JP2854022B2 - フルオラン化合物,および該化合物を含有する記録材料 - Google Patents

フルオラン化合物,および該化合物を含有する記録材料

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、感圧記録材料、感熱記録材料等の記録材料
に用いられる発色性化合物として有用なフルオラン化合
物および該化合物を含有する記録材料に関する。
〔従来の技術〕
従来、無色ないし淡色の電子供与性化合物(発色性化
合物)と有機もしくは無機の電子受容性物質(顕色剤)
との呈色反応を利用し、圧力、熱または電気などの外部
エネルギーの媒介により、伝達される情報を記録する方
式として、感圧記録、感熱記録および通電感熱記録など
がある。
これらの記録方式には、発色性化合物として、フルオ
ラン化合物が広く用いられている。
従来、フルオラン化合物として、例えば、式(IV)、
式(V)、式(VI)および式(VII)の化合物が知られ
ている。
しかし、式(IV)の化合物は、感圧記録材料として用
いるには,カプセルオイルに対する溶解度が極め低いと
いう欠点があり、また感熱記録材料として用いるには、
例えば、ビスフェノールA等の顕色剤と混合すると、そ
れ自体灰色ないし黒灰色に発色し、これを紙に塗布する
と、灰色ないし黒灰色に着色(地汚れ)した紙しか得ら
れないという欠点があった。
また、式(V)の化合物は、感熱記録材料として用い
るには、発色する温度が高すぎるため、現在、より高速
かつ高密度に記録しようとする要望に適合した充分な性
能とは言えず、より低温ですみやかに発色する発色性化
合物が強く望まれている。
さらに、式(VI)及び式(VII)の化合物もまた、カ
プセルオイルに対する溶解性が十分とは言えない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の課題は、記録材料用の発色性化合物として、
上記の要望に応えることができる新規なフルオラン化合
物を提供することを主題とし、併せてこの化合物を含有
する記録材料を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上述の課題を解決するために種々の化
合物を探索し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、式(I) (式中、Rは窒素に結合する炭素が1級である炭素数1
〜4のアルキル基を示す)で表される新規なフルオラン
化合物であり、また、この新規なフルオラン化合物を含
有することを特徴とする記録材料である。
このフルオラン化合物は、一般式(II) (式中、Rは窒素に結合する炭素が1級である、炭素数
1〜4のアルキル基を示す)で表される安息香酸誘導体
と一般式(III) (式中、R′は低級アルキル基を示す)で表されるジフ
ェニルアミン誘導体とを反応させることにより製造す
る。
本発明の化合物は、前記一般式(I)で表される化合
物であり、一般式(I)におけるR、すなわち、窒素に
結合する炭素が1級である炭素数1〜4のアルキル基と
しては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基を挙げることができ
る。
本発明の化合物を製造するのに用いられる一般式(I
I)の安息香酸誘導体は、代表的には3−N−アリル−
N−イソブチルアミノフェノールと無水フタル酸とを無
溶媒あるいはベンゼン、トルエン、キシレンまたはテト
ラクロロエチレン等の溶媒中で反応させることにより製
造できる。またこの反応の際、例えば、塩化亜鉛のよう
なルイス酸を添加してもよい。
すなわち、これらの化合物は一般式(II)、 (式中、Rは窒素に結合する炭素が一級である炭素数1
〜4のアルキル基を示す)で表される3−アミノフェノ
ール誘導体と無水フタル酸とを無溶媒、あるいはベンゼ
ン、トルエン、キシレンまたはテトラクロロエチレン等
の溶媒中で反応させることにより製造することができ
る。
反応温度は60〜140℃の範囲が好ましく、反応時間は
反応温度により異なるが、数時間から数十時間の間が好
ましい。反応の際、例えば、塩化亜鉛のようなルイス酸
を添加してもよい。
また、本発明の化合物を製造するのに用いる一般式
(III)のジフェニルアミン誘導体は、一般式(III)に
おけるR′がメチル基、エチル基等の低級アルキル基
が、好ましい例として挙げることができる。例えば、4
−メトキシ−2,2′,4′−トリメチルジフエニルアミ
ン、4−エトキシ−2,2′,4′−トリメチルジフエニル
アミン、4−ブトキシ−2,2′,4′−トリメチルジフエ
ニルアミン等が例示される。
本発明の新規なフルオラン誘導体を製造するには、上
