JP2003104351A - 二重容器 - Google Patents

二重容器

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JP2003104351A
JP2003104351A JP2001296977A JP2001296977A JP2003104351A JP 2003104351 A JP2003104351 A JP 2003104351A JP 2001296977 A JP2001296977 A JP 2001296977A JP 2001296977 A JP2001296977 A JP 2001296977A JP 2003104351 A JP2003104351 A JP 2003104351A
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JP2001296977A
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English (en)
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Seiji Tanabe
清次 田邊
Yoshihiko Nomiya
良彦 野宮
Susumu Furumoto
享 古本
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Sekisui Kasei Co Ltd
Tomei Chemical Industrial Co Ltd
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Sekisui Plastics Co Ltd
Tomei Chemical Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い保温性能と使用時の高い安定性が確保さ
れる熱可塑性樹脂製の二重容器を得る。さらに、空気層
の膨張による容器の変形を阻止し、水滴などの液体が滞
留することによる収納した食品の不必要な食味の低下も
防止する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂からなる有底外容器10と
有底内容器20の間に空気層30が形成され、4周の張
出部(フランジ部)13、23は全周に渡り熱融着され
ている。また、内容器20には空気層を外気に連通する
連通口25と液体を通過させ得る連通口29が形成され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂からな
る二重容器、特に、弁当容器などの食品収納用として好
適に用いられる二重容器に関する。
【0002】
【従来の技術】簡易弁当箱などの食品収納用として、熱
可塑性樹脂製の有底外容器と有底内容器とからなる二重
容器は知られている。例えば、実用新案登録第3023
900号公報には、熱可塑性発泡樹脂シートから成形さ
れた有底外容器と、耐熱性の非発泡樹脂シートから成形
された有底内容器とからなり、少なくとも底面間に断熱
層として機能する空気層となる空間が形成されるように
して、有底内容器が有底外容器内に挿入されて組み合わ
されている二重容器が記載されている。
【0003】また、実公平6−17698号公報には、
熱可塑性樹脂製である折り箱型の有底外容器と、その中
に収容した非発泡樹脂シートから成形された有底内容器
とからなる二重容器が記載されており、そこにおいて、
有底外容器の側壁の内面には、その側壁の上縁に沿って
凹溝が形成されていて、有底内容器の上縁に形成した外
向き張出部(フランジ部)が該凹溝に入り込むことによ
り、有底内容器が不用意に有底外容器から離脱しないよ
うにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記実用新案登録第3
023900号公報に記載の二重容器は、有底内容器が
有底外容器内に挿入されて組み合わされている構成であ
り、リサイクル時などに有底外容器と有底内容器を容易
に分離できる利点がある。しかし、一方において、不用
意に分離し易く、例えば、ご飯のような粘着質の食品を
収納している場合に、手で押さえていないと、付着力に
より有底内容器が有底外容器から分離してしまうという
ような不都合がある。物流中に何らかの事情で横転した
