JPH0574328A - 半導体電子放出素子 - Google Patents

半導体電子放出素子

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Publication number
JPH0574328A
JPH0574328A JP23445491A JP23445491A JPH0574328A JP H0574328 A JPH0574328 A JP H0574328A JP 23445491 A JP23445491 A JP 23445491A JP 23445491 A JP23445491 A JP 23445491A JP H0574328 A JPH0574328 A JP H0574328A
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JP
Japan
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type semiconductor
electron
semiconductor region
emitting device
region
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Pending
Application number
JP23445491A
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English (en)
Inventor
Nobuo Watanabe
信男 渡邊
Takeo Tsukamoto
健夫 塚本
Norio Kaneko
典夫 金子
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 素子構造および製造工程の簡略化とともに、
素子動作の高速化を可能にする。 【構成】 電子放出部が、ショットキ電極108とショ
ットキ障壁接合を形成し、アバランシェ降伏を生じる高
濃度P型半導体領域105と、該高濃度P型半導体領域
105の周囲に位置し、前記ショットキ電極108とシ
ョットキ障壁接合を形成するP型半導体領域103と、
該P型半導体領域103の周囲に位置し、前記ショット
キ電極108とショットキ障壁接合を形成する低濃度N
型半導体領域102と、前記高濃度P型半導体領域10
5に接触して位置し、該高濃度P型半導体領域105に
キャリアを供給するP型半導体領域104とからなり、
それぞれのキャリア濃度の大小関係は、(高濃度P型半
導体領域105)>(P型半導体領域104)>(P型
半導体領域103)>(N型半導体領域102)であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体電子放出素子に係
わり、特にアバランシェ降伏をおこさせホット化した電
子を放出させる半導体電子放出素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体電子放出素子のうち、アバ
ランシェ降伏機構を用いたものとしては、例えば米国特
許第4259678号及び米国特許第4303930号
に記載されているものが知られている。これらの半導体
電子放出素子は、半導体基板上にP型半導体層とN型半
導体層とを形成し、そのN型半導体層の表面にセシウム
等を付着させて表面の仕事関数を低下させることにより
電子放出部を形成したものである。そして前記P型半導
体層と前記N型半導体層とにより形成されたPN接合の
両端に逆バイアス電圧を印加してアバランシェ降伏を起
こすことにより電子をホット化し、電子放出部から半導
体基板表面に垂直な方向に電子放出を行なうものであ
る。
【0003】また別に、特開平01−220328号に
示されているように、P型半導体と金属材料、あるいは
P型半導体と金属化合物とによりショットキ障壁接合を
形成し、そのショットキ障壁接合の両端に逆バイアス電
圧を印加してアバランシェ降伏を起こすことにより電子
をホット化し、電子放出部から半導体基板表面に垂直な
方向に電子放出を行なうものがある。
【0004】上述した従来の半導体電子放出素子は、P
N接合あるいはショットキ障壁接合の両端に逆バイアス
電圧を印加した時に、空乏層幅が最も薄く形成される高
濃度P型半導体領域においてアバランシェ降伏を起こ
し、そこで生成されるエネルギーの高い電子を固体表面
より外部へ放出させるものである。しかしながら、PN
接合あるいはショットキ障壁接合の周囲における空乏層
の形状は、その半導体のキャリア濃度および印加電圧に
依って決定される曲率半径を有するために、空乏層の他
の部分よりも電界が集中してしまう。したがって、本来
必要とする高濃度P型半導体領域でアバランシェ降伏が
生じるよりも低い印加電圧において、その空乏層周囲で
降伏あるいは電流のリークが起こってしまい、素子特性
を悪化させてしまう。
【0005】また、このPN接合あるいはショットキ障
壁接合の電子放出素子において、アバランシェ降伏を生
じる高濃度P型半導体領域の周囲のP型半導体のキャリ
ア濃度を低下させることにより空乏層周囲の曲率半径を
大きくし、そこでの低電圧での降伏を防ぐことが可能で
あるが、キャリアを供給するための電極とアバランシェ
降伏を起こす高濃度P型半導体領域との間の電気抵抗値
が高くなり、素子の動作電圧が上昇するばかりでなく、
ジュール熱の発生等による素子特性の悪化の問題が発生
する。
【0006】そこで従来の素子においては、高濃度P型
半導体領域の周囲のP型半導体領域のキャリア濃度を極
端に低下することが不都合なので、そのP型半導体領域
内部に、前記高濃度P型半導体領域と同心円になるよう
に高濃度N型半導体のガードリング構造体を形成してい
た。これにより、前記高濃度P型半導体領域から外側へ
P型半導体領域、高濃度N型半導体領域と連続して空乏
層を形成しその最も外側の曲率半径を大きく形成するこ
とにより、空乏層周囲での降伏や電流のリークを防止し
ていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の半導体
電子放出素子の素子構造は、リング状のN型半導体領域
(ガードリング構造体)を高濃度に形成するためのイオ
ン注入あるいは熱拡散等の製造工程や、その高濃度N型
半導体のガードリングに電圧を印加するためのオーム性
接合電極を形成する工程が必要となり、製造工程が繁雑
になるという問題点がある。
【0008】本発明は、上記従来の技術が有する問題点
に鑑みてなれたもので、素子構造および製造工程の簡略
化とともに、素子動作の高速化を可能にする半導体電子
放出素子を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属材料ある
いは金属化合物材料と半導体とのショットキ障壁接合か
らなる電子放出部を有して固体表面から電子を放出する
半導体電子放出素子において、前記電子放出部が、前記
ショットキ障壁接合を形成してアバランシェ降伏を生じ
る第1のP型半導体領域を備え、さらに、前記第1のP
型半導体領域の周囲に位置する第2のP型半導体領域
と、該第2のP型半導体領域の周囲に位置するN型半導
体領域と、前記第1のP型半導体領域へキャリアを供給
する第3のP型半導体領域とを有し、前記第1ないし第
3のP型半導体領域およびN型半導体領域のキャリア濃
度の大小関係が、 (第1のP型半導体領域)>(第3のP型半導体領域)
>(第2のP型半導体領域)>(N型半導体領域) である。
【0010】また、本発明は、金属材料あるいは金属化
合物材料と半導体とのショットキ障壁接合からなる電子
放出部を有して固体表面から電子を放出する半導体電子
放出素子において、前記電子放出部が、前記ショットキ
障壁接合を形成してアバランシェ降伏を生じる第1のP
型半導体領域を備え、さらに、前記第1のP型半導体領
域の周囲に位置する第2のP型半導体領域と、該第2の
P型半導体領域の周囲に位置するN型半導体領域と、前
記第1のP型半導体領域にキャリアを供給するための第
3のP型半導体領域とを有し、前記第1ないし第3のP
型半導体領域およびN型半導体領域のキャリア濃度の大
小関係が、 (第3のP型半導体領域)≧(第1のP型半導体領域)
>(第2のP型半導体領域)>(N型半導体領域) である。
【0011】さらに、本発明は、N型半導体とP型半導
体とのPN接合からなる電子放出部を有して固体表面か
ら電子を放出する半導体電子放出素子において、前記電
子放出部が、前記固体表面に位置する第1のN型半導体
領域と、該第1のN型半導体領域と前記PN接合を形成
してアバランシェ降伏を生じる第1のP型半導体領域と
を備え、さらに、前記第1のP型半導体領域の周囲に位
置する第2のP型半導体領域と、該第2のP型半導体領
域の周囲に位置する第2のN型半導体領域と、前記第1
のP型半導体領域へキャリアを供給するための第3のP
型半導体領域とを有し、前記第1ないし第3のP型半導
体領域および第1、第2のN型半導体領域のキャリア濃
度の大小関係が、 (第1の型半導体領域)>(第1のP型半導体領域)>
(第3のP型半導体領域)>(第2のP型半導体領域)
>(第2のN型半導体領域) である。
【0012】また、本発明は、N型半導体とP型半導体
とのPN接合からなる電子放出部を有して固体表面から
電子を放出する半導体電子放出素子において、前記電子
放出部が、前記固体表面に位置する第1のN型半導体領
域と、該第1のN型半導体領域と前記PN接合を形成し
てアバランシェ降伏を生じる第1のP型半導体領域とを
備え、さらに、前記第1のP型半導体領域の周囲に位置
する第2のP型半導体領域と、該第2のP型半導体領域
の周囲に位置する第2のN型半導体領域と、前記第1の
P型半導体領域へキャリアを供給するための第3のP型
半導体領域とを有し、前記第1ないし第3のP型半導体
領域および第1、第2のN型半導体領域のキャリア濃度
の大小関係が、 (第1のN型半導体領域)>(第3のP型半導体領域)
≧(第1のP型半導体領域)>(第2のP型半導体領
域)>(第2のN型半導体領域) である。
【0013】
【作用】本発明は前記従来の課題を解決するために、以
下の手段を講ずるものである。
【0014】前記半導体電子放出素子において、アバラ
ンシェ降伏を生じる高濃度の第1のP型半導体領域の周
囲に、キャリア濃度が低い第2のP型半導体領域と更に
キャリア濃度が低いN型半導体領域とを形成する。これ
により、空乏層の形状を、前記第1のP型半導体領域に
おいて最も薄く、電界が集中しやすい形状とすることが
可能となる。したがって、前記第1のP型半導体領域で
のみ効率良くアバランシェ降伏を生じさせることが可能
となる。また、第1のP型半導体領域へキャリアを供給
する経路を、第2のP型半導体領域よりもキャリア濃度
が高い第3のP型半導体領域とすることにより、半導体
電子放出素子の直列抵抗値が低下する。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0016】(実施例1)まず、第1実施例について図
1を参照して説明する。
【0017】図1は、本発明の第1実施例であるショッ
トキ障壁接合型の半導体電子放出素子を示す断面図であ
る。
【0018】本実施例の半導体電子放出素子は、高濃度
P型半導体基板101上の略中央部に、円筒状の、第1
のP型半導体領域である高濃度P型半導体領域105と
該高濃度P型半導体領域105にキャリアを供給する第
3のP型半導体領域であるP型半導体領域104とを接
触して配置し、さらに、前記高濃度P型半導体領域10
5およびP型半導体領域104の周囲に外側に向って同
心円状に、第2のP型半導体領域であるP型半導体領域
103と、低濃度N型半導体領域102とを配置すると
ともに、素子表面に、前記高濃度P型半導体領域105
とのショットキ障壁接合を形成する金属膜108を配し
てなるショットキ障壁接合型の素子である。
【0019】さらに、本実施例の半導体電子放出素子
は、前記ショットキ障壁接合に逆方向電圧を印加するた
めの、高濃度P型半導体基板101に対するオーム性接
