JP3153639B2 - 2−m−トルイジノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランの結晶変態、その製造方法及びこの結晶変態を含有する記録材料 - Google Patents

2−m−トルイジノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランの結晶変態、その製造方法及びこの結晶変態を含有する記録材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感圧記録材料、感熱記
録材料等の記録材料に用いられる電子供与性発色剤とし
て有用なフルオラン化合物の結晶変態、結晶性トルエン
付加物、この結晶変態及び/または結晶性トルエン付加
物を含有する記録材料、この結晶変態及び/または結晶
性トルエン付加物より特定の結晶変態または結晶性トル
エン付加物を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、無色ないし淡色の電子供与性発色
剤(以下発色剤という)と有機もしくは無機の電子受容
性顕色剤(以下顕色剤という)との呈色反応を利用した
記録材料は、感圧記録材料、感熱記録材料、通電感熱記
録材料などとして既によく知られている。例えば、感圧
記録材料は、特公昭42−20144号公報等に開示さ
れているもので、伝票類、コンピュータのプリンターな
どの分野に利用されている。また、感熱記録材料は、特
公昭45−14039号公報等に開示されているもので
計測記録計、ファクシミリ、プリンター、乗車券の自動
販売機など広範囲の分野に利用されている。
【0003】このような記録材料は、地肌白色度、地肌
保存安定性、発色色調、発色感度、発色濃度、及び発色
画像の保存安定性等の諸性能に優れていることが要求さ
れ、これらの目的に適する発色剤を使用することが必要
である。また感圧記録材料用発色剤としては、カプセル
オイルに対する溶解度が高いことも重要な特性である。
これらの記録材料用の発色剤として、フルオラン化合物
が広く用いられている。
【0004】従来、フルオラン化合物として、すでに多
くの化合物が知られているが、本発明のフルオランの結
晶変態に相当する化学構造式(式(1))に近い構造式
を有するものとして、式(2)、(3)、(4)のフル
オランが特公昭49−32767号公報及び特公昭49
−17490号公報において、式(5)のフルオランが
特開昭60−123556号公報において、式(6)の
フルオランが特開平1−283183号公報において公
知である。
【0005】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【0006】しかし、式(2)のフルオランは、感圧記
録材料用発色剤として用いるには、カプセルオイルに対
する溶解度が低いという欠点がある。またこのフルオラ
ンを使用した感圧記録材料はCB面の白色度及び耐光堅
牢度が低く、発色画像の耐光堅牢度も低い。またこのフ
ルオランを使用した感熱記録材料は、地肌の耐光堅牢度
が低く、動的発色感度が低く、発色画像の保存安定性も
低い。更に、このフルオランは、広く使用されているサ
リチル酸誘導体の亜鉛塩を顕色剤とした感圧記録材料
(以下汎用感圧記録材料という)及びビスフェノールA
を顕色剤とした感熱記録材料(以下汎用感熱記録材料と
いう)に使用した場合、発色色調が紫味黒色であり、純
黒色の発色色調を得るための調色が必要となる。
【0007】また、式(3)のフルオランは、感圧記録
材料用発色剤として用いるには、カプセルオイルに対す
る溶解度が十分ではない。またこのフルオランを使用し
た感圧記録材料は、CB面の白色度が低く、その耐光堅
牢度も十分でない。またこのフルオランを使用した感熱
記録材料は、地肌の白色度が低く、発色画像の保存安定
性も低い。
【0008】また、式(4)のフルオランは、感圧記録
材料用発色剤として用いるには、カプセルオイルに対す
る溶解度が低いという欠点がある。またこのフルオラン
を使用した感圧記録材料は、CB面の白色度が低く、そ
の耐光堅牢度も十分でなく、発色画像の耐光堅牢度も低
い。またこのフルオランを使用した感熱記録材料は、地
肌の白色度及び耐光堅牢度が低く、動的発色感度が低
く、発色画像の保存安定性も十分とは言えない。更に、
このフルオランは、汎用感圧記録材料及び汎用感熱記録
材料に使用した場合、発色色調が緑味黒色であり、純黒
色の発色色調を得るための調色が必要となる。
【0009】また、式(5)のフルオランも、カプセル
オイルに対する溶解度が十分とは言えない。またこのフ
ルオランを使用した感圧記録材料は、CB面の白色度及
び耐光堅牢度が低く、発色画像の耐光堅牢度も低い。ま
たこのフルオランを使用した感熱記録材料は、地肌の白
色度及び耐熱堅牢度が低く、動的発色感度が低く、発色
画像の保存安定性も低い。更に、このフルオランは、汎
用感圧記録材料及び汎用感熱記録材料に使用した場合、
発色色調が赤味黒色であり、純黒色の発色色調を得るた
めの調色が必要となる。
【0010】また、式(6)のフルオランも、カプセル
オイルに対する溶解度が十分とは言えない。またこのフ
ルオランを使用した感圧記録材料は、CB面の耐光堅牢
度が十分でなく、発色画像の耐光堅牢度が低い。またこ
のフルオランを使用した感熱記録材料は、地肌の白色度
及び保存安定性が低く、動的発色感度が低く、発色画像
の保存安定性も十分でない。更に、このフルオランは、
汎用感圧記録材料及び汎用感熱記録材料に使用した場
合、発色色調が緑味黒色であり、純黒色の発色色調を得
るための調色が必要となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、記録
材料用の発色剤として前記した各特性に優れるフルオラ
ン化合物の結晶変態、結晶性トルエン付加物及びこれら
の結晶変態または結晶性トルエン付加物の製造方法を提
供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、2−m
−トルイジノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノ
フルオランの結晶変態及び/または結晶性トルエン付加
物を用いることにより達成された。本発明者らは前記し
た課題を解決するために鋭意検討した結果、2−m−ト
ルイジノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフル
オランには、2種の結晶変態及び結晶性トルエン付加物
が存在し、これらの結晶変態及び結晶性トルエン付加物
が記録材料用の発色剤として優れた特性を持つことを見
いだした。
【0013】すなわち、本発明は、Cu−Kα線による
粉末X線回折法における回折角(2θ±0.2°)8.
