JP3139169B2 - シートベルト案内装置 - Google Patents

シートベルト案内装置

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JP3139169B2
JP3139169B2 JP04271404A JP27140492A JP3139169B2 JP 3139169 B2 JP3139169 B2 JP 3139169B2 JP 04271404 A JP04271404 A JP 04271404A JP 27140492 A JP27140492 A JP 27140492A JP 3139169 B2 JP3139169 B2 JP 3139169B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シートベルト案内装置
に係り、更に詳しくは、一端が車体に係止され、他端が
巻取装置に連結されたシートベルトの中間部分を、車両
シートのヘッドレストの側部に固着されたシートベルト
ガイドと、前記ヘッドレストの後方の車体部分に支軸を
中心に回動可能に取付けられたショルダーアンカーサッ
シュガイドとにより案内するようにしたシートベルト案
内装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5及び図6はこの種の従来のシートベ
ルト案内装置を示すものであって、本装置は、ルーフを
取り除いた状態でのフルオープン走行が可能ないわゆる
コンバーチブルタイプの車両に採用されている。
【0003】図5及び図6において、20は車両シート
(フロントシート)、21は車両シート20用のシート
ベルトであって、このシートベルト21の一端が車体に
係止され、その他端が巻取装置に連結されている。そし
て、上述のシートベルト21の中間部分(ウェビングの
長手方向の中間部分)21aが、車両シート20のヘッ
ドレスト22の側部22aに取付けられたシートベルト
ガイド23と、ヘッドレスト22の後方の車体部分24
に取付けられたショルダーアンカーサッシュガイド25
とにより摺動可能に案内されるようになっている。
【0004】ところで、フルオープン走行可能なコンバ
ーチブルタイプの車両にあってはバックピラーがないた
め、ショルダーアンカーサッシュガイド25のショルダ
ーアンカー部25aは、通常、サスペンションストラッ
ト取付用のストラットタワーを覆うタワートリム26上
に段付ボルト等から成る支軸27を中心に回動自在に取
付けられている(図6参照)。
【0005】かくして、シートベルト21を乗員に装着
すべく図5において矢印A方向に引き回すのに応じてシ
ョルダーアンカーサッシュガイド25が支軸27を中心
に図6において矢印B方向に回動され、シートベルト2
1を案内するショルダーアンカーサッシュガイド25の
リング部25bがシートベルト21の幅方向のラインに
追従するように構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
如き従来のシートベルト案内装置にあっては、次のよう
な問題点がある。すなわち、この種のシートベルト案内
装置が装備されるコンバーチブルタイプの車両の場合に
は、車室の大きさが比較的狭く限定されてしまう傾向に
あり、車室内の寸法が限られた条件の下で車両シート2
0とシートベルト21のレイアウトを決めると、車両シ
ート20とショルダーアンカーサッシュガイド25との
間の左右方向(車幅方向)の隙間を確保できないのが実
状である。このような場合、車両シート20のシートバ
ック20aを図外のリクライニング装置にて後方に傾倒
させたり或いは車両シート20を図外のスライド装置に
て後方にスライドさせたりすると、ヘッドレスト22の
後部が図6に示すようにショルダーアンカーサッシュガ
イド25のリング部25bにぶつかってこれらが互いに
干渉してしまうことがある。
【0007】このような事態を生じると、ショルダーア
ンカーサッシュガイド25の一部がヘッドレスト22に
て強制的に後方に押されて図6において矢印B方向に比
較的大きな回動角をもって回動されるため、ショルダー
アンカーサッシュガイド25のリング部25bにて案内
されているシートベルト21の一部分21bが図6に示
すように前記リング部25bの片側に寄ってしまい、シ
ートベルト21の巻取装置への巻き取りが円滑に行われ
ないおそれがある。
【0008】本発明は、このような問題点を解消するた
めになされたものであって、その目的は、ヘッドレスト
がショルダーアンカーサッシュガイドにぶつかっても、
シートベルトの巻込み性に悪影響を及ぼす方向へのショ
ルダーアンカーサッシュガイドの回動を確実に防止でき
