JP3130216B2 - Pc鋼棒ユニット、及び該pc鋼棒ユニットを用いたセメント硬化物の緊締方法 - Google Patents
Pc鋼棒ユニット、及び該pc鋼棒ユニットを用いたセメント硬化物の緊締方法Info
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Description
セメント硬化物にプレテンション方式によりプレストレ
スを導入するPC鋼棒ユニット、及び該PC鋼棒ユニッ
トを用いたセメント硬化物の緊締方法に関する。
防止、地滑り防止、矢板式護岸のタイロッド、山止め壁
(土留め壁)のタイバック、載荷試験の反力用などに用
いられるアンカーは、構造物(セメント硬化物)を地盤
に定着するために、PC鋼材の各端部を構造物と地盤と
にそれぞれ定着し、その中間部分を伸び変形に対して自
由にし、これを緊張することにより、上記構造物及び地
盤にプレストレスを導入するもので、図9に示すよう
に、プレストレス導入のために緊張される引張部Aと、
該引張部Aの一端(下端)を地盤9に定着するアンカー
体部B(セメント硬化物)と、上記引張部Aの他端(上
端)を構造物8に定着するアンカー頭部Cとによって構
成される。
ト100は、上端付近の外周に雄螺子を刻設した上記引
張部Aを形成するPC鋼材101(引張部A)と、該P
C鋼材101の一端(下端)を地盤に定着するためのア
ンカー体部Bを形成するグラウト材104(アンカー体
部B)と、上記PC鋼材101を緊張保持する緊張保持
部材を兼ね、その他端(上端)を構造物8に定着するア
ンカー頭部Cを形成するアンカー頭部材105としての
支圧板105a及びナット105bとから構成されてい
る。
(a)〜(g)に示すように、まず、地盤9にアンカー
を設置するためのアンカー孔9aを削孔し(図11
(a))、削孔したアンカー孔9aにPC鋼材101を
配設する(図11(b))。そして、該PC鋼材101
を包囲するようにシース106を設けると共に(図11
(c))、該シース106の外側及び上記アンカー孔9
aの先端部にグラウト材104を注入し、該グラウト材
104を硬化させてPC鋼材101の一端(下端)を地
盤9に定着する(図11(d))。上記PC鋼材101
の他端(上端)を支圧板105a及びナット105bか
らなるアンカー頭部材105によって構造物8に定着し
(図11(e))、構造物8と地盤9とに各端部を定着
したPC鋼材101をジャッキ装置(図示せず)によっ
て緊張し、この緊張状態を上記アンカー頭部材105で
保持し、構造物8及び地盤9にプレストレスを導入する
(図11(f))。プレストレスを導入した後、上記シ
ース106内に、PC鋼材101の腐食防止材107
(グラウト材)を注入している(図11(g))。この
ように上記アンカーは、ポストテンション方式によって
引張部AとしてのPC鋼材101を緊張保持し、構造物
8を地盤9に定着させるようにしている。
法として、橋梁の引張縁側にサドル及び定着ブラケット
を設けて配置し、補強用外ケーブルを張り渡した後、緊
張して各主桁に追加プレストレスを導入する方法があ
る。
主桁6へ上記定着ブラケットを定着する従来の方法を示
している。この方法では、まず各主桁6の所定位置にシ
ース202及びPC鋼材201を配設するための貫通孔
7を穿設し(図18(a))、この貫通孔7に上記シー
ス202及び両端部に雄螺子を備えたPC鋼材201を
配設する(図18(b))。そして定着ブラケットを形
成するために仮設した型枠203(図18(c))内に
コンクリート205(セメント組成物)を打設する(図
18(d))。この時、PC鋼材201は、少なくとも
一端に螺合したナット204が型枠203より突出させ
ており、上記補強用外ケーブル208の一端がコンクリ
ート205の硬化によって支持されるように配設してい
る。型枠203内に打設したコンクリート203が硬化
した後、PC鋼材201をジャッキ装置(図示せず)に
て緊張し、硬化したコンクリート203にプレストレス
を導入している(図18(e))。突出させているナッ
ト204をコンクリート207にて被覆するために型枠
206を再び仮設する(図18(f))。この型枠20