合電極106と前記金属膜108に対する電極配線10
9とが設けられており、前記逆方向電圧は電源110か
ら印加される。
【0020】なお、前記電極配線109は、前述したP
型あるいはN型の各半導体領域との短絡を防ぐために前
記低濃度N型半導体領域102上に形成した絶縁膜10
7上にて金属膜108と接触している。また、図中11
1は前記逆方向電圧を印加した状態での空乏層端の形状
を示しており、112は前記逆方向電圧を印加すること
でアバランシェ降伏が起る領域を示している。
【0021】ここで、図2を参照してショットキ障壁接
合型を用いた半導体電子放出素子における電子放出過程
において説明する。
【0022】P型半導体とショットキ障壁接合を形成し
てなるショットキダイオードに逆バイアス電圧を印加す
ることにより、P型半導体の電導帯の底EC はショット
キ障壁を形成する金属電極の真空準位EVAC よりも高い
エネルギー準位となり、アバランシェ降伏が発生する。
アバランシェ降伏によって生成された電子は、半導体−
金属電極界面に生ずる空乏層内の電界によって格子温度
よりも高いエネルギーを得て、P型半導体からショット
キ障壁接合を形成する金属電極へと注入される。ショッ
トキ障壁接合を形成する金属電極表面の仕事関数よりも
大きなエネルギーを持った電子は、真空中へ放出され
る。したがって前述のように、金属電極表面を低仕事関
数処理することは電子放出量の増加につながる。
【0023】以下、図1に示した半導体電子放出素子の
具体的な製造工程の一例について説明する。
【0024】(1)キャリア濃度が5×1018cm-3の亜
鉛(Zn)ドープの高濃度P型半導体基板101(Ga
As)上に分子線エピタキシャル成長(MBE)法によ
り、シリコン(Si)濃度が5×1016cm-3の低濃度N
型GaAs半導体層を厚さ0.6μm成長した。この低
濃度N型GaAs半導体層が後に低濃度N型半導体領域
102となる。
【0025】(2)P型半導体領域103に相当する領
域には、前記低濃度N型GaAs半導体層表面から前記
高濃度P型半導体基板101までほぼ均一にBe濃度が
2×1017cm-3となるように、集束イオンビーム(FI
B)注入法により160keVおよび40keVに加速
したBeイオンを順次注入した。また、P型半導体領域
104および高濃度P型半導体領域105に相当する領
域にも、FIB注入法により、Be濃度がそれぞれ1×
1018cm-3および2×1018cm-3となるようにBeイオ
ンを注入した。
【0026】(3)前述のようにBeイオンを注入した
低濃度N型GaAs半導体層の表面に、スパッタリング
法によりキャップ材としてSiO2を厚さ約0.1μm
堆積後、850℃,10秒間の熱処理により注入部を活
性化した。
【0027】以上の工程(1),(2),(3)によ
り、第1ないし第3のP型半導体領域である高濃度P型
半導体領域105およびP型半導体領域103,104
とN型半導体領域である低濃度N型半導体領域102と
を形成することが可能であり、高濃度N型ガードリング
とそのオーム性接合電極を有する従来素子と比較して、
製造工程の簡略化が可能となった。
【0028】前記高濃度P型半導体領域105およびP
型半導体領域103,104とN型半導体領域102の
キャリア濃度の大小関係は、 高濃度P型半導体領域105(第1のP型半導体領域)
>P型半導体領域104(第3のP型半導体領域)>P
型半導体領域103(第2のP型半導体領域)>N型半
導体領域102(N型半導体領域) となっている。
【0029】(4)次に、前述の熱処理用のSiO2
を除去した後、絶縁膜107としてSiO2 を厚さ0.
5μm成膜する。また、前記高濃度P型半導体基板10
1の裏面に金(Au)/クロム(Cr)を真空蒸着して
350℃、5分の熱処理によりオーム性接合電極106
を形成した。
【0030】(5)通常のフォトリソグラフィー法によ
り、前記ショットキ障壁接合を形成するため前記絶縁膜
107の開口を形成した後、P型GaAs半導体からな
るP型半導体領域103および高濃度P型半導体領域1
05に対してショットキ障壁接合を形成する材料として
タングステン(W)を選択し、前記開口内に電子ビーム
蒸着と通常のフォトリソグラフィーにより厚さ8nmの
金属膜108を形成した。この金属膜108を形成する
ことにより前記高濃度P型半導体領域105とのショッ
トキ障壁接合の電子放出部が形成されたことになる。
【0031】(6)前記絶縁膜107と金属膜108と
の接合部分に、アルミニウムを真空蒸着し、通常のフォ
トリソグラフィー法により、電極配線109を形成し
た。
【0032】このようにして作製された半導体電子放出
素子を、真空度が約1×10-7Torrに保たれた真空チャ
ンバ内に設置し、電源110によりオーム性接合電極1
06と電極配線109との間に7Vを印加したところ、
高濃度P型半導体領域105の上部の金属膜108表面
より約15pAの電子放出が観測された。また、印加電
圧(素子電圧)を10Vまで順次増大したところ、図3
に示すように、電子放出量(エミッション電流)も約1
00pAまで順次増大した。この素子電圧印加時の空乏
層111は、高濃度P型半導体領域105において、金
属膜108とのショットキ障壁界面より約0.04μm
広がっていると考えられる。電界が最も集中するのは高
濃度P型半導体領域105のアバランシェ領域112の
部分であり、この領域において効率良くアバランシェ降
伏が起こる。
【0033】また、上記作製条件において、第1のP型
半導体領域である高濃度P型半導体領域105にキャリ
アを供給する第3のP型半導体領域であるP型半導体領
域104のBe濃度のみを3×1018cm-3となるように
変えて作製した半導体電子放出素子を同様の真空チャン
バ内に設置したときの電気特性を図4に示した。その半
導体電子放出素子に対し電源110により素子電圧5V
を印加したところ、高濃度P型半導体領域105の上部
の金属膜108表面より20pA(エミッション電流)
の電子放出が観測された。また、素子電圧を7Vまで順
