JP2768444B2 - フルオラン化合物,および該化合物を含有する記録材料 - Google Patents
フルオラン化合物,および該化合物を含有する記録材料Info
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- JP2768444B2 JP2768444B2 JP1197951A JP19795189A JP2768444B2 JP 2768444 B2 JP2768444 B2 JP 2768444B2 JP 1197951 A JP1197951 A JP 1197951A JP 19795189 A JP19795189 A JP 19795189A JP 2768444 B2 JP2768444 B2 JP 2768444B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、感圧記録材料、感熱記録材料等の記録材料
に用いられる発色性化合物として有用なフルオラン化合
物、および該化合物を含有する記録材料に関する。
に用いられる発色性化合物として有用なフルオラン化合
物、および該化合物を含有する記録材料に関する。
従来、無色ないし淡色の電子供与性化合物(発色性化
合物)と有機もしくは無機の電子受容性物質(顕色剤)
との呈色反応を利用し、圧力、熱または電気などの外部
エネルギーの媒介により、伝達される情報を記録する方
式として、感圧記録、感熱記録、通電感熱記録などがあ
る。
合物)と有機もしくは無機の電子受容性物質(顕色剤)
との呈色反応を利用し、圧力、熱または電気などの外部
エネルギーの媒介により、伝達される情報を記録する方
式として、感圧記録、感熱記録、通電感熱記録などがあ
る。
これらの記録方式には、発色性化合物として、フルオ
ラン化合物が広く用いられている。
ラン化合物が広く用いられている。
従来、フルオラン化合物として、例えば、式(IV)、
式(V)、式(VI)、式(VII)、式(VIII)および(I
X)の化合物が知られている。
式(V)、式(VI)、式(VII)、式(VIII)および(I
X)の化合物が知られている。
しかし、式(IV)の化合物は、感熱記録材料に用いる
にはカプセルオイルに対する溶解度が極めて低いという
欠点があり、また感熱記録材料に使用するには、例えば
ビスフェノールA等の顕色剤と混合すると、それ自体灰
色ないし黒灰色に発色し、これを紙に塗布すると灰色な
いし黒灰色に着色(地汚れ)した紙しか得られないとい
う欠点があった。
にはカプセルオイルに対する溶解度が極めて低いという
欠点があり、また感熱記録材料に使用するには、例えば
ビスフェノールA等の顕色剤と混合すると、それ自体灰
色ないし黒灰色に発色し、これを紙に塗布すると灰色な
いし黒灰色に着色(地汚れ)した紙しか得られないとい
う欠点があった。
また、式(V)や式(VI)の化合物は、カプセルオイ
ルに対する溶解度は比較的良好なものの、感熱記録材料
に使用すると、式(IV)の化合物と同様に地汚れした紙
しか得られなかったり、または保存中に灰色に変色する
という欠点がある。
ルに対する溶解度は比較的良好なものの、感熱記録材料
に使用すると、式(IV)の化合物と同様に地汚れした紙
しか得られなかったり、または保存中に灰色に変色する
という欠点がある。
さらに、式(VII)、式(VIII)および式(IX)もま
た、これらのフルオラン化合物を用いて作成した感熱紙
は、耐湿熱性が低く、保存中に紙が地汚れする欠点があ
る。
た、これらのフルオラン化合物を用いて作成した感熱紙
は、耐湿熱性が低く、保存中に紙が地汚れする欠点があ
る。
感圧記録材料としてはカプセルオイルに対する溶解度
が高く、また感熱記録材料としては白色度が高く紙の保
存安定性に優れた発色性化合物が強く望まれている。
