JP3127611B2 - 抗原抗体反応におけるプロゾーン判定方法及び分析方法 - Google Patents

抗原抗体反応におけるプロゾーン判定方法及び分析方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗原抗体反応において試
料が適正な条件下で測定されたものか、プロゾーン状態
でのものかを判定する方法と、その判定結果に基づき再
検査の要否や再検査時の測定条件を決定する分析方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】抗原抗体反応では規定の測定範囲を越え
て抗原が過剰に加えられた状態ではその吸光度は存在す
る抗原量から期待される値よりも低い値となる。そのよ
うな抗原過剰域をプロゾーン領域と称している。測定さ
れた抗原抗体反応がプロゾーン領域か否かを判定する方
法としては次のような幾つかの方法が知られている。 (a)抗体試薬又は試料を再添加する方法。 (b)複数の測定値から濁度(見かけの吸光度)の比又
は濃度の比をとる方法。 (c)複数個の測定値から反応速度の比をとる方法。 (d)複数個の測定値から最大反応速度、最大反応速度
に達するまでの反応時間及び抗原濃度の三次元検量線を
用いる方法。 (e)2波長測定を行ない、その吸光度比より判定する
方法。 これらの方法は、例えば日本臨床検査自動化学会会誌第
15巻第6号第675〜687ページ(1990年)、
同誌第14巻第3号第171〜176ページ(1989
年)などに記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法のうち、
(a)では全ての試料について再検査を行なうことにな
り、一般臨床生化学項目に比べて1桁〜2桁高い高価な
試薬を無駄に使用することになり、コスト高になる。
(b)〜(e)の方法では、吸光度比、反応速度比又は
三次元検量線を検体分析に先立って測定しておく必要が
ある。そのためにはプロゾーン現象を引き起こす高濃度
試料を準備しておかなければならない。しかし、そのよ
うな高濃度試料は一般には入手が困難である。また、こ
れらの事前の準備は試薬ロットが変わる度に行なわなけ
ればならず、コスト的にも時間的にも非常な負担とな
る。本発明は高価な試薬の無駄使いを防ぎ、容易にプロ
ゾーン判定を行なうことのできる方法を提供することを
目的とするものである。本発明はまた、そのようなプロ
ゾーン判定方法を用いて再検査の要否、及び再検査時の
測定条件を決定する分析方法を提供することを目的とす
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のプロゾーン判定
方法では、濃度の異なる複数種類の標準試料について抗
原抗体反応の初期段階の第1の時刻及び反応が十分に進
行した後の第2の時刻で2種類の波長光を抗原抗体反応
液に照射してその透過光の測定値比を求め、それらの測
定値比のうちプロゾーン現象が起こっていない濃度域の
両時刻間の測定値比の関係を示す回帰式を算出し、試料
反応液について前記第1の時刻及び第2の時刻で前記の
2種類の波長光による測定を行ない、その測定値比と前
記回帰式から算出される仮想値とのずれからその測定値
がプロゾーン現象の起こっていない適正な抗原抗体反応
下で行なわれたか否かを判定する。第2の時刻は濃度算
出のための測定時刻であってもよく、又は他の時刻であ
ってもよい。
【0005】本発明の分析方法では、上記の方法でプロ
ゾーン現象が起こっているか否かを判定し、プロゾーン
現象が起こっていると判定した場合には再検査を行なう
ようにする。再検査においては試料反応液についての第
2の時刻での測定値比を前記回帰式に代入して得た第1
の時刻での仮想値と、その試料反応液についての第1の
時刻での測定値比とのずれの大きさに応じて再検査に好
適な試料量と試薬量との比を決定する。
【0006】
【作用】本発明は免疫比濁分析法(turbidimetric Immu
noassay; TIA)に適用することができる。免疫比濁分析
法では[抗原−抗体]複合体が生成して、次第に大きな
凝集塊を形成していくと考えられており、微小粒子の生
成と粒子どおしの凝集による粒子の肥大化、粒子数の減
少が同時進行で進んでいく。紫外〜可視域の波長では、
この凝集塊の粒子径が0.1〜1μmのものについて測
定可能である。測定法としては濁度を測定するので、散