次増大したところ、エミッション電流も約100pAま
で順次増大した。
【0034】このように、前記P型半導体領域104の
キャリア濃度を変えることにより、半導体電子放出素子
の電流電圧特性を規定することが可能である。また、P
型半導体領域104の抵抗値を低下させることにより、
素子の直列抵抗値が減少でき、動作速度を速くすること
が可能となった。
【0035】さらに、本実施例において、電極配線10
9上に絶縁膜を介して別の電極を設け、該電極と、電極
配線109との間に電位差を設定することによって、電
子放出部から放出した電子の飛行方向および運動エネル
ギーを規制することが可能である。
【0036】上述した実施例では、半導体としてGaA
sを用いた例を示したが、他の半導体材料として、原理
的には例えばSi,Ge,GaP,AlAs,GaAs
P,AlGaAs,SiC,BP,AlN,ダイヤモン
ド等が適用可能であり、特に間接遷移型でバンドギャッ
プの大きい材料が適している。また、半絶縁性領域を形
成するには、結晶内部の各種の内因性欠陥や残留不純物
および意図的に加えた補償用不純物によって形成可能で
ある。この半絶縁性領域を形成する場合、ドーパントを
含まないアンドープ結晶も半絶縁性を有するので適用可
能である。 オーム性接合電極106の材料としては、
タングステン(W)の他にAl,Au,LaB6等一般
に知られている、前記P型半導体に対してショットキ障
壁接合を形成するものであれば良い。ただし、前述した
ように、この電極表面の仕事関数は小さいほど電子放出
効率が増大するので、その材料の仕事関数が大きい場合
は表面にCs等の低仕事関数材料を薄く被覆することに
より電子放出効率が向上する。
【0037】(実施例2)次に、本発明の第2実施例に
ついて図5を参照して説明する。
【0038】図5は、本発明の第2実施例であるPN接
合型の半導体電子放出素子を示す断面図である。
【0039】本実施例の半導体電子放出素子は、高濃度
P型半導体基板501上の略中央部に、円筒状の、第1
のP型半導体領域である高濃度P型半導体領域505と
該高濃度P型半導体領域505にキャリアを供給する第
3のP型半導体領域であるP型半導体領域504とを接
触して配置し、さらに、前記高濃度P型半導体領域50
5およびP型半導体領域504の周囲に外側に向って同
心円状に、第2のP型半導体領域であるP型半導体領域
503と、第2のN型半導体領域である低濃度N型半導
体領域502とを配置するとともに、前記高濃度P型半
導体領域505とのPN接合を形成する第1のN型半導
体領域である高濃度N型半導体領域506を備えたPN
接合型の素子である。
【0040】さらに、本実施例の半導体電子放出素子
は、前記PN接合部に逆方向電圧を印加するための、高
濃度P型半導体基板501に対するオーム性接合電極5
07と、高濃度N型半導体領域506に対するオーム性
接合電極509と、前記高濃度N型半導体領域506表
面に形成した低仕事関数被膜510とが設けられてお
り、前記逆方向電圧は電源511から印加される。
【0041】なお、オーム性接合電極509は低濃度N
型半導体領域502との短絡を防ぐため、該低濃度N型
半導体領域502の表面縁部に沿って形成された絶縁膜
508を介して前記高濃度N型半導体領域506に接触
されている。また、図中512は前記逆方向電圧を印加
した状態での空乏層端の形状を示しており、513は前
記逆方向電圧を印加することでアバランシェ降伏が起る
領域を示している。
【0042】以下、本実施例の、PN接合型の半導体電
子放出素子の具体的な製造工程の一例について説明す
る。
【0043】(1)キャリア濃度が5×1018cm-3のZ
nドープの高濃度P型半導体基板501(GaAs)上
にMBE法により、Si濃度が5×1016cm-3以下の低
濃度N型GaAs半導体層を厚さ0.6μm成長した。
この低濃度N型GaAs半導体層が後に低濃度N型半導
体領域502となる。
【0044】(2)P型半導体領域503に相当する領
域には、前記低濃度N型GaAs半導体層表面から前記
高濃度P型半導体基板501までほぼ均一にBe濃度が
2×1017cm-3となるように、FIB注入法により16
0keVおよび40keVに加速したBeイオンを順次
注入した。また、P型半導体領域504および高濃度P
型半導体領域505に相当する領域にも、Be濃度がそ
れぞれ1×1018cm-3および2×1018cm-3となるよう
にFIB注入した。
【0045】(3)高濃度N型半導体領域506に相当
する領域には、Si濃度が約1×1019cm-3となるよう
にイオン注入を行なった。この高濃度N型半導体領域5
06を厚く形成すると、アバランシェ降伏により生成さ
れた電子は散乱してエネルギーを失い、電子放出効率が
悪化する。そこで、このイオン注入を低加速電圧で行な
うか、あるいは表面をエッチングするなどして、厚さを
20nm以下に形成するのが望ましい。この高濃度N型
半導体領域506を形成することにより、前記高濃度P
型半導体領域505とのPN接合からなる電子放出部が
形成されたことになる。
【0046】(4)前述のようにイオン注入がなされた
低濃度N型GaAs半導体層の表面に、キャップ材とし
てSiO2 をスパッタリング法により厚さ約0.1μm
堆積後、850℃、10秒間の熱処理により注入部を活
性化した。
【0047】以上の工程(1),(2),(3)によ
り、第1ないし第3のP型半導体領域である高濃度P型
半導体領域505およびP型半導体領域503,504
と第1、第2のN型半導体領域である高濃度N型半導体
領域506および低濃度N型半導体領域502を形成す
ることが可能であり、高濃度N型ガードリングを有する
従来素子と比較して製造工程の簡略化が可能となった。
【0048】前記高濃度P型半導体領域505、P型半
導体領域503,504および高濃度N型半導体領域5
06、低濃度N型半導体領域502のキャリア濃度の大
小関係は、 高濃度N型半導体領域506(第1のN型半導体領域)
