JP3135118B2 - 電子源形成用基板、電子源及び画像形成装置並びにそれらの製造方法 - Google Patents
電子源形成用基板、電子源及び画像形成装置並びにそれらの製造方法Info
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Description
いられる電子源形成用基板と、該基板を用いた電子源並
びに画像形成装置、及び、それらの製造方法に関する。
て熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子を用いた2種類
のものが知られている。冷陰極電子放出素子には電界放
出型(以下、「FE型」という。)、金属/絶縁層/金
属型(以下、「MIM型」という。)や表面伝導型電子
放出素子等がある。FE型の例としてはW. P. Dyke &
W. W. Dolan,“Field emission”,Advance in Electoro
n Physics,8,89(1956)あるいはC. A. Spindt,“Physica
l Properties of Thin-Film Field Emission Cathodes
with Molybdenium Cones”,J.Appl.Phys.,47,5248(197
6)等に開示されたものが知られている。MIM型の例と
しては、C. A. Mead,“Operation of Tunnel-Emission
Devices”,J.Apply.Phys.,32,646(1961)等に開示された
ものが知られている。表面伝導型電子放出素子型の例と
しては、M. I. Elinson, Recio Eng. Electron Phys.,1
0,1290,(1965)等に開示されたものがある。表面伝導型
電子放出素子は、基板上に形成された小面積の薄膜に、
膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出が生ずる
現象を利用するものである。この表面伝導型電子放出素
子としては、前記エリンソン等によるSnO2 薄膜を用
いたもの、Au薄膜によるもの[G. Dittmer:“Thin Sol
id Films”,9,317(1972)]、In2 O3 /SnO2 薄膜
によるもの[M. Hartwell and C. G. Fonstad:“IEEE Tr
ans. ED Conf.”519(1975)]、カーボン薄膜によるもの
[荒木久 他:真空、第26巻、第1号、22頁(19
83)]等が報告されている。
置して構成された電子源を、内部を真空に保持した外囲
器中に保持して利用する為には、該電子源と外囲器、そ
の他の部材とを接合する必要がある。この接合は、フリ
ットガラスを用いて加熱、融着して行うのが一般的であ
る。この時の加熱温度は、400〜500℃程度が典型
的で、時間は外囲器の大きさなどによって異なるが、1
0分〜1時間程度が典型的である。
スによる接合が容易で確実であるという点と比較的安価
であるという点から、青板ガラスを用いる事が好まし
い。また、Naの一部をKに置換して歪み点を上昇させ
た高歪み点ガラスもフリット接続が容易であるため、好
ましく用いることができる。また、上記電子源の基板に
関してもその材質は、外囲器との接合の確実性から、同
様に青板ガラス、あるいは上記の高歪み点ガラスを用い
る事が好ましい。
分としてアルカリ金属元素、特にNaがNa2 Oとして
大量に含有されている。Na元素は熱による拡散が生じ
易いため、プロセス中で高温にさらされると、青板ガラ
ス上に形成された各種部材、特に、電子放出素子を構成
する部材中にNaが拡散し、その特性を変化させる場合
がある。
子源の基板として上述の高歪み点ガラスを用いた場合、
Na含有量が少ない分、程度は緩和されるが発生する場
合があることが分かった。
して、例えば、特開平10−241550号公報、EP
−A−850892号公報には、Naを含有する基板の
少なくとも電子放出素子が配置される側の表層領域の該
Naの含有濃度が、他の領域よりも小さくなっている電
子源形成用の基板、更には、リン含有層を有する電子源
形成用の基板が開示されている。また一方では、電子源
が形成される基板は通常絶縁材料よりなるため、電子を
放出させる為に使用する高電圧の印加された状態で駆動
する場合においては、基板の露出している部分でチャー
ジアップ現象が生じ、このチャージアップへの対策が何
ら採られていない場合には、安定に長時間駆動する事が
困難になってしまったり、電子源から放出される電子の
軌道が乱されてしまい電子放出特性が経時的に変化する
場合がある 以上のようなチャージアップによる影響を低減する手段
として、例えば、USP4,954,744号公報、あ
るいは、特開平8−180801号公報には、基板表面
あるいは電子放出素子表面を108 〜1010Ω/□のシ
ート抵抗を有する帯電防止膜で被覆することが開示され
ている。
特性の経時的変化が低減される電子源形成用基板及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
特性の経時的変化が低減された電子源とその電子源を用
いた画像形成装置、更には、それらの製造方法を提供す
ることを目的とする。
の電子放出特性のばらつきが低減される電子源形成用基
板及びその製造方法を提供することを目的とする。
の電子放出特性のばらつきが低減された電子源とその電
子源を用いた画像形成装置、更には、それらの製造方法
を提供することを目的とする。
用基板は、電子放出素子が配置される電子源形成用基板
であって、Naを含有する基板と、該基板上に形成され
た、SiO2を主成分とする第1の層と、該第1の層上
に形成された、SiO 2 と電子伝導性酸化物とを含有す
る第2の層とを有することを特徴とする。
上記の電子源形成用基板において、前記第1の層は、
P,B,Geからなる元素群から選ばれる少なくとも一
種の元素を含有していることを特徴とする。
電子放出素子が配置される電子源形成用基板であって、
Naを含有する基板と、該基板上に形成された、電子伝
導性酸化物を含有する第2の層と、該第2の層上に形成
された、SiO 2 を主成分とする第1の層とを有するこ
とを特徴とする。
上記の電子源形成用基板において、前記第2の層は、S
iO2をその構成成分として含有していることを特徴と
する。
上記の電子源形成用基板において、前記第1の層は、
P,B,Geからなる元素群から選ばれる少なくとも一
種の元素を含有していることを特徴とする。
上記の電子源形成用基板において、前記電子放出素子
は、前記第1または第2の層上に配置される、電子放出
部を有する導電性膜と、該導電性膜に接続された一対の
電極とを備える電子放出素子であることを特徴とする。
基板の前記第1の層または前記第2の層上に配置された
電子放出素子とを備えることを特徴とする。
と、該基板の前記第1の層または前記第2の層上に配置
された複数の電子放出素子とを備えることを特徴とす
る。
と、該基板の前記第1の層または前記第2の層上に配置
された複数の電子放出素子と、該複数の電子放出素子を
マトリクス配線した複数の行方向配線及び複数の列方向
配線とを備えることを特徴とする。
源において、前記電子放出素子は、前記第1または第2
の層上に配置される、電子放出部を有する導電性膜と、
該導電性膜に接続された一対の電極とを備える電子放出
素子であることを特徴とする。
源と、該電子源から放出される電子の照射により画像を
形成する画像形成部材とを備えることを特徴とする。
は、電子放出素子が形成される電子源形成用基板の製造
方法であって、Naを含有する基板上に、SiO2を主
成分とする第1の層を形成し、該第1の層上に、SiO
2 と電子伝導性酸化物とを含有する第2の層を形成する
ことを特徴とする。また本発明による電子源形成用基板
の製造方法は、電子放出素子が形成される電子源形成用
基板の製造方法であって、Naを含有する基板上に、電
子伝導性酸化物を含有する第2の層を形成し、該第2の
層上に、SiO 2 を主成分とする第1の層を形成するこ
とを特徴とする。
造方法は、上記の電子源形成用基板の製造方法におい
て、前記第1及び第2の層の形成は、化学的成膜法により
行われることを特徴とする。
造方法は、上記の電子源形成用基板の製造方法におい
て、前記第1及び第2の層の形成は、原料ソースとして有
機珪素化合物を用いてCVD法により成膜する工程と、
原料ソースとして、前記有機珪素化合物に加え電子伝導
性酸化物を形成するための有機金属化合物を用いてCV
D法により成膜する工程とを有することを特徴とする。
造方法は、上記の電子源形成用基板の製造方法におい
て、前記第1及び第2の層の形成は、有機珪素化合物を含
むコート層を形成する工程と有機珪素化合物及び電子伝
導性酸化物粒子を含むコート層を形成する工程と、前記
両コート層を加熱する工程とを有することを特徴とす
る。
含有する基板上に、SiO2を主成分とする第1の層を
形成し、該第1の層上に、SiO 2 と電子伝導性酸化物
とを含有する第2の層を形成する工程と、前記第2の層
上に電子放出素子を形成する工程とを有することを特徴
とする。また本発明による電子源の製造方法は、Naを
含有する基板上に、電子伝導性酸化物を含有する第2の
層を形成し、該第2の層上に、SiO 2 を主成分とする
第1の層を形成する工程と、前記第1の層上に電子放出
素子を形成する工程とを有することを特徴とする。
上記の電子源の製造方法において、前記電子放出素子は
炭素膜を有する電子放出素子であって、該電子放出素子
が、前記電子伝導性酸化物としてIn,Sn,Sb,R
eの中から選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物を含
有する第2の層上に形成されることを特徴とする。
