JP3153996B2 - 赤外線センサーの検出性を改良したx線用ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

赤外線センサーの検出性を改良したx線用ハロゲン化銀写真感光材料

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、フィルムの自動処理機などに用いられる赤
外線センサーに対して、検出性の優れたX線用ハロゲン
化銀写真感光材料に関するものである。
〔発明の背景〕
近時、ハロゲン化銀写真感光材料の処理時間は、フィ
ルム消費量の増加に伴いユーザーニーズに応じて、より
迅速化の方向にあって特に医療用フィルム分野では、そ
の進展が目覚ましい。
迅速処理システムの機器装置であるところの自動現像
機やデーライト機器には、フィル検出用として赤外線セ
ンサーが用いられている場合が多い。これは赤外線が感
光材料に適合していて、かつ効率良い検出が得られる理
由からである。
一方、感光材料特に直接撮影用X線フィルムにおいて
は、低銀量で高感度、高鮮鋭性が常に望まれていること
から、最近では平行双晶面を含むハロゲン化銀粒子(以
下「平板状粒子」と言う)を用いた感光材料が増加して
きている。
該粒子の写真的特徴としては、 1)比表面積が大きく、多量の分光増感色素を表面に吸
着させることができるため、固有感度に対して分光感度
が相対的に優れる。
2)その結果、X線フィルムにおいては、ハロゲン化銀
(AgX)間接遷移の吸光係数より色素の吸光係数の方が
大きいため、クロスオーバー光を顕著に減少させること
ができて画質の劣化を防止できる。
3)光の散乱が少なく、鮮鋭性の良い画像が得られる、
などが挙げられる。
平板状粒子に関しては、ダフイン(Duffin)著「フォ
トグラフィク・エマルジョン・ケミストリー(Photogra
phic emulsion Chemistry)」フォーカルプレス(Focal
Press)ニューヨーク.1966.p66〜72、A.P.H.トリベル
(Trivelli)、W.Fスミス(Smith)フォトグラフィク
ジャーナル(Photographic Jounal)80.1940.p285など
に記載されており、又特開昭58−113926〜113928号、米
国特許4,439号公報などに詳しく述べられている。
上記のように多くの利点を有する平板状ハロゲン化銀
写真乳剤は、最近、高感度感光材料に多く用いられてき
ている。
しかしながら、該平板状粒子は、上記の利点と裏腹に
フィルム取り扱いの面で、予想し得ない障害を有するこ
とが判った。
即ち、アスペクト比(平板状ハロゲン化銀粒子の厚さ
に対する直径の比率)が大きい平板状粒子を用いた感光
材料では、上述した迅速処理機のフィルム検出用赤外線
センサーに作用しなくなることである。
従ってフィルムが有っても無いという判定をしてしま
い、その結果機器が作動しなかったり又は誤動作を起こ
すなどの重大なトラブルがしばしば発生していた。
近年、X線用フィルムは作業の迅速化、安全性及び省
力化などの目的から、明室でフィルムの詰め替えや現像
が可能ないわゆるデーライト機の普及が増加している。
このデーライト機には、フィルムの有無や多重搬送を識
別するために、700nm〜960nmの波長域に感度を有する赤
外線センサーが用いられているのが一般的である。
一方、感光材料サイドとしては、迅速処理性の向上と
併せてコストの低減の目的から銀量節減の方向にある。
本発明者等が検討の結果、上述した赤外線センサーと
感光材料中のハロゲン化銀要素とは二律背反の関係があ
って、例えば銀量が4.0g/m2未満の低銀量感光材料で特
に平板状ハロゲン化銀粒子である場合には、赤外線透過
率が急激に増大しその結果、フィルム検出を不可能にす
ることが判った。
〔発明の目的〕
従って本発明の第一の目的は、塗布銀量が少なくても
赤外線センサーによる検出性の優れたハロゲン化銀写真
感光材料を提供することである。
本発明の第二の目的は、クロスオーバー光による画質
の劣化を防止し、かつ赤外線センサー検出性の優れたX
線用フィルムを提供することである。
他の目的は、以下の明細から明らかとなる。
〔発明の構成〕
本発明者等は、鋭意検討の結果、これらの目的が下記
により達成されることを見いだし、本発明を成すに至っ
た。
即ち、支持体上の少なくとも一面に、粒子径が粒子厚
みの3倍以上の平板状ハロゲン化銀粒子を含む乳剤層を
少なくとも一層有するハロゲン化銀写真感光材料におい
て、該感光材料構成層中の乳剤層と同じ側にある少なく
とも一層中に、本願明細書第12頁〜第18頁に記載の化合
物I−1〜II−1、及び第33頁に記載の化合物V−1で
示される赤外線吸収染料を含有し、かつ増感波長が赤外
でないX線用ハロゲン化銀写真感光材料によって達成さ
れた。
以下、本発明をより具体的に説明する。
本発明に係る平板状ハロゲン化銀粒子の平均粒径は0.
