JP3130668B2 - 醤油諸味の圧搾濾過方法 - Google Patents
醤油諸味の圧搾濾過方法Info
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Description
を分離するため醤油諸味を圧搾し濾過する方法に関する
ものである。
麦を原料とし、これを麹として食塩水で仕込みを行い諸
味を製造する。この諸味を発酵熟成させた後、生揚醤油
を取り出し、この生揚醤油をタンク内で設置して沈澱を
除去し、上澄み液に対して火入れ処理等を行って製品と
している。醤油諸味は、原料である大豆と小麦をそれぞ
れ蒸煮及び炒煎割砕の処理を施した後、これらの醤油原
料に種麹を混合して麹を造り、これに食塩水を混合して
仕込むことによって製造する。このようにして仕込んだ
諸味は、6ケ月〜1年位発酵熟成させ、熟成後の諸味を
圧搾濾過することにより固液分離して、生揚醤油を取り
出す。
味の粘性や濾布の目詰まりにより、圧搾濾過性が妨げら
れるという問題がある。このような粘性や濾布の目詰ま
りは、例えば大豆の高分子多糖類及びペクチン等の原料
に由来する成分や、原料の分解残査物のような諸味中の
微細粒子、並びに麹や諸味に関与する各種微生物等がそ
の原因になっているものと考えられている。
で作られた濾布に薄く諸味を包み込み、これを何枚も重
ねてプレスする方式が採用されている。圧搾工程は、諸
味充填後の自然垂れ(1日目)、予圧工程(2日目)、
押切工程(3日目)を経て完了する。これらの圧搾工程
において、上記のように種々の成分が原因となって圧搾
濾過しにくい諸味が生じる場合がある。このように圧搾
濾過しにくい諸味を圧搾する場合、自然垂れが著しく悪
くなり、諸味充填量が制限されてしまい、一日の処理能
力が著しく減少する。またこのような諸味を圧搾する場
合、その後の予圧工程及び押切工程においても十分に液
汁を分離することができず、圧搾工程における生揚醤油
の回収率が著しく減少する。このような問題を解決する
方法として、諸味に対し酵素剤を添加する方法や、珪藻
土または炭酸カルシウム等を添加する方法が試みられて
いる。
対し酵素剤を添加する方法では、諸味の塩濃度、pH、
及び温度により酵素が失活しやすく、効果が不安定で一
般的でない。特に諸味の熟成が進むと諸味のpHが低下
し、諸味の温度が上昇し酵素がより早く失活しやすくな
る。また珪藻土や炭酸カルシウムを添加する方法では、
その効果が十分得られていない。
を解消し、諸味の圧搾濾過性を向上させることのできる
圧搾濾過方法を提供することにある。
の濾過性を向上させる方法について鋭意検討を重ねた結
果、醤油諸味にシリカゾルを添加することにより、醤油
諸味の濾過性が高まることを見出し、本発明をなすに至
った。すなわち、本発明の圧搾濾過方法は、醤油諸味に
シリカゾルを添加し、シリカゾルを添加した醤油諸味を
圧搾し濾過することを特徴としている。
特に限定されるものではなく、従来から公知のものを広
く使用することができる。従来より、シリカゾルは、水
ガラスまたはアルコキシド等の珪酸化合物を加水分解す
ることにより製造されており、本発明においてもこのよ
うなものを使用することができる。特に好ましいシリカ
ゾルとしては、ゾルの固形分の94重量%以上がSiO
2 であり、ゾル固形分中のFe含量が10ppm以下で
あるものが好ましい。このようなシリカゾルの具体例と
しては、大塚化学株式会社製のシリカゾル、例えばコポ
ロックSA(商品名)が好ましい。
0〜50重量%のものが好ましい。またこのようなシリ
カゾルの醤油諸味に対する添加量は、0.05〜0.4
容量%程度が好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.
