JP3137267B2 - 半導体電子放出素子 - Google Patents

半導体電子放出素子

Info

Publication number
JP3137267B2
JP3137267B2 JP5559791A JP5559791A JP3137267B2 JP 3137267 B2 JP3137267 B2 JP 3137267B2 JP 5559791 A JP5559791 A JP 5559791A JP 5559791 A JP5559791 A JP 5559791A JP 3137267 B2 JP3137267 B2 JP 3137267B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
type semiconductor
concentration
semiconductor region
junction
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5559791A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04274126A (ja
Inventor
信男 渡辺
健夫 塚本
昌彦 奥貫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP5559791A priority Critical patent/JP3137267B2/ja
Priority to AT92102746T priority patent/ATE155610T1/de
Priority to EP92102746A priority patent/EP0504603B1/en
Priority to DE69220823T priority patent/DE69220823T2/de
Publication of JPH04274126A publication Critical patent/JPH04274126A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3137267B2 publication Critical patent/JP3137267B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基体となるP型半導体
の表面にショットキー障壁接合を有し、このショットキ
ー障壁接合を形成する電極下においてP型半導体内にア
バランシェ増幅を起こす高濃度P型半導体領域を有する
半導体電子放出素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体電子放出素子のうち、アバ
ランシェ増幅機構を用いたものとしては、例えば米国特
許第4,259,678 号および米国特許第4,303,930 号に記載
されているものが知られている。この半導体電子放出素
子は、半導体基板上にP型半導体層とN型半導体層とを
形成し、そのN型半導体層の表面にセシウム等を付着さ
せて表面の仕事関数を低下させることにより電子放出部
を形成したものである。前記P型半導体層と前記N型半
導体層とにより形成されたPN接合の両端に逆バイアス
電圧を印加してアバランシェ増幅を起こすことにより電
子をホット化し、電子放出部より半導体基板表面に垂直
な方向に電子放出を行うものである。
【0003】また特開平1−220328号公報に開示
されているように、P型半導体と金属材料あるいはP型
半導体と金属化合物とによりショットキー障壁接合を形
成し、そのショットキー障壁接合の両端に逆バイアス電
圧を印加してアバランシェ増幅を起こすことにより電子
をホット化し、電子放出部より半導体基板表面に垂直な
方向に電子放出を行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の半
導体電子放出素子は、アバランシェ増幅機構により生成
された電子を放出するにあたり、そのアバランシェ増幅
を規定する高濃度P型半導体領域へ電子を十分に供給し
なければならない。しかしながら、従来の電子放出素子
は前記高濃度P型半導体領域が比抵抗の高いP型半導体
領域に囲まれており、電子を供給するため比抵抗の低い
半導体あるいは金属電極とは距離が離れていた。従っ
て、その電子を供給するための比抵抗の低い領域と前記
高濃度P型半導体領域との間の抵抗が高いために、その
抵抗値Rとアバランシェ降伏が起こる直前のショットキ
ー障壁接合あるいはPN接合の空乏層幅での電気容量C
との積RCによって決定される素子の動作速度を高める
ことが困難であった。