2〜3.0μmが好ましく、特に好ましくは0.5〜2.0μmで
ある。
本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤は、粒子直径/厚さ
(アスペクト比と呼ぶ)の平均値(平均アスペクト比と
呼ぶ)が3以上であり、好ましくは6〜60、より好まし
くは7〜50、特に好ましくは8〜20である。
本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤の平均厚さは0.3μ
m以下が好ましく、より好ましくは0.10μm以下、特に
好ましくは0.01〜0.08μmである。
本発明において、ハロゲン化銀粒子の直径は、ハロゲ
ン化銀粒子の電子顕微鏡写真の観察から粒子の投影面積
に等しい面積を有する円の直径として定義される。
本発明において、ハロゲン化銀粒子の厚さは、平板状
ハロゲン化銀粒子を構成する二つの平行な面の距離のう
ち最少のものと定義される。
平板状ハロゲン化銀粒子の厚さは、ハロゲン化銀粒子
の影の付いた電子顕微鏡写真又はハロゲン化銀乳剤を支
持体に塗布し乾燥したサンプル断層の電子顕微鏡写真か
ら求めることができる。
平均アスペクト比を求めるためには、最低100サンプ
ルの測定を行う。
本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤において、アスペク
ト比が3以上であるハロゲン化銀粒子が全ハロゲン化銀
粒子に占める割合は50%以上であり、好ましくは60%以
上、特に好ましくは70%以上である。
本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤は単分散性であるも
のが好ましく用いられ、平均粒径dを中心に±20%の粒
径範囲に含まれるハロゲン化銀粒子が50重量%以上のも
のが特に好ましく用いられる。
本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤は、塩化銀、臭化
銀、沃化銀、塩臭化銀、沃臭化銀等ハロゲン組成は任意
であるが、高感度という点から沃臭化銀が好ましく、沃
度含量が20モル%以下が好ましく、更に15モル%以下が
好ましく、特に10モル%以下が好ましい。
本発明の効果を損なわない範囲で塩化銀を含有しても
よい。
又、本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン組
成が粒子内で均一であってもよく、沃化銀が局在したも
のであってもよいが、中心部に局在したものが好ましく
用いられる。
平板状ハロゲン化銀乳剤の製造方法は、特開昭58−11
3926号、同58−113927号、同58−113934号、同62−1855
号、ヨーロッパ特許219,849号、同219,850号等を参考に
することもできる。
又、単分散性の平板状ハロゲン化銀乳剤の製造方法と
して、特開昭61−6643号を参考にすることができる。
高アスペクト比を持つ平板状の沃臭化銀乳剤の製造方
法としては、pBrが2以下に保たれたゼラチン水溶液に
硝酸銀水溶液又は硝酸銀水溶液とハロゲン化物水溶液を
同時に添加して種晶を発生させ、次にダブルジェット法
により成長させることによって得ることができる。
平板状ハロゲン化銀粒子の大きさは、粒子形成時の温
度、銀塩及びハロゲン化銀水溶液の添加速度によってコ
ントロールできる。
平板状ハロゲン化銀乳剤の平均沃化銀含有率は、添加
するハロゲン化銀水溶液の組成すなわち臭化物と沃化物
の比を変えることによりコントロールすることができ
る。
又、平板状ハロゲン化銀粒子の製造時に、必要に応じ
てアンモニア、チオエーテル、チオ尿素等のハロゲン化
銀溶剤を用いることができる。
次に本発明に用いられる赤外線吸収染料とは700〜960
nmの波長域で、好ましくは750〜920nmの範囲の光を吸収
する染料が好ましく用いられる。
本発明の実施態様にて、より好ましく用いられる染料
としては、親水性基を有したトリカルボシアニン類、イ
ンドアニリン類などの水溶性染料が挙げられる。