乱光の強度や透過光の減衰量を測定することになる。透
過光の減衰量は通常の分光光度計で吸光度として測定す
ることができるので、臨床用の自動分析装置をそのまま
適用することができる。散乱光の強度を測定するにして
も透過光の減衰量を測定するにしても、どちらも濁り粒
子の散乱を測定していることに変わりはない。
【0007】粒子径が0.1〜1μmのものの吸光度測
定に関しては、Mieの理論がある。それによれば、見
掛けの吸光度Aは、 A=−logIo/Io =0.4343NR と表わされる。ここで、Itは透過光強度、Ioは照射光
強度、Nは単位体積中の粒子数、Rは粒子1個による濁
度である。また、粒子1個による濁度Rと散乱係数K及
び粒子径dの間には K=4R/πd2 の関係があるので、見掛けの吸光度Aは、 A=0.4343NR =0.341Nd2K と変形することができる。したがって、波長λ1におけ
る見掛けの吸光度Aλ1と波長λ2における見掛けの吸光
度Aλ2との比を求めると、 Aλ1/Aλ2=Rλ1/Rλ2 =Kλ1/Kλ2 となり、数Nの因子が消去されて、波長λ1とλ2におけ
る散乱係数の比(Kλ1/Kλ2)が得られる。この結果
は粒子径に関する情報を反映したものとなる。
【0008】本発明では反応初期(第1の時刻)と反応
が十分に進行した時点(第2の時点)での2波長の吸光
度比を求めることにより、粒子の生成→粒子の肥大化
(同時に粒子数の減少)の過程をモニタすることにな
り、一波長測定又は二波長での吸光度差などの測定とは
次元の異なる尺度で抗原−抗体反応でのプロゾーン域を
判定することができる。
【0009】本発明のプロゾーン判定方法では、検量線
作成用標準試料反応液について第1の時刻での2波長の
測定値(通常は吸光度を使用する)比Vsrと第2の時
刻での2波長の測定値比Verを得、非プロゾーン域濃
度の標準試料反応液についての「Vsr対Ver」の関
係から回帰直線 Yrc=a・Xre+b を例えば最小自乗法により求める。検体反応液について
の第1の時刻での2波長の測定値比Vsrsと第2の時
刻での2波長の測定値比Versのうち、第2の時刻で
の測定値比Versを回帰式のXreに代入してYrc
を求め、これと第1の時刻での測定値比Vsrsとの比
較を行なう。このとき、例えば Yrc−α>Vsrs となればプロゾーン現象が起こっていると判定する。こ
こでαはVsrsに対する許容値である。Yrcが広範
囲な値をとる場合は、Yrc・α(例えばα=0.9
5)として、Yrcに対する比率で判定してもよい。こ
の許容値を越えてVsrsが低くなれば、プロゾーン現
象が起こっていると判定され、仮想値と測定値比とのず
れの大きさを例えば(Yrc−Vsrs)/Yrcとし
て算出し、その値に応じて予め定めた再検査条件(検体
量:試薬量比)で再検査し、再検査結果に基づいてその
条件での濃度を算出する。 Yrc−α≦Vsrs<Yrc−α であれば、予め作成した検量線に従って定量する。
【0010】
【実施例】図1にIgG(免疫グロブリンG)を標準試
料とし、試薬として日水製薬(株)の試薬を用いた場合
の、希釈系列と最終測定時刻における2波長(700n
m,900nm)での吸光度差との関係を示す。図1の
結果によれば、低濃度領域(希釈率40/100以下)
では測定値は濃度に対応して増加しているのに対し、希
釈率40/100より高濃度側ではこの関係が成立せず
に吸光度が低下しており、希釈率40/100より高濃
度の領域はプロゾーン領域(抗原過剰域)となってい
る。
【0011】図2に同測定についての第1の時刻での2
波長での吸光度比Vsrと第2の時刻での2波長での吸
光度比Verとの相関関係を示す。ここで、 Vsr=As900/As700 Ver=Ae900/Ae700 であり、As700,As900は抗原抗体反応開始から6〜
42秒の範囲におけるそれぞれ700nm,900nm
での平均吸光度であり、Ae700,Ae900は抗原抗体反
応開始から5分後におけるそれぞれ700nm,900
nmでの平均吸光度である。
【0012】図2では、低濃度領域(3/10〜30/
100)においては、第1の時刻での2波長での吸光度
比Vsrと第2の時刻での2波長での吸光度比Verと
の間には直線関係が見られる。図中の数値は希釈率を表
わす。それらの直線関係から回帰式Yrc=a・Xre
+bを算出すると、次の回帰式が得られる。 Yrc=1.215Xre−0.1662 r=0.9653 N=9(3/10〜30/100) この回帰式と第1の時刻での2波長での吸光度比Vsr