6内にコンクリート207を打設し、ナット204を埋
覆するようにしている(図18(g))。
従来のアンカーの施工では、地盤9のアンカー孔9a内
に配設された上記PC鋼材101は、グラウト材104
の硬化後にジャッキ装置にて緊張するようにしており、
このような煩雑な作業に多大な手間と時間を要し、これ
に伴い多大な工費をも要するといった欠点があった。ま
た、グラウト材104によって形成されたアンカー体部
Bには、プレストレスが導入されていないため、PC鋼
材101(引張部材)の緊張によって、ひび割れが生じ
ることがあり、これによって上記PC鋼材101が腐食
してしまうといった欠点があった。
では、各主桁6の貫通孔7に配設したPC鋼材201
は、コンクリート205の硬化後にジャッキ装置にて緊
張するようにしており、このような煩雑な作業に多大な
手間と時間を要し、これに伴い多大な工費をも要すると
いった欠点が上記アンカーの施工と同様にあった。ま
た、PC鋼材201の緊張作業には、所定の作業空間が
必要であり、各主桁6間の間隔が制約されていた。更
に、重いジャッキ装置を支持しなければならず、狭い作
業空間でのPC鋼材201の緊張作業が作業者に苦渋を
与えている。更にまた、各主桁と定着ブラケット(コン
クリート205,207)とを一体化するためのPC鋼
材201がその両端部のみで上記定着ブラケットを定着
させているに過ぎず、各主桁6と定着ブラケット(コン
クリート205,207)とのなじみの悪さ、或いは塑
性変形のために、導入したプレストレスが減少するとい
った現象が生じ、現場での厳密な緊張管理は困難であ
る。PC鋼材201の緊張時の支圧応力を軽減する支圧
板等は、腐食防止のために埋め込む必要があり、この埋
込作業に多大な手間がかかる他、支圧板を埋め込むため
の切欠き(凹部)を設けなければならず、その分定着ブ
ラケット(コンクリート205,207)のサイズが大
きくなるという問題があった。
し、これを解決せんとしたものであり、その目的は、セ
メント組成物からなるセメント硬化物にプレテンション
方式によりプレストレスを簡易に導入することができる
PC鋼棒ユニットを提供することにある。
かかるセメント硬化物と掛止し、該セメント硬化物にプ
レストレスをより確実に導入することができるPC鋼棒
ユニットを提供することにある。
ニットを用い、セメント組成物からなるセメント硬化物
にプレテンション方式によりプレストレスを簡易に導入
することができるセメント硬化物の緊締方法を提供する
ことにある。
みてなされたものであり、その要旨とするところは、セ
メント組成物からなるセメント硬化物にプレテンション
方式によりプレストレスを導入するPC鋼棒ユニットで
あって、少なくとも一端が開放された筒状の引張PC鋼
棒と、該引張PC鋼棒の内部に挿設された反力PC鋼棒
と、該反力PC鋼棒に反力をとり上記引張PC鋼棒を緊
張保持した緊張保持部材とからなることを特徴とするP
C鋼棒ユニットにある。ここで上記セメント組成物とは
コンクリート、グラウト、モルタル等をいい、セメント
硬化物とは予め設定された所定強度まで硬化したセメン
ト組成物をいう。
物にプレテンション方式によりプレストレスを導入す
る、あるいは定着にかかる各セメント硬化物(セメント
組成物)にプレテンション方式によりプレストレスを導
入するために直接寄与するものであって、例えば構造物
及び地盤へのプレストレス導入に際して、該引張PC鋼
棒全体に構造物或いは地盤が付着することが好ましく、
こうすることによって構造物の地盤への確実な定着を可
能にする。
を緊張保持する際に反力をとるために、引張PC鋼棒の
内部に収容され、該引張PC鋼棒全体の緊張に寄与する
ものである。
をとって、引張PC鋼棒を緊張保持するものであって、
例えば、引張PC鋼棒の両端に雄螺子を刻設しておき、
この雄螺子に螺合し、ジャッキ装置などによって上記反
力PC鋼棒を押圧しながら、引張PC鋼棒を緊張保持し
得るナット、ボルト等適当なものを用いて緊張保持する
ことができる。
るセメント硬化物にプレテンション方式によりプレスト
レスを簡易に導入することができる。また上述したよう
に、少なくとも2つのセメント硬化物を定着させる際に
