JP3151602B2 - 早茹で性を有する乾麺の製造方法 - Google Patents

早茹で性を有する乾麺の製造方法

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清彦 福田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、麺線の内部組織
のみを粗の状態とすることによって、早茹で性を有する
とともに、咀嚼感に優れ、かつ茹でる際の澱粉粒の溶出
も少ない早茹で性を有する乾麺、及びその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来の早
茹で麺は、特開昭50−89555号、特開昭62−2
5946号等に記載されているように、麺線の組織全体
がアルカリ性ガス発生基剤と酸剤との反応による炭酸ガ
スの発泡作用によって形成された、粗の組織を有してい
るため下記の欠点を有していた。 (1)麺を茹でた際に、澱粉粒の溶出が著しいため不経
済である。 (2)麺の組織が粗であるため咀嚼感に乏しい。 (3)麺の組織が粗であるため、麺線表面の肌荒れが目
立つ。すなわち、発生した炭酸ガスが麺線外に放出され
る際、麺の表面組織に大きな亀裂を生じるため、麺線表
面に肌荒れが生じ、乾麺の商品価値が劣るものである。 (4)小麦粉中のフラボノイド色素が、アルカリにより
発色し、麺の色相が劣化する。
【0003】
【課題を解決するための手段】この発明は以上の欠点を
解消するためになされたもので、下記の請求項により構
成されている。
【0004】請求項1:小麦粉、澱粉、その他穀物原料
の合計に対し、デルタグルコノラクトンを0.5〜15
重量%、及び炭酸水素ナトリウムを前記デルタグルコノ
ラクトンの0.44倍量含有する麺帯を、通常配合の麺
帯でサンドイッチ構造とし、麺線の内部組織のみを発泡
させて粗の状態とすることを特徴とする早茹で性を有す
る乾麺の製造方法。
【0005】
【発明の実施の形態】以下にその例を示して本発明を具
体的に説明するとともに、従来例で得られた乾麺、およ
び先行技術に見られる発泡作用を施したものとの性状比
較を行なった結果を示す。
【0006】
【実施例】実施例 小麦粉100重量%、食塩5重量%、GDL(グルコノ
デルタラクトン)5重量%、炭酸水素ナトリウム2.2
重量%に加水し、混捏、荒出しした粗麺帯(厚さ4.0
mm)を作成した。一方、小麦粉100重量%、食塩5
重量%に加水し、混捏、荒出しした粗麺帯(厚さ2.0
mm)を作成し、これを上記厚さ4.0mmの粗麺帯の
両側にサンドイッチ状に複合し、圧延した後、角8番の
切刃にて切り出した。そしてこの生麺線(厚さ1.7m
m、幅3.75mm)を所定量づつ竿掛けした後、温度
28℃、相対湿度75%RHの条件下で12時間乾燥
し、続いて温度30℃、相対湿度65%RHの条件下で
3時間仕上げ乾燥を行ない、目的とするうどん乾麺(含
有水分13.5%)を得た。なおこのサンプルは、乾燥
中において発泡作用による膨化現象を生じ、うどん乾麺
の厚さは1.8mmと、乾燥前の生麺線より厚いものと
なった。
【0007】参考までに、上記実施例でのうどん乾麺の
製造工程のフローチャートを図1に示す。 対照例1 小麦粉100重量%、食塩5重量%に加水し、混捏、荒
出し、複合、圧延した後、角8番の切刃にて切り出した
生麺線(厚さ1.7mm、幅3.75mm)を所定量づ
つ竿掛けした後、温度28℃、相対湿度75%RHの条
件下で12時間乾燥し、続いて温度30℃、相対湿度6
5%RHの条件下で3時間仕上げ乾燥を行ない、うどん
乾麺(含有水分13.5%)を得た。一般的に乾燥中の
収縮により、乾麺の厚さは乾燥前の生麺線より薄いもの
となる。このサンプルにおいても同様の現象が生じ、厚
さは1.6mmと乾燥前の生麺線よりも薄いものとなっ
た。 対照例2 小麦粉100重量%、食塩5重量%、GDL(グルコノ
デルタラクトン)2.5重量%、炭酸水素ナトリウム
1.1重量%に加水し、混捏、荒出し、複合、圧延した
後、角8番のロールにて切り出した生麺線(厚さ1.7
mm、幅3.75mm)を所定量づつ竿掛けした後、温
度28℃、相対湿度75%RHの条件下で12時間乾燥
し、続いて温度30℃、相対湿度65%RHの条件下で
3時間仕上げ乾燥を行ない、うどん乾麺(含有水分1
3.5%)を得た。なおこのサンプルは、乾燥中におい
て発泡作用による膨化現象を生じ、うどん乾麺の厚さは
1.8mmと、乾燥前の生麺線より厚いものとなった。
【0008】実施例、対照例1および対照例2によって
得たそれぞれのうどん乾麺サンプル100gを沸騰水1
000ml中に投入して茹で、芯が無くなった時点を可
食状態とした。
【0009】また上記と同様のサンプル量、沸騰水量に
て、所定の時間茹でた後の茹で湯を蒸発乾燥固化させて
測定した茹で溶出率を表1に示す。
【0010】
【表1】 表2に示す官能評価用紙を使用し、色相、肌荒れ、硬
さ、粘弾性、食味、総合評価の各項目について、12人
のパネラーに対し、対照例1を基準として、実施例、対
照例2の官能評価を行なった。評価は各項目ごとに基準
と同じときを0とし、基準より好ましければ+側に、劣
っていれば−側に採点するという方法で行なった。
【0011】またこの官能評価結果は対照例1の得点を
0とし、それぞれのデータの平均値の差について、対照
例1および対照例2に対する実施例の評価、また対照例
1に対する対照例2の評価それぞれについて危険率5%
にて検定を行ない、解析を行なった。結果を表3および
表4に示す。
【0012】
【表2】