が高く、また感熱記録材料としては白色度が高く紙の保
存安定性に優れた発色性化合物が強く望まれている。
本発明の課題は、記録材料用の発色性化合物として、
上記の要望に応えることができる新規なフルオラン化合
物を提供することであり、併せてその製造方法およびこ
の化合物を含有する記録材料を提供することである。
上記の要望に応えることができる新規なフルオラン化合
物を提供することであり、併せてその製造方法およびこ
の化合物を含有する記録材料を提供することである。
本発明者等は、上述の課題を解決するために種々の化
合物を探索し、本発明に到達した。
合物を探索し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、一般式(I) (式中、R1はn−プロピル基またはn−ブチル基を
示す)で表されるフルオラン化合物であり、この化合物
を一般式(II) (式中、R2はn−プロピル基またはn−ブチル基を
示す)で表される安息香酸誘導体と、一般式(III) (式中、R3は低級アルキル基を示す)で表されるジ
フェニルアミン誘導体とを反応させて製造する方法、な
らびにこのフルオラン化合物を含有することを特徴とす
る記録材料である。
示す)で表されるフルオラン化合物であり、この化合物
を一般式(II) (式中、R2はn−プロピル基またはn−ブチル基を
示す)で表される安息香酸誘導体と、一般式(III) (式中、R3は低級アルキル基を示す)で表されるジ
フェニルアミン誘導体とを反応させて製造する方法、な
らびにこのフルオラン化合物を含有することを特徴とす
る記録材料である。
本発明のフルオラン化合物は、一般式(I)で表され
るフルオラン化合物であり、一般式(I)において、R
1はn−プロピル基またはn−ブチル基などである。
るフルオラン化合物であり、一般式(I)において、R
1はn−プロピル基またはn−ブチル基などである。
この本発明のフルオラン化合物を製造するのに用いら
れる一般式(II)で表される安息香酸誘導体は、代表的
には3−N−シクロヘキシル−N−n−プロピルアミノ
フェノールまたは3−N−シクロヘキシル−N−n−ブ
チルアミノフェノールと無水フタル三とを無溶媒、ある
いはベンゼン、トルエン、キシレンまたはテトラクロロ
エチレン等の溶媒中で反応させることにより製造でき
る。またこの反応の際、例えば、塩化亜鉛のごときルイ
ス酸を添加してもよい。
れる一般式(II)で表される安息香酸誘導体は、代表的
には3−N−シクロヘキシル−N−n−プロピルアミノ
フェノールまたは3−N−シクロヘキシル−N−n−ブ
チルアミノフェノールと無水フタル三とを無溶媒、ある
いはベンゼン、トルエン、キシレンまたはテトラクロロ
エチレン等の溶媒中で反応させることにより製造でき
る。またこの反応の際、例えば、塩化亜鉛のごときルイ
ス酸を添加してもよい。
また一般式(III)で表されるジフェニルアミン誘導
体は、一般式(III)において、R3は低級アルキル基を
示し、低級アルキル基の具体例としてはメチル基、エチ
ル基を好ましい例として挙げることができる。
体は、一般式(III)において、R3は低級アルキル基を
示し、低級アルキル基の具体例としてはメチル基、エチ
ル基を好ましい例として挙げることができる。
本発明の一般式(I)で表されるフルオラン化合物
は、一般式(II)で表される安息香酸誘導体と一般式
(III)で表されるジフェニルアミン誘導体を、例え
ば、濃硫酸、発煙硫酸を添加した濃硫酸、ポリリン酸、
五酸化リン、無水塩化アルミニウム等の脱水縮合剤の存
在下、より好ましくは濃硫酸中で反応後、アルカリ性と
することにより好適に製造できる。脱水縮合の反応は、
0〜50℃の温度で実施するのが特に好ましく、反応時間