て既述のようなシートベルトの片寄りの発生を回避で
き、しかも部品点数の増大を来すことなく安価で簡素な
構成で済むようなシートベルト案内装置を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明では、一端が車体に係止され、他端が巻取
装置に連結されたシートベルトの中間部分を、車両シー
トのヘッドレストの側部に固着されたシートベルトガイ
ドと、前記ヘッドレストの後方の車体部分に支軸を中心
に回動可能に取付けられたショルダーアンカーサッシュ
ガイドとにより案内するようにしたシートベルト案内装
置において、前記ショルダーアンカーサッシュガイド
を、平板状のショルダーアンカー部と、該ショルダーア
ンカー部に連結されたシートベルト案内用のリング部
と、該ショルダーアンカー部を覆うカバー部材とから構
成し、前記支軸の周囲に回動自在に挿嵌され、かつ下方
側へ突出する筒状のスペーサ部が一体成形された基板部
と、前記基板部の前方側において下方に向けてほぼ直角
に屈曲され、かつ車体側のタワートリムの前面に当接さ
れる当接片部と、前記基板部の前記ヘッドレスト側にお
いて上方に向けてほぼ直角に屈曲され、かつ前記カバー
部材に当接するストッパ片部とをそれぞれ有する板状部
を備え、前記ショルダーアンカーサッシュガイドのシ
ョルダーアンカー部を前記板状部材を介して前記車体部
分に取付け、さらに、前記ショルダーアンカー部をカバ
ー部材により覆い、もって、前記ショルダーアンカーサ
ッシュガイドが前記車両シートのヘッドレストにて押さ
れて回動されたとき、前記カバー部材が前記板状部材の
ストッパ片部に当接することにより、前記ショルダーア
ンカーサッシュガイドが、前記シートベルトの幅方向へ
の片寄りを生じる方向に回動するのを阻止するようにし
ている。
【0010】
【作用】板状部材の当接片部が車体部分に面接触状態で
当接されることにより板状部材は回動を阻止された状態
で車体に取付けられ、回動を阻止された板状部材のスト
ッパ片部とショルダーアンカーサッシュガイドとの間の
ストッパ作用にて、シートベルトの巻込み性に悪影響を
及ぼす一方向へのショルダーアンカーサッシュガイドの
回動が阻止される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例に付き図1〜図4を
参照して説明する。
【0012】図1は本発明に係るシートベルト案内装置
を示すものであって、本装置はフルオープン走行可能な
コンバーチブルタイプの四輪自動車1に備え付けられて
いる。図1において、2は車両シート(フロントシー
ト)であり、この車両シート2はシートクション3と、
このシートクション3に対してほぼ垂直に配設された
ートバック4と、このシートバック4の上面中央部に取
付けられたヘッドレスト5とをそれぞれ具備している。
【0013】上述のヘッドレスト5の側面5aには、シ
ートベルトガイド6が図1に示すように車室の外方に向
けて突出した状態でヘッドレスト5のフレーム(図示せ
ず)にねじ止めされている。そして、このシートベルト
ガイド6に屈曲成形された枠状部6a内に、シートベル
ト7の中間部分7aが挿通されて摺動可能に案内される
ようになっている。
【0014】また、図1に示すように、前記ヘッドレス
ト5の後方箇所には、サスペンションアッセンブリのス
トラット本体を取付けるためのストラットタワー(図示
せず)が設けられており、このストラットタワーは外観
性向上のためタワートリム8にて覆い隠されている。そ
して、タワートリム8の側部上面8aに設けられた凹部
9内には、図2に示すように、ショルダーアンカーサッ
シュガイド10が矢印C及びD方向に回動自在に取付け
られている。
【0015】このショルダーアンカーサッシュガイド1
0は、図3に明示するように、ボルト挿通孔11を有す
る平板状のショルダーアンカー部12と、このショルダ
ーアンカー部12に連結されたシートベルト案内用のリ
ング部13と、前記ショルダーアンカー部12の上面を
覆うカバー部材14とから構成されている。また、上述
のカバー部材14は、箱状に成形されたカバー板部14
aと、ショルダーアンカー部12のボルト挿通孔11に
対応する挿通孔15を有するリング状の下板部14b
と、これらの部分14a及び14bを互いに連結する連
結部14cとをそれぞれ有している。そして、ショルダ
ーアンカーサッシュガイド10は、図2及び図3に示す
如き形状に成形された板状部材16及び一対のワッシャ
17a,17bを介して段付ボルト(支軸)18にてタ
ワートリム8の凹部9の上面9a上に回動自在に取付け
られるようになっている。
【0016】ここで、板状部材16について詳述する