とから、ずれ量(ΔVr)と、ずれ率{(ΔVr/Yr
c)×100}を算出し、その結果を表1に示す。ΔV
r=Yrc−Vsrであり、ずれ率のデータでアンダー
ラインを付してあるのはプロゾーン領域の試料であるこ
とを示している。
【0013】
【表1】 IgG反応液
【0014】試料として免疫グロブリンの一種であるI
gAについて前述のIgGと同様の測定を行なった結果
を図3と図4に示す。ただし、測定する2波長は600
nmと900nmとした。図3と図4でも図1と図2と
同様の傾向を示し、IgAについてもプロゾーンの検出
が可能であることがわかる。試薬はヤトロンイアトロエ
ースIgAである。図4の直線関係から回帰式Yrc=
a・Xre+bを算出すると、次の回帰式が得られる。 Yrc=1.144Xre−0.0995 r=0.9824 N=13(2/10〜50/100) この回帰式と第1の時刻での2波長での吸光度比Vsr
とから、ずれ量(ΔVr)と、ずれ率{(ΔVr/Yr
c)×100}を算出し、その結果を表2に示す。この
場合もずれ率のデータでアンダーラインを付してあるの
はプロゾーン領域の試料であることを示している。
【0015】
【表2】 IgA反応液
【0016】図5にプロゾーン判定方法とその判定結果
に従って再検査条件を決定する分析方法の手順をまとめ
て示す。先ず試薬ブランク測定を行ない、次に濃度の異
なる標準液について2波長で標準液測定を行ない、その
一方の波長の測定値で検量線f(x)を作成する。標準液
についての初期段階の2波長の測定値比と濃度計算用測
定時刻における2波長の測定値比を用いてプロゾーン判
定用の回帰直線を求める。この回帰直線は一次関数の形
で Yrc=a・Xre+b とし、最小自乗法により計算する。
【0017】次に、試料を分析する。反応初期の時点で
の2波長の測定値比をVsrs、濃度計算時点での測定
値比をVersとする。測定値比Versを回帰直線の
Xreに代入して初期の段階での仮想値Yrcを算出す
る。この試料が再検査試料でない場合には、算出された
初期の仮想値Yrcと実測値Vsrsとの比較を行な
う。比較ではYrc−αとVsrsとの比較を行なう。
αは許容値である。許容値αは、測定誤差が存在するた
めに、過去の再現精度を参考にして決めておく。また、
Yrc・α>Vsrs(例えばα=0.95)として、
プロゾーン判定を行なってもよい。この比較の結果、Y
rc−α>Vsrsでなければプロゾーン現象は起こっ
ていないと判定し、検量線f(x)に従って濃度Cを計算
し出力して分析を終了する。
【0018】算出された初期の仮想値Yrcと実測値V
srsとの比較の結果、Yrc−α>Vsrsとなれ
ば、プロゾーン現象が起こっていると判定し、仮想値と
実測値とのずれ率を計算する。ずれ率Dは D=ΔVr×100/Yrc =(Yrc−Vsrs)×100/Yrc として計算する。そのずれ率が0〜10%の間にあれば
試料量を1/4に希釈して再検査を行ない、そのずれ率
が10〜40%の間にあれば試料量を1/10に希釈し
て再検査を行なう。希釈率1/10までは試料の減量及
び試薬の増量により自動的に希釈する機能が備わってい
るものとする。再検査を行う高濃度のプロゾーン検体は
全検体数からすると割合が非常に少ないから全体のコス
トからすれば大した上昇にはならない。もしずれ率が4
0%以上で自動的に希釈できない場合は、例えば「試料
を1/50に希釈して下さい」というような表示を出し
て分析を終了する。
【0019】測定された試料が再検査試料である場合に
は、検量線に従って濃度を計算した後、再検査での希釈
率が1/4であったか1/10であったかにより検量線
から求めた濃度を希釈率に従って元の濃度に換算する作
業を行なう。初回の検査での試料量がvs1、再検査で
の試料量がvs2、試薬量は何れもvrとし、再検査で
で求められた濃度をC1とすると、試料の元の濃度Cは C=C1×{vs1/(vs1+vr)}/{vs2/(vs2
vr)} として計算する。濃度Cの計算結果を出力し、分析を終
了する。
【0020】本発明が適用される具体的な自動分析装置
の一例を図6に示す。図6で、血液などの検体は検体容
器に入れられ、複数本の検体容器が配置された検体ラッ
ク2がベルトコンベア式の搬送路4に沿って移動させら
れる。搬送路4は図で左から右方向に検体ラック2を移