【0005】また、電子放出時においては前記高濃度P
型半導体領域およびその近傍に電流が集中するために、
前記抵抗値の高い領域においてジュール熱が発生し、温
度上昇による素子の破壊や劣化、あるいは電子放出量の
ゆらぎが禁じえなかった。
【0006】本発明は上記従来の問題点を解決し、動作
速度を速く、且つ、素子内部でのジュール熱による発熱
を低減した半導体電子放出素子を提供することを目的と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体電子放出
素子は、基体となるP型半導体の表面にショットキー障
壁接合を有し、このショットキー障壁接合を形成する電
極下において前記P型半導体内にアバランシェ増幅を起
こす高濃度P型半導体領域を有する半導体放出素子にお
いて、前記高濃度P型半導体領域の前記ショットキー障
壁接合を形成する面とは異なる面に、前記ショットキー
障壁接合電極との間に電圧を印加するための電極を有す
ることを特徴とする。
【0008】すなわち本発明においては、前記目的を達
成するため、下記の手段を講じるものである。 (1)アバランシェ降伏を起こす高濃度P型半導体領域
のアバランシェ降伏を生じるのとは異なる面に対して比
抵抗の小さい半導体領域あるいは金属電極を直接接する
構造とすることにより、前記アバランシェ降伏部への電
子供給経路の抵抗値を小さくすることが可能となる。 (2)前記比抵抗の小さい半導体領域をイオン注入法で
形成することにより、その領域の抵抗値を容易に且つ精
密に制御可能となる。
【0009】したがって本発明によれば、アバランシェ
降伏を生じる高濃度P型半導体領域が比抵抗の小さい半
導体領域あるいは電子を供給する金属電極に直接接触す
る構造としたことにより、素子の動作速度を速くするこ
とが可能となる。さらに、前記アバランシェ増幅を起こ
す高濃度P型半導体領域近傍でのジュール熱の発生によ
る素子の破壊や劣化を防ぎ、さらに電子放出量のゆらぎ
を低減することが可能となる。
【0010】
【実施例】実施例1 図1は本発明の一実施例に係る半導体電子放出素子を概
略的に示したもので、図1(a)は平面図、図1(b)
は図1(a)のA−A’線における断面図である。図
中、101は高濃度P型半導体基板、102はP型半導
体層、103は高濃度P型半導体領域、104はP型半
導体層、105はリング状のN型半導体領域、106は
アバランシェ増幅を起こす高濃度P型半導体領域、10
7は絶縁膜、108,109はそれぞれオーム性接合電
極、110はショットキー障壁接合となる金属電極、1
11は計算により求めた逆バイアス印加時の空乏層の端
部、112は電源である。
【0011】以下、図1に示した半導体電子放出素子の
製造行程について説明する。 (1)キャリア濃度が5×1018cm-3のZnドープの
高濃度P型GaAs半導体基板101上にMBE(分子
線エピタキシャル成長)法により、キャリア濃度が2×
1016cm-3となるようにBeをドープしたP型GaA
s半導体層102を成長させた。 (2)高濃度P型半導体領域103には不純物濃度が5
×1018cm-3となるように、FIB(集束イオンビー
ム)注入法によりBeイオンを注入した。この領域10
3としては、比抵抗を低減させるのが目的であるので、
一般にはキャリア濃度が高い方が良い。注入後に850
℃、10秒間の熱処理により、注入部の活性化と結晶の
回復を行なった。 (3)MBE法によりキャリア濃度が2×1016cm-3
となるように、BeをドープしたP型GaAs半導体層
104を成長した。次に、FIB注入法により不純物濃
度が1×1019cm-3となるようにSiイオンを注入
し、リング状のN型半導体領域105を形成した。さら
に、FIB注入法により、且つ不純物濃度が2×1018
cm-3となり、且つ、高濃度P型半導体領域103に至
るようにBeイオンを注入し、アバランシェ増幅を起こ
す高濃度P型半導体領域106を形成した。これらの注
入行程が終了した後、850℃、10秒間の熱処理によ
り、注入部を活性化した。従って、上述した高濃度P型
半導体領域103の比抵抗は、アバランシェ増幅を起こ
す高濃度P型半導体領域106の比抵抗より小さい。 (4)絶縁膜107としてSi02を真空蒸着し・通常
のフォトリソグラフィーにより開口部を形成した。 (5)リング状のN型半導体領域104上にはAu/G
eを、高濃度P型GaAs半導体基板101の裏面には
Au/Crをそれぞれ真空蒸着し、400℃、5分の熟
処理によりオーム性接合電極108および109を形成
した。 (6)さらに、P型GaAs半導体に対してショットキ
ー障壁接合を形成する材料としてWを選択し、電子ビー