2容量%程度である。シリカゾルの添加量が上記の範囲
より少なくなると、本発明の濾過性向上の効果が十分に
発揮されず、一方上記範囲より多く添加しても、添加量
に応じた効果が得られず、経済的でない。
諸味をエアー攪拌しながらシリカゾルの適当量、例えば
0.1〜0.2容量%を、約5倍量の水で希釈したもの
を添加することができる。この際、全体に均一にシリカ
ゾルが混合されるように、じょうろ等を用いて散布する
ことが好ましい。シリカゾルの添加後、好ましくは、1
〜24時間、さらに好ましくは10〜15時間程度放置
する。好ましくは、諸味を濾布に充填する直前に熱交換
機等を通して、諸味を30℃程度に加温する。これによ
って、より効果的に圧搾濾過を行うことができる。
諸味にシリカゾルを添加することにより、諸味中の蛋白
を凝集させ、諸味の濾過性を改善している。このため諸
味の充填率を向上させることができ、圧搾濾過の設備の
処理能力を向上させることができる。また濾過性の改善
によって、生揚醤油の歩留りである、生揚垂れ歩合を向
上させることができる。
揚醤油の清澄性も著しく改善される。すなわち、例えば
細菌性混濁の諸味は、圧搾濾過後の生揚醤油においても
著しく混濁するが、本発明に従いシリカゾルを諸味に添
加して濾過した場合には、生揚醤油の混濁をかなり減少
させることができる。
に説明する。実施例1 6ケ月間熟成させた熟成諸味800mlに対して、シリ
カゾルとしてコポロックSA(商品名;大塚化学株式会
社製,固形分30%)を諸味に対して1/500の容量
を添加して一晩放置した後、東洋濾紙No.2の16ヒ
ダ折り濾紙で濾過試験を行った。
スーパーセル、セライト社製)を同じく熟成諸味800
mlに対して、1/500の容量の割合で添加し同様に
して濾過試験を行った。また対照区として、熟成諸味に
何も添加せずに一晩放置した後、同様に濾過試験を行っ
た。これらの結果を図1に示す。図1の結果から明らか
なように、本発明に従いコポロックを添加した熟成諸味
は、優れた濾過性を示している。また諸味を圧搾濾過し
た濾液の濁り、すなわち生揚醤油の濁りについて評価し
た。評価結果を表1に示す。
リカゾルを添加した諸味の場合には、生揚醤油の濁りが
著しく減少する。
コポロックSAを1/500の容量の割合で添加したも
のと、1/1000の容量の割合で添加したものを一晩
放置した後、実施例1と同様にして濾過試験を行った。
また対照区として細菌性混濁諸味に何も添加せずに一晩
放置したものについても濾過試験を行った。
かなように、本発明に従いコポロックSAを添加した細
菌性混濁諸味においても、同様に優れた濾過性を示し
た。また、実施例1と同様にして、細菌性混濁諸味につ
いても、濾液、すなわち生揚醤油の濁りについて評価し
た。評価結果を表2に示す。
リカゾルを添加した諸味の場合には、生揚醤油の濁りが
著しく減少する。
がら、シリカゾルとしてのコポロックSAを30リット
ル(0.1容量%)を3倍の水に希釈してじょうろで散
布し添加した。添加後約5分間攪拌して十分に混合し
た。一晩放置した後、Y−II型圧搾装置(24kl/
日)に諸味を充填し、常法に従い諸味を圧搾濾過した。
諸味充填量(キロリットル/日)、生揚垂れ歩合及び粕
歩合を測定し、表1に示した。ここで生揚垂れ歩合は、
諸味の容量に対する生揚醤油の容量百分率を示してお
り、粕歩合は、諸味容量に対する粕の重量百分率を示し
ている。
シリカゾルを添加した試験区では、諸味充填量が増加し
ており、さらに生揚垂れ歩合が向上している。
時変化を示す図。
時変化を示す図。
Claims (1)
- 【請求項1】 醤油諸味から生揚醤油を分離するため醤
油諸味を圧搾し濾過する方法において、 前記醤油諸味にシリカゾルを添加し、シリカゾルを添加
した醤油諸味を圧搾し濾過することを特徴とする、醤油
諸味の圧搾濾過方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04227518A JP3130668B2 (ja) | 1992-08-26 | 1992-08-26 | 醤油諸味の圧搾濾過方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04227518A JP3130668B2 (ja) | 1992-08-26 | 1992-08-26 | 醤油諸味の圧搾濾過方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0670712A JPH0670712A (ja) | 1994-03-15 |
JP3130668B2 true JP3130668B2 (ja) | 2001-01-31 |
Family
ID=16862162
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04227518A Expired - Lifetime JP3130668B2 (ja) | 1992-08-26 | 1992-08-26 | 醤油諸味の圧搾濾過方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3130668B2 (ja) |
-
1992
- 1992-08-26 JP JP04227518A patent/JP3130668B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0670712A (ja) | 1994-03-15 |
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