場合にも、2つの容器はバラバラになってしまう。
【0005】実公平6−17698号公報に記載の二重
容器は、有底内容器と有底外容器の結合が、凹溝とそこ
に入り込む張出部(フランジ部)との係合によるもので
あり、4周を完全に係合させたものでは、不用意な分離
は生じ難い。しかし、組み立て時に、有底内容器と有底
外容器との組み付けが容易でない不都合がある。部分的
な係合によるものは、組み付けは容易である一方におい
て、上記した有底内容器と有底外容器の間での不用意な
あるいは予期しない分離が起こりやすい。
【0006】また、いずれの場合も、有底内容器の底部
は通気あるいは通液のための開口を有しないので、収納
したご飯からでる水分や水滴、おかずからでる煮汁、余
剰な醤油などの液体がそのまま有底内容器の底部に残る
こととなり、収納した食品の食味を低下させることも起
こり得る。
【0007】本発明は、上記のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、断熱のための空気層を備えた熱可塑性
樹脂からなる二重容器において、有底内容器と有底外容
器が分離しないようにして、使用時の安定性を向上させ
た二重容器を提供することを目的とする。また、本発明
の他の目的は、液体が有底内容器の底部に過剰に滞留す
るのを防止して、不必要な食味の低下を起こさないよう
にした熱可塑性樹脂からなる二重容器を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明による二重容器は、基本的に、熱可塑性樹脂
からなる有底外容器と、熱可塑性樹脂からなる有底内容
器の間に空気層を有する二重構造であり、有底外容器上
面と有底内容器の外向き張出部の下面とが全面に渡って
一体的に固着されていることを特徴とする。
【0009】上記の二重容器では、空気層が形成されて
いるので断熱性に優れることに加え、有底内容器と有底
外容器とは、全周に渡って一体的に固着されているの
で、使用中に有底外容器から有底内容器が浮き上がった
り、外れて分離したりすることがなく、安定した使用感
が得られる。有底内容器は上面に外向き張出部を備えた
ものであれば、その他の形状は任意であり、食品収納部
に仕切り部が形成されていてもよい。有底外容器は、有
底内容器の上端面に形成した外向き張出部を載置するこ
とのできる上面部を備えていれば、その他の形状は任意
であり、薄手の発泡あるいは非発泡シートを熱成形した
シート成形品であってもよく、厚手の発泡シートを基材
として用い、側壁を底面から上面に向かって垂直に折り
曲げて、対向する側縁を熱融着して形成されるいわゆる
折り箱型の製品であってもよい。
【0010】本発明において、使用する熱可塑性樹脂
は、発泡体または非発泡体のいずれでもよく、ポリスチ
レン系樹脂、耐熱性ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂などがあげられる。この
内、強度と剛性の面からはポリスチレン系樹脂が好まし
く、耐熱性の面からは耐熱性ポリスチレン系樹脂、ポリ
プロピレン系樹脂が好ましい。また、断熱性の面からは
発泡体であることが好ましい。
【0011】有底外容器上面と有底内容器の外向き張出
部の下面とを固着する方法は、熱融着による固着、接着
剤による固着のいずれでもよいが、食品収納用に用いる
ことを考えれば、揮発性の有機溶剤が出る恐れがある接
着剤による固着よりも、熱融着による固着が好ましい。
熱融着させる場合に、有底内容器と有底外容器が同種の
熱可塑性樹脂であることが好ましい。また、断熱性、強
度、剛性、表面平滑性、成形性、熱融着性のバランスを
総合して考えると、有底内容器はポリスチレン系樹脂非
発泡体、有底外容器はポリスチレン系樹脂発泡体である
ことが最も好ましい。
【0012】好ましい態様において、有底内容器には空
気層を外気に連通する連通口が形成される。この態様で
は、有底内容器と有底外容器とは全周に渡って密封状態
に固着されているが、有底内容器に形成された連通口に
より空気層は外気と連通しており、例えば、有底内容器
に熱いご飯を盛ったときや、食品を収納した容器を電子
レンジなどで暖めたときなどに生ずる空気層の膨張によ
って、容器に歪みや変形が生じるのを防止することがで
きる。
【0013】連通口は、空気層を外気と連通させて層内
の圧力調節ができれば、その大きさや形状や数は任意で
あり、特に限定はない。また、連通口を形成する場所も
