JP3163457U - 食品陳列用容器及び該食品陳列用容器に用いられる内容器 - Google Patents

食品陳列用容器及び該食品陳列用容器に用いられる内容器 Download PDF

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Abstract

【課題】食品陳列用容器の剛性を向上させることができ、また、食品を容易に搬送できると共に、陳列作業の簡素化が図れる食品陳列用容器を提供すること。【解決手段】合成樹脂シートの成形体からなる上面が開口した箱状の容器本体10と、該容器本体10の端部に開閉自在に係止された容器本体の開口を塞ぐ透明な蓋体20と、前記容器本体10に収容される内容器30から構成された食品陳列用容器1とした。【選択図】 図1

Description

本考案は、食品陳列用容器及び該食品陳列用容器に用いられる内容器に関するものである。
スーパーマーケットなどにおいて、カツ、コロッケ、てんぷらなどの惣菜は、それらをトレー上に並べた状態で販売されており、購入者は、そこからトングで惣菜を挟んで取り出し、別の容器に入れてレジまで持参する。
このように惣菜が、トレー上に裸のまま並べられていると、周囲から塵埃などが付着する虞があり、非衛生的である。
そこで、スーパーマーケットによっては、透明な蓋を有する容器(例えば、特許文献1、特許文献2など)を使用し、容器内に惣菜を並べた状態で収容し、蓋をして食品を保護し、購入する際に、購入者が蓋を開けて中から惣菜を取り出し、その後蓋を閉じるようにしている。
実用新案登録第3093200号 実用新案登録第3154614号
しかしながら、上記した特許文献に開示された食品陳列用容器にあっては、その全体が薄い合成樹脂シートの成形品で構成されているため、使用態様によっては容器の剛性が不足し、容器の形状が崩れてしまう場合があった。
また、陳列場所(売り場)から離れた場所で食品を調理している場合などにおいて、該食品を容易に搬送できると共に、陳列作業の簡素化が図れる食品陳列用容器の出現が望まれていた。
本考案は、上述した背景技術が有する課題及び要望に鑑みなされたものであって、その目的は、食品陳列用容器の剛性を向上させることができ、また、食品を容易に搬送できると共に、陳列作業の簡素化が図れる食品陳列用容器、及び該食品陳列用容器に用いられる内容器を提供することにある。
上記した目的を達成するため、請求項1の食品陳列用容器は、合成樹脂シートの成形品からなる上面が開口した箱状の容器本体と、該容器本体の端部に開閉自在に係止された容器本体の開口を塞ぐ透明な蓋体と、前記容器本体に収容される内容器から構成されていることを特徴とする。
また、請求項2の食品陳列用容器は、上記請求項1の考案において、上記内容器が、収容物を区分けするための仕切り壁を有していることを特徴とする。
また、請求項3の食品陳列用容器は、上記請求項1の考案において、上記内容器が、その底板に液体が通過可能な貫通孔を有していることを特徴とする。
また、請求項4の食品陳列用容器は、上記請求項1の考案において、上記内容器が、少なくとも底板が二重構造に形成され、食品載置側の底板に液体が通過可能な貫通孔を有していることを特徴とする。
また、請求項5の食品陳列用容器は、上記請求項1の考案において、上記内容器が、合成樹脂シート成形体からなることを特徴とする。
また、請求項6の食品陳列用容器は、上記請求項1の考案において、上記内容器が、その内側面に合成樹脂フィルムが積層接着されてなることを特徴とする。
また、請求項7の食品陳列用容器は、上記請求項6の考案において、上記内容器を構成する合成樹脂シート成形体が、ポリスチレン系樹脂発泡シート成形体であり、上記合成樹脂フィルムが、ポリスチレン系樹脂フィルムであることを特徴とする。
また、請求項8の食品陳列用容器は、上記請求項6の考案において、上記内容器を構成する合成樹脂シート成形体が、ポリスチレン系樹脂発泡シート成形体であり、上記合成樹脂フィルムが、ポリオレフィン系樹脂フィルムであることを特徴とする。
また、請求項9の食品陳列用容器は、上記請求項6〜8のいずれかの考案において、上記合成樹脂フィルムが、柄フィルム、或いは着色フィルムであることを特徴とする。
また、請求項10の食品陳列用容器は、上記請求項1の考案において、上記内容器を構成する合成樹脂シート成形体が、合成樹脂発泡シートを熱成形してなる発泡シート成形体であることを特徴とする。
また、請求項11の食品陳列用容器は、上記請求項10の考案において、上記発泡シート成形体が、ポリスチレン系樹脂発泡シート成形体であることを特徴とする。