と、この板状部材16は、一枚の金属板を屈曲成形して
成るものであって、基板部16aと、この基板部16a
の前方側において下方に向けてほぼ直角に屈曲された当
接片部(図2において斜線αで示す部分)16bと、基
板部16aの一側部(ヘッドレスト5の側)において上
方に向けてほぼ直角に屈曲されたストッパ片部(図2に
おいて斜線βで示す部分)16cとを有している。さら
に、基板部16aのほぼ中央部分には、図4に示す如く
基板部16aの下方側に突出する筒状のスペーサ部16
dが一体に屈曲成形されており、このスペーサ部16d
の中央孔がボルト挿通孔16eとなされている。なお、
スペーサ部16dのボルト挿通孔16eの内径は、これ
に挿通されるボルト(後述の段付ボルト18)の外径よ
りも僅かに大きく形成されると共に、既述のワッシャ1
7a,17bのボルト挿通孔17c,17dの径にほぼ
対応するように形成されている。
【0017】上述のショルダーアンカーサッシュガイド
10は、次のようにしてタワートリム8に取付けられ
る。まず、ショルダーアンカーサッシュガイド10のシ
ョルダーアンカー部12の下面にカバー部材14の下板
部14bを当てがい、ショルダーアンカー部12のボル
ト挿通孔11と下板部14bの挿通孔15とを互いに一
致させた状態とする。そして、前記下板部14bと前記
タワートリム8の凹部9の上面9aとの間に、板状部材
16の基板部16a及び一対のワッシャ17a,17b
を挿入配置し、板状部材16のスペーサ部16dとワッ
シャ17a,17bとを直列状に配列すると共に、前記
挿通孔11,15、前記スペーサ部16dのボルト挿通
孔16e、及び前記ワッシャ17a,17bのボルト挿
通孔17c、17dをそれぞれ一致させた状態とする。
また、板状部材16の当接片部16bをタワートリム8
の前面8bに密着状態で当接させると共に、板状部材1
6のストッパ片部16cをヘッドレスト5の側に配置す
る。
【0018】この状態の下で、段付ボルト18を前記挿
通孔11,15を通して前記ボルト挿通孔16e、ボル
ト挿通孔17c、17dに僅かな隙間をもって挿通し、
ストラットタワーの上面のねじ孔(図示せず)に螺着す
る。これにより、ショルダーアンカーサッシュガイド1
0が段付ボルト18を中心として前記上面9a上の平面
に沿って両方向(図2において矢印C及びD方向)に回
動自在に取付けられ、ショルダーアンカーサッシュガイ
ド10のリング部13が車体前方側すなわちヘッドレス
ト5の側に配置される。なお、ショルダーアンカーサッ
シュガイド10の取付完了後に、外観性の向上のため
に、ショルダーアンカー部12及び段付ボルト18がカ
バー部材14のカバー板部14aにて覆った状態にす
る。
【0019】かくして、板状部材16の当接片部16b
の全面は、図2に示すようにタワートリム8の前面8b
に当接状態で密着配置されているため、この当接片部1
6bと前面8bとの相互間の係合作用にて、段付ボルト
18を中心とする板状部材16の矢印C及びD方向の回
動が完全に阻止されている。
【0020】また、板状部材16のストッパ片部16c
は、車体の左右中央の側に配置されており、ショルダー
アンカーサッシュガイド10が段付ボルト18を中心と
して図2において矢印C方向(車室内の方向)に回動さ
れてカバー板部14aに当接した位置で、これらの間の
ストッパ作用にてショルダーアンカーサッシュガイド1
0の矢印C方向への回動が前記当接位置で阻止されるよ
うに構成されている。なお、矢印C方向とは反対の矢印
D方向へのショルダーアンカーサッシュガイド10の回
動は阻止されることなく自在に回動し得るように構成さ
れている。
【0021】そして、シートベルトガイド6の枠状部6
a及びショルダーアンカーサッシュガイド10のリング
部13には、シートベルト7の中間部分(ウェビングの
中間部)7aが挿通されて摺動可能に案内されるように
なっている。なお、図示を省略したが、シートベルト7
の一端は車体に固着される一方、シートベルト7の他端
は巻取装置に連結されている。さらに、シートベルト7
の中間部分7aには、車体に取付けられたバックルに係
着されて係止される係止金具19が摺動可能に装着され
ている(図1参照)。
【0022】このような構成のシートベルト案内装置に
よれば、従来生じていたようなシートベルト7の片寄り
を防止でき、シートベルト7の巻取装置への巻込み性に
悪影響を及ぼすような事態の発生を回避することができ
る。すなわち、シートベルト7を乗員に装着すべく係止
金具19を図1において矢印A方向に引き回して図外の
バックルに係着した状態の下で、車両シート2を後方へ
スライドさせ或いは車両シート2のシートバック4を
方へ傾倒させたときに、ヘッドレスト5がショルダーア
