JP3159806B2 - トロンビン阻害剤 - Google Patents

トロンビン阻害剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は温血哺乳類の血餅形成を
防止するのに有用なトロンビン阻止剤に関する。本発明
は特にL−アゼチジン−2−カルボン酸とL−アルギニ
ンアルデヒドのジペプチド体のN−フェニルアラニルお
よびN−フェニルグリシル誘導体ならびにその誘導体お
よび塩類に関する。
【0002】
【従来の技術と解決すべき問題点】現在、トロンビン阻
害はヘパリン類とクマリン類たとえばワルファリンを投
与する処置により行なわれている。現在までこれらの薬
剤の作用機序は広く研究の主題であった。ヘパリン類は
非経口的に投与され、患者の望ましくない出血を制御す
るためこの薬剤の濃度を注意して監視しなければならな
い。クマリン類はプロトロンビンの形成を遮断または阻
害することにより作用し、一般にその効果を現わすまで
にいくらかの時間を必要とする。処置法たとえば静脈炎
の一つの処置法において、最初ヘパリン、次いでクマリ
ンを使用する。これらの物質は双方とも有効であるが、
血餅形成をすみやかに防止し、存在する血餅の溶解過程
においてプラスミン作用および投与した組織プラスミノ
ーゲン活性化物質のような血餅溶解剤を妨げないトロン
ビン阻害剤の必要性がいまなお存在する。
【0003】
【発明の構成と効果】本発明により提供されるトロンビ
ン阻害剤は式:
【化22】 [式中、Aは、(1)式:
【化23】 で示される基であり、基中、Rは式:
【化24】 で示されるフェニル基(ここにaおよびa'は個別に水素、
低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、トリフルオ
ロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、アミノまた
はアミノメチル、nは0または1)、またはRはチエニ
ル、フリル、ナフチルまたは置換ナフチル(低級アルキ
ル、低級アルコキシ、ハロゲン、アミノ、モノもしくは
ジ(低級アルキル)アミノまたはヒドロキシ置換基1ない
し2個で置換されたナフチル)、またはRはシクロヘキ
サジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキシルまたは
シクロペンチル、R1は水素、メチルまたはエチル、B
は低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシまたは
式: −N(R2)(R3)で示されるアミノ基(ここにR2およ
びR3は個別に水素または低級アルキル、もしくはR2
水素であってR3はC1〜C6アルカノイル、ハロ置換C2
〜C6アルカノイルまたは式: R4−OC(O)−で示され
るオキシカルボニル基(R4はC1〜C6アルキル、C2
6アルケニル、C3〜C7シクロアルキル、ベンジル、
ニトロベンジル、ジフェニルメチルまたは上に定義した
フェニル基))、(ただしR1がメチルまたはエチルである
とき、Bはメチルまたはエチル以外の基である)、(2)
式:
【化25】 で示される二環式基基中、Qは式:
【化26】 、−CH2−または
【化27】 で示される炭素1個の基、もしくは−CH2−CH2−、
【化28】 または
【化29】 で示される炭素2個の基、Yは−CH2−または
【化30】 で示される炭素1個の基、もしくは
【化31】 で示される炭素2個の基(ただし、QおよびYの双方で
はなく、1個が
【化32】 で示される基または
【化33】 で示される基であり、更にQおよびYのうちの一方のみ
が炭素2個の基である)、R5は水素または先に定義した
オキシカルボニル基R4−OC(O)−、R6は水素、低級
アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ト
リフルオロメチル、カルボキシ、カルバモイルまたはア
ミノスルホニル、6員環内の点線は芳香環またはペルヒ
ドロ環を表わす]で示される化合物およびその薬学的に
許容される非毒性塩類である。
【0004】式[1]により表わされるペプチド類は有用
な抗血栓剤であって、組織プラスミノーゲン活性化物質
(tPA)、ストレプトキナーゼまたはウロキナーゼ治療
の付加薬剤として使用することができる。
【0005】また本発明は次式で示される化合物[1]の
ための中間体から成る:
【化34】 [式中、Aは式[1]の場合と同意義。Pは炭酸ベンジ
ル、炭酸t−ブチル、p−トルエンスルホニルなどのよう
なアミノ保護基を表わす]。
【0006】これらの化合物は常套のカップリング法に
より製せられる。たとえばBoc−D−フェニルグリシン
を、L−アゼチジン−2−カルボン酸およびアルギニン
の環式ラクタムから生成したジペプチド体とカップリン
グ処理して、アミノ保護型Boc−D−Phg−Azt−Arg
ラクタムを形成させる。このArgラクタム環を還元して
開環し、アルギニンアミノ保護基を離脱してBoc−D−
Phg−Azt−Argアルデヒドを得る。このペプチド類を
酢酸塩、塩酸塩および硫酸塩のような適当な塩型に変換
する。
【0007】また本発明はヒトおよび動物の血餅形成の
防止方法およびこの方法に有用な薬学的製剤を提供す
る。
【0008】式[1]で示される本発明化合物は、AC
(O)−がD−フェニルグリシルまたはD−フェニルアラ
ニンのようなアミノ酸残基であるとき、およびAがアミ
ノ酸残基であるとき、たとえばBがアミノ基またはアル
キルアミノ基以外の基であるとき、トリペプチド類であ
り、これらの化合物は、アゼチジン−2−カルボン酸と
アルギニンアルデヒドのジペプチド(Azt−Arg−H)の
N−アシル誘導体である。式[1]におけるA(C=O)部
分の不斉中心は好ましくはRまたはRS型であり、一方
アゼチジンおよびアルギニンアルデヒド部分の不斉中心
はL型であるが、A(C=O)の不斉中心は、またS型で
あることができる。
【0009】式[1]における用語は以下のように定義さ
れる。Argはアルギニン、Proはプロリン、Pheはフェ
ニルアラニン、Phgはフェニルグリシン、およびAztは
アゼチジン−2−カルボン酸である。
【0010】低級アルキルは直鎖および分枝状C1〜C4
アルキル基たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イ
ソプロピル、n−ブチルなどを表わす。低級アルコキシ
はC1〜C4アルコキシたとえばメトキシ、エトキシ、n
−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブト
キシなどを表わす。ハロゲンはフルオロ、クロロ、ブロ
モまたはヨードを表わす。モノもしくはジ(低級アルキ
ル)アミノはメチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルア
ミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、n−ブチ
ルアミノ、n−プロピルアミノなどのような基を表わ
す。
【0011】用語「C1〜C6アルカノイル」は、C1〜C6
カルボン酸のアシル部分、たとえばホルミル、アセチ
ル、プロピオニル、ブチリル、ヘキサノイルなどのよう
な基を表わす。「ハロ置換C2〜C6アルカノイル」は、3
個を越えないハロゲン原子で置換された上記のようなC
2〜C6アルカノイル基を表わす。その例は、クロロアセ
チル、ジクロロアセチル、フルオロアセチル、4−ブロ
モブチリル、3,3,3−トリフルオロプロピオニル、
3,4−ジクロロブチリル、3,3−ジクロロヘキサノイ
ルおよび同様のフルオロ、クロロまたはブロモ置換C1
〜C6アルカノイル基を包含する。「C1〜C6アルキル」
は、前記のようなC1〜C4アルキル基およびこれに加う
るにn−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシルその異性
体ヘキシル基などのような直鎖および分枝状アルキル基
を表わす。「C2〜C6アルケニル」は、ビニル、アリル、
ブテニル、異性体ペンテニルおよびヘキセニル基のよう
なオレフィン基を表わす。「C3〜C7シクロアルキル」
は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシルおよびシクロヘプチルのような環炭素原
子3〜7個を有する環式炭化水素基を表わす。
【0012】式[1]で定義したように、Aが(R)(R1)
(B)C−基であるとき、Rはモノまたはジ置換されるこ
とができるフェニルもしくはベンジル(n=1)基である
ことができる。かかる基の例は、フェニル(aおよびa'=
H)、ベンジル(aおよびa'=Hおよびn=1)、4−メチ
ルフェニル、3−エチルフェニル、4−メトキシフェニ
ル、3−メトキシフェニル、3−エトキシフェニル、2
−メトキシフェニル、3−イソプロポキシフェニル、4
−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシベンジル、4−
クロロフェニル、4−クロロベンジル、3−クロロフェ
ニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、
3−ブロモフェニル、4−フルオロフェニル、3−トリ
フルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェ
ニル、3−トリフルオロメチルベンジル、4−ヒドロキ
シメチルフェニル、2−ヒドロキシメチルフェニル、3
−アミノフェニル、4−アミノフェニル、3−アミノ−
4−クロロフェニル、2,4−ジメチルベンジル、3,4
−ジクロロフェニル、3−ヒドロキシ−4−フルオロフ
ェニル、3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル、3−メ
トキシ−4−ヒドロキシフェニル、3−クロロ−4−エ
トキシフェニルおよび同様のモノもしくはジ置換フェニ
ル基である。
【0013】Rがナフチルまたはモノもしくはジ置換ナ
フチル基であるとき、このR基の例は、1−ナフチル、
2−ナフチル、6−メトキシ−2−ナフチル、8−ヒド
ロキシ−1−ナフチル、8−アミノ−2−ナフチル、4
−メチル−1−ナフチル、6−クロロ−2−ナフチル、
4−ヒドロキシ−6−エトキシ−2−ナフチル、8−メ
チルアミノ−4−クロロ−2−ナフチル、6,8−ジメ
トキシ−2−ナフチル、6−エチル−1−ナフチル、4
−ヒドロキシ−1−ナフチル、3−メトキシ−1−ナフ
チルおよび同様のナフチル基である。
【0014】式[1]におけるBがアミノ基−N(R2)(R
3)であるときの基の例は、アミノ(R2=R3=H)、メチ
ルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノ、ジメチ
ルアミノおよび同様のアミノ基; R2が水素、およびR3
がC1〜C6アルカノイルまたはハロ置換C2〜C6アルカ
ノイルであるとき、かかる基の例は、アセチル、プロピ
オニル、ヘキサノイル、2−メチルプロピオニル、トリ
フルオロアセチル、トリクロロアセチル、2,3−ジブ
ロモプロピオニルなど; およびR2が水素、およびR3
オキシカルボニル基R4−O−C(O)−であるとき、か
かる基の例は、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカ
ルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、イソ
アミルオキシカルボニルアミノなどのようなC1〜C6
ルコキシカルボニルアミノ基; ビニルオキシカルボニル
アミノ、アリルオキシカルボニルアミノ、2−ブテニル
オキシカルボニルアミノのようなC2〜C6アルケニルオ
キシカルボニルアミノ基; シクロプロピルオキシカルボ
ニルアミノ、シクロペンチルオキシカルボニルアミノ、
シクロヘキシルオキシカルボニルアミノなどのようなシ
クロアルコキシカルボニルアミノである。更に記号Bに
より表わされるオキシカルボニルアミノ基は、たとえば
ベンジルオキシカルボニルアミノ、4−ニトロベンジル
オキシカルボニルアミノ、ジフェニルメトキシカルボニ
ルアミノ、フェニルオキシカルボニルアミノまたは置換
フェニルオキシカルボニルアミノ基(ここに置換フェニ
ル部分は前記のような基)などを包含する。
【0015】式[1]中の基A(C=O)中、Aが(1)群の
基(R)(R1)(B)C−であるとき、この基として、フェ
ニルグリシル、フェニルアラニル、3−メトキシフェニ
ルグリシル、4−メトキシフェニルグリシル、4−クロ
ロフェニルグリシル、3,4−ジクロロフェニルグリシ
ル、4−クロロフェニルアラニル、3−トリフルオロメ
チルフェニルグリシル、N−(t−ブチルオキシカルボニ
ル)フェニルグリシル、α−メチルフェニルアセチル、
α−エチルフェニルアセチル、α−メトキシフェニルア
セチル、α−イソプロポキシフェニルアセチル、1−ナ
フチルグリシル、2−ナフチルグリシル、N−(t−ブチ
ルオキシカルボニル)−2−ナフチルグリシル、2−チ
エニルグリシル、3−チエニルグリシル、N−(シクロ
ペンチルオキシカルボニル)−2−チエニルグリシル、
2−フリルグリシル、N−エチル−2−フリルグリシ
ル、マンデロイル、4−クロロマンデロイル、3−メト
キシマンデロイル、α−ヒドロキシ−α−(2−ナフチ
ル)アセチル、α−ヒドロキシ−α−(2−チエニル)ア
セチル、1,4−シクロヘキサジエニルグリシル、1−
シクロヘキセニルグリシル、N−(t−ブチルオキシカル
ボニル)−1,4−シクロヘキサジエニルグリシル、シク
ロヘキシルグリシルおよび同様のA(CO)基が例示され
る。
【0016】Aが式[2]の二環式基であるペプチド類
[1]の例として、式:
【化35】
【化36】 で示されるAzt−Arg−HのD−1,2,3,4−テト
ラヒドロイソキノリン−1−イルカルボニル(D−1−
Tiq−Azt−Arg−H)、D−1,2,3,4−テトラヒド
ロイソキノリン−3−イルカルボニル、D−ペルヒドロ
イソキノリン−1−イルカルボニルおよびD−ペルヒド
ロイソキノリン−3−イルカルボニル誘導体、式:
【化37】 で示されるAzt−Arg−Hの2,3−ジヒトロインドー
ル−3−イルカルボニル基、ジヒトロイソインドール−
1−イルカルボニル(イソインドリン−1−カルボニル)
およびヘキサヒドロイソインドリン−1−カルボニルお
よびヘキサヒドロイソインドリン−3−カルボニル誘導
体が挙げられる。これらの式中、R6およびR5は前記と
同意義。R5は好ましくは水素、R6は好ましくは水素、
メトキシ、エトキシ、クロロまたはメチルである。
【0017】化合物[1]を製造し、その酸付加塩型はよ
り安定性が大であるから酸付加塩型で使用する。好まし
い塩類は薬学的に許容される非毒性塩である。
【0018】本発明のペプチド類の薬学的に許容される
塩類は、無機酸およびカルボン酸で生成される酸付加塩
を包含される。塩を形成する無機酸の例は塩酸、臭化水
素酸のようなハロゲン化水素酸、リン酸および硫酸であ
る。酢酸、プロピオン酸、マロン酸、マレイン酸、クエ
ン酸、コハク酸、リンゴ酸、安息香酸、フマル酸および
同様のカルボン酸のような酸でカルボン酸塩を形成させ
る。酸付加塩類は常套の方法たとえば化合物[1]の遊離
型塩基を酸で中和することにより製造する。好ましい酸
付加塩は硫酸塩および塩酸塩である。
【0019】本発明の好ましい実施態様は、Aが
【化38】 [式中、Rが式:
【化39】 で示されるフェニル基、Rが水素、およびBがアミノ
基−N(R2)(R3)である化合物[1]である。更に好まし
い化合物は、R2が水素、R3がオキシカルボニル基R4
O−C(O)−で示される化合物である。またRがナフチ
ルまたは置換ナフチル基、BおよびR1が上記好ましい
基と同様の基である化合物が好ましい。またBがアミノ
基−N(R2)(R3)、R2が水素、およびR3が低級アルキ
ル基、特にメチル; R2が水素、およびR3がトリフルオ
ロアセチル; R1が水素、およびRが前記のようなフェ
ニル基(nが0または1)である化合物[1]が好ましい。
【0020】本発明の特に好ましい実施態様は、Aが
(2)群の二環式基である化合物[1]から成る。この態様
の好ましい化合物は、式[1]中のA(C=O)が1,2,
3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イルカルボニ
ル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−イ
ルカルボニルである式[1]により表わされる。上記以外
の特に好ましい態様は、式[1]中、Aが(R)(R1)(B)
−C−(Rがn=0または1;R1がメチルまたはエチル、
およびBがアミノ基−N(R2)(R3))である化合物から
成る。
【0021】化合物[1]は公知ペプチドカップリング法
により製せられる。その1つの方法により下記のように
アルギニンの環式ラクタム型(b)を製し、これをアミノ
保護アゼチジン−2−カルボン酸(a)とカップリング処
理して、ジペプチド(c)を製する。
【化40】 式中、Pはベンジルカルバメート基(Cbz)、t−ブチル
カルバメート(Boc)、p−トルエンスルホニルなどのよ
うなアミノ保護基を表わす。使用するアミノ保護基は、
好ましくは、水素化または温和な酸(たとえばトリフル
オロ酢酸)もしくは強酸(たとえばHF)で処理すること
により脱離させうるものである。塩基不安定性保護基を
好ましくない。他の適当なアミノ保護基は、「有機合成
における保護基」(Protective Groups In Organi
c Synthesis)第2版(Theodore W.Greeneおよび
Peter G.M.Wuts)第7章309〜405頁(19
91年)John Wiley of Sons, Inc.(編者はここ
に参考とすべき事項は完全に編集している)により提供
される。Bocまたは他の適当な保護基をアゼチジン環窒
素から脱離し、次いで式[1]中のA(C=O)で表わされ
る所望のアシル基またはアミノ酸アシル基でアシル化
し、トリペプチド体(d)を製する。
【化41】
【0022】カップリング処理したArg(P)ラクタム生
成物(d)を不活性溶媒中、水素化アルミニウムリチウム
で還元してラクタム環を開環して式: A(C=O)−Azt−Arg(P)−H [式中、Arg(P)−Hはアミノ保護アルギニンアルデヒ
ドを表わす]で示されるアルギニンアルデヒド型トリペ
プチドを得る。
【0023】アミノ保護アルギニン[Arg−OH]の分子
