JP4637233B2 - 電子放出素子の製造方法及びこれを用いた画像表示装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電界放出型の電子放出素子の製造方法及びこれを用いた画像表示装置の製造方法に関する。
電界放出型の電子放出素子は、カソード電極とゲート電極との間に電圧を印加することでカソード電極側から電子を電界放出させる素子である。特許文献1には、カソードが基板上に設けられた絶縁層の側面に沿って設けられており、絶縁層の一部に窪んだ部分(以下リセス部と呼ぶ)を備える電子放出素子が開示されている。
特開2001−167693号公報
特許文献1に記載された電子放出素子では、その製造方法によっては、上記リセス部でゲート側の高電位電極とカソード側の低電位電極が、微小な領域で、接触又は接続するなどして無効な電流が発生する場合があった。また、製造方法によっては、多数の電子放出素子を一つの基板の上に形成する際には、幾つかの電子放出素子ではカソード側とゲート側が短絡する場合もあった。そこで、信頼性に関して更なる改善が求められている。また、電子放出効率に関しても、更なる高効率化が要求されている。ここで、電子放出効率(η)とは、電子放出素子に駆動電圧を印加したときにカソード電極とゲート電極間に流れる電流(If)と、真空中に取り出される電流(Ie)を用いて、効率η=Ie/(If+Ie)で与えられる。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、電子放出効率が高く、無効な電流の発生や短絡の発生を抑えた信頼性の高い電子放出素子の製造方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであって、電子放出素子の製造方法であって、上面と該上面と角部を介して接続する側面とを備える絶縁層の上に、前記側面から前記上面にかけて延在し、前記角部の少なくとも一部を覆う、導電性膜を形成する第1工程と、前記導電性膜をエッチング処理する第2工程と、を含み、前記第1工程は、前記導電性膜の一部であって前記側面の上に位置する部分の膜密度が、前記導電性膜の一部であって、前記絶縁層の前記角部の上に位置する部分の膜密度よりも小さくなるように、前記導電性膜を形成する工程であり、前記第2工程は、前記導電性膜の前記膜密度が小さい部分を前記導電性膜の前記膜密度が大きい部分よりも多くエッチングするエッチャントを用いて、前記導電性膜の前記膜密度が小さい部分および大きい部分をエッチングする工程であることを特徴とするものである。
無効な電流(リーク電流)の発生を抑え、短絡のない、信頼性の高い電子放出素子を提供することができる。また、カソードの先端(電子放出部)の曲率半径が小さくすることができ、高い電子放出効率を備える電子放出素子を形成することができる。
以下に図面を参照して、本実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
初めに本実施の形態で説明する製造方法によって形成する電子放出素子の一例の概要について述べる。電子放出素子の構成の詳細については本実施形態の製造方法について説明した後に詳述する。
図1(a)は電子放出素子の平面的模式図であり、図1(b)は図1(a)におけるA−A線(図1(c)のA−A線)での断面図である。図1(c)は図1(b)における矢印の方向から電子放出素子を眺めたときの側面図である。図3(a)は図1(b)の拡大図であり、図3(b)は図3(a)の円状の点線で囲まれた領域(導電性膜6Aの突起部)の拡大図である。
基板1上には、第1絶縁層3と第2絶縁層4とが積層されることで構成された絶縁性の段差形成部材10と、カソード電極2とが、並設されている。そして、導電性膜6Aが、第1絶縁層3のカソード電極2側の側面である斜面上に、該斜面に沿って、配置されている。導電性膜6Aは、第1絶縁層3の斜面(側面)、上面、角部32を覆っている。また、導電性膜6Aは、カソード電極2から、段差形成部材10の凹部(リセス部)7内まで延在している。そして、導電性膜6Aの一方の端部は、カソード電極2に接続しており、導電性膜6Aの他方の端部は、凹部7内(凹部7内に位置する絶縁層3の上面)から第1絶縁層3の側面(または角部32)に跨っている突起部を形成している。従って、突起部は、第1絶縁層3の角部(第1絶縁層3の上面と側面とが接続する部分)32上に設けられていると言える。突起部の先端は、第1絶縁層3の上面よりも基板1の表面から離れており、且つ、尖っている。ゲート電極5は、ここで示す例では、第1絶縁層3との間に設けられた第2絶縁層4によって、第1絶縁層から所定距離(第2絶縁層の厚み)だけ離れている。ゲート電極5上には導電性膜6Bが設けられている。そのため部材5と部材6Bとを一纏めにしてゲート電極と呼ぶこともできる。
尚、ゲート電極5の配置位置は、図1に示す形態に限られるものではない。即ち、電子放出体である導電性膜6Aに電界放出可能な電界を印加することができるように、導電性膜6Aと所定の間隔を置いて、配置されればよい。その場合には、第2絶縁層4は必要としない形態も有り得る。尚、ここではゲート電極5上に導電性膜6Bを設けているが、導電性膜6Bは省略することもできる。
カソード電極2よりもゲート電極5の電位が高くなるようにして、駆動電圧をカソード電極2とゲート電極5の間に印加することで電子が導電性膜6Aの突起部から電界放出される。このため、導電性膜6Aは、カソードに相当する。尚、図1では不図示であるが、基板1の上方(ゲート電極5よりも離れた位置)には、ゲート電極よりも高電位に規定されたアノード電極20が配置される(図2参照)。
尚、第1絶縁層3の角部32は、第1絶縁層3の上面と側面とが接続している部分(あるいは繋がっている部分)である。また、角部32は、第1絶縁層3の上面(側面)から側面(上面)に繋がる部分と言うこともできる。尚、角部32は、曲率を持たない形態(即ち上面の縁と側面の縁を突き当てた形態)とすることもできるし、曲率を持つ形態とすることもできる。すなわち、第1絶縁層3の上面と側面とが、所定の曲率半径を有する部分(角部32)を介して繋がっている形態とすることができる。角部32が曲率を持つ形態であれば、導電性膜6Aを安定に形成することができ、電子放出素子の電子放出特性の観点から有利である。
以下に、本実施形態に係る電子放出素子の製造方法を、上記した構成の電子放出素子を例に、図6を参照しながら説明する。
まず、本実施形態の製造方法における一連の工程を簡単に説明し、その後、各工程について詳述する。
(工程1)
第1絶縁層3となる絶縁層30を基板1の表面に形成し、続いて、第2絶縁層4となる絶縁層40を絶縁層30の上面に積層する。そして、絶縁層40の上面にゲート電極5となる導電層50を積層する(図6(a))。絶縁層40の材料は、絶縁層30の材料よりも、後述する工程3で用いるエッチング液(エッチャント)に対してエッチング量が多くなるように、絶縁層30の材料とは異なる材料が選択される。
(工程2)
次に、導電層50、絶縁層40、絶縁層30に対するエッチング処理(第1エッチング処理)を行う。
第1エッチング処理は、具体的には、フォトリソグラフィー技術等により導電層50上にレジストパターンを形成したのち、導電層50、絶縁層40、絶縁層30をエッチングする処理である。工程2により、基本的には、図1などに示した電子放出素子を構成する第1絶縁層3とゲート電極5が形成される(図6(b))。尚、図6(b)などに示す様に、この工程で形成される第1絶縁層3の側面(斜面)22と基板1の表面とが成す角度が90°よりも小さい角度(θ)となるようにすることが好ましい。また、ゲート電極5の側面(斜面)と第1絶縁層3の上面(基板1の表面)とが成す角度が、第1絶縁層3の側面(斜面)と基板1の表面とが成す角度(θ)よりも小さくすることが好ましい。
(工程3)
続いて、絶縁層40に対するエッチング処理(第2エッチング処理)を行う(図6(c))。
