JPH0574332A - 半導体電子放出素子 - Google Patents

半導体電子放出素子

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JPH0574332A
JPH0574332A JP23469291A JP23469291A JPH0574332A JP H0574332 A JPH0574332 A JP H0574332A JP 23469291 A JP23469291 A JP 23469291A JP 23469291 A JP23469291 A JP 23469291A JP H0574332 A JPH0574332 A JP H0574332A
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electron
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type semiconductor
semiconductor
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Nobuo Watanabe
信男 渡邊
Takeo Tsukamoto
健夫 塚本
Masahiko Okunuki
昌彦 奥貫
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シヨツトキ障壁接合あるいはPN接合により
形成される空乏層の周囲の保護に必要であった高濃度N
型半導体のガードリング構造を不要とし、素子構造の簡
略化に伴い、素子サイズの小型化、製造工程の簡略化を
可能とする。また、第2の領域の抵抗値を任意に形成す
ることにより、素子の電流−電圧特性を任意に設定可能
となり、更に第2の領域を低抵抗とすることにより、素
子動作の高速化を可能とする。 【構成】 3つのP型半導体領域を設け、それぞれのキ
ヤリア濃度の関係を (第1の領域)>(第2の領域)>(第3の領域) あるいは (第2の領域)≧(第1の領域)>(第3の領域) とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体電子放出素子に係
り、特にアバランシエ降伏をおこさせホツト化した電子
を放出させる半導体電子放出素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体電子放出素子のうち、アバ
ランシエ降伏機構を用いたものとしては、例えば米国特
許第4259678号及び米国特許第4303930号
に記載されているものが知られている。これらの半導体
電子放出素子は、半導体基板上にP型半導体層とN型半
導体層とを形成し、そのN型半導体層の表面にセシウム
等を付着させて表面の仕事関数を低下させることにより
電子放出部を形成したものである。そして前記P型半導
体層と前記N型半導体層とにより形成されたPN接合の
両端に逆バイアス電圧を印加してアバランシエ降伏を起
すことにより電子をホツト化し、電子放出部より半導体
基板表面に垂直な方向に電子放出を行なうものである。
【0003】また別に、特開平01ー220328号に
示されているように、P型半導体と金属材料あるいはP
型半導体と金属化合物とによりシヨツトキ障壁接合を形
成し、そのシヨツトキ障壁接合の両端に逆バイアス電圧
を印加してアバランシエ降伏を起すことにより電子をホ
ツト化し、電子放出部より半導体基板表面に垂直な方向
に電子放出を行なうものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の半導体
電子放出素子はPN接合あるいはシヨツトキ障壁接合の
両端に逆バイアス電圧を印加した時に、空乏層幅が最も
薄く形成される高濃度P型半導体領域においてアバラン
シエ降伏を起し、そこで生成されるエネルギの高い電子
を固体表面より外部へ放出させるものである。しかしな
がら、PN接合あるいはシヨツトキ障壁接合の周囲での
空乏層の形状は、印加電圧及びその半導体のキヤリア濃
度に依って決定される曲率半径を有する。従って、本来
必要とする高濃度P型半導体領域でアバランシエ降伏が
生じるよりも低い印加電圧において、その空乏層周囲で
降伏あるいは電流のリークが起こってしまい、素子特性
を悪化させてしまう恐れがある。また、このPN接合あ
るいはシヨツトキ障壁接合の電子放出素子において、ア
バランシエ降伏を生じる高濃度P型半導体領域の周囲の
P型半導体のキヤリア濃度を低下させることにより空乏
層周囲の曲率半径を大きくし、そこでの低電圧での降伏