又、金属錯塩型染料も本発明に好ましく用いられ、例
えば鉄キレート型、ジチオラートニッケル型染料が挙げ
られる。
上記染料は、公知の化合物で、例えば特開昭62−1234
54号、EP−251,282号、同288,076号、DP−1,152,609
号、特開昭50−100166号、同62−3250号、同62−181381
号、同61−70503号、同61−32003号、同61−11704号、
同61−80106号、特開平1−74272号、同1−75568号、
同1−267534号、同1−267535号などの公報記載の方法
又はそれに準じて合成することができる。
これら染料の使用に際しては、本発明のハロゲン化銀
写真感光材料構成層中の乳剤層と同じ側にある少なくと
も一層中であれば、いづれの層に添加してもよく、例え
ばハロゲン化銀乳剤層もしくは保護層、中間層などのハ
ロゲン化銀乳剤層に隣接した親水性コロイド層などいづ
れの層でもよい。
より好ましくは非乳剤層であり、光源に対し乳剤層よ
り遠い層がより好ましい。
添加量は、染料の種類、使用する乳剤条件によって一
様ではないが、感光材料1m2当り10〜1000mg/m2で、より
好ましくは30〜600mg/m2である。
添加方法としては、水又は親水性有機溶媒(例えばメ
タノール、エタノールなど)に溶解したものをハロゲン
化銀乳剤の場合には、化学熟成後から塗布工程前の時期
に添加するのが好ましい。
以下、本発明に用いられる赤外吸収染料の具体的化合
物例を示すが、本発明はこれのみに限定されるものでは
ない。
本発明に係る乳剤は、物理熟成または化学熟成前後の
工程において、各種の写真用添加剤を用いることができ
る。公知の添加剤としては、例えばリサーチ・デイスク
ロージャーNo−17643(1978年12月)および同No−18716
(1979年11月)に記載された化合物が挙げられる。
これら二つのリサーチ・デイスクロージャーに示され
ている化合物種類と記載箇所を次表に掲載した。
本発明に係る感光材料は、前述のRD−17643の29頁xx
項またはRD−18716の651頁左欄に記載された通常の方法
によって現像処理することができる。
本発明に係る感光材料に用いることのできる支持体と
しては、例えば前述のRD−17643の28頁およびRD−18716
の647頁左欄に記載されているものが挙げられる。適当
な支持体としては、プラスチックフィルム、紙などでこ
れら支持体の表面は一般に、塗布層の接着をよくするた
めに、下塗層を設けたり、コロナ放電、紫外線照射など
を施してもよい。そして、このように処理された支持体
上の片面あるいは両面に本発明に係る乳剤を塗布するこ
とができる。
本発明は、X線用のハロゲン化銀写真感光材料に適し
ている。
医療用X線ラジオグラフィーに本発明を適用する場
合、例えば透過性放射線爆射によって近紫外光ないし可
視光を発生する蛍光体を主成分とする蛍光増感紙が用い
られる。これを本発明の乳剤を両面塗布してなる感光材
料両面に密着し露光することが望ましい。
ここで言う透過性放射線とは、高エネルギーの電磁波
であって、X線及びガンマー線を意味する。
また蛍光増感紙とは、例えばタングステン酸カルシウ
ムを主とした蛍光成分とする増感紙、或はテルビウムで
活性化された稀土類化合物を主成分とする蛍光増感紙な
どをいう。
〔実施例〕
以下本発明の実施例について説明する。但し当然のこ
とではあるが、本発明は以下述べる実施例により限定さ
れるものではない。
実施例1 平均粒径0.2μmの沃化銀2.0モル%含有する沃臭化銀
の単分散粒子を核とし、沃化銀30モル%を含有する沃臭
化銀をpH9.1,pAg7.7で成長させ、その後pH8.0,pAg9.1で
臭化カリウムと硝酸銀を等モル添加し、平均沃化銀含有
率が2.1モルの沃臭化銀粒子となるような正14面体の平
均粒径1.02μm,0.51μm,0.38μmの単分散乳剤粒子を調
製した。
乳剤は、通常の凝集法で過剰塩類の脱塩を行った。即
ち40℃に保ち、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホル
マリン縮合物と硫酸マグネシウムの水溶液を加え、凝集
させた。上澄液を除去後、更に40℃までの純水を加え、
再び硫酸マグネシウム水溶液を加え、凝集させ、上澄液
を除去した。これらの粒子をそれぞれチオシアン酸アン
モニウム塩を銀1モル当たり1.9×10-3モル、及び適当
な量の塩化金酸とハイポ及び後記分光増感色素AとBを
200:1の重量比で合計の量をハロゲン化銀1モル当たり8
00mgとして添加して化学熟成を行い、終了15分前に沃化
カリウムを銀1モル当たり200mg添加し、その後、4−
ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン
3×10-2モルで安定化し3種類の乳剤粒子を大きい順に
15%,60%,25%の比で混合し、後掲の添加剤と石灰処理
ゼラチンを加え乳剤塗布液とした。
さらに表1に種類及び添加量を示すように赤外吸収染
料を、塗布前に上記乳剤塗布液に添加したものと未添
加のものを調製した。
又、次のような乳剤塗布液を調製した。
即ち、水1中にゼラチン30g、臭化カリウム10.5g、
チオエーテル〔HO(CH22S(CH22S(CH22S(CH2
2OH〕0.5wt%水溶液10mlを加えて溶解し、63℃に保った
溶液中(pAg=9.1,pH=6.5)に、攪拌しながら0.88モル
の硝酸銀溶液30mlと0.88モルの沃化カリウムと臭化カリ
ウムの混合溶液(モル比97:3)30mlを15秒間で同時に添
加した後、1モルの硝酸銀溶液600mlとモル比96.5:3.5
の臭化カリウムと沃化カリウムとからなる1モルの混合
溶液600mlとを70分かけて同時添加して、平板状沃臭化
銀乳剤を調製した。
得られた平板状ハロゲン化銀粒子は、平均粒径1.15μ
mで、厚み0.10μmで、沃化銀含有率が3.0モル%であ
った。この乳剤を沈澱法により脱塩した後、金・硫黄増
感を併用して化学増感した後、オルソ分光増感色素とし
て、後記に示す(A)及び(B)を200:1の重量比で混
合したものを300mg/ハロゲン化銀1モルを加え、さらに
前記と同様に4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−
テトラザインデンを加えた。
前記と同様の方法で最適に化学増感を施し、同一の安
定剤、添加剤及び石灰処理ゼラチンを添加して、乳剤塗
布液とした。
さらに表1に種類及び添加量を示すように赤外線吸収
染料を塗布前に上記乳剤塗布液に添加したものを調整
した。
なお塗布液には後記添加剤のほか、下記化合物(1)
(2)を、ハロゲン化銀1モル当たり下記の量になるよ
うに添加した。
即ち化合物(1)を特開昭61−285445号の実施例1の
(3)に記載の方法に準じて、化合物(2)から成るオ
イル中に溶解して親水性コロイド溶液中に分散したもの
を、上記添加量となる量添加した。
保護層液は後記の組成で作成した。
なお乳剤面は銀換算値で1.5,1.7,2.0g/m2、親水性コ
ロイド量はすべて2.0g/m2となるように、保護層はゼラ
チン付量として1.0g/m2となるように、2台のスライド
ホッパー型コーターで毎分60mのスピードで、グリシジ
ルメタクリレート50wt%、メチルアクリレート10wt%、
ブチルメタクリレート40wt%の3種のモノマーからなる
共重合体を、その濃度が10wt%になるように希釈して得
た共重合体水性分散液を下引き液として塗設した175μ
mのポリエチレンテレフタレートフィルムベース上に両
面同時塗布し、2分15秒で乾燥し、試料を得た。
又、乳剤液に用いた添加剤は次のとおりである。な
お、添加量はハロゲン化銀1モル当りの量で示した。
又、保護層液には、下記の化合物を加えた。添加量は
塗布液1当りの量で示す。
なお、赤外線吸収塗料は次のように溶解した。
例示のI−11及びII−16は水に溶解し、乳剤調整液
に添加した。
III−9は同染料を10g秤量取し、トリヘキシルフォス
フェート10mlと酢酸エチル65mlからなる溶媒に溶解した