ム蒸着により厚さ8nmの電極110を形成した。
【0012】このようにして作製した半導体電子放出素
子(図1)を真空度1×10-7Torrに保たれた真空
チャンバ内に設置し、電源111により逆バイアス5V
を印加したところ、高濃度P型半導体領域106の上部
のW表面より約0.1nAの電子放出が観測され、さら
に印加電圧を10Vまで上昇させることにより約1nA
の電子放出が確認された。しかし、従来の素子のように
電子放出中に破壊したり、放出電流が不安定になること
も認められなかった。また、本半導体電子放出素子は、
本発明の関わる高濃度P型半導体領域103を持たない
従来の素子と比べて、その構造や大きさが同様である場
合、電圧の印加から電子放出までの動作速度が約1/4
以下の高速駆動が可能となった。これは前述のように、
素子の動作速度を決定する因子が、アバランシェ降伏を
生じる直前において、電子を供給する領域の抵抗値Rと
アバランシェ増幅を起こす高濃度P型半導体領域に形成
される空乏層の電気容量Cとの積RCに依るからであ
る。本半導体電子放出素子においては、空乏層の電気容
量Cは従来の素子と同様であるが、電子を供給する領域
の抵抗値Rが小さくなったためにその積RCは小さくな
り、動作速度が速くなった。また、前記抵抗値Rが小さ
くなったことにより、そこでのジュール熱による発熱が
抑制され、特に印加電圧を上げることにより電子放出量
を大きくしようとした時の素子の安定化に貢献した。
【0013】ここで図1および図2を用いて、本発明の
半導体電子放出素子の動作原理を説明する。図1におい
て半導体材料としては、原理的には例えばSi,Ge,
GaAs,GaP,AlAs,GaAsP,AlGaA
s,SiC,BP,AlN,ダイヤモンド等が適用可能
であり、特に間接遷移型でバンドギャップの大きい材料
が適している。また後述するアバランシェ増幅を生じて
電子放出に関与する高濃度P型半導体領域106と、そ
の高濃度P型半導体領域へ電子を供給する高濃度P型半
導体基板101との間の抵抗値を小さくしたのが本発明
の特徴である。このことにより、前述のように素子の動
作が速くなり、且つ、ジュール熱による発熱を抑制する
ことが可能となった。また、電極110の材料として
は、Wの他にAl,Au,LaB6 等一般に知られてい
る前記P型半導体に対してショットキー障壁接合を形成
するものであれば良い。ただし、この電極表面の仕事関
数は小さいほど電子放出効率が増大するので、その材料
の仕事関数が大きい場合は表面にCs等の低仕事関数材
料を薄く被覆することにより電子放出効率が向上する。
【0014】図2を用いて、本発明のショットキー障壁
接合を用いた半導体電子放出素子における電子放出過程
について説明する。P型半導体とショットキー障壁接合
を形成するショットキーダイオードに逆バイアス電圧を
印加することにより、P型半導体の伝導帯の底EC はシ
ョットキー障壁を形成する電極の真空準位EVAC よりも
高いエネルギー準位となる。アバンシェ増幅によって生
成された電子は、半導体−金属電極界面に生ずる空乏層
内の電界によって格子温度よりも高いエネルギーを得
て、ショットキー障壁接合を形成する電極へと注入され
る。ショットキー障壁接合形成する電極表面の仕事関数
よりも大きなエネルギー持った電子は、真空中へ放出さ
れる。従って前述のように、電極表面を低仕事関数処理
することは電子放出量の増加につながる。実施例2 図3は本発明の一実施例に係るPN接合を用いた半導体
電子放出素子を概略的に示したもので、図3(a)は平
面図、図3(b)は図3(a)のA−A’における断面
図である。図中、301は高濃度P型半導体基板、30
2はP型半導体層、303は高濃度P型半導体領域、3
04はP型半導体層、305はリング状のN型半導体領
域、306はアバランシェ増幅を起こす高濃度P型半導
体領域、307はP型半導体304および高濃度P型半
導体領域306とPN接合を形成する高濃度N型半導体
層、308は絶縁膜、309,310それぞれオーム性
接合電極、311低仕事関数材料の薄膜、312は計算
により求めた逆バイアス印加時の空乏層の端部、313
は電源である。
【0015】以下、図3に示した半導体電子放出素子の
製造行程について説明する。 (1)キャリア濃度が5×1018cm-3のZnドープの
高濃度P型GaAs半導体基板301上にMBE(分子
線エピタキシャル成長)法により、キャリア濃度が2×
1016cm-3となるようにBeをドープしたP型GaA
s半導体層302を成長させた。 (2)高濃度P型半導体領域303には不純物濃度が5
×1018cm-3となるように、FIB(集束イオンビー