上記の電子源の製造方法において、前記電子放出素子は
炭素膜を有する電子放出素子であり、前記第2の層がS
iO2を含有する層であって、該電子放出素子が、該第2
の層上に形成されることを特徴とする。
上記の電子源の製造方法において、前記電子放出素子は
炭素膜を有する電子放出素子であって、該電子放出素子
が、前記SiO2を主成分とする第1の層上に形成され
ることを特徴とする。
電子源と、該電子源から放出される電子の照射により画
像を形成する画像形成部材とを備える画像形成装置の製
造方法であって、前記電子源が上記のいずれかの方法に
て製造されることを特徴とする。
第1の層及び電子伝導性酸化物を含有する第2の層が形成
される基板は、Naを含有する基板全てを対象とするも
のであるが、好ましくは、主成分としてSiO2を50
〜75重量%、Naを2〜17重量%含有するガラス基
板である。
上記第2の層は、上記Na含有基板上にまず第1の層が形
成され、続いて、該第1の層上に第2の層が形成されてい
る場合と、上記Na含有基板上にまず第2の層が形成さ
れ、続いて、該第2の層上に第1の層が形成されている場
合の両方の場合を含む。
オン伝導性に対して用いられたもので、電子伝導性材料
を含有する層を設けることは以下の利点を有する。
に設けることにより、基板表面は電気伝導性を示すよう
になり、チャージアップによる駆動中の不安定性を抑制
することができる。この電気伝導性を得るために、イオ
ン伝導性材料を用いると、駆動にかかわる電圧が印加さ
れる事により、長時間電圧が印加されるうちにイオンが
移動し、その結果該イオンが偏析し、電子源特性を不安
定にすることがある。これはイオンの移動に要する時間
が大きいために、例えば駆動に関わりパルス状に電圧を
印加する場合においては、パルスとパルスの間、即ち休
止時間内にイオンの移動が完全に復元されないために生
ずるものと考えられる。このようなイオンの偏析が電子
源特性に影響をもたらす。従って、本発明のように基板
が電子伝導性材料を含有する層を有し、その伝導が主に
電子伝導による場合においては、イオンの偏析がほとん
ど生じず、上述の電子源特性にもたらす影響を回避でき
る。
の好ましい実施形態について説明する。
実施形態を示す断面図である。図1において、1はNa
を含有する、例えば、青板ガラス、あるいは、Naの一
部をKに置換して歪み点を上昇させた高歪み点ガラスな
どの基板、6はSiO2 を主成分とした第1の層、7は
該第1の層上に形成された電子伝導性酸化物を含有した
第2の層である。
源形成用基板は、第2の層7上に電子放出素子が形成さ
れる。そこで、SiO2 を主成分とした第1の層6は、
主として、電子放出素子を構成する部材へのNaの拡散
をブロックする目的で設けられた層であり、図1に示し
たように、Naを含有する基板1上に形成することで、
基板1からのNa拡散を抑制する効果を有する。第1の
層6の厚さは、上記のNa拡散を抑制する効果の点で、
300nm以上とされるのが好ましく、また、膜の応力
によるクラックの発生や膜はがれを防止するという点
で、更に3μm以下とされるのが特に好ましい。また、
第1の層に、P,B,Geのうち少なくとも一種以上の
元素が添加されていることは、第1の層の膜応力を緩和
することができるので、上記膜の応力によるクラックの
発生や膜はがれを生じることなく第1の層を比較的より
厚く形成することができるので好ましい。
含有した層であり、電子放出素子が形成される基板表面
の帯電を防止する目的で設けられた層である。この第2
の層7は電子伝導性を示すため、基板表面のチャージア
ップを抑制し、該第2の層7上に配置される電子放出素
子の安定した電子放出特性を得ることができる。第2の
層7の膜厚は特に規定されないが、基板表面のシート抵
抗値が108Ω/□〜101 3Ω/□の範囲内とされること
がより十分な上記効果を得る上で特に好ましい。また、
第2の層7に含有される電子伝導性酸化物としては、例
えば、Fe,Ni,Cu,Pd,Ir,In,Sn,S
b,Reから選ばれる少なくとも一種以上の元素の酸化
物粒子である。また、下層である第1の層6がSiO2を
主成分とする層であることからこの第2の層7もまたS
iO2を主成分とする層であることが好ましい。
実施形態を示す断面図である。本実施形態においては、
上述した第1の実施形態における第1の層6と第2の層7
の積層順が異なっており、図2に示すように、第1の層
6が、基板1上に形成された第2の層の上に形成されて
いる。
ば、青板ガラス、あるいは、Naの一部をKに置換して
歪み点を上昇させた高歪み点ガラスなどの基板、7は該
Naを含有する基板上に形成された電子伝導性酸化物を
含有した第2の層、6は該第2の層上に形成されたSi
O2 を主成分とした第1の層、である。
る第2の層7は、電子伝導性酸化物を含有した層であ
り、電子放出素子が形成される基板表面の帯電を防止す
る目的で設けられた層である。この第2の層7は電子伝
導性を示すため、基板表面のチャージアップを抑制し、
以下で述べる第1の層6上に配置される電子放出素子の
安定した電子放出特性を得ることができる。第2の層7
の膜厚は特に規定されないが、基板表面のシート抵抗値
が108Ω/□〜1013Ω/□の範囲内とされることがよ
り十分な上記効果を得る上で特に好ましい。また、第2
の層7に含有される電子伝導性酸化物としては、上述の
第1の実施形態と同様に、例えば、Fe,Ni,Cu,
Pd,Ir,In,Sn,Sb,Reから選ばれる少な
くとも一種以上の元素の酸化物粒子である。また、上層
である第1の層6が、以下に述べる通りSiO2を主成分
とする層であることからこの第2の層7もまたSiO2を
主成分とする層であることが好ましい。
上記第2の層7上に形成される第1の層6上に電子放出素
子が配置される。そこで、SiO2 を主成分とした第1
の層6は、主として、電子放出素子を構成する部材への
Naの拡散をブロックする目的で設けられた層であり、
図2に示したように、Naを含有する基板1上の第2の
層7の上に形成することで、基板1からのNa拡散を抑
制する効果を有する。第1の層6の厚さは、上述した第1
の実施形態に比べ、基板1から第2の層7を拡散してき
た低濃度のNaをブロックすればよいためより薄く形成
することができるが、上記のNa拡散を抑制する効果の
点、更には、上述した第2の層7中に含有される酸化物
粒子による電子放出素子が配置される基板表面での凹凸
を低減する上で、50nm以上とされるのが好ましい。
また、電子放出素子が配置される基板表面のシート抵抗
値が上記の好ましい範囲内とされる上で第1の層6の厚
さは300nm以下とされるのが特に好ましい。また、
第1の層に、P,B,Geのうち少なくとも一種以上の
元素が添加されていることは、上述の第1の実施形態と
同様に、第1の層の膜応力を緩和することができるの
で、上記膜の応力によるクラックの発生や膜はがれを生
じることなく第1の層を比較的より厚く形成することが
できるので好ましい。
(a),(b)を用いて、上述の電子源形成用基板を用
いた電子源の実施形態について説明する。
第1の実施形態を示す模式図であり、図3の(a)は平
面図、図3の(b)は断面図である。本実施形態の電子
源は、上述の図1にて示された電子源形成用基板を用い
て構成された電子源であり、図3の(a),(b)にお
いて1,6,7はそれぞれ上述の、Naを含有する基
板、SiO2 を主成分とした第1の層、電子伝導性酸化
物を含有した第2の層である。 本実施形態の電子源
は、第2の層7上に電子放出素子が配置されている。こ
こで、電子放出素子は、例えば、一対の電極と、該一対
の電極間に配置された、電子放出部を有する導電性膜と
を備える電子放出素子であって、本実施形態において
は、図3の(a),(b)に示されるように、間隙5を
隔てて配置された一対の導電性膜4と、一対の導電性膜
4にそれぞれ電気的に接続された一対の素子電極2,3
とを備える表面伝導型電子放出素子が用いられている。
尚、図3の(a),(b)に示される表面伝導型電子放
出素子は、導電性膜4上に炭素膜を有する形態の素子で
あることがより好ましい。
第2の実施形態を示す模式図であり、図4の(a)は平
面図、図4の(b)は断面図である。本実施形態の電子
源は、上述の図2にて示された電子源形成用基板を用い
て構成された電子源であり、図4の(a),(b)にお
いて1,6,7はそれぞれ上述の、Naを含有する基
板、SiO2 を主成分とした第1の層、電子伝導性酸化
物を含有した第2の層である。本実施形態の電子源は、
第1の層6上に電子放出素子が配置されており、本実施
形態における電子放出素子もまた図3の(a),(b)
で示された第1の実施形態の電子源と同様の素子であ
る。
おいて用いられた表面伝導型電子放出素子について以下
に詳述する。
ては、一般的な導体材料を用いることができ、例えば、
Ni,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Al,C
u,Pd等の金属或は合金、または、Pd,Ag,A
u,RuO2 ,Pd−Ag等の金属或は金属酸化物とガ
ラス等から構成されるの印刷導体、または、In2 O3
−SnO2 等の透明導電体、または、ポリシリコン等の
半導体導体材料等から適宜選択することができる。
Pd,Pt,Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,C
r,Fe,Zn,Sn,Ta,W,Pd等の金属、また
は、PdO,SnO2,In2 O3 ,PbO,Sb2 O3
等の酸化物等の中から適宜選択することができる。
ために、1nm〜20nmの範囲内の粒径を有する複数
の微粒子で構成された微粒子膜であることが好ましい。
また、導電性膜4の膜厚は、好ましくは1nm〜50n
mの範囲とするのが良い。
間に跨って形成された導電性膜に、後述するフォーミン
グ処理で亀裂を形成することにより形成される。