4°、9.8°、17.7°、21.0°、22.8°
に特徴的なピークを示す粉末X線回折図により特徴づけ
られる、2−m−トルイジノ−3−メチル−6−ジ−n
−ブチルアミノフルオランの結晶変態(以下α型結晶変
態という)、Cu−Kα線による粉末X線回折法におけ
る回折角(2θ±0.2°)11.7°、14.4°、
16.4°、19.2°、21.3°に特徴的なピーク
を示す粉末X線回折図より特徴づけられる、2−m−ト
ルイジノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフル
オランの結晶変態(以下β型結晶変態という)、Cu−
Kα線による粉末X線回折法における回折角(2θ±
0.2°)5.6°、9.2°、11.0°、16.2
°、18.0°、23.1°に特徴的なピークを示す粉
末X線回折図により特徴づけられる、2−m−トルイジ
ノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン
の結晶性トルエン付加物(以下トルエン付加物とい
う)、及びこれらの結晶変態及び/またはトルエン付加
物を発色剤として含有する記録材料に関する。
【0014】更に本発明は、トルエン付加物をメタノー
ル中、0〜60℃で処理することを特徴とする、α型結
晶変態の製造方法、α型結晶変態及び/またはトルエン
付加物を、エタノール、イソプロピルアルコール、n−
ブタノール、アセトニトリルから選ばれる少なくとも1
種を溶媒として使用して再結晶することを特徴とする、
β型結晶変態の製造方法、α型結晶変態及び/またはト
ルエン付加物を、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブタノールから選ばれる少なくとも1種の溶媒
中に分散し、室温〜還流温度で処理することを特徴とす
る、β型結晶変態の製造方法、トルエン付加物を減圧
下、30〜110℃の温度で処理することを特徴とす
る、β型結晶変態の製造方法、2−m−トルイジノ−3
−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのトル
エン溶液から結晶を析出させることを特徴とする、トル
エン付加物の製造方法に関する。
【0015】上記したα型結晶変態、β型結晶変態、ト
ルエン付加物はそれぞれ異なったX線回折図及び融点を
示す。このα型結晶変態、β型結晶変態、トルエン付加
物は感圧記録材料用のカプセルオイル、例えば、常用さ
れるSAS−296(日本石油製)、KMC−113
(呉羽化学製)等に対する溶解性が高く、これらを発色
剤として使用した感圧記録材料は、CB面の白色度及び
耐光堅牢度が高く、純黒色に発色し、かつ発色後の発色
画像の保存安定性に優れていた。また、α型結晶変態及
びβ型結晶変態を感熱記録材料の発色剤として用いた場
合、地肌の白色度及び保存安定性が高く、動的発色感度
が高く、純黒色に発色し、かつ発色後の画像保存安定性
に優れていた。
【0016】これらの特長は意外にも近い構造を有する
フルオラン化合物、特に2−o−トルイジノ基を有する
前記式(5)のフルオラン及び2−p−トルイジノ基を
有する前記式(6)のフルオランにないものである。
このように、本発明の2−m−トルイジノ−3−メチル
−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのα型結晶変
態、β型結晶変態及びトルエン付加物は、記録材料、特
に感圧記録材料、感熱記録材料の発色剤として極めて有
用なものである。
【0017】2−m−トルイジノ−3−メチル−6−ジ
−n−ブチルアミノフルオランの両結晶変態及びトルエ
ン付加物は例えば、下記の方法により製造することが出
来る。 式(I)
【化9】 で表されるベンゾフェノン化合物と、一般式(II)
【化10】 (式中、Rは低級アルキル基を示す。)で表されるジフ
ェニルアミン化合物とを脱水縮合剤の存在下、0〜10
0℃の温度で数時間〜数十時間反応させた後、アルカリ
で処理する。
【0018】脱水縮合剤としては、濃硫酸、発煙硫酸、
ポリリン酸、五酸化リン等が使用できるが、濃硫酸が特
に好ましい。濃硫酸を脱水縮合剤として使用する場合、
反応温度は0〜50℃の範囲が好ましい。アルカリによ
る処理は、上記した両原料を脱水縮合剤の存在下に反
応した反応物を、一定範囲の時間、一定範囲の温度にア
ルカリ条件下におくことである。アルカリとしては水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等が使
用できるが、水酸化ナトリウムが特に好ましく、水溶液
として使用するのが好ましい。アルカリによる処理の温
度は0〜100℃、好ましくは50〜100℃である
が、一般に温度が高いほど処理が効率よく進行する。ア
ルカリの量は、処理液のpHが9以上となるよう使用さ
れるのが好ましい。
【0019】アルカリで処理した反応物は、有機溶剤で
抽出して精製される。またアルカリ処理時において有機
溶剤は共存させてもよい。有機溶剤としてはベンゼン、
トルエン、キシレン、クロルベンゼン等が使用できるが
通常、トルエンが好ましく使用される。トルエン付加物
を得るためには有機溶剤としてトルエンを使用するか、
少なくともトルエンを5%以上含有する有機溶剤を使用
することが必要である。
【0020】以下に、有機溶剤としてトルエンを使用し
た例において説明する。トルエン抽出液をトルエン残留
分が少量になるまで濃縮し、冷却するとトルエン付加物
の結晶が析出する。析出した結晶を濾取し、少量の冷ト
ルエンで洗浄、乾燥することによりトルエン付加物の結
晶が得られる。トルエン付加物を高純度で得るために
は、トルエン抽出液の濃縮操作において、トルエン残留
量が反応に使用した前記式(I)の化合物の重量と同量
以上であることが好ましい。トルエン残留量が上記した
量以下となるまで濃縮すると、析出した結晶においてト
ルエン付加物にβ型結晶変態が混入することがある。
【0021】また、α型結晶変態、β型結晶変態、また
はトルエン付加物にこれら結晶変態が混入した結晶
を、トルエンに溶解・再析出させることにより、高純度
のトルエン付加物に変換することもできる。この場合、
トルエンの使用量は各結晶変態または結晶変態が混入し
たトルエン付加物に対して3〜20倍重量、好ましくは
4〜15倍重量である。結晶を、必要に応じ加熱するこ
とによりトルエンに完全に溶解させた後、トルエン残量
が使用した結晶の同重量以上である状態まで濃縮し、必
要に応じて冷却することにより結晶が析出する。析出し
た結晶を濾取し、少量の冷トルエンで洗浄、乾燥するこ
とにより、高純度のトルエン付加物が得られる。
【0022】トルエン付加物は、112〜119℃付近
の融点を有し、Cu−Kα線による粉末X線回折法にお
ける回折図において、回折角(2θ±0.2°)5.6
°、9.2°、11.0°、16.2°、18.0°、
23.1°に特徴的なピークを示す。このトルエン付加
物は、1H−NMRスペクトルの解析結果及び元素分析
値より、2−m−トルイジノ−3−メチル−6−ジ−n
−ブチルアミノフルオラン2モルに対しトルエン1モル
より構成されている結晶であると推測される。
【0023】α型結晶変態は、トルエン付加物をメタノ
ールで処理することにより安定して製造される。メタノ
ールによる処理とは、トルエン付加物とメタノールを混
合し、好ましくは撹拌することである。使用されるメタ
ノールの量はトルエン付加物に対し2〜20倍重量、好
ましくは4〜15倍重量である。処理温度により差はあ
るが、一般にメタノール使用量が2倍重量以下ではα型
結晶変態への変換が進行せず、20倍重量以上となると
生成するα型結晶変態にβ型結晶変態が混入する傾向が
ある。処理温度は0〜60℃、好ましくは0〜45℃で
ある。処理温度が0℃より低い場合は処理時間が徒らに
長時間となり、60℃より高い場合は生成するα型結晶
変態にβ型結晶変態が混入する傾向がある。処理時間は
10分〜24時間、好ましくは20分〜15時間であ
る。処理においては撹拌をおこなうことが好ましい。
【0024】また、α型結晶変態はトルエン付加物以外
の結晶性溶剤付加物、例えば結晶性モノクロルベンゼン
付加物からも同様の処理操作で得ることができるが、コ
ストや安全性等工業的製造の観点から、トルエン付加物
を使用することが好ましい。α型結晶変態は、135〜
141℃付近の融点を有し、Cu−Kα線による粉末X
線回折法における回折図において、回折角(2θ±0.