工程3により、基本的には、図1等に示した電子放出素子を構成する第2絶縁層4が形成される。この結果、第1絶縁層3の上面の一部と第2絶縁層4の側面とからなる凹部7が形成される(図6(c))。より詳細には、ゲート電極5の下面の一部と第1絶縁層3の上面の一部と第2絶縁層4の側面とで凹部7が形成される。また、工程3において、絶縁層40の側面がエッチングされるので第1絶縁層3の上面の一部が露出する。第1絶縁層3の露出している上面21と第1絶縁層3の側面である斜面22とが接続している部分が角部32である。
(工程4)
導電性膜(6A)を構成する材料からなる膜60Aを、基板1の表面から、第1絶縁層3のカソード電極2側の側面となる斜面22を経て、第1絶縁層3の上面21に至るように、堆積する。
即ち、導電性膜60Aは、第1絶縁層3の角部32の少なくとも一部を覆い、第1絶縁層3の斜面(側面)から第1絶縁層3の上面にかけて延在することになる。
導電性膜60Aの膜密度が、第1絶縁層3の角部32の上(および第1絶縁層3の上面の上)に位置する部分の方が、第1絶縁層3の斜面上に位置する部分よりも、高くなる様に成膜することが好ましい。また、同時に、導電性膜(6B)を構成する材料からなる膜60Bを、ゲート電極5の上に堆積することができる。このようにして、導電性膜60A(および60B)を形成する(図6(d))。
図6(d)で示した例では、導電性膜60Aと導電性膜60Bとが接触するように成膜している。工程4では、導電性膜60Aと導電性膜60Bとが接触しないように、即ち、間隙を形成するように、導電性膜60Aと導電性膜60Bを成膜することもできる。
しかしながら、詳しくは後述するが、間隙の大きさ(距離d)をより高精度に制御するためには、図6(d)に示すように、導電性膜60Aと導電性膜60Bとが接触するように成膜することが望ましい。
(工程5)
続いて、導電性膜(60A、60B)に対してエッチング処理(第3エッチング処理)を行う。
第3エッチング処理は導電性膜(60A、60B)の膜厚方向におけるエッチング処理を主眼とした処理である。
工程5により、工程4で接触していた導電性膜60Aと導電性膜60Bとの間に間隙8が形成される。また、導電性膜60Aの端部(突起部)の先鋭化を行うことができる。また、凹部内に付着している余計な導電材料(導電性膜(60A、60B)を構成する材料)を除去することができる。これらの結果、導電性膜6Aと導電性膜6Bとが形成される(図6(e)、図6(f))。
尚、工程5では、エッチング処理の前に導電性膜(60A、60B)の表面を酸化させる酸化処理を加える場合もある。また、工程5を、上記酸化処理と上記エッチング処理とを繰り返す工程とする場合もある。
このように酸化処理とエッチング処理とを行うことによって、単にエッチング処理する場合(図6(e))に比べて、図6(f)に示した様に導電性膜6Aの突起部の先端を制御性よく先鋭化出来る。また、導電性膜6Aと導電性膜6Bとの間隙8を制御性よく形成できる。その結果、より高い電子放出効率の電子放出素子を得ることができる。
このように、工程5は導電性膜(60A、60B)をその膜厚方向にエッチングするための処理である。尚、工程5では、導電性膜(60A、60B)の露出している表面が全てエッチャントに曝されることになる。
(工程6)
導電性膜6Aに電子を供給するためのカソード電極2を形成する(図6(g))。この工程は、他の工程の前や後に変更することもできる。尚、カソード電極2を用いずに、カソード電極2の機能を導電性膜(カソード)6Aが兼ねることもできる。その場合には、工程6は省略できる。
基本的には、以上の(工程1)〜(工程6)により、図1、図3に示した電子放出素子を形成することができる。
尚、上記工程5における第3エッチング処理により、導電性膜6Aの第1絶縁層3の側面に位置する部分があまりに高抵抗になる場合や、そのほとんどが除去されてしまう場合などがある(図12(a))。そこで、本実施形態の電子放出素子の製造方法では、以下の工程7を更に付加することができる。
(工程7)
上記工程5又は工程6の後に、少なくとも第1絶縁層3の側面上(側面に導電性膜6Aが残っていればその上)に導電性材料を堆積させて、被膜9Aを形成する。
被膜9Aを構成する材料は導電性膜6Aと同じ材料で形成しても良いし、別材料で形成しても良い(図12(b))。この工程では、同時に、導電性膜6B上にも被膜9Bを設ける場合もある。
以下、各工程についてより詳細に説明する。
(工程1について)
基板1は電子放出素子を支持するための基板である。石英ガラス,Na等の不純物含有量を減少させたガラス、青板ガラスなどを用いることができる。基板1に必要な機能としては、機械的強度が高いだけでなく、ドライエッチング、ウェットエッチング、現像液等のアルカリや酸に対して耐性があることが挙げられる。また、画像表示装置に用いる場合は、加熱工程などを経るので、積層する部材と熱膨張率差が小さいものが望ましい。また熱処理を考慮すると、ガラス内部からのアルカリ元素等が電子放出素子に拡散しづらい材料が望ましい。
絶縁層30(第1絶縁層3)を構成する材料は、加工性に優れる材料からなり、たとえば窒化シリコン(典型的にはSi)や酸化シリコン(典型的にはSiO)である。絶縁層30は、スパッタ法等の一般的な真空成膜法、CVD法、真空蒸着法で形成することができる。また絶縁層30の厚さは、数nmから数十μmの範囲で設定され、好ましくは数十nmから数百nmの範囲に選択される。
絶縁層40(第2絶縁層4)を構成する材料は、加工性に優れる材料からなる絶縁性の膜であり、たとえば窒化シリコン(典型的にはSi)や酸化シリコン(典型的にはSiO)である。絶縁層40は、スパッタ法等の一般的な真空成膜法、CVD法、真空蒸着法で形成することができる。また絶縁層40の厚さは、絶縁層30よりも薄く、数nmから数百nmの範囲で設定され、好ましくは数nmから数十nmの範囲で選択される。
尚、絶縁層30と絶縁層40を基板1上に積層した後に工程3にて凹部7を形成する必要がある。そのため、上記第2エッチング処理に対して、絶縁層30よりも絶縁層40の方がよりエッチング量が多い関係に設定する。望ましくは絶縁層30と絶縁層40との間のエッチング量の比は、10以上であることが好ましく、50以上であることが更に好ましい。
このようなエッチング量の比を得るためには、例えば、絶縁層30を窒化シリコン膜で形成し、絶縁層40を酸化シリコン膜やリン濃度の高いPSGやホウ素濃度の高いBSG膜等で構成すれば良い。尚、PSGはリンシリケートガラスであり、BSGはボロンシリケートガラスである。
導電層50(ゲート電極5)は導電性を有しており、蒸着法、スパッタ法等の一般的真空成膜技術により形成されるものである。
ゲート電極5となる導電層50の材料は、導電性に加えて高い熱伝導率があり、融点が高い材料が望ましい。例えば、Be,Mg,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,Al,Cu,Ni,Cr,Au,Pt,Pd等の金属または合金材料が使用できる。また、炭化物や硼化物や窒化物も使用でき、Si,Ge等の半導体も使用できる。
また、導電層50(ゲート電極5)の厚さは、数nmから数百nmの範囲で設定され、好ましくは数十nmから数百nmの範囲で選択される。
ゲート電極5となる導電層50は、カソード電極2に比べてその膜厚が薄い範囲で設定される場合があるので、カソード電極2の材料よりも低抵抗な材料であることが望ましい。
(工程2について)
上記第1エッチング処理では、エッチングガスをプラズマ化して材料に照射することで材料の精密なエッチング加工が可能な、RIE(Reactive Ion Etching)を用いることが好ましい。
RIEに用いるガスとしては、加工する対象部材がフッ化物を作る材料である場合には、CFやCHFやSFなどのフッ素系ガスが選ばれる。また加工する対象部材がSiやAlのような塩化物を形成する材料である場合には、Cl、BClなどの塩素系ガスが選ばれる。またレジストとの選択比を取るため、またエッチング面の平滑性の確保あるいはエッチングスピードを上げるため、水素、酸素、アルゴンガスの少なくともいずれかをエッチングガスに添加する。
工程2により、基本的に、図1などに示した電子放出素子を構成する第1絶縁層3とゲート電極5と同一または略同一の形状が形成される。しかしながら、工程2以降に行われるエッチング処理で、第1絶縁層3とゲート電極5が全くエッチングされないことを意味する訳ではない。