素膜が形成されていることが、電子放出特性の向上及び
電子放出特性の経時的変化の低減のうえで好ましい。
(b)に示されるように形成される。ここで図5の
(a)は炭素膜を有する表面伝導型電子放出素子の導電
性膜の間隙部付近を拡大した模式的平面図、図5の
(b)はそのA−A′断面図である。図5に示されるよ
うに、炭素膜を有する表面伝導型電子放出素子は、上記
一対の導電性膜4で形成される間隙5よりも狭い間隙8
を形成するように、該導電性膜4に接続されて、間隙5
内の基板10上及び導電性膜4上に炭素膜9を有してい
る。また、図6の(a),(b)に示すように、一対の
導電性膜4の、間隙5に面する両端に、上記同様に炭素
膜9を有する形態であっても上記同様の効果を奏する。
(a),(b)で示された上述の電子源の製造方法の一
例について説明する。
a含有基板1を洗剤、純水および有機溶剤等を用いて十
分に洗浄し、かかる基板1上に第1の層6を形成する。
ここで第1の層6の形成法としては、スパッタ法、真空
蒸着法等の物理的成膜法を用いることができるが、化学
的成膜法を用いるのが好ましい。化学的成膜法とは、そ
の成膜元素を含む化合物(出発材料)を用い、化学反応
を経て成膜する方法であり、有機化合物の焼成、CVD
法等が一般に知られている。これらの方法によれば、比
較的容易に厚い膜が得られる、凹凸表面を平但化でき
る、といった利点を有する。第1の層6の出発材料とし
ては、その主成分となる珪素の化合物が用いられるが、
この珪素の化合物に、リン化合物、ホウ素化合物、ゲル
マニウム化合物を添加、あるいは同時に導入すること
で、上述したP,B,Geが添加された層を形成するこ
とができる。
を形成する。
物理的成膜法や微粒子分散塗布法等を用いてもよいが、
第1の層6の形成法と同じ化学的成膜法を用いると、上
記第1の層6の形成に続けて連続的に形成できるため好
ましい。例として、第1の層6をその出発材料として珪
素の化合物を用いCVD法で成膜し、続いて、出発材料
として、上記珪素の化合物に代えて電子伝導性酸化物と
なる化合物のソースに切り替えて、第2の層7を連続成
膜することができる。また、第1の層6をその出発材料
として珪素の化合物を用いCVD法で成膜し、続いて、
出発材料として、上記珪素の化合物に加えて電子伝導性
酸化物となる化合物のソースを導入して、第2の層7を
連続成膜することは、その表面に電子放出素子が形成さ
れる第2の層7にSiO2が含有されるため、特に、電子
放出素子が表面伝導型電子放出素子である場合には、後
述する活性化が促進され、活性化処理時間の短縮、電子
放出特性の向上がなされる。また、第2の層7に含有さ
れる電子伝導性酸化物が、とりわけIn,Sn,Sb,
Reの少なくとも一種の元素を含む酸化物である場合に
も、In,Sn,Sb,Reは上記活性化の促進作用を
有するので上記同様の効果を奏する。
6、第2の層7がこの順にて積層された電子源形成用基
板が作成される(図7の(a))。
素子、とりわけ、表面伝導型電子放出素子が形成され
る。
り素子電極材料を堆積後、例えばフォトリソグラフィー
技術を用いて第2の層7表面に素子電極2,3を形成す
る(図7の(b))。
に、有機金属溶液を塗布して、有機金属薄膜を形成す
る。有機金属溶液には、前述の導電性膜4の材料の金属
を主元素とする有機金属化合物の溶液を用いることがで
きる。有機金属薄膜を加熱焼成処理し、リフトオフ、エ
ッチング等によりパターニングし、導電性膜4を形成す
る(図7の(c))。ここでは、有機金属溶液の塗布法
を挙げて説明したが、導電性膜4の形成法はこれに限ら
れるものでなく、真空蒸着法、スパッタ法、化学的気相
堆積法、分散塗布法、ディッピング法、スピンナー法等
を用いることもできる。
このフォーミング工程の方法の一例として通電処理によ
る方法を説明する。素子電極2,3間に、不図示の電源
を用いて、通電を行うと、導電性膜4に、間隙5が形成
される(図7の(d))。通電フォーミングの電圧波形
の例を図8に示す。
れにはパルス波高値を定電圧としたパルスを連続的に印
加する図8の(a)に示した手法とパルス波高値を増加
させながら、電圧パルスを印加する図8の(b)に示し
た手法がある。
波形のパルス幅とパルス間隔である。通常T1 は1μs
ec.〜10msec.、T2 は、10μsec.〜1
0msec.の範囲で設定される。三角波の波高値(通
電フォーミング時のピーク電圧)は、電子放出素子形態
に応じて適宜選択される。このような条件のもと、例え
ば、数秒から数十分間電圧を印加する。パルス波形は三
角波に限定されるものではなく、矩形波など所望の波形
を採用することができる。
8の(a)に示したのと同様とすることができる。三角
波の波高値(通電フォーミング時のピーク電圧)は、例
えば0.1V/ステップ程度づつ、増加させることがで
きる。通電フォーミング処理の終了は、パルス間隔T2
中に、例えば0.1V程度の電圧を印加し、この時に流
れる素子電流を測定し、抵抗値を求めて、1MΩ以上の
抵抗を示した時、通電フォーミングを終了させる。
程と呼ばれる処理を施すのが好ましい。活性化工程と
は、この工程により、素子電流If、放出電流Ieが、
著しく変化する工程である。活性化工程は、例えば、有
機物質のガスを含有する雰囲気下で、通電フォーミング
と同様に、パルスの印加を繰り返すことで行うことがで
きる。この雰囲気は、例えば油拡散ポンプやロータリー
ポンプなどを用いて真空容器内を排気した場合に雰囲気
内に残留する有機ガスを利用して形成することができる
他、イオンポンプなどにより一旦十分に排気した真空中
に適当な有機物質のガスを導入することによっても得ら
れる。このときの好ましい有機物質のガス圧は、前述の
応用の形態、真空容器の形状や、有機物質の種類などに
より異なるため場合に応じ適宜設定される。適当な有機
物質としては、アルカン、アルケン、アルキンの脂肪族
炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、アルデ
ヒド類、ケント類、アミン類、フェノール、カルボン、
スルホン酸等の有機酸類等を挙げることが出来、具体的
には、メンタ、エタン、プロパンなどCnH2n+2で表さ
れる飽和炭化水素、エチレン、プロピレンなどCnH2n
等の組成式で表される不飽和炭化水素、ベンゼン、トル
エン、メタノール、エタノール、ホルムアルデヒド、ア
セトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルアミン、エチルアミン、フェノール、蟻酸、酢酸、プ
ロピオン酸等あるいはこれらの混合物が使用できる。こ
の処理により、雰囲気中に存在する有機物質から、炭素
膜が素子上に堆積し、素子電流If、放出電流Ieが、
著しく変化するようになる。
放出電流Ieを測定しながら、適宜行う。尚パルス幅、
パルス間隔、パルス波高値などは、適宜設定される。
ゆるHOPG,PG,GCを包含する、HOPGはほぼ
完全なグラファイトの結晶構造、PGは結晶粒が20n
m程度で結晶構造がやや乱れたもの、GCは結晶粒が2
nm程度になり結晶構造の乱れがさらに大きくなったも
のを指す。)、非晶質カーボン(アモルファスカーボン
及び、アモルファスカーボンと前記グラファイトの微結
晶の混合物を指す)の膜であり、その膜厚は、50nm
以下の範囲とするのが好ましく、30nm以下の範囲と
することがより好ましい。
で示された電子源が製造される。
子源の製造方法の一例について以下に述べる。
a含有基板製の基体1を洗剤、純水および有機溶剤等を
用いて十分に洗浄し、かかる基板1上に、第2の層7
を、該第2の層上に第1の層6をそれぞれ以下の手順で順
次形成する。まず、上述した電子伝導性酸化物の粒子を
基板1上に分散塗布する。このとき、上記分散溶液中
に、珪素化合物を混入させておくことにより上述したS
iO2を主成分とする第2の層7を形成することができ
る。続いて、上記分散散溶媒を乾燥させた後、その上
に、第1の層6の出発原料である珪素化合物、例えば有
機珪素を含有する溶液を塗布する。このとき第1の層6
の出発原料である上記珪素化合物に、リン化合物、ホウ
素化合物、あるいは、ゲルマニウム化合物を添加するこ
とで、上述したP,B,あるいはGeが添加された第1
の層6を形成することができる。その後、基板1ごとオー
ブンで加熱焼成し、基板1上に第2の層7と第1の層6
を形成することができる。この手法は、特に、酸化物粒
子を含む第2の層7の表面が凹凸を有するため、第1の
層6を上記方法で更に形成することによって、電子源形
成用基板の表面が比較的平坦となり、電子放出素子を形
成し易くするため好ましく用いられる。また、電子放出
素子が上述の表面伝導型電子放出素子のように、膜状の
導電性部材(導電性膜)を有する場合には、かかる凹凸
により段差切れを起こす可能性があるので、上記第1の層
6を設けることがより好ましい。また、第1の層6がS
iO2を主成分とすることから、表面伝導型電子放出素
子の前述した活性化が促進され、活性化処理時間の短
縮、電子放出特性の向上がなされる。以上のようにし
て、基板1上に、第2の層7、第1の層6がこの順にて
積層された電子源形成用基板が作成される。
素子、とりわけ、表面伝導型電子放出素子が形成され
る。この表面伝導型電子放出素子の形成は、上述した同
様の方法によりなされる。
された電子源の別の実施形態として、複数の電子放出素
子が配列された電子源、及びその電子源を用いた画像形
成装置の例について以下に説明する。
る電子源形成用基板上に複数の電子放出素子がマトリク
ス配線された電子源を示す模式図である。図9におい
て、71は基板であり、上記の第1の層と第2の層が予
め設けられている。72は行方向配線、73は列方向配
線である。また、76は電子放出素子、75は結線であ
る。
2,…,Dxmからなり、真空蒸着法、印刷法、スパッ