また、請求項12の食品陳列用容器は、上記請求項1の考案において、上記内容器が、その内側面に不織布が積層接着されてなることを特徴とする。
また、請求項13の食品陳列用容器は、上記請求項1の考案において、上記内容器が、吸水性を有する連続気泡性発泡層と独立気泡性発泡層とからなることを特徴とする。
また、請求項14の食品陳列用容器は、上記請求項1の考案において、上記容器本体が、ポリスチレン系樹脂シートを熱成形してなるシート成形体からなることを特徴とする。
また、請求項15の食品陳列用容器は、上記請求項1の考案において、上記容器本体の後端部と上記蓋体の後端部とが結合され、上記蓋体が上記容器本体に対して開閉自在とされていることを特徴とする。
また、請求項16の食品陳列用容器は、上記請求項1の考案において、上記蓋体の前端部下面及び両側端部下面にそれらのほぼ全長にわたって凸条又は凹条の一方が形成され、上記容器本体における上記蓋体と対向する部分に凸条又は凹条の他方が形成せれ、それらの凸条及び凹条を互いに重なり合わせることによって、上記蓋体が上記容器本体に位置決めされることを特徴とする。
また、請求項17の内容器は、上記請求項1〜16のいずれかに記載の食品陳列用容器に用いられる内容器である。
また、請求項18の内容器は、上記請求項17の考案において、上記内容器が、その開口を閉塞する蓋体を有していることを特徴とする。
上記した請求項1の食品陳列用容器によれば、合成樹脂シートの成形体からなる容器本体が、内容器により補強されるため、食品を収納した状態で搬送した場合などにも、食品収納容器の形状が崩れ難く、収納した食品が落ちる虞がない。また、陳列場所(売り場)から離れた場所で食品を調理している場合などには、その調理場において内容器に調理食品を収容して輸送することができ、さらにそのまま内容器を容器本体にセットすることできるため、陳列作業の簡素化が図れる。また、収容される食品に応じて内容器の色柄等を変更すればよいので、コスト面でも優れたものとなる。
また、上記した請求項2の食品陳列用容器によれば、内容器に仕切り壁が形成されているので、一つの食品陳列用容器内に、複数の食品を分けて収容することができると共に、剛性をさらに向上させることができる。
また、上記した請求項3の食品陳列用容器によれば、内容器の底板に貫通孔が形成されているので、惣菜などから出る水分または油分や、生鮮物から出るドリップを貫通孔を介して排出することができ、内容物の見栄えが良くなり、購入者の購買意欲を向上させることができる。
また、上記した請求項4の食品陳列用容器によれば、内容器の少なくとも底板が二重構造に形成され、食品載置側の底板に貫通孔が形成されているので、断熱性が向上したものとなると共に、該内容器に惣菜を入れて搬送する際などに、貫通孔から排出された水分や油分は底部の二重構造の間隙に溜まることとなり、周囲を汚すことがない。
また、上記した請求項5の食品陳列用容器によれば、内容器が合成樹脂シート成形体からなるので、安価である上、容易に所望の形状どおりに成形することができるため容器本体の収容部への収まりが良い内容器となる。
また、上記した請求項6の食品陳列用容器によれば、内容器の内側面に合成樹脂フィルムが積層接着されているので、剛性がより向上したものとなり、また、見栄えもよいものとなる。
また、上記した請求項7の食品陳列用容器によれば、内容器を形成する合成樹脂シート成形体がポリスチレン系樹脂シート成形体である場合に、積層接着されている合成樹脂フィルムがポリスチレン系樹脂フィルムであると、特にリサイクル性に優れたものとなる。
また、上記した請求項8の食品陳列用容器によれば、内容器を形成する合成樹脂シート成形体がポリスチレン系樹脂シート成形体である場合に、積層接着されている合成樹脂フィルムがポリオレフィン系樹脂フィルムであると、耐油性に優れたものとなる。
また、上記した請求項9の食品陳列用容器によれば、積層接着されている合成樹脂フィルムが図形、模様、文字などが印刷された柄フィルム、或いは漆調、木目調などに着色された着色フィルムであるので、売り場の演出が可能となり、購入者の購買意欲を向上させることができる。
また、上記した請求項10の食品陳列用容器によれば、内容器を構成する合成樹脂シート成形体が、合成樹脂発泡シートを熱成形してなる発泡シート成形体であるので、軽量性と剛性とのバランスに優れるために、軽量な内容器でありながらも容器本体の剛性を効果的に補強することができる。
また、上記した請求項11の食品陳列用容器によれば、発泡シート成形体がポリスチレン系樹脂発泡シート成形体であるので、特に熱成形性および剛性に優れるために、容器本体の剛性をより効果的に補強することができる。