内カップリングによりラクタム型アルギニンを得る。た
とえば最初クロロギ酸エステルたとえばクロロギ酸エチ
ルまたはクロロギ酸イソブチルで式:
【化42】 で示されるBoc−Arg(Cbz)OHをその活性混合無水物
のような活性エステル型に変換する。このエステル形成
は、N−メチルモルホリンのような第三級アミンの存在
下に行なわれる。トリエチルアミンのようなより強い第
三級アミン塩基を加えて効果的に内部アシル化し、式:
【化43】 で示されるラクタム型ジアミノ保護アルギニンを得る。
前記式に示すアゼチジン−2−カルボン酸とのカップリ
ングに使用する前に、Boc保護基をトリフルオロ酢酸
で選択的に脱離し、必要な遊離アミノ基を形成させる。
【0024】別法として、ACOOH酸と2−アゼチジ
ンカルボン酸をカップリング処理することにより、本発
明化合物を製造する。次いでこのジペプチドと、前記の
ように製せられたラクタム型アミノ保護アルギニンをカ
ップリング処理する。次いでこのトリペプチドを還元し
てラクタム環を開環し、前記のようなアミノ保護アルギ
ナルトリペプチドを得る。この系のカップリング反応の
詳細は後記実施例3で例示する。
【0025】Aがアミノ酸残基であるACOOH化合物
のカップリング処理は、最初このアミノ酸のアミノ基を
保護することにより行なわれる。アミノ基を一時的に保
護または遮断するため一般に使用されている通常のアミ
ノ保護基を使用する。かかる保護基の例として、アルコ
キシ、アルケニルオキシ、シクロアルコキシ、アラルコ
キシおよびアリールオキシカルボニル基、たとえばエト
キシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニル、シクロ
ヘキシルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボ
ニル、トリクロロエトキシカルボニル、ベンジルオキシ
カルボニル、ジフェニルメトキシカルボニルおよび同様
の基を包含する。
【0026】Aが基(R)(R1)(B)C−、Bがアミノ基
−N(R2)(R3)(R2は水素、R3は低級アルキル)である
化合物[1]は、Bがアミノ基である対応する化合物を用
い、公知アルキル化法により製せられる。たとえばホル
ムアルデヒドで還元的アルキル化することによりN−メ
チル−D−フェニルグリシル−L−アゼチジニル−L−
アルギニンアルデヒドを製する。ホルムアルデヒドの代
わりにアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドまたは
ブチルアルデヒドを用いてN−エチル、N−n−プロピ
ルおよびN−n−ブチルアルキル誘導体を製する。この
還元的にアルキル化は、不活性溶媒中、水素化触媒たと
えば5%Pd/Cの存在下、好ましくは温和な温度およ
び圧力条件下に行なわれる。アミノ酸A(C=O)−OH
たとえばフェニルグリシンまたはフェニルアラニンにつ
いて還元的アルキル化し、このN−アルキル誘導体をL
−アゼチジニル−L−アルギニンラクタムまたは別法と
してL−アゼチジン−2−カルボン酸とカップリング処
理し、次いでこのジペプチド体をArg(ラクタム)とカッ
プリング処理することができる。
【0027】Aが(R)(R1)(B)C−、Rがシクロヘキ
サジエニルまたはシクロヘキセニル、およびBがアルキ
ルアミノ基−N(R2)(R3)である化合物[1]は、低級ア
ルキルアルデヒドで形成されるイミン体を水素化シアノ
ホウ素ナトリウムで還元することにより製造することが
できる。同様にかかるN−アルキル化は、ヨウ化低級ア
ルキルおよび水素化ナトリウムで行なうことができる。
【0028】Aが(2)群の二環式基である化合物[1]
は、上記と同様のカップリング法により製造することが
できる。たとえばAが1,2,3,4−テトラヒドロイソ
キノリン−1−イル基(formula2、Q=−CH2CH
2−、Y=−CH−、R5=R6=H)であるペプチド[1]
は、ジペプチドD−1,2,3,4−テトラヒドロイソキ
ノリン−1−オイル−L−アゼチジン−2−カルボン酸
をL−Arg(ラクタム)でアシル化することにより得られ
る。カップリングのためのカルボキシグループの好まし
い誘導体は、ヒドロキシベンゾトリアゾールまたは2,
4,5−トリクロロフェノールを用い、通常の方法によ
り形成されるエステルのような活性エステル体である。
使用することができる他の活性誘導体は、クロリドまた
はブロミドのような酸ハライドおよび酸アジドを包含す
る。アシル化カップリング処理の間にテトラヒドロイソ
キノリン(式[2]中、R5=H)の環内窒素原子を保護す
る。たとえばL−アゼチジン−2−カルボン酸のアシル
化において、N−Boc−1,2,3,4−テトラヒドロ−
1−カルボキシイソキノリンをクロロギ酸イソブチルで
処理して生成した活性エステル体を用いる。次いでこの
生成物のラクタム基を前記のようにそのアルデヒド型に
変換して化合物[1]すなわちBoc−1,2,3,4−テト
ラヒドロイソキノリン−1−イルカルボニル−Azt−A
rg−Hを得る。
【0029】前記のカップリング反応は好ましくは約−
20〜約15℃の冷温度で行なわれる。このカップリン
グ反応は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム
および同様な通常の溶媒のような不活性有機溶媒中で行
なう。一般にカップリング反応においてアシル化活性酸
エステルを使用するとき、無水条件を用いる。
【0030】Aが基(R)(R1)(B)C−(ここにR1はメ
チルまたはエチル)である化合物[1]は、Bがアミノ基
−NH2である化合物のベンゾフェノンイミン誘導体
と、ヨウ化メチルまたはヨウ化エチルおよび水素化カリ
ウムを、18−クラウンエーテル化合物の存在下に反応
させることにより製せられる。たとえばメチル・フェニ
ルグリシネートとベンゾフェノンイミンを反応させて
式:(C65)(H)([C65]2C=N−)C−COOCH3
で示される上記グリシネートのジフェニルメチルイミン
を生成する。次いでこのエステルを、不活性溶媒中18
−クラウン−6エーテルの存在下、ヨウ化メチルまたは
ヨウ化エチルおよびカリウムアミド少なくとも1当量で
アルキル化する。次いで(C65−)(CH3−)([C65]
2C=N−)C−COOCH3で示されるアルキル化生成
物を、6N塩酸中で加水分解してD−α−メチル−もし
くはα−エチル−フェニルグリシンを得る。
【0031】本発明化合物を酸付加塩型で単離する。前
記のような酸で形成された化合物[1]の塩類は、抗トロ
ンビン剤投与のため、およびこの薬剤の製造のための薬
学的に許容される塩類として有用である。ペプチド生成
物の単離および精製において他の酸付加塩類を製造し、
使用することができる。たとえばメタンスルホン酸、n
−ブタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸およびナ
フタレンスルホン酸のようなスルホン酸で形成される塩
類を上記のように使用することができる。
【0032】化合物[1]を精製する好ましい方法、また
その一方同時に好ましい安定な塩型を製造する方法は、
コペンデングアプリケーション第790884号(19
91年11月12日出願)中に記載されている。この方
法により、硫酸または塩酸(pH2.5)の水性成分およ
び有機成分としてアセトニトリルから成るC18逆相クロ
マトグラフィー上、分取精製法により安定な硫酸塩また
は塩酸塩を製造する。ヒドロキシル型アニオン交換樹脂
たとえばBio−Rad AG−1×8で酸性溶離液のpH
を約4〜約6に調節する。pH調節後、トリペプチド硫
酸塩または塩酸塩溶液を凍結乾燥し、乾燥粉末型塩純品
を得る。製造法の一例において、粗D−Phg−L−Azt
−L−Arg−H硫酸塩を水に溶解し、溶液をVydac C
18 RP−HPLC 5cm×50cmカラム上に負荷する。
B2〜10%のA勾配溶離剤(A=0.01%硫酸; B
=アセトニトリル)を10時間に渡って使用する。複数
の分画を集め、分析的RP−HPLCで測定した生成物
含有分画を合す。合わせた分画を、ヒドロキシド型AG
−1×8樹脂(Bio−Rad、3000Ragatta Blvd.,
Richmond CA94804)でpH4.0〜4.5に調
節する。溶液を濾過し、濾液を凍結乾燥し、硫酸塩型D
−,L−,L−トリペプチド純品を得る。
【0033】本発明により製せられる化合物[1]はヒト
および動物のトロンビンの作用を阻止する。トロンビン
が色素産生(chromogenic)基質N−ベンゾイル−D−フ
ェニルアラニル−L−バリル−L−アルギニル−p−ニ
トロアニリドを加水分解する試験法で測定されるように
トロンビンのアミダーゼ活性の試験管内試験によりトロ
ンビンに対する阻害作用が証明される。
【0034】この試験は、50μl緩衝液(0.03Mト
リス、0.15M塩酸、pH7.4)中、トロンビン溶液
(0.06Mトリス、0.3M塩酸、pH7.4中トロン
ビン安定(thrombostat)粉末0.21mg/ml)25μlお
よび0.25mg/ml濃度の色素産生(chromogenic)基質
の水溶液150μlを用いて行なわれる。試験化合物(2
5μl)の溶液を種々の濃度で加える。反応溶液のp−ニ
トロアニリンの放出を405nmで監視することにより基