タ法等を用いて形成された導電性金属等で構成すること
ができる。列方向配線73は、Dy1,Dy2,…,D
ynのn本の配線よりなり、行方向配線72と同様に形
成される。これらm本の行方向配線72とn本の列方向
配線73との間には、不図示ではあるが層間絶縁層が設
けられており、両者を電気的に分離している(m,n
は、共に正の整数)。
ッタ法等を用いて形成されたSiO 2 等で構成される。
例えば、列方向配線73を形成した電子源基板71の全
面或は一部に所望の形状で形成され、特に、行方向配線
72と列方向配線73の交差部の電位差に耐え得るよう
に、膜厚、材料、製法が、適宜設定される。行方向配線
72と列方向配線73は、それぞれ外部端子として引き
出されている。
2とn本の列方向配線73とに導電性金属等からなる結
線75によって電気的に接続されている。
子放出素子74の行を、選択するための走査信号を印加
する不図示の走査信号印加手段が接続される。一方、列
方向配線73には、Y方向に配列した電子放出素子74
の各列を入力信号に応じて、変調するための不図示の変
調信号発生手段が接続される。各電子放出素子に印加さ
れる駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号と変調
信号の差電圧として供給される。
線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆動可能とす
ることができる。
出素子を用い、上述の電子源形成用基板上に、複数の表
面伝導型電子放出素子を単純マトリクス配線した電子源
を用いて構成した画像形成装置について、図10と図1
1及び図12を用いて説明する。図10は、画像形成装
置の表示パネルの一例を示す模式図であり、図11は、
図10の画像形成装置に使用される蛍光膜の模式図であ
る。図12は、NTSC方式のテレビ信号に応じて表示
を行なうための駆動回路の一例を示すブロック図であ
る。
放出素子76を複数配した、上述の図1または図2で示
される基板、81は基板71を固定したリアプレート、
86はガラス基板83の内面に蛍光膜84とメタルバッ
ク85が形成されたフェースプレートである。82は支
持枠であり、該支持枠82には、リアプレート81、フ
ェースプレート86が低融点のフリットガラスなどを用
いて、接合されている。
6と接続された行方向配線及び列方向配線である。
ート86、支持枠82、リアプレート81で構成され
る。リアプレート81は主に基板71の強度を補強する
目的で設けられるため、基板71自体で十分な強度を持
つ場合は別体のリアプレート81は不要とすることがで
きる。即ち、基板71に直接支持枠82を封着し、フェ
ースプレート86、支持枠82及び基板71で外囲器8
8を構成しても良い。一方、フェースプレート86、リ
アプレート81間に、スペーサーとよばれる不図示の支
持体を設置することにより、大気圧に対して十分な強度
をもつ外囲器88を構成することもできる。
光膜84は、モノクロームの場合は蛍光体のみから構成
することができる。カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の
配列によりブラックストライプあるいはブラックマトリ
クスなどと呼ばれる黒色導電材91と蛍光体92とから
構成することができる。ブラックストライプ、ブラック
マトリクスを設ける目的は、カラー表示の場合、必要と
なる三原色蛍光体の各蛍光体92間の塗り分け部を黒く
することで混色等を目立たなくすることと、蛍光膜84
における外光反射によるコントラストの低下を抑制する
ことにある。ブラックストライプの材料としては、通常
用いられている黒鉛を主成分とする材料の他、導電性が
あり、光の透過及び反射が少ない材料を用いることがで
きる。
ノクローム、カラーによらず、沈澱法、印刷法等が採用
できる。蛍光膜84の内面側には、通常メタルバック8
5が設けられる。メタルバックを設ける目的は、蛍光体
の発光のうち内面側への光をフェースプレート86側へ
鏡面反射させることにより輝度を向上させること、電子
ビーム加速電圧を印加するための電極として作用させる
こと、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメー
ジから蛍光体を保護すること等である。メタルバック
は、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理
(通常、「フィルミング」と呼ばれる。)を行い、その
後Alを真空蒸着等を用いて堆積させることで作製でき
る。
4の導電性を高めるため、蛍光膜84の外面側に透明電
極(不図示)を設けてもよい。
各色蛍光体と電子放出素子とを対応させる必要があり、
十分な位置合わせが不可欠となる。
一例を以下に説明する。図13はこの工程に用いる装置
の概要を示す模式図である。外囲器88は、排気管13
2を介して真空チャンバー133に連結され、さらにゲ
ートバルブ134を介して排気装置135に接続されて
いる。真空チャンバー133には、内部の圧力及び雰囲
気中の各成分の分圧を測定するために、圧力計136、
四重極質量分析器137等が取り付けられている。外囲
器88内部の圧力などを直接測定することは困難である
ため、該真空チャンバー133内の圧力などを測定し、
処理条件を制御する。真空チャンバー133には、さら
に必要なガスを真空チャンバー内に導入して雰囲気を制
御するため、ガス導入ライン138が接続されている。
該ガス導入ライン138の他端には導入物質源140が
接続されており、導入物質がアンプルやボンベなどに入
れて貯蔵されている。ガス導入ラインの途中には、導入
物質を導入するレートを制御するための導入制御手段1
39が設けられている。該導入量制御手段としては具体
的には、スローリークバルブなど逃す流量を制御可能な
バルブや、マスフローコントローラーなどが、導入物質
の種類に応じて、それぞれ使用が可能である。
気し、フォーミングを行う。この際、例えば図14に示
すように、列方向配線73を共通電極141に接続し、
行方向配線72の内の一つに接続された素子に電源14
2によって、同時に電圧パルスを印加して、フォーミン
グを行うことができる。パルスの形状や、処理の終了の
判定などの条件は、個別素子のフォーミングについての
既述の方法に準じて選択すればよい。また、複数の行方
向配線に、位相をずらせたパルスを順次印加(スクロー
ル)することにより、複数の行方向配線に接続された素
子をまとめてフォーミングする事も可能である。図中1
43は電流測定用抵抗を、144は、電流測定用のオシ
ロスコープを示す。
外囲器88内は、十分に排気した後有機物質がガス導入
ライン138から導入される。あるいは、個別素子の活
性化方法として記述のように、まず油拡散ポンプやロー
タリーポンプで排気し、これによって真空雰囲気中に残
留する有機物質を用いても良い。また、必要に応じて有
機物質以外の物質も導入される場合がある。この様にし
て形成した、有機物質を含む雰囲気中で、各電子放出素
子に電圧を印加することにより、炭素あるいは炭素化合
物、ないし両者の混合物が電子放出部に堆積し、電子放
出量がドラスティックに上昇するのは、個別素子の場合
と同様である。このときの電圧の印加方法は、上記フォ
ーミングの場合と同様の結線により、一つの行方向配線
につながった素子に、同時の電圧パルスを印加すればよ
い。また、複数の行方向配線に、位相をずらせたパルス
を順次印加(スクロール)することにより、複数の行方
向配線に接続された素子をまとめて活性化する事も可能
であり、その場合には、各行方向配線に対して、素子電
流を制御するように活性化処理を行う事により、行方向
配線間の素子電流を揃える事が可能となる。活性化工程
終了後は、個別素子の場合と同様に、安定化工程を行う
ことが好ましい。外囲器88を加熱して、80〜250
℃に保持しながら、イオンポンプ、ソープションポンプ
などのオイルを使用しない排気装置135により排気管
132を通じて排気し、有機物質の十分少ない雰囲気に
した後、排気管をバーナーで熱して溶解させて封じき
る。外囲器88の封止後の圧力を維持するために、ゲッ
ター処理を行なうこともできる。これは、外囲器88の
封止を行う直前あるいは封止後に、抵抗加熱あるいは高
周波加熱等を用いた加熱により、外囲器88内の所定の
位置(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜
を形成する処理である。ゲッターは通常はBa等が主成
分であり、該蒸着膜の吸着作用により、外囲器88内の
雰囲気を維持するものである。
て構成した表示パネルに、NTSC方式のテレビ信号に
基づいたテレビジョン表示を行う為の駆動回路の構成例
について、図12を用いて説明する。図12において、
101は画像表示パネル、102は走査回路、103は
制御回路、104はシフトレジスタである。105はラ
インメモリ、106は同期信号分離回路、107は変調
信号発生器、VxおよびVaは直流電圧源である。
oxm、端子Doy1乃至Doyn、及び高圧端子Hv
を介して外部の電気回路と接続している。端子Dox1
乃至Doxmには、表示パネル内に設けられている電子
源、即ち、M行N列の行列状にマトリクス配線された電
子放出素子群を一行(N素子)ずつ順次駆動する為の走
査信号が印加される。
により選択された一行の電子放出素子の各素子の出力電
子ビームを制御する為の変調信号が印加される。高圧端
子Hvには、直流電圧源Vaより、例えば10kVの直
流電圧が供給されるが、これは電子放出素子から放出さ
れる電子ビームに蛍光体を励起するのに十分なエネルギ
ーを付与する為の加速電圧である。
は、内部にM個のスイッチング素子を備えたもので(図
中、S1乃至Smで模式的に示している)ある。各スイ
ッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは0