また、上記した請求項12の食品陳列用容器によれば、内容器の内側面に不織布が積層接着されているので、惣菜などから出る水分または油分や、生鮮物から出るドリップを吸収することができ、内容物の見栄えが良くなり、購入者の購買意欲を向上させることができる。
また、上記した請求項13の食品陳列用容器によれば、内容器が吸水性を有する連続気泡性発泡層と独立気泡性発泡層とからなるものであるので、同じく惣菜などから出る水分を吸収することができ、内容物の見栄えが良くなり、購入者の購買意欲を向上させることができる。
また、上記した請求項14の食品陳列用容器によれば、容器本体がポリスチレン系樹脂シートを熱成形してなるシート成形体からなるので、安価である上、熱成形性に優れているために所望の形状どおりに成形することができる。
また、上記した請求項15の食品陳列用容器によれば、容器本体の後端部と蓋体の後端部とが結合され、蓋体が容器本体に対して開閉自在とされているため、開放される部分が広く、従って、食品の取り出しが容易となる。
また、上記した請求項16の食品陳列用容器によれば、蓋部の周縁が容器本体の周縁に凸条及び凹条によって重なり合うため、外部からの容器内への塵埃などの侵入を効果的に防ぐことができる。
また、上記した請求項17の内容器によれば、上記請求項1〜16のいずれかに記載の食品陳列用容器が奏する効果を実現できる内容器となる。
また、上記した請求項18の内容器によれば、開口を閉塞する蓋体を有しているため、輸送時などに異物が混入することを防止することができ、さらに、蓋体の形状によっては、内容器を積み重ねて輸送することができる。
本考案に係る食品陳列用容器の一実施の形態を示した分解斜視図である。 図1に示した食品陳列用容器を組み付け、蓋を閉じた状態を示した斜視図である。 図2に示した食品陳列用容器の蓋を開けた状態を示した斜視図である。 図2におけるA−A線に沿う部分の拡大断面図である。 図2におけるB−B線に沿う部分の拡大断面図である。 図2におけるC−C線に沿う部分の拡大断面図である。 本考案に係る食品陳列用容器に用いる内容器の他の実施の形態を示した斜視図である。 本考案に係る食品陳列用容器に用いる内容器の更に他の実施の形態を示した断面図である。 図1に示した食品陳列用容器に用いた内容器、及び該内容器の蓋体を示した分解斜視図である。 図9に示した内容器に惣菜を収納し、複数個を積み上げた状態を示した一部切り欠き断面図である。
以下、上記した本考案に係る食品陳列用容器を、図面に示した実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図6は、本考案に係る食品陳列用容器の一実施の形態を示しており、該食品陳列用容器1は、上面が開口した箱状の容器本体10と、該容器本体10の端部に開閉自在に係止された容器本体の開口を塞ぐ透明な蓋体20と、前記容器本体10に収容される内容器30から構成されている。
上記容器本体10は、収容部11を有している。そして、後記する蓋体20の組み付け部を容器本体10の後方としたとき、前記収容部11を画成する前面壁12a、両側面壁12b,12b、後面壁12cの上端には、全周にわたって外方へ拡張されたフランジ13が形成されており、該フランジ13の周縁には、下方に折り曲げられ、さらに水平方向外方へ張り出す縁部14が形成されている。
そして、前面壁12a及び両側面壁12b,12bのフランジ部分13a,13b,13bには、その幅方向中央にほぼ全長にわたって凹条15が形成されている。また、後面壁12cのフランジ部分13cは、上記フランジ部分13a,13b,13bよりも幅が広く形成されている。そして、そのフランジ部分13cには、斜め上方に向けて収容部11に開口された3つの凹部16が形成され、該凹部16によって後面壁12cの外方に向けて張り出す補強リブが構成されている。また、このフランジ部分13cの凹部16を除く部分には、上方に開口する4つの円形凹部17が形成されている。また、容器本体10の底壁12dには、斜め帯状の凸模様18が収容部11に突出形成されている。
一方、上記容器本体10の開口を塞ぐ蓋体20は、上方に膨出する形状を有し、例えばドーム形状に形成され、それによって下方に向けて開放された天井空間21を画成している。この蓋体20は、上記容器本体10とほぼ同じ外郭を有しており、前面壁22a,両側面壁22b,22b、後面壁22cの下端には、全周にわたって外方へ拡張されたフランジ23が形成されている。そして、前面壁22a及び両側面壁22b,22bのフランジ部分23a,23b,23bには、その幅方向中央にほぼ全長にわたって下方に突出する凸条24が形成されている。また、後面壁22cのフランジ部分23cは、上記フランジ部分23a,23b,23bよりも幅が広く形成されている。