ム)注入法によりBeイオンを注入した。 (3)MBE法によりキャリア濃度が2×1016cm-3
となるように、BeをドープしたP型GaAs半導体層
304を成長した。次に、FIB注入法により不純物濃
度が1×1019cm-3となるようにSiイオンを注入
し、リング状のN型半導体領域305を形成した。さら
に、FIB注入法により、且つ、不純物濃度が2×10
18cm-3となり、且つ、高濃度P型半導体領域303に
至るようにBeイオンを注入し、アバランシェ増幅を起
こす高濃度P型半導体領域306を形成した。従って、
上述した高濃度P型半導体領域303の比抵抗は、アバ
ランシェ増幅を起こす高濃度P型半導体領域306の比
抵抗より小さい。 (4)薄い高濃度N型半導体層307として、通常のイ
オン注入法により深さ10nmに渡り不純物濃度が8×
1018cm-3となるようにSiイオンを注入した。この
高濃度N型半導体層は、その下でアバランシェ降伏によ
り生じた電子が通過するため、厚さが厚すぎるとそこで
の散乱によるエネルギーロスが大きくなり、電子放出量
を著しく低下させてしまう。従って、薄い高濃度N型半
導体層を形成するために、低加速電圧でイオン注入を行
うか、あるいは、イオン注入後にエッチング等により薄
くする必要がある。 (5)これらの注入行程が終了した後、850℃、10
秒間の熱処理により、注入部を活性化した。 (6)絶縁膜308としてSi02を真空蒸着し・通常
のフォトリソグラフィーにより開口部を形成した。 (7)リング状のN型半導体領域305上にはAu/G
eを、高濃度P型GaAs半導体基板301の裏面には
Au/Crをそれぞれ真空蒸着し、400℃、5分の熱
処理によりオーム性接合電極309および310を形成
した。 (8)さらに、低仕事関数材料の薄膜311としてCs
(セシウム)を真空蒸着法により単原子層程度蒸着し
た。
【0016】このようにして作製したPN接合型半導体
電子放出素子を真空度1×10-9Torr以下に保たれ
た真空チャンバ内に設置し、電源311により逆バイア
ス7Vを印加したところ、約1nAの電子放出が観測さ
れた。しかし、従来の素子のように電子放出中に破壊し
たり、放出電流が不安定になることも認められなかっ
た。また、本半導体電子放出素子は、本発明の関わる高
濃度P型半導体領域303を持たない従来の素子と比べ
て、その構造や大きさが同様である場合、電圧の印加か
ら電子放出までの動作速度が約1/4以下の高速駆動が
可能となった。実施例4 図4は、本発明の他の実施例に係る半導体電子放出素子
をマトリクス状に並べたマルチ電子放出の一部分を概略
的に示すもので、図4(a)は平面図、図4(b)は図
4(a)のA−A’線における断面図である。図中、4
01は半絶縁性半導体基板、402はX方向に長いスト
ライブ状の高濃度P型半導体領域、403は半絶縁性半
導体層、404は高濃度P型半導体領域、405は半絶
縁性半導体層、406は高濃度P型半導体領域402ま
で到達するP型半導体領域、407はリング状のN型半
導体領域、408はアバランシェ増幅を起こす高濃度P
型半導体領域、409は高濃度P型半導体領域402と
接する高濃度P型半導体領域、410は絶縁体層、41
1はY方向に長く、且つ、リング状のN型半導体領域4
07に対するオーム性接合となる電極、412は高濃度
P型半導体領域409に対するオーム性接合電極、41
3はP型半導体に対してショットキー障壁接合となる薄
い電極、414は絶縁材料による支持体、415は金属
膜によるゲートである。
【0017】以下、図4に示した半導体電子放出素子の
製造行程について説明する。 (1)キャリア濃度が1×1012cm-3以下の半絶縁性
GaAs半導体基板401に対して、キャリア濃度が5
×1018cm-3となるようにFIB注入法によりBeイ
オン注入を行い、X方向に長いストライプ状の高濃度P
型半導体領域402を形成した。 (2)MBE法により、キャリア濃度が1×1013cm
-3以下の半絶縁性GaAs半導体層403を成長した。
次に、高濃度P型半導体領域404には不純物濃度が8
×1018cm-3となるように、FIB注入法によりBe
イオンを注入した。さらにMBE法によりキャリア濃度
が1×1013cm-3以下となるように半絶縁性GaAs
半導体405を成長した。 (3)次に、P型半導体領域406には表面から高濃度
P型GaAs半導体層402に至るまでほぼ均一に不純
物濃度が2×1016cm-3となるように、FIB注入法
により40keV、140keVおよび200keVに
それぞれ加速したBeイオンを順次注入した。次に、高
濃度P型半導体領域409にも406と同様にしてキャ
リア濃度が5×1018cm-3以上となるようにFIB注