>高濃度P型半導体領域505(第1のP型半導体領
域)>P型半導体領域504(第3のP型半導体領域)
>P型半導体領域503(第2のP型半導体領域)>低
濃度N型半導体領域502(第2のN型半導体領域) となっている。
【0049】(5)つづいて、前述の熱処理用のSiO
2 膜を除去した後、絶縁膜508としてSiO2 を厚さ
0.5μm成膜し、その絶縁膜508に対して、通常の
フォトリソグラフィー法により前記高濃度N型半導体領
域506に対応する範囲の開口を形成して該高濃度N型
半導体領域506を露出させた。そして、高濃度P型半
導体基板501に対するオーム性接合電極507として
Au/Crを、また、N型半導体である高濃度N型半導
体領域506に対するオーム性接合電極509としてA
u/Geをそれぞれ真空蒸着したのち、350℃、5分
の合金化熱処理を行なった。
【0050】(6)次に、前記高濃度N型半導体領域5
06が露出している部分に、低仕事関数材料であるセシ
ウム(Cs)を超高真空中で単原子層程度蒸着して低仕
事関数被膜510とした。
【0051】このようにして作製した半導体電子放出素
子を1×10-11Torr 以下に保たれた真空チャンバ内に
設置し、電源511によりオーム性接合電極507,5
09間に6Vの素子電圧を印加したところ、高濃度P型
半導体領域505の上部の低仕事関数被膜510(C
s)表面より約0.1μAの電子放出が観測された。こ
のように本実施例により、従来の半導体電子放出素子と
同等の電子放出特性を有する、製造工程の簡略なPN接
合型半導体電子放出素子が形成可能となった。
【0052】また、本実施例の場合も、前述の第1実施
例の場合と同様に、オーム性接合電極509上に絶縁膜
を介して別の電極を設け、該電極とオーム性接合電極5
09との間に電位差を設定することによって、放出した
電子の飛行方向および運動エネルギーを規制することが
可能である。
【0053】(実施例3)次に、本発明の第3実施例に
ついて図6(a),(b)を参照して説明する。
【0054】図6は、本発明の第3実施例である、複数
の電子放出部が設けられた、ショットキ障壁型のマルチ
半導体電子放出素子を示す図であり、(a)はその平面
図、(b)は(a)のA−A’線断面図である。
【0055】本実施例のマルチ半導体電子放出素子は、
半導体基板601に形成した高濃度P型半導体領域60
2上に、前述した第1実施例と同様な構成の4個の電子
放出部600A,600B,600C,600Dをマト
リクス状に設けたものである。
【0056】前記電子放出部600A,600B,60
0C,600Dは何れも同じ構成であるので電子放出部
600Aを例にして説明する。
【0057】電子放出部600Aは、第1のP型半導体
領域である高濃度P型半導体領域606Aと、該高濃度
P型半導体領域606Aに接触して配置されて該高濃度
P型半導体領域606Aにキャリアを供給する第3のP
型半導体領域であるP型半導体領域605Aと、前記高
濃度P型半導体領域606AおよびP型半導体領域60
5Aの周囲に位置した第2のP型半導体領域であるP型
半導体領域604Aと、該P型半導体領域604Aの周
囲に位置した低濃度N型半導体領域603Aと、前記高
濃度P型半導体領域606Aとのショットキ障壁接合を
形成するショットキ電極611Aとからなるものであ
る。
【0058】さらに、前記ショットキ障壁接合に逆方向
電圧を印加するための、前記高濃度P型半導体領域60
2に対するオーム性接合電極609とショットキ電極6
11Aに対する電極配線610Aとが設けられている。
前記電極配線610Aは、前述したP型あるいはN型の
各半導体領域との短絡を防ぐために低濃度N型半導体領
域603A上に形成した絶縁膜608上にて前記ショッ
トキ電極611Aと接触している。
【0059】前記オーム性接合電極609は高濃度P型
半導体領域607を介して前記高濃度P型半導体領域6
02に接続されており、本実施例の場合、図6の(a)
に示すように、2箇所に設けられている。このオーム性
接合電極609は前記4個の電子放出部600A,60
0B,600C,600Dについて共通の電極である。
【0060】また、前記ショットキ電極611Aは、他
の電子放出部600B,600C,600Dのショット
キ電極611B,611C,611D(611C,61
1Dは不図示)と共通に接続してもよいが、その場合、
前記オーム性接合電極609が共通であるため、4個の
電子放出部600A,600B,600C,600Dは
同時に電子放出動作がコントロールされることになる。
一方、各電子放出部600A,600B,600C,6
00Dのショットキ電極611A,611B,611
C,611Dを独立とした場合は、各電子放出部600
A,600B,600C,600D毎のコントロールが
可能となる。さらに、前述したような構成の4個の電子
放出部600A,600B,600C,600Dが形成
された素子表面は、前記絶縁膜608上に設けられた絶
縁材料からなる支持体612を介して金属膜からなるゲ
ート613で、前記オーム性接合電極609以外の部分
が覆われている。このゲート613には、前記電子放出
部600A,600B,600C,600Dの上方に対
応する位置に、それぞれ開口部614A,614B,6
14C,614Dが形成されており、各電子放出部60
0A,600B,600C,600Dからの放出電子は
前記開口部614A,614B,614C,614Dを
通って外部へ飛出すことになる。
【0061】以下、本実施例のマルチ半導体電子放出素
子の具体的な製造工程の一例について説明する。
【0062】(1)不純物濃度を1×1014cm-3以下と
したアンドープの半絶縁性の半導体基板601(GaA
s)に、通常のフォトリソグラフィー法により反転パタ
ーンを形成した後、Be濃度が約3×1018cm-3となる
ように通常のイオン注入を行なった。
【0063】そして、850℃、10秒間の熱処理によ
り、X方向に長いストライプ状の高濃度P型半導体領域
602を形成した。
【0064】(2)MBE法によりSi濃度が1×10