上記幅が広く形成された後面壁22cのフランジ部分23cには、下方へ突出する4つの円形凸部25が形成され、また、ヒンジ26がフランジ部分23cの基部の全幅にわたって形成されている。このヒンジ26は、フランジ部分23cの幅方向に溝を形成することによって構成してもよく、又は折癖をつけることによって構成してもよい。また、前面壁22aには、外方に開口する窪み27が形成され、前面壁22aのフランジ部分23aには、外方に突出する把手28が延設されている。
上記のように構成された容器本体10と蓋体20とは、蓋体20の後面壁22cのフランジ部分23cに形成された円形凸部25を、容器本体10の後面壁12cのフランジ部分13cに形成された円形凹部17に嵌合することによって、結合される。
この結合方法により、容器本体10と蓋体20とを強固に信頼性高く結合できるが、蓋体20の容器本体10への結合方法の他の態様としては、蓋体の後端側に舌片を設け、容器本体の後端側のフランジ部分に切り込みを設け、該切り込みに上記舌片を挿入することによって、容器本体に蓋体を開閉自在に係止する態様などが挙げられる。
上記のようにして組み付けられた容器本体10と蓋体20とは、容器本体10のフランジ部分13cと蓋体20のフランジ部分23cとが互いに結合され、容器本体10の凹条15に蓋体20の凸条24が挿嵌され、容器本体10と蓋体20とが良好に位置決めされ、外部からの塵埃などの侵入を効果的に防ぐことができるものとなる。
上記容器本体10及び蓋体20は、いずれも合成樹脂シートの成形体により構成されている。この合成樹脂シートの基材樹脂としては、スチレンの単独重合体樹脂、スチレンと他のモノマーとから製造されたスチレン系共重合体樹脂、スチレンの単独重合体樹脂又は/及びスチレン系共重合体樹脂とスチレン−ブタジエンブロック共重合体との混合物、ゴム状重合体の存在下でスチレン系モノマーを重合することによって得られるゴム変性スチレン系樹脂(耐衝撃性ポリスチレン)、或いは上記したスチレン系の樹脂と他の樹脂又は/及びゴム状重合体との混合物などの、スチレン成分比率が50重量%以上であるポリスチレン系樹脂或いはポリスチレン系樹脂組成物;エチレンの単独重合体樹脂、エチレンと他のモノマーとから製造されたエチレン系共重合体樹脂、エチレンの単独重合体樹脂又は/及びエチレン系共重合体樹脂にスチレン系モノマーなどのビニルモノマーを含浸させて重合してなるグラフト変性エチレン系樹脂、或いは上記エチレン系の樹脂と他の樹脂又は/及びゴム状重合体との混合物などの、エチレン成分比率が50重量%以上であるポリエチレン系樹脂或いはポリエチレン系樹脂組成物;プロピレンの単独重合体樹脂、プロピレンと他のモノマーとから製造されたプロピレン系共重合体樹脂、プロピレンの単独重合体樹脂又は/及びプロピレン系共重合体樹脂にスチレン系モノマーなどのビニルモノマーを含浸させて重合してなるグラフト変性プロピレン系樹脂、或いは上記プロピレン系の樹脂と他の樹脂又は/及びゴム状重合体との混合物などの、プロピレン成分比率が50重量%以上であるポリプロピレン系樹脂或いはポリプロピレン系樹脂組成物;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、テレフタル酸とエチレングリコールとシクロヘキサンジメタノールとの共重合体などの芳香族ポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアミド樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;或いは上記した樹脂の2以上の混合物などが例示される。
特に上記の中でも、容器本体10としては、ポリスチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂組成物、ポリプロピレン系樹脂或いはポリプロピレン系樹脂組成物を基材樹脂とする熱可塑性樹脂シートからなるものがコスト面、及び強度と軽量性とのバランスに優れる点で好ましく、その中でも、ポリスチレン系樹脂或いはポリスチレン樹脂組成物を基材樹脂とする熱可塑性樹脂シートからなるものは、特に安価である上、熱成形性に優れ所望の形状どおりに成形し易いことから好ましい。
一方、蓋体20としては、上記した樹脂又は樹脂組成物を基材樹脂とする透明性の高い樹脂、中でも、ポリスチレン系樹脂,ポリエステル系樹脂,ポリプロピレン系樹脂から選択される一種以上の熱可塑性樹脂シートからなるものが好適に使用される。上記ポリプロピレン系樹脂としては、テルペン樹脂などの透明性改良剤をポリプロピレン系樹脂に添加したものや、ポリプロピレン系樹脂の結晶性を調整したものなどが挙げられる。