2°)8.4°、9.8°、17.7°、21.0°、
22.8°に特徴的なピークを示す。
【0025】β型結晶変態は、α型結晶変態及び/また
はトルエン付加物を、特定の有機溶剤、例えばエタノー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、アセト
ニトリルから選ばれる少なくとも1種の溶媒として使用
して再結晶することにより安定して製造される。再結晶
において使用される有機溶剤の量は溶剤の種類によって
異なるが、使用するα型結晶変態及び/またはトルエン
付加物を還流温度において完全に溶解する最低量を使用
して、完溶後に冷却して結晶を析出させるのが好まし
い。しかしながら上記した溶剤を過剰量使用し、α型結
晶変態及び/またはトルエン付加物が完溶後に所定量ま
で濃縮してもβ型結晶変態が得られる。また上記した溶
剤をα型結晶変態及び/またはトルエン付加物が完全に
溶解する量を用いない場合でも、一定量の溶剤中で分散
して一定温度で処理することによってβ型結晶変態を得
ることもできる。ここでいう処理とは、α型結晶変態及
び/またはトルエン付加物と溶剤を混合し、好ましくは
撹拌することである。
【0026】溶剤の使用量は溶剤の種類により異なる
が、下限は結晶が十分分散・撹拌できる量、上限は処理
温度において結晶が完溶しない限度の量である。エタノ
ールを例にとると、使用量はα型結晶変態及び/または
トルエン付加物の同重量〜20倍重量、好ましくは3〜
15倍重量である。処理温度は室温〜還流温度、好まし
くは40℃〜還流温度である。室温以下では結晶の
が非常に遅くなる。処理時間は10分〜24時間、好ま
しくは20分〜15時間である。処理においては撹拌を
行うことが好ましい。
【0027】またトルエン付加物を減圧下に加熱処理す
ることによっても、β型結晶変態を得ることができる。
減圧下の加熱処理とは、トルエン付加物を下記に説明す
る条件下におくことをいう。適用される圧力は0〜20
0mmHg、好ましくは1〜100mmHgである。温
度は20〜110℃、好ましくは60℃〜105℃であ
る。処理は静置状態でおこなってもよいし、撹拌等の混
合操作をおこなってもよい。β型結晶変態は、143〜
148℃付近の融点を有し、Cu−Kα線による粉末X
線回折図において、回折角(2θ±0.2°)11.7
°、14.4°、16.4°、19.2°、21.3°
に特徴的なピークを示す。
【0028】本発明の2−m−トルイジノ−3−メチル
−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのα型結晶変
態、β型結晶変態及びトルエン付加物は、記録材料中単
独で用いることもできるし、2種以上を混合して用いる
こともできる。また、必要応じ、他の発色剤との併
用も可能である。併用できる発色剤としては、この種の
記録材料に適用されているものが任意に適用でき、トリ
フェニルメタンフタリド系、フルオラン系、フルオレン
系、ビニローグフタリド系等の発色剤が好ましく用いら
れる。
【0029】これらの一部を例示すれば、3,3−ビス
(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノ
フタリド、2−アニリノ−3−メチル−6−ジメチルア
ミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−ジプロピルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メ
チル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−ジペンチルアミノフルオラン、2−ア
ニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−N−プロピル
アミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−エチル−N−イソブチルアミノ)フルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−イソ
ペンチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチ
ル−6−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)フ
ルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチ
ル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)フルオラン、
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ
[9,3’]−6’−ジメチルアミノフタリド、3,3
−ビス{2,2−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)
エテニル}−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3,3−ビス{2,2−ビス(1−エチル−2−メチル
インドール−3−イル)エテニル}−4,5,6,7−
テトラクロロフタリド等が挙げられる。これらは単独
で、あるいは2種以上混合して併用することができる。
【0030】本発明のα型結晶変態、β型結晶変態及び
/またはトルエン付加物を感圧記録材料に適用するに
は、例えば特公昭42−20144号公報等に開示され
ている公知の種々の方法が利用できる。一般には、発色
剤をカプセル化溶剤に溶解した発色剤溶液を高分子化合
物を膜剤としてカプセル化した後、上質紙、合成紙、プ
ラスチックフィルム等の支持体の裏面に塗布して上用紙
を作成する。一方、顕色剤を別の支持体の表面に塗布し
て下用紙を作成する。上用紙と下用紙を塗布面が接触す
るように重ね合わせて筆圧あるいは打圧等の圧力を加え
ると、加圧された部分のカプセルが破壊されて、カプセ
ル中の発色剤が顕色剤と反応して、下用紙の表面に記録
画像が形成される。また、支持体の表面に顕色剤、裏面
にカプセルを塗布した中用紙を上用紙と下用紙の間に数
枚挿入することにより、複数枚の複写記録が得られる。
【0031】また、支持体の同一面に顕色剤とカプセル
を含有する、いわゆるセルフコンテインド紙タイプのも
の、或いは支持体中に顕色剤かカプセルの一方が含有さ
れ、他の一方が塗布された形態のものに適用できる。
感圧記録材料に使用する顕色剤としては、酸性白土、サ
リチル酸誘導体亜鉛塩、p−オクチルフェノール樹脂亜
鉛塩、p−フェニルフェノール樹脂等が挙げられる。特
に、サリチル酸誘導体亜鉛塩およびp−オクチルフェノ
ール樹脂亜鉛塩が好ましく用いられる。
【0032】本発明のα型結晶変態及びβ型結晶変態を
感熱記録材料に適用するには、例えば特公昭45−14
039号公報等に開示されている公知の種々の方法が利
用できる。一般には、発色剤、顕色剤、増感剤をそれぞ
れポリビニルアルコール等の水溶性高分子水溶液と共に
アトライター、サンドミル等を用いて薬剤の粒径が数ミ
クロン以下になるように分散する。増感剤は、発色剤、
顕色剤のいずれか、あるいは両方に加えて、同時に分散
してもよく、また場合によっては予め発色剤あるいは顕
色剤との共融物を作成して分散してもよい。これらの分
散液を混合して、必要に応じて顔料、バインダー、ワッ
クス、金属石鹸、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を加え
て、感熱塗液とする。得られた感熱塗液を上質紙、合成
紙、プラスチックフィルム等の支持体に塗布した後、カ
レンダー処理により平滑性を付与すると、感熱記録材料
が得られる。また感熱塗液は、必要に応じて、発色性を
向上させるために、プラスチック顔料あるいはシリカ等
の断熱剤の下塗り層を有する支持体に塗布しても良い。
さらに、必要に応じて、耐水性、耐薬品性を付与するた
めに、感熱記録層上に水溶性高分子水溶液等で上塗り層
を設けることもよい。
【0033】感熱記録材料に使用する顕色剤としては、
各種のフェノール性化合物が使用できる。具体例として
は、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン
(一般名ビスフェノールA)、2,2−ビス(p−ヒド
ロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス
(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(p
−ヒドロキシフェニル)スルホン(一般名ビスフェノー
ルS)、ビスフェノールSモノイソプロピルエーテル、
3,3’−ジアリルビスフェノールS、1,5−ビス
(p−ヒドロキシフェニルメルカプト)−3−オキサペ
ンタン、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、テトラブロ
モビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS等
が挙げられる。特にビスフェノールAが好ましく用いら
れる。
【0034】増感剤としては、p−ベンジルビフェニ
ル、m−ターフェニル、2−ベンジルオキシナフタレ
ン、1,4−ジベンジルオキシナフタレン、シュウ酸ジ
ベンジル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジル、1,2−
ジフェノキシエタン、1,2−ジ−m−トルオキシエタ
ン、1,2−ジ−p−トルオキシエタン、1,4−ジフ
ェノキシブタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジ
ル、2−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナ
フトエ酸フェニル、テレフタル酸ジベンジル等が挙げら
れる。特に、p−ベンジルビフェニル、m−ターフェニ
ル、2−ベンジルオキシナフタレン、シュウ酸ジ−p−
メチルベンジル、1,2−ジ−m−トルオキシエタンが
好ましく用いられる。
【0035】顔料としては、有機および無機の顔料が使
用できる。好ましい具体例としては、炭酸カルシウム、
硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、非晶
質シリカ、尿素ホルマリン樹脂粉末、ポリエチレン樹脂
粉末等が挙げられる。バインダーとしては、水溶性高分
子および水不溶性高分子が使用できる。好ましい具体例
としては、水溶性高分子として、メチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、デンプン類、スチレン−無水マレイン酸共重合体加
水分解物、エチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解
物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解
物、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニル
アルコール、ポリアクリルアミド等が、また水不溶性高
分子として、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、ア
クリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニ
ルエマルジョン等が挙げられる。
【0036】ワックスの好ましい具体例としては、パラ
フィンワックス、カルボキシ変性パラフィンワックス、
ポリエチレンワックス等が挙げられる。金属石鹸として
は、高級脂肪酸金属塩が用いられる。好ましい具体例と
しては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。酸化防止剤
としては、ヒンダードフェノール類が用いられる。また
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリ
アゾール系等の紫外線吸収剤が用いられる。
【0037】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明は、これらの
実施例に限定されるものではない。
【0038】(実施例1) 2−m−トルイジノ−3−
メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのα型結
晶変態の製造 98%硫酸100ml中に、2−(2−ヒドロキシ−4
−ジ−n−ブチルアミノベンゾイル)安息香酸37.0
gを25℃以下で少量づつ添加、溶解後、2,3’−ジ
メチル−4−メトキシジフェニルアミン25.0gを1
0〜20℃で滴下した。室温で20時間撹拌後、反応物
を1000gの氷水中へ排出し、析出した沈澱を濾取し
た。得られた濾取物をトルエン200mlと25%水酸
化ナトリウム水溶液130mlとともに、撹拌下1時間
還流した。
【0039】次いで、トルエン層を分取し、湯洗後、減
圧下トルエンを留去し、更にメタノール100mlを加
え、40℃で1時間撹拌後冷却した。結晶を濾取し、乾
燥して淡黄白色の結晶44.8g(82.0%収率)を
得た。この結晶の融点、元素分析値、質量分析値、及び
赤外吸収スペクトルの特性吸収は下記の通りであった。
この結晶の粉末X線回折図を図1に、赤外吸収スペクト
ルを図4に示す。
【0040】融点:138〜140℃ C H N 元素分析値:理論値(C363823)79.09% 7.01% 5.13% 実測値 78.96% 6.99% 5.13% MS(m/e):546(M+) IR:νNH 3400cm-1
【0041】(実施例2) 2−m−トルイジノ−3−
メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのα型結
晶変態の製造 実施例1と同じ原料を使用して同様に反応し、同様にト
ルエンと水酸化ナトリウムで処理した。
【0042】次いで、トルエン層を分取し、湯洗後、減
圧下に残渣量が約100gとなるまでトルエンを留去
し、析出した結晶を濾取した。濾取物にメタノール10
0mlを加え、40℃で1時間撹拌後冷却した。結晶を
濾取し、乾燥して淡黄白色の結晶43.1g(78.9
%収率)を得た。この結晶の融点、粉末X線回折図、質
量分析値及び赤外吸収スペクトルは実施例1で得られた
結晶のものと同じであった。
【0043】(実施例3) 2−m−トルイジノ−3−
メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのβ型結
晶変態の製造 実施例1と同じ原料を使用して同様に反応し、同様にト
ルエンと水酸化ナトリウムで処理した。トルエン抽出液
を湯洗後、トルエンを留去して得られた残渣55.8g
を、イソプロピルアルコール560mlで再結晶するこ
とにより、微黄白色の結晶45.7g(83.7%収
率)を得た。この結晶の融点、元素分析値、質量分析値
および赤外吸収スペクトルの特性吸収は下記の通りであ
った。この結晶の粉末X線回折図を図2に、赤外吸収ス
ペクトルを図5に示す。
【0044】融点:145〜147℃ C H N 元素分析値:理論値(C363823)79.09% 7.01% 5.13% 実測値 79.15% 7.03% 5.15% MS (m/e):546(M+) IR:νNH 3350cm-1
【0045】(実施例4) 2−m−トルイジノ−3−
メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのβ型結
晶変態の製造 実施例3における再結晶溶剤であるイソプロピルアルコ
ールの代わりにエタノールを使用した以外は実施例3と
同様の操作を行って、結晶46.6g(85.3%収
率)を得た。この結晶の粉見、粉末X線回折図、融点、
質量分析値及び赤外吸収スペクトルは実施例3で得られ
た結晶のものと同じであった。
【0046】(実施例5) 2−m−トルイジノ−3−
メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのβ型結
晶変態の製造 実施例3における再結晶溶剤であるイソプロピルアルコ
ールの代わりにn−ブタノールを使用した以外は実施例
3と同様の操作を行って、結晶43.6g(79.8%
収率)を得た。この結晶の粉見、粉末X線回折図、融
点、質量分析値及び赤外吸収スペクトルは実施例3で得
られた結晶のものと同じであった。 (実施例6) 2−m−トルイジノ−3−メチル−6−