入した。次に、FIB注入法により不純物濃度が1×1
19cm-3となるようにSiイオンを注入し、リング状
のN型半導体領域407を形成した。さらに、FIB注
入法により不純物濃度が2×1018cm-3となるように
Beイオンを注入し、アバランシェ増幅を起こす高濃度
P型半導体領域408を形成した。
【0018】以上(1)から(4)のFIB注入行程と
MBE成長行程とは、それぞれの装置が真空トンネルで
接続されているので、大気にさらされることなく行われ
た。これらの注入行程が終了した後、850℃、10秒
間の熱処理により、注入部を活性化した。 (5)絶縁膜410としてAIN(窒素アルミニウム)
を真空蒸着し、通常のフォトリソグラフィーにより開口
部を形成した。 (6)リング上のN型半導体領域407上にはAu/G
eを、高濃度P型半導体領域409上にAu/Crをそ
れぞれ真空蒸着し、400℃、5分の熱処理によりオー
ム性接合電極411および412を形成した。 (7)P型GaAs半導体に対してショットキー障壁接
合を形成する材料としてWを選択し、電子ビーム蒸着に
より厚さ8nmの電極413を形成した。 (8)絶縁材料による支持体414およびゲート415
としては、SiO2 およびWをそれぞれ真空蒸着法によ
り順次堆積し、通常のフォトリソグラフィーにより形成
した。
【0019】このようにして作製された電子放出部がX
方向に20個、Y方向に15個マトリクス状に並んだマ
ルチ半導体電子放出素子を真空度が1×10-7Torr
に排気した真空チャンバ内に設置し、マルチ素子全部に
逆バイアス7Vを印加したところ、合計約60nAの電
子放出が確認された。本素子においても動作速度は単素
子の時とほぼ同様であった。また長時間の駆動において
も、素子の破壊や劣化、あるいは電子放出のゆらぎは生
じなかった。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体電
子放出素子は、アバランシェ増幅を規定する高濃度P型
半導体領域と電子を供給する高濃度半導体領域あるいは
金属電極とを直接接する構造としたことにより、従来の
素子に比べて、アバランシェ増幅の生じる空乏層に至る
領域の抵抗値Rとその空乏層の電気容量Cのと積RCを
小さくすることができ、従って、そのRCで決定される
素子の動作速度を速くすることが可能となる。また、前
記抵抗値Rを小さくできたことにより、そこでのジュー
ル熱による素子の発熱や劣化、あるいは電子放出量のゆ
らぎを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る半導体電子放出素子を
概略的に示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−
A’線における断面図。
【図2】本発明の素子の動作原理を説明するためのバン
ド図。
【図3】本発明の第2の実施例に係るGaAs半導体の
PN接合を用いた電子放出素子を示し、(a)は平面
図、(b)は(a)のA−A’線における断面図。
【図4】本発明の第3の実施例に係る半導体電子放出素
子をマルチ化した時の状態を示し、(a)は平面図、
(b)は(a)のA−A’線における断面図。
【符号の説明】
101 半導体基板 102 P型半導体層 103 高濃度P型半導体領域 104 P型半導体層 105 リング状のN型半導体領域 106 高濃度P型半導体領域 107 絶縁膜 108 オーム性接合電極 109 オーム性接合電極 110 ショットキー障壁接合電極 111 空乏層 112 電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−220328(JP,A) 特開 昭62−299088(JP,A) 特開 昭62−226530(JP,A) 特公 平1−45694(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 1/308 H01J 9/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体となるP型半導体の表面にショット
    キー障壁接合を有し、このショットキー障壁接合を形成
    する電極下において前記P型半導体内にアバランシェ増
    幅を起こす高濃度P型半導体領域(106)と、 前記高濃度P型半導体領域(106)の前記ショットキ
    ー障壁接合を形成する面とは異なる面に、前記ショット
    キー障壁接合電極との間に電圧を印加するための電極
    あるP型半導体層(102)とを有する半導体電子放出
    素子であって、 前記ショットキー障壁接合を形成するP型半導体が、前