送する往路4aと、逆に右から左方向へ検体ラックを移
送する復路4bとからなっている。図で往路4aの左端
部分には検体ラック2を往路4aに送り出す検体ラック
供給部6が設けられており、復路4bの左端部分には測
定終了後の検体ラック2を収納する収納部8が設けられ
ている。図で搬送路4の右端部分には往路4aを送られ
てきた検体ラック2を一次収容し、分析終了後に検体ラ
ックを復路4bに送り出すラック待機部10が設けられ
ている。検体ラック2は往路4aを移送中に分析ユニッ
ト26a,26bの検体分注位置で停止させられ、分析
ユニット26a,26bの反応管に分注される。復路4
bでは往路4aで分注されて測定された検体の測定結果
に従って、再検査の必要のある検体が再分注される。
【0021】搬送路4に沿って2台の分析ユニット12
aと12bが配置されている。いずれも同じ構造をして
いる。各分析ユニットにはキュベットを兼ねる反応容器
15が配置された反応ディスク14が搬送路4の近くに
配置されており、搬送路4a,4bには反応ディスク1
4の近傍の検体分注位置で検体ラック2を停止させる停
止装置(図示略)が設けられている。搬送路4a又は4
b上に停止させられた検体ラック2から検体を反応容器
15に分注するために、ノズルを備えたピペッタ16が
配置されている。各分析ユニット12a,12bには反
応容器15に試薬を分注するために2台のターンテーブ
ル式試薬庫18a,18bが配置されており、各試薬庫
18a,18bには試薬を反応容器15に分注するディ
スペンサ20a,20bが設けられている。反応ディス
ク14で分析終了後の反応容器を洗浄するために洗浄機
構22が設けられている。反応ディスク14には検体と
試薬が入れられた反応容器15の反応を測定するため
に、光学式測定部が設けられているが図示は省略されて
いる。
【0022】検体ラック供給部6と収納部8にはインタ
ーフェースとCPU24が設けられており、各分析ユニ
ット12aと12bにもそれぞれインターフェースとC
PU26a,26bが設けられており、待機部10にも
インターフェースとCPU28が設けられている。それ
らのCPU24,26a,26b,28はメインCPU
30と接続されている。メインCPU30にはさらにC
RT32、キーボード34及びプリンタ36が接続され
ている。
【0023】図6の自動分析装置の動作について説明す
る。各項目の測定に必要な試薬は分析ユニットの試薬庫
18a,18bにセットされる。検体ラック2を供給部
6に並べ、キーボード34から動作を開始させると、反
応容器15は洗浄機構22で洗浄水により洗浄される。
洗浄をすませた反応容器15には水が入れられて測定波
長によるセルブランク測定がなされる。セルブランク測
定後、水切りをすませた空の反応容器15が検体分注位
置に移動したとき、検体ラック2が搬送路の往路4aを
送られてきて、検体分注位置で停止させられ、まず最初
に分析する測定項目のためにピペッタ16によって検体
が測定項目ごとに定められた検体量だけ反応容器15に
分注される。検体分注後のピペッタ16のノズルは図に
は現れていない洗浄ポットに移動してノズルの内外が純
水により洗浄される。その後、順次次の同一検体の次の
項目又は次の別の検体の分注が他の反応容器15に行な
われる。
【0024】反応ディスク14で検体の分注された反応
容器15が試薬分注位置へ移動してくると、ディスペン
サ20a又は20bによって所定の試薬が所定量吸引さ
れて反応容器15に分注される。分注後、ディスペンサ
20a,20bのプローブは図には現われていない洗浄
位置に移動してプローブの内外が純水で洗浄される。そ
の後、ディスペンサ20a,20bは次の試薬の分注動
作に移る。
【0025】検体ラック2は往路を進んで待機部10で
待機し、検体の分析結果を待って復路4bへ送り出さ
れ、収納部8へ収納される。復路4bを移動中に、再検
査の必要のある検体は検体分注位置で停止させられて再
び検体分注が行なわれる。反応ディスク14では検体と
試薬が混ぜられた反応液の吸光度が光学式測定部により
測定される。分析の終了した反応容器15は洗浄位置で
反応液が吸引されて排出され、水洗され、セルブランク
測定の後、反応容器内の水切りが行なわれて新たな検体
の反応容器として準備される。図6のように往路と複路
のベルトライン試料搬送システムを有する自動分析装置
に本発明を適用すれば、往路での測定でプロゾーン現象
が起こっていると判定されたとき、複路で再検査を自動