ジ−n−ブチルアミノフルオランのβ型結晶変態の製造 実施例3における再結晶溶剤であるイソプロピルアルコ
ールの代わりにアセトニトリルを使用した以外は実施例
3と同様の操作を行って、結晶39.4g(72.1%
収率)を得た。この結晶の粉見、粉末X線回折図、融
点、質量分析値及び赤外吸収スペクトルは実施例3で得
られた結晶のものと同じであった。
【0047】(実施例7) 2−m−トルイジノ−3−
メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランの結晶性
トルエン付加物の製造 実施例1と同じ原料を使用して同様に反応し、同様にト
ルエンと水酸化ナトリウムで処理した。トルエン抽出液
を湯洗後、減圧下に残渣量が約100gとなるまでトル
エンを濃縮後冷却した。析出した結晶を濾取し、少量の
冷トルエンで洗浄後、乾燥して淡黄白色の結晶49.2
g(83.0%収率)を得た。この結晶の融点、元素分
析値及び赤外吸収スペクトルの特性吸収は下記の通りで
あった。この結晶の粉末X線回折を図3に、赤外吸収ス
ペクトルを図6に示す。
【0048】融点:113〜117℃ 元素分析値:理論値(2C363823・C78) C H N 80.03% 7.14% 4.73% 実測値 80.43% 7.24% 4.76% IR:νNH 3385cm-1
【0049】(実施例8) 2−m−トルイジノ−3−
メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランの結晶性
トルエン付加物の製造 2−m−トルイジノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチル
アミノフルオランのβ型結晶変態50.0gをトルエン
500mlに分散し、60℃で加温溶解後、残渣量が約
100gとなるまで減圧下にトルエンを濃縮した。冷却
後、水浴下に1時間静置し、析出した結晶を濾取し、少
量の冷トルエンで洗浄後、乾燥して結晶46.4gを得
た。この結晶の粉見、融点、赤外吸収スペクトル及び粉
末X線回折図は実施例7で得られた結晶のものと同じで
あった。
【0050】(実施例9) 2−m−トルイジノ−3−
メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのα型結
晶変態の製造 実施例7で得られた2−m−トルイジノ−3−メチル−
6−ジ−n−ブチルアミノフルオランの結晶性トルエン
付加物10.0gをメタノール60mlに分散し、38
〜41℃で30分撹拌した。水浴下に1時間冷却後、結
晶を濾取し、乾燥して8.9gを得た。この結晶の粉
見、粉末X線回折図、融点、質量分析値及び赤外吸収ス
ペクトルは実施例1で得られた結晶のものと同じであっ
た。
【0051】(実施例10) 2−m−トルイジノ−3
−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのα型
結晶変態の製造 実施例7で得られた2−m−トルイジノ−3−メチル−
6−ジ−n−ブチルアミノフルオランの結晶性トルエン
付加物10.0gをメタノール60mlに分散し、室温
で15時間撹拌した。結晶を濾取し、乾燥して8.9g
を得た。この結晶の粉見、粉末X線回折図、融点、質量
分析値及び赤外吸収スペクトルは実施例1で得られた結
晶のものと同じであった。
【0052】(参考例1)実施例7で得られた2−m−
トルイジノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフ
ルオランの結晶性トルエン付加物10.0gをメタノー
ル60mlに分散し、還流下30分間撹拌した。水浴下
に1時間冷却後、結晶を濾取し、乾燥して微黄白色の結
晶8.7gを得た。この結晶は粉末X線回折図及び熱分
析(TG−DTA)による同定の結果、α型結晶変態と
β型結晶変態の混合物であった。
【0053】(実施例11) 2−m−トルイジノ−3
−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのβ型
結晶変態の製造 実施例7で得られた2−m−トルイジノ−3−メチル−
6−ジ−n−ブチルアミノフルオランの結晶性トルエン
付加物10.0gをエタノール60mlに分散し、還流
下1時間撹拌した。冷却後、結晶を濾取し、乾燥して9
0.gを得た。この結晶の粉見、粉末X線回折図、融
点、質量分析値及び赤外吸収スペクトルは実施例3で得
られた結晶のものと同じであった。
【0054】(実施例12) 2−m−トルイジノ−3
−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのβ型
結晶変態の製造 実施例7で得られた2−m−トルイジノ−3−メチル−
6−ジ−n−ブチルアミノフルオランの結晶性トルエン
付加物20.0gを2〜3mmHgの圧力下、90℃で
3時間処理して結晶18.4gを得た。この結晶の粉
見、粉末X線回折図、融点、質量分析値及び赤外吸収ス
ペクトルは実施例3で得られた結晶のものと同じであっ
た。
【0055】(実施例13) 感圧記録材料の製造 実施例1で製造した2−m−トルイジノ−3−メチル−
6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのα型結晶変態3
gをKMC−113(呉羽化学製溶剤)47gに加熱下
に溶解して発色剤溶液を作成した。一方、水100gに
系変性剤5gを加え、苛性ソーダ水溶液でpH4とし、
これに前記の発色剤溶液50gとメラミン−ホルムアル
デヒド初期重合物10gを加えて、ホモミキサーで油滴
が4ミクロンになるまで乳化した次いで撹拌下に60
℃まで加熱し、同温度で1時間撹拌した。室温まで冷却
後、25%アンモニア水でpH7.5に調整して、発色
剤のカプセル分散液を作成した。このようにして調整し
た発色剤のカプセル分散液10g、小麦粉澱粉2gおよ
びラテックス1gをよく混合した後、上質紙に固形分塗
布量が5g/m2となるように塗布、乾燥し白色の上用
紙を作製した。
【0056】(実施例14) 感圧記録材料の製造 実施例13における発色剤である2−m−トルイジノ−
3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのα
型結晶変態の代わりに、実施例3で製造した2−m−ト
ルイジノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフル
オランのβ型結晶変態を用いた以外は実施例13と同様
の操作を行って白色の上用紙を作製した。
【0057】(実施例15) 感圧記録材料の製造 実施例13における発色剤である2−m−トルイジノ−
3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのα
型結晶変態の代わりに、実施例7で製造した2−m−ト
ルイジノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフル
オランの結晶性トルエン付加物を用いた以外は実施例1
3と同様の操作を行って白色の上用紙を作製した。
【0058】(実施例16) 感熱記録材料の製造 実施例1で製造した2−m−トルイジノ−3−メチル−
6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのα型結晶変態5
gを、2.5%ポリビニルアルコール水溶液45g中、
サンドミルを用いて平均粒径が1ミクロンになるように
粉砕し発色剤分散液を得た。一方、顕色剤であるビスフ
ェノールA10gと増感剤であるp−ベンジルビフェニ
ル10gを2.5%ポリビニルアルコール水溶液80g
中で、サンドミルを用いて平均粒径が3ミクロンになる
ように粉砕して、顕色剤分散液を得た。
【0059】上記2種の分散液を混合した後、炭酸カル
シウム50%分散液30gとパラフィンワックス30%
分散液15gを添加、よく混合して感熱塗液を得た。こ
のようにして調整した感熱塗液を上質紙に、固形分塗布
量が4.5g/m2となるように塗布、乾燥後、カレン
ダー処理により感熱記録層面のベック平滑度が400〜
500秒になるように調整し、感熱記録材料を作製し
た。
【0060】(実施例17) 感熱記録材料の製造 実施例16における発色剤である2−m−トルイジノ−