また、第1絶縁層3の側面(斜面)22と基板1の表面とが成す角度(図6(b)にθで表示)は、ガス種、圧力、等の条件を制御することに所望の値に制御可能である。θは、90°よりも小さい角度(θ)とすることが好ましい。これは、工程4で第1絶縁層3の斜面22に形成される導電性膜60A(導電性膜6A)の膜質(膜密度)を制御するためである。
θを90°よりも小さい角度に設定することで、結果としてゲート電極5のカソード電極側の側面は、第1絶縁層3のカソード電極側の側面よりも後退する。また、ゲート電極5の側面(斜面)と第1絶縁層3の上面(又は基板1の表面)とが成す角度が、第1絶縁層3の側面(斜面)22と基板1の表面とが成す角度よりも小さくすることが好ましい。尚、第1絶縁層3の上面21と第1絶縁層3の側面22との成す角度は、180°−θとみなせる。
尚、θは、第1絶縁層3の側面22において、角部32(図6(c)参照)から基板1方向へ接線を引いたときに、この接線と基板1とのなす角度で表すことができる。
尚、絶縁層3は基板1の表面に一般的に用いられる成膜方法によって形成されているので、絶縁層3の上面21は基板1の表面(水平方向12)と平行(または実質的に平行)であると言える。即ち、絶縁層3の上面21は基板1の表面と完全に平行である場合もあるが、成膜環境や条件などにより、通常、僅かに傾きを有することが考えられるが、このような場合も含めて、平行または実質的に平行の範疇である。
(工程3について)
工程3では、エッチング液によって絶縁層40がエッチングされる量に対して、エッチング液によって絶縁層3がエッチングされる量が十分に低くなるようにエッチング液が選択される。
上記第2エッチング処理は、例えば絶縁層40が酸化シリコンで形成され第1絶縁層3(絶縁層30)が窒化シリコンで形成されている場合、エッチング液は通称バッファードフッ酸(BHF)を用いればよい。バッファードフッ酸(BHF)はフッ化アンモニウムとフッ酸との混合溶液である。また、絶縁層40が窒化シリコンで形成され第1絶縁層3(絶縁層30)が酸化シリコンで形成されている場合は、エッチャントは熱リン酸系エッチング液を使用すればよい。
工程3により、図1などに示した電子放出素子を構成する第2絶縁層4と同一または略同一のパターンが形成される。しかしながら、工程3以降に行われるエッチング処理で、第2絶縁層4が全くエッチングされないことを意味する訳ではない。
凹部7の深さ(奥行き方向の距離)は、電子放出素子のリーク電流に深く関わる。凹部7を深く形成するほどリーク電流の値が小さくなる。しかし、あまり凹部7を深くするとゲート電極5が変形する等の課題が発生する。このため、実用的には30nm以上200nm以下に設定される。尚、凹部7の深さは、絶縁層3の側面22(または角部32)から絶縁層4の側面までの距離と言い換えることもできる。
(工程4について)
工程4において、導電性膜(60A、60B)は、蒸着法、スパッタ法等の真空成膜技術により形成される。
導電性膜60Aの密度が、第1絶縁層3の角部32の上(および第1絶縁層3の上面の上)に位置する部分の方が、第1絶縁層3の斜面上に位置する部分よりも、高くなる様に成膜する。このような成膜を行うことで、導電性膜60Aの、第1絶縁層3の上面21(角部32)上に位置する端部が、突起形状(突起部)を有する形態とすることができる。即ち、図6(d)に示す様に、先端が尖った突起部を第1絶縁層3の上面21(角部32)上に備える、導電性膜60Aを形成することができる。そして、導電性膜60Aの突起部の膜密度に比べて、導電性膜60Aの第1絶縁層3の斜面22上に位置する部分の膜密度が低く形成される。その結果、工程5の第3エッチング処理により、突起部をより先鋭化することができる。
上記の様な成膜を行う為には、導電性膜60Aの成膜を指向性を有する成膜法によって行う。例えば、いわゆる指向性スパッタリング法や蒸着法を用いることができる。指向性を有する成膜方法を用いることで、導電性膜(60A,60B)の原料(成膜材料)が、第1絶縁層3の上面および側面(並びにゲート電極5の上面および側面)に入射する角度を制御できる。
指向性スパッタでは、具体的には、基板1とターゲットとの角度を設定した上で、基板1とターゲットの間に遮蔽板を設けたり、基板1とターゲット間の距離をスパッタ粒子の平均自由行程近傍にする等行う。スパッタ粒子に指向性を与えるコリメータを用いる、いわゆるコリメーションスパッタ法も上記指向性スパッタリング法の範疇である。このようにして、限られた角度のスパッタ粒子(スパッタされた原子またはスパッタされた粒子)のみが被成膜面(絶縁層30の斜面など)に入射される様にする。
即ち、スパッタ粒子(成膜材料)の第1絶縁層3の斜面に対する入射角度が、スパッタ粒子(成膜材料)の第1絶縁層3の上面(角部32)に対する入射角度よりも小さい(浅い)角度になる様にすればよい。但し、スパッタ粒子の第1絶縁層3の上面(角部32)に対する入射角度は、スパッタ粒子の第1絶縁層3の斜面に対する入射角度よりも、90度に近く設定する。このようにすることで、スパッタ粒子は、第1絶縁層3の斜面に対してよりも第1絶縁層3の上面(角部32)に対して、より垂直に近い状態で入射させることができる。このような成膜を行うことで、前述したような、導電性膜60Aの、第1絶縁層3の上面21(角部32)上に位置する端部が、突起形状(突起部)を有する形態とすることができる。
蒸着法では、真空度が10−2〜10−4Pa程度の高真空下で成膜を行うと、蒸発源から気化した蒸発物質(成膜材料)は、衝突する可能性が低い。更に、蒸発物質(成膜材料)の平均自由行程は概ね数百mm〜数m程度である為、蒸発源から気化した時の方向性が維持されて基板に届くことになる。このため、蒸着法は指向性を有する成膜方法となる。蒸発源を蒸発させる手法は、抵抗加熱、高周波誘導加熱、電子ビーム加熱などが有るが、対応可能な物質の種類及び加熱面積の関係から電子ビームを利用する方法が有効である。
尚、工程2においてθを90°よりも小さい角度に設定することで、ゲート電極5のカソード電極2側の側面は、第1絶縁層3のカソード電極2側の側面よりも後退することは前述した通りである。その結果、工程4で上記したような指向性を有する成膜を行うことで、角部32の上には、側面(斜面)の上よりも、良質な膜が形成される。尚、「良質な膜」とは、ここでは「高密度な膜」または「膜密度の高い膜」と言い換えることができる。
従って、工程2における第1エッチング処理によって形成される角度θを、より小さい角度にすれば、第1絶縁層3の上面により多くの良質な膜を形成できる。即ち、第1絶縁層3のカソード電極2側の側面に対する、ゲート電極5のカソード電極2側の側面の後退量を多くすれば、第1絶縁層3の上面により多くの良質な膜を形成できる。
本工程では、導電性膜60Aと導電性膜60Bとが接触しないように、即ち、間隙を形成するように、導電性膜60Aと導電性膜60Bを成膜することもできる。また、ゲート電極5上に導電性膜6Bを設けない形態とする場合には、ゲート電極5と離れるように、導電性膜60Aを成膜する。
電子放出素子では、図3で示した様に、導電性膜6Aと導電性膜6Bとの間に距離dの間隙を高精度に形成する必要がある。特に、複数の電子放出素子を均一性高く形成する場合には、各電子放出素子の間隙の大きさのバラツキを少なくすることが重要である。間隙の大きさ(距離d)をより高精度に制御するために、工程4において、導電性膜60Aと導電性膜60Bとが接触するように成膜することが望ましい。言い換えると、工程4において、導電性膜60Aとゲート電極5とが導電性膜60Bを介して接続するように成膜することが望ましい。そして、その後に、下記工程5における第3エッチング処理を行って導電性膜60Aと導電性膜60Bとの間に間隙を形成することが望ましい。
尚、間隙8の形成を、上記工程4の成膜時間や成膜条件の制御等で行う場合も、凹部7内のどこかに、導電性膜60Aと導電性膜60Bとが、微小に接触した箇所(リーク源)が形成される可能性もある。そのため、工程4の後に、下記工程5における第3エッチング処理を行う必要がある。
導電性膜60Aと導電性膜60Bは、同一材料でも良いし、異なる材料でも構わない。しかしながら、製造の容易性、エッチングの制御性から、導電性膜60Aと導電性膜60Bは同一材料で同時に成膜することが好ましい。