上記合成樹脂シートは、通常、厚み0.05〜8.0mmであるが、特に容器本体10として使用される場合には、その厚みは0.1〜3.0mmが好ましく、0.2〜2.0mmがより好ましい。一方、蓋体20として使用される場合には、その厚みは0.07〜2.0mmが好ましく、0.1〜1.0mmがより好ましい。
上記合成樹脂シートの成形体は、従来周知の方法にて製造され、例えば、該合成樹脂シートを従来周知の真空成形、圧空成形などの熱成形手段により成形することにより、上記容器本体10及び蓋体20を得ることができる。また、容器本体10を構成する上記合成樹脂シートは、着色剤、無機充填剤などの各種添加剤を配合したものとすることもできる。
上記容器本体10に収容される内容器30は、惣菜などの食品を収納する収容凹部31を有する上面が開口した浅い箱体に形成されている。すなわち、底板32と、該底板32の周縁から斜め上方に立ち上がる4つの側壁33とから構成されている。側壁33の上端には、必要に応じて、肉厚部34及び/又は外方に張り出すフランジ35を形成することができ、それにより補強を図ることができる。
内容器30の外形寸法は、上記容器本体10の収容部11の内形寸法と略同一に形成され、容器本体10内に、ガタ付きなくすっぽり収納し得るものとなっていることが好ましい。
なお、内容器30は、図7に示したように、収納凹部31に仕切り壁36が形成され、一つの容器内に、複数の食品を分けて収納できるものとしてもよく、この場合には、容器本体の剛性をより効果的に補強することができる。また、底板32に貫通孔を形成し、惣菜などから出る水分や油分を排出できるようにすることは好ましく、この場合には、図8に示したように、内容器30の少なくとも底板32を二重構造とし、食品を載置する内側底板に貫通孔37を形成した構成とすることもできる。このような二重構造の内容器30とした場合には、断熱性が向上したものとなると共に、該内容器30に惣菜を入れて搬送する際などに、貫通孔37から排出された水分や油分は底部の二重構造の間隙に溜まることとなり、周囲を汚すことがない。貫通孔37の大きさは、惣菜などから出る水分や油分を支障なく排出できる観点から0.5mm以上であることが好ましく、その形状は、円形、矩形、長円形、星形などであってよい。また、貫通孔37に水分や油分を導く構成、例えば、貫通孔37の周囲全体を該貫通孔37に向けた傾斜面とする、貫通孔37に向けた傾斜溝を形成するなどの構成を底板32に施すことは好ましい態様である。
上記内容器30は、合成樹脂成形体により構成されており、合成樹脂シートを熱成形してなる合成樹脂シート成形体や、インジェクション成形体、発泡粒子の型内成形体などが例示できる。これらの中でも、合成樹脂シート成形体が好ましい。内容器を構成する合成樹脂シート成形体としては、ソリッド(無発泡)シートの成形体、発泡シートの成形体のどちらの形態のものでも使用することができるが、特に軽量性と剛性のバランスに優れることから、合成樹脂発泡シートを熱成形してなる発泡シート成形体がより好ましい。この合成樹脂成形体の基材樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、耐衝撃性ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体などのポリスチレン系樹脂;分岐低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン共重合体などのポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、各種ポリアミドなどが例示されるが、経済性、加工性、剛性などの観点からみて、ポリスチレン系樹脂が最も好ましい。
上記内容器の平均厚みは、通常0.5〜5mm程度であり、内容器が発泡シート成形体からなる場合には、発泡倍率は3〜40倍程度であることが、断熱性、保形性、強度などの観点から好ましい。