該PC鋼棒ユニットを用いれば、各セメント硬化物を相
互にプレテンション方式によりプレストレスを簡易に導
入して容易に定着させることができ、しかも引張PC鋼
棒全体に各セメント硬化物を付着させて強固に一体化す
ることができる。
鋼棒の外周に突設され、プレストレス導入にかかるセメ
ント硬化物と掛合する掛合部材を具備することを特徴と
する上述のPC鋼棒ユニットにあり、この態様によれ
ば、プレストレス導入にかかるセメント硬化物と掛止
し、該セメント硬化物にプレテンション方式によりプレ
ストレスをより確実に導入することができる。
1のPC鋼棒ユニットを用い、セメント組成物からなる
セメント硬化物にプレテンション方式によりプレストレ
スを導入するセメント硬化物の緊締方法であって、反力
PC鋼棒及び緊張保持部材によって予め緊張保持された
上記引張PC鋼棒をセメント組成物の打設予定領域に配
設する工程と、上記引張PC鋼棒を被覆するようにセメ
ント硬化物を形成するためのセメント組成物を上記打設
予定領域に打設する工程と、上記引張PC鋼棒の緊張を
解放して、該引張PC鋼棒に付着したセメント硬化物に
プレストレスを導入する工程とを含むことを特徴とする
セメント硬化物の緊締方法にある。
等へのプレストレス導入の他、セメント組成物からなる
少なくとも2つのセメント硬化物を定着させる際、具体
的には例えば、鉄筋コンクリート構造物と該構造物を地
盤に定着させるためのアンカー体(グラウト材)とを定
着させる際や、橋梁の各主桁においてその両側縁部に設
けられる定着ブラケットなどを定着させる際にも用いる
ことができる。
に用いる場合には、アンカー体部材として、上記引張P
C鋼棒の一端及び該一端付近の外周を地盤に定着するた
めにグラウト材、例えばセメント系グラウト、合成樹脂
系グラウト等を用いることができる。この時、引張PC
鋼棒の一端付近においては、引張方向と直交する方向に
突出して、硬化したグラウト材(アンカー体部材)と掛
合し得るプレートなどを掛合部材として付設すれば、引
張PC鋼棒の一端付近とアンカー体部材とを強固に一体
化することができ、これによって引張PC鋼棒の一端及
び一端付近を地盤に確実に定着することができる。また
アンカー頭部材としては、上記引張PC鋼棒の他端及び
該他端付近の外周を構造物に定着するためにコンクリー
トなどによって埋覆し、該コンクリートと、掛合して強
固に一体化し得るような掛合部材としてのナット、ボル
ト、或いはプレート等の適当な部材を用いることができ
る。この態様によれば、構造物の地盤への定着をプレテ
ンション方式によって簡易に、しかも強固に行なうこと
ができる。このようにPC鋼棒ユニットは、セメント組
成物からなる構造物(セメント硬化物)を地盤に定着す
るにあたり、上記引張PC鋼棒を配設するためのアンカ
ー孔を地盤に削孔するアンカー孔削孔工程と、該アンカ
ー孔削孔工程にて削孔されたアンカー孔に上記反力PC
鋼棒及び緊張保持部材によって緊張保持した上記引張P
C鋼棒を配設する引張PC鋼棒配設工程と、該引張PC
鋼棒配設工程にて配設された引張PC鋼棒の一端(下
端)及び該一端付近の外周を地盤に定着するためのアン
カー体部を上記アンカー体部材(セメント組成物)によ
って形成するアンカー体部形成工程と、上記引張PC鋼
棒の他端(上端)及び該他端付近の外周を構造物に定着
するためのアンカー頭部を上記アンカー頭部材(セメン
ト組成物)によって形成するアンカー頭部形成工程と、
上記引張PC鋼棒の緊張を解放し、構造物及びアンカー
体部にプレストレスを導入するプレストレス導入工程と
を含むことを特徴とするアンカー工法として利用するこ
とができ、これによって構造物と地盤との定着をプレテ
ンション方式によって簡易に、しかも強固に行なうこと
ができる。
主桁を補強する補強用外ケーブルを支持、或いは単独主
桁を連続主桁に連結する連結用外ケーブルを支持するた
めの定着ブラケットを施工するにあたり、主桁の所定位
置に上記反力PC鋼棒及び緊張保持部材によって緊張保
持した引張PC鋼棒が挿通可能な貫通孔を穿設する貫通
孔穿設工程と、該貫通孔穿設工程にて穿設された貫通孔
に反力PC鋼棒及び緊張保持部材によって緊張保持した
引張PC鋼棒を配設するPC鋼棒ユニット配設工程と、