    記ショットキー障壁接合電極との間に電圧を印加するた
    めの電極であるP型半導体層(102)上に積層され、 前記ショットキー障壁接合電極との間に電圧を印加する
    ための電極であるP型半導体層(102)内に、前記ア
    バランシェ増幅を起こす高濃度P型半導体領域(10
    6)より比抵抗の小さいP型半導体領域(103)を形
    成し、 前記アバランシェ増幅を起こす高濃度P型半導体領域
    (106)が前記比抵抗の小さいP型半導体領域(10
    3)に接する ことを特徴とする半導体電子放出素子。
  2. 【請求項2】 基体となるP型半導体の表面にショット
    キー障壁接合を有し、このショットキー障壁接合を形成
    する電極下において前記P型半導体内にアバランシェ増
    幅を起こす高濃度P型半導体領域(106)と、 この高濃度P型半導体領域(106)の周囲に形成され
    たN型半導体領域と、 前記高濃度P型半導体領域(106)の前記ショットキ
    ー障壁接合を形成する面とは異なる面に、前記ショット
    キー障壁接合電極との間に電圧を印加するための電極
    あるP型半導体層(102)とを有する半導体電子放出
    素子であって、 前記ショットキー障壁接合を形成するP型半導体が、前
    記ショットキー障壁接合電極との間に電圧を印加するた
    めの電極であるP型半導体層(102)上に積層され、 前記ショットキー障壁接合電極との間に電圧を印加する
    ための電極であるP型半導体層(102)内に、前記ア
    バランシェ増幅を起こす高濃度P型半導体領域(10
    6)より比抵抗の小さいP型半導体領域(103)を形
    成し、 前記アバランシェ増幅を起こす高濃度P型半導体領域
    (106)が前記比抵抗の小さいP型半導体領域(10
    3)に接する ことを特徴とする半導体電子放出素子。
  3. 【請求項3】 基体となるP型半導体の表面にPN接合
    を有し、このPN接合を形成する薄いN型層下において
    前記P型半導体内にアバランシェ増幅を起こす高濃度P
    型半導体領域(306)と、 前記高濃度P型半導体領域(306)の前記PN接合を
    形成する面とは異なる面に、前記PN接合に電圧を印加
    するための電極であるP型半導体層(302)とを有す
    る半導体電子放出素子であって、 前記PN接合を形成するP型半導体が、前記PN接合に
    電圧を印加するための電極であるP型半導体層(30
    2)上に積層され、 前記PN接合に電圧を印加するための電極であるP型半
    導体層(302)内に、前記アバランシェ増幅を起こす
    高濃度P型半導体領域(306)より比抵抗の小さいP
    型半導体領域(303)を形成し、 前記アバランシェ増幅を起こす高濃度P型半導体領域
    (306)が前記比抵抗の小さいP型半導体領域(30
    3)に接する ことを特徴とする半導体電子放出素子。
  4. 【請求項4】 基体となるP型半導体の表面にPN接合
    を有し、このPN接合を形成する薄いN型層下において
    前記P型半導体内にアバランシェ増幅を起こす高濃度P
    型半導体領域(306)と、 この高濃度P型半導体領域(306)の周囲に形成され
    たN型半導体領域と、 前記高濃度P型半導体領域(306)の前記PN接合を
    形成する面とは異なる面に、前記PN接合に電圧を印加
    するための電極であるP型半導体層(302)とを有す
    る半導体電子放出素子であって、 前記PN接合を形成するP型半導体が、前記PN接合に
    電圧を印加するための電極であるP型半導体層(30
    2)上に積層され、 前記PN接合に電圧を印加するための電極であるP型半
    導体層(302)内に、前記アバランシェ増幅を起こす
    高濃度P型半導体領域(306)より比抵抗の小さいP
    型半導体領域(303)を形成し、 前記アバランシェ増幅を起こす高濃度P型半導体領域
    (306)が前記比抵抗の小さいP型半導体領域(30
    3)に接する ことを特徴とする半導体電子放出素子。
  5. 【請求項5】 前記アバランシェ増幅を起こす高濃度P
    型半導体領域(306)は、イオン注入法により形成さ
    れた領域であることを特徴とする請求項1乃至4のいず
    れか一つに記載された半導体電子放出素子。
JP5559791A 1991-02-20 1991-02-28 半導体電子放出素子 Expired - Fee Related JP3137267B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5559791A JP3137267B2 (ja) 1991-02-28 1991-02-28 半導体電子放出素子