は反応温度に大きく左右されるが、通常、数時間ないし
100時間である。
は、一般式(II)で表される安息香酸誘導体と一般式
(III)で表されるジフェニルアミン誘導体を、例え
ば、濃硫酸、発煙硫酸を添加した濃硫酸、ポリリン酸、
五酸化リン、無水塩化アルミニウム等の脱水縮合剤の存
在下、より好ましくは濃硫酸中で反応後、アルカリ性と
することにより好適に製造できる。脱水縮合の反応は、
0〜50℃の温度で実施するのが特に好ましく、反応時間
は反応温度に大きく左右されるが、通常、数時間ないし
100時間である。
また脱水縮合後、通常アルカリ処理を行うが、アルカ
リ処理を行う場合は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム水溶液等により、pHを9〜12にし、0〜100℃の範囲
でアルカリ処理を行うのが好ましい。この際、水以外の
溶媒としては、ベンゼン、トルエン等の溶媒の共存下で
行ってもよい。本発明の一般式(I)で表されるフルオ
ラン化合物は、発色性化合物として種々の記録材料に単
独で用いることも、更には、例えば、発色の色などの調
整のために、他の発色性化合物、例えば、トリフェニル
メタンラクトン類、フルオラン類、スピロピラン類を所
望に応じて混合して用いることもできる。
リ処理を行う場合は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム水溶液等により、pHを9〜12にし、0〜100℃の範囲
でアルカリ処理を行うのが好ましい。この際、水以外の
溶媒としては、ベンゼン、トルエン等の溶媒の共存下で
行ってもよい。本発明の一般式(I)で表されるフルオ
ラン化合物は、発色性化合物として種々の記録材料に単
独で用いることも、更には、例えば、発色の色などの調
整のために、他の発色性化合物、例えば、トリフェニル
メタンラクトン類、フルオラン類、スピロピラン類を所
望に応じて混合して用いることもできる。
本発明のフルオラン化合物を、例えば、感圧記録材料
として使用する時は、それをこの分野で常用される溶
剤、例えば、アルキルベンゼン系(n−ドデシルベンゼ
ン等)、アルキルビフェニル系(トリエチルビフェニ
ル、ジイソプロピルジフェニル等)、水素化ターフェニ
ル系、アルキルナフタレン系(ジイソプロピルナフタレ
ン等)、ジアリールエタン系(フェニルキシリルエタ
ン,スチレン化エチルベンゼン等)、あるいは塩素化パ
ラフィン系の各種溶剤の単独又は混合溶剤に溶解し、該
溶液をコアセルベーション法、界面重合法等の方法で、
ゼラチン、メラニン−アルデヒド、又は尿素−アルデヒ
ド樹脂、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリアミド等の隔壁
を有するマイクロカプセル中に封入し、得たカプセルの
水分散液を適当な結着剤(例えば、澱粉糊、ラテックス
等)等と共に適当な支持体(例えば、紙、プラスチック
シート、樹脂被膜された紙等)上に塗布し、感圧記録上
用シートとし、使用することができる。
として使用する時は、それをこの分野で常用される溶
剤、例えば、アルキルベンゼン系(n−ドデシルベンゼ
ン等)、アルキルビフェニル系(トリエチルビフェニ
ル、ジイソプロピルジフェニル等)、水素化ターフェニ
ル系、アルキルナフタレン系(ジイソプロピルナフタレ
ン等)、ジアリールエタン系(フェニルキシリルエタ
ン,スチレン化エチルベンゼン等)、あるいは塩素化パ
ラフィン系の各種溶剤の単独又は混合溶剤に溶解し、該
溶液をコアセルベーション法、界面重合法等の方法で、
ゼラチン、メラニン−アルデヒド、又は尿素−アルデヒ
ド樹脂、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリアミド等の隔壁