上記主桁の両側部に定着ブラケットを形成するために型
枠を仮設する型枠仮設工程と、該型枠仮設工程にて仮設
された型枠内にセメント組成物を打設する打設工程と、
該打設工程にて打設されたセメント組成物が硬化して所
定の強度に達した後上記引張PC鋼棒の緊張を解放し、
各定着ブラケットにプレストレスを導入するプレストレ
ス導入工程とを含むことを特徴とする定着ブラケットの
定着方法として利用することができ、各定着ブラケット
の主桁への定着をプレテンション方式によって簡易に、
しかも強固に行なうことができる。
が開放された筒状の引張PC鋼棒の内部に反力PC鋼棒
を挿設し、この反力PC鋼棒に反力をとり上記引張PC
鋼棒を緊張保持部材によって緊張保持する。従ってセメ
ント組成物の打設予定領域に配設し、上記打設予定領域
内に打設されたセメント組成物が硬化した後、鋼棒全体
に渡って付着したセメント硬化物へのプレテンション方
式による簡易なプレストレス導入を可能にする。
張PC鋼棒の外周に突設された掛合部材が、プレストレ
ス導入にかかるセメント硬化物と掛合し、このセメント
硬化物へのより確実なプレストレス導入を可能にする。
ットを用いたセメント硬化物の緊締方法は、セメント硬
化物の打設予定領域に、反力PC鋼棒及び緊張保持部材
によって予め緊張保持された上記引張PC鋼棒を配設し
ておき、この打設予定領域に打設したセメント組成物の
硬化後、上記引張PC鋼棒の緊張を解放して、該引張P
C鋼棒に付着したセメント硬化物にプレストレスを導入
する。こうしてセメント組成物からなるセメント硬化物
にプレテンション方式による簡易なプレストレス導入を
可能にする。
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
例を示す概略側面図、図2は図1のPC鋼棒ユニットの
縦断面図、図3は図2の3−3線に沿う横断面図であ
る。
は、ここでは構造物8を地盤9に定着するために用いら
れ、少なくとも一端が開放された筒状の引張PC鋼棒と
しての中空PC鋼棒11と、該中空PC鋼棒11の内部
に抜き差し可能に収容される反力PC鋼棒としての中実
PC鋼棒12と、該中空PC鋼棒12に反力をとり上記
中空PC鋼棒11を緊張保持するための後述する各部材
(13a,13b,13a’,13b’,13c)から
なる緊張保持部材13と、上記中空PC鋼棒11の一端
(下端)及び該一端付近の外周を地盤9に定着するため
の後述する各部材(14a〜14c)からなるアンカー
体部材14と、上記中空PC鋼棒11の他端(上端)及
び該他端付近の外周を構造物8に定着するアンカー頭部
材としてのナット15とで主要部が構成されている。
1は、定着にかかる構造物8及び地盤9へのプレストレ
ス導入に直接寄与するためのものであって、上述したよ
うに筒状に形成しており、また両端付近の外周には、雄
螺子が刻設されている。
PC鋼棒としての中実PC鋼棒12は(図2)、上記中
空PC鋼棒11を緊張するための反力をとるためのもの
であって、中空PC鋼棒11の両端付近に刻設された雄
螺子に螺合し得るナット13a,13a’と、各ナット
13a,13a’に更に螺合し得るボルト13b,13
b’とからなる緊張保持部材が設けられている。
うに、ナット13a及びボルト13bによって上記中空
PC鋼棒11の一端(下端)の開孔を封止し、中実PC
鋼棒12の貫通を防止しており、ナット13a’及びボ
ルト13b’によって中空PC鋼棒11の他端(上端)
において中実PC鋼棒12に反力をとって上記中空PC
鋼棒11の緊張を保持している。なお、中実PC鋼棒1
2の上端部と、上記ボルト13b’との間には、コマ1
3cが介在している。このコマ13cは、中実PC鋼棒
12に反力をとって中空PC鋼棒11を緊張する際、即
ち中空PC鋼棒11に反力をとって中実PC鋼棒12を
ジャッキ装置(図示せず)によって押圧する際に、この
押圧を直接受けるものである。押圧により中実PC鋼棒
12が収縮した状態において、中空PC鋼棒11に刻設
した一端(下端)の雄螺子に螺合させたナット13a’
を更に回動して、該ナット13a’に螺合したボルト1
3b’の端部を中実PC鋼棒12の端部に当接させるこ