18cm-3の低濃度N型半導体領域603としてGaAsを
厚さ0.6μmだけ成長した。
【0065】(3)P型半導体領域604A,604
B,604C,604Dに相当する領域にはBe濃度が
2×1017cm-3となるように、また、P型半導体領域6
05A,605B,605C,605Dに相当する領域
にはBe濃度が3×1018cm-3となるように、さらに高
濃度P型半導体領域606A,606B,606C,6
06Dに相当する領域にはBe濃度が2×1018cm-3
なるように、それぞれFIB法によりBeイオンを注入
した。また、高濃度P型半導体領域607に相当する領
域にはBe濃度が3×1018cm-3となるように、FIB
注入法によりBeイオンを注入した。
【0066】以上(1)から(3)のMBE成長工程と
FIB成長工程とは、それぞれの装置が真空トンネルで
接続されているので、大気にさらされることなく行なわ
れる。
【0067】(4)さらに、850℃、10秒間の熱処
理により、P型半導体領域604A,604B,604
C,604D,605A,605B,605C,605
Dと高濃度P型半導体領域606A,606B,606
C,606D,607を活性化した。
【0068】(5)前述のようにイオン注入が施された
低濃度N型半導体領域603上に、絶縁膜608とし
て、通常のスパッタリング法によりSiO2を厚さ0.
2μm堆積した後、前記ショットキ障壁接合を形成する
ため、通常のフォトリソエッチング法によりそれぞれ開
口を形成して高濃度P型半導体領域607と、P型半導
体領域604A,604B,604C,604Dおよび
高濃度P型半導体領域606A,606B,606C,
606Dとの部分を露出した。高濃度P型半導体領域6
07上にはAu/Crを真空蒸着し、350℃、5分の
熱処理によりオーム性接合電極609を形成した。
【0069】(6)電極配線610としてアルミニウム
(Al)を、また、高濃度P型半導体領域606A,6
06B,606C,606Dに対してショットキ障壁接
合を形成する材料としてタングステン(W)を、電子ビ
ーム蒸着によりそれぞれ厚さ0.5μmおよび8nm蒸
着し、通常のフォトリソエッチング法により電極配線6
10A,610B,610C,610Dおよびショット
キ電極611A,611B,611C,611Dを形成
した。
【0070】(7)絶縁材料による支持体612および
ゲート613としては、SiO2 およびタングステン
(W)をそれぞれ真空蒸着法により順次堆積し、通常の
フォトリソエッチング法により開口部614A,614
B,614C,614Dを形成した。
【0071】以上の工程(1)〜(7)により4個の電
子放出部600A,600B,600C,600Dを有
するマルチ半導体電子放出素子が完成した。
【0072】同じ様にして電子放出部をX方向に20
個、Y方向に10個マトリクス状に並べたマルチ半導体
電子放出素子を作製し、真空度が約1×10-7Torrの真
空チャンバ内に設置し、電子放出部全部に逆方向電圧7
Vを印加したところ、合計約20nAの電子放出が確認
された。また、任意のオーム性接合電極609と任意の
電極配線610との間のみに逆方向電圧を印加すること
により、その交点の素子のみが電子放出することが確認
された。このように本実施例によれば、従来のマルチ半
導体電子放出素子と同等の電子放出特性を有する、製造
の簡単な電子放出素子が形成可能となった。
【0073】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので下記のような効果を奏する。
【0074】(1)キャリア濃度の高い第1のP型半導
体領域の外側に、低濃度の第2のP型半導体領域とさら
に低濃度のN型半導体領域とを形成することで、空乏層
の形状を、前記第1のP型半導体領域において最も薄
く、電界が集中しやすい形状とすることができる。それ
によって、前記第1のP型半導体領域でのみ効率良くア
バランシェ降伏が生じることになるので、前述した従来
の技術で設けられていたガードリング構造が不要となり
素子構造とともに製造工程が簡略化される。
【0075】(2)前記第1のP型半導体領域にキャリ
アを供給するための第3のP型半導体領域のキャリア濃
度を、前記第1のP型半導体領域の周囲に位置する第2
のP型半導体領域のキャリア濃度より大きくすること
で、素子の直列抵抗値が低下するので、動作速度の速い
半導体電子放出素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体電子放出素子の第1実施例を示
す断面図である。
【図2】ショットキ障壁接合の半導体電子放出素子のエ
ネルギバンドの一例を示す図である。
【図3】本発明の半導体電子放出素子の電流−電圧特性
の一例を示す図である。
【図4】本発明の半導体電子放出素子の電流−電圧特性
の他の例を示す図である。
【図5】本発明の半導体電子放出素子の第2実施例を示
す断面図である。
【図6】本発明の半導体電子放出素子の第3実施例を示
す断面図である。
【符号の説明】
101,501 高濃度P型半導体基板 102,502,603 低濃度N型半導体領域 103,104,503,504,604,605
P型半導体領域 105,505,602,606,607 高濃度P
型半導体領域 106,507,509,609 オーム性接合電極 107,508,608 絶縁膜 108,611 ショットキ電極 109,610 電極配線 110,511 電源 111,512 空乏層 112,513 アバランシェ領域 506 高濃度N型半導体領域 510 低仕事関数被膜 600 電子放出部 601 半導体基板 612 支持体 613 ゲート 614 開口部

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料あるいは金属化合物材料と半導
    体とのショットキ障壁接合からなる電子放出部を有して
    固体表面から電子を放出する半導体電子放出素子におい