導電性膜(60A、60B)の材料は、導電性があり、電界放出する材料であればよく、好ましくは、2000℃以上の高融点の材料から選択される。また、導電性膜60Aの材料は、5eV以下の仕事関数材料であり、その酸化物が簡易にエッチング可能な材料で形成されることが好ましい。このような材料として例えば、Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,Au,Pt,Pd等の金属または合金材料、或いは炭化物、硼化物、窒化物も使用可能である。工程5において、金属と金属酸化物のエッチング特性の差を利用した、表面酸化膜のエッチング処理を行う場合があるので、導電性膜(60A、60B)の材料は、MoまたはWを用いることが好ましい。
(工程5について)
第3エッチング処理としてはドライエッチング、ウェットエッチングの何れでも構わないが、他材料とのエッチング選択比の容易さを考慮して、ウェットエッチングを行うことが好ましい。
エッチング量(間隙の大きさd)が数nm程度と微量である為、安定性を考慮するとエッチングレートは1分間に1nm以下であることが望ましい。上記エッチングレートとは、単位時間当たりの膜厚変化量を意味している。エッチング処理で除去される単位時間当たりの原子数は、導電性膜(60A、60B)の材料とエッチング液で一意に決まるので、膜密度とエッチングレートは反比例の関係にある。即ち、膜密度が高いほど、エッチングレートは低くなる。
図7(a)、図7(b)、図7(c)を用いて、第3エッチング処理による、間隙の形成と導電性膜60Aの端部(突起部)の先鋭化処理について説明する。
図7(a)は、工程4で指向性を有する成膜方法により、導電性膜(60A、60B)が成膜された状態を表している。指向性を有するスパッタ法により、ゲート電極5の表面、基板1の表面上、及び、第1絶縁層3の角部32の上、第1絶縁層3の上面では、スパッタ粒子が、それらの面に対して90°に近い角度(スパッタ粒子の飛翔方向と面の成す角度)で衝突する。尚、スパッタ粒子とは、スパッタターゲットからスパッタされた粒子を指す。その為、上記した部分には、良質な膜(ここでは「高密度な膜」または「膜密度の高い膜」と表現する)が形成される。
一方、第1絶縁層3の斜面及びゲート電極5の端部近傍の面には、スパッタ粒子がこれらの面に対して浅い角度で衝突する為、これらの面上には低密度な膜(または「膜密度の低い膜」)が形成される。
図7(a)では、導電性膜の6A1および6B1で模式的に示した部分が高密度膜、導電性膜の6A2および6B2で模式的に示した部分が低密度膜を表している。
前述した様に膜密度とエッチングレートは反比例する。そのため、上記第3エッチング処理では、導電性膜の6A1および6B1で模式的に示した部分に比較して、導電性膜の6A2および6B2で模式的に示した部分の方が高エッチングレートになる。尚、工程5では、導電性膜の露出している表面が全てエッチャントに曝される(エッチングされる)ことになる。
図7(b)および図7(c)は、第3エッチング処理を行った状態を表している。図中、T2は高密度膜の部分における、第3エッチング処理による膜厚の減少量を示しており、T3は低密度膜の部分における、第3エッチング処理による膜厚の減少量を示している。本実施形態では、T2<T3の関係が成り立つ。第3エッチング処理による膜厚の減少量はエッチング時間あるいはエッチング回数で調整が可能である。T2<T3の関係があるので、繰り返してエッチング処理を行うことにより導電性膜60Aの端部(突起部)の先鋭化が促進される(図7(c))。
導電性膜(60A、60B)の材料がモリブデンの場合は、高密度膜は9.5g/cm以上10.2g/cm以下であり、低密度膜は7.5g/cm以上8.0g/cm以下であることが望ましい。上記値は、膜の抵抗率と膜厚(低密度膜は斜面に形成されるので、低密度膜部分は膜厚も薄くなる関係がある)及びエッチングレート差を考慮した実用的な範囲である。
膜密度の測定は、一般にはXRR(X線反射率法)が用いられるが、実際の電子放出素子では測定が困難な場合がある。そのような場合には、膜密度の測定手法として、例えば、以下の方法を採用することができる。即ち、TEM(透過電子顕微鏡)とEELS(電子エネルギー損失分光)を組み合わせた高分解能電子エネルギー損失分光電子顕微鏡で、元素の定量分析を行い、膜密度が既知の膜と比較することで、検量線を作成して、密度を算出することができる。
導電性膜(60A、60B)の材料と第3エッチング処理に用いるエッチャントの組み合わせは、特に限定されるものではない。例えば、導電性膜(60A、60B)の材料がモリブデンであれば、エッチャントはTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)やアンモニア水などのアルカリ溶液を用いることができる。或は、エッチャントとして、2−(2−n−ブトキシエトキシ)エタノールとアルカノールアミンの混合物やDMSO(ジメチルスルホキシド)等も用いることができる。
また、導電性膜(60A、60B)の材料がタングステンの場合は、硝酸やフッ酸や水酸化ナトリウム溶液等をエッチャントとして用いることができる。
また、前述した様に、工程5を、導電性膜(60A、60B)の表面を酸化させる酸化工程と酸化した導電性膜(60A、60B)の表面をエッチングするエッチング処理とで構成する形態もある。
これは、酸化工程で導電性膜(60A、60B)の表面に所望量の酸化膜を形成した後、該酸化膜をエッチング除去することにより、エッチング量の均一性(再現性)を高める効果が期待できる。
そして、酸化量(酸化膜厚)は膜密度に反比例する。即ち、膜密度が高い部分の表面の酸化量(酸化膜厚)は、膜密度が低い部分の表面の酸化量(酸化膜厚)に比べて小さくなる。そのため、導電性膜(60A、60B)を酸化処理した場合、膜密度の小さい部分(図7(a)の6A2、6B2に相当する部分)の表面層が優先的に(選択的に)酸化される。つまり、酸化処理とエッチング処理とを行うことによって導電性膜60Aの端部(突起部)の先鋭化と前述した間隙の間隔の制御精度を高めることが可能になる。
酸化方法は、導電性膜60Aの表面を数〜数十nm酸化させることが可能な方法ならば特に制限されるものではない。具体的にはオゾン酸化(エキシマUV露光、低圧水銀露光、コロナ放電処理、等)や熱酸化等が挙げられるが、好ましくは、酸化の定量性が優れているエキシマUV露光を用いる。また、導電性膜60Aの材料がモリブデンの場合にはエキシマUV露光により、酸化膜が容易に除去できるMoOを主として生成することができる利点もある。
酸化膜の除去工程は、ドライ、ウェットの何れでも構わないが、好ましくはウェットエッチング処理を用いる。酸化膜の除去工程(エッチング工程)は、表面層である酸化膜のみを除去(エッチング)することが目的となる。そのため、用いるエッチャントしては、酸化膜のみを除去して、下層である金属層(酸化していない層)には実質的な影響のないものが望まれる。或いは、酸化膜のエッチングレートが金属層(酸化していない層)に比較して十分に大きい(桁で異なる)ものが望まれる。具体的には、導電性膜(60A、60B)の材料がモリブデンであれば、エッチャントは、希釈TMAH(濃度が0.238%以下が望ましい)、温水(40℃以上が望ましい)等が挙げられる。導電性膜(60A、60B)の材料がタングステンの場合は、バッファードフッ酸、希塩酸、温水等が挙げられる。
工程5によって、導電性膜6Aと導電性膜6Bとが形成される(図7(c))。尚、導電性膜6Bは、ゲート電極5の上(詳細にはゲート電極の側面(斜面)上と上面上)に設けられている。このため、導電性膜6B(ゲート電極5の側面に位置する部分)を、導電性膜6Aの突起部の先端から放出された電子が最初に衝突する部分とすることができる。そのためゲート電極5を構成する材料の融点が多少低くても、導電性膜6Bを高融点の材料で形成すれば、電子放出素子の電子放出特性の劣化を抑制することができる。
(工程6について)
カソード電極2は、前記ゲート電極5と同様に導電性を有しており、蒸着法、スパッタ法等の一般的真空成膜技術、フォトリソグラフィー技術により形成することができる。カソード電極2の材料は、ゲート電極5と同じ材料であってもよく、異なる材料であってもよい。