質の加水分解の率を測定する。遊離トロンビン濃度を加
水分解率に対して作図することにより標準曲線を作定す
る。次いでこの標準曲線を用い、各試験で観察された加
水分解率を「遊離トロンビン」値に変換する。試験に用い
た最初のトロンビン既知量から各試験で観察された遊離
トロンビン量を減算することにより、結合トロンビン
(試験化合物と結合した)を計算する。加えた阻害剤(試
験化合物)のモル数から結合トロンビンのモル数を減算
することにより、各試験における遊離阻害剤の量を計算
する。
【0035】カス(Kass)値は、トロンビンと試験化合
物[1]の反応に関する仮説的平衡定数(hypothetical eq
uilibrium constant)である。 トロンビン+I ⇔ トロンビン−I Kass=[トロンビンI]/[(トロンビン)×(I)
【0036】カス(Kass)を試験化合物の濃度範囲とし
て計算し、平均値をl/モル単位として記録する。
【0037】本発明化合物のトロンビン阻害活性は、前
記各試験においてBoc−D−Phe−L−Azt−L−Arg
−HおよびBoc−D−Phg−L−Azt−L−Arg−Hを
用いて得られたKass値それぞれ6.5×107および1
4.9×107(l/モル)により例証される。
【0038】次の表1は表中の化合物(1)を用いて得ら
れたKass値を列挙する。
【表1】 トロンビン抑制濃度 化合物(1) Kass×106(l/モル) TFA−D−Phg(α−Et)−Azt−Arg−H 226 Boc−D−Phg−Azt−Arg−H 149 TFA−D−Phg(α−Me)−Azt−Arg−H 127 Boc−D−Phg−Azt−Arg−H 65 Ac−D−Phg(α−CH3)−Azt−Arg−H 70 Boc−D−Phg(α−CH3)−Azt−Arg−H 61 D−3−Tiq−Azt−Arg−H 35 DL−1−Tiq−Azt−Arg−H 27 Ac−Phg(α−CH3)−Azt−Arg−H 15Boc−DL−Phg(α−CH3)−Azt−Arg−H 11 注. D−Phg=フェニルグリシル Azt=アゼチジニル 3−Tiq=1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−
3−カルボニル 1−Tiq=1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−
1−カルボニル Ac=アセチル TFA=トリフルオロアセチル
【0039】本発明化合物は、生体の自然的血餅溶解能
に対して感知し得る干渉現象はなく、血餅形成を阻害す
る。たとえば本発明化合物は線維素溶解現象に及ぼす抑
制的影響は低い。
【0040】本発明は、その一つの観点において、有効
に血餅を阻害する非毒性投与量の化合物[1]をヒトおよ
び動物に投与することから成るヒトおよび動物の血餅形
成を阻害する方法を提供する。この抗凝固剤化合物は経
口的、非経口的たとえば静脈注射(iv)、筋肉注射(im)ま
たは皮下注射(sc)により投与される。患者の症状のよう
な情況たとえば急性または慢性的ケアーのための患者の
必要性により、投与法を経口的もしくは静脈注射とする
ことができる。
【0041】効果的血餅阻害投与量は約5〜約1000
mgである。摂生投与量を変えることができる。たとえば
予防的使用のため1日1回投与するかまたは1日に3〜
5回のような1日当り複数回投与することができる。重
篤看護の情況において本発明化合物を約0.1〜約50m
g/kg/h、好ましくは約1.0〜約20mg/kg/hの量で
静脈内投与する。
【0042】また血餅溶解剤たとえば組織プラスミノー
ゲン活性化物質(tPA)、修飾tPA、ストレプトキナー
ゼまたはウロキナーゼと組合わせて本発明の方法を実施
する。血餅形成が起った場合および動脈または静脈が閉
塞した場合に、通常血餅溶解剤を局所的もしくは全身的
に使用する。血餅形成の再発を防ぐため、本発明化合物
を溶解剤と共に、またはこの使用に引続いて投与するこ
とができる。
【0043】本発明の方法の実施において、好ましい本
発明化合物を使用するのが好ましい。たとえば前記のよ
うな好ましい化合物を使用する。特に好ましい化合物
は、N−Boc−D−フェニルグリシル−L−アゼチジニ
ル−L−アルギニンアルデヒドおよびN−メチル−D−
フェニルグリシル−L−アゼチジニル−L−アルギニン
アルデヒドである。
【0044】また本発明は前記のような治療法に使用す
るための薬学的製剤を提供する。本発明の薬学的製剤
は、化合物[1]の有効な血餅阻止量と薬学的に許容され
る担体から成る。経口的投与のため、化合物に結合剤、
滑沢剤、崩壊剤などを含有させたゼラチンカプセル剤ま
たは錠剤として本発明の抗血栓化合物の製剤を製造する
ことができる。非経口投与のため、薬学的に許容される
希釈剤たとえば生理食塩水(0.9%)、5%デキストロ
ース、リンゲル溶液など中、本発明の抗血栓剤を製造す
る。
【0045】本発明の抗血栓剤を単位投与剤型中に約1
〜約1000mg含有させた製剤として製造することがで
きる。好ましくは化合物は、たとえば硫酸塩、酢酸塩ま
たはリン酸塩のような薬学的に許容される塩型である。
単位投与製剤として、10ml滅菌ガラスアンプル中N−
Boc−D−フェニルグリシル−L−アゼチジニル−L−
アルギニンアルデヒド硫酸塩5mgを含有する製剤が例示
される。他の単位投与製剤例として、滅菌アンプルに入
れた等張食塩溶液20ml中、N−メチル−D−フェニル
アラニル−L−アゼチジニル−L−アルギニンアルデヒ
ド硫酸塩約10mgを含有する製剤があげられる。
【0046】次に実施例を記載して更に本発明を説明す
るが、実施例は本発明の範囲を限定するものと解釈され
るべきではない。
【0047】実施例中のRf値は、次に示す溶媒系を用
い、Kieselgel 60F−254(Merck,Darmstadt)
によるシリカゲル薄層クロマトグラフィーで測定した。 (A)クロロホルム−メタノール−酢酸(135:15:1
(v : v : v)) (B)酢酸エチル−酢酸−無水エタノール(90:10:1
0(v : v : v)) (C)クロロホルム−メタノール−酢酸(90:30:5(v
: v : v))
【0048】実施例中クロマトグラフィー分画の監視、
保持時間の決定および生成物の純度のための分析的HP
LC法を次に述べる。Vydac C18逆相カラム(0.46c
m×10cm)を用いるWaters600E。監視はPharmaci
a UV−M(214nM)、A=0.01M酢酸アンモニ
ウムまたはB=アセトニトリルのいずれかの勾配溶離剤
を用いて行なった(Pharmacia,Inc.,800 Centenn
ial Ave.,Piscataway,N.Y.08854)。
【0049】実施例中に用いる略語は次の意義を有す
る。 アミノ酸; Arg=アルギニン、Azt=アゼチジン、Pr
o=プロリン、Phg=フェニルグリシン、1−Tiq=1,
2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−カルボニ
ル、 Boc=t−ブチルオキシカルボニル、 Bzl=ベンジル、 Cbz=ベンジルオキシカルボニル、 DCC=ジシクロヘキシルカルボジイミド、 DMF=ジメチルホルムアミド、 DMSO=ジメチルスルホキシド、 FAB−MS=高速原子衝撃質量スペクトル、 FD−MS=フィールドデイソープション質量スペクト
ル、 THF=テトラヒドロフラン、 TLC=薄層クロマトグラフィー、 EtOAc=酢酸エチル、 n=BuOH=n−ブチルアルコール、
【0050】実施例1 N−(N−t−ブチルオキシカルボニル−D−フェニルグ
リシル)−L−アゼチジニル−L−アルギニンアルデヒ
ド・二酢酸塩の製造 (1)t−BocおよびCbzによるジ保護(2個所保護され
た)アルギニンの製造3頸丸底フラスコ中、N−(t−ブ
チルオキシカルボニル)アルギニン塩酸塩[Boc−Arg
(HCl)−OH](82.1g、250ミリモル)を5N水酸
化ナトリウム(240ml)に溶解する。溶液を−5℃に冷
やし、クロロギ酸ベンジル(143ml、1.0モル、4当
量)を55分間に渡って滴加し、この間5N水酸化ナト
リウム(25ml)でpH13.2〜13.5に保持する。滴
加終了後、混合物を−5℃で1時間攪拌し、水100ml
で希釈する。ジエチルエーテル(500ml)を加え、水層
を分離してジエチルエーテル500mlで2回抽出する。
水層を3N硫酸(560ml)でpH3.0に調節し、酢酸エ
チル550mlで抽出する。水層を酢酸エチルで抽出し、
抽出物を合して水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減
圧下に蒸発乾固してジ保護アルギニンBoc−Arg(Cbz)
−OH(1)66.1gを得る。 TLC:Rf(C)0.43 FD−MS:408(M+)1 H・NMR(CDCl3):δ1.42(s,9H)、1.61〜
1.91(m,4H)、3.23〜3.41(m,2H)、4.17
(d,1H)、5.21(s,2H)、5.62(d,1H)、7.3
0〜7.42(m,6H)、8.37(m,1H)。
【0051】(2)Boc−Arg(Z)−ラクタムの製造 上記(1)項のように製せられたジ保護アルギニン(66.