を防ぐことが可能であるが、キヤリアを供給するための
電極とアバランシエ降伏を起す高濃度P型半導体領域と
の間の電気抵抗値が高くなり、素子の動作電圧が上昇す
るばかりでなく、ジユール熱の発生等による素子特性の
悪化の問題が発生する。そこで従来の素子においては、
高濃度P型半導体領域の周囲のP型半導体領域のキヤリ
ア濃度を低下せずに、高濃度N型半導体のガードリング
構造体を形成し、この空乏層周囲の曲率半径を大きく形
成してそこでの降伏を防止していた。それ由、従来の素
子構造ではリング状のN型半導体領域を高濃度に形成す
るためのイオン注入や熱拡散等の製造工程や、その高濃
度N型半導体のガードリングに電圧を印加するためのオ
ーム性接合電極を形成するための工程が必要であった。
またその高濃度P型半導体領域の周囲に前記N型ガード
リングやそのオーム性接合電極を形成するための広い領
域を必要とし、素子の小型化が困難であった。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は前記従
来の課題を解決するために、以下の手段を講ずるもので
ある。
【0006】金属材料あるいは金属化合物材料と高濃度
P型半導体とのシヨツトキ障壁接合を用いた半導体電子
放出素子、あるいは高濃度N型半導体層と高濃度P型半
導体とのPN接合を用いた半導体電子放出素子におい
て、アバランシエ降伏を生じる高濃度P型半導体領域
(第1の領域)が、その第1の領域へとキヤリアを供給
するP型半導体領域(第2の領域)と接し、且つ、その
第1の領域の周囲にシヨツトキ障壁接合あるいはPN接
合を形成するP型半導体領域(第3の領域)を有する構
造とする。この構造において、第1から第3の領域のキ
ヤリア濃度の関係を (第1の領域)>(第2の領域)>(第3の領域) となるように形成する。これにより動作電圧を印加した
状態において、第1の領域に形成される空乏層周囲の耐
圧の低い(曲率半径の小さい)部分は、その周囲に連続
して位置するキヤリア濃度の低い第3の領域に形成され
る耐圧の高い(曲率半径の大きい)空乏層により保護さ
れることとなる。ここで、第1の領域の周囲を第3の領
域で完全に包囲してしまうと、前述のように、第1の領
域へのキヤリアの供給路の抵抗値が高すぎて、素子特性
を悪化してしまう。そこで、上記のキヤリア濃度を有す
る第2の領域を、第1の領域へのキヤリアの供給路に形
成することにより、素子の直列抵抗値を適切な値とする
ことが可能となる。従って、従来製造工程の簡略化およ
び素子小型化の観点からも不都合であった高濃度N型半
導体のガードリング構造を必要としない素子構造が可能
となった。
【0007】また、前記第1から第3の領域のキヤリア
濃度の関係を (第2の領域)≧(第1の領域)>(第3の領域) とすることにより、前述のとおり高濃度N型半導体のガ
ードリング構造を必要としない。また、第2の領域のキ
ヤリア濃度を第1の領域と同等あるいはそれ以上とする
ことにより、素子の直列抵抗値を大幅に引き下げること
が可能となる。従って、抵抗値Rと電気容量Cの積RC
の値が小さくなり、動作速度の速い半導体電子放出素子
を作製することが可能となった。
【0008】
【実施例】実施例1 図1は本発明の一実施例に係るシヨツトキ障壁接合を用
いた半導体電子放出素子の断面を示した概略図である。
図中101は高濃度P型半導体基板、102は低濃度P
型半導体層、103はアバランシエ降伏を生じる高濃度
P型半導体領域(第1の領域)、104は素子の直列抵
抗値を設定するためのP型半導体領域(第2領域)、1
05は絶縁膜、106はP型半導体に対するオーム性接
合電極、107は電極配線、108はP型半導体とシヨ
ツトキ障壁接合を形成する薄い金属膜、109は電源で
ある。
【0009】以下、図1に示した半導体電子放出素子の
製造工程について説明する。
【0010】(1) キヤリア濃度が5x1018cm-3
の亜鉛(Zn)ドープの高濃度P型GaAs半導体基板
101上に分子線エピタキシヤル成長(MBE)法によ
り、ベリリウム(Be)濃度が1x1015cm-3以下の
低濃度P型GaAs半導体層102を厚さ0.6μm成
長した。
【0011】(2) 高濃度P型半導体領域103に
は、低濃度P型半導体層102表面より深さ約0.2μ
mに渡りキヤリア濃度が2x1018cm-3となるよう
に、集束イオンビーム(FIB)注入法により40ke
vに加速したBeイオンを注入した。
【0012】(3) P型半導体領域104には、高濃
度P型GaAs半導体基板101に到達し、キヤリア濃
度が1x1018cm-3となるように、FIB注入法によ