ンカーサッシュガイド10のリング部13のヘッドレス
ト側の一端部13a(図2参照)にぶつかった場合に
は、このショルダーアンカーサッシュガイド10が図2
において矢印C方向に附勢されることとなる。そのよう
な場合には、ショルダーアンカーサッシュガイド10が
段付ボルト18を中心として矢印C方向に回動附勢され
るが、ショルダーアンカーサッシュガイド10がある程
度回動した時点でショルダーアンカーサッシュガイド1
0のカバー板部14aが板状部材16のストッパ片部1
6cに当接するため、これらの間のストッパ作用にてシ
ョルダーアンカーサッシュガイド10の矢印C方向への
回動がその当接位置で確実に阻止される。
【0023】このため、シートベルト7の中間部分7a
が前記リング部13にて大きく捩られてしまうようなこ
とがなく、従って、シートベルト7の中間部分7aが前
記リング部13の片側(前記一端部13aとは反対の
側)に寄せられてカールやしわ等を生じるおそれがな
い。よって、シートベルト7は、シートベルト装着時に
おいても常に良好な状態の下でショルダーアンカーサッ
シュガイド10及びシートベルトガイド6にて摺動可能
に案内されることとなり、シートベルト7の装着解除時
には巻込み性に悪影響を及ぼすことなくシートベルト7
をスムーズに巻取ることができる。
【0024】一方、シートベルト7の巻取りに影響を与
えない矢印D方向(矢印C方向とは反対の方向)のショ
ルダーアンカーサッシュガイド10の回動は従来通りに
許容され、シートベルト7の引張り方向に応じて矢印D
方向に回動され得る。従って、この回動によりシートベ
ルト7がショルダーアンカーサッシュガイド10のリン
グ部13に対して幅方向の片寄りを生じることなく、前
記リング部13の案内面13aにて良好な状態でシート
ベルト7を案内することができる。
【0025】また、本例のシートベルト案内装置を構成
するには、既述の板状部材16を付設するだけでよく、
他の部品には全く変更を加える必要がないため、設計変
更の必要性がなく、従って互換性が良いという利点があ
る。
【0026】しかも、板状部材16にスペーサ部16d
を一体成形するようにしたので、従来用いていたような
別個独立のスペーサ部材S(図3において一点鎖線で示
す部材)を省略することができ、部品点数の増大を来た
さずに済む。さらに、板状部材16は、一枚の金属板を
単に屈曲加工するだけで簡単に製造することができるの
で、製造コストを低く抑えることができる。
【0027】また、板状部材16の基板部16aは、シ
ョルダーアンカーサッシュガイド10及びシートベルト
7にて隠された状態になるので、板状部材16の存在に
より装置全体の外観を損なうことがない。
【0028】以上、本発明の一実施例につき述べたが、
本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明
の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能であ
る。板状部材16の当接片部16b及びストッパ片部1
6cの形状は必要に応じて変更可能であり、前記当接片
部16bは矩形状の板部である必要は必ずしもなく、幅
方向に間隔を隔てた一対の長手状の屈曲片であってもよ
い。また、ショルダーアンカーサッシュガイド10をタ
ワートリム8以外の車体部分に取付けるようにした場合
にも本発明を適用できることは言う迄もない。
【0029】
【発明の効果】以上の如く、本発明は、一端が車体に係
止され、他端が巻取装置に連結されたシートベルトの中
間部分を、車両シートのヘッドレストの側部に固着され
たシートベルトガイドと、前記ヘッドレストの後方の車
体部分に支軸を中心に回動可能に取付けられたショルダ
ーアンカーサッシュガイドとにより案内するようにした
シートベルト案内装置において、前記ショルダーアンカ
ーサッシュガイドを、平板状のショルダーアンカー部
と、該ショルダーアンカー部に連結されたシートベルト
案内用のリング部と、該ショルダーアンカー部を覆うカ
バー部材とから構成し、前記支軸の周囲に回動自在に挿
嵌され、かつ下方側へ突出する筒状のスペーサ部が一体
成形された基板部と、前記基板部の前方側において下方
に向けてほぼ直角に屈曲され、かつ車体側のタワートリ
ムの前面に当接される当接片部と、前記基板部の前記ヘ
ッドレスト側において上方に向けてほぼ直角に屈曲さ
れ、かつ前記カバー部材に当接するストッパ片部とをそ
れぞれ有する板状部材を備え、前記ショルダーアンカー
サッシュガイドのショルダーアンカー部を前記板状部材
を介して前記車体部分に取付け、さらに、前記ショルダ
ーアンカー部をカバー部材により覆い、もって、前記シ
