JP5828397B2 - 印刷インキ用バインダーおよび印刷インキ組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷インキ用バインダーおよび印刷インキ組成物に関する。
ポリウレタン樹脂は柔軟性に富み、ポリエステルフィルム(PET)やナイロンフィルム(NY)等の種々のプラスチックフィルムに対する密着性に優れるため、印刷インキ、特に包装用の特殊グラビア印刷インキのバインダーとして広く用いられている。しかし、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィンフィルムには一般に十分な密着性を示さない。そこで、例えば、分子中に複数の水酸基を有する塩素化ポリプロピレンを主原料とするウレタン変性塩素化ポリプロピレンと他のポリウレタン樹脂とからなる混合物を使用した印刷インキ用バインダーが提案されている(特許文献1を参照)。しかしながら、二種類のポリウレタン樹脂を必須とするため製造や取り扱いの点で難がある。
また、近年、作業環境や労働者の健康に関する関心が高まるにつれ、印刷インキ用バインダーに使用する有機溶剤について、従来汎用されていた芳香族系溶剤(トルエン等)やケトン系溶剤(メチルエチルケトン等)をエステル系溶剤(酢酸エチル等)やアルコール系溶剤(イソプロピルアルコール等)に代替することが要請されている。しかしながら、水酸基含有塩素化ポリプロピレンを主原料とするポリウレタン樹脂は一般にエステル類やアルコール類に溶解し難く、例えば、エステル類を含む溶剤中で特許文献1のウレタン変性塩素化ポリプロピレンを製造すると安定な溶液が得られない等の問題があった。
特開平6−41488号公報
本発明は、エステル類およびアルコール類からなる有機溶剤の溶液として安定であり(以下、溶液安定性という)、しかも各種プラスチックフィルム、特にポリオレフィンフィルムに対するインキ皮膜の密着性にも優れる印刷インキ用バインダーを提供することを課題とする。
本発明者は鋭意検討した結果、ポリウレタン樹脂を構成するポリオールとして水酸基含有塩素化ポリプロピレンとポリエステルポリオールを用い、かつ、鎖長停止剤として特定のケチミン化合物を使用することにより前記課題を解決し得る印刷インキ用バインダーを提供できることを見出した。
すなわち本発明は、水酸基含有塩素化ポリプロピレン(A)、ジカルボン酸類(b1)および分岐状グリコール類(b2)からなるポリエステルポリオール(B)、炭素数4〜8の直鎖状脂肪族ジイソシアネート(C)、鎖伸長剤(D)、ならびに分子内にアミノ基を1個有するジケチミン化合物を含む鎖長停止剤(E)を反応させてなるポリウレタン樹脂を、エステル類およびアルコール類からなる有機溶剤(F)に溶解させてなる印刷インキ用バインダー、ならびに、当該印刷インキ用バインダーを含有してなる印刷インキ組成物に関する。
本発明の印刷インキ用バインダーは、エステル類およびアルコール類からなる溶剤の安定な溶液(ワニス)として使用でき、業界における近年の環境意識に合致している。また、当該バインダーは常温だけでなく0度以下の低温でも安定である。また当該バインダーによれば、ポリオレフィン樹脂や他の合成樹脂(ポリエステル、ナイロン等)からなるプラスチックフィルムに対する密着性に優れる印刷インキ組成物が得られる。当該印刷インキ組成物は、グラビア印刷インキ等の凹版用インキ、特に包装用の特殊グラビア印刷インキのバインダーとして好適である。
本発明の印刷インキ用バインダーは、水酸基含有塩素化ポリプロピレン(A)(以下、(A)成分という)、ジカルボン酸類(b1)(以下、(b1)成分という)および分岐状グリコール類(b2)(以下、(b2)成分という)からなるポリエステルポリオール(B)(以下、(B)成分という)、炭素数4〜8の直鎖状脂肪族ジイソシアネート(C)(以下、(C)成分という)、鎖伸長剤(D)(以下、(D)成分という)、ならびに分子内にアミノ基を1個有するジケチミン化合物を含む鎖長停止剤(E)(以下、(E)成分という)を反応させてなるポリウレタン樹脂をエステル類およびアルコール類からなる有機溶剤(F)(以下、(F)成分という)に溶解させてなるものである。
(A)成分としては、分子中に水酸基を有する塩素化ポリプロピレンであれば、各種公知のものを特に制限なく使用できる。(A)成分の物性は特に限定されないが、溶液安定性や密着性等の点より、数平均分子量が通常500〜50000程度、好ましくは700〜30000であり、塩素含有量が通常20〜60%程度、好ましくは25〜45%である。なお、「%」は重量%を意味する(以下、同様)。
(A)成分は各種公知の方法で製造できる。具体的には、例えば、市販の塩素化ポリプロピレンと、水酸基を有し且つラジカル重合性の二重結合を有する化合物とを公知の方法で反応させることにより得られる。当該二重結合性の化合物としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、アリルアルコール、1,4−ブテンジオールなどが挙げられる。また、(A)成分は後述のエステル類の溶液(分散液)として使用するのが好ましい。