カソード電極2の厚さとしては、数十nmから数μmの範囲で設定され、好ましくは数百nmから数μmの範囲で選択される。
(工程7について)
工程7は、例えば、前述したように第1絶縁層3の斜面上に位置する導電性膜6Aの膜厚が高抵抗になり過ぎる場合などに好ましく行われる。
また、工程5の後に、先鋭化加工が困難な低仕事関数材料の膜で、少なくとも突起部の先端を被覆する場合もある。この場合には、導電性の低仕事関数材料を用いれば上記工程7を同時に行うことができる。
被膜9Aの材料は導電性膜6Aと同一のものでも良いし、別材料でも良い(図12(b))。しかしながら、被膜9Aの材料は導電性材料であることが望ましい。尚、導電性膜6Aと導電性膜6Bとが接続しないように被膜9Aを設ける。また、被膜9Aは、導電性膜6Aよりも膜厚を薄く形成する。
工程7以前の工程で、第1絶縁層3の斜面上に位置する導電性膜6Aが全く無くなってしまった場合には、被膜9Aを構成する材料は、第1絶縁層3の斜面上に直接堆積されることになる。
工程7では、同時に、導電性膜6B上にも被膜9Bを設けることもできる。被膜9Bの材料は被膜9Aと同じ材料でも異なる材料でも良い。しかしながら、同じ材料であれば、工程を簡略化できる。
被膜9Aとして低仕事関数材料の膜を用いる場合には、上述したように、第1絶縁層3の斜面上に設けることに加え、少なくとも突起部の先端を被膜9Aで覆う。低仕事関数材料の膜としては、導電性膜6Aよりも低仕事関数の材料からなる膜であれば良い。例えばn型ダイヤモンド膜や、窒素ドープしたテトラヘデラルアモルファスカーボン(ta−C)膜や、酸化イットリウム膜などを好適に用いることができる。
上記した製造方法により形成される電子放出素子の構成の詳細について図1および図3を用いて以下に述べる。
ここでは、段差形成部材10を、第1絶縁層3と第2絶縁層4とを積層することで構成する例を示した。しかしながら、段差形成部材10は、3つ以上の複数の層で構成することもできる。
段差形成部材10を構成する第2絶縁層4の上面にゲート電極5が載置されており、段差形成部材10の側面であって、ゲート電極5の端部の直下に位置する部分に、凹部7が設けられている。ここでは、ゲート電極5の下面(基板1側の面)の一部が露出するように、段差形成部材10の側面に凹部7を設けた例を示した。即ち、ゲート電極5の下面の一部(露出している部分)が凹部7を形作っている。
しかしながら、凹部7は、ゲート電極5の下面と段差形成部材10の上面との界面よりも、基板1側に設ける形態であってもよい。即ち、ゲート電極5の下面から凹部7を離れて設けた形態(ゲート電極5の下面が露出しない形態)であってもよい。いずれにしても、本実施形態の電子放出素子では、凹部7の上にゲート電極5が配置されている。
また、ここでは、段差形成部材10を構成する第1絶縁層3の側面が傾斜した斜面で構成されているが、基板1の表面に対して、90°未満の角度とすることが上記した製造方法との兼ね合いから好ましい。尚、第2絶縁層4の側面(図6(c)参照)の基板1との角度は、カソードである導電性膜6Aの突起部からの電子放出の妨げにならない限り、特に限定されるものではない。
次に、導電性膜(カソード)6Aの突起部について、その特徴とその望ましい形態を図3(a)および図3(b)を用いて以下に述べる。
図3(a)は図1(b)を拡大した図であり、図3(b)は図3(a)の円状の点線で囲まれた領域(導電性膜6Aの突起部)の拡大図である。
導電性膜6Aの突起部の先端を拡大すると、その先端には曲率半径rで代表される部分が存在する(図3(b)の点線で囲まれた円を参照)。この曲率半径rの値により導電性膜6Aの先端の電界強度が異なる。rが小さいほど電気力線の集中が生じるため突起先端に高い電界を形成することが可能となる。従って突起部分先端の電界を一定とした場合、すなわち駆動電界(電子放出時の電界)を一定とした時に、曲率半径rが相対的に小さければ導電性膜6Aの突起部の先端とゲート電極5との最短距離dが大きく、rが相対的に大きければ最短距離dが小さな値となる。最短距離dの違いは散乱回数の違いに影響するため、rが小さく、dが大きいほど電子放出効率が高い電子放出素子とすることが可能となる。
導電性膜6Aの突起部は、図3(b)で示されるように、凹部7内に、段差形成部材10の側面と凹部7との境界(第1絶縁層3の角部32)から距離xだけ、入り込んでいる。
距離xをもって凹部7内に、導電性膜6Aが入り込むことで、以下の三つのメリットが生じる。
(1)電子放出部となる導電性膜6Aの突起部が第1絶縁層3と広い面積を持って接触し、機械的な密着力があがる(密着強度の上昇)。
(2)電子放出部となる導電性膜6Aの突起部と第1絶縁層3との熱的な接触面積が広がり、電子放出部で発生する熱を効率よく第1絶縁層3に逃がすことが可能となる(熱抵抗の低減)。
(3)第1絶縁層3の上面に対して傾斜を備えることで、絶縁層―真空−金属界面で生じる三重点での電界強度を弱め、異常な電界発生による放電現象を防止することが可能となる。
尚、距離xは、導電性膜6Aの、凹部7の表面と接する部分の端部から凹部7の縁までの距離と言う事が出来る。換言すると、第1絶縁層3の上面と導電性膜6Aとが凹部7の深さ方向に接する長さと言う事ができる。
次に、上記した電子放出素子に、図2のように駆動電圧を印加することによって放出された電子の軌道について説明する。
図2は、電子放出素子の電子放出特性を測定するときの電源及び電位の関係を示す図である。ここでVfはカソードとゲートとの間に印加される電圧、Ifはこの時流れる素子電流、Vaはカソードとアノード電極20の間に印加される電圧、Ieは電子放出電流である。ここで、電子放出効率(η)は、素子に電圧(Vf)を印加したときに検出される電流(If)と真空中に取り出される電流(Ie)を用いて、効率η=Ie/(If+Ie)で与えられる。
(電子放出における散乱の説明)
図4(a)において、導電性膜6Aの突起部の先端からゲート電極5に向かって電界放出された電子は、その一部もしくは全てが、ゲート電極5或いはゲート電極上の導電性膜6Bに衝突する。
放出された電子のゲート電極5もしくは導電性膜6Bへの衝突箇所は、ゲート電極5の、凹部7を形作っている部分51(ゲート電極5の下面)と、導電性膜6Bの斜面61とに大別されるが、多くの場合は、導電性膜6Bの斜面61に衝突する可能性が高い。
この際、導電性膜6Bの抵抗率が大きいと、電子衝突により導電性膜6Bが発熱して蒸発、変形する可能性があり、その場合には前記のIfが劣化する等、信頼性に関わる問題が生じてしまう。この為、導電性膜6Bの抵抗率は、小さい方が良好である。
図5にはモリブデン膜の膜密度と抵抗率の関係を示した。図からも判る様に、一般に金属の膜密度と抵抗率は反比例の関係にある。即ち、金属の膜密度が高くなれば、その抵抗率(比抵抗)は低下する。そのため、抵抗率を小さくする為には膜密度を大きくする必要がある。
前述したように、工程4では、導電性膜60Bの膜密度が、第1絶縁層3の角部近傍上に堆積している部分の方が、絶縁層3の斜面上に堆積している部分よりも大きくなる様に成膜を行っている。この成膜法によればゲート電極5上の導電性膜60Bについても、同様のことが起こる。つまり、ゲート電極5の斜面と絶縁層3の上面の成す角が90°よりも小さくなる様なゲート形状とすることで、導電性膜60のゲート電極5の先端(斜面)に成膜される部分61の膜密度は大きくなる。そのため、ゲート電極5の先端(斜面)に対するスパッタ粒子の入射角度を、ゲート電極5の上面に対するスパッタ粒子の入射角度よりも、90°に近づけることが好ましい。そのようにすればゲート電極5の上面に成膜された部分62に比べて抵抗率を小さくすることが可能である。具体的には、図4(b)に示すような斜面をゲート電極5のカソード電極2側の側面(端部)が有することが好ましい。
以下、上記電子放出素子を複数配して得られる電子源を備えた画像表示装置について、図9〜図11を用いて説明する。
図9において、61は基板、62はX方向配線、63はY方向配線であり、また、64は上記した電子放出素子、65は結線である。尚、X方向配線62は、上述のカソード電極2を共通に接続する配線であり、Y方向配線63は上述のゲート電極5を共通に接続する配線である。