とにより、上記コマ13cを介して中実PC鋼棒12の
押圧、即ち中空PC鋼棒11の緊張を保持するようにし
ている。
配設された中空PC鋼棒11を地盤9に定着するもので
あって、グラウト材14aと、中空PC鋼棒11の一端
(下端)の地盤への定着をより強固にするためのアンカ
ープレート14bと、該アンカープレート14bを中空
PC鋼棒11の一端(下端)におけるナット13a及び
ボルト13bに固着するためのナット14cとからなっ
ている(図1〜図3)。中空PC鋼棒11のアンカー孔
9aへの配設後、このアンカー孔9aに注入された上記
グラウト材14が硬化することによって、上記アンカー
プレート14bを設けた中空PC鋼棒11の一端(下
端)を地盤9に強固に定着している。
端付近の外周を構造物8に定着するアンカー頭部材とし
てのナット15は、ここでは構造物8としてのコンクリ
ートによって埋覆されており、このコンクリートの硬化
によって、中空PC鋼棒11の他端(上端)を構造物8
に強固に定着している。
ット10は、アンカー体部材14のグラウト材14aを
中空PC鋼棒11の一端(下端)及び該一端付近に付着
させ、また上記構造物8としてのコンクリートを中空P
C鋼棒11の他端(上端)及び該他端付近に付着させ
る。
明のセメント硬化物の定着方法を図4(a)〜(e)に
基づいて説明するが、ここではPC鋼棒ユニットをアン
カー工法として利用した場合の態様について説明する。
の定着方法は、上記PC鋼棒ユニット10によって構造
物8を地盤9に定着するものであって、まず、アンカー
孔削孔工程(図4(a))において引張部Aとしての上
記中空PC鋼棒11を配設するためのアンカー孔9aを
地盤9に削孔する。次いで、引張部材配設工程(図4
(b))において上記アンカー孔削孔工程にて削孔され
たアンカー孔9aに反力PC鋼棒としての中実PC鋼棒
12及び緊張保持部材13によって緊張保持した上記中
空PC鋼棒11を配設する。そして、アンカー体部形成
工程(図4(c))において上記引張PC鋼棒配設工程
にて配設された中空PC鋼棒11の一端(下端)及び該
一端付近の外周を地盤9に定着するためのアンカー体部
Bを上記アンカー体部材14によって形成すると共に、
アンカー頭部形成工程(図4(d))において上記中空
PC鋼棒11の他端(上端)及び該他端付近の外周を構
造物8に定着するためのアンカー頭部Cを上記アンカー
頭部材としてのナット15によって形成し、最後にプレ
ストレス導入工程(図4(e))において上記中空PC
鋼棒11を緊張保持した中実PC鋼棒12及び緊張保持
部材13のナット13a’とボルト13b’とを取り外
して該中空PC鋼棒11の緊張を解放し、該中空PC鋼
棒11に付着した構造物8及び地盤9にプレストレスを
導入する。こうして構造物8を地盤9に定着するように
している。
図7に示す他の態様にて実施することもできる。図を参
照して説明すると、このPC鋼棒ユニット50は、引張
PC鋼棒としての6本の中空PC鋼棒51と、各中空P
C鋼棒51の内部に収容される反力PC鋼棒としての中
実PC鋼棒52と、該中実PC鋼棒に反力をとって上記
中空PC鋼棒51を緊張保持するための後述する各部材
(53a,53b,53a’,53b’)からなる緊張
保持部材53と、上記各中空PC鋼棒51の一端(下
端)及び該一端付近の外周を地盤9に定着するための後
述する各部材(54a〜54c)からなるアンカー体部
材54と、上記各中空PC鋼棒51の他端(上端)及び
該他端付近の外周を構造物8に定着するアンカー頭部材
としてのナット55とで構成されている(図5)。
緊張保持部材14と同様に、各中空PC鋼棒51の一端
(下端)を封止し、該中空PC鋼棒51の内部に収容さ
れた中実PC鋼棒52の貫通を防止するナット53a及
びボルト53bと、各中空PC鋼棒51の他端(上端)
において各中実PC鋼棒52に反力をとって該中空PC
鋼棒51の緊張を保持するナット53a’及びボルト
b’とからなる。
54aと、中空PC鋼棒51の一端(下端)に設けら
れ、該一端を地盤9に強固に定着するためのアンカープ
レート54bと、該アンカープレート54bを上記中空
PC鋼棒51に固着するためのナット54cとからなっ
ている。