本発明では、ポリウレタン樹脂をなすソフトセグメント成分として(A)成分とともに(B)成分を使用する点に特徴がある。(B)成分を併用することで、本発明に係るポリウレタン樹脂の(F)成分への溶解性を確保できるようになる。
(B)成分をなす(b1)成分としては、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸や、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、しゅう酸、マロン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。また、(b2)成分としては、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2―エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール等の分岐状脂肪族ジオールが挙げられる。なお、該(b2)成分とともに、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の直鎖状グリコール類を少量併用してもよいが、その使用量は、(b2)成分に対し通常10モル%未満である。
(B)成分の製造法は特に限定されず、例えば、前記(b1)成分と(b2)成分を、(b2)成分がやや過剰となる使用量比、具体的には(b1)成分:(b2)成分のモル比が1:1.02〜1:1.15程度なる範囲において脱水縮合反応させればよい。また、反応温度は通常150〜250℃程度、反応時間は通常5〜10時間程度であり、常圧下または減圧下で行なえる。
(B)成分の物性は特に制限されないが、溶液安定性と密着性等の観点より、数平均分子量が通常1000〜10000程度、好ましくは2000〜6000であり、水酸基価が通常11〜110mgKOH/g程度、好ましくは19〜56mgKOH/gである。
なお、(B)成分とともに、ポリエーテルポリオール、(B)成分以外のポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等の他の高分子ポリオールを併用できるが、溶液安定性の観点より、その量は通常、(B)成分に対して通常10重量%未満である。
(A)成分と(B)成分の使用量は特に限定されないが、溶液安定性と密着性等の観点より、(A)成分と(B)成分の合計100重量%(不揮発分換算)に占める(A)成分の比率が通常1〜10重量%程度、好ましくは2〜5重量%となる範囲である。
(C)成分としては溶液安定性や特に密着性の点より炭素数が4〜9の直鎖状脂肪族ジイソシアネートが好ましい。
(A)および(B)成分と(C)成分との使用比率は特に限定されないが、溶液安定性および密着性等を考慮すると、(A)および(B)成分の水酸基の合計1モルに対して(C)成分に含まれるイソシアネート基が通常1.1〜5モル程度、好ましくは1.3〜4モルとなる範囲である。
(D)成分としては、前記した(b2)成分や各種公知のジアミン類を使用できる。ジアミン類としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン等が挙げられる。
(E)成分には、分子内にアミノ基を1個有するジケチミン化合物が含まれる。その量は通常、(E)成分全体において通常30〜100モル%程度、好ましくは30〜60モル%程度である。当該ジケチミン化合物としては、各種公知のものを特に制限なく使用できるが、下記一般式で示されるものが好ましい。
(式中、各Rは同一または異なっていてよく、それぞれ−CH、−CHCH、−CH−CH(CHのいずれかを示す。また、nは1〜4の整数を表す。)
当該式で表されるジケチミン化合物は、各種公知のジアルキレントリアミン類とケトン化合物とから得られる。該ジアルキレントリアミン類としては、例えば、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジブチレントリアミン等が、また、該ケトン化合物としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
また、(E)成分の残部としては、ジ−n−ブチルアミン、モノ−n−ブチルアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等のモノアミン類が挙げられる。