0g、0.162モル)を乾燥THF230mlに溶解し、
溶液を氷−アセトン浴で−10℃に冷やす。この溶液に
トリエチルアミン(23.5ml、1.05当量)、次いでク
ロロギ酸イソブチル(22.5ml、1.05当量)を加え、
混合物を−10℃で5分間攪拌する。次にN−メチルモ
ルホリン(18.7ml、1.05当量)を加え、混合物を−
10℃で1時間、室温で1時間攪拌する。反応混合物を
氷水1lに注ぎ、生成沈殿を濾過し、冷水で洗い、減圧
下に乾燥する。生成物Boc−Arg(Z)−ラクタム(2)を
酢酸エチルから結晶化し、生成物38.05g(収率60
%)。 TLC:Rf(A)0.77、 FD−MS:391(MH+)、1 H・NMR(CDCl3):δ1.48(s,9H)、1.78〜
1.98(m,2H)、2.50(m,1H)、3.41(m,1
H)、4.43(m,1H)、4.90(m,1H)、5.16(s,
2H)、5.27(m,1H)、7.28〜7.45(m,6H)、
9.41(m,1H)、9.68(m,1H)。
【0052】(3)Arg(Z)−ラクタム・トリフルオロ酢
酸塩の製造 前項のように製せられたBoc保護Argラクタム(2)(3
8.0g、0.097モル)を、0℃で1時間攪拌しながら
トリフルオロ酢酸(200ml)とアニソール20mlで処理
する。反応混合物を加熱することなく減圧下に濃縮し、
濃縮物にジエチルエーテル400mlを加える。固体を濾
取してエーテルで洗い、減圧下に乾燥し、生成物(3)4
0.5gを得る。 TLC:Rf(C)0.29 FD−MS:291(MH+)
【0053】(4)N−(t−ブチルオキシカルボニル)ア
ゼチジン−2−カルボン酸Boc−Azt−OHの製造 L−アゼチジン−2−カルボン酸(5g、0.0495モ
ル)を、2N水酸化ナトリウム(0.099モル)50ml含
有t−ブチルアルコール50mlに溶解する。この溶液に
ジ−t−ブチル−ジカーボネート(12.9g、0.059
4モル)を加え、混合物を室温で一夜攪拌する。反応混
合物を水およびジエチルエーテルで希釈して水層を分離
する。水層を3N塩酸でpH2.3に調節し、酢酸エチル
で抽出する。抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧
蒸発して濃縮し、油状物を得る。油状物をジエチルエー
テル/石油エーテルから結晶化して生成物(4)8.6g
(収率87%)を得る。 FAB−MS:202(MH+) [α]D=−120℃(c=0.5CH3OH)、 元素分析、C915NO4として、 計算値:C,53.72;H,7.51;N,6.96、 実測値:C,53.62;H,7.63;N,6.83。
【0054】(5)Boc−Azt−Arg(Z)−ラクタムの製
造 Boc−Azt−OH(4)(1.51g、7.5ミリモル)をD
MF20mlに溶解し、溶液を−15℃に冷やし、N−メ
チルモルホリン0.83ml(7.5ミリモル)、次いでクロ
ロギ酸イソブチル(0.93ml、7.5ミリモル)を加え
る。この溶液を−15℃で2分間攪拌する。
【0055】分液容器中、Arg(Z)−ラクタム・トリフ
ルオロ酢酸塩(3)(3.03g、7.5ミリモル)をDMF
10mlに溶解し、溶液を0℃に冷やし、これにN−メチ
ルモルホリン(0.83ml、7.5ミリモル)を加える。こ
の溶液を0℃で2分間攪拌し、次いでこの溶液を前記溶
液と混合する。混合物を−15℃で2時間攪拌後、ゆっ
くりと一夜室温に加温する。炭酸水素ナトリウム5%溶
液(5ml)を加え、反応混合物をジエチルエーテル175
mlと水150mlで希釈する。有機層を分離し、5%炭酸
水素ナトリウム、水、1.5Nクエン酸で洗浄し、水洗
する。洗浄した層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧蒸
発により濃縮し、無定形固体として生成物(5)3.5g
(収率99%)を得る。 TLC:Rf(A)0.71、 FAB−MS:474(MH+)、1 H・NMR(CDCl3):δ1.45(s,9H)、1.55〜
1.65(m,2H)、1.80〜2.00(m,2H)、2.40
〜2.60(m,3H)、3.45(m,1H)、3.80(q,1
H)、3.95(q,1H)、4.68(m,1H)、4.90(m,
1H)、5.15(s,2H)、7.30〜7.42(m,5H)。
【0056】(6)Azt−Arg(Z)−ラクタム・トリフル
オロ酢酸塩の製造 Boc−Azt−Arg(Z)−ラクタム(5)(3.4g、7.2ミ
リモル)を、0℃で30分間攪拌しながらトリフルオロ
酢酸25mlおよびアニソール5mlで処理する。反応混合
物を加熱することなく減圧蒸発により濃縮し、濃縮物を
ジエチルエーテル100mlで処理する。固体を濾取して
ジエチルエーテルで洗い、減圧乾燥して生成物(6)3.