V(グランドレベル)のいずれか一方を選択し、表示パ
ネル101の端子Dx1乃至Dxmと電気的に接続され
る。S1乃至Smの各スイッチング素子は、制御回路1
03が出力する制御信号Tscanに基づいて動作する
ものであり、例えばFETのようなスイッチング素子を
組み合わせることにより構成することができる。
出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基づき走査さ
れていない素子に印加される駆動電圧が電子放出しきい
値電圧以下となるような一定電圧を出力するよう設定さ
れている。
信号に基づいて適切な表示が行なわれるように各部の動
作を整合させる機能を有する。制御回路103は、同期
信号分離回路106より送られる同期信号Tsyncに
基づいて、各部に対してTscanおよびTsftおよ
びTmryの各制御信号を発生する。
されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝
度信号成分とを分離する為の回路である。同期信号分離
回路106により分離された同期信号は、垂直同期信号
と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜上Ts
ync信号として図示した。前記テレビ信号から分離さ
れた画像の輝度信号成分は便宜上DATA信号と表し
た。該DATA信号はシフトレジスタ104に入力され
る。
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御回路103より送られる制御信号Tsftに基づいて
動作する(即ち、制御信号Tsftは、シフトレジスタ
104のシフトクロックであるということもでき
る。)。シリアル/パラレル変換された画像1ライン分
(電子放出素子N素子分の駆動データに相当)のデータ
は、Id1乃至IdnのN個の並列信号として前記シフ
トレジスタ104より出力される。
データを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、制御回路103より送られる制御信号Tmryに従
って適宜Id1乃至Idnの内容を記憶する。記憶され
た内容は、I′d1乃至I′dnとして出力され、変調
信号発生器107に入力される。
d1乃至I′dnの各々に応じて表面伝導型電子放出素
子の各々を適切に駆動変調する為の信号源であり、その
出力信号は、端子Doy1乃至Doynを通じて表示パ
ネル101内の表面伝導型電子放出素子に印加される。
は放出電流Ieに対して以下の基本特性を有している。
即ち、電子放出には明確なしきい値電圧Vthがあり、
Vth以上の電圧を印加された時のみ電子放出が生じ
る。電子放出しきい値以上の電圧に対しては、素子への
印加電圧の変化に応じて放出電流も変化する。このこと
から、本素子にパルス状の電圧を印加する場合、例えば
電子放出閾値以下の電圧を印加しても電子放出は生じな
いが、電子放出閾値以上の電圧を印加する場合には電子
ビームが出力される。その際、パルスの波高値Vmを変
化させる事により出力電子ビームの強度を制御すること
が可能である。また、パルスの幅Pwを変化させること
により出力される電子ビームの電荷の総量を制御する事
が可能である。従って、入力信号に応じて、電子放出素
子を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変
調方式等が採用できる。電圧変調方式を実施するに際し
ては、変調信号発生器107として、一定長さの電圧パ
ルスを発生し、入力されるデータに応じて適宜パルスの
波高値を変調するような電圧変調方式の回路を用いるこ
とができる。
変調信号発生器107として、一定の波高値の電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルス
の幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いる
ことができる。
5は、デジタル信号式のものをもアナログ信号式のもの
をも採用できる。画像信号のシリアル/パラレル変換や
記憶が所定の速度で行なわれれば良いからである。
号分離回路106の出力信号DATAをデジタル信号化
する必要があるが、これには106の出力部にA/D変
換器を設ければ良い。これに関連してラインメモリ10
5の出力信号がデジタル信号かアナログ信号かにより、
変調信号発生器107に用いられる回路が若干異なった
ものとなる。即ち、デジタル信号を用いた電圧変調方式
の場合、変調信号発生器107には、例えばD/A変換
回路を用い、必要に応じて増幅回路などを付加する。パ
ルス幅変調方式の場合、変調信号発生器107には、例
えば高速の発振器および発振器の出力する波数を計数す
る計数器(カウンタ)及び計数器の出力値と前記メモリ
の出力値を比較する比較器(コンパレータ)を組み合せ
た回路を用いる。必要に応じて、比較器の出力するパル
ス幅変調された変調信号を表面伝導型電子放出素子の駆
動電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付加すること
もできる。
合、変調信号発生器107には、例えばオペアンプなど
を用いた増幅回路を採用でき、必要に応じてレベルシフ
ト回路などを付加することもできる。パルス幅変調方式
の場合には、例えば、電圧制御型発振回路(VOC)を
採用でき、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動
電圧まで電圧増幅するための増幅器を付加することもで
きる。
能な画像表示装置においては、各電子放出素子に、容器
外端子Dox1乃至Doxm、Doy1乃至Doynを
介して電圧を印加することにより、電子放出が生ずる。
高圧端子Hvを介してメタルバック85、あるいは透明
電極(不図示)に高圧を印加し、電子ビームを加速す
る。加速された電子は、蛍光膜84に衝突し、発光が生
じて画像が形成される。
形成された電子源の更に別の実施形態として、上述した
図1または図2で示される電子源形成用基板上に複数の
電子放出素子がはしご型配置された電子源及びかかる電
子源を用いた画像形成装置について図15及び図16を
用いて説明する。
示す模式図である。図15において、110は前記第1
の層と第2の層が予め形成された基板、111は表面伝
導型電子放出素子である。112、Dx1乃至Dx10
は、表面伝導型電子放出素子111を接続するための共
通配線である。表面伝導型電子放出素子111は、基板
110上に、X方向に並列に複数個配されている(これ
を素子行と呼ぶ)。この素子行が複数個配されて、電子
源を構成している。各素子行の共通配線間に駆動電圧を
印加することで、各素子行を独立に駆動させることがで
きる。即ち、電子ビームを放出させたい素子行には、電
子放出しきい値以上の電圧を、電子ビームを放出しない
素子行には、電子放出しきい値以下の電圧を印加する。
各素子行間の共通配線Dx2乃至Dx9は、例えばDx
2,Dx3を同一配線とすることもできる。
画像形成装置におけるパネル構造の一例を示す模式図で
ある。120はグリッド電極、121は電子が通過する
ため空孔、122はDox1,Dox2,…,Doxm
よりなる容器外端子である。123は、グリッド電極1
20と接続されたG1,G2,…,Gnからなる容器外
端子、124は各素子行間の共通配線を同一配線とした
電子源基板である。図16においては、図10、図15
に示した部位と同じ部位には、これらの図に付したのと
同一の符号を付している。ここに示した画像形成装置
と、図10に示した単純マトリクス配置の画像形成装置
との大きな違いは、電子源基板110とフェースプレー
ト86の間にグリッド電極120を備えているか否かで
ある。
プレート86の間には、グリッド電極120が設けられ
ている。グリッド電極120は、電子放出素子から放出
された電子ビームを変調するためのものであり、はしご
型配置の素子行と直交して設けられたストライプ状の電
極に電子ビームを通過させるため、各素子に対応して1
個ずつ円形の開口121が設けられている。グリッドの
形状や設置位置は図16に示したものに限定されるもの
ではない。例えば、開口としてメッシュ状に多数の通過
口を設けることもでき、グリッドを電子放出素子の周囲
や近傍に設けることもできる。
子123は、不図示の制御回路と電気的に接続されてい
る。
は、本発明を適用可能な画像形成装置の一例であり、本
発明の技術思想に基づいて種々の変形が可能である。入
力信号については、NTSC方式を挙げたが入力信号は
これに限られるものではなく、PAL,SECAM方式
など他、これよりも、多数の走査線からなるTV信号
(例えば、高品位TV)方式をも採用できる。
つ順次駆動(走査)していくのと同期してグリッド電極
列に画像1ライン分の変調信号を同時に印加する。これ
により、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画像
を1ラインずつ表示することができる。本発明の画像形
成装置は、テレビジョン放送の表示装置、テレビ会議シ
ステムやコンピューター等の表示装置の他、感光性ドラ
ム等を用いて構成された光プリンターとしての画像形成
装置等としても用いることができる。
く説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の目的が達成される範囲内での各要素
の置換や設計変更がなされたものをも包含する。
は、図3の(a),(b)に示す電子源を、図7の
(a)〜(d)に示す製造工程に従って作成した。尚、
本実施例、及び、後述する参考例とも、同一基板上にそ
れぞれ6素子ずつ作成して、電子放出特性の再現性につ
いても検討した。
を作成する。
2 O:12%,CaO:9%,K2O:3%,MgO:
2%)を良く洗浄し、CVD法により第1の層6を形成
した。この第1の層6の材料はPSG(Phosphosilicat
e Glass(リンケイ酸ガラス))と呼ばれるリンドープ
シリカガラスであり、常圧CVD法により、Pの濃度が
7重量%となるように形成した。尚、使用したソースは
TEOS(テトラエトキシシリカ(Si(OC
2H5)4))とTMOP(トリメトキシリン酸(PO(O
CH3)3))である。また、この時の第1の層6の厚さ
は約3μmである。
を主成分とし、SnO2 を含む第2の層7を形成した
(図7(a))。この時の第2の層の厚さは約100n
mである。
上記第2の層7のいずれも形成していない青板ガラス基
板を、また、参考例2として、上記第1の層6のみを形
成した青板ガラス基板を、それぞれ用意した。
表面伝導型電子放出素子を6素子ずつ形成する。まず、
素子電極2,3を形成する。
スト層を形成し、フォトリソグラフィー技術により、フ
ォトレジスト層に素子電極の形状に対応する開口部を形
成した。この上に、真空蒸着法により、Ti5nm,P
t100nmを成膜し、有機溶剤で上記フォトレジスト
層を溶融除去し、リフトオフにより、素子電極2,3を
形成した(図7(b))。この時、図3の(a)にて示
される、素子電極間隔Lは20μm、電極長さWは60
0μmとした。この後、各基板表面のシート抵抗値を測
定したところ、本実施例ではおおよそ2×109 Ω/□
であった。また、参考例2では、1010Ω/□を超える
ものであった。
導電性膜のパターニングのためのマスクを形成するた
め、真空蒸着法により、膜厚50nmのCr膜を堆積
し、フォトリソグラフィー技術により、導電性膜4の形
状に対応する開口を形成、これに酢酸Pdモノエタノー
ルアミン錯体の溶液をスピンナーにより回転塗布、乾燥
させた後、大気中で350℃で10分間の加熱焼成処理
を行い、PdOを主成分とする微粒子から成る導電性膜
を形成、この後ウエットエッチングによりCrを除去し
て、リフトオフにより所望の形状の導電性薄膜4を得た
(図7(c))。
した真空処理装置に設置した。
-4Pa程度とした後、電源51により素子電極2,3間
にパルス電圧を繰り返し印加するフォーミング処理を行
った。尚、フォーミング処理には図8(b)に示す、波
高値の漸増するパスルを用い、T1 =1msec,T2
=10msecとした。尚、上記のパルス間にパルス幅
1ms,波高値0.1Vの矩形波パルスを挿入し、これ
により素子電極2,3間に流れる素子電流Ifを電流計
50を用いて測定する事により、素子電極間の抵抗値を
検知した。検知される抵抗値が1MΩを超えた時点で、
パルス電圧の印加を終了した。この処理により、導電性
薄膜4に間隙5が形成された(図7(d))。
程は、真空容器55内にアセトンの蒸気を導入、圧力を
2.7×10-1Paとし、電源51により素子電極2,
3間に波高値18Vの矩形波パルスを印加して行った。
この処理により電流計50により検知される素子電流I
fの時間的な変化を測定したところ、本実施例、参考例
1,2共に徐々に増加するもののその度合いには違いが
あり、本実施例では約10分、参考例1では約30分、
参考例2では約10分で素子電流Ifは飽和した。この
ことから、参考例1と比べて、本実施例及び参考例2
は、活性化の工程に所要する時間が短くてよい事がわか
る。この事は、本実施例及び参考例2において設けられ
ている第1の層6により、青板ガラス1からのNaによ
る活性化の阻害が抑制されたためであると推測される。
器55全体を、不図示のヒーターにより約200℃に加
熱して排気し、10時間後に、真空容器55内の圧力が
8×10-6Paとなった時点で真空容器を加熱するヒー
ターの電源を切り、室温に戻した後、作成した電子放出
素子の電子放出特性を測定した。素子電極2,3間に
は、波高値18V、パルス幅1msec、パルス間隔1
0msecの矩形波パルスを印加、アノード電極54の
電位は1kV、電子放出素子とアノード電極の間隔Hは
4mmとした。本実施例、参考例1,2の各6素子に関
して10分間駆動したところ、10分後の素子電流If
及び放出電流Ieの測定値は、以下の通りであった。
は、素子電極2,3間に印加される電圧が波高値17
V、パルス幅1msec、パルス間隔10msecの矩
形波パルスであり、アノード電極54の電位は2kV、
電子放出素子とアノード電極の間隔Hは4mmである。
なお、素子電流Ifと放出電流Ieは、30秒ごとに測
定した。評価項目は、素子電流Ifについて、{(最大
値−最小値)/平均値}×100(%)で定義される素
子電流化率と、放出電流Ieについて{(最大値−最小
値)/平均値}×100(%)で定義される放出電流変
化率の2項目である。結果は以下の通りである。
は、以下の特徴を満足するものである事が示された。
間を短縮可能である。
出電流Ieが大きく、また、再現性もよい。
放出電流変化率が小さく、安定性に優れている。
小さく、安定性に優れている。
に、図3の(a),(b)に示す表面伝導型電子放出素
子を用いた電子源を、図7の(a)〜(d)に示す製造
工程に従って作成した。各実施例とも、同一基板上に6
素子ずつ作成して、電子放出特性の再現性についても検
討した。尚、実施例2乃至4の電子源形成用基板は、第
1の層6を常圧CVD法で形成する点は実施例1と同じ
であるが、第1の層6の材料が異なり、実施例2はSi
O2 を主成分としてBを含むいわゆるBSGであり、B
の濃度が約4重量%である。また、実施例3はSiO2
を主成分としてBとPの両方を含むいわゆるBPSGで
あり、Bの濃度が約2.5重量%、Pの濃度が約7重量
%である。また、実施例4はSiO2 を主成分としてG
eとPの両方を含むいわゆるGPSGであり、Geの濃
度が約4重量%、Pの濃度が約7.5重量%である。
尚、実施例2乃至4の第一の層6の厚さは全て約3μm
である。
ング法により、SiO2 を主成分とし、SnO2 を含む
約100nmの厚さの膜で構成されている。
基板表面のシート抵抗を測定したところ、実施例2乃至
4の全てが1×109 〜3×109 Ω/□であった。
例2乃至4の全てで約10分で素子電流Ifが飽和し、
実施例1と酷似するものであった。
した。素子電極2,3間には、波高値18V、パルス幅
1msec、パルス間隔10msecの矩形波パルスを
印加、アノード電極54の電位は1kV、電子放出素子
とアノード電極の間隔Hは4mmとした。実施例2乃至
4の各6素子に関して10分間駆動したところ、10分
後の素子電流If及び放出電流Ieの測定値は、以下の
通りであった。
は、素子電極2,3間への印加電圧が波高値17V、パ
ルス幅1msec、パルス間隔10msecの矩形波パ
ルスであり、アノード電極54の電位は2kV、電子放
出素子とアノード電極の間隔Hは4mmである。なお、
素子電流Ifと放出電流Ieは、30秒ごとに測定し
た。評価項目は、素子電流Ifについて、{(最大値−
最小値)/平均値}×100(%)で定義される素子電
流変化率と、放出電流Ieについて{(最大値−最小
値)/平均値}×100(%)で定義される放出電流変
化率の2項目である。結果は以下の通りである。
実施例2〜4の電子源はいずれも、活性化に要する時間
が短く、更には、放出電流が大きいとともに素子電流変
化率及び放出電流変化率も小さく、安定性に優れてい
る。
に、図3の(a),(b)に示す表面伝導型電子放出素
子を用いた電子源を、図7の(a)〜(d)に示す製造
工程に従って作成した。各実施例とも、同一基板上に6
素子ずつ作成して、電子放出特性の再現性についても検
討した。尚、実施例5乃至8はいずれも、第1の層6が
常圧CVD法により形成された、Pの濃度が約7重量%
である厚さが約3μmのPSGである点では同じである
が、第2の層の材料及び形成方法が異なる。
O2 を主体とし、Inを含むものであり、厚さは約50
nmで、CVD法で形成した。尚、Inソースとして
は、In(C2 H5 )3 を使用した。
O2 を主体とし、Snを含むものであり、厚さは約50
nmで、CVD法で形成した。尚、Snソースとして
は、(CH3 )4 Snを使用した。
O2 を主体とし、Sbを含むものであり、厚さは約10
0nmで、スパッタリング法で形成した。
O2 を主体とし、Reを含むものであり、厚さは約10
0nmで、スパッタリング法で形成した。
素子電極を形成した段階で、基板表面のシート抵抗値の
測定を行った。以下にその結果を示す。
8 〜1010Ω/□であることがわかる。
例5乃至8の全てで約10〜15分で素子電流Ifが飽
和し、先述した参考例1と比べて短いものであった。ま
た、素子電流Ifは概ね実施例1と同様の時間変化を示
すものであった。
した。素子電極2,3間には、波高値18V、パルス幅
1msec、パルス間隔10msecの矩形波パルスを
印加、アノード電極54の電位は1kV、電子放出素子
とアノード電極の間隔Hは4mmとした。実施例5乃至
8の各6素子に関して10分間駆動したところ、10分
後の素子電流If及び放出電流Ieの測定値は、以下の
通りであった。
は、素子電極2,3間への印加電圧が波高値17V、パ
ルス幅1msec、パルス間隔10msecの矩形波パ
ルスであり、アノード電極54の電位は1kV、電子放
出素子とアノード電極の間隔はHは4mmである。な
お、素子電流Ifと放出電流Ieは、30秒ごとに測定
した。評価項目は、素子電流Ifについて、{(最大値
−最小値)/平均値}×100(%)で定義される素子
電流変化率と、放出電流Ieについて{(最大値−最小
値)/平均値}×100(%)で定義される放出電流変
化率の2項目である。結果は以下の通りである。
実施例5〜8の電子源はいずれも、活性化に要する時間
が短く、更には、放出電流が大きいとともに素子電流変
化率及び放出電流変化率も小さく、安定性に優れてい
る。