m本のX方向配線62は、DX1,DX2,…DXmからなり、真空蒸着法,印刷法,スパッタ法等を用いて形成された金属等の導電性材料で構成することができる。配線の材料、膜厚、巾は、適宜設計される。
Y方向配線63は、DY1,DY2,…DYnのn本の配線よりなり、X方向配線62と同様に形成される。これらm本のX方向配線62とn本のY方向配線63との間には、不図示の層間絶縁層が設けられており、両者を電気的に分離している(m,nは、共に正の整数)。
不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法,印刷法,スパッタ法等を用いて形成される。例えば、X方向配線62を形成した基板61の全面或は一部に所望の形状で形成され、特に、X方向配線62とY方向配線63の交差部の電位差に耐え得るように、膜厚、材料、製法が、適宜設定される。X方向配線62とY方向配線63は、それぞれ外部端子として引き出されている。
配線62と配線63を構成する材料、結線65を構成する材料及びカソード、ゲートを構成する材料は、その構成元素の一部あるいは全部が同一であっても、またそれぞれ異なってもよい。
X方向配線62には、X方向に配列した電子放出素子64の行を選択するための走査信号を印加するための不図示の走査信号印加手段が接続される。一方、Y方向配線63には、Y方向に配列した電子放出素子64の各列を入力信号に応じて変調するための不図示の変調信号発生手段が接続される。
各電子放出素子に印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧として供給される。
上記構成においては、単純なマトリクス配線を用いて、個別の素子を選択して、独立に駆動可能とすることができる。
このような単純マトリクス配置の電子源を用いて構成した画像表示装置について、図10を用いて説明する。図10は画像表示装置の画像表示パネル77の一例を示す模式図である。
図10において、61は電子放出素子を複数配した基板、71は基板61を固定したリアプレートである。また、76は、ガラス基板73の内面に、アノードであるメタルバック75と、発光体の膜74としての蛍光体膜等が形成されたフェースプレートである。
また、72は支持枠であり、この支持枠72には、リアプレート71、フェースプレート76がフリットガラス等の接合材を用いて封着(接合)されている。77は外囲器であり、例えば大気中あるいは、窒素中で、400〜500度の温度範囲で10分以上焼成することで、封着して構成される。
また、64は、図1における電子放出素子に相当するものであり、62,63は、電子放出素子のカソード電極2、ゲート電極5とそれぞれ接続されたX方向配線及びY方向配線である。図10では電子放出素子64と配線62、63との位置関係は模式的に示されている。実際には、配線62と配線63との交差部の脇の基板上に電子放出素子64が配置されている。
画像表示パネル77は、上述の如く、フェースプレート76、支持枠72、リアプレート71で構成される。ここで、リアプレート71は主に基板61の強度を補強する目的で設けられるため、基板61自体で十分な強度を持つ場合には、別体のリアプレート71は不要とすることができる。
即ち、基板61に直接支持枠72を封着するとともに、支持枠とフェースプレート76とを封着して外囲器77を構成しても良い。一方、フェースプレート76とリアプレート71との間に、スペーサーとよばれる不図示の支持体を設置することにより、大気圧に対して十分な強度をもつ画像表示パネル77を構成することもできる。
次に、上記画像表示パネル77に、テレビ信号に基づいたテレビジョン表示を行うための駆動回路の構成例について、図11を用いて説明する。
図11において、77は画像表示パネル、92は走査回路、93は制御回路、94はシフトレジスタである。95はラインメモリ、96は同期信号分離回路、97は変調信号発生器、VxおよびVaは直流電圧源である。
表示パネル77は、端子Dox1乃至Doxm、端子Doy1乃至Doyn、及び高圧端子Hvを介して外部の電気回路と接続している。
端子Dox1乃至Doxmには、表示パネル77内に設けられている電子源、即ち、M行N列の行列状にマトリクス配線された電子放出素子群を一行(N素子)ずつ順次駆動する為の走査信号が印加される。
一方、端子Doy1乃至Doynには、走査信号により選択された一行の電子放出素子の各素子の出力電子ビームを制御する為の変調信号が印加される。
高圧端子Hvには、直流電圧源Vaより、例えば10[kV]の直流電圧が供給される。
上述のように走査信号、変調信号、及びアノードへの高電圧印加により、放出された電子を加速して蛍光体へと照射することによって、画像表示を実現することができる。
以下、上記実施の形態に基づいた、より具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
図6を参照して、本実施例に係る電子放出素子の製造方法を説明する。
基板1は高歪点低ナトリウムガラス(旭硝子(株)製PD200)を用いている。
まず最初に、図6(a)に示すように基板1上に絶縁層30、40と、導電層50を積層する。
絶縁層30は、加工性に優れる材料からなる絶縁性の膜であり、窒化シリコン(Si)膜をスパッタ法にて形成し、その厚さとしては、500nmとした。
絶縁層40は、加工性に優れる材料からなる絶縁性の膜である酸化シリコン(SiO)であり、スパッタ法にて形成し、その厚さとしては、30nmとした。
導電層50は窒化タンタル(TaN)膜で構成し、スパッタ法にて形成し、その厚さとしては、30nmとした。
次に、図6(b)に示すように、フォトリソグラフィー技術により導電層50上にレジストパターンを形成したのち、ドライエッチング手法を用いて導電層50、絶縁層40、絶縁層30を順に加工する。この第1エッチング処理により、導電層50はパターニングされてゲート電極5となり、絶縁層30はパターニングされて第1絶縁層3となる。
この時の加工ガスとしては、絶縁層30、40及び導電層50にはCF系のガスを用いた。このガスを用いてRIEを行った結果、絶縁層30,絶縁層40,及びゲート電極5のエッチング後の側面の角度は基板の表面(水平面)に対しておよそ80°の角度で形成されていた。
レジストを剥離した後、図6(c)に示すようにBHF(ステラケミファ(株)製 高純度バッファードフッ酸LAL100)を用いて、凹部7の深さが約100nmになるように、絶縁層40をエッチングした。この第2エッチング処理により、絶縁層3,4からなる段差形成部材10に凹部7を形成した。
図6(d)に示すようにモリブデン(Mo)を、第1絶縁層3の斜面上と上面(凹部の内表面)上、及びゲート電極5上に付着させ、導電性膜60Aと導電性膜60Bを同時に成膜した。この時、図6(d)に示す様に、導電性膜60Aと導電性膜60Bとが接触するように成膜した。
本実施例では成膜方法として指向性スパッタ法を用いた。基板1の表面の角度をスパッタタ−ゲットに対して水平になるようにセットした。ここではスパッタ粒子が限られた角度(具体的には基板1の表面に対して90±10°)で基板1の表面に入射されるよう、基板1とターゲットの間に遮蔽板を設けた。更に、アルゴンプラズマをパワー3kW、真空度0.1Paで生成し、基板1とMoターゲットとの距離を60mm以下(0.1Paでの平均自由行程)になるように基板1を設置した。そして、絶縁層3の斜面上のMoの厚さが60nmになるように10nm/minの蒸着速度で形成した。
このとき、凹部7内への導電性膜60Aの入り込み量(図3(b)における距離x)が35nmとなるように導電性膜60Aを形成した。
TEM(透過電子顕微鏡)観察とEELS(電子エネルギー損失分光)分析を行った。その結果をもとに、Moの膜密度を算出したところ膜密度の大きい部分(図7(a)の6A1および6B1に相当)は10.0g/cm、小さい部分(図7(a)の6A2および6B2に相当)は7.8g/cmであった。