任意であり、特に限定はない。例えば0.1mm以上、
0.5mm未満の微小な円形や四角形の穴であってもよ
いし、直線状や半円状の切り込み穴であってもよい。形
成場所は、有底内容器の側壁であっても、底部であって
も、仕切り部であっても、水平方向の段差部であっても
よい。有底内容器に収容するご飯やおかずによってその
連通口が塞がれない場所であることはより好ましく、で
きれば上面に近い方(例えば、上面から全深さの3分の
1程度以内)がより好ましい。最も好ましいのは、仕切
り部の頂部であり、あるいは上面付近に形成された段差
部であり、あるいはこれらよりも上位の壁部である。こ
れらの場所であれば、ご飯やおかずによって連通口が塞
がれる恐れがほとんどない。
【0014】また、本発明の二重容器は、容器内にご飯
やおかずを収納し、透明な蓋をかぶせ、さらに全体をラ
ップフィルムあるいは熱収縮フィルムで包み込んだ状態
で、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで販売
される弁当容器として用いられる。このとき、全体をラ
ップフィルムなどで包み込んだ状態で電子レンジなどに
入れ、弁当を温める場合がある。この場合であっても、
連通口が有底内容器に形成されているので、蓋の嵌合
や、ラップフィルムなどの包装によって連通口が塞がれ
る恐れがまったくない。
【0015】他の態様において、連通口のうち、なくと
も有底内容器の底部に形成される連通口は、その全部ま
たは一部が液体を通過させることができる大きさとされ
る。この態様では、収納したご飯などからでる水分や水
滴、おかずなどから出る煮汁、余剰の醤油やソースなど
の液体を、当該連通口から空気層内に逃がすことができ
るので、不用意に食味を低下させるような事態が生じる
のを回避することができ、また、食する時にそれらの液
体が容器外に出ていくことも防止できる。液体が通過で
きる口径としては、連通口が例えば円形の穴である場合
に、その直径は、0.5〜2mm程度であることが好ま
しい。ご飯やおかずにその連通口を塞がれてしまうこと
も起こり得るので、上記連通口は複数個形成するのが好
ましい。
【0016】好ましい態様において、液体を通過させる
ことができる大きさの連通口には、そこに液体を導くた
めの構造が備えられ、前述の液体は効果的に連通口に導
かれる。液体を導くための構造は任意であるが、連通口
周囲の有底内容器底部に傾斜をつけたり、溝をつけた
り、切り込みをつけておくなどの態様が好適である。
【0017】他の態様において、有底外容器には、液体
を一時的に溜めておくことのできる構造が底部に形成さ
れる。この態様では、空気層に入った液体の自由移動を
ある程度規制することができ、一層安定した使用感が得
られる。具体的構造としては、有底外容器底部の空気層
側に溝や凹部を形成して、そこに液体を溜めておくよう
なものであってよい。
【0018】この種の食品収納用の二重容器において、
容器にご飯やおかずを盛りつけする際に、空容器を重ね
て積み上げておき、そこから容器を一つずつとり出して
盛り付けを行うのが普通である。従って、複数個の空容
器を重ねたときには、荷崩れが起こらない安定した積み
重ね状態を維持することができ、取り出すときには、下
位のものを引きずり込むことなく一つずつ確実に取り出
せるものであることが望まれる。
【0019】そのために、本発明による二重容器におい
て、有底外容器の側壁が底面から上面に向かって広がっ
ている形状の成形品である場合には、有底内容器の上面
付近に段差部が形成され、空容器を積み重ねた場合に、
上位の容器の底部が該段差部により受け止められるよう
な構造になっていることが好ましい。また、有底外容器
の側壁が底面から上面に向かって垂直に立っている例え
ば折り箱型のものである場合には、有底外容器の底部に
突出部を形成し、その突出部が下位に位置する二重容器
の有底内容器の側壁面に接触するような構造になってい
ることが好ましい。そのような突出部は、有底外容器を
加熱軟化させた後、真空引きするなどの方法で容易に形
成することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】次いで、本発明のいくつかの実施
の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は
本発明による二重容器Aの斜視図、図2はその要部断面
図であり、10は有底外容器であって、熱可塑性樹脂発
泡体からなり、20は有底内容器であり、熱可塑性樹脂
発泡体または熱可塑性樹脂非発泡体からなっている。
【0021】熱可塑性樹脂は基本的に任意であるが、有
底外容器10がポリスチレン系樹脂発泡体、耐熱性ポリ
スチレン系樹脂発泡体、ポリプロピレン系樹脂発泡体、
ポリエステル系樹脂発泡体のいずれか、有底内容器20
がポリスチレン系樹脂発泡体、ポリスチレン系樹脂非発
泡体、耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡体、耐熱性ポリス
チレン系樹脂非発泡体、ポリプロピレン系樹脂発泡体、
ポリプロピレン系樹脂非発泡体、ポリエステル系樹脂発
泡体、ポリエステル系樹脂非発泡体のいずれかであるこ
とが好ましい。特に、有底外容器10がポリスチレン系
樹脂発泡体からなり、有底内容器20がポリスチレン系
樹脂非発泡体からなる場合、有底外容器10による断熱
性、強度、剛性と、有底内容器20による表面平滑性、
成形性とを兼備し、かつ、有底外容器10と有底内容器
20との熱融着性にも優れた容器となり好ましい。
【0022】有底外容器10を熱成形するのに適するポ
リスチレン系樹脂発泡シートに使用するポリスチレン系
樹脂としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチ
レン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、パラ
メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ビ
ニルトルエン、ビニルキシレンの単独重合体または共重
合体、例えば樹脂としてはスチレン−無水マレイン酸共
重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−ア
クリロニトリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン樹脂が挙げられる。耐熱性が要求される場合
は、耐熱性ポリスチレン系樹脂が使用でき、例えば、ア
クリル酸、メタアクリル酸、アクリルニトリル、無水マ
レイン酸が3〜15重量%含むスチレン共重合体が好ま
しい。
【0023】本発明で使用するポリスチレン系樹脂に
は、更にブタジエンゴム、エラストマー、エチレンプロ
ピレンゴム、エチレンブタジエンゴム、また、イソプレ
ン、クロロプレン、ブタジエンとスチレンの共重合体な
どのゴムを混合してもよい。またポリプロピレン系樹脂
(PP樹脂)については、ホモポリプロピレン、プロピ
レンとエチレンとのランダム共重合体あるいはブロック
共重合体、それらの変性物などが用いられる。特に発泡
に適したPP樹脂としては、分子中に自由末端長鎖分岐
を有するポリプロピレン系樹脂の単独、もしくは、分子
中に自由末端長鎖分岐を有しない一般的なポリプロピレ
ン系樹脂との混合物が好ましい。さらに、ポリエステル
系樹脂については、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートな
どがあげられ、特にポリエチレンテレフタレートが好ま
しい。
【0024】有底外容器10および有底内容器20は、
ともに、上記熱可塑性樹脂のシートを予備加熱し熱成形
することにより一体成形される。有底外容器10は、4
周の側壁11と底面12とを有し、側壁11は底面12
から上面に向かって広がる方向に幾分傾斜した面となっ
ている。側壁11の上端面には一定幅hで外側に広がる
張出部(フランジ部)13が形成されており、後記する
ように、側壁11と底面12とで形成される領域内に有
底内容器20を収容したときに、収容した有底内容器2
0の上端面に形成される張出部(フランジ部)23が前
記フランジ部13に乗ることにより、有底内容器20の
位置決めがなされるようになっている。
【0025】有底内容器20は、4周の側壁21と底面
22とを有し、側壁21は、有底外容器10の側壁11
と同様に、上面に向かって広がる方向に幾分傾斜してい
る。また、側壁21の上端面には、一定幅で外側に広が
る張出部(フランジ部)23が形成されている。フラン
ジ23の外輪郭の形状は、有底外容器10のフランジ1
3の外輪郭の形状と同じとされるが、フランジ23の幅
Hはフランジ13の幅hよりも幾分広くされている。ま
た、側壁21の高さ(深さ)は、有底外容器10の側壁
11の高さ(深さ)よりも幾分小さくされている。
【0026】さらに、側壁21には水平方向の段差部2
4が形成されており、該段差部24よりも上位の側壁2
1の部分には複数個の円形の連通口25が形成されてい
る。この連通口25は成形時に形成してもよく、成形後
に後作業として形成してもよい。連通口25の直径は好
ましくは0.1mm以上、0.5mm未満である。直径
が0.1mm未満であると空気層内の圧力調整がうまく
できない恐れがあり0.5mm以上であると容器の外観
が損なわれる恐れがある。また、底部22には、前記段
差部24の位置までの高さの仕切り壁26が一体成形さ
れている。
【0027】上記の構成であり、有底外容器10内に有
底内容器20を収容すると、収容した有底内容器20の
上端面に形成されたフランジ部23の下面が、有底外容
器10の上端面に形成したフランジ部13の上面に乗る
姿勢で有底内容器20の位置決めがなされると同時に、
有底外容器10と有底内容器20の間には空気層として
の空間30が形成される。適宜の手段により、該フラン
ジ部13、23の衝接面を全周に渡って一体的に固着す
ることにより、本発明による二重容器Aが形成される。
図3は、フランジ部を一体的に固着する手段の一例を示
しており、ここでは、下部ヒータ41と上部ヒータ42
とで、重なり合っているフランジ部13、23を挟持し
て熱融着している。ヒータは線状のヒータであってもよ
く、回転するロール型ヒータであってもよい。接着剤で
一体に固定してもよい。
【0028】上記の二重容器Aでは、空気層(空間3
0)が形成されているので断熱性に優れることに加え、
有底外容器10と有底内容器20とは、そのフランジ部
において全周に渡って一体的に固着されているので、使
用中に有底外容器10から有底内容器20が浮き上がっ
たり、外れて分離したりすることがなく、安定した使用
感が得られる。また、有底内容器20には空気層(空間
30)を外気に連通する連通口25が形成されているの
で、有底外容器10と有底内容器20とが全周に渡って
密封状態に固着されてはいても、有底内容器20に熱い
ご飯を盛ったときや、食品を収納した容器を電子レンジ
などで暖めたときなどに生ずる、空気層(空間30)の
膨張によって、二重容器Aに歪みや変形が生じるのは防
止できる。さらに、この例において、連通口25は有底
内容器20の側壁22の上端面に近い所に設けてあり、
有底内容器20に収容するご飯やおかずによって連通口
25が塞がれる恐れはない。
【0029】さらに、この有底内容器20は側壁21に
段差部24を備えており、空容器を積み重ねたときに、
上位の二重容器は、その底部が該段差部24に係止する
ことにより受け止められる。そのために、各段の二重容
器は、適宜の深さで相互に嵌合した姿勢で積み上げられ
こととなり、荷崩れが起こらない安定した積み重ね状態
が得られるとともに、取り出し時には、下位のものを引
きずり込むことなく一つずつ確実に取り出すことができ
る。
【0030】図4は、本発明による二重容器の他の実施
の形態を示す、図2に相当する要部断面図である。この
二重容器Aは、有底外容器10は図1および図2に示し
たものと同じであるが、有底内容器20aの側壁21a
および底面22aが単に平坦な面となっている点で、図
1および図2に示した二重容器Aと相違している。すな
わち、有底内容器20aは、図2に示した、段差部24
も、連通口25も、仕切り壁26も備えない。この形態
でも、空気層(空間30)が形成されているので保温性
に優れており、かつ、フランジ部13、23aの4周は
全周に渡って固着されているので、使用中に有底外容器
10から有底内容器20aが浮き上がったり、外れて分
離したりすることがなく、安定した使用感が得られる。
図示しないが、側壁21aに適宜連通口を形成し、空気
層の膨張による容器の変形を防止するようにしてもよ
い。
【0031】図5は、本発明による二重容器のさらに他
の実施の形態を示す、図2に相当する要部断面図であ
る。この二重容器Aにおいて、有底外容器10bは、そ
の底面12bの4周に凹溝15を一体成形している点で
図1および図2に示したものと相違している。また、有
底内容器20bは、側壁21bが単に平坦な面であるこ
と、および、底面22bには前記した連通口25よりは
径の大きい(例えば、直径が0.5〜2mm程度)の第
2の連通口29が複数個形成されていることで図1およ
び図2に示したものと相違している。直径が0.5mm
未満では液体が通過しにくい恐れがあり、2mm以上で
はご飯粒まで通過してしまう恐れがある。
【0032】この形態では、有底内容器20bの底部2
2bに径の大きい第2の連通口29が形成されているこ
とから、有底内容器20bの底部に滞留しがちな、ご飯
などからでる水分や水滴、おかずなどから出る煮汁、余
剰の醤油やソースなどの液体を、当該連通口29を通し
て空気層(空間30)内に逃がすことができる利点があ
る。また、図示のもののように、有底外容器10bの底
面に凹溝15を形成したものにあっては、入り込んでき
た液体を、一時的にその部分で溜めておくことのでき、
一層安定した使用感が得られる。図示しないが、側壁2
1bに適宜小径の連通口を形成してもよく、段差部を形
成してもよい。ただし、小径の連通口を形成しなくて
も、第2の連通口29が存在することにより、空気層の
膨張による容器の変形は防止できる。
【0033】上記したいずれの形態でも、連通口25お
よび第2の連通口29の形状を円形の孔として説明した
が、その形状は所期の目的を達成できることを条件に任
意である。図6a〜図6fにいくつかの例を示すよう
に、円形、矩形、長円形、馬蹄形、複数の孔の集合型、
星形、などであってよい。また、液体を通過させること
が主目的で設けられる第2の連通孔29の場合に、周囲
から連通口まで液体を案内し導くための構造を連通口に
近接して設けることは、目的達成のために望ましい。図
7は、そのための構造の例示であり、第2の連通孔29
の周囲全体を連通孔29に向けた傾斜面29aとする
(図7a)、連通孔29に向けた傾斜溝29bを成形す
る(図7b)、連通孔29の周囲に毛細管現象により液
体を導くことのできるスリット29cを入れる(図7
c)などは好ましい態様である。なお、図6および図7
に示す連通口の構造は、有底内容器20を熱可塑性樹脂
シートから熱成形する際に、成形型に連通口を形成する
ための所定形状の刃を取り付けておくことにより、ま
た、必要に応じてその周囲に凸領域を形成しておくこと
により、同時成形することが可能である。
【0034】図8〜図10は、本発明による二重容器の
さらに他の実施の形態を示している。この二重容器A
は、有底外容器10cが、熱可塑性樹脂シートを熱成形
して一体成形したものではなく、適宜の厚みxの熱可塑
性樹脂発泡シートを図9aに示すように所定形状に裁断
し、それをいわゆる折り箱型に、すなわち、底面12c
に対して4枚の側壁11cを垂直状態に立ち上げて、対
向する側縁同士を溶着あるいは接着剤により一体化し
て、図9bに示すように有底箱形容器としたものであ
る。
【0035】熱可塑性樹脂発泡シートを図9aに示すよ
うに裁断するには、例えば、加熱した断面V字状の刃に
より、折り曲げ部の線a,bを形成すると同時に、4隅
部cを切断除去するようにする。線a,bの部分は断面
V状に熱溶解するが、表皮部分で接続しており分離はし
ない。そして、切り口が溶融している間に、4つの側壁
11cを垂直に立ち上げることにより、切り口部分は互
いに熱溶着し、図9bに示す箱形容器となる。
【0036】この有底外容器10cでは、素材である熱
可塑性樹脂発泡シートの厚みx分が、有底内容器20の
フランジ部23の裏面が乗る領域となる。形成された有
底外容器10c内に、上記したいずれかの有底内容器2
0を収容した後、有底外容器10cの幅xである4周側
壁の上端縁部分と、その上に乗っている有底内容器20
のフランジ部23とを、上部ヒータ42によって加熱圧
着することにより、両者は熱融着されて一体化し、二重
容器となる。ここでも、ヒータは線状のヒータであって
もよく、回転するロール型ヒータであってもよい。ま
た、接着剤で一体に固定してもよい。なお、この形態の
二重容器は、図1から図5に基づき説明した形態の二重
容器と比較して、あたかも重箱のような高級感を出すこ
とができる利点がある。
【0037】図11は、図10に示した形態の二重容器
における他の形態を示す要部断面図である。この二重容
器Aでは、有底外容器10dの底部の所定位置に突起1
6を適数形成して、容器を積み重ねたときの安定性を確
保している。すなわち、積み重ねたときに下位となる容
器の有底内容器20dの側壁22d近傍に入り込むよう
にして、有底外容器10dの底部に多数の突起16が形
成されている。また、有底外容器10dの底面12dの
4周に凹溝15を一体成形している。さらに、この例に
おいて、有底内容器20dとして、図5に示した第2の
連通口29を備えた形態のものを用いている。また、図
示しないが、図1に示した連通口25が形成されていて
もよい。なお、突起16の形成方法は任意であるが、例
えば、有底外容器を加熱軟化させた後、所要の位置を真
空引きすることで成形することができる。
【0038】この二重容器Aでは、空容器を積み重ねた
ときに、上位の二重容器は、その底部に形成した突起1
6が、下位の容器の有底内容器20dの側壁22dに近
接した状態で入り込むことから、荷崩れが起こらない安
定した積み重ねが可能であり、同時に、取り出し時に
は、下位のものを引きずり込むことなく一つずつ確実に
取り出すことができる。さらに、収納した食品からの液
体などは、図5に基づき説明したものと同様に処理され
る。
【0039】
【発明の効果】本発明による二重容器では、断熱のため
の空気層を備えていることから、高い保温性能を備える
ばかりでなく、有底内容器と有底外容器が一体に固定さ
れていることから、不用意に両者が分離することはな
く、使用時の高い安定性が確保される。また、空気層の
膨張による容器の変形も容易に阻止できる。さらに、水
滴などの液体が有底内容器底部に過剰に滞留するのを防
止することができ、収納した食品の不必要な食味の低下
を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による二重容器の実施の形態を分解して
示す斜視図。
【図2】図1に示す二重容器の要部の断面図。
【図3】図1に示す二重容器において、その張出部(フ
ランジ部)を一体に固定する方法の一例を説明する図。
【図4】他の形態の二重容器を示す要部断面図。
【図5】さらに他の形態の二重容器を示す要部断面図。
【図6】有底内容器に形成する連通口の形状を示す概略
図。
【図7】有底内容器に形成する連通口(主に液体を通過
させる目的のもの)の形状を示す概略図。
【図8】さらに他の形態の二重容器を分解して示す斜視
図。
【図9】図8に示す二重容器における有底外容器の製造
方法の一例を説明する図。
【図10】図8に示す二重容器において、その張出部
(フランジ部)を一体に固定する方法の一例を説明する
図。
【図11】さらに他の形態の二重容器を示す要部断面
図。
【符号の説明】
A…二重容器、10…有底外容器、20…有底内容器、
11、21…側壁、12、22…底面、13、23…張
出部(フランジ部)、24…段差部、25、29…連通
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 81/26 B65D 81/38 E 81/38 1/00 D (72)発明者 野宮 良彦 東京都千代田区神田和泉町1−3−1 東 名化学工業株式会社東京営業所内 (72)発明者 古本 享 埼玉県さいたま市南中野395−1 A−101 Fターム(参考) 3E033 AA10 BA16 BA17 BA22 DD05 DD12 DE05 DE08 3E067 AB01 BA02B BA02C BA05C BB01C BB14B BB16B BB17B BC02B BC02C EC08 EE50 FA04 GA12 GB02 GB07 GD02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂からなる有底外容器と、熱
    可塑性樹脂からなる有底内容器の間に空気層を有する二
    重構造であり、有底外容器上面と有底内容器の外向き張
    出部の下面とが全周に渡って一体的に固着されているこ
    とを特徴とする二重容器。
  2. 【請求項2】 有底内容器には空気層を外気に連通する
    連通口が形成されていることを特徴とする請求項1に記
    載の二重容器。
  3. 【請求項3】 少なくとも有底内容器の底部に形成され
    る連通口は、その全部または一部が液体を通過させるこ
    とができる大きさであることを特徴とする請求項2に記
    載の二重容器。
  4. 【請求項4】 液体を通過させることができる大きさの
    連通口には、そこに液体を導くための構造が備えられて
    いることを特徴とする請求項3に記載の二重容器。
  5. 【請求項5】 有底外容器には、液体を一時的に溜めて
    おくことのできる構造が底部に形成されていることを特
    徴とする請求項3または4に記載の二重容器。
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