液をアニオン性界面活性剤のドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウムを500mgを含む8%ゼラチン水溶液100cc中
に乳化分散することにより、染料乳化物を調製し乳剤調
整液に表1に示すような量を添加した。
このようにして得られた15種のフィルム試料につい
て、別紙第一図に示した赤外線透過率測定装置により赤
外線の透過度を測定した。
第一図は、赤外線透過率測定装置の搬要を示したもの
である。
図の中で、1は赤外発光ダイオードGL−504(シャー
プ〔株〕製)を示し、2はホトトランジスタPT−510
(シャープ〔株〕製)を表す。
3は測定するフイルム試料である。
A/Dはアナログ・デジタル変換器を示し cpuは電圧表示のための演算機器を表す。
表中の赤外線透過率(%)は、値が少いほど赤外線の
透過を抑えていることを示し、本発明の目的効果を奏し
ていることを表す。
又、各試料について赤外発光ダイオードGL−504に対
してのカブリ耐性を調べた。透過率の測定と同様に同ダ
イオードに16Vの電圧をかけダイオードから5mmの位置に
5分間さらした時のカブリ上昇度を調べた。
得られた結果を次の表1に示す。
表1に示す通り、平板状ハロゲン化銀を用いた試料N
o.4,5,6は赤外線の透過度が高いことが分かる。
又平板状ハロゲン化銀を用いた場合、塗布銀量が4.0
〔g/m2〕以下のNo.4,5は大巾に赤外線の透過率が高くな
り赤外線センサーでのフィルム有無検出が困難になるこ
とを示唆しており、4.0〔g/m2〕以上を必要とすること
が判る。
No.7以降の本発明に係る試料の平板状ハロゲン化銀写
真感光材料では、塗布銀量が少なくても赤外線の透過率
を低くおさえることができる。
なお、本発明に係る試料は、クロスオバーカットが優
れ、比較試料と比べて銀画像の鮮鋭性が優れていた。
実施例2 平均粒径0.14μmの沃化銀2.0モル%含有する沃臭化
銀の単分散粒子を核とし、沃化銀40モル%を含有する沃
臭化銀をpH9.4,pAg7.7で成長させ、その後pH8.0,pAg9.1
で臭化カリウムと硫酸銀を等モル添加し、平均沃化銀含
有率が2.4モルの沃臭化銀粒子となるような正14面体の
平均粒径0.70μm,0.42μm,0.33μmの単分散乳剤粒子を
調製した。
乳剤は、通常の凝集法で過剰塩類の脱塩を行った。即
ち40℃に保ち、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホル
マリン縮合物と硫酸マグネシウムの水溶液を加え、凝集
させた。上澄液を除去後、更に40℃までの純水を加え、
再び硫酸マグネシウム水溶液を加え、凝集させ、上澄液
を除去した。
これらの粒子をそれぞれチオシアン酸アンモニウム塩
を銀1モル当たり2.6×10-3モル、及び適当な量の塩化
金酸とハイポ及び後記分光増感色素AとBを200:1の重
量比で合計の量をハロゲン化銀1モル当たり400mgとし
て添加して化学熟成を行い、終了15分前に沃化カリウム
を銀1モル当たり250mg添加し、その後、4−ヒドロキ
シ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン3×10-2
モルで安定化し、3種類の乳剤粒子を大きい順に15%,6
0%,25%の比で混合し、実施例と同一の添加剤と石灰処
理ゼラチンを加え乳剤塗布液とした。
また、次のような乳剤塗布液を調製した。
即ち、水1中にゼラチン30g、臭化カリウム12.0g、
チオエーテル〔HO(CH22S(CH22S(CH22S(CH2
2OH〕0.5wt%水溶液6mlを加えて溶解し、60℃に保った
溶液中(pAg=9.3,pH=6.5)に、攪拌しながら0.88モル
の酢酸銀溶液30mlと0.88モルの沃化カリウムと臭化カリ
ウムの混合溶液(モル比97:3)30mlを12秒間で同時に添
加した後、1モルの硝酸銀溶液600mlとモル比96.5:3.5
の臭化カリウムと沃化カリウムとからなる1モルの混合
溶液600mlとを70分かけて同時添加して、平板状沃臭化
銀乳剤を調製した。得られた平板状ハロゲン化銀粒子