記の一般式(II)の安息香酸誘導体と一般式(III)の
ジフェニルアミン誘導体を、例えば、濃硫酸、発煙硫酸
を添加した濃硫酸、ポリリン酸、五酸化リン、無水塩化
アルミニウム等の脱水縮合剤の存在下、とくに好ましく
は、濃硫酸中で反応させた後、アルカリ性にして製造で
きる。
脱水縮合反応は、通常、0〜100℃の反応温度で、数
時間ないし100時間実施する。反応温度は、反応を特に
濃硫酸中で行う場合、0〜50℃の範囲が特に好ましい。
反応時間は、反応温度に左右されるので、充分な時間を
要して反応させる。
また脱水縮合後、通常、アルカリ処理を行うが、この
アルカリ処理を行う場合は、水酸化カリウム、水酸化ナ
トリウム水等により、pHを9〜12にし、0〜100℃の範
囲で行うのが好ましい。この際、水以外のベンゼン、ト
ルエン等の有機溶媒の共存下にアルカリ処理を行っても
よい。
本発明の化合物は、発色性化合物として種々の記録材
料に用いることができる。この場合、単独で用いること
も、更には、例えば、発色の色相などの調整のために、
他の発色性化合物、例えば、トリフェニルメタンラクト
ン類、フルオラン類、スピロピラン類を所望に応じて混
合して用いることもできる。
本発明の記録材料は、本発明のフルオラン化合物を用
いた、例えば、感圧記録材料や感熱記録材料等である。
例えば、感圧記録材料としては、本発明のフルオラン
化合物をこの分野で常用される溶剤、例えば、アルキル
ベンゼン系(n−ドデシルベンゼン等)、アルキルビフ
ェニル系(トリエチルビフェニル、ジイソプロピルジフ
ェニル等)、水素化ターフェニル系、アルキルナフタレ
ン系(ジイソプロピルナフタレン等)、ジアリールエタ
ン系(フェニルキシリルエタン,スチレン化エチルベン
ゼン等)、あるいは塩素化パラフィン系の各種溶剤の単
独又は混合溶剤に溶解し、該溶液をコアセルベーション
法、界面重合法等の方法で、ゼラチン、メラミン−アル
デヒド、又は尿素−アルデヒド樹脂、ポリウレタン、ポ
リ尿素、ポリアミド等の隔壁を有するマイクロカプセル
中に封入し、得られたカプセルの水分散液を適当な結着
剤(例えば、澱粉糊、ラテックス等)等と共に適当な支
持体(例えば、紙、プラスチックシート、樹脂被膜され
た紙等)上に塗布し、感圧記録上用シートとなし、使用
することができる。
もちろん、支持体の片面に上記のカプセル分散液を塗
布し、反対面に顕色剤を主体とする顕色剤塗液を塗布し
た、いわゆる中用シート、更には、支持体の同一面に上
記カプセルと顕色剤が混在する塗液を塗布するか、カプ
セル分散液を塗布した上に顕色剤塗液を塗布するなどし
て、同一面に上記カプセルと顕色剤を共存させた、いわ
ゆる単体複写シートなどにも使用できる。
この場合、顕色剤としては、サリチル酸とフェノール
類とアルデヒド類、(例えば、ホルムアルデヒド樹脂)
による共重合物、置換サリチル酸(アルキル置換、アリ
ール置換またはアラルキル置換体の極めて多くが知ら
れ、例えば、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸
がある)、置換サリチル酸とスチレンとの共縮合樹脂、
アルキルフェノール類(例えば、オクチルフェノー
ル)、フェノール−アルデヒド樹脂(例えば、p−フェ
ニルフェノールのノボラック樹脂)、あるいは、これら
の金属塩(例えば、亜鉛、マグネシウム、アルミニウ
ム、カルシウム、スズ、ニッケル等の金属塩)、更には
活性白土類があげられる。
また、感熱記録材料としては、本発明のフルオラン化
合物と顕色剤(例えば、ビスェノールA、そのハロゲン
化物またはアルキル化物、ジヒドロキシジフェニルスル
ホン、そのハロゲン化物またはアルキル化物、ヒドロキ
シ安息香酸エステル類、ハイドロキノンモノエーテル類
のようなフェノール類、サリチル酸誘導体、サリチル酸
アミド誘導体、尿素誘導体、チオ尿素誘導体等のような
有機顕色剤、あるいは酸性白土、アパダルガイト、活性
白土、塩化アルミニウム、臭化亜鉛のような無機顕色
剤)の微細水分散液に結着剤(例えば、ポリビニルアル
コール、その変性物、メチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビ
アゴム、スチレン−無水マレイン酸共重合物の塩また
は、イソブチレン−アクリル酸−無水マレイン酸の共重
合物など)、顔料(タルク、カオリン、炭酸カルシウム
等)、更に、必要に応じ、増感剤(高級脂肪酸アミド
類、芳香族カルボン酸またはスルホン酸のエステル類、
芳香族ないし芳香族基置換脂肪族エーテル類、または芳
香族ないし芳香族基置換脂肪族炭化水素等一般に公知の
感熱記録材用増感剤)、その他の添加剤(例えば、紫外
線吸収剤、消泡剤等)を加え、微細分散液とし、適当な