上記内容器の表面、特に内側面には、合成樹脂フィルムが積層されていてもよい。この合成樹脂フィルムの基材樹脂としては、上記した内容器の基材樹脂と同様のものを用いることが食品容器のリサイクル性などの観点から好ましい。また、内容器の基材樹脂がポリスチレン系樹脂からなる場合には、合成フィルムの基材樹脂がポリオレフィン系樹脂であると、内容器が耐油性に優れたものとなることから好ましい。また、これらの基材樹脂には、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンラバー、イソプレンゴムなどのゴム分を20重量%以下の割合で共重合又は混合することができる。更にまた、無機充填剤としてタルク、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、水酸化マグネシウムなどを40重量%を限度として添加することができる。無機充填剤を多量に添加することにより、合成樹脂のメルトインデックスの調整、燃焼カロリーの低減化、耐熱性の向上、強度の向上などを可能とする。
また、上記内容器の表面に積層する合成樹脂フィルムとして、図形、模様、文字などが印刷された柄フィルムを用いること、また、木目調、漆調などに着色された着色フィルムを用いることにより、売り場の演出が可能となり、購入者の購買意欲を向上させることもできる。更には、上記発泡シートに予め全体を着色剤を用いて着色しておくことにより、漆調、檜、桐などの種々の風合いを出すことができ、これらと積層する合成樹脂フィルムとを組み合わせて、より高級感にあふれた容器をつくることもできる。
積層する合成樹脂フィルムの厚みは、5〜50μm、好ましくは10〜30μmである。フィルムの厚みが厚すぎると、経済性その他で好ましくない。フィルムの厚みが薄すぎると、熱成形に際し、その合成樹脂フィルムに破断やクラックが生じる憂いや、着色フィルムである場合には色ムラが生じる憂いがある。
上記合成樹脂シートと合成樹脂フィルムとを積層接着する方法としては、従来周知の方法を採用することができ、前記発泡シートと前記合成樹脂フィルムとの間に熱風を吹き付けて接着する方法、前記発泡シートと前記合成樹脂フィルムとを熱ロールなどではさみ熱接着する方法、接着層を前記合成樹脂シートと前記合成樹脂フィルムとの間に押出しつつ同時に押出成形する方法などが例示される。
合成樹脂シートを熱成形する方法としては、従来周知の方法を採用することができ、真空成形、圧空成形やこれらの応用としてフリードローイング成形、ストレート成形、ドレープ成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形、マッチド・モールド成形、リバースドロー成形、エアースリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形などや、樹脂シートの四辺を上方に折り曲げて側壁を形成し、側壁のつき合わせ部分を接着または熱融着させる方法、これらを組み合わせた方法が挙げられる。
また、上記内容器の表面、特に惣菜などを載置する内側面に、不織布が積層されているものとしてもよい。不織布は、パルプ繊維を主体とする繊維が分散堆積され、マット状或いはシート状に形成されたパルプ繊維マットをバインダーで結合し、パルプ繊維を固着してなるものが好ましい。不織布に用いられるパルプ繊維は、繊維長が0.05〜5mmであることが適当である。これは、繊維長が0.05mm未満の場合、不織布の伸びが不十分になり、熱成形が困難となる。また繊維長が5mmを超える場合、パルプ繊維から不織布を製造することが困難である。パルプ繊維不織布の厚みは0.2〜5mm、目付量40〜300g/m2のものが、風合、吸水性、吸油性、熱成形性において優れているため好ましい。なお、パルプ繊維からなる不織布は、100%パルプ繊維からなるものでなくてもよく、パルプ繊維を主体とするものであればよい。
一般にパルプ繊維を用いた不織布は、熱可塑性繊維(例えばポリエチレン繊維など)を用いた不織布と比べ、吸水性、吸油性及び風合などの点が優れているが、加熱引張伸びが熱可塑性繊維と比較して不十分であり熱成形することは困難である。しかしながら、上記した特定長の不織布は、パルプ繊維を主体とするものでありながら、十分な加熱引張伸びを有するものであり、熱成形が可能である。更に、パルプ繊維は、熱可塑性繊維のように熱成形、熱接着などの加工の際に繊維自体が溶融することがないため、不織布自体の密度の上昇が小さく、加工後の軽量性、緩衝性、吸水性などが良好である。
合成樹脂シートを用いて、上記不織布を積層した内容器30を熱成形するにあたっては、不織布を積層した樹脂シートを不織布が積層された側が容器の内側(惣菜などを載置する側)となるように金型にセットし、上記した種々の熱成形方法を採用して成形することができるが、その中でも、マッチド・モールド成形が最も好ましい。
更には、上記内容器として、吸水性を有する連続気泡性発泡層と独立気泡性発泡層とからなる発泡シート成形体を用いてもよい。