    て、 前記電子放出部が、前記ショットキ障壁接合を形成して
    アバランシェ降伏を生じる第1のP型半導体領域を備
    え、 さらに、前記第1のP型半導体領域の周囲に位置する第
    2のP型半導体領域と、 該第2のP型半導体領域の周囲に位置するN型半導体領
    域と、 前記第1のP型半導体領域へキャリアを供給する第3の
    P型半導体領域とを有し、 前記第1ないし第3のP型半導体領域およびN型半導体
    領域のキャリア濃度の大小関係が、 (第1のP型半導体領域)>(第3のP型半導体領域)
    >(第2のP型半導体領域)>(N型半導体領域) であることを特徴とする半導体電子放出素子。
  2. 【請求項2】 電子放出部の第1のP型半導体領域と第
    3のP型半導体領域とが接した構造を有することを特徴
    とする請求項1記載の半導体電子放出素子。
  3. 【請求項3】 電子放出部から放出する電子の飛行方向
    を規定するための電極を固体表面近傍に設けたことを特
    徴とする請求項1あるいは2記載の半導体電子放出素
    子。
  4. 【請求項4】 電子放出部から放出した電子の運動エネ
    ルギーを規定するための電極を固体表面近傍に設けたこ
    とを特徴とする請求項1,2あるいは3記載の半導体電
    子放出素子。
  5. 【請求項5】 電子放出部の、ショットキ障壁接合を形
    成する金属材料あるいは金属化合物材料の表面に、該金
    属材料あるいは金属化合物材料とは仕事関数の異なる材
    料を堆積したことを特徴とする請求項1,2,3あるい
    は4記載の半導体電子放出素子。
  6. 【請求項6】 電子放出部が半導体基板上に形成された
    ことを特徴とする請求項1,2,3,4あるいは5記載
    の半導体電子放出素子。
  7. 【請求項7】 電子放出部が同一基板上に複数個設けら
    れていることを特徴とする請求項1,2,3,4あるい
    は5記載の半導体電子放出素子。
  8. 【請求項8】 基板が半導体基板であることを特徴とす
    る請求項7記載の半導体電子放出素子。
  9. 【請求項9】 複数の電子放出部が、それぞれ電気的に
    独立し、個々に電子放出可能なことを特徴とする請求項
    7あるいは8記載の半導体電子放出素子。
  10. 【請求項10】 電子放出部の第1ないし第3のP型半
    導体領域およびN型半導体領域をイオン注入法により形
    成したことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,
    6,7,8あるいは9記載の半導体電子放出素子。
  11. 【請求項11】 金属材料あるいは金属化合物材料と半
    導体とのショットキ障壁接合からなる電子放出部を有し
    て固体表面から電子を放出する半導体電子放出素子にお
    いて、 前記電子放出部が、前記ショットキ障壁接合を形成して
    アバランシェ降伏を生じる第1のP型半導体領域を備
    え、 さらに、前記第1のP型半導体領域の周囲に位置する第
    2のP型半導体領域と、 該第2のP型半導体領域の周囲に位置するN型半導体領
    域と、 前記第1のP型半導体領域にキャリアを供給するための
    第3のP型半導体領域とを有し、 前記第1ないし第3のP型半導体領域およびN型半導体
    領域のキャリア濃度の大小関係が、 (第3のP型半導体領域)≧(第1のP型半導体領域)
    >(第2のP型半導体領域)>(N型半導体領域) であることを特徴とする半導体電子放出素子。
  12. 【請求項12】 電子放出部の、第1のP型半導体領域
    と第3のP型半導体領域とが接した構造を有することを
    特徴とする請求項11記載の半導体電子放出素子。
  13. 【請求項13】 電子放出部から放出する電子の飛行方
    向を規定するための電極を素子表面近傍に設けたことを
    特徴とする請求項11あるいは12記載の半導体電子放
    出素子。
  14. 【請求項14】 電子放出部から放出した電子の運動エ
    ネルギーを規定するための電極を素子表面近傍に設けた
    ことを特徴とする請求項11,12あるいは13記載の
    半導体電子放出素子。
  15. 【請求項15】 電子放出部の、ショットキ障壁接合を
    形成する金属材料あるいは金属化合物材料の表面に、該
    金属材料あるいは金属化合物材料とは仕事関数の異なる
    材料を堆積したことを特徴とする請求項11,12,1
    3あるいは14記載の半導体電子放出素子。
  16. 【請求項16】 電子放出部が半導体基板上に形成され
    たことを特徴とする請求項11,12,13,14ある
    いは15記載の半導体電子放出素子。
  17. 【請求項17】 電子放出部が同一基板上に複数個設け
    られていることを特徴とする請求項11,12,13,
    14あるいは15記載の半導体電子放出素子。
  18. 【請求項18】 基板が半導体基板であることを特徴と
    する請求項17記載の半導体電子放出素子。
  19. 【請求項19】 複数の電子放出部が、それぞれ電気的
    に独立し、個々に電子放出可能なことを特徴とする請求
    項17あるいは18記載の半導体電子放出素子。
  20. 【請求項20】 電子放出部の第1ないし第3のP型半
    導体領域およびN型半導体領域を、イオン注入法により
    形成したことを特徴とする請求項11,12,13,1
    4,15,16,17,18あるいは19記載の半導体
    電子放出素子。
  21. 【請求項21】 N型半導体とP型半導体とのPN接合
    からなる電子放出部を有して固体表面から電子を放出す
    る半導体電子放出素子において、 前記電子放出部が、前記固体表面に位置する第1のN型
    半導体領域と、該第1のN型半導体領域と前記PN接合
    を形成してアバランシェ降伏を生じる第1のP型半導体