的に行なうといった対応が素早く行なうことができるよ
うになる。
【0026】
【発明の効果】本発明では2波長での測定値比を求めて
粒子の生成→粒子の肥大化の過程をモニタすることによ
り、プロゾーン現象が起こっていない濃度域においては
反応初期の2波長での測定値比と反応が十分に進行した
後での2波長での測定値比との間には例えば一次式で表
わされる関係があることを利用し、試料の測定値がその
関係からずれている程度によってプロゾーン域か否かを
判定するようにしたので、ユーザーにおいてはプロゾー
ン現象が発生したか否かを判定する数値、例えば、既に
引用した日本臨床検査自動化学会会誌第14巻第3号
(1989年)の第173ページに述べられている判定
値「AG EXESS」や、他の手法での「プロゾーン
チェック値」(濃度の関数)などを設定する必要がな
い。本発明では初期の段階の2波長での吸光度比と十分
な時間が経過した後の2波長での吸光度比の関係(これ
は濃度の関数ではない)を回帰式として記憶する必要が
あるが、これは自動分析装置で較正操作として自動的に
行なうことが可能であり、ユーザーの手を煩わすことは
ない。
【0027】検体分析に先立ってプロゾーン判定値を決
定する予備検討の必要がないことから、高価な既知濃度
の試料を購入したり、入手困難な高濃度試料の入手や試
料ロットが変わる毎の煩雑なプロゾーン判定値の決定操
作に悩まされることもない。図6に示したような最も普
及しているシングルマルチ方式の自動分析装置に容易に
適用することができる。プロゾーン現象が起こっている
と判定された場合、再検査条件(試料量/試薬量)比を
仮想値と実測値比とのずれ量から定めることが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】IgG標準試料の希釈系列と最終測定時刻にお
ける2波長(700nm,900nm)での吸光度差と
の関係を示す図である。
【図2】IgG標準試料の反応初期の2波長での吸光度
比Vsrと最終測定時刻の2波長での吸光度比Verと
の相関関係を示す図である。
【図3】IgA標準試料の希釈系列と最終測定時刻にお
ける2波長(600nm,900nm)での吸光度差と
の関係を示す図である。
【図4】IgA標準試料の反応初期の2波長での吸光度
比Vsrと最終測定時刻の2波長での吸光度比Verと
の相関関係を示す図である。
【図5】一実施例の動作を示すフローチャート図であ
る。
【図6】本発明が適用される自動分析装置の一例を示す
図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濃度の異なる複数種類の標準試料につい
    て抗原抗体反応の初期段階の第1の時刻及び反応が十分
    に進行した後の第2の時刻で2種類の波長光を抗原抗体
    反応液に照射してその透過光の測定値比を求め、それら
    の測定値比のうちプロゾーン現象が起こっていない濃度
    域の両時刻間の測定値比の関係を示す回帰式を算出し、
    試料反応液について前記第1の時刻及び第2の時刻で前
    記の2種類の波長光による測定を行ない、その測定値比
    と前記回帰式から算出される仮想値とのずれからその測
    定値がプロゾーン現象の起こっていない適正な抗原抗体
    反応下で行なわれたか否かを判定するプロゾーン判定方
    法。
  2. 【請求項2】 濃度の異なる複数種類の標準試料につい
    て抗原抗体反応の初期段階の第1の時刻及び反応が十分
    に進行した後の第2の時刻で2種類の波長光を抗原抗体
    反応液に照射してその透過光の測定値比を求め、それら
    の測定値比のうちプロゾーン現象が起こっていない濃度
    域の両時刻間の測定値比の関係を示す回帰式を算出し、
    試料反応液について前記第1の時刻及び第2の時刻で前
    記の2種類の波長光による測定を行ない、試料反応液に
    ついての前記第2の時刻での測定値比を前記回帰式に代
    入して得た前記第1の時刻での仮想値と、試料反応液に
    ついての前記第1の時刻での測定値比とのずれの大きさ
    に応じて再検査の要否を判定し、再検査においては前記
    ずれの大きさに応じて再検査用の試料量と試薬量との比
    を決定する分析方法。
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