3部、ジ−n−ブチルアミン3.88
部、酢酸エチル259部、及びIPA129部からなる
混合物の存在下に上記ウレタンプレポリマー溶液514
部を添加し、攪拌下に70℃で3時間反応させ、固形分
30%、25℃における粘度1800cpsのポリウレ
タン樹脂溶液(D)を得たが、このものの外観は白濁不
透明で一部不溶解物が生じており、印刷インキ用バイン
ダーとしては不適であった。 〔比較例3〕実施例1と同様の反応装置にアジピン酸と
3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られる分
子量2000のポリエステルジオール1000部及びM
DI162.7部を仕込み、窒素気流下に90℃で6時
間反応させ、これに酢酸エチル1250部を加えてウレ
タンプレポリマーの均一溶液とした。次いでイソホロン
ジアミン4.42部、ジ−n−ブチルアミン1.16
部、酢酸エチル250部及びイソプロピルアルコール5
6部からなる混合物の存在下に上記ウレタンプレポリマ
ー溶液483部を添加し、撹拌下に70℃で3時間反応
させ、固定分30%、25℃における粘度4100cp
s、Mw46000のポリウレタン樹脂溶液(E)を得
た。このものの外観は無色透明であった。
【0020】次に、ポリウレタン樹脂溶液(E)40
部、酸化チタン(ルチル型)30部、酢酸エチル27部
及びIPA3部の混合物を練肉し、白色印刷インキ
(c)を作成した。 〔比較例4〕実施例1において溶剤としてメチルエチル
ケトンを酢酸エチルの代わりに用い反応させ、固形分3
0%、25℃における粘度100cps、Mw2500
0のポリウレタン樹脂溶液(F)を得た。このものの外
観は無色透明であった。次にポリウレタン樹脂溶液
(F)40部、酸化チタン(ルチル型)30部及び酢酸
エチル30部の混合物を練肉し、白色印刷インキ(d)
を作成した。 〔比較例5〕実施例1と同様の反応装置にアジピン酸と
3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られる分
子量2000のポリエステルジオール1000部および
MDI 225.2部を仕込み、窒素気流下に90℃で
6時間反応させ、これに酢酸エチル1213部を加えて
ウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いでイソホ
ロンジアミン12.2部、ジ−n−ブチルアミン2.5
8部及び酢酸エチル364部からなる混合物の存在下に
上記ウレタンプレポリマー溶液483部を撹拌しながら
添加したところ、撹拌羽根に樹脂が巻き付き、ゲル化を
生じ、印刷インキバインダーとして使用できなかった。 〔比較例6〕実施例1と同様の反応装置にアジピン酸と
3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られる分
子量2000のポリエステルジオール500部およびM
DI46.9部を仕込み、窒素気流下に90℃で6時間
反応させた。次いで、これに酢酸エチル1276部を添
加し、撹拌させ、固形分30%、25℃における粘度3
400cps、Mw35000のポリウレタン樹脂溶液
(H)を得た。次に、ポリウレタン樹脂溶液(H)40
部、酢酸エチル(ルチル型)30部及び酢酸エチル30
部の混合物を練肉し、白色印刷インキ(e)を作成し
た。 〔比較例7〕実施例1と同様の反応装置にアジピン酸と
3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られる分
子量2000のポリエステルジオール1000部および
MDI 225.2部を仕込み、窒素気流下に90℃で
6時間反応させ、これに酢酸エチル909部を加えてウ
レタンプレポリマーの均一溶液とした。次いでイソホロ
ンジアミン12.2部、ジ−n−ブチルアミン2.58
部、酢酸エチル182部及びIPA242部からなる混
合物の存在下に上記ウレタンプレポリマー427部を添
加し、撹拌下に50℃で3時間反応させ、固形分30
%、25℃における粘度1200cps、Mw4000
0のポリウレタン樹脂溶液(I)を得た。
【0021】次にポリウレタン樹脂溶液(I)40部、
酸化チタン(ルチル型)30部及び酢酸エチル30部の
混合物を練肉し、白色印刷インキ(f)を作成した。得
られたポリウレタン樹脂溶液の経時安定性の評価を行な
った。評価結果を表1に示す。なお評価は以下の方法に
よった。 (ワニスの経時安定性)得られたポリウレタン樹脂溶液
を200mlのガラス製サンプル瓶に入れ、40℃、1
週間後の貯蔵安定性を評価した。評価結果は次の通りで
ある。 ○…粘度の増粘率が50%未満のもの △…粘度の増粘率が50〜100%のもの ×…粘度の増粘率が100%を越えるもの なお、増粘率は次の式による。
【0022】増粘率(%)=(経時後の粘度−経時前の
粘度)/(経時前の粘度)*100 また、得られたインキの経時安定性、流動性、発色性、
溶剤回収性、接着性及び耐ブロッキング性の評価を行な
った。評価結果を表2に示す。なお評価は以下の方法に
よった。 (1)経時安定性 得られた白色印刷インキを200mlのガラス製サンプ
ル瓶に入れ40℃、1週間後の貯蔵安定性を評価した。
評価結果の判定値は次の通りである。
【0023】○…製造直後に比べて増粘・ゲル化が認め
られない。 △…製造直後に比べてゲル化はしないが、粘度上昇が認
められる。 ×…製造直後に比べてゲル化している。 (2)流動性 インキの流動状態を目視判定した。評価結果の判定値は
次の通りである。 ○…優れている。 △…普通 ×…劣っている。 (3)発色性 白色印刷インキを、マイヤーバー#4でコロナ処理ポリ
エステルフィルム(東洋紡績社製「エステルE510
0」厚さ15μm、以下PETという)の処理面に、塗
布し塗布物の外観を濃度、光沢、透明性の点から総合判
定した。評価結果の判定値は次の通りである。
【0024】○…優れている。 △…普通 ×…劣っている。 (4)溶剤回収性 インキ中に含まれるアルコール量により、判定評価を行
った。 ◎…非常に優れている。 ○…優れている。 △…普通 ×…劣っている。 (5)接着性 白色印刷インキをマイヤーバー#4でPETフィルム及
びコロナ処理ポリプロピルフィルム(東洋紡績社製「P
−2161」厚さ20μ、以下OPPという)の処理面
に、塗布、乾燥し、1日放置後、インキ面にセロハンテ
ープを貼り付け、これを急速に剥がしたときのインキ皮
膜の外観の状態を目視判定した。なお判定基準は次の通
りとした。
【0025】◎…インキ皮膜が全くはがれなかった。 ○…インキ皮膜の80%以上がフィルムに残った。 △…インキ皮膜の50%〜80%がフィルムに残った。 ×…インキ皮膜の50%以下がフィルムに残った。 (6)耐ブロッキング性 白色印刷インキをマイヤーバー#4でOPPフィルムの
処理面に塗布、乾燥し、インキ面同士を重ね合わせ、温
度40℃、湿度80%、圧力1kg/cm2 で1昼夜放
置した試料を再び広げ、その時の剥離抵抗及びインキの
取られる程度を目視判定した。なお、判定基準は次の通
りとした。
【0026】◎…全く抵抗の無かったもの ○…わずかに抵抗があるが、インキの取られないもの △…インキの取られがあるもの ×…剥離困難な状態のもの
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明によりエステル系溶剤及びアルコ
ール系溶剤にて、白濁、不溶解物がなく、経時安定性が
良好な低アルコール含有量ポリウレタン樹脂を製造する
ことができ、該ポリウレタン樹脂を用いた印刷インキ組
成物は、安価で芳香族炭化水素の溶剤を含まず、安定
性、流動性、発色性、接着性、耐ブロッキング性等物性
に優れ、かつ低アルコール含有量のため溶剤回収性に優
れるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−141721(JP,A) 特開 昭61−255968(JP,A) 特開 昭61−120874(JP,A) 特開 昭64−20272(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/00 - 18/87 C08L 75/00 - 75/12 C09D 11/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子ポリオールと過剰の4,4’−ジ
    フェニルメタンジイソシアネートとを反応させてなる末
    端にイソシアネート基を有するプレポリマーを鎖伸長剤
    及び/又は反応停止剤と反応させて得られる尿素結合を
    有するポリウレタン樹脂において、溶剤として80重量
    %以上のエステル系溶剤と20重量%以下のアルコール
    系溶剤からなり、かつ高分子ポリオールと4,4’−ジ
    フェニルメタンジイソシアネートのイソシアネート基/
    水酸基の当量比が1.5/1〜1.9/1の範囲で反応
    させ、ついで鎖伸長剤及び/又は反応停止剤と反応後6
    0〜90℃で加熱させてなる低アルコール含有量ポリウ
    レタン樹脂の製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法により製造される低
    アルコール含有量ポリウレタン樹脂を含有する印刷イン
    キ組成物。
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