を有するマイクロカプセル中に封入し、得たカプセルの
水分散液を適当な結着剤(例えば、澱粉糊、ラテックス
等)等と共に適当な支持体(例えば、紙、プラスチック
シート、樹脂被膜された紙等)上に塗布し、感圧記録上
用シートとし、使用することができる。
もちろん、支持体の片面に上記、カプセル分散液を塗
布し、反対面に顕色剤を主体とする顕色剤塗液を塗布し
た、いわゆる中用シート、更には、支持体の同一面に上
記カプセルと顕色剤が混在する塗液を塗布するか、カプ
セル分散液を塗布した上に顕色剤塗液を塗布するなどし
て、同一面に上記カプセルと顕色剤を共存させた、いわ
ゆる単体複写シートなどにも使用できる。
布し、反対面に顕色剤を主体とする顕色剤塗液を塗布し
た、いわゆる中用シート、更には、支持体の同一面に上
記カプセルと顕色剤が混在する塗液を塗布するか、カプ
セル分散液を塗布した上に顕色剤塗液を塗布するなどし
て、同一面に上記カプセルと顕色剤を共存させた、いわ
ゆる単体複写シートなどにも使用できる。
この場合、顕色剤としては、サリチル酸とフェノール
類とアルデヒド類(例えば、ホルムアルデヒド)による
共重合物、置換サリチル酸(アルキル置換、アリール置
換もしくはアラルキル置換体の極めて多くが知られ、例
えば、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸があ
る)、置換サリチル酸とスチレンとの共縮合樹脂、アル
キルフェノール類(例えば、オクチルフェノール)、フ
ェノールアルデヒド樹脂(例えば、p−フェニルフェノ
ールのノボラック樹脂)またはこれらの金属塩(例え
ば、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、
スズ、ニッケル等の金属塩)、更には活性白土類があげ
られる。
類とアルデヒド類(例えば、ホルムアルデヒド)による
共重合物、置換サリチル酸(アルキル置換、アリール置
換もしくはアラルキル置換体の極めて多くが知られ、例
えば、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸があ
る)、置換サリチル酸とスチレンとの共縮合樹脂、アル
キルフェノール類(例えば、オクチルフェノール)、フ
ェノールアルデヒド樹脂(例えば、p−フェニルフェノ
ールのノボラック樹脂)またはこれらの金属塩(例え
ば、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、
スズ、ニッケル等の金属塩)、更には活性白土類があげ
られる。
感熱記録材料に用いる場合には、本発明のフルオラン
化合物と顕色剤(例えば、ビスフェノールAまたはその
ハロゲン化物もしくアルキル化物、ジヒドロキシジフェ
ニルスルホンまたはそのハロゲン化物もしくはアルキル
化物、ヒドロキシ安息香酸エステル類、ハイドロキノン
モノエーテル類のようなフェノール類、サリチル酸誘導
体、サリチル酸アミド誘導体、尿素誘導体、チオ尿素誘
導体のような有機顕色剤、酸性白土、アパダルガイト、
活性白土、塩化アルミニウム、臭化亜鉛のような無機顕
白剤)の微細水分散液に結着剤(例えば、ポリビニルア
ルコール及びその変性物、メチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ア
ラビアゴム、スチレン−無水マレイン酸共重合物の塩、
イソブチレン−アクリル酸−無水マレイン酸の共重合物
など)、顔料(タルク、カオリン、炭酸カルシウム
等)、更に、必要に応じ、増感剤(高級脂肪酸アミド
類、芳香族カルボン酸またはスルホン酸のエステル類、
芳香族ないし芳香族基置換脂肪族エーテル類または芳香
族ないし芳香族基置換脂肪族炭化水素等一般に公知の感
熱記録材用増感剤)、その他の添加剤(例えば、紫外線