ここで、連続気泡性発泡層とは、該発泡層の連続気泡率が該発泡層の独立気泡率よりも高い発泡層であり、吸水性に優れた層となる。この連続気泡性発泡層の連続気泡率は60%以上であることが好ましい。連続気泡率が60%より低いと、発泡体内部の気泡と気泡のつながりが少なく、閉じた気泡の壁が数多く存在して水分や油分などを吸収する時の妨げとなり、吸収性が低下する。一方、独立気泡性発泡層とは、該発泡層の連続気泡率が該発泡層の独立気泡率よりも低い発泡層であり、強度に優れた層となる。この独立気泡性発泡層の連続気泡率は30%以下であることが好ましい。連続気泡率が小さいほど発泡体の強度があり、成形時の二次発泡率も大きくなり、強度のある成形品が得られるので好ましい。
なお、上記連続気泡率(%)は、ASTM D2856−87記載の測定方法に準じて測定されたものである。
上記吸水性を有する連続気泡性発泡層と独立気泡性発泡層とからなる内容器は、真空成形、圧空成形など、従来公知の熱成形方法によって連続気泡性発泡層と独立気泡性発泡層とからなる発泡シートを成形することにより得ることができる。この際、連続気泡性発泡層側が容器の内側(惣菜などを載置する側)となるようにすると共に、連続気泡性発泡層の表面にその内部へ通じる開口部を設ければ、発泡体表面からその内部へ水を効率良く吸収することができ、しかも、外部に吸収した水が漏れでないものとすることができる。開口部は、例えばピンの着いたロール間に発泡シートを通してシートに穴を穿つ方法、ピンを備えた成形型を用いて発泡体の熱成形と同時に開口部を設ける方法、成形品のトリミングと同時に穴を開ける方法など、種々の方法を採ることができる。なお、開口部は例えば、連続気泡性発泡層を貫通した穴、連続気泡性発泡層を貫通しない穴のほか、連続気泡性発泡層の表面層を削り取ってできるものでもよい。また、開口部の穴としては、穴径0.1〜1mm、1〜10個/cm2が好ましい。穴径が0.1mm未満或いは1個/cm2より少ないと水の吸収効率が低くなる虞があり、穴径が1mmを超えるか或いは10個/cm2より多すぎると成形品である内容器30の強度が低下する虞がある。
上記した種々の合成樹脂成形体からなる内容器30は、惣菜などの食品を収納凹部31に収納した状態で、容器本体10の収納部11に入れられ、蓋体20を閉めて陳列棚などに置かれる。その際、内容器30の色柄をかえることにより、売り場の演出が可能となり、購入者の購買意欲を向上させることができる。また、内容器30の構造或いは材質を上記したように種々かえることにより、耐熱、耐寒、耐油、ドリップ吸収などの効果を生むことができる。
そして、蓋体20の把手28及び窪み27に指を掛け、該蓋体20を上方に引き上げると、蓋体20は、図3に示したように、ヒンジ26を中心にして大きく開成される。そこで、購入者は内容器30から惣菜などの食品を容易に取り出すことができ、その後、蓋体20を閉めることにより、惣菜などの食品を衛生的に保つことができる。
また、陳列場所(売り場)から離れた場所で食品を調理している場合などには、該調理場などにおいて内容器30に調理食品を収納し、陳列場所(売り場)まで輸送することができ、さらにそのまま内容器30を容器本体10の収納部11に入れることができるため、陳列作業の簡素化を図ることができる。
内容器30を、上記のように使用する場合には、図9及び図10に示したように、該内容器30の専用の蓋体40を設けることが好ましい。
上記蓋体40は、比較的深い箱状のもので、天板41と、該天板41の周縁から垂れ下がる4つの側壁42とから構成されている。側壁42の下端全周には、内容器30の上端に形成されたフランジ35に係合する係合段部43が形成されている。また、側壁42の適所には、補強及び意匠性を兼ねて波状のリブ44が形成され、該波状のリブ44などの上端は天板41の上方まで延設され、天板41の周縁に膨出部45が形成されている。
このような蓋体40を、調理場などにおいて内容器30に調理食品を収納し、陳列場所まで輸送する際などに用いることにより、調理食品を衛生的に保つことができると共に、図10に示したように、蓋体40に形成された膨出部45の存在により、段積みした際の落下を防止することができる。
この蓋体40は、従来公知の成形方法により得られた合成樹脂シートの成形品により構成することができ、合成樹脂シートの基材樹脂としては、上記した容器本体10、蓋体20の形成に用いた合成樹脂と同様のものでよい。また、合成樹脂シートの厚みは0.05〜1.5mmが好ましく、0.07〜0.7mmがより好ましい。
以上、本考案に係る食品陳列用容器の実施の形態を説明したが、本考案は、何ら既述の実施の形態に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載した本考案の技術的思想の範囲内において、種々の変形、変更を加えた食品陳列用容器とすることができることは当然である。