本発明の印刷インキ用バインダーは、(A)成分〜(E)成分を反応させてなるポリウレタン樹脂を(F)に溶解させたものである。該ポリウレタン樹脂の製造法としては、各種公知のワンポット法やプレポリマー法が挙げられる。プレポリマー法においては一旦、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を通常80〜90℃程度、3〜4時間程度反応させて両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造する。なお、ウレタン化反応に際しオクチル酸錫等の触媒を使用できる。次いで、当該ウレタンプレポリマーと(D)成分及び(E)成分とを反応させる。
(D)成分及び(E)成分の使用量は特に限定されないが、通常は、(A)成分〜(C)成分から得られるプレポリマーが有するイソシアネート基1モルに対して、(D)成分及び(E)成分のアミノ基(合計)が通常0.5〜2モル程度、好ましくは0.5〜1.4モルとなる範囲である。また、(D)成分と(E)成分の使用比率も特に限定されないが、通常は、(D)成分と(E)成分の合計100重量%に占める(D)成分の比率が25〜85重量%程度、好ましくは40〜70重量%となる範囲である。(D)成分及び(E)成分を反応させる際の条件は、通常40〜50℃程度、2〜3時間程度である。
こうして得られたポリウレタン樹脂の物性は特に限定されないが、例えば数平均分子量は、溶液安定性や密着性、印刷インキの粘度等を考慮して、通常5000〜100000程度である。
(F)成分は、エステル類およびアルコール類からなり、該エステル類としては酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸ブチル等が、該アルコール類としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等が挙げられる。また、両者の使用重量比は通常2/1〜6/1程度である。また、本発明のバインダーにおける(F)成分の使用量は特に制限されないが、通常は、得られるポリウレタン樹脂溶液の不揮発分が20〜50重量%程度となる範囲である。また、(F)成分は、前記製造方法における反応溶媒としても使用でき、この場合、得られたポリウレタン樹脂溶液をそのまま印刷インキ用バインダーとして使用できる。
本発明の印刷インキ組成物は、本発明の印刷インキ用バインダーを含有してなるものであり、通常は着色材、面活性剤、ワックス、その他の添加剤とともに、ボールミル、アトライター、サンドミル等の装置を使用して製造する。また、インキ溶剤としては前記(F)成分に加え、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤を併用してもよい。また、本発明に係るポリウレタン樹脂の含有量は、不揮発分換算で3〜20重量%程度である。なお、本発明に係るポリウレタン樹脂以外のポリウレタン樹脂や、硝化綿、エチレン/酢酸ビニル共重合体等の樹脂を併用してもよい。
当該印刷インキ組成物を適用する基材としては、例えば、ポリエステルフィルムやナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィンフィルムが挙げられる。これらは各種表面処理(コロナ処理等)がされていてもよい。
以下、実施例および比較例を通じて本発明を詳細に説明するが、これらに限定されるものではない。なお、各例中、部および%は特記しない限り重量基準である。
参照例1 撹拌機、温度計および窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、塩素含有量が30%である水酸基含有塩素化ポリプロピレンの酢酸エチル分散液(不揮発分60%)を16部、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られる数平均分子量5000のポリエステルジオールを500部、イソホロンジイソシアネートを56部、および酢酸エチルを30部仕込み、窒素気流下に70℃で2時間ウレタン化反応を実施した。次いでオクチル酸錫を0.1部加えて2時間、再度オクチル酸錫を0.1部加えて2時間保温した後、酢酸エチル220部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液を得た。次いで、当該溶液にイソホロンジアミン19部、ジ−n−ブチルアミン3部、ジエタノールアミン1部、ジエチレントリアミンとメチルイソブチルケトンから得られるケチミン化合物(1)(下記式参照)8部、酢酸エチル670部、およびイソプロピルアルコール460部からなる溶液を滴下しながら、反応系を50℃で3時間保温することによって、不揮発分が30%であるポリウレタン樹脂溶液を得た。なお、その外観に分離、ゲル状物質は認められなかった。当該ポリウレタン樹脂溶液はそのまま印刷インキ用バインダーとして用いた。
なお、前記した水酸基含有塩素化ポリプロピレン(不揮発分60%)は次のようにして製造した。即ち、メルトインデックスが14g/10分のアイソタクチックポリプロピレン4kgを四塩化炭素80リットルに加圧下で均一に溶解し、100℃で紫外線を照射しつつ塩素ガスを吹き込み、塩素化を行った。塩素含有率が30%の試料を抜き取り、四塩化炭素を留去して酢酸エチルに置換し、不揮発分59%の塩素化ポリプロピレン分散液を得た。得られた塩素化ポリプロピレン溶液800部、2−ヒドロキシエチルアクリレート19部、t−ブチルパーオキシベンゾエート6部を参照例1と同様の丸底フラスコに仕込み、100℃で4時間反応させた。さらに、t−ブチルパーオキシベンゾエートを2時間毎に1部ずつ加えて4時間反応させ、不揮発分60%の水酸基含有塩素化ポリプロピレンの酢酸エチル分散液は得られた。
実施例 参照例1と同様の丸底フラスコに、前記方法で得られた水酸基含有塩素化ポリプロピレン酢酸エチル分散液(不揮発分60%)を16部、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られる数平均分子量5000のポリエステルジオールを500部、ヘキサメチレンジイソシアネートを43部、酢酸エチルを30部仕込み、窒素気流下に70℃で2時間ウレタン化反応を実施した。次いでオクチル酸錫を0.1部加えて2時間、再度オクチル酸錫を0.1部加えて2時間保温した後、酢酸エチル210部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液を得た。次いで、当該溶液にイソホロンジアミン18部、ジ−n−ブチルアミン4部、ジエタノールアミン1部、前記ケチミン化合物(1)8部、酢酸エチル660部およびイソプロピルアルコール450部からなる溶液を滴下しながら、反応系を50℃で3時間保温することによって、不揮発分が30%であるポリウレタン樹脂溶液を得た。また、その外観に分離、ゲル状物質は認められなかった。当該ポリウレタン樹脂溶液はそのまま印刷インキ用バインダーとして用いた。
参照 撹拌機、温度計および窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、前記方法で得られた水酸基含有塩素化ポリプロピレン酢酸エチル分散液(不揮発分60%)を16部、アジピン酸と2−メチル−1,3−プロパンジオールから得られる数平均分子量4000のポリエステルジオールを500部、イソホロンジイソシアネートを78部、および酢酸エチルを30部仕込み、窒素気流下に70℃で2時間ウレタン化反応を実施した。次いでオクチル酸錫を0.1部加えて2時間、再度オクチル酸錫を0.1部加えて2時間保温した後、酢酸エチル215部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液を得た。次いで、当該溶液にイソホロンジアミン28部、ジ−n−ブチルアミン4部、ジエタノールアミン1部、前記ケチミン化合物(1)9部、酢酸エチル720部、およびイソプロピルアルコール490部からなる溶液を滴下しながら、反応系を50℃で3時間保温することによって、不揮発分が30%であるポリウレタン樹脂溶液を得た。なお、その外観に分離、ゲル状物質は認められなかった。当該ポリウレタン樹脂溶液はそのまま印刷インキ用バインダーとして用いた。
比較例1 参照例1と同様の丸底フラスコに、前記方法で得られた水酸基含有塩素化ポリプロピレン酢酸エチル分散液(不揮発分60%)を16部、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られる数平均分子量5000のポリエステルジオールを500部、イソホロンジイソシアネートを45部、および酢酸エチルを30部仕込み、窒素気流下に70℃で2時間ウレタン化反応を実施した。次いでオクチル酸錫を0.1部加えて2時間、再度オクチル酸錫を0.1部加えて2時間保温した後、酢酸エチル210部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、当該溶液にイソホロンジアミン14部、ジ−n−ブチルアミン2部、ジエタノールアミン1部、酢酸エチル640部、およびイソプロピルアルコール440部からなる溶液を滴下しながら、反応系を50℃で3時間保温することによって、不揮発分が30%であるポリウレタン樹脂溶液を得た。また、その外観に分離、ゲル状物質は認められなかった。当該ポリウレタン樹脂溶液はそのまま印刷インキ用バインダーとして用いた。
比較例2 参照例1と同様の丸底フラスコに、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られる数平均分子量5000のポリエステルジオールを500部、イソホロンジイソシアネートを56部、および酢酸エチルを30部仕込み、窒素気流下に120℃で6時間反応させたのち、酢酸エチル200部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、当該溶液にイソホロンジアミン18部、ジ−n−ブチルアミン3部、ジエタノールアミン1部、ケチミン化合物(1)8部、酢酸エチル670部およびイソプロピルアルコール450部からなる溶液を滴下しながら、反応系を50℃で3時間保温することによって、不揮発分が30%であるポリウレタン樹脂溶液を得た。また、その外観に分離、ゲル状物質は認められなかった。当該ポリウレタン樹脂溶液はそのまま印刷インキ用バインダーとして用いた。