り160keVに加速したBeイオンを注入した。
【0013】(4) 絶縁膜105として、SiO2
スパツタリング法により厚さ約0.2μm堆積後、85
0℃、10秒間の熱処理により注入部を活性化した。
【0014】(5) 高濃度P型GaAs半導体基板1
01の裏面に金(Au)/クロム(Cr)を真空蒸着
し、350℃、5分の熱処理によりオーム性接合電極1
06を形成した。
【0015】(6) アルミニウムを真空蒸着し、通常
のフオトリソブラフイーにより、電極配線107および
絶縁膜105の開口部を形成した。
【0016】(7) P型GaAs半導体に対してシヨ
ツトキ障壁接合を形成する材料としてタングステン
(W)を選択し、電子ビーム蒸着と通常のフオトリソグ
ラフイーにより厚さ8nmの電極108を形成した。
【0017】この様にして作製した半導体電子放出素子
(図1)を真空度が約1x10-7Torrに保たれた真
空チヤンバ内に設置し、電源108により7vを印加し
たところ、高濃度P型半導体領域103の上部のW表面
より約15pAの電子放出が観測された。また図2のよ
うに、印加電圧(素子電圧)を10Vまで順次増大した
ところ、電子放出量(エミツシヨン電流)も約100p
Aまで順次増大した。この動作電圧印加時の空乏層は、
高濃度P型半導体領域103においてシヨツトキ障壁界
面より約0.04μm広がっていると考えられ、その周
囲の低濃度P型半導体層102においては0.6μm以
上即ち高濃度P型半導体基板101まで達していると考
えられる。従って、電界が最も集中するのは高濃度P型
半導体領域103の部分であり、この領域において効率
良くアンバランシエ降伏が起こる。
【0018】また上記作製条件において、P型半導体領
域104の不純物濃度のみを3x1018cm-3となるよ
うに変えて作製した素子を同様の真空チヤンバ内に設置
したときの電気特性を図3に示した。電源108により
5Vを印加したところ、高濃度P型半導体領域103の
上部のW表面より約20pAの電子放出が観測された。
また、印加電圧(素子電圧)を7Vまで順次増大したと
ころ、エミツシヨン電流も約100pAまで順次増大し
た。
【0019】このように、P型半導体領域(第2の領
域)104のキヤリア濃度を変えることにより、半導体
電子放出素子の電流電圧特性を規定することが可能であ
る。また、P型半導体領域104の抵抗値を低下するこ
とにより、素子の直列抵抗値が減少でき、動作速度を速
くすることが可能となった。
【0020】図1及び図4を用いて、本発明の半導体電
子放出素子の動作原理を説明する。
【0021】図1において半導体材料としては、原理的
には例えばSi、Ge、GaAs、GaP、AlAs、
GaAsP、AlGaAs、SiC、BP、AlN、ダ
イヤモンド等が適用可能であり、特に間接遷移遷移型で
バンドギヤツプの大きい材料が適している。また、電極
106の材料としては、Wの他にAl、Au,LaB6
等一般に知られている前記P型半導体に対してシヨツト
キ障壁接合を形成するものであれば良い。ただし、この
電極表面の仕事関数は小さいほど電子放出効率が増大す
るので、その材料の仕事関数が大きい場合は表面にCs
等の低仕事関数材料を薄く被覆することにより電子放出
効率が向上する。
【0022】図4を用いて、本発明のシヨツトキ障壁接
合を用いた半導体電子放出素子における電子放出過程に
ついて説明する。P型半導体とシヨツトキ障壁接合を形
成するシヨツトキダイオードに逆バイアス電圧を印加す
ることにより、P型半導体の伝導帯の底Ecはシヨツト
キ障壁を形成する電極の真空準位EVACよりも高いエネ
ルギー準位となる。アバランシエ降伏によって生成され
た電子は、半導体−金属電極界面に生ずる空乏層内の電
界によって格子温度よりも高いエネルギーを得て、シヨ
ツトキ障壁接合を形成する電極へと注入される。シヨツ
トキ障壁接合を形成する電極表面の仕事関数よりも大き
なエネルギーを持った電子は、真空中へ放出される。従
って前述のように、電極表面を低仕事関数処理すること
は電子放出量の増加につながる。
【0023】実施例2 図5は本発明の他の実施例に係るPN接合を用いた半導
体電子放出素子の断面を示した概略図である。図中50
1は高濃度P型半導体基板、502は低濃度P型半導体
層、503はアバランシエ降伏を生じる高濃度P型半導
体領域(第1の領域)、504は素子の直列抵抗値を設
定するためのP型半導体領域(第2の領域)、505は
薄い高濃度N型半導体層、506は絶縁膜、507はP
型半導体に対するオーム性接合電極、508はN型半導
体に対するオーム性接合電極、509は低仕事関数材料