支持体(例えば、紙、プラスチックシート、樹脂被覆さ
れた紙等)上に塗布し、感熱記録材料として使用するこ
とができる。勿論、水分散系でなく、溶剤を使用する系
においても問題なく使用できる。
その他の発色性化合物を使用する用途(例えば、示温
材料)に使用できる。
〔作用〕
一般式(I)で表されれる本発明の化合物を感圧記録
材料に使用すると感圧記録材料に用いる発色性化合物に
強く望まれている重要な特性である、カプセルオイルに
対する溶解度が極めて高く、かつ、発色後の発色像の耐
候性が優れている。
すなわち、一般式(I)で表される化合物において、
例えば、Rがエチル基のもの、又はRがイソブチル基の
ものの、市販のカプセルオイルに対する溶解度を公知の
式(IV)のフルオラン化合物、式(V)のフルオラン化
合物、式(VI)のフルオラン化合物および式(VII)の
フルオラン化合物と比較した結果を第1表に示した。
溶解度は各オイルに対して、一般式(I)においてR
がエチル基のもの、イソブチル基のもの、ならびに式
(IV)、式(V)、式(VI)および式(VII)のフルオ
ラン化合物のそれぞれ5重量%を一旦加熱溶解後、5℃
に保存し、結晶析出の有無で示した。
第1表から明らかなように、一般式(I)で表される
化合物において、例えば、Rがエチル基、イソブチル基
のものは、式(IV)、式(V)、式(VI)および式(VI
I)の化合物に比較して、各カプセルオイルに対する溶
解度が高い。
これは、感圧記録材料を作る際、カプセルオイル中で
の保存中に結晶析出がないこと、更に、マイクロカプセ
ル化後のマイクロカプセル中での結晶析出の恐れがない
ことを意味し、一般式(I)で示される本発明の化合物
の大きな特徴である。特に、SAS−296とIPオイル混合系
に対しても、極めて良好な溶解性を示すことは、より安
価なカプセルオイルをも使用できることを意味し、経済
的であり、工業的にも有利である。
また、一般式(I)で表される本発明化合物を感熱記
録材料に使用すると、式(IV)の化合物を用いた場合に
比べて、地汚れのない、白色度の高い感熱紙が得られ、
更に、式(V)の化合物を用いた場合に比べ、より低温
で、すみやかに発色し、高速かつ高密度記録材料が望ま
れている現在、極めて優れた性能を有した化合物である
と言える。すなわち、顕色剤としてビスフェノールAを
使用した時の一般式(I)で表される化合物において、
例えば、Rがエチル基のもの、イソブチル基のものおよ
び式(V)の各化合物を用いた感熱記録紙の温度に対す
る発色濃度特性を測定した結果を第1図に示した。尚、
発色濃度はマクベス反射濃度計(TR−524型)を用い測
定した。数値が大きい程、濃く発色していることを表し
ている。この第1図から明らかなように、一般式(I)
で表される本発明の化合物において、例えば、Rがエチ
ル基のものや、Rがイソブチル基のものは、約100℃付
近で極めて速やかに発色し、化合物(V)に比較し,よ
り低温で速やかに発色するという極めて優れた特徴を有
している。
通常、より低温で発色させるために、発色性化合物と
顕色剤の他に、比較的低融点(100℃程度)の熱可融性
物質(増感剤)を添加するという手段が用いられている
が、一般式(I)で表される本発明の化合物を感熱複写
記録材料に用いると、増感剤を添加しなくても、あるい
は式(V)の化合物を用いる場合に比べ、増感剤の量が
少なくても、低温で速やかに発色するという大きな利点
が得られる。
〔実施例〕
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 〔3−N−アリル−N−イソブチルアミノ−6−メチル
−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオランの製
造〕 2−(4−N−アリル−N−イソブチルアミノ−2−
ヒドロキシベンゾイル)安息香酸13.9gを100mlの濃硫酸
にで溶解後、4−メトキシ−2,2′,4′−トリメチルジ
フェニルアミン9.5gを同温度で加え、10〜25℃で48時間
撹拌した。反応混合物を500mlの氷水に排出し、析出し
た固形分を集め、水洗した後、その固形分を10%NaOH水
溶液500ml中に投入し、60〜70℃で2時間撹拌した。固
形分を濾過、水洗後、イソプロパノール100mlで洗浄し
た。更に、イソプロパノールで2回再結晶し、目的とす
る3−N−アリル−N−イソブチルアミノ−6−メチル
−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオラン10.4
g(収率50%)をピンク色を帯びたクリーム色の結晶と
して得た。融点156〜158℃ この化合物のトルエン溶液は、ほとんど無色透明であ
り、シリカゲル上で速やかに黒発色した。