3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン化合
物のα型結晶変態の代わりに、実施例3で製造した2−
m−トルイジノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミ
ノフルオランのβ型結晶変態を用いた以外は実施例16
と同様の操作を行って、感熱記録材料を作製した。
【0061】(比較例1)感圧記録材料の製造 実施例13における発色剤である2−m−トルイジノ−
3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン化合
物のα型結晶変態の代わりに、2−o−トルイジノ−3
−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン(式(2)化
合物)を用いた以外は、実施例13と同様の操作を行っ
て、上用紙を作製した。
【0062】(比較例2)感圧記録材料の製造 実施例13における発色剤である2−m−トルイジノ−
3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン化合
物のα型結晶変態の代わりに、2−m−トルイジノ−3
−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン(式(3)化
合物、融点158〜160℃)を用いた以外は、実施例
13と同様の操作を行って、上用紙を作製した。
【0063】(比較例3)感圧記録材料の製造 実施例13における発色剤である2−m−トルイジノ−
3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン化合
物のα型結晶変態の代わりに、2−p−トルイジノ−3
−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン(式(4)化
合物)を用いた以外は、実施例13と同様の操作を行っ
て、上用紙を作製した。
【0064】(比較例4)感圧記録材料の製造 実施例13における発色剤である2−m−トルイジノ−
3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン化合
物のα型結晶変態の代わりに、2−o−トルイジノ−3
−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン(式
(5)化合物)を用いた以外は、実施例13と同様の操
作を行って、上用紙を作製した。
【0065】(比較例5)感圧記録材料の製造 実施例13における発色剤である2−m−トルイジノ−
3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン化合
物のα型結晶変態の代わりに、2−p−トルイジノ−3
−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン(式
(6)化合物)を用いた以外は、実施例13と同様の操
作を行って、上用紙を作製した。 (比較例6)感圧記録材料の製造 実施例13における発色剤である2−m−トルイジノ−
3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン化合
物のα型結晶変態の代わりに、2−アニリノ−3−メチ
ル−6−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)フルオ
ラン(式(7)化合物)を用いた以外は、実施例13と
同様の操作を行って、上用紙を作製した。
【化11】 (式(7)化合物は現在、感圧記録材料用発色剤として
実用化されているものである。)
【0066】(比較例7)感熱記録材料の製造 実施例16における発色剤である2−m−トルイジノ−
3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン化合
物のα型結晶変態の代わりに、2−o−トルイジノ−3
−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン(式(2)化
合物)を用いた以外は、実施例16と同様の操作を行っ
て、感熱記録材料を作製した。
【0067】(比較例8) 感熱記録材料の製造 実施例16における発色剤である2−m−トルイジノ−
3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのα
型結晶変態の代わりに、2−m−トルイジノ−3−メチ
ル−6−ジエチルアミノフルオラン(式(3)化合物、
融点158〜160℃)を用いた以外は、実施例16と
同様の操作を行って、感熱記録材料を作製した。
【0068】(比較例9) 感熱記録材料の製造 実施例16における発色剤である2−m−トルイジノ−
3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのα
型結晶変態の代わりに、2−p−トルイジノ−3−メチ
ル−6−ジエチルアミノフルオラン(式(4)化合物)
を用いた以外は、実施例16と同様の操作を行って、感
熱記録材料を作製した。
【0069】(比較例10) 感熱記録材料の製造 実施例16における発色剤である2−m−トルイジノ−
3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン化合
物のα型結晶変態の代わりに、2−o−トルイジノ−3
−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン(式
(5)化合物)を用いた以外は、実施例16と同様の操
作を行って、感熱記録材料を作製した。
【0070】(比較例11) 感熱記録材料の製造 実施例16における発色剤である2−m−トルイジノ−
3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのα
型結晶変態の代わりに、2−p−トルイジノ−3−メチ
ル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン(式(6)化
合物)を用いた以外は、実施例16と同様の操作を行っ
て、感熱記録材料を作製した。
【0071】(比較例12) 感熱記録材料の製造 実施例16における発色剤である2−m−トルイジノ−
3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのα
型結晶変態の代わりに、2−アニリノ−3−メチル−6
−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)フルオラン
(式(8)化合物)を用いた以外は、実施例16と同様
の操作を行って、感熱記録材料を作製した。
【化12】 (式(8)化合物は現在、感熱記録材料用発色剤として
実用化されているものである。)
【0072】評価1 溶解性試験 本発明の2−m−トルイジノ−3−メチル−6−ジ−n
−ブチルアミノフルオランのα型結晶変態、β型結晶変
態、トルエン付加物の感圧記録溶剤KMC−113(呉
羽化学製ジアルキルナフタレン系溶剤)およびSAS−
296(日本石油製ジフェニルエタン系溶剤)に対する
溶解性を、比較物質である、2−o−トルイジノ−3−
メチル−6−ジエチルアミノフルオラン(式(2)化合
物)、2−m−トルイジノ−3−メチル−6−ジエチル
アミノフルオラン(式(3)化合物、融点158〜16
0℃)、2−p−トルイジノ−3−メチル−6−ジエチ
ルアミノフルオラン(式(4)化合物)、2−o−トル
イジノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノアミノ
フルオラン(式(5)化合物)、2−p−トルイジノ−
3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン(式
(6)化合物)、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−エチル−N−イソブチルアミノ)フルオラン(式
(7)化合物)とともに測定した。溶解性の測定は下記
の方法に従って行った。
【0073】約10w/w%のフルオラン化合物/溶剤
混合液をホットプレート上110±2.5℃で加熱溶解
した。この溶液を共栓付三角フラスコに移し20±0.