の被膜、510は電源である。
【0024】以下、図5に示した半導体電子放出素子の
製造工程について説明する。
【0025】(1) キヤリア濃度が5x1018cm-3
のZnドームの高濃度P型GaAs半導体基板501上
にMBE法により、Be濃度が1x1015cm-3以下の
低濃度P型GaAs半導体層502を厚さ0.6μm成
長した。
【0026】(2) 高濃度P型半導体領域503に
は、低濃度P型半導体層502表面より深さ0.2μm
に渡りキヤリア濃度が2x1018cm-3となるように、
FIB注入法により40kevに加速したBeイオンを
注入した。
【0027】(3) P型半導体領域504には、高濃
度P型GaAs半導体基板501に到達し、キヤリア濃
度が5x1017cm-3となるように、FIB注入法によ
り160keVに加速したBeイオンを注入した。
【0028】(4) 薄い高濃度N型半導体層505と
して、通常のイオン注入法により深さ10nmに渡りキ
ヤリア濃度が1x1019cm-3となるように10keV
に加速したSiイオンを注入した。この高濃度N型半導
体層は、その下の高濃度P型半導体領域503でアバラ
ンシエ降伏により生じた電子が通過するため、厚すぎる
とそこでの散乱によるエネルギーロスが大きくなり、電
子放出量を著しく低下させてしまう。従って、薄い高濃
度N型半導体層を形成するために、低加速電圧でイオン
注入を行なうか、あるいは、イオン注入後にエツチング
等により10nm以下程度に薄くする必要がある。
【0029】(5) 絶縁膜506として、SiO2
通常のスパツタリング法により厚さ約0.2μm堆積
後、850℃、10秒間の熱処理により注入部を活性化
した。
【0030】(6) オーム性接合電極507としては
基板501の裏面にAu/Crを、オーム性接合電極5
08としては、Au/ゲルマニウム(Ge)をそれぞれ
真空蒸着し、通常のフオトリソエツチングした後、35
0℃、5分の熱処理によりアロイ化した。
【0031】(7) 低仕事関数材料であるセシウム
(Cs)を超高真空中で単原子層程度蒸着し、509と
した。
【0032】この様にして作製した半導体電子放出素子
(図5)を真空度1x10-11Torr以下に保たれた
真空チヤンバ内に設置し、電源510により6vの電圧
を印加したところ、高濃度P型半導体領域503の上部
のCs表面より約0.1μAの電子放出が観測された。
この様に本発明により、従来の半導体電子放出素子と同
等の電子放出特性を有する、極めて単純な構造で製造工
程の簡略なPN接合型半導体電子放出素子が形成可能と
なった。
【0033】実施例3 図6は、本発明の他の実施例に係るシヨツトキ障壁接合
を用いた半導体電子放出素子をマトリクス状に並べたマ
ルチ電子放出の一部分を示す概略図である。(a)は平
面図、(b)は(a)のAーA′断面図である。図中、
601は半絶縁性の半導体基板、602はx方向に長い
ストライプ状の高濃度P型半導体領域、603は低濃度
P型半導体層、604はアバランシエ増幅を起す高濃度
P型半導体領域、605はP型半導体領域、606は高
濃度P型半導体領域、607は絶縁膜、608はP型半
導体に対するオーム性接合電極、609はY方向に長い
ストライプ状の電極配線、610はシヨツトキ電極、6
11は絶縁材料による支持体、612は金属膜によるゲ
ートである。
【0034】以下、図6に示した電子放出素子の製造工
程について説明する。
【0035】(1) 不純物濃度を1x1014cm-3
下としたアンドープの半絶縁性GaAs半導体基板60
1に、通常のフオトリソグラフイー技術により反転パタ
ーンを形成した後、キヤリア濃度が約3x1018cm-3
となるように通常のイオン注入法によりBe注入を行な
った。850℃、10秒間の熱処理により、X方向に長
いストライプ状の高濃度P型半導体領域602を形成し
た。
【0036】(2) MBE法によりBe濃度が1x1
15cm-3以下の低濃度P型GaAs半導体層603を
厚さ0.6μmだけ成長した。
【0037】(3) 高濃度P型半導体領域604には
キヤリア濃度が2x1018cm-3となるようにFIB注
入法により40kevに加速したBeイオンを注入し
た。また、P型半導体領域605にはキヤリア濃度が5
x1017cm-3となるように、FIB注入法により16
0kevに加速したBeイオンを注入した。
【0038】(4) 高濃度P型半導体領域606に
は、低濃度P型半導体層603表面より高濃度P型半導
体領域602までキヤリア濃度がほぼ均一に3x1018
cm-3となるように、FIB注入法により160kev