付近において、各中空PC鋼棒51を所定間隔に配設す
るためのスペーサ56aと、バンド56bとによって一
体化されている。この態様によれば、構造物8の地盤9
への定着をより強固なものにすることができる。
張PC鋼棒としての中空PC鋼棒11,51、及び反力
PC鋼棒としての中実PC鋼棒12,52は、図8に示
すように、中空PC鋼棒11,51の外周に刻設した雄
螺子と螺合し得るカプラー81や、中実PC鋼棒12,
52の内周に刻設した雌螺子と螺合し得るボルト82な
どのような継手によって延長することができ、こうする
ことによって所望の長さに設定することができる。
を、既設橋梁の各主桁の両側縁部に設けられる定着ブラ
ケットの定着方法に利用した態様について、図12〜1
6を参照して詳細に説明する。
態様を一部破断して示す概略側面図、図13(a)〜
(e)は図12のPC鋼棒ユニットを用いた定着ブラケ
ットの施工方法を示す概略工程図である。また図14は
図13(d)の拡大図、図15(a)は図14のPC鋼
棒ユニットを配設した貫通孔部分の拡大図、図15
(b)は図15(a)の15a−15a線に沿う側面図
である。更に図16(a)は図13(e)の拡大図、図
16(b)は図16(a)の16b−16b線に沿う側
面図である。
C鋼棒ユニット60(図12)は、少なくとも一端が開
放された筒状の引張PC鋼棒としての中空PC鋼棒61
と、該中空PC鋼棒61の内部に抜き差し可能に収容さ
れる反力PC鋼棒としての中実PC鋼棒62と、該中空
PC鋼棒62に反力をとり上記中空PC鋼棒61を緊張
保持するための後述する各部材(63a,63a’,6
3b’63c)からなる緊張保持部材63とで主要部が
構成されている。また中空PC鋼棒62には各主桁の両
側縁部に定着される一方の定着ブラケットと掛合し得る
ナット64が中空PC鋼棒61に螺合されている。
ラケットの施工は、図13(a)〜(e)に示すよう
に、まず既設橋梁5の各主桁6の所定位置に該ユニット
60を配設するための貫通孔7を穿設し(図13
(a))、この貫通孔7に上記ユニット60を配設する
(図13(b))。この時、ユニット60を配設した貫
通孔7の両端部は、図15(a)及び(b)に示すよう
に、スペーサー75によって封止されており、その内部
にはスペーサー75に穿設された開口75aからグラウ
ト材74が充填されている。この状態で定着ブラケット
(コンクリート72)を形成するための型枠71を仮設
し(図13(c))、この型枠71内にコンクリート7
2を打設する(図13(d),図14)。図中73にて
示す補強用外ケーブルは、打設したコンクリート72の
硬化によって支持される。コンクリート72の硬化後、
即ちコクリート72の中空PC鋼棒61への付着後、該
中空PC鋼棒61の緊張を解放し、コンクリート72に
プレストレスを導入する(図13(e))。
着ブラケットは、図16(a)に拡大して示すように、
硬化したコンクリート72から突出した中空PC鋼棒6
1はカッター装置(図示せず)などによって切断してい
る。なお、露出した中空PC鋼棒61の開孔端は図示し
ないキャップなどによって封止することができる。また
図16(a)の16b−16b線に沿う透視側面図を示
した図16(b)には、補強用外ケーブル73の支持状
態が明確に示されている。
2)は、図17(a)及び(b)に示すように、連結用
外ケーブル73を支持することもでき、定着ブラケット
を定着させるためのPC鋼棒ユニット60の数は、設計
上必要に応じて増減することができる。定着ブラケット
によって支持された連結用外ケーブル73は、連結にか
かる各主桁6の衝合端に設けられた通孔76を貫通する
ように挿設されている。これによって架設方向に直列状
に配設された各主桁6は強固に連結される(図17
(b))。
61、及び反力PC鋼棒としての中実PC鋼棒62は、
各中空PC鋼棒61の外周に予め刻設した雄螺子と螺合
し得るカプラーや、中実PC鋼棒62の内周に予め刻設
した雌螺子と螺合し得るボルトなどのような継手によっ
て、継合して延長することができ、所望の長さに設定す
ることができる。
とも一端が開放された筒状の引張PC鋼棒の内部に反力
PC鋼棒を挿設し、この反力PC鋼棒に反力をとり上記