5g(収率100%)。 FD−MS:374(MH+)。
【0057】(7)Boc−D−Phg−Azt−Arg(Z)−ラ
クタムの製造 Boc−D−フェニルグリシン(0.88g、3.5ミリモ
ル)とAzt−Arg(Z)−ラクタム・トリフルオロ酢酸塩
(6)(1.71g、3.5ミリモル)をDMF10mlに溶解
し、溶液を0℃に冷やす。この溶液に、N,N−ジイソ
プロピルエチルアミン(0.73ml、4.2ミリモル)、次
いで1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(0.47
g、3.5ミリモル)およびジシクロヘキシルカルボジイ
ミド(0.72g、3.5ミリモル)を加える。混合物を0
℃で4時間、室温で3日間攪拌する。混合物を濾過し、
濾液を酢酸エチル200mlと5%炭酸水素ナトリウム1
00mlに溶解する。有機層を分離して水洗し、1.5N
クエン酸(100ml)および水(150ml)で洗い、硫酸マ
グネシウムで乾燥する。この層を減圧蒸発によって濃縮
乾固し、固体として生成物(7)1.2g(収率57%)を得
る。 TLC:Rf(A)0.65、 FAB−MS:607(MH+)。
【0058】(8)Boc−D−Phg−L−Azt−L−Arg
−(Z)−Hの製造 Boc−D−Phg−L−Azt−L−Arg(Z)−ラクタム
(7)(1.16g、1.91ミリモル)を乾燥THF100m
lに溶解する。溶液を窒素雰囲気下、−15℃に冷や
し、THF中1M水素化アルミニウムリチウム(1.9m
l、1.9ミリモル)を3分間に渡って滴加する。混合物
を0℃に加温して1時間攪拌する。THF5mlと0.5
N硫酸5mlの溶液をゆっくり10分間に渡って滴加す
る。反応混合物を酢酸エチル100mlと水50mlで希釈
し、有機層を分離して硫酸マグネシウムで乾燥する。乾
燥有機層を減圧下に濃縮し、生成物0.97g(収率84
%)を得る。 FAB−MS:609(MH+)
【0059】(9)次に述べるような処理を行なって標記
化合物を製造する。 化合物(9)(0.95g、1.56ミリモル)のTHF12
0mlと水30ml溶液に酢酸(0.19ml、2当量)と10
%パラジウム/炭素触媒0.5gを加える。懸濁液にガス
分散管を通してこれから窒素を5分間、次いで水素を4
時間、その後再び窒素を5分間通気して発泡させる。濾
過パッドを用いて触媒を濾別する。濾液を減圧下、20
ml容に濃縮し、濃縮物を凍結乾燥し、固体として標記粗
生成物0.822gを得る。
【0060】標記化合物を、5×25cmC−18逆相H
PLCカラム(Vydac C−18,Separation Group,
17434Mojave St.,Hesperia CA9234
5)上、10〜50%アセトニトリル/0.01M酢酸ア
ンモニウム勾配溶離剤により、9時間クロマトグラフィ
ーに付す。複数の分画を集め、分析的逆相HPLC概略
に基づいて区分する。区分した分画を凍結乾燥し、標記
化合物純品0.303g(収率41%)を得る。 FAB−MS:475(MH+)、 [α]D=−146゜(1M酢酸エチル中c=0.5)、 保持時間:RP−HPLC,5〜50%アセトニトリル、
60分=48.5分間。
【0061】実施例2 N−(N−t−ブチルオキシカルボニル)−D−フェニル
アラニル−L−アゼチジニル−4−アルギニンアルデヒ
ド・二酢酸塩の製造 実施例1記載の操作、反応条件および試薬を用い、実施
例1のD−フェニルグリシンの代わりにD−フェニルア
ラニンを用い、標記化合物を得る。 FAB−MS:489(MH+)、 保持時間:40.9分。
【0062】実施例3 DL−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−
オイル−L−アゼチジニル−L−アルギニン硫酸塩の製
造 (1)DL−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−
1−カルボン酸の製造イソキノリン−1−カルボン酸
(12.5g、0.072モル)の氷酢酸185ml溶液を、
パル(Parr)水素化装置中、室温、60psi水素圧、酸化
白金2gの存在下、24時間水素化する。反応混合物を
濾過パッド(セライト)に通して濾過し、濾液を減圧下、
蒸発乾固する。残留固体生成物を水で処理し、濾過して
乾燥し、生成物(1)純品8g(収率63%)を得る。 FD−MS:178(MH+)、1 H・NMR(DMSO):δ2.80〜3.00(m,3H)、
3.10〜3.20(m,1H)、3.30〜3.40(m,2
H)、7.05〜7.25(m,4H)、7.65〜7.75(m,
1H)。
【0063】(2)t−ブチルオキシカルボニル−DL−
1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−カルボ
ン酸ジシクロヘキシルアミン塩(Boc−DL−Tiq D
CHA)の製造 1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−カルボ
ン酸(1)(7.08g、0.040モル)の2N水酸化ナト
リウム(40ml、0.080モル)溶液に、t−ブチルアル
コール40mlとジ−t−ブチルジカーボネート(10.5
g、0.048モル)を加える。室温で約24時間後、反
応混合物からt−ブチルアルコールの大部分を蒸発さ
せ、得られた水相をジエチルエーテルで1回洗う。水層
を2N塩酸でpH2.0に調節し、酢酸エチルで抽出する。
抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に蒸発乾固
する。残留物(油状)をジエチルエーテルに溶解し、溶液
にジシクロヘキシルアミン(DCHA)(7.9ml、0.0
40モル)を加える。この溶液を4℃で4時間放置し、
沈殿した塩を濾過し、ジエチルエーテルで洗い、減圧下
に乾燥し、DCHA塩(2)15.7g(収率86%)を得
る。 FD−MS:459(MH+)、 元素分析、C274224として、 計算値:C,70.71;H,9.23;N,6.11、 実測値:C,71.07;H,9.37;N,5.87。
【0064】(3)t−ブチルオキシカルボニル−DL−
1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−オイル
−アゼチジン−2−カルボン酸(Boc−DL−1−Tiq
−Azt−OH)の製造 DCHA塩(2)(13.7g、30ミリモル)を酢酸エチル
200mlに懸濁し、懸濁液を1.5Nクエン酸および水
で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥する。懸濁液を減圧下
に蒸発乾固し、油状残留物を酢酸エチル100mlに溶解
する。溶液を0℃に冷やし、2,4,5−トリクロロフェ
ノール(5.91g、30ミリモル)、次いでDCC(6.1
8g、30ミリモル)を加える。混合物を0℃で5分間攪
拌し、次いで室温に暖め、1.5時間攪拌する。反応混
合物を0℃に冷やし、沈殿を濾別し、母液を減圧下に蒸
発乾固する。油状残留物をピリジン80mlに溶解し、溶
液に2−アゼチジン−2−カルボン酸(3.0g、30ミ
リモル)とトリエチルアミン4.2ml(30ミリモル)を加
える。混合物を室温で48時間攪拌し、減圧下に蒸発乾
固する。残留物を酢酸エチル/水に溶解し、溶液を2N
水酸化ナトリウムでpH9.5に調節する。水層を分離し
て2N塩酸でpH2.0に調節し、次いで酢酸エチルで抽
出する。抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に
蒸発乾固して生成物(3)10gを得る。
【0065】生成物(3)をクロロホルム:ヘキサン(1:
1(v:v))に溶解し、溶液をWater'sPrep500A・ヘ
キサン中に平衡したシリカゲルカラムに適用する。生成
物を酢酸エチル濃度増加勾配溶離剤で溶離する。複数分
画を集め、生成物をTLC概略に基いて単離する。分画
を合して蒸発乾固し、生成物(3)純品4.8g(収率44
%)を得る。 TLC:Rf(A)0.35、 FAB−MS:361(MH+)、 [α]D=−20.6゜(c=0.5CH3OH)。
【0066】(4)t−ブチルオキシカルボニル−DL−
1,2,3,4−テトラヒドロ−1−イソキノリノイル−
L−アゼチジニル−L−アルギニン(Cbz)ラクタム(4)
(Boc−DL−1−Tiq−Azt−Arg(Z)−ラクタム)の
製造 第一のフラスコ中、Boc−DL−1−Tiq−Azt(3)
(5.3g、15ミリモル)をDMF50mlに溶解し、溶液
を−15℃に冷やす。N−メチルモルホリン(1.65m
l、15ミリモル)を加え、混合物を−15℃で2分間攪
拌する。
【0067】第二のフラスコ中、Arg(Z)−ラクタム
(トリフルオロ酢酸塩(TFA)として)(6.06g、15
ミリモル)をDMF20mlに溶解し、溶液を0℃に冷や
す。この冷溶液にN−メチルモルホリン(1.98ml、1
9ミリモル)に加えて0℃で2分間攪拌する。次いで第
二フラスコの内容物を第一フラスコ中に注ぎ、−15℃
で3時間攪拌する。混合物をゆっくり一夜で室温にあた
ため、減圧下に蒸発させて油状物を得る。油状物に酢酸
エチル(175ml)と1N炭酸水素ナトリウム(100ml)
を加える。有機層を分離して水、1.5Nクエン酸、再
び水で洗う。溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下
に蒸発乾固し、無定形固体としてBoc−DL−1−Tiq
−Azt(Z)−ラクタム(4)6.9g(収率73%)を得る。 TLC:Rf(A)0.64 FAB−MS:633(MH+)、 [α]D:−62.5゜(c=0.5CHCl3)。