及び40kevに加速したそれぞれのBeイオンを注入
した。
【0039】以上(1)から(4)のFIB注入工程と
MBE成長工程とは、それぞれの装置が真空トンネルで
接続されているので、大気にさらされることなく行なわ
れた。これらの注入工程が終了した後、更に850℃、
10秒間の熱処理により、注入部604及び605及び
606を活性化した。
【0040】(5) 絶縁膜607として、通常のスパ
ツタリング法によりSiO2を厚さ0.2μm堆積した
後、通常のフオトリソエツチング法によりそれぞれの開
口部を形成した。
【0041】(6) 高濃度P型半導体領域606上に
はAu/Crを真空蒸着し、350℃、5分の熱処理に
よりオーム性接合電極608を形成した。
【0042】(7) 電極配線としてはアルミニウム
(Al)を、P型GaAs半導体に対してシヨツトキ障
壁接合を形成する材料としてはWを、電子ビーム蒸着に
よりそれぞれ厚さ0.5μm及び8nm蒸着し、通常の
フオトリソエツチング法により電極配線609及びシヨ
ツトキ電極610を形成した。
【0043】(8) 絶縁材料による支持体611及び
ゲート612としては、SiO2及びWをそれぞれ真空
蒸着法により順次堆積し、通常のフオトリソエツチング
法により形成した。
【0044】この様にして作製された電子放出部がX方
向に20個、Y方向に10個マトリクス状に並んだマル
チ半導体電子放出素子を真空度が約1x10-7Torr
の真空チヤンバ内に設置し、マルチ素子全部に逆方向電
圧7vを印加したところ、合計約20nAの電子放出が
確認された。また、任意のオーム性接合電極608と任
意の電極配線609との間のみに電圧を印加することに
より、その交点の素子のみが電子放出することが確認さ
れた。この様に本発明により、従来の半導体マルチ電子
放出素子と同等の電子放出特性を有する、極めて単純な
構造で製造工程の簡略な素子が形成可能となった。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体電
子放出素子は、アバランシエ降伏を生じる高濃度P型半
導体領域(第1の領域)が、その第1の領域へとキヤリ
アを供給するP型半導体領域(第2の領域)と接し、且
つ、その第1の領域の周囲にシヨツトキ障壁接合あるい
はPN接合を形成するP型半導体領域(第3の領域)を
有する構造とし、それらのキヤリア濃度の関係を前述の
とおりに作製することにより、従来の素子の様に高濃度
N型半導体のガードリング構造を必要としない極めて単
純な素子構造が可能となった。この単純な素子構造の実
現に伴い、素子サイズの小型化及びその製造工程の簡略
化が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したシヨツトキ障壁接合を用いた
半導体電子放出素子の断面の概略図である。
【図2】素子の電流−電圧特性を示した図である。
【図3】第2の領域を低抵抗に形成した素子の電流−電
圧特性を示した図である。
【図4】シヨツトキ障壁接合を用いた素子の動作原理を
説明するめのバンド図である。
【図5】本発明を実施したPN接合を用いた半導体電子
放出素子の断面の概略図である。
【図6】本発明を実施したシヨツトキ障壁接合を用いた
半導体マルチ電子放出素子の概略図である。
【符号の説明】
101 高濃度P型半導体基板 102 低濃度P型半導体層 103 アバランシエ降伏を生じる高濃度P型半導体領
域(第1の領域) 104 P型半導体領域(第2の領域) 105 絶縁膜 106 オーム性接合電極 107 電極配線 108 シヨツトキ障壁接合電極 109 電源

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料あるいは金属化合物材料とP型
    半導体とのシヨツトキ障壁接合に逆方向電圧を印加して
    アバランシエ降伏を生じさせ、固体表面より外部へと電
    子放出する半導体電子放出素子において、そのアバラン
    シエ降伏を生じるP型半導体領域(第1の領域)が、そ
    の第1の領域へとキヤリアを供給するP型半導体領域
    (第2の領域)と接し、且つ、その第1の領域の周囲に
    シヨツトキ障壁接合を形成するP型半導体領域(第3の
    領域)を有する構造であり、且つ、第1、第2、第3の
    領域のキヤリア濃度の関係が次の範囲であることを特徴
    とする半導体電子放出素子。 (第1の領域)>(第2の領域)>(第3の領域)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の構造を有する半導体電