引張PC鋼棒を緊張保持部材によって緊張保持し、これ
をセメント組成物の打設予定領域に配設し、そして上記
打設予定領域内に打設されたセメント組成物が硬化し、
鋼棒全体に渡ってセメント組成物を付着させた後、上記
緊張を解放することで、セメント硬化物にプレテンショ
ン方式によりプレストレスを簡易に導入することができ
る。
引張PC鋼棒の外周に突設された掛合部材が、プレスト
レス導入にかかるセメント硬化物と掛合するようにした
ので、セメント硬化物にプレテンション方式によりプレ
ストレスをより確実に導入することができる。
ットを用いたセメント硬化物の緊締方法では、セメント
硬化物の打設予定領域に、反力PC鋼棒及び緊張保持部
材によって予め緊張保持された上記引張PC鋼棒を配設
しておき、この打設予定領域に打設したセメント組成物
の硬化後、上記引張PC鋼棒の緊張を解放するようにし
たので、該引張PC鋼棒に付着したセメント硬化物にプ
レテンション方式によりプレストレスを簡易に導入する
ことができる。従って、現場での作業において従来に比
べて作業の手間を軽減し、これに伴い工費の大幅な削減
を可能にする。
略側面図である。
緊締方法の一例を示す概略工程図である。
略側面図である。
棒及び反力PC鋼棒の継手の態様を示す概略縦断面図で
ある。
る。
ある。
を用いる従来のアンカーの施工方法を示す概略工程図で
ある。
破断して示す概略側面図である。
を用いたセメント硬化物の緊締方法の他の態様を示す概
略工程図である。
た貫通孔部分の拡大図、(b)は図15(a)の15b
−15b線に沿う側面図である。
16(a)の16b−16b線に沿う透視側面図であ
る。
された他の態様を示す縦断面図、(b)は図17(a)
の17b−17b線に沿う透視側面図である。
工方法を示す概略工程図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 セメント組成物からなるセメント硬化物
にプレテンション方式によりプレストレスを導入するP
C鋼棒ユニットであって、 少なくとも一端が開放された筒状の引張PC鋼棒と、該
引張PC鋼棒の内部に挿設された反力PC鋼棒と、該反
力PC鋼棒に反力をとり上記引張PC鋼棒を緊張保持し
た緊張保持部材とからなることを特徴とするPC鋼棒ユ
ニット。 - 【請求項2】 上記引張PC鋼棒の外周に突設され、プ
レストレス導入にかかるセメント硬化物と掛合する掛合
部材を具備することを特徴とする請求項1記載のPC鋼
棒ユニット。 - 【請求項3】 請求項1〜2のいずれか1に記載のPC
鋼棒ユニットを用い、セメント組成物からなるセメント
硬化物にプレテンション方式によりプレストレスを導入
するセメント硬化物の緊締方法であって、 反力PC鋼棒及び緊張保持部材によって予め緊張保持さ
れた上記引張PC鋼棒をセメント組成物の打設予定領域
に配設する工程と、上記引張PC鋼棒を被覆するように
セメント硬化物を形成するためのセメント組成物を上記
打設予定領域に打設する工程と、上記引張PC鋼棒の緊
張を解放して、該引張PC鋼棒に付着したセメント硬化
物にプレストレスを導入する工程とを含むことを特徴と
するセメント硬化物の緊締方法。
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JP23305294 | 1994-09-28 | ||
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JPH08151632A JPH08151632A (ja) | 1996-06-11 |
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ID=26530813
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-
1994
- 1994-12-21 JP JP06318891A patent/JP3130216B2/ja not_active Expired - Lifetime
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