【0068】(5)Boc−DL−1−Tiq−Azt−Arg
(Z)−H(5)の製造 Boc−DL−1−Tiq−Azt−Arg(Z)−ラクタム(4)
(6.3g、10ミリモル)の乾燥THF85ml溶液を窒素
雰囲気下、−15℃に冷やし、THF(10ml、10ミ
リモル)中1M水素化アルミニウムリチウムを30分間
に渡って滴加する。水素化物滴加終了後、混合物を−1
5℃で30分間攪拌する。この混合物に、THF10ml
と0.5N硫酸3.0mlの溶液を、5分間に渡って滴加す
る。混合物を酢酸エチル200mlと水200mlで希釈
し、有機層を分離して硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧
下に蒸発乾固し、無定形固体として生成物(5)6.0g
(収率95%)を得る。 TLC:Rf(A)0.18。
【0069】(6)DL−1−Tiq−Azt−Arg−H塩酸
塩の製造 前項の生成物(5)(5.9g、9.3ミリモル)のTHF6
0mlおよび水30ml溶液に、1N硫酸10mlと5%Pd
/C触媒2.0gを加える。この懸濁液にガス分散管を通
してこれから窒素を5分間、水素を1.5時間、再び窒
素を5分間通気して発泡させる。触媒を濾別して濾液を
Bio−Rad AG1−X8樹脂(ヒドロキシド型)でpH
4.0に調節する。樹脂を濾別し、濾液を凍結乾燥して
乾燥固体4.5gを得る。固体をトリフルオロ酢酸20ml
とアニソール5ml(0℃)で10分間処理する。混合物を
10分間攪拌後、加熱することなく蒸発させる。濃縮物
にジエチルエーテル(100ml)を加え、生成した沈殿を
集め、乾燥して粗生成物4.8gを得る。粗生成物(4.8
g)を0.01%硫酸に溶解し、直列に結合した2個の5
×25cm Vydac C18樹脂カラムに適用する。アセト
ニトリル濃度増加(2〜25%)勾配溶離剤を用いてペプ
チド塩をカラムから溶離する。各分画を集め、前記のよ
うに分析的RP−HPLCに基づいて区分する。区分し
た分画をヒドロキシド型AG1−X8樹脂(Bio Rad
アニオン交換樹脂50〜100メッシュ)でpH4.0に
調節する。樹脂を濾別して濾液を凍結乾燥して標記硫酸
塩純品1.36g(収率30%)を得る。 FAB−MS:401(MH+)、 HPLC保持時間:23.1分。
【0070】実施例4 D−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−オ
イル−L−アゼチジン−2−オイル−L−アルギニンア
ルデヒド硫酸塩(D−3T−3−Tiq−Azt−Arg−H)
の製造 実施例3の1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−
1−カルボン酸の代わりに1,2,3,4−テトラヒドロ
イソキノリン−3−カルボン酸を用い、標記化合物を得
る。 FAB−MS:401(MH+)、 保持時間:18.5分。
【0071】実施例5〜8 本発明の代表的化合物(Aは(R)(R1)(B)C−、R1
メチル)を前記の一般的カップリング法により製造し、
その質量スペクトルおよびHPLC保持時間を下の表2
に示す。
【表2】 実施例 FAB−MS 保持時間 No. 化合物1 (MH+) (分)2 5 N−アセチル−D−Phg(α−CH3)− 431 20.4 Azt−Arg−H 6 N−Boc−D−Phg(α−CH3)−Azt− 489 36.3 Arg−H 7 N−アセチル−DL−Phg(α−CH3)− 431 21.6 Azt−Arg−H 8 N−Boc−DL−Phg(α−CH3)−Azt− 489 39.0 Arg−H 注)1.硫酸塩 2.前記分析的RP−HPLC法により得られた値
【0072】実施例9 N−[N−トリフルオロアセチル−D−(α−メチル)フ
ェニルグリシル)−L−アゼチジニル−L−アルギニン
アルデヒド塩酸塩(TFA−D−Phg(α−Me)−Azt−
Arg−H・HCl)の製造 実施例1の(1)および(2)項の操作に従ってBoc−Arg
(Z)−ラクタムを得る。
【0073】(3)HCl−Arg(Z)−ラクタムの製造 Boc−Arg(Z)−ラクタム(2)(641g、1.64モル)
を塩化メチレン(3l)(−10℃)に、3時間に渡って溶
解し、この溶液に酢酸エチル(7.2l)中塩化水素(g)の
飽和溶液を30分間に渡って滴加する。ジエチルエーテ
ル(12l)を加え、沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで
洗い、減圧下に乾燥し、標記化合物580g(理論収率1
08%)を得る。TLC:Rf(C)0.29;FD−MS2
91(MH+)。
【0074】(4)メチル・Nα−ジフェニルメチレン−
DL−フェニルグリシネートの製造 ベンゾフェノンイミン(53.8g、297ミリモル)を塩
化メチレン(500ml)に溶解し、室温で攪拌する。この
溶液にDL−フェニルグリシンメチルエステル塩酸塩
(59.9g、297ミリモル)を加え、混合物を室温で4
8時間攪拌する。反応混合物を水(200ml)で3回洗
う。有機層を分離し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾液
を減圧下に濃縮し、清浄な油状物を得る。油状物をペン
タンから結晶化して標記化合物(98.5g、100%)。
FAB−MS:330(MH+)。 元素分析、C2219NO2として、 計算値:C,80.22;H,5.81;N,4.25、 実測値:C,80.50;H,5.93;N,4.14。
【0075】(5)メチル・Nα−ジフェニルメチレン−
DL−(α−メチル)フェニルグリシネートの製造 メチル・Nα−ジフェニルメチレン−DL−フェニルグ
リシネート(4)(14.8g、44.8ミリモル)の無水T
HF(200ml)溶液を、18−クラウン−6(11.8
g、44.8ミリモル)、水素化カリウム(11.2g、6
7.3ミリモル)、THF(100ml)の混合物に加え、窒
素雰囲気下に攪拌する。この混合物に、THF(20ml)
中ヨウ化メチル(6.0ml、89.7ミリモル)の溶液を滴
加する。室温で滴加後、混合物を更に1.5時間攪拌す
る。この混合物に、氷酢酸(7.0ml)、水(25ml)およ
びTHF(30ml)を含む溶液を加える。反応混合物を酢
酸エチルと水で希釈する。有機層を分離して3回水洗
し、乾燥(硫酸マグネシウム)する。濾液を減圧下に濃縮
して油状物を得る。粗油状物をヘキサンから結晶化し、
標記化合物(10.2g、66%)を得る。FAB−MS:
344(MH+)。 元素分析、C2321NO2として、 計算値:C,80.44;H,6.16;N,4.08、 実測値:C,80.40;H,6.26;N,4.03。
【0076】(6)DL−(α−メチル)フェニルグリシン
の製造 メチル・Nα−ジフェニルメチレン−DL−(α−メチ
ル)フェニルグリシネート(5)(72.4g、211ミリモ
ル)の5N塩酸(400ml)溶液を24時間還流する。溶
液を室温に冷やし、濾過して濾液を希水酸化アンモニウ
ム溶液でpH5.8に調節する。水溶液を、結晶化が始ま
るまで減圧下に濃縮する。反応混合物を5℃で一夜放置
し、沈殿を濾取し、標記化合物(22g、63%)を得
る。FAB−MS:166(MH+)。
【0077】(7)トリフルオロアセチル−DL−(α−
メチル)フェニルグリシンの製造 DL−(α−メチル)フェニルグリシン(5)(21.9g、
133ミリモル)のトリフルオロ酢酸(250ml)溶液
に、トリフルオロ酢酸無水物(33.5g、159ミリモ
ル)を加え、混合物を2時間還流する。反応混合物を減
圧下、油状に濃縮し、酢酸エチル/水で希釈する。有機
層を分離して3回水洗し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、
濾液を減圧下に濃縮し、白色固体として標記化合物(2
5.3g、73%)を得る。FAB−MS:262(M
+)。
【0078】(8)トリフルオロアセチル−DL−(α−
メチル)フェニルグリシン−Azt−OHの製造 トリフルオロアセチル−DL−(α−メチル)フェニルグ
リシン(7)(8.0g、31ミリモル)を酢酸エチル(80m
l)に溶解し、溶液を0℃に冷やす。この溶液に2,4,5
−トリクロロフェノール(6.1g、31ミリモル)とジシ
クロヘキシルカルボジイミド(6.3g、31ミリモル)を
加える。混合物を0℃で1時間、室温で1.5時間攪拌
する。沈殿を濾別して濾液を減圧下、油状に濃縮する。
油状物をピリジン(60ml)に溶解し、L−アゼチジン−
2−カルボン酸(3.1g、31ミリモル)およびトリエチ
ルアミン(4.3ml、31ミリモル)を加える。混合物を
室温で24時間攪拌する。減圧下に反応溶媒を除いて油
状物を得る。油状物を水(100ml)、ジエチルエーテル
(50ml)に溶解し、2N水酸化ナトリウムでpH9に調
節する。水層をジエチルエーテルで2回抽出する。水層
を分離し、酢酸エチル(150ml)を加え、溶液を3N塩
酸でpH3.0に調節する。有機層を分離して乾燥(硫酸
マグネシウム)し、濾液を減圧下に蒸発し、無定形固体
(9.3g、88%)を得る。FD−MS:345(MH+);
[α]D=−80゜(c=0.5/CHCl3)。
【0079】(9)トリフルオロアセチル−D−(α−メ
チル)フェニルグリシン−Azt−Arg(Z)−ラクタムの
製造 フラスコ1中、トリフルオロアセチル−DL−(α−メ
チル)フェニルグリシン−Azt−OH(8)(6.7g、1
9.9ミリモル)をDMF(50ml)に溶解し、−15℃に
冷やし、N−メチルモルホリン(2.5ml、21.9ミリ
モル)、次いでクロロギ酸イソブチル(2.6ml、19.9
ミリモル)を加える。混合物を−15℃で2分間攪拌す