    子放出素子において、その第1、第2、第3の領域のキ
    ヤリア濃度の関係が次の範囲であることを特徴とする半
    導体電子放出素子。 (第2の領域)≧(第1の領域)>(第3の領域)
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは請求項2に記載の半導
    体電子放出素子において、固体表面より放出した電子の
    飛行方向あるいは運動エネルギーを規定するための電極
    を素子表面近傍に設けたことを特徴とする半導体電子放
    出素子。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3に記載の半導体電
    子放出素子において、その金属材料あるいは金属化合物
    材料の表面に、仕事関数の異なる材料を堆積したことを
    特徴とする半導体電子放出素子。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4に記載の半導体電
    子放出素子が、P型半導体上あるいはN型半導体上に形
    成されたことを特徴とする半導体電子放出素子。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5に記載の半導体電
    子放出素子が、同一基板上に複数個形成されたことを特
    徴とする半導体電子放出素子。
  7. 【請求項7】 請求項6の半導体電子放出素子におい
    て、それぞれの電子放出部が電気的に孤立し、それぞれ
    個々に電子放出可能なことを特徴とする半導体電子放出
    素子。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7に記載の半導体電
    子放出素子において、第1の領域、あるいは第2の領
    域、あるいは第3の領域をイオン注入法により形成した
    ことを特徴とする半導体電子放出素子。
  9. 【請求項9】 N型半導体とP型半導体とのPN接合に
    逆方向電圧を印加してアバランシエ降伏を生じさせ、固
    体表面より外部へと電子放出する半導体電子放出素子に
    おいて、そのアバランシエ降伏を生じるP型半導体領域
    (第1の領域)が、その第1の領域へとキヤリアを供給
    するP型半導体領域(第2の領域)と接し、且つ、その
    第1の領域の周囲にPN接合を形成するP型半導体領域
    (第3の領域)を有する構造であり、且つ、第1、第
    2、第3の領域のキヤリア濃度の関係が次の範囲である
    ことを特徴とする半導体電子放出素子。 (第1の領域)>(第2の領域)>(第3の領域)
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の構造を有する半導体
    電子放出素子において、その第1、第2、第3の領域の
    キヤリア濃度の関係が次の範囲であることを特徴とする
    半導体電子放出素子。 (第2の領域)≧(第1の領域)>(第3の領域)
  11. 【請求項11】 請求項9あるいは請求項10に記載の
    半導体電子放出素子において、固体表面より放出した電
    子の飛行方向あるいは運動エネルギーを規定するための
    電極を素子表面近傍に設けたことを特徴とする半導体電
    子放出素子。
  12. 【請求項12】 請求項9から請求項11に記載の半導
    体電子放出素子において、そのN型半導体の表面に、仕
    事関数の異なる材料を堆積したことを特徴とする半導体
    電子放出素子。
  13. 【請求項13】 請求項9から請求項12に記載の半導
    体電子放出素子が、P型半導体上あるいはN型半導体上
    に形成されたことを特徴とする半導体電子放出素子。
  14. 【請求項14】 請求項9から請求項13に記載の半導
    体電子放出素子が、同一基板上に複数個形成されたこと
    を特徴とする半導体電子放出素子。
  15. 【請求項15】 請求項14の半導体電子放出素子にお
    いて、それぞれの電子放出部が電気的に孤立し、それぞ
    れ個々に電子放出可能なことを特徴とする半導体電子放
    出素子。
  16. 【請求項16】 請求項9から請求項15に記載の半導
    体電子放出素子において、第1の領域、あるいは第2の
    領域、あるいは第3の領域をイオン注入法により形成し
    たことを特徴とする半導体電子放出素子。
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