    領域とを備え、 さらに、前記第1のP型半導体領域の周囲に位置する第
    2のP型半導体領域と、 該第2のP型半導体領域の周囲に位置する第2のN型半
    導体領域と、 前記第1のP型半導体領域へキャリアを供給するための
    第3のP型半導体領域とを有し、 前記第1ないし第3のP型半導体領域および第1、第2
    のN型半導体領域のキャリア濃度の大小関係が、 (第1のN型半導体領域)>(第1のP型半導体領域)
    >(第3のP型半導体領域)>(第2のP型半導体領
    域)>(第2のN型半導体領域) であることを特徴とする半導体電子放出素子。
  22. 【請求項22】 電子放出部の、第1のP型半導体領域
    と第3のP型半導体領域とが接した構造を有することを
    特徴とする請求項21記載の半導体電子放出素子。
  23. 【請求項23】 電子放出部から放出した電子の飛行方
    向を規定するための電極を固体表面近傍に設けたことを
    特徴とする請求項21あるいは22記載の半導体電子放
    出素子。
  24. 【請求項24】 電子放出部から放出した電子の運動エ
    ネルギーを規定するための電極を固体表面近傍に設けた
    ことを特徴とする請求項21,22あるいは23記載の
    半導体電子放出素子。
  25. 【請求項25】 電子放出部の第1のN型半導体領域の
    表面に、仕事関数の異なる材料を堆積したことを特徴と
    する請求項21,22,23あるいは24記載の半導体
    電子放出素子。
  26. 【請求項26】 電子放出部が半導体基板上に形成され
    たことを特徴とする請求項21,22,23,24ある
    いは25記載の半導体電子放出素子。
  27. 【請求項27】 電子放出部が同一基板上に複数個設け
    られていることを特徴とする請求項21,22,23,
    24あるいは25記載の半導体電子放出素子。
  28. 【請求項28】 基板が半導体基板であることを特徴と
    する請求項27記載の半導体電子放出素子。
  29. 【請求項29】 複数の電子放出部が、それぞれ電気的
    に独立し、それぞれ個々に電子放出可能なことを特徴と
    する請求項27あるいは28記載の半導体電子放出素
    子。
  30. 【請求項30】 第1ないし第3のP型半導体領域およ
    び第1,第2のN型半導体領域をイオン注入法により形
    成したことを特徴とする請求項21,22,23,2
    4,25,26,27,28あるいは29記載の半導体
    電子放出素子。
  31. 【請求項31】 N型半導体とP型半導体とのPN接合
    からなる電子放出部を有して固体表面から電子を放出す
    る半導体電子放出素子において、 前記電子放出部が、前記固体表面に位置して前記PN接
    合を形成する第1のN型半導体領域と、該第1のN型半
    導体領域とPN接合を形成して、アバランシェ降伏を生
    じる第1のP型半導体領域とを備え、 さらに、前記第1のP型半導体領域の周囲に位置する第
    2のP型半導体領域と、 該第2のP型半導体領域の周囲に位置する第2のN型半
    導体領域と、 前記第1のP型半導体領域へキャリアを供給するための
    第3のP型半導体領域とを有し、 前記第1ないし第3のP型半導体領域および第1、第2
    のN型半導体領域のキャリア濃度の大小関係が、 (第1のN型半導体領域)>(第3のP型半導体領域)
    ≧(第1のP型半導体領域)>(第2のP型半導体領
    域)>(第2のN型半導体領域) であることを特徴とする半導体電子放出素子。
  32. 【請求項32】 電子放出部の、第1のP型半導体領域
    と第3のP型半導体領域とが接した構造を有することを
    特徴とする請求項31記載の半導体電子放出素子。
  33. 【請求項33】 電子放出部から放出した電子の飛行方
    向を規定するための電極を固体表面近傍に設けたことを
    特徴とする請求項31あるいは32記載の半導体電子放
    出素子。
  34. 【請求項34】 電子放出部から放出した電子の運動エ
    ネルギーを規定するための電極を固体表面近傍に設けた
    ことを特徴とする請求項31,32あるいは33記載の
    半導体電子放出素子。
  35. 【請求項35】 電子放出部の第1のN型半導体領域の
    表面に、仕事関数の異なる材料を堆積したことを特徴と
    する請求項31,32,33あるいは34記載の半導体
    電子放出素子。
  36. 【請求項36】 電子放出部が半導体基板上に形成され
    たことを特徴とする請求項31,32,33,34ある
    いは35記載の半導体電子放出素子。
  37. 【請求項37】 電子放出部が同一基板上に複数個設け
    られていることを特徴とする請求項31,32,33,
    34あるいは35記載の半導体電子放出素子。
  38. 【請求項38】 基板が半導体基板であることを特徴と
    する請求項37記載の半導体電子放出素子。
  39. 【請求項39】 複数の電子放出部が、それぞれ電気的
    に独立し、それぞれ個々に電子放出可能なことを特徴と
    する請求項37あるいは38記載の半導体電子放出素
    子。
  40. 【請求項40】 第1ないし第3のP型半導体領域およ
    び第1,第2のN型半導体領域をイオン注入法により形
    成したことを特徴とする請求項31,32,33,3
    4,35,36,37,38あるいは39記載の半導体
    電子放出素子。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100730165B1 (ko) * 2005-11-21 2007-06-19 삼성에스디아이 주식회사 발광 소자 및 이를 이용한 평판 디스플레이 장치

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