AT92102746T ATE155610T1 (de) 1991-02-20 1992-02-19 Halbleiter-elektronenemissionseinrichtung
EP92102746A EP0504603B1 (en) 1991-02-20 1992-02-19 Semiconductor electron emission device
DE69220823T DE69220823T2 (de) 1991-02-20 1992-02-19 Halbleiter-Elektronenemissionseinrichtung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5559791A JP3137267B2 (ja) 1991-02-28 1991-02-28 半導体電子放出素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04274126A JPH04274126A (ja) 1992-09-30
JP3137267B2 true JP3137267B2 (ja) 2001-02-19

Family

ID=13003184

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5559791A Expired - Fee Related JP3137267B2 (ja) 1991-02-20 1991-02-28 半導体電子放出素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3137267B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04274126A (ja) 1992-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6139760A (en) Short-wavelength optoelectronic device including field emission device and its fabricating method
EP0331373B1 (en) Semiconductor electron emitting device
US5760417A (en) Semiconductor electron emission device
US5554859A (en) Electron emission element with schottky junction
RU2237949C2 (ru) Полупроводниковый элемент и способ его изготовления
US5814832A (en) Electron emitting semiconductor device
US5414272A (en) Semiconductor electron emission element
JP3137267B2 (ja) 半導体電子放出素子
JP3135070B2 (ja) 半導体電子放出素子
JP3005023B2 (ja) 半導体電子放出素子とその駆動方法
JPH0689657A (ja) 半導体電子放出素子の製造方法
JP2780819B2 (ja) 半導体電子放出素子
JP3501299B2 (ja) 半導体装置
JP3260502B2 (ja) 電子放出素子
JP3392507B2 (ja) 微小電界放出陰極素子
JP2774155B2 (ja) 電子放出素子
JP2820450B2 (ja) 半導体電子放出素子
JPH0574332A (ja) 半導体電子放出素子
JP3403165B2 (ja) 電子放出素子の製造方法
JPH06162918A (ja) 半導体電子放出素子並びにその製造方法
JPH0574329A (ja) 半導体電子放出素子
EP0504603A1 (en) Semiconductor electron emission device
JPH0574330A (ja) 半導体電子放出素子
US5442192A (en) Heterostructure electron emitter utilizing a quantum well
JP2765982B2 (ja) 半導体電子放出素子およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees