JP3161515B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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    • H01L29/66Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サイリスタ、パワ
ートランジスタ等の迅速な応答速度が要求される半導体
装置を製造する方法に関する。更に詳しくは、サージ防
護用のサイリスタのような縦方向導電型の半導体装置の
製造に適する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】技術の進歩に従って大口径化している半
導体装置用のシリコンウェーハは、機械的強度を高めて
ウェーハとしての加工を容易にし、かつ半導体装置への
加工時の取扱いを容易にするために、その厚さが大口径
化とともに厚くなっている。一方、半導体基板であるシ
リコンウェーハの一方の主面上の電極と他方の主面上の
電極との間に電流を流す縦型サージ防護素子では、出発
材料であるn型もしくはp型のシリコンウェーハ自体か
らなる高抵抗率層の厚さがサージ防護素子の性能に大き
く影響することが知られている。即ち、図4に示される
11223構造のサージ防護用の半導体装置20
では、ウェーハ自体からなるn2層の厚さによって、半
導体装置の応答速度及びサージ耐量が決められ、薄いほ
ど良好な特性が得られる。このため、シリコンウェーハ
の両主面の一部をエッチングにより薄くして凹部を形成
し、サージ防護性能に実質的な影響を及ぼすn2層の厚
さを小さくする双方向型半導体装置の製造方法が提案さ
れている(特開平6−244408)。この方法によれ
ばウェーハ自体の機械的強度の低下を防止できるととも
に、厚いシリコンウェーハを用いて製造した場合に高抵
抗率のn2層の厚さを薄くでき、サージ耐量を向上させ
ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平6−2
44408号公報に示される製造方法では、図5及び図
6に示すように半導体装置を形成する部位毎に、シリコ
ンウェーハ5の表面の凹部1と裏面の凹部2とを互いに
間隔をあけて多数形成するため、厚いウェーハを用いて
2層を薄くすればするほど、素子形成部である凹部1
及び2の深さd1,d2が大きくなって、n1層及びn3
をフォトリソグラフィーなどの手法で精度良く作製する
ことが難しくなり、しかも素子形成部間の間隔t1及び
2を小さくとることが困難な不具合があった。間隔t1
及びt2を小さくできないことに起因して、凹部を形成
しない従来のウェーハと比較した場合、1枚のウェーハ
から製造できる半導体装置の数が減少していた。特にn
1層及びn3層が精度良く作製できない場合には、サージ
耐量を向上させることは可能であるものの、保持電流な
どのその他のサージ防護素子としての重要な他の特性に
重大な悪影響を及ぼす不具合があった。また1枚のシリ
コンウェーハから作られる複数の半導体装置の間におい
て同一の特性を得ることが困難になる問題があった。
【0004】本発明の目的は、厚いシリコンウェーハを
用いて製造した場合に高抵抗率層の厚さを薄くでき、応
答速度及び装置をサージ防護素子とした場合にそのサー
ジ耐量を向上させることができる半導体装置を製造する
方法を提供することにある。本発明の別の目的は、凹部
の深さが大きい場合にも低抵抗率層の外面に露呈しかつ
この低抵抗率層にそれぞれ内包される別の不純物拡散層
を容易に精度良く作製でき、かつウェーハ1枚当りの装
置数を多く製造できる半導体装置の製造方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1〜図4に示すように第1導電型の高抵抗率のシリコ
ンウェーハ10の両主面に相対向する第1及び第2凹部
11,12をそれぞれ形成する工程と、第1及び第2凹
部11,12を含む主面領域からそれぞれ不純物を拡散
して第2導電型の低抵抗率層13を形成する工程とを有
する半導体装置20の製造方法において、第1及び第2
凹部11,12をシリコンウェーハの周辺部10aを除
くシリコンウェーハ10のほぼ全主面領域に形成するこ
とを特徴とする半導体装置の製造方法である。なお、図
示しないが、シリコンウェーハ10の片面に第1凹部1
1のみ形成することもできる。シリコンウェーハ10の
周辺部10aを残して凹部11,12(又は凹部11の
み)を形成するため、ウェーハの強度は保持した状態で
深さd1,d2(又はd1)を大きくすることができ、こ
れによりn2層の厚さを薄くできる。また凹部11,1
2(又は凹部11)がウェーハ中央部の広い領域に形成
されるため、多数の半導体装置を作る場合にも、低抵抗
率層13であるp1層及びp2層の外面に露呈しかつp1
層及びp2層にそれぞれ内包されるn1層及びn3層を容
易に精度良く作製できる。また凹部11及び12はウェ
ーハの表面及び裏面でそれぞれ1つでかつ広大であるた
め、素子非形成部15が僅かな幅で済み、これにより特
開平6−244408号公報に示される製造方法と比べ
てウェーハ1枚当りの装置数を多く製造できる。
【0006】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、両主面に形成される第1及び第2凹部1
1,12の深さd1,d2を互いに同一にする半導体装置
の製造方法である。第1凹部11の深さd1と第2凹部
12の深さd2を同一にすることにより、製造方法がよ
り容易となり、n1,n3層を精度良く形成しやすい。
【0007】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
係る発明であって、第1導電型の高抵抗率のシリコンウ
ェーハ10の厚さが500μm以上である半導体装置の
製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で作られる半導体装置は、
サイリスタ、パワートランジスタ等の迅速な応答速度が
求められる縦方向導電型の半導体装置である。本発明の
高抵抗率を有するシリコンウェーハは比較的厚い、好ま
しくは厚さ500μm以上のウェーハが用いられる。ウ
ェーハの厚さが500μm未満では図1に示す凹部11
及び12をウェーハ周辺部10aを除くウェーハ全領域
に形成したときに、ウェーハ周辺部10aだけでは強度
を保持できないからである。これらの凹部11及び12
はシリコンウェーハの中央部分をエッチングすることに
より形成される。このエッチングにはトレンチ加工に用
いる反応性イオンエッチング、マイクロマシンで使われ
るKOHを用いた異方性エッチング、フッ硝酸を用いた
等方性エッチングなどの方法が挙げられる。
【0009】図1に示すように、凹部が形成されたシリ
コンウェーハ10では、凹部11,12全体を図示しな
い所定のパターンの形成されたマスクで覆う。これによ
りウェーハには素子形成部14と素子非形成部15が決
められる。ここで、図5に示すような段差(深さd1
2)がないため、後述するダイシング工程において素
子非形成部15が欠けることがなく、しかも素子非形成
部15は比較的狭くすることができる。マスクの上から
のウェーハの表面及び裏面に不純物拡散を行って、素子
形成部14に図2に示す低抵抗率層13であるp1層及
びp2層を形成する。更にp1層及びp2層にp1層及びp
2層の外面に露呈しかつp1層及びp2層にそれぞれ内包
されるn1層及びn3層を不純物拡散を行うことにより形
成する。ここで、これらのn1層及びn3層は、図5に示
すような段差(深さd1,d2)がないため、容易に精度
良く作製することができる。図4に示すように、引続い
て表面のn1層とp1層の外面を覆うように電極16が、
また裏面のn3層とp2層の外面を覆うように電極17が
形成される。これらを素子形成部毎にシリコンウェーハ
をダイシングすることにより、半導体装置20が得られ
る。
【0010】
【実施例】次に本発明の一実施例について説明する。こ
の例では半導体装置は双方向対称特性を有する縦方向導
電型のサージ防護用のサイリスタである。この双方向サ
イリスタを製造するには、厚さ630μmで直径5イン
チ(125mm)のn型のシリコンウェーハを用いた。
図3に示すようにこのシリコンウェーハ10の周辺部
(最小幅w=10mm)を残してほぼ円形で表面が平面
になるようにウェーハ両面から等方性エッチングにより
第1凹部11及び第2凹部12(図1参照)を形成し
た。これらの凹部11及び12は、図1に示すように同
一寸法で互いに対向する位置にそれぞれd1=d2=19
0μmの深さに形成した。このように同一平面形状で同
一深さの凹部11,12を相対向して形成することによ
り、ウェーハに反りが発生しなかった。
【0011】凹部11,12を形成した後、凹部11,
12全体を図示しない所定のパターンの形成されたマス
クで覆った。マスクの開口部は図1に示す素子形成部1
4となり、それ以外は素子非形成部15となった。この
素子非形成部15の幅は、従来の図6に示した間隔t1
及びt2と比較して60%狭くすることができた。次い
でこのマスクの上からウェーハ10の両面に不純物拡散
を行うと、図2に示すように低抵抗率層13(p1層及
びp2層)がウェーハ両面に形成された。これらのp1
及びp2層をそれぞれ30μmの深さに形成したため、
中間に残ったn2層の厚さは190μmとなった。更に
1層及びp2層にp1層及びp2層の外面に露呈しかつp
1層及びp2層にそれぞれ内包されるn1層及びn3層を形
成し、両電極16,17(図4)に設けて半導体装置2
0を得た。この結果、サージ耐量は凹部を形成していな
いときの構造と比較して約3倍向上し、また図6に示し
た方法で素子形成部を形成したときと比較して、半導体
装置20の製造数は33%増大した。また応答速度は約
10倍向上した。
【0012】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、シ
リコンウェーハの両主面にウェーハ周辺部を残して広い
領域にわたって第1及び第2凹部を形成することによ
り、厚いシリコンウェーハを用いて製造した場合に半導
体装置の高抵抗率層の厚さを薄くでき、この結果半導体
装置の応答速度及びこの装置をサージ防護素子とした場
合にそのサージ耐量を向上させることができる。また第
1及び第2凹部の深さが大きい場合にも低抵抗率層の外
面に露呈しかつこの低抵抗率層にそれぞれ内包される別
の不純物拡散層を容易に精度良く作製でき、かつウェー
ハ1枚当りの装置数を多く製造できる優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置を作るための凹部を形成し
たシリコンウェーハの図3のB−B線断面図。
【図2】低抵抗率層を形成した後の図1のA部を拡大し
て示す図。
【図3】その凹部を形成したシリコンウェーハの平面
図。
【図4】本発明の半導体装置の構成図。
【図5】従来の半導体装置を作るための凹部を形成した
シリコンウェーハの要部断面図。
【図6】その凹部を形成したシリコンウェーハの平面
図。
【符号の説明】
10 シリコンウェーハ 10a ウェーハの周辺部 11 第1凹部 12 第2凹部 13 低抵抗率層(p1層,p2層) 20 半導体装置

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の高抵抗率のシリコンウェー
    ハ(10)の片面に第1凹部(11)又は両主面に相対向する第
    1及び第2凹部(11,12)をそれぞれ形成する工程と、前
    記凹部(11,12)を含む主面領域からそれぞれ不純物を拡
    散して第2導電型の低抵抗率層(13)を形成する工程とを
    有する半導体装置の製造方法において、 前記凹部(11,12)を前記シリコンウェーハの周辺部(10a)
    を除く前記シリコンウェーハ(10)のほぼ全主面領域に形
    成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 両主面に形成される第1及び第2凹部(1
    1,12)の深さ(d1,d2)を互いに同一にする請求項1記載の
    半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 第1導電型の高抵抗率のシリコンウェー
    ハ(10)の厚さが500μm以上である請求項1又は請求
    項2記載の半導体装置の製造方法。
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