比較例3 参照例1と同様の丸底フラスコに、前記方法で得られた水酸基含有塩素化ポリプロピレン酢酸エチル分散液(不揮発分60%)を16部、1,4−ブタンジオールとアジピン酸からなる数平均分子量2000のポリエステルジオールを500部、イソホロンジイソシアネートを112部、酢酸エチルを26部仕込み、窒素気流下に70℃で2時間ウレタン化反応を実施した。次いでオクチル酸錫を0.1部加えて2時間、再度オクチル酸錫を0.1部加えて2時間保温した後、酢酸エチル370部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、当該溶液にイソホロンジアミン24部、ジ−n−ブチルアミン11部、ジエタノールアミン1部、ケチミン化合物(1)9部、酢酸エチル610部およびイソプロピルアルコール520部からなる溶液を滴下しながら、反応系を50℃で3時間保温することによって、樹脂固形分濃度が30%であるポリウレタン樹脂溶液を得た。また、その外観に分離、ゲル状物質は認められなかった。
比較例4 参照例1と同様の丸底フラスコに、前記方法で得られた水酸基含有塩素化ポリプロピレン酢酸エチル分散液(不揮発分60%)を16部、数平均分子量2000のポリプロピレングリコールを500部、イソホロンジイソシアネートを112部、酢酸エチルを26部仕込んだ。しかし、混合直後から塩素化ポリプロピレンの一部が析出し、均一なウレタンプレポリマーが得られなかった。
比較例5 参照例1と同様の丸底フラスコに、前記方法で得られた水酸基含有塩素化ポリプロピレン酢酸エチル分散液(不揮発分60%)を16部、1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートからなる数平均分子量2000のポリカーボネートジオールを500部、イソホロンジイソシアネートを112部、酢酸エチルを26部仕込み、窒素気流下に70℃で2時間ウレタン化反応を実施した。次いでオクチル酸錫を0.1部加えて2時間、再度オクチル酸錫を0.1部加えて2時間保温した後、酢酸エチル370部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、当該溶液にイソホロンジアミン24部、ジ−n−ブチルアミン11部、ジエタノールアミン1部、ケチミン化合物(1)9部、酢酸エチル610部およびイソプロピルアルコール520部からなる溶液を滴下しながら、反応系を50℃で3時間保温することによって、不揮発分が30%であるポリウレタン樹脂溶液を得た。また、その外観に分離、ゲル状物質は認められなかった。
比較例6 参照例1と同様の丸底フラスコに、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られる数平均分子量5000のポリエステルジオールを500部、イソホロンジイソシアネートを56部、酢酸エチルを30部仕込み、窒素気流下に120℃で6時間反応させたのち、酢酸エチル200部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、当該溶液にイソホロンジアミン23部、ジ−n−ブチルアミン3部、ジエタノールアミン1部、酢酸エチル670部およびイソプロピルアルコール450部からなる溶液を滴下しながら、反応系を50℃で3時間保温することによって、不揮発分が30%であるポリウレタン樹脂溶液を得た。また、その外観に分離、ゲル状物質は認められなかった。当該ポリウレタン樹脂溶液はそのまま印刷インキ用バインダーとして用いた。
比較例7 参照例1と同様の丸底フラスコに、前記方法で得られた水酸基含有塩素化ポリプロピレンの酢酸エチル分散液(不揮発分60%)を500部、イソホロンジイソシアネートを17部、および酢酸エチルを12部仕込み、窒素気流下に70℃で2時間ウレタン化反応を実施した。次いでオクチル酸錫を0.1部加えて2時間、再度オクチル酸錫を0.1部加えて2時間保温した後、ウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、当該溶液にイソホロンジアミン3部、ジ−n−ブチルアミン4部、酢酸エチル98部、イソプロピルアルコール188部からなる溶液を滴下しながら、反応系を50℃で3時間保温することによって、不揮発分が40%であるポリウレタン樹脂溶液を得た。なお、当該ポリウレタン樹脂溶液は溶解性が悪くゲル状物質が析出したため、インキ用バインダーとして使用できなかった。