(a),(b)に示す表面伝導型電子放出素子を用いた
電子源を、作成した。尚、表面伝導型電子放出素子は以
下の基板上に6素子作成して、電子放出特性の再現性に
ついても検討した。
を作成する。
2 O:4%, K2O:7%,を含む)を良く洗浄し、リ
ンをドープして抵抗調整したSnO2微粒子と有機珪素
化合物の混合溶液をスピンコートして乾燥させた。さら
に、有機珪素化合物のみの溶液をスピンコートした後、
オーブンで500℃、30minの焼成を行なった。こ
の結果、高歪み点ガラス基板上に、リンをドープして抵
抗調整したSnO2微粒子とSiO2が重量比80:20
の第2の層が厚さ300nmで形成され、さらにその上
層として、SiO2からなる第1の層が厚さ60nmで
形成された。
7の(b)〜(d)にて示されるようにして表面伝導型
電子放出素子を6素子形成する。まず、素子電極2,3
を形成する。
し、フォトリソグラフィー技術により、フォトレジスト
層に素子電極の形状に対応する開口部を形成した。この
上に、真空蒸着法により、Ti5nm,Pt100nm
を成膜し、有機溶剤で上記フォトレジスト層を溶融除去
し、リフトオフにより、素子電極2,3を形成した(図
7の(b))。この時、図4の(a)に示される、素子
電極間隔Lは20μm、電極長さWは600μmとし
た。この後、基板表面のシート抵抗値を測定したとこ
ろ、おおよそ2×1012 Ω/□であった。
導電性膜のパターニングのためのマスクを形成するた
め、真空蒸着法により、膜厚50nmのCr膜を堆積
し、フォトリソグラフィー技術により、導電性膜4の形
状に対応する開口を形成、これに酢酸Pdモノエタノー
ルアミン錯体の溶液をスピンナーにより回転塗布、乾燥
させた後、大気中で350℃で10分間の加熱焼成処理
を行い、PdOを主成分とする微粒子から成る導電性膜
を形成、この後ウエットエッチングによりCrを除去し
て、リフトオフにより所望の形状の導電性薄膜4を得た
(図7の(c))。
示真空処理装置に設置した。
-4Pa程度とした後、電源51により素子電極2,3間
にパルス電圧を繰り返し印加するフォーミング処理を行
った。尚、フォーミング処理には図8の(b)に示す、
波高値の漸増するパスルを用い、T1 =1msec,T
2 =10msecとした。尚、上記のパルス間にパルス
幅1ms,波高値0.1Vの矩形波パルスを挿入し、こ
れにより素子電極2,3間に流れる素子電流Ifを電流
計50を用いて測定する事により、素子電極間の抵抗値
を検知した。検知される抵抗値が1MΩを超えた時点
で、パルス電圧の印加を終了した。この処理により、導
電性薄膜4に間隙5が形成された(図7の(d))。
程は、真空容器55内にアセトンの蒸気を導入、圧力を
2.7×10-1Paとし、電源51により素子電極2,
3間に波高値18Vの矩形波パルスを印加して行った。
この処理により電流計50により検知される素子電流I
fの時間的な変化を測定したところ、約10分、で飽和
した。
器55全体を、不図示のヒーターにより約200℃に加
熱して排気し、10時間後に真空容器55内の圧力が8
×10-6Paとなった時点で真空容器を加熱するヒータ
ーの電源を切り、室温に戻した後、作成した電子放出素
子の電子放出特性を測定した。素子電極2,3間には、
波高値18V、パルス幅1msec、パルス間隔10m
secの矩形波パルスを印加、アノード電極54の電位
は1kV、電子放出素子とアノード電極の間隔Hは4m
mとした。本実施例の6素子に関して10分間駆動した
ところ、10分後の素子電流Ifは2.5〜3.1m
A、放出電流Ieの測定値は4.5〜5.1μAであっ
た。
時の測定条件は、素子電極2,3間に印加される電圧が
波高値17V、パルス幅1msec、パルス間隔10m
secの矩形波パルスであり、アノード電極54の電位
は2kV、電子放出素子とアノード電極の間隔Hは4m
mである。なお、素子電流Ifと放出電流Ieは、30
秒ごとに測定した。評価項目は、素子電流Ifについ
て、{(最大値−最小値)/平均値}×100(%)で
定義される素子電流化率と、放出電流Ieについて
{(最大値−最小値)/平均値}×100(%)で定義
される放出電流変化率の2項目で、それぞれ、1.3〜
1.8%、1.4〜1.9%であった。
する時間が短く、素子電流If、放出電流Ieが大き
く、また、再現性、安定性に優れていた。
にて示された電子源形成用基板上に、図3の(a)及び
(b)に示すのと同様の構成の表面伝導型電子放出素子
の複数を、図18に模式的に示すように配置し、さらに
マトリクス状配線を配置した電子源を、以下に示す手順
により作成した。尚、図では、構造をわかりやすくする
ために部材の一部を消去してある。図19の(a)〜
(e)を参照しながら、製造方法を説明する。
ラスを洗剤と純水により洗浄した後、CVD法により第
1の層を形成した。この第1の層の材料はPSGであ
り、CVD法により、Pの濃度が7重量%となるように
形成した。尚、この際使用したソースガスはTEOSと
TMOPである。また、第1の層の厚さは約3μmにな
るように形成した。
であるTMOPの供給を停止し、Snソースである(C
H3 )4 Snを追加導入し、第2の層を形成した。この
時の第2の層の厚さは、約50nmである。この工程に
おいてはSiO2 とSnO2 の混合層が形成される。
れた図1に示された電子源形成用基板71上に、図3の
(a),(b)にて示された表面伝導型電子放出素子の
一対の素子電極2,3を形成する。
により、素子電極2,3の形状のMODペースト(DU
−2110;ノリタケ(株)製)のパターンを形成し
た。該MODペーストは金属成分として、金を含むもの
である。
熱処理装置によりピーク温度580℃ピーク保持時間8
分間の条件で上記MODペーストを焼成し、厚さ0.3
μmの素子電極2,3を形成した。素子電極間隔は70
μmとした(図19の(a))。
むペースト材料(NP−4028A;ノリタケ(株)
製)を用い、スクリーン印刷法により下配線73のパタ
ーンを形成し、工程3と同様の条件で焼成して下配線
(列方向配線)73を形成した(図19の(b))。
ーストを用い、層間絶縁層74のパターンを印刷して工
程3と同様の条件で焼成し、層間絶縁層74を形成した
(図19の(c))。該層間絶縁層は素子電極2,3の
一方と、後の工程で形成する上配線(行方向配線)とが
接続されるよう、切り欠き部分を有している。
(行方向配線)72を形成し(図19の(d))、複数
の下配線(列方向配線)73及び複数の上配線(行方向
配線)72からなるマトリクス配線を形成した。本工程
を終了後、基板71表面のシート抵抗値の測定を行った
ところ、場所によって若干異なるが2×109〜5×1
09 Ω/□程度であった。
2,3間に、導電性薄膜4を形成した。有機パラジウム
含有溶液を、バブルジェット方式のインクジェット噴射
装置を用いて、幅が200μmとなるように付与して行
った。その後350℃で10分間の加熱処理を行って、
酸化パラジウム微粒子から成る導電性膜4を得た(図1
9の(e))。
至7で製造した基板71とリアプレート81、フェース
プレート86(ガラス基板83の内面に蛍光膜84、メ
タルバック85が形成されている)、支持枠82を組み
合わせて接合した。尚、外囲器内に不図示であるが高周
波加熱用ゲッタが配置されており、同じく不図示である
が外囲器内の雰囲気を制御するための排気管が外囲器内
に取り付けられている。接合は、接合部にフリットガラ
スを塗布し、大気中で450℃10分間の加熱処理を行
う事により行った。
(a)に模式的に示すような、蛍光体92をストライプ
形状に配置したもので、まず黒色部材91よりなるブラ
ックストライプを形成し、その間に3原色に対応する蛍
光体92を形成したものである。黒色部材の材質は通常
良く用いられる黒鉛を主成分とするものであり、蛍光体
の塗布はスラリー法を用いた。
本実施例では、蛍光膜表面を平滑化処理(通常フィルミ
ングと呼ばれる)した後、Alを真空蒸着する事により
形成した。なお、導電性を向上させるため、蛍光膜84
とガラス基板83の間に透明電極を設ける場合もある
が、本実施例では上記構成により充分導電性が得られた
ので、透明電極は設けていない。
子放出素子の位置を厳密に対応させる必要があるため、
注意深く位置あわせを行った。
レート86、リアプレート81と支持枠82により構成
された外囲器88の内部を排気管(不図示)を通じて排
気装置(主ポンプとして油拡散ポンプを使用)により排
気し、圧力を1.3×10-3Pa以下にまで下げた後、
行方向配線72及び列方向配線73を通じて複数の一対
の素子電極2,3間に実施例1乃至9と同様にパルス電
圧を印加する事により複数の導電性膜4の各々に図3の
(a),(b)に示された間隙5の形成を行った。この
処理は行方向配線の一本に接続された素子の行毎に行
い、1素子あたりの抵抗値が1MΩを超えたところで、
その行の処理を終了し、次の行に移る。これを繰り返し
てすべての素子の処理を行った。
形波パルス電圧を各素子行に順次印加する事を繰り返し
て、活性化処理を行った。排気装置に油拡散ポンプを用
いている事により、外囲器内に有機物質が存在し、活性
化処理が行われる。次いで、排気装置を主ポンプに磁気
浮上型ターボポンプを用いたものに切り替えて、外囲器
全体を加熱しながら排気する事により、安定化処理を行
い、高周波加熱法によるゲッタ処理を行った後、排気管
を加熱、融着して封じ切った。
Vパルス電圧を1分間ずつ印加し、各素子行の電子放出
特性を測定した。なお、支持枠高さ3mmで、アノード
電圧は1kVである。その結果、各素子行の電子放出量
は4%程度のばらつきで非常に均一なものであった。
観察したところ、輝度均一性に優れるものである事が確
認された。また、輝度分布の時間的な変動を観察したと
ころ、行方向配線に平行な輝度分布の変動は6%程度に
収まっており、きわめて良好な結果が得られた。これは