吸収剤、消泡剤など)を加え、微細分散液とし、適当な
支持体(例えば、紙、プラスチックシート、樹脂被膜さ
れた紙等)上に塗布し、感熱記録材料として使用するこ
とができる。勿論、水分散系でなく、溶剤を使用する系
においても問題なく使用できる。
化合物と顕色剤(例えば、ビスフェノールAまたはその
ハロゲン化物もしくアルキル化物、ジヒドロキシジフェ
ニルスルホンまたはそのハロゲン化物もしくはアルキル
化物、ヒドロキシ安息香酸エステル類、ハイドロキノン
モノエーテル類のようなフェノール類、サリチル酸誘導
体、サリチル酸アミド誘導体、尿素誘導体、チオ尿素誘
導体のような有機顕色剤、酸性白土、アパダルガイト、
活性白土、塩化アルミニウム、臭化亜鉛のような無機顕
白剤)の微細水分散液に結着剤(例えば、ポリビニルア
ルコール及びその変性物、メチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ア
ラビアゴム、スチレン−無水マレイン酸共重合物の塩、
イソブチレン−アクリル酸−無水マレイン酸の共重合物
など)、顔料(タルク、カオリン、炭酸カルシウム
等)、更に、必要に応じ、増感剤(高級脂肪酸アミド
類、芳香族カルボン酸またはスルホン酸のエステル類、
芳香族ないし芳香族基置換脂肪族エーテル類または芳香
族ないし芳香族基置換脂肪族炭化水素等一般に公知の感
熱記録材用増感剤)、その他の添加剤(例えば、紫外線
吸収剤、消泡剤など)を加え、微細分散液とし、適当な
支持体(例えば、紙、プラスチックシート、樹脂被膜さ
れた紙等)上に塗布し、感熱記録材料として使用するこ
とができる。勿論、水分散系でなく、溶剤を使用する系
においても問題なく使用できる。
その他の発色性化合物を使用する用途(例えば、、示
温材料)に使用できることは言うまでもない。
温材料)に使用できることは言うまでもない。
本発明の一般式(I)で表されるフルオラン化合物
は、感圧記録材料に用いる発色性化合物に強く望まれて
いる重要な特性である。カプセルオイルに対する溶解度
が高く、かつ、発色後の発色像の耐侯性が優れている。
は、感圧記録材料に用いる発色性化合物に強く望まれて
いる重要な特性である。カプセルオイルに対する溶解度
が高く、かつ、発色後の発色像の耐侯性が優れている。
すなわち、一般式(I)において、R1がn−ブチル
基である化合物の、市販のカプセルオイルに対する溶解
度を式(IV)と式(V)のフルオラン化合物と比較した
結果は、第1表に示す通りであった。
基である化合物の、市販のカプセルオイルに対する溶解
度を式(IV)と式(V)のフルオラン化合物と比較した
結果は、第1表に示す通りであった。
溶解度は各オイルに対し各化合物の5重量%を一旦加
熱溶解後、5℃に保存し、結晶析出の有無で示した。
熱溶解後、5℃に保存し、結晶析出の有無で示した。
尚SAS-296は日本石油化学製、KMC-113は呉羽化学製の
カプセルオイルであり、IPはイソパラフィンを示す。
カプセルオイルであり、IPはイソパラフィンを示す。
第1表から明らかなように、本発明のフルオラン化合
物は、式(IV)や式(V)のフルオラン化合物に比較し
て、各カプセルオイルに対する溶解度が高い。
物は、式(IV)や式(V)のフルオラン化合物に比較し
て、各カプセルオイルに対する溶解度が高い。
これは、感圧記録材料を作る際、カプセルオイル中で
の保存中に結晶析出がないこと、更に、マイクロカプセ
ル化後のマイクロカプセル中での結晶析出の恐れがない
ことを意味し、本発明のフルオラン化合物の大きな特徴
である。
の保存中に結晶析出がないこと、更に、マイクロカプセ
ル化後のマイクロカプセル中での結晶析出の恐れがない
ことを意味し、本発明のフルオラン化合物の大きな特徴
である。
特に、SAS-296とIPオイル混合系に対しても、極めて