参照例 メルトインデックスが14g/10分のアイソタクチックポリプロピレン4kgを四塩化炭素80リットルに加圧下で均一に溶解し、100℃で紫外線を照射しつつ塩素ガスを吹き込み塩素化を行った。塩素含有率が30%の試料を抜き取り、四塩化炭素を留去してトルエン置換し、不揮発分49%の塩素化ポリプロピレン溶液を得た。得られた塩素化ポリプロピレン溶液800部、2−ヒドロキシエチルアクリレート16部、t−ブチルパーオキシベンゾエート5部を仕込み、100℃で4時間反応させた。さらに、t−ブチルパーオキシベンゾエートを2時間毎に1部ずつ加えて4時間反応させ、不揮発分50%の水酸基含有塩素化ポリプロピレンのトルエン溶液を得た。
次いで、参照例1と同様の丸底フラスコに当該トルエン溶液を500部、イソホロンジイソシアネート18部およびトルエン29部を仕込み、窒素気流下に70℃で2時間反応させた。さらにオクチル酸錫0・2部を2時間毎に0.1部ずつ加えて4時間反応させた。次いで、当該溶液にイソホロンジアミン4部、ジ−n−ブチルアミン2部、イソプロピルアルコール73部からなる溶液を滴下しながら、反応系を50℃で3時間保温することによって、不揮発分が40%であるポリウレタン樹脂溶液を得た。また、その外観に分離、ゲル状物質は認められなかった。また、当該ポリウレタン樹脂溶液12部と比較例3のポリウレタン樹脂溶液100部とを混合したもの(不揮発分が31%)を印刷インキ用バインダーとして用いた。
なお、参照例の水酸基含有塩素化ポリプロピレンのトルエン溶液は次のようにして調製した。即ち、メルトインデックスが14g/10分のアイソタクチックポリプロピレン4kgを四塩化炭素80リットルに加圧下で均一に溶解し、100℃で紫外線を照射しつつ塩素ガスを吹き込み、塩素化反応を行った。次いで、塩素含有率が30%の試料を抜き取り、四塩化炭素を留去してトルエン置換し、不揮発分49%の塩素化ポリプロピレン溶液を得た。次いで、得られた塩素化ポリプロピレン溶液800部、2−ヒドロキシエチルアクリレート16部、t−ブチルパーオキシベンゾエート5部を参照例1と同様の丸底フラスコに仕込み、100℃で4時間反応させた。さらに、t−ブチルパーオキシベンゾエートを2時間毎に1部ずつ加えて4時間反応させることによって、不揮発分50%の水酸基含有塩素化ポリプロピレンのトルエン溶液は得られた。
(低温安定性の評価) 参照例1のバインダー5部を、蓋で密閉できる試験管に移し、−10℃の恒温水槽に1週間静置し、外観を評価した。
(印刷用インキの調製) 参照例1のバインダー30部、フタロシアニンブルー10部、酢酸エチル36部、イソプロピルアルコール12部、酢酸ノルマルプロピル12部をペントシェイカーで練肉して藍色印刷インキを調製した。次いで、得られた藍色印刷インキを、バーコーターNo.8を用いて、厚さ15μmのコロナ放電処理ポリプロピレンフィルム(OPP)の放電処理面に塗工して、40〜50℃で乾燥することにより、印刷フィルムを得た。実施例1参照例2及び比較例1、2、5並びに参照例のバインダーについても同様にして藍色印刷インキを調製し、印刷フィルムを得た。
(接着性の評価) 参照例1に係る印刷フィルムを作成後30分放置した後、印刷面に粘着テープを貼り付け、剥したときのインキ皮膜の外観を以下の基準で目視評価した。実施例1参照例2及び比較例1、2、5並びに参照例の藍色印刷インキについても同様に印刷フィルムを得た。
5−−−インキ皮膜の100%がフィルムに残った。
4−−−インキ皮膜の75%を超えて100%未満がフィルムに残った。
3−−−インキ皮膜の50%を超えて75%未満がフィルムに残った。
2−−−インキ皮膜の25%を超えて50%未満がフィルムに残った。
1−−−インキ皮膜の25%以下がフィルムに残った。




Claims (4)

  1. 水酸基含有塩素化ポリプロピレン(A)、ジカルボン酸類(b1)および分岐状グリコール類(b2)からなるポリエステルポリオール(B)、炭素数4〜8の直鎖状脂肪族ジイソシアネート(C)、鎖伸長剤(D)、ならびに分子内にアミノ基を1個有するジケチミン化合物を含む鎖長停止剤(E)を反応させてなるポリウレタン樹脂を、エステル類およびアルコール類からなる有機溶剤(F)に溶解させてなる印刷インキ用バインダー。
  2. (A)成分と(B)成分の合計100重量%(不揮発分換算)に占める(A)成分の比率が1〜10重量%である、請求項1の印刷インキ用バインダー
  3. 前記ジケチミン化合物が下記一般式で示されるものである、請求項1又は2の印刷インキ用バインダー。
    (式中、各Rは同一または異なっていてよく、それぞれ−CH、−CHCH、−CH−CH(CHのいずれかを示す。また、nは1〜4の整数を表す。)
  4. 請求項1〜のいずれかの印刷インキ用バインダーを含有してなる印刷インキ組成物。
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