次に、図8(a)〜図8(c)に示す様に、Moからなる導電性膜60Aと導電性膜60Bを、複数に分割するパターニング処理を行った。このような形態とすることで、例えば1つの導電性膜とゲート電極5とが放電などによって短絡して破壊され、電子が放出されなくなっても、他の導電性膜からの電子放出は維持することができる。
ここでは、導電性膜60A1〜60A4の幅T1(図8(a))が3μmのライン&スペースになるようにフォトリソグラフィー技術によりレジストパターンを形成した。その後、ドライエッチング手法を用いてパターニングし、短冊化された導電性膜60A1〜60A4及び導電性膜60B1〜60B4を形成した。この時の加工ガスとしては、モリブデンはフッ化物を作る材料であるので、CF系のガスを用いた。
但し、この段階では、図6(d)に示す様に導電性膜60A1〜60A4と導電性膜60B1〜60B4は接触している。
次に、電子放出部となる間隙8を形成する為に、図6(e)、図6(f)に示す様に、短冊化した導電性膜60A1〜60A4と導電性膜60B1〜60B4に対してエッチング処理(第3エッチング処理)を行った。
第3エッチング処理は、以下に具体的に説明する、第1段階のエッチング処理と第2段階のエッチング処理により行った。
第1段階エッチング処理は、Moからなる導電性膜60A1〜60A4と導電性膜60B1〜60B4の表面を酸化する工程と、酸化した表面を除去する工程が含まれている。
具体的には、Moを酸化する方法としてはエキシマUV(波長:172nm、照度:18mw/cm)露光装置を使用して、大気下で350mJ/cm照射した。この条件で、膜密度の小さい斜面では3nm程度、膜密度の大きい部分では1〜2nm程度の膜厚で導電性膜60A1〜60A4と導電性膜60B1〜60B4の表面に酸化層が形成された。続いて温水(45℃)に5分間浸漬させて酸化モリブデン層を除去した。この工程で、導電性膜60A1〜60A4と導電性膜60B1〜60B4との間に間隙8を形成した(図6(e))。
続いて、第2段階エッチング処理として、図6(f)に示した様に、導電性膜6A(導電性膜60A1〜60A4)の突起部の先端を先鋭化させた。尚、第2段階エッチング処理では、先鋭化と同時に、第1段階エッチング処理で形成された間隙8の間隔を広げるために行った。第2段階エッチング処理は第1段階エッチング処理と同様で、酸化工程でモリブデン酸化膜を形成し、除去工程で酸化膜除去を行うことによって、導電性膜60A1〜60A4をエッチングした。
今回は、エキシマUVによる酸化(350mJ/cm照射)と温水(45℃、5分間浸漬)による酸化膜除去の工程を1サイクルとして、これを3サイクル行った。
断面TEMによる解析の結果、図6(f)のように、電子放出部となる導電性膜60A1〜60A4の各突起部とゲート電極5との間の最短距離8が平均的に15nmとなっていた。
次に図6(g)に示すように、電極2を形成した。電極2には銅(Cu)を用いた。その作成方法としてはスパッタ法を用い、その厚さは、500nmであった。
以上の方法で電子放出素子を形成した後、図2に示した構成で電子放出素子の特性を評価した。
ここで、特性の評価では、ゲート電極5(及び導電性膜60B1〜60B4)の電位を34Vとし、導電性膜60A1〜60A4の電位を電極2を介して0Vに規定した。これによって、ゲート電極5と導電性膜60A1〜60A4との間に34Vの駆動電圧を印加した。その結果、平均の電子放出電流Ieは20μAであり、平均15%の電子放出効率が得られる電子放出素子が得られた。また、導電性膜60A1〜60A4とゲート電極5(導電性膜60B1〜60B4)との接触に起因するリーク電流も観測されなかった。
この電子放出素子を多数用いた画像表示装置では、電子ビームの成形性に優れ、放電が生じても画素欠陥が生じずに良好な画像を長期に渡って維持することができる。また、電子放出効率向上に伴う、低消費電力な画像表示装置が提供できる。
(実施例2)
本実施例で作成した電子放出素子の基本的な作製方法は実施例1と同様であるので、ここでは実施例1との違いだけ述べる。
本実施例では、絶縁層40のSiOを厚さが20nmとなる様にスパッタ法にて形成した。また、導電性膜6Aと導電性膜6Bの材料であるモリブデン(Mo)を実施例1と同様の成膜条件で、本実施例では30nmになるように形成した。それ以外は実施例1と同様に作成した。
断面TEMによる解析の結果、図6(f)における電子放出部となる導電性膜60A1〜60A4の各突起部とゲート電極5との間の最短距離8が平均的に4.5nmとなっていた。
実施例1と同様に、図2に示した構成で電子放出素子の特性を評価した。
ここで、特性の評価では、ゲート電極5(及び導電性膜60B1〜60B4)の電位を26Vとし、導電性膜60A1〜60A4の電位を電極2を介して0Vに規定した。これによって、ゲート電極5と導電性膜60A1〜60A4との間に26Vの駆動電圧を印加した。その結果、平均の電子放出電流Ieは7μAであり、平均8%の電子放出効率が得られる電子放出素子が得られた。また、導電性膜60A1〜60A4とゲート電極5(導電性膜60B1〜60B4)との接触に起因するリーク電流も観測されなかった。
(実施例3)
本実施例で作成した電子放出素子の基本的な作製方法は実施例1と同様であるので、ここでは実施例1との違いだけ述べる。
本実施例では、絶縁層4のSiOを厚さが25nmとなる様にスパッタ法にて形成した。また、導電性膜6Aと導電性膜6Bの材料であるモリブデン(Mo)を実施例1と同様の成膜条件で、本実施例では40nmになるように形成した。第3エッチング処理は酸化処理を行わず、40℃に加熱した0.238%TMAH中で30分間浸漬揺動することで行った。それ以外は実施例1と同様に作成した。
断面TEMによる解析の結果、図6(f)における電子放出部となる導電性膜60A1〜60A4の各突起部とゲート電極5との間の最短距離8が平均的に12nmとなっていた。
実施例1と同様に、図2に示した構成で電子放出素子の特性を評価した。
ここで、特性の評価では、ゲート電極5(及び導電性膜60B1〜60B4)の電位を30Vとし、導電性膜60A1〜60A4の電位を電極2を介して0Vに規定した。これによって、ゲート電極5と導電性膜60A1〜60A4との間に30Vの駆動電圧を印加した。その結果、平均の電子放出電流Ieは15μAであり、平均12%の効率が得られる電子放出素子が得られた。また、導電性膜60A1〜60A4とゲート電極5(導電性膜60B1〜60B4)との接触に起因するリーク電流も観測されなかった。
(実施例4)
本実施例で作成した電子放出素子の基本的な作製方法は実施例1と同様であるので、ここでは実施例1との違いだけ述べる。
図6(d)に示すように導電性膜6Aと導電性膜6Bの材料としてタングステン(W)を用いた。本実施例のスパッタ成膜ではアルゴンプラズマをパワー500w、真空度0.1Paで生成した。
また、短冊化されたタングステンからなる導電性膜60A1〜60A4及び導電性膜60B1〜60B4を形成した時の加工ガスとしては、SF系のガスが用いた。
第3エッチング処理は、実施例1と同様に、第1段階のエッチング処理と第2段階のエッチング処理により行った。第1段階エッチング処理では、タングステンからなる導電性膜60A1〜60A4と導電性膜60B1〜60B4の表面を酸化する工程と酸化した表面を除去する工程が含まれている。
具体的には、Wを酸化する方法としてはエキシマUV(波長:172nm、照度:18mw/cm)露光装置を使用して、大気下で150mJ/cm照射した。続いて温水(70℃)に5分間浸漬させて酸化タングステン層を除去した。この工程で、導電性膜60A1〜60A4と導電性膜60B1〜60B4との間に間隙8を形成した(図6(e))。
続いて、第2段階エッチング処理として、図6(f)に図示した様に、導電性膜6A(導電性膜60A1〜60A4)の電子放出部となる突起部の先端を先鋭化させた。尚、第2段階エッチング処理では、先鋭化と同時に、第1段階エッチング処理で形成された間隙8の間隔を広げるために行った。第2段階エッチング処理は第1段階エッチング処理と同様で、酸化工程でタングステン酸化膜を形成し、除去工程で酸化膜除去を行うことによって、導電性膜60A1〜60A4をエッチングした。ここでは、エキシマUVによる酸化(150mJ/cm照射)と温水(70℃、5分間浸漬)による酸化膜除去の工程を1サイクルとして、これを2サイクル行った。それ以外は実施例1と同様に作成した。