ョルダーアンカーサッシュガイドが前記車両シートのヘ
ッドレストにて押されて回動されたとき、前記カバー部
材が前記板状部材のストッパ片部に当接することによ
り、前記ショルダーアンカーサッシュガイドが、前記シ
ートベルトの幅方向への片寄りを生じる方向に回動する
のを阻止するようにしたものであるから、車両シートの
後方へのスライド或いは車両シートのシートバックの後
方への傾倒に伴ってヘッドレストがショルダーアンカー
サッシュガイドにぶつかった場合、この際に生じるショ
ルダーアンカーサッシュガイドの一方向への回動を、板
状部材のストッパ片部とショルダーアンカーサッシュガ
イドとの間のストッパ作用により、所定の回動位置でシ
ョルダーアンカーサッシュガイドの回動を阻止すること
ができる。これにより、ショルダーアンカーサッシュガ
イドが不測に大きく回動されてシートベルトがその幅方
向の一方に片寄りを生じてシートベルトの巻込み性に悪
影響を来すような事態の発生を未然に防止できる。ま
た、シートベルトの巻込み性に悪影響を及ぼさない他方
の方向には、シートベルトの引張り方向に応じて自由に
回動できるため、ショルダーアンカーサッシュガイドの
回動機能が損なわれることはない。
【0030】さらに、本発明によれば、板状部材にスペ
ーサ部を一体成形するようにしたので、別個独立のスペ
ーサ部材を用いずに済み部品点数の増大を来すことがな
い上に、他の構成部品の設計変更を要することなく簡素
にシートベルト案内装置を構成することができる。しか
も、上述の板状部材は簡単な屈曲成形で加工することが
できるので、その製造コストを低く抑えることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシートベルト案内装置の斜視図で
ある。
【図2】本発明に係るシートベルト案内装置の要部の拡
大斜視図である。
【図3】タワートリムへのショルダーアンカーサッシュ
ガイドの取付構造を示す分解斜視図である。
【図4】図3におけるP−P線断面図であって、板状部
材に一体成形されたスペーサ部を示す断面図である。
【図5】従来のシートベルト案内装置の斜視図である。
【図6】従来のシートベルト案内装置の要部を図5の矢
印P方向から見た拡大平面図である。
【符号の説明】
1 コンバーチブルタイプの四輪自動車 2 車両シート 5 ヘッドレスト 6 シートベルトガイド 7 シートベルト 7a 中間部分 10 ショルダーアンカーサッシュガイド 12 ショルダーアンカー部 13 リング部 14 カバー部材 16 板状部材 16a 基板部 16b 当接片部 16c ストッパ片部 16d スペーサ部 16e ボルト挿通孔 18 段付ボルト(回動中心としての支軸)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端が車体に係止され、他端が巻取装置
    に連結されたシートベルトの中間部分を、車両シートの
    ヘッドレストの側部に固着されたシートベルトガイド
    と、前記ヘッドレストの後方の車体部分に支軸を中心に
    回動可能に取付けられたショルダーアンカーサッシュガ
    イドとにより案内するようにしたシートベルト案内装置
    において、前記ショルダーアンカーサッシュガイドを、平板状のシ
    ョルダーアンカー部と、該ショルダーアンカー部に連結
    されたシートベルト案内用のリング部と、該ショルダー
    アンカー部を覆うカバー部材とから構成し、 前記支軸の周囲に回動自在に挿嵌され、かつ下方側へ突
    出する筒状のスペーサ部が一体成形された基板部と、前
    記基板部の前方側において下方に向けてほぼ直角に屈曲
    され、かつ車体側のタワートリムの前面に当接される
    接片部と、前記基板部の前記ヘッドレスト側において上
    方に向けてほぼ直角に屈曲され、かつ前記カバー部材に
    当接するストッパ片部とをそれぞれ有する板状部材を備
    え、 前記ショルダーアンカーサッシュガイドのショルダーア
    ンカー部を前記板状部材を介して前記車体部分に取付
    け、さらに、前記ショルダーアンカー部をカバー部材に
    より覆い、 もって、前記ショルダーアンカーサッシュガイドが前記
    車両シートのヘッドレストにて押されて回動されたと
    き、前記カバー部材が前記板状部材のストッパ片部に当
    接することにより、前記ショルダーアンカーサッシュガ
    イドが、前記シートベルトの幅方向への片寄りを生じる
    方向に回動するのを阻止する ことを特徴とするシートベ
    ルト案内装置。
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