1℃の温度で48時間撹拌した。析出したフルオラン化
合物を濾去後、濾液約1gを精秤して100mlのメス
フラスコに入れ、95%酢酸を加えて全体量を100m
lとした。この溶液2mlを100mlのメスフラスコ
に入れ、95%酢酸を加えて全体量を100mlとし
た。この発色溶液の可視部最大吸収波長での吸光度を9
5%酢酸を対照液として分光光度計で測定し、先に作成
していた検量線より溶解したフルオラン化合物の量を求
め溶解した量(%)を算出した。これらの結果を表1に
示す。
【0074】
【表1】
【0075】評価2 感圧記録材料の品質性能試験 実施例13,14,15,比較例1,2,3,4,5,
6で作製した上用紙のCB面(上用紙の感圧塗液塗布
面)の白色度測定及び耐光性試験をおこなった。試験及
び測定は下記の方法に従っておこなった。
【0076】CB面白色度の測定:反射濃度計RD−9
14(マクベス製)でCB面の着色濃度を反射濃度値
(OD値)で測定した。
【0077】CB面耐光性の測定:CB面を2万ルック
スの蛍光灯に72hr照射した後、CB面の着色濃度を
同様に測定した。
【0078】次に、同じく実施例13,14,15,比
較例1,2,3,4,5,6で作製した上用紙を顕色剤
であるサリチル酸誘導体亜鉛塩を塗布した下用紙に塗布
面が接触するように重ねて、ミニロールを用いて(圧力
100kgf/cm2 )発色させ、発色色調を比較し
た。また、発色画像濃度(OD値)を反射濃度計RD−
914を用いて測定した。
【0079】次いで画像耐光性試験を下記の方法に従っ
て行った。 画像耐光性の測定:発色した画像を2万ルックスの蛍光
灯に72hr照射した後、画像濃度(OD値)を反射濃
度計RD−914で測定した。 これらの結果を表2に記す。
【0080】
【表2】 CB面白色度:数値が小さい程、白色度が高いことを示
す。 CB面耐光性:数値が小さい程、CB面の耐光性が高い
ことを示す。 発色画像濃度:数値が大きい程、発色濃度が高いことを
示す。 画像耐光性:数値が大きい程、画像の耐光性が高いこと
を示す。
【0081】評価3 感熱記録材料の品質性能試験 実施例16,17,比較例7,8,9,10,11,1
2で作製した感熱記録材料の地肌白色度及び地肌保存安
定性試験、動的発色感度測定を、下記の方法に従って行
った。
【0082】地肌白色度の測定:反射濃度計RD−91
4(マクベス製)で感熱記録材料の地肌着色濃度を反射
濃度値(OD値)で測定した。
【0083】地肌耐熱性の測定:感熱記録材料を60
℃、20%RHの条件に72hr晒した後、地肌の着色
温度(OD値)を反射濃度計RD−914で測定した。
【0084】地肌耐光性の測定:感熱記録材料を2万ル
ックスの蛍光灯に72hr照射した後、地肌の着色温度
(OD値)を反射濃度計RD−914で測定した。
【0085】動的発色感度の測定:印字装置TH−PM
D(大倉電機製)を使用して、発色画像濃度のOD値が
1.0となる時のパルス巾を測定し、下記式を用いて印
加エネルギー値を算出した。
【0086】<測定条件> 印加電圧 :24V ヘッド抵抗値:1640Ω パルス周期 :2ms 印加パルス巾:0.15〜1.95ms 印加エネルギー(mJ/dot)=電力(W/dot)
×印加パルス巾 これらの結果を表3に示す。
【0087】
【表3】
【0088】地肌白色度 :数値が小さい程、地肌
の白色度が高いことを示す。 地肌の保存安定性:各試験後の数値が小さい程、地肌の
保存安定性が高いことを示す。
【0089】動的発色感度 :数値が小さい程、動的
発色感度が高いことを示す。
【0090】次に、同じく実施例16,17,比較例
7,8,9,10,11,12で作製した感熱記録材料
を、東芝FAX TF−370を使用して黒色のテスト
チャートを用いてコピーモードで発色させ、画像濃度
(OD値)をマクベスRD−914を用いて測定した。
【0091】次いで、得られた画像に対して、画像保存
安定性試験を下記の方法に従って行った。 画像耐湿熱性の測定:発色画像を50℃、90%RHの
条件に72hr晒した後、画像の濃度(OD値)を反射
濃度計RD−914で測定した。
【0092】画像耐熱性の測定 :発色画像を60℃、
20%RHの条件に72hr晒した後、画像の濃度(O
D値)を反射濃度計RD−914で測定した。
【0093】画像耐光性の測定 :発色画像を2万ルッ
クスの蛍光灯に72hr照射した後、画像の濃度(OD
値)を反射濃度計RD−914で測定した。
【0094】各画像保存安定性を、下記式により表し
た。
【0095】
【式1】 これらの結果を表4に示す。
【0096】
【表4】
【0097】発色画像濃度 :数値(OD値)が大き
い程、発色濃度が高いことを示す。
【0098】画像の保存安定性:数値が大きい程、画像
の各保存安定性が高いことを示す。
【0099】表1から明らかなごとく、本発明のフルオ
ラン化合物のα型結晶変態、β型結晶変態、トルエン付
加物は類似の構造を有する化合物に比較して、カプセル
用溶剤に対する溶解性に極めて優れている。また、表
2,表3,表4から明らかなごとく、本発明のフルオラ
ン化合物のα型結晶変態、β型結晶変態、トルエン付加
物を感圧記録材料、感熱記録材料の発色剤として用いた
場合、類似の構造を有する化合物に比較して、CB面及
び地肌の白色度が高く、発色色調に優れ、更に発色感
度、CB面及び地肌の安定性、画像の保存安定性に優れ
ている。又、現在実用化されている化合物に比較して
も、発色色調に優れ、CB面及び地肌の白色度が高く、
CB面及び地肌の安定性、画像の保存安定性も同等以上
である。
【0100】
【発明の効果】本発明の2−m−トルイジノ−3−メチ
ル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのα型結晶変
態、β型結晶変態、トルエン付加物は、カプセル用溶剤
に対する溶解性に優れ、これを使用した記録材料は、C
B面および地肌の白色度及び保存安定性、発色色調、発
色感度、画像の保存安定性等の諸性能に特に優れてお
り、感圧記録材料、感熱記録材料の発色剤として非常に
有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造した2−m−トルイジノ−3−
メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのα型結
晶変態の粉末X線回折図である。
【図2】実施例3で製造した2−m−トルイジノ−3−
メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのβ型結
晶変態の粉末X線回折図である。
【図3】実施例7で製造した2−m−トルイジノ−3−
メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランの結晶性
トルエン付加物の粉末X線回折図である。
【図4】実施例1で製造した2−m−トルイジノ−3−
メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのα型結
晶変態の赤外吸収スペクトルである。
【図5】実施例3で製造した2−m−トルイジノ−3−
メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのβ型結
晶変態の赤外吸収スペクトルである。
【図6】実施例7で製造した2−m−トルイジノ−3−
メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランの結晶性