電子放出素子が形成されている基板表面のシート抵抗値
が制御されているために、電子ビームの変動を効果的に
抑制しているためであると思われる。
的に定点で輝度を測定したところ、おおむね5%程度の
変化しか生じておらず、きわめて安定した特性を維持す
る事が出来た。
おける工程2を下記の工程2’に変更した以外は構成、
製法とも実施例10と同様の手順で製造した。
スであるIn(C2 H5 )3 を追加導入し、第2の層を
形成した。この時の第2の層の厚さは、約50nmであ
る。この工程においてはPSGとIn2 O3 の混合層が
形成される。
値を測定したところ、8×108 〜2×109 Ω/□程
度であった。次に、実施例10と同様の評価を行ったと
ころ、概ね実施例10と同様の特性を示し、大変好まし
い結果が得られた。
おける工程1及び2を下記の工程1’に変更した以外は
実施例10と同様の手順で、図2に示された電子源形成
用基板に、図18に示されるように複数の表面伝導型電
子放出素子がマトリクス内線された電子源を製造した。
成用基板を作成する。
2 O:4%, K2O:7%,を含む)を良く洗浄し、リ
ンをドープして抵抗調整したSnO2微粒子と有機珪素
化合物の混合溶液をスピンコートして乾燥させた。さら
に、有機珪素化合物のみの溶液をスピンコートした後、
オーブンで500℃、30minの焼成を行なった。こ
の結果、高歪み点ガラス基板上に、リンをドープして抵
抗調整したSnO2微粒子とSiO2が重量比80:20
の第2の層が厚さ300nmで形成され、さらにその上
層として、SiO2からなる第1の層が厚さ60nmで
形成された。
工程3以降を同様に施し、図18に示されるような電子
源、及びこれを用いた図10に示されるような画像形成
装置を作成した。
た、上記実施例10及び11と同様の効果を得ることが
できた。
ような効果が得られる。
経時的変化が低減される電子源形成用基板及びその製造
方法を提供することができる。
特性の経時的変化が低減された電子源とその電子源を用
いた画像形成装置、更には、それらの製造方法を提供す
ることができる。
の電子放出特性のばらつきが低減される電子源形成用基
板及びその製造方法を提供することができる。
の電子放出特性のばらつきが低減された電子源とその電
子源を用いた画像形成装置、更には、それらの製造方法
を提供することができる。
た画像形成装置を提供することができる。
された画像形成装置を提供することができる。
断面図
的断面図
(a)は平面図、(b)は断面図
(a)は平面図、(b)は断面図
出素子の一例を示す模式的部分拡大図であり、(a)は
平面図、(b)は断面図
出素子の別の例を示す模式的部分拡大図であり、(a)
は平面図、(b)は断面図
たの模式図
圧波形の模式図
を示す模式図
す模式図
性化工程のための結線方法を示す模式図
図
示す模式図
ための模式図
流Ifを測定するための電流計 51 電子放出素子に素子電圧Vfを印加するための電
源 52 放出電流Ieを測定するための電流計 53 アノード電極54に電圧を印加するための高圧電
源 54 素子の電子放出部より放出される放出電流Ieを
捕捉するためのアノード電極 55 真空装置 56 排気装置 71 基板 72 X方向配線 73 Y方向配線 75 結線 76 電子放出素子 81 リアプレート 82 支持枠 83 (フェースプレートの)ガラス基板 84 蛍光膜 85 メタルバック 86 フェースプレート 88 外囲器 91 黒色導電材 92 蛍光体 101 画像形成装置 102 走査回路 103 制御回路 104 シフトレジスタ 105 ラインメモリ 106 同期信号分離回路 107 変調信号発生回路 110 基板 111 電子放出素子 112 共通配線 120 グリッド電極 121 電子が通過するため空孔 122 共通配線と接続された容器外端子 123 グリッド電極と接続された容器外端子 131 画像表示装置 132 排気管 133 真空チャンバー 134 ゲートバルブ 135 排気装置 136 圧力計 137 四重極質量分析器 138 ガス導入ランイ 139 導入量制御手段 140 導入物質源 141 共通電極 142 電源 143 電流測定用抵抗 144 オシロスコープ
Claims (22)
- 【請求項1】 電子放出素子が配置される電子源形成用
基板であって、Naを含有する基板と、該基板上に形成
された、SiO2を主成分とする第1の層と、該第1の
層上に形成された、SiO 2 と電子伝導性酸化物とを含
有する第2の層とを有する電子源形成用基板。 - 【請求項2】 前記第1の層は、P,B,Geからなる
元素群から選ばれる少なくとも一種の元素を含有してい
る請求項1に記載の電子源形成用基板。 - 【請求項3】 電子放出素子が配置される電子源形成用
基板であって、Naを含有する基板と、該基板上に形成
された、電子伝導性酸化物を含有する第2の層と、該第
2の層上に形成された、SiO 2 を主成分とする第1の
層とを有する電子源形成用基板。 - 【請求項4】 前記第2の層は、SiO2をその構成成
分として含有している請求項3に記載の電子源形成用基
板。 - 【請求項5】 前記第1の層は、P,B,Geからなる
元素群から選ばれる少なくとも一種の元素を含有してい
る請求項3または4に記載の電子源形成用基板。 - 【請求項6】 前記電子放出素子は、前記第1または第
2の層上に配置される、電子放出部を有する導電性膜
と、該導電性膜に接続された一対の電極とを備える電子
放出素子である請求項1〜5のいずれかに記載の電子源
形成用基板。 - 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載された基
板と、該基板の前記第1の層または前記第2の層上に配
置された電子放出素子とを備えることを特徴とする電子
源。 - 【請求項8】 請求項1〜5のいずれかに記載された基
板と、該基板の前記第1の層または前記第2の層上に配
置された複数の電子放出素子とを備えることを特徴とす
る電子源。 - 【請求項9】 請求項1〜5のいずれかに記載された基
板と、該基板の前記第1の層または前記第2の層上に配
置された複数の電子放出素子と、該複数の電子放出素子
をマトリクス配線した複数の行方向配線及び複数の列方
向配線とを備えることを特徴とする電子源。 - 【請求項10】 前記電子放出素子は、前記第1または
第2の層上に配置される、電子放出部を有する導電性膜
と、該導電性膜に接続された一対の電極とを備える電子
放出素子である請求項7〜9のいずれかに記載の電子
源。 - 【請求項11】 請求項7〜10のいずれかに記載され
た電子源と、該電子源から放出される電子の照射により
画像を形成する画像形成部材とを備えることを特徴とす
る画像形成装置。 - 【請求項12】 電子放出素子が形成される電子源形成
用基板の製造方法であって、Naを含有する基板上に、
SiO2を主成分とする第1の層を形成し、該第1の層
上に、SiO 2 と電子伝導性酸化物とを含有する第2の
層を形成することを特徴とする電子源形成用基板の製造
方法。 - 【請求項13】 電子放出素子が形成される電子源形成
用基板の製造方法であって、Naを含有する基板上に、
電子伝導性酸化物を含有する第2の層を形成し、該第2
の層上に、SiO 2 を主成分とする第1の層を形成する
ことを特徴とする電子源形成用基板の製造方法。 - 【請求項14】 前記第1及び第2の層の形成は、化学
的成膜法により行われる請求項12又は請求項13に記
載の電子源形成用基板の製造方法。 - 【請求項15】 前記第1及び第2の層の形成は、原料
ソースとして有機珪素化合物を用いてCVD法により成
膜する工程と、原料ソースとして、前記有機珪素化合物
に加え電子伝導性酸化物を形成するための有機金属化合
物を用いてCVD法により成膜する工程とを有する請求
項12又は請求項13に記載の電子源形成用基板の製造
方法。 - 【請求項16】 前記第1及び第2の層の形成は、有機
珪素化合物を含むコート層を形成する工程と、有機珪素
化合物及び電子伝導性酸化物粒子を含むコート層を形成
する工程と、前記両コート層を加熱する工程とを有する
請求項12又は請求項13に記載の電子源形成用基板の
製造方法。 - 【請求項17】 Naを含有する基板上に、SiO2を
主成分とする第1の層を形成し、該第1の層上に、Si
O 2 と電子伝導性酸化物とを含有する第2の層を形成す
る工程と、前記第2の層上に電子放出素子を形成する工
程とを有することを特徴とする電子源の製造方法。 - 【請求項18】 Naを含有する基板上に、電子伝導性
酸化物を含有する第2の層を形成し、該第2の層上に、
SiO 2 を主成分とする第1の層を形成する工程と、前
記第1の層上に電子放出素子を形成する工程とを有する
ことを特徴とする電子源の製造方法。 - 【請求項19】 前記電子放出素子は炭素膜を有する電
子放出素子であって、該電子放出素子が、前記電子伝導
性酸化物としてIn,Sn,Sb,Reの中から選ばれ
る少なくとも一種の元素の酸化物を含有する第2の層上
に形成される請求項17に記載の電子源の製造方法。 - 【請求項20】 前記電子放出素子は炭素膜を有する電
子放出素子であり、該電子放出素子が、前記第2の層上
に形成される請求項17に記載の電子源の製造方法。 - 【請求項21】 前記電子放出素子は炭素膜を有する電
子放出素子であって、該電子放出素子が、前記SiO2
を主成分とする第1の層上に形成される請求項18に記
載の電子源の製造方法。 - 【請求項22】 電子源と、該電子源から放出される電
子の照射により画像を形成する画像形成部材とを備える
画像形成装置の製造方法であって、前記電子源が請求項
17〜21のいずれかに記載の方法にて製造されること
を特徴とする画像形成装置の製造方法。
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