断面TEMによる解析の結果、図6(f)のように、電子放出部となる導電性膜60A1〜60A4の各突起部とゲート電極5との間の最短距離8が平均的に13nmとなっていた。
実施例1と同様に、図2に示した構成で電子放出素子の特性を評価した。
ここで、特性の評価では、ゲート電極5(及び導電性膜60B1〜60B4)の電位を30Vとし、導電性膜60A1〜60A4の電位を電極2を介して0Vに規定した。これによって、ゲート電極5と導電性膜60A1〜60A4との間に30Vの駆動電圧を印加した。その結果、平均の電子放出電流Ieは12μAであり、平均11%の効率が得られる電子放出素子が得られた。また、導電性膜60A1〜60A4とゲート電極5(導電性膜60B1〜60B4)との接触に起因するリーク電流も観測されなかった。
(実施例5)
本実施例で作成した電子放出素子の基本的な作製方法は実施例1と同様であるので、ここでは実施例1との違いだけ述べる。
実施例1と同様の製造方法で第3エッチング処理までを実施した。但し、本実施例では酸化工程と除去工程との繰り返しを、実施例1では3サイクルであったのを、6サイクルに変更した。この結果、導電性膜6A(導電性膜60A1〜60A4)の突起部の先鋭化は実施例1に比べて更に促進した。一方で、導電性膜60A1〜60A4と導電性膜60B1〜60B4との間の間隙は23nmまで拡がり、第1絶縁層3の斜面上のMoはほとんど除去されていた(図12(a))。
次いで、図12(b)に示した様に、導電性膜60A1〜60A4と導電性膜60B1〜60B4の上と、第1絶縁層3の斜面上に、導電性の被膜(9A、9B)を形成した。ここでは、被膜は、n型ダイヤモンド膜(9A、9B)をCVD法によって形成した。このとき、素子部のみが開口したメタルマスクを用いてn型ダイヤモンド膜(9A、9B)を堆積させた。尚、n型ダイヤモンド膜(9A、9B)の厚さは10nmになるように成膜した。尚、本実施例の形態の場合には、突起部上のn型ダイヤモンド膜(9A、9B)から電子が放出される。
断面TEMによる解析の結果、図12(b)における電子放出部となる突起部上のn型ダイヤモンド膜9Aとゲート電極5との間の最短距離8が平均的に5nmとなっていた。
次いで、実施例1と同様に電極2としてCuを形成した後、図2に示した構成で電子源の特性を評価した。
以上の方法で電子放出素子を形成した後、図2に示した構成で電子放出素子の特性を評価した。
ここで、特性の評価では、ゲート電極5(及び導電性膜60B1〜60B4及びn型ダイヤモンド膜9B)の電位を26Vとし、n型ダイヤモンド膜9Aの電位を電極2を介して0Vに規定した。これによって、ゲート電極5とn型ダイヤモンド膜9Aの間に26Vの駆動電圧を印加した。その結果、平均の電子放出電流Ieは25μAであり、平均17%の効率が得られる電子放出素子が得られた。また、導電性膜60A1〜60A4とゲート電極5(導電性膜60B1〜60B4)との接触並びn型ダイヤモンド膜9Aと9Bの接触に起因するリーク電流も観測されなかった。
また、本実施例の電子放出素子は、実施例1〜4のいずれの電子放出素子よりも安定な電子放出を長期に渡って維持することができた。
電子放出素子の構成を表す図 電子放出素子の特性を測定する構成を説明する図 電子放出素子の電子放出部近傍の拡大側面図 ゲート電極の形状を説明する図 金属膜密度と抵抗率の関係を表す図 電子放出素子の製造方法の一例を説明した図 エッチング処理についての説明図 実施例1を説明する図 電子放出素子を配列した電子源に関する説明図 電子放出素子を用いた画像表示装置の説明図 画像表示装置を駆動する駆動回路の一例を示す回路図 電子放出素子の製造方法の一例を説明した
符号の説明
3、4 絶縁層
5 ゲート電極
6A、6B 導電性層
7 凹部(リセス)

Claims (12)

  1. 電子放出素子の製造方法であって、
    上面と該上面と角部を介して接続する側面とを備え、前記上面と共に凹部を形成するように、前記上面の上に、前記上面と離間して、ゲート電極が設けられている絶縁層の上に、前記側面から前記上面にかけて延在し、前記角部の少なくとも一部を覆う、導電性膜を形成する第1工程と、
    前記導電性膜をその膜厚方向にエッチング処理する第2工程と、を含み、
    前記第1工程は、前記導電性膜の原料が前記絶縁層の前記上面に対して入射する角度が、前記導電性膜の原料が前記絶縁層の前記側面に対して入射する角度よりも、90度に近い角度となる、指向性を有する成膜方法を用いて行うことで、前記導電性膜を形成する工程であることを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  2. 記第1工程により、前記導電性膜が前記ゲート電極の上に延在して形成され、
    前記第2工程により、前記導電性膜の前記ゲート電極の上に位置する部分と、前記導電性膜の前記絶縁層の上に位置する部分との間に間隙を形成することを特徴とする請求項に記載の電子放出素子の製造方法。
  3. 前記ゲート電極は、その側面と前記絶縁層の前記上面との成す角度が、前記絶縁層の前記側面と前記上面との成す角度よりも小さことを特徴とする請求項に記載の電子放出素子の製造方法。
  4. 電子放出素子の製造方法であって、
    上面と側面と前記側面の一部に設けられた凹部とを備え、前記凹部が前記側面と角部を介して接続する底面を有する、絶縁性の段差形成部材の上に、前記側面から前記凹部の前記底面にかけて延在し、前記角部の少なくとも一部を覆う、導電性膜を形成する第1工程と、
    前記導電性膜をその膜厚方向にエッチング処理する第2工程と、を含み、
    前記第1工程は、前記導電性膜の原料が前記底面に対して入射する角度が、前記導電性膜の原料が前記側面に対して入射する角度よりも、90度に近い角度となる、指向性を有する成膜方法を用いて行うことで、前記導電性膜を形成する工程であることを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  5. 前記段差形成部材の前記上面の上にゲート電極が設けられており、前記第1工程により、前記導電性膜が前記ゲート電極の上に延在して形成され、
    前記第2工程により、前記導電性膜の前記ゲート電極の上に位置する部分と、前記導電性膜の前記段差形成部材の上に位置する部分との間に間隙を形成することを特徴とする請求項4に記載の電子放出素子の製造方法。
  6. 前記第2工程が、ウェットエッチング処理であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子放出素子の製造方法。
  7. 前記第2工程は、前記ッチング処理前に、前記導電性膜の表面を酸化する酸化処理を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子放出素子の製造方法。
  8. 前記酸化処理と、前記ッチング処理とを、繰り返すことを特徴とする請求項に記載の電子放出素子の製造方法。
  9. 前記第2工程の後に、前記導電性膜の、前記角部の上に位置する部分を、低仕事関数材料によって被覆することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電子放出素子の製造方法。
  10. 前記第2工程の後に、記側面の上に導電性材料を堆積させる工程を有することを特徴とする請求項に記載の電子放出素子の製造方法。
  11. 前記指向性を有する成膜方法が、指向性スパッタ法であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電子放出素子の製造方法。
  12. 複数の電子放出素子と、該複数の電子放出素子から放出された電子が照射されることで発光する発光体と、を備える画像表示装置の製造方法であって、前記複数の電子放出素子の各々が、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の製造方法で製造されることを特徴とする画像表示装置の製造方法。
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