は、平均粒径0.95μmで、厚み0.12μmで、沃化銀含有
率が2.6モル%であった。
以下、前記実施例−1の乳剤塗布液とまったく同様
の方法で処理し乳剤塗布液を調製した。
又、バッキング層を設けるための塗布液は、以下のよ
うに準備した。
更にバッキング下層液に表2に示すような量の赤外線
吸収染料を添加した液を調製し、乳剤調整液及びと
組合せて塗布した。
赤外線吸収染料の溶解、添加法は実施例1と同様の方
法で行い、実施例1と同一の支持体上に写真乳剤層は銀
換算値で支持体の片面当たり2.8g,3.2g及び3.6g/m2、ゼ
ラチン量として2.2g/m2となるように塗布した。又後記
する保護層液を用い、該乳剤層上に保護層を形成した
が、この保護層は、ゼラチン付量として1.1g/m2となる
ように塗布した。又、乳剤層を有する側と逆の面にはバ
ッキング層を設けるが、これはバッキング下層とバッキ
ング上層とからなり、バッキング下層は、ゼラチン付量
として3.0g/m2、バッキング上層は1.2g/m2となるように
2台のスライドホッパーコーターで80m/分のスピードで
両面同時塗布し、2分20秒で乾燥し、表2に示す試料N
o.16〜30を得た。
試料16〜30をコニカイメージングカメラG(コニカ
(株)製)に装填し、搬送の可否を確認した。
尚コニカイメージングカメラGは、サプライマガジン
の出口に赤外センサーがあり、フィルムの有無及び2枚
搬送検出を行っている。フィルムの赤外線の透過率が高
いとフィルムがあっても、フィルムが無いと判断し、サ
プライマガジンからフィルムを運び出さない現象が起こ
る。
又、実施例1と同様にして赤外線発光ダイオードに対
するカブリ耐性を調べた。なお、発光ダイオード側はバ
ッキング層が向くようにして5分間照射後のカブリ上昇
度を調べた。
得られた結果を次の表2に示す。
表2に明らかなように、平板状ハロゲン化銀を用いた
試料No.19,20,21は赤外線透過率が高いため、コニカイ
メージングカメラGは、フィルムがないと判断し、フィ
ルムの搬送を行わなかった。
バッキング層に赤外線吸収塗料を添加した本発明に係
るNo.22〜36は問題なく搬送できた。
〔発明の効果〕
本発明により、低銀量でも赤外線センサーによるフィ
ルム検出が可能となり迅速処理機での搬送性が優れたハ
ロゲン化銀写真感光材料を得られた。
更に、このような本発明の効果は、X線用ハロゲン化
銀写真感光材料として鮮鋭性の向上に有効であった。
又、本発明により平板状粒子の赤外線センサーユニット
によるカブリを効果的に解消していることが分かる。
【図面の簡単な説明】
第一図は、本発明の実施例に用いた赤外線センサーの構
成図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−299959(JP,A) 特開 昭63−179300(JP,A) 特開 昭62−123454(JP,A) 特開 昭64−44441(JP,A) 特開 昭63−23148(JP,A) 特開 昭63−83719(JP,A) 特開 昭64−77046(JP,A) 特開 平1−267534(JP,A) 特開 平1−267535(JP,A) 特開 平1−266536(JP,A) 特開 昭60−80841(JP,A) 特開 昭62−3250(JP,A) 特開 昭61−80106(JP,A) 特開 昭62−174741(JP,A) 特開 昭64−74272(JP,A) 特開 昭64−75568(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上の少なくとも一面に、粒子径が粒
    子厚みの3倍以上の平板状ハロゲン化銀粒子を含む乳剤
    層を少なくとも一層有するハロゲン化銀写真感光材料に
    おいて、該感光材料構成層中の乳剤層と同じ側にある少
    なくとも一層中に、以下に示される赤外線吸収染料を含
    有することを特徴とするX線用ハロゲン化銀写真感光材
    料。
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