実施例2 〔(3−N−アリル−N−n−ブチルアミノ−6−メチ
ル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオランの
製造〕 実施例1で使用した、2−(4′−N−アリル−N−
イソブチルアミノ−2′−ヒドロキシベンゾイル)安息
香酸の代わりに、2−(4′−N−アリル−N−n−ブ
チルアミノ−2′−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸を
用い、実施例1とほとんど同様な操作を行って、3−N
−アリル−N−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−
(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオランを、 融点197.5〜198.5℃の淡いクリーム色結晶として得た。
この化合物のトルエン溶液は、ほとんど無色透明であ
り、シリカゲル上で速やかに黒発色した。
実施例3 〔(3−N−アリル−N−n−プロピルアミノ−6−メ
チル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオラン
の製造)〕 実施例1で使用した、2−(4′−N−アリル−N−
イソブチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香
酸の代わりに、2−(4′−N−アリル−N−n−プロ
ピルアミノ−2′−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸を
用い、実施例1とほとんど同様な操作を行って、3−N
−アリル−N−n−プロピル−6−メチル−7−
(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオランを、融点16
9〜171.5℃の僅かに褐色味を帯びた白色結晶として得
た。この化合物のトルエン溶液は、ほとんど無色透明で
あり、シリカゲル上で速やかに黒発色した。
実施例4 〔3−N−アリル−N−エチルアミノ−6−メチル−7
−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオランの製造〕 実施例1で使用した、2−(4′−N−アリル−N−
イソブチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香
酸の代わりに、2−(4′−N−アリル−N−エチルア
ミノ−2′−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸を用い、
実施例1と同様方法に従い、3−N−アリル−N−エチ
ルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメチルアニ
リノ)フルオランを、融点149〜151℃の淡いクリーム色
結晶として得た。
この化合物のトルエン溶液は、ほとんど無色透明であ
り、シリカゲル上で速やかに黒発色した。
実施例5 3−N−アリル−N−エチルアミノ−6−メチル−7
−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオラン10g、10
%ポリビニルアルコール水溶液5g及び水37.5gの混合物
をサンドミルで粒径3μに微粒化した。一方、ビスフェ
ノールAを同様に分散し、38%の顕色剤分散液を得た。
この顕色剤分散液65.8g、上記の3−N−アリル−N−
エチルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメチル
アニリノ)フルオラン水分散液50g、60%軽質炭酸カル
シウム水分散液18.3g、10%ポリビニールアルコール水
溶液88g及び水51.9gを混合した。
この混合液を白色原紙にワイヤーロッドNo.10を用
い、塗布後、室温で風乾し、地汚れのない非常に白い感
熱記録紙を得た。この感熱記録紙は加熱により、極めて
迅速に、黒色に発色した。
この感熱記録紙をローディアセターを用い、温度に対
する発色濃度特性を測定した。結果を第1図に示した。
尚、発色濃度はマクベス反射濃度計(TR−524型)用
い、測定した。数値が大きい程、濃く発色していること
を表している。
実施例6 実施例5において、3−N−アリル−N−エチルアミ
ノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)
フルオランの代わりに、3−エチル−アリル−N−イソ
ブチルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメチル
アニリノ)フルオランを用い、実施例5に記載した方法
に従い感熱記録紙をつくり、温度に対する発色濃度特性
を調べた。結果を第1図に示した。
比較例 実施例5において、3−N−アリル−N−エチルアミ
ノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)
フルオランの代わりに、3−N−エチル−N−エチルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン〔式(IV)
の化合物〕、あるいは、3−N−n−ブチル−N−n−
ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
〔式(V)の化合物〕を用い、それぞれ実施例5に記載
した方法に従い、感熱記録紙を作成した。
式(IV)の化合物を用いた感熱記録紙の塗布面はやや
灰色で地汚れが認められた。
また、式(V)の化合物を用いた感熱記録紙の温度に
対する発色濃度特性を調べた。その結果を第1図に示し
た。
実施例7 上用(CB)紙及び下用(CF)紙の作成は以下のように
製造した。
すなわち、エチレン−無水マレイン酸共重合物の10%
水溶液100g及び水240gを混合し、10%水酸化ナトリウム
水溶液でpH4.0とし、3−N−アリル−N−イソブチル
アミノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメチルアニリ
ノ)フルオランを5重量%溶解した、フェニルキシリル
エタン(日本石油化学製 SAS−296)200gを混合し、ホ
モミキサーで乳化した後、固形分50%のメチロールメラ
ミン水溶液(三井東圧化学製 ユーラミンT−30)60g
を加え、掻き混ぜつつ55℃に3時間保持し、平均粒径5.
0μのマイクロカプセル分散液を得た。
このマイクロカプセル分散液100gに、小麦粉澱粉粒40
gと20%酸化澱粉糊20g及び水116gを加え、分散し、坪量
40g/m2の紙に塗布量が固形分で5g/m2となるように塗布
し、CB紙を得た。
一方、CF紙は、顕色剤として置換サリチル酸とスチレ
ンの共縮合樹脂の亜鉛塩を用い、少量の高分子アニオン
系界面活性剤の存在下、水中で、サンドグライディング
ミルで微粒化し、固形分40重量%の水分散液を得た。こ
の水分散液を用い、下記組成の水性塗料(固形分30%)
を作り、坪量40g/m2の上質紙に乾燥塗布量5.5g/m2とな
るように塗布し、CF紙を作成した。
水性塗料の組成 固形重量(g) 軽質炭酸カルシウム 100 顕色剤 20 接着剤 酸化澱粉 8 合成ラテックス 8 CB紙のマイクロカプセル塗布面と、CF紙の顕色剤塗布
面が、相対向するように重ね合わせ、筆記、加圧したと
ころ、顕色剤塗布面に赤黒の発色像が得られた。この発
色像の耐光性、耐湿性、耐NOX性は実用上、問題なかっ
た。
【図面の簡単な説明】
図面第1図は、本発明のフルオラン化合物と公知のフル
オラン化合物の感熱記録紙における発色濃度特性を示す
ものである。 第1図において、曲線(a)は本発明の一般式(I)に
おいて、Rがiso−ブチル基である化合物、曲線(b)
は一般式(I)において、Rがエチル基である化合物、
および曲線(c)はフルオラン化合物(V)の発色濃度
特性を夫々示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−143682(JP,A) 特開 平3−190879(JP,A) 特開 平3−55286(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 11/28 B41M 5/124 - 5/165 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、Rは窒素に結合する炭素が一級である炭素数1
    〜4のアルキル基を示す)で表されるフルオラン化合
    物。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の一般式(I)で表され
    るフルオラン化合物を含有することを特徴とする記録材
    料。
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CN100360537C (zh) * 2006-05-10 2008-01-09 浙江工业大学 一种荧烷类衍生物及其制备和应用

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JPH0355288A (ja) 1991-03-11

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