トルエン付加物の赤外吸収スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 小百合 大阪府八尾市弓削町南1−43 山本化成 株式会社内 (72)発明者 橋本 修一 大阪府八尾市弓削町南1−43 山本化成 株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−283183(JP,A) 特開 昭60−123556(JP,A) 特開 平4−356489(JP,A) 特開 昭60−202155(JP,A) 特開 昭60−217267(JP,A) 特開 平3−195777(JP,A) 特開 平3−195775(JP,A) 特開 平5−177926(JP,A) 特公 昭49−32767(JP,B2) 特公 昭49−17490(JP,B1) 特公 昭45−14039(JP,B1) 特公 昭42−20144(JP,B1) 欧州特許出願公開410206(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 493/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cu−Kα線による粉末X線回折法にお
    ける回折角(2θ±0.2°)8.4°、9.8°、1
    7.7°、21.0°、22.8°に特徴的なピークを
    示す粉末X線回折図により特徴づけられる、2−m−ト
    ルイジノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフル
    オランのα型結晶変態。
  2. 【請求項2】 Cu−Kα線による粉末X線回折法にお
    ける回折角(2θ±0.2°)11.7°、14.4
    °、16.4°、19.2°、21.3°に特徴的なピ
    ークを示す粉末X線回折図により特徴づけられる、2−
    m−トルイジノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミ
    ノフルオランのβ型結晶変態。
  3. 【請求項3】 Cu−Kα線による粉末X線回折法にお
    ける回折角(2θ±0.2°)5.6°、9.2°、1
    1.0°、16.2°、18.0°、23.1°に特徴
    的なピークを示す粉末X線回折図により特徴的づけられ
    る、2−m−トルイジノ−3−メチル−6−ジ−n−ブ
    チルアミノフルオランの結晶性トルエン付加物。
  4. 【請求項4】 電子供与性発色剤と電子受容性顕色剤と
    の発色反応を利用した記録材料において、電子供与性発
    色剤として請求項1記載のα型結晶変態を含有する記録
    材料。
  5. 【請求項5】 電子供与性発色剤と電子受容性顕色剤と
    の発色反応を利用した記録材料において、電子供与性発
    色剤として請求項2記載のβ型結晶変態を含有する記録
    材料。
  6. 【請求項6】 電子供与性発色剤と電子受容性顕色剤と
    の発色反応を利用した記録材料において、電子供与性発
    色剤として請求項3記載の結晶性トルエン付加物を含有
    する記録材料。
  7. 【請求項7】 記録材料が感圧記録材料である請求項4
    記載の記録材料。
  8. 【請求項8】 記録材料が感熱記録材料である請求項4
    記載の記録材料。
  9. 【請求項9】 記録材料が感圧記録材料である請求項5
    記載の記録材料。
  10. 【請求項10】 記録材料が感熱記録材料である請求項
    5記載の記録材料。
  11. 【請求項11】 記録材料が感圧記録材料である請求項
    6記載の記録材料。
  12. 【請求項12】 請求項3記載の2−m−トルイジノ−
    3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランの結
    晶性トルエン付加物をメタノール中、0〜60℃で処理
    することを特徴とする、請求項1記載の2−m−トルイ
    ジノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラ
    ンのα型結晶変態の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の2−m−トルイジノ−
    3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのα
    型結晶変態及び/または請求項3記載の2−m−トルイ
    ジノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラ
    ンの結晶性トルエン付加物を、エタノール、イソプロピ
    ルアルコール、n−ブタノール及びアセトニトリルから
    選ばれる少なくとも1種を溶媒として使用して再結晶す
    ることを特徴とする、請求項2記載の2−m−トルイジ
    ノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン
    のβ型結晶変態の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1記載の2−m−トルイジノ−
    3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのα
    型結晶変態及び/または請求項3記載の2−m−トルイ
    ジノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラ
    ンの結晶性トルエン付加物を、エタノール、イソプロピ
    ルアルコール及びn−ブタノールから選ばれる少なくと
    も1種の溶媒中に分散し、室温〜還流温度で処理するこ
    とを特徴とする、請求項2記載の2−m−トルイジノ−
    3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのβ
    型結晶変態の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項3記載の2−m−トルイジノ−
    3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランの結
    晶性トルエン付加物を、減圧下30〜110℃の温度で
    処理することを特徴とする請求項2記載の2−m−トル
    イジノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオ
    ランのβ型結晶変態の製造方法。
  16. 【請求項16】 2−m−トルイジノ−3−メチル−6
    −ジ−n−ブチルアミノフルオランのトルエン溶液から
    結晶を析出させることを特徴とする、請求項3記載の2
    −m−トルイジノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルア
    ミノフルオランの結晶性トルエン付加物の製造方法。
  17. 【請求項17】 式(I) 【化1】 で表されるベンゾフェノン化合物と、一般式(II) 【化2】 (式中、Rは低級アルキル基を示す。)で表されるジフ
    ェニルアミン化合物を脱水縮合剤の存在下に反応させ、
    次いでアルカリ処理した生成物のトルエン抽出液から結
    晶を析出させる、請求項16記載の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項1記載の2−m−トルイジノ−
    3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランのα
    型結晶変態及び/または請求項2記載の2−m−トルイ
    ジノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラ
    ンのβ型結晶変態トルエンに溶解後、結晶を析出させ
    る、請求項16記載の製造方法。
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