良好な溶解性を示すことは、より安価なカプセルオイル
をも使用できることを意味し、経済的であり、工業的に
も有利である。
良好な溶解性を示すことは、より安価なカプセルオイル
をも使用できることを意味し、経済的であり、工業的に
も有利である。
又、本発明のフルオラン化合物は、感熱記録材料に使
用すると、地汚れのない、白色度の高い感熱紙が得ら
れ、かつその他の保存安定性は非常に優れている。
用すると、地汚れのない、白色度の高い感熱紙が得ら
れ、かつその他の保存安定性は非常に優れている。
すなわち、顕色剤としてビスフェノールAを使用し、
発色性化合物として本発明のフルオラン化合物、公知の
式(IV)、式(V)または式(VI)のフルオラン化合物
を用いて作成した感熱紙の耐湿熱性を比較した結果は、
第2表に示す通りであった。
発色性化合物として本発明のフルオラン化合物、公知の
式(IV)、式(V)または式(VI)のフルオラン化合物
を用いて作成した感熱紙の耐湿熱性を比較した結果は、
第2表に示す通りであった。
なお、耐湿熱試験は各化合物を用いて作成した感熱紙
を40℃で60%相対湿度中24時間保存し、目視により紙の
汚れを観察した。
を40℃で60%相対湿度中24時間保存し、目視により紙の
汚れを観察した。
本発明のフルオラン化合物は、式(IV)または式
(V)のフルオラン化合物とはフルオラン構造において
3位のアミノ基上の置換基及び7位のアリニノ基上に2
個のメチル基が置換されているという点が異なり、また
式(VI)のフルオラン化合物とはアミノ基上の置換基の
みが異なるという構造上の違いのみである。
(V)のフルオラン化合物とはフルオラン構造において
3位のアミノ基上の置換基及び7位のアリニノ基上に2
個のメチル基が置換されているという点が異なり、また
式(VI)のフルオラン化合物とはアミノ基上の置換基の
みが異なるという構造上の違いのみである。
しかしながら、上述したように式(IV)、式(V)ま
たは式(VI)のフルオラン化合物に比べ、カプセルオイ
ル類に対する溶解性や感熱紙としての保存安定性におい
て、本発明のフルオラン化合物が非常に優れた特徴を有
していることは驚くべきことである。
たは式(VI)のフルオラン化合物に比べ、カプセルオイ
ル類に対する溶解性や感熱紙としての保存安定性におい
て、本発明のフルオラン化合物が非常に優れた特徴を有
していることは驚くべきことである。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 〔(I)式において、R1がn−プロピル基である化合
物の製造〕 2−(4−N−シクロヘキシル−N−n−プロピルア
ミノ−2′−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸20gを100
mlの濃硫酸にで溶解後、4−メトキシ−2,2′,4′−ト
リメチルジフェニルアミン12.7gを同温度で加え、10〜2
5℃で48時間攪拌した。反応混合物を600mlの氷水に排出
し、析出した固体を集め、水洗後、その固体を10%NaOH
水(500ml)中に加え、60〜70℃で2時間攪拌した。固
体を濾過、水洗後、イソプロパノール100mlで洗浄し
た。更に、n−ブチルで2回結晶し、目的とする3−N
−シクロヘキシル−N−n−プロピルアミノ−6−メチ
ル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオラン1
8.5g(収率60%)をほとんど無色の結晶として得た。融
点219.8〜221.3℃ この化合物のトルエン溶液は、ほとんど無色透明であ
り、シリカゲル上で、速やかに黒発色した。
物の製造〕 2−(4−N−シクロヘキシル−N−n−プロピルア
