JPS6053593B2 - 黒糖酢の製造法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、黒糖又は甘蔗搾汁液のみを原料とし、醸
造酢を製造することを目的とした黒糖酢の製造法に関す
るものである。

従来醸造酢は、アルコール、酒粕又は米などの穀類を
原料としているが、上記中米だけを原料として醸造した
米酢は、調味料としての目的以外に、健康飲用としても
用いられている。

黒糖酢も米酢と同様に調味料および飲用に用いられるが
、黒糖酢には米酢にない有効な無機成分を含有しており
、これらの成分が高血圧、胃がんなどの患者の食事療法
用に用いる飲用として有効であるとされている。元来砂
糖の過量摂取は保健上好ましくないと云われているが、
この発明によれば、保健上好ましくないと思える糖分を
酩酊により酢酸又は有機酸に変え、黒糖中の糖以外の有
効成分はそのまま製品中に残存させたもので、黒糖本来
の香味を有する調味料又は保健飲料として有用な製品を
得たのである。 この発明は黒糖の溶液又は甘蔗搾汁液
を単独又は混合して用いるもので、その濃度はブリツク
ス６度乃至Ｈ度が好適である。

従つて、黒糖又は甘蔗搾汁液中に含まれる各種成分は悉
く含有されているので、保健上有効である。 従来クエ
ン酸酩酵菌により、砂糖を炭素源として、酢を作る方法
が知られており、これを醸造酢と混合して用いられてい
るものがあるが、この発明は、黒糖中に含まれる糖質を
炭素源とし、各種有機、無機物質を窒素源として培地に
酵母菌を培養し、糖質をアルコールに変えつゝ、このア
ルコールを酢酸酩酵菌の培養により酢酸に変えることが
できるもので、前記クエン酸を含む食酢とは全然異るも
のであり、その製品による効果も異なること明らかであ
る。

この発明においては、アルコール酩酊と、酢酸酩酵と
を同時に行うのであるが、同時に両酩酵を行わせること
によつて、同一容器を用い、容器に入れかえ、ろ過など
の操作を必要としないので、操作が著しく簡便化するの
みならず、アルコール濃度が小さい間に酢酸酩酵が進行
するので、アルコールが比較的高い濃度（例えば５〜６
％）である為の酢酸酩酵の阻害現象を生じるおそれがな
く、従つて酢酸の生成が効率よく行われることになる。

即ちこの発明によれば、黒糖の水溶液又は甘蔗搾汁液
の単独又は混合液をブリツクス６度乃至１４度の濃度に
調整し、これに適量の種酵母を加えて仕込みを行い、仕
込み当日又は仕込後数日を経てから、適量の酢酸菌を添
加してアルコール酩酊と、酢酸醗酵とを併行して進行さ
せ約９０日経過して酸度６％以上になり、残アルコール
１％以内に達したならば、そのまま容器口部を密封し、
２ケ月乃至３ケ月間熟成させ、オリ引きして、上澄液を
）ろ過すればこの発明の製品を得ることができる。この
発明によれば、アルコール醸酵と酢酸醸酵とを同一容器
で同時に進行させるので、従来のように両醗酵の中間に
おいて、容器入れ換え、？過調整その他の中間操作が不
必要になり、醸造管理を簡易化すると共に、醗酵中に（
特に初期に）アルコール濃度が高くなつて、酢酸醸酵の
進行を阻害したり、効率を低下するおそれがないなどの
効果がある。

また原料として黒糖又は甘蔗搾汁液或いは両者の単独又
は混合物を用いるので、アルコールに変る糖質以外に有
機および無機の各種成分を含み、保健食品又は飲料とし
て有効てある。また製品は黒糖特有の香味を有し、嗜好
性においても優れている。次にこの発明の実施例につい
て説明する。

陶製の瓶に、黒糖３．８ｋｇと、水３２ｅとを仕込み、
攪拌溶解してブリツクス１０度の溶液とする。前記溶液
中へ、純粋培養したアルコール酵母の適量を添加し、そ
のまま５日間静置する。ついて純粋培養した種酢の適量
を添加して、アルコール醗酵と、酢酸醗酵を併行して進
行させ、仕込後９０日位で、酢度６％以上、残アルコー
ル１％以内になるが、そのようになつたならば、瓶を密
封し、７０日前後熟成させる。ついでオリ引きし、上澄
液を沖過した所、黒糖酢３１′を得た。上記製品の成分
は次の通りである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 黒糖液又は甘蔗搾汁液の単独又は混合液に種酵母と
   、酢酸菌を加えてアルコール醗酵と酢酸醗酵とを同時に
   進行させることを特徴とした黒糖酢の製造法。 ２ 種酵母を加えて一定期間経過後種酢を加え爾後アル
   コール醗酵と酢酸醗酵を同一容器内で進行させることを
   特徴とした特許請求の範囲第１項記載の黒糖酢の製造法
   。