る。
【0080】フラスコ2中、HCl・Arg(Z)−ラクタ
ム(3)(6.5g、19.9ミリモル)をDMF(40ml)に
溶解し、0℃に冷やし、ジイソプロピルエチルアミン
(7.0ml、39.9ミリモル)を加える。混合物を0℃で
2分間攪拌する。
【0081】フラスコ2の内容物をフラスコ1に1度に
加え、混合物を−15℃で4時間攪拌する。混合物を2
4時間に渡ってゆっくり室温に昇温する。この混合物に
1N炭酸水素ナトリウム(18ml)を加え、室温で3分間
攪拌する。混合物を酢酸エチル(200ml)、水(100m
l)で希釈し、有機層を分離し、1N炭酸水素ナトリウ
ム、水および0.1N塩酸で洗う。有機層を乾燥(硫酸マ
グネシウム)し、蒸発して無定形固体の標記粗化合物(1
1.5g、93%)を得る。粗固体(11.5g)を、Water'
s Prep500Aクロマトグラフィー装置中2個のシリ
カゲルカラムに適用する。(A)塩化メチレンおよび(B)
酢酸エチルから成る勾配溶離剤系を用いて粗化合物を溶
離する。勾配溶離剤は酢酸エチル濃度を0〜20%に増
大させる。各分画を集め、TLC概略に基づいて区分す
る。分画を合わせて減圧下に濃縮し、無定形固体として
標記化合物(3.02g、25%)。TLC:Rf(D)0.4
5;FAB−MS:617(MH+);[α]D=−95.9゜(c
=0.5/CHCl3)。
【0082】(10)トリフルオロアセチル−D−(α−
メチル)フェニルグリシン−Azt−Arg(Z)−Hの製造 トリフルオロアセチル−D−(α−メチル)フェニルグリ
シン−Azt−Arg(Z)−ラクタム(9)(2.9g、4.8ミ
リモル)を無水THF(60ml)に溶解し、窒素雰囲気下
フラスコに入れる。混合物を−70℃に冷却する。混合
物に、THF中1M水素化アルミニウムリチウム(5.0
ml、5.0ミリモル)を加え、THF(10ml)を5分間に
渡って滴加することにより希釈する。混合物を−70℃
で30分間攪拌し、THF5mlと0.5N硫酸5mlの溶
液をゆっくり滴加する。反応混合物を酢酸エチル(10
0ml)と水(100ml)で希釈し、有機層を分離する。有
機層を乾燥(硫酸マグネシウム)し、減圧下に濃縮し、無
定形固体として標記化合物(2.39g、81%)を得る。
FAB−MS:619(MH+)。 元素分析、C293366として、 計算値:C,56.31;H,5.38;N,13.58、 実測値:C,56.10;H,5.51;N,13.30。
【0083】(11)トリフルオロアセチル−D−(α−
メチル)フェニルグリシン−Azt−Arg−H・HClの製
造 トリフルオロアセチル−D−(α−メチル)フェニルグリ
シン−Azt−Arg(Z)-H(10)(2.35g、3.8ミリモ
ル)を、エタノール(110ml)、水(40ml)、1N塩酸
(5.7ml)に溶解し、1.5h圧力、5%Pd/C触媒(1.
1g)の存在下、雰囲気温度で水素化する。反応完結後、
触媒を濾去する。濾液を減圧下、100mlに濃縮する。
反応混合物に更に水50mlとn−ブタノール(100ml)
を加える。有機層を分離し、水層をn−ブタノールで2
回抽出する。有機抽出物を減圧下に濃縮乾固する。反応
混合物にジエチルエーテルとジイソプロピルエーテルの
(1:1)混合物(100ml)を加える。沈殿を濾取し、減
圧下に乾燥し、標記化合物純品(1.4g、71%)。FA
B−MS:485(MH+);[α]D=−77.6゜(c=0.5
/0.1N塩酸)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07D 401/06 C07K 5/06 C07K 5/06 A61K 37/64 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 205/04 A61K 31/397 A61K 31/4725 A61K 38/55 A61P 7/02 C07D 401/06 C07K 5/06 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: 【化1】 [式中、Aは、 (1)式: 【化2】 で示される基であり、 基中、Rは式: 【化3】 で示されるフェニル基(ここにaおよびa'は個別に水素、
    低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、トリフルオ
    ロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、アミノまた
    はアミノメチル、nは0または1)、またはRはチエニ
    ル、フリル、ナフチルまたは置換ナフチル(低級アルキ
    ル、低級アルコキシ、ハロゲン、アミノ、モノもしくは
    ジ(低級アルキル)アミノまたはヒドロキシ置換基1ない
    し2個で置換されたナフチル)、またはRはシクロヘキ
    サジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキシルまたは
    シクロペンチル、 R1は水素、メチルまたはエチル、 Bは低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシまたは
    式: −N(R2)(R3)で示されるアミノ基(ここにR2およ
    びR3は個別に水素または低級アルキル、もしくはR2
    水素であってR3はC1〜C6アルカノイル、ハロ置換C2
    〜C6アルカノイルまたは式: R4−OC(O)−で示され
    るオキシカルボニル基(R4はC1〜C6アルキル、C2
    6アルケニル、C3〜C7シクロアルキル、ベンジル、
    ニトロベンジル、ジフェニルメチルまたは上に定義した
    フェニル基))、(ただしR1がメチルまたはエチルである
    とき、Bはメチルまたはエチル以外の基である)、 (2)式: 【化4】 で示される二環式基 基中、Qは式: 【化5】 、−CH2−または 【化6】 で示される炭素1個の基、もしくは−CH2−CH2−、 【化7】 または 【化8】 で示される炭素2個の基、 Yは−CH2−または 【化9】 で示される炭素1個の基、もしくは 【化10】 で示される炭素2個の基(ただし、QおよびYの双方で
    はなく、1個が 【化11】 で示される基または 【化12】 で示される基であり、更にQおよびYのうちの一方のみ
    が炭素2個の基である)、 R5は水素または先に定義したオキシカルボニル基R4
    OC(O)−、 R6は水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲ
    ン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、カルボキシ、カ
    ルバモイルまたはアミノスルホニル、 6員環内の点線は芳香環またはペルヒドロ環を表わす]
    で示される化合物およびその薬学的に許容される非毒性
  2. 【請求項2】 Aが式: 【化13】 [式中、R2は水素またはC1〜C4アルキル、R3はオキ
    シカルボニル基R4−OC(O)−(R4はC1〜C6アルキ
    ル)、Rは式: 【化14】 で示される基を表わす]である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 化合物がN−メチル−D−フェニルアラ
    ニル−L−アゼチジニル−L−アルギニンアルデヒドお
    よびその薬学的に許容される非毒性である請求項2記
    載の化合物。
  4. 【請求項4】 化合物がN−メチル−D−フェニルグリ
    シル−L−アゼチジニル−L−アルギニンアルデヒドお
    よびその薬学的に許容される非毒性である請求項2記
    載の化合物。
  5. 【請求項5】 Aが式: 【化15】 [基中、Qはそれぞれ−CH2−CH2−または 【化16】 で示される基、Yは 【化17】 で示される基または−CH2−を表わす]で示される二環
    式基である請求項1記載の化合物。
  6. 【請求項6】 式: 【化18】 で示される請求項5記載の化合物およびその薬学的に許
    容される非毒性
  7. 【請求項7】 式: 【化19】 で示される請求項5記載の化合物およびその薬学的に許
    容される非毒性
  8. 【請求項8】 式: 【化20】 で示される請求項5記載の化合物およびその薬学的に許
    容される非毒性
  9. 【請求項9】 式: 【化21】 で示される請求項5記載の化合物およびその薬学的に許
    容される非毒性
  10. 【請求項10】 化合物N−アセチル−D−Phg(α−
    CH3)−L−Azt−L−Arg−Hおよびその薬学的に許
    容される
  11. 【請求項11】 化合物N−Boc−D−Phg(α−C
    3)−L−Azt−L−Arg−Hおよびその薬学的に許容
    される
  12. 【請求項12】 化合物トリフルオロアセチル−D−
    (α−メチル)フェニルグリシル−L−アゼチジニル−L
    −アルギニンアルデヒドおよびその薬学的に許容される
  13. 【請求項13】 化合物トリフルオロアセチル−D−
    (α−エチル)フェニルグリシル−L−アゼチジニル−L
    −アルギニンアルデヒドおよびその薬学的に許容される
  14. 【請求項14】 活性成分として請求項1〜13記載の
    化合物を、そのための1種もしくはそれ以上の薬学的に
    許容される担体、賦形剤または希釈剤と組み合わせて含
    有する血餅阻止剤としての薬学的製剤。
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