ミノ−2′−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸20gを100
mlの濃硫酸にで溶解後、4−メトキシ−2,2′,4′−ト
リメチルジフェニルアミン12.7gを同温度で加え、10〜2
5℃で48時間攪拌した。反応混合物を600mlの氷水に排出
し、析出した固体を集め、水洗後、その固体を10%NaOH
水(500ml)中に加え、60〜70℃で2時間攪拌した。固
体を濾過、水洗後、イソプロパノール100mlで洗浄し
た。更に、n−ブチルで2回結晶し、目的とする3−N
−シクロヘキシル−N−n−プロピルアミノ−6−メチ
ル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオラン1
8.5g(収率60%)をほとんど無色の結晶として得た。融
点219.8〜221.3℃ この化合物のトルエン溶液は、ほとんど無色透明であ
り、シリカゲル上で、速やかに黒発色した。
実施例2 〔(I)式においてR1がn−ブチル基である化合物〕 実施例1において、2−(4′−N−シクロヘキシル
−N−n−プロピルアミノ−2′−ヒドロキシベンゾイ
ル)安息香酸の代わりに、2−(4′−N−シクロヘキ
シル−N−n−ブチルアミノ−2′−ヒドロキシベンゾ
イル)安息香酸を用いた他は、実施例1に記載した方法
と同様の方法により3−N−シクロヘキシル−N−n−
ブチルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメチル
アリニノ)フルオランを製造した。融点190.7〜192.7
℃。この化合物のトルエン溶液はほとんど無色透明であ
り、シリカゲル上で速やかに黒発色した。
−N−n−プロピルアミノ−2′−ヒドロキシベンゾイ
ル)安息香酸の代わりに、2−(4′−N−シクロヘキ
シル−N−n−ブチルアミノ−2′−ヒドロキシベンゾ
イル)安息香酸を用いた他は、実施例1に記載した方法
と同様の方法により3−N−シクロヘキシル−N−n−
ブチルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメチル
アリニノ)フルオランを製造した。融点190.7〜192.7
℃。この化合物のトルエン溶液はほとんど無色透明であ
り、シリカゲル上で速やかに黒発色した。
実施例3 3−N−シクロヘキシル−N−n−プロピルアミノ−
6−メチル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フル
オラン10g、10%ポリビニールアルコール水溶液5gおよ
び水37.5gの混合物をサンドミルで粒径3μに微粒化し
た。一方、ビスフェノールAを同様に分散し、38%の顕
色剤分散液を得た。この顕色剤分散液65.8g、上記の3
−N−シクロヘキシル−N−n−プロピルアミノ−6−
メチル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオラ
ン水分散液50g、60%軽質炭酸カルシウム水分散液、18.
3g、10%ポリビニール、アルコール水溶液88gおよび水5
1.9gを混合した。
6−メチル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フル
オラン10g、10%ポリビニールアルコール水溶液5gおよ
び水37.5gの混合物をサンドミルで粒径3μに微粒化し
た。一方、ビスフェノールAを同様に分散し、38%の顕
色剤分散液を得た。この顕色剤分散液65.8g、上記の3
−N−シクロヘキシル−N−n−プロピルアミノ−6−
メチル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオラ
ン水分散液50g、60%軽質炭酸カルシウム水分散液、18.