【0013】
【表3】 検定 ○:優れる方向に有意差あり −:有意差なし ×:劣
る方向に有意差あり (以下余白)
【0014】
【表4】 検定 ○:優れる方向に有意差あり −:有意差なし ×:劣
る方向に有意差あり サンプル評価結果 対照例1に対して対照例2および実施例は炭酸ガス発生
基剤の発泡作用により、ともに約40%近い茹で時間の
短縮が可能であるという結果となった。実施例において
は内部組織のみを発泡構造としたが、トータルのガス発
生基剤の添加量が等しいため、早茹で効果としては対照
例2と同等の値を示した。しかし、茹で溶出率について
見てみると、対照例2は茹で時間が短縮されたにもかか
わらず対照例1以上の値を示している。乾麺の製造工程
においては、麺線の乾燥中に組織のひずみによって麺線
表面に微細な亀裂が生じる。しかし対照例2においては
炭酸ガスの放出によってその亀裂が押し広げられ、ここ
から澱粉粒をはじめとする各種成分の溶出が著しいこと
を示している。
【0015】しかし実施例においては溶出率が対照例
1、2の約半分に減少している。このことは、茹で時間
の短縮による煮崩れの抑制、および麺の内部組織のみを
多孔質としたことで成分の溶出が抑制された結果であ
り、うどん乾麺の経済性という点で優れたものであるこ
とがわかる。
【0016】参考までに、実施例と対照例2の麺の表面
を80倍に拡大した顕微鏡写真を参考写真1および参考
写真2として添付する。 官能評価結果 対照例1に対する対照例2の評価は、ほとんどの項目に
おいてマイナス側の結果を示し、なかでも色相、肌荒
れ、粘弾性、滑らかさの各項目においては、検定の結果
が有意であった。この結果はすべて発泡作用による亀裂
を有する麺の表面組織に起因するものであり、この評価
を文章で表すならば「亀裂の存在、およびそこからの澱
粉の溶出によって麺の表面の荒れ、ならびにベタつきが
生じており、その食感も組織の密度が低いため、咀嚼感
のないもの」と表現でき、この品質が劣ったものである
ことが確認された。
【0017】実施例の対照例1に対する評価にはほとん
ど差が生じていないが、中でも滑らかさの項目において
は対照例1より好ましいという結果を示し、また検定に
おいて有意であった。
【0018】また実施例の対照例2に対する評価におい
ては、肌荒れ、粘弾性、滑らかさの各項目に優れるとい
う結果が有意であり、また総合的に判断してみても対照
例2より優れるという結果を得た。
【0019】つまり、ガス発生基剤を内部にのみ含有さ
せた麺は、組織全体が多孔質である麺に生じる各種の欠
点を補いながらも早茹で性を有し、しかもその品質は従
来品と変わらないどころか、茹で時間短縮により煮崩れ
が減少するために、滑らかさに優れる麺であることが確
認された。
【0020】サンドイッチ構造にする際の外層と内層の
麺厚比については、粗麺帯の形成が可能な範囲であれば
内層部の比率が相対的に高いほど早茹で効果は高い。粗
麺帯の麺厚は、製麺装置によりその形成可能な範囲が異
なるが、外層と内層の比率としては、外層:内層:外層
=1:1:1〜1:10:1の範囲が製麺性の点から好
ましい。
【0021】ガス発生基剤であるGDLおよび炭酸水素
ナトリウムの添加比率は、互いの反応によって中和する
よう、GDL:炭酸水素ナトリウム=1:0.44とす
るのが好ましい。
【0022】ガス発生基剤の添加量は、多過ぎると製麺
中の過度な発泡作用により製麺性が低下する。そのた
め、小麦粉、澱粉、その他穀物原料の合計に対する添加
量としてGDLで0.5〜15重量%、炭酸水素ナトリ
ウムはその0.44倍量とするのが好ましい。また、表
5にガス発生基剤の添加量別の対照例1に対する早茹で
効果と製麺性における評価を記す。
【0023】
【表5】
【0024】
【発明の効果】この発明の早茹で性を有する乾麺、及び
その製造方法は以上のように構成したので下記の優れた
効果が得られる。 (1)麺線の内部組織のみを粗の状態とすることによっ
て、茹でる際に澱粉粒の流出を抑制することができるの
で経済的な麺が得られる上、茹で歩留の向上が図れる。 (2)麺線の外層が通常麺帯で構成されるので、咀嚼感
を維持できる。 (3)炭酸ガスの放出による麺線表面の肌荒れを防止で
きるので、外観が損なわれない。 (4)麺線の色相の劣化がマスキングできる。 (5)外層と内層の麺厚比を変えることにより、早茹で
効果の調整が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明をうどん乾麺に適用した場合の製造工
程のフローチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−118853(JP,A) 特開 平6−343409(JP,A) 特開 昭50−89555(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/16 - 1/162

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小麦粉、澱粉、その他穀物原料の合計に
    対し、デルタグルコノラクトンを0.5〜15重量%、
    及び炭酸水素ナトリウムを前記デルタグルコノラクトン
    の0.44倍量含有する麺帯を、通常配合の麺帯でサン
    ドイッチ構造とし、麺線の内部組織のみを発泡させて粗
    の状態とすることを特徴とする早茹で性を有する乾麺の
    製造方法。
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