1 食品陳列用容器
10 容器本体
11 収納部
12a 前面壁
12b 側面壁
12c 後面壁
12d 底壁
13 フランジ
13a,13b,13c フランジ部分
14 縁部
15 凹条
16 凹部
17 円形凹部
18 凸条模様
20 蓋体
21 天井空間
22a 前面壁
22b 側面壁
22c 後面壁
23 フランジ
23a,23b,23c フランジ部分
24 凸条
25 円形凸部
26 ヒンジ
27 窪み
28 把手
30 内容器
31 収容凹部
32 底板
33 側壁
34 肉厚部
35 フランジ
36 仕切り壁
37 貫通孔
40 内容器用蓋体
41 天板
42 側壁
43 係合段部
44 波状のリブ
45 膨出部

Claims (18)

  1. 合成樹脂シートの成形体からなる上面が開口した箱状の容器本体と、該容器本体の端部に開閉自在に係止された容器本体の開口を塞ぐ透明な蓋体と、前記容器本体に収容される内容器から構成されていることを特徴とする、食品陳列用容器。
  2. 上記内容器が、収容物を区分けするための仕切り壁を有していることを特徴とする、請求項1に記載の食品陳列用容器。
  3. 上記内容器が、その底板に液体が通過可能な貫通孔を有していることを特徴とする、請求項1に記載の食品陳列用容器。
  4. 上記内容器が、少なくとも底板が二重構造に形成され、食品載置側の底板に液体が通過可能な貫通孔を有していることを特徴とする、請求項1に記載の食品陳列用容器。
  5. 上記内容器が、合成樹脂シート成形体からなることを特徴とする、請求項1に記載の食品陳列用容器。
  6. 上記内容器が、その内側面に合成樹脂フィルムが積層接着されてなることを特徴とする、請求項1に記載の食品陳列用容器。
  7. 上記内容器を構成する合成樹脂シート成形体が、ポリスチレン系樹脂シート成形体であり、上記合成樹脂フィルムが、ポリスチレン系樹脂フィルムであることを特徴とする、請求項6に記載の食品陳列用容器。
  8. 上記内容器を構成する合成樹脂シート成形体が、ポリスチレン系樹脂シート成形体であり、上記合成樹脂フィルムが、ポリオレフィン系樹脂フィルムであることを特徴とする、請求項6に記載の食品陳列用容器。
  9. 上記合成樹脂フィルムが、柄フィルム、或いは着色フィルムであることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の食品陳列用容器。
  10. 上記内容器を構成する合成樹脂シート成形体が、合成樹脂発泡シートを熱成形してなる発泡シート成形体であることを特徴とする、請求項5に記載の食品陳列用容器。
  11. 上記発泡シート成形体が、ポリスチレン系樹脂発泡シート成形体であることを特徴とする、請求項10に記載の食品陳列用容器。
  12. 上記内容器が、その内側面に不織布が積層接着されてなることを特徴とする、請求項1に記載の食品陳列用容器。
  13. 上記内容器が、吸水性を有する連続気泡性発泡層と独立気泡性発泡層とからなることを特徴とする、請求項1に記載の食品陳列用容器。
  14. 上記容器本体が、ポリスチレン系樹脂シートを熱成形してなるシート成形体からなることを特徴とする、請求項1に記載の食品陳列用容器。
  15. 上記容器本体の後端部と上記蓋体の後端部とが結合され、上記蓋体が上記容器本体に対して開閉自在とされていることを特徴とする、請求項1に記載の食品陳列用容器。
  16. 上記蓋体の前端部下面及び両側端部下面にそれらのほぼ全長にわたって凸条又は凹条の一方が形成され、上記容器本体における上記蓋体と対向する部分に凸条又は凹条の他方が形成せれ、それらの凸条及び凹条を互いに重なり合わせることによって、上記蓋体が上記容器本体に位置決めされることを特徴とする、請求項1に記載の食品陳列用容器。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載の食品陳列用容器に用いられる内容器。
  18. 上記内容器が、その開口を閉塞する蓋体を有していることを特徴とする、請求項17に記載の内容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017222366A (ja) * 2016-06-13 2017-12-21 リスパック株式会社 中容器を有する包装用容器

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