3g、10%ポリビニール、アルコール水溶液88gおよび水5
1.9gを混合した。
この混合液を白色原紙にワイヤーロッドNo.10を用
い、塗布後、室温で風乾し、地汚れのない非常に白い感
熱記録紙を得た。この感熱記録紙は加熱により、極めて
迅速に、黒色に発色した。
い、塗布後、室温で風乾し、地汚れのない非常に白い感
熱記録紙を得た。この感熱記録紙は加熱により、極めて
迅速に、黒色に発色した。
この感熱記録紙を40℃で60%相対湿度中、24時間保存
したところ、紙の汚れはまったく認められなかった(第
2表)。
したところ、紙の汚れはまったく認められなかった(第
2表)。
実施例4 実施例3において、3−N−シクロヘキシル−N−n
−プロピルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメ
チルアニリノ)フルオランの代わりに、3−N−シクロ
ヘキシル−N−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−
(2′,4′−ジメチルアリニノ)フルオランを用い、実
施例3に記載した方法に従い感熱記録紙を作成し、地汚
れのない非常に白い感熱記録紙40℃で60%相対湿度中24
時間保存したところ紙の汚れはまったく認められなかっ
た(第2表)。
−プロピルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメ
チルアニリノ)フルオランの代わりに、3−N−シクロ
ヘキシル−N−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−
(2′,4′−ジメチルアリニノ)フルオランを用い、実
施例3に記載した方法に従い感熱記録紙を作成し、地汚
れのない非常に白い感熱記録紙40℃で60%相対湿度中24
時間保存したところ紙の汚れはまったく認められなかっ
た(第2表)。
比較例 実施例3において、3−N−シクロヘキシル−N−n
−プロピルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメ
チルアニリノ)フルオランの代わりに、3−N,N−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ−6−メチル
−7−アニリノフルオラン、3−N,N−ジエチルアミノ
−6−メチル−7−(2′,4′−ジエチルアニリノ)フ
ルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−エチルアミノ
−6−メチル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フ
ルオラン、3−N−シクロペンチル−N−メチルアミノ
−6−メチル−7−(2′−メチルアニリノ)フルオラ
ンまたは3−N−シクロペンチル−N−メチルアミノ−
6−メチル−7−(2′,4′,6′−トリメチルアニリ
ノ)フルオラン用い、それぞれ実施例2に記載した方法
に従い感熱記録紙を作成した。
−プロピルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメ
チルアニリノ)フルオランの代わりに、3−N,N−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ−6−メチル
−7−アニリノフルオラン、3−N,N−ジエチルアミノ
−6−メチル−7−(2′,4′−ジエチルアニリノ)フ
ルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−エチルアミノ
−6−メチル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フ
ルオラン、3−N−シクロペンチル−N−メチルアミノ
−6−メチル−7−(2′−メチルアニリノ)フルオラ
ンまたは3−N−シクロペンチル−N−メチルアミノ−
6−メチル−7−(2′,4′,6′−トリメチルアニリ
ノ)フルオラン用い、それぞれ実施例2に記載した方法
に従い感熱記録紙を作成した。
式(IV)、式(VI)または式(IX)のフルオラン化合
物を用いた感熱紙はやや灰色であり、地汚れが認められ
た。
物を用いた感熱紙はやや灰色であり、地汚れが認められ
た。
それぞれの化合物を用いた感熱記録紙を40℃で60%相
対湿度中、24時間保存したところ灰色に地汚れしている
のが認められた(第2表)。
対湿度中、24時間保存したところ灰色に地汚れしている
のが認められた(第2表)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−109120(JP,A) 特開 昭59−120655(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 11/28 C07D 493/10 B41M 5/12 B41M 5/18 CA(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】一般式(I)で表されるフルオラン化合
物。 (式中、R1はn−プロピル基またはn−ブチル基を示
す。) - 【請求項2】請求項(1)記載の一般式(I)で表され
るフルオラン化合物を含有することを特徴とする記録材
料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1197951A JP2768444B2 (ja) | 1989-08-01 | 1989-08-01 | フルオラン化合物,および該化合物を含有する記録材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1197951A JP2768444B2 (ja) | 1989-08-01 | 1989-08-01 | フルオラン化合物,および該化合物を含有する記録材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0363173A JPH0363173A (ja) | 1991-03-19 |
JP2768444B2 true JP2768444B2 (ja) | 1998-06-25 |
Family
ID=16383020
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1197951A Expired - Fee Related JP2768444B2 (ja) | 1989-08-01 | 1989-08-01 | フルオラン化合物,および該化合物を含有する記録材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2768444B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5123204B2 (ja) * | 1972-11-21 | 1976-07-15 | ||
JPS59120655A (ja) * | 1982-12-27 | 1984-07-12 | Kanzaki Paper Mfg Co Ltd | フルオラン誘導体、その製造方法およびその誘導体を用いた記録体 |
-
1989
- 1989-08-01 JP JP1197951A patent/JP2768444B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0363173A (ja) | 1991-03-19 |
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Legal Events
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