JP3920448B2 - プロゾーン現象判定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、サンプル中の所定の被検成分を測定項目に応じた試薬との反応により分析する際に生じるプロゾーン現象の判定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、臨床化学検査の進歩に伴って、抗原抗体反応を利用した免疫学的自動分析装置が用いられるようになっている。このような自動分析装置では、例えば、サンプルを収容する反応容器中に、所定の被検成分と抗原抗体反応する試薬を分注して抗原抗体反応を行わせ、その反応液の吸光度を測定してサンプル中の被検成分を定量分析するようにしている。
【0003】
ところで、抗原抗体反応においては、分析しようとする抗原や抗体がある濃度以上に過剰に存在すると、反応液の吸光度が期待される値よりも低くなるという、いわゆるプロゾーン現象が生じることが知られている。このようなプロゾーン現象が生じると、サンプル中に過剰に抗原や抗体が存在していても、吸光度に基づいて演算される濃度は低い値となるので、サンプルを分析するにあたっては、プロゾーン現象が生じたか否かを判定し、プロゾーン現象が生じた場合にはサンプルの希釈倍率等を変更して再検査する必要がある。
【0004】
このプロゾーン現象の判定方法として、例えば、特開平6−213893号公報には、抗原抗体反応の反応過程における任意の2点間の吸光度変化率を求め、その変化率が判定値よりも小さい場合にプロゾーン現象が発生したと判定するようにしたものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のプロゾーン現象判定方法にあっては、被検成分が少量しか含まれていない場合や、全く含まれていない場合にも、プロゾーン現象が発生した場合と同様に、吸光度が正常反応に比較して緩やかに変化するため、これらの場合にもプロゾーン現象が発生したと誤判定され、再検査の対象となって、サンプルや試薬等が無駄に費やされてしまうという問題がある。
【0006】
この発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、プロゾーン現象を正確に判定でき、したがってサンプルや試薬等の無駄を有効に防止できるプロゾーン現象判定方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明は、一定の時間間隔で反応容器を通して吸光度を測定しながら、該反応容器内で、少なくとも、サンプルと、所定の被検成分と抗原抗体反応する試薬とを混合し、その吸光度に基づいて前記被検成分を分析するにあたり、前記サンプルおよび前記試薬の混合後における複数の時点での吸光度に基づいてプロゾーン現象の有無を予備的に判定する第1の判定工程と、前記サンプルおよび前記試薬の混合前後の吸光度差に基づいてプロゾーン現象の有無を予備的に判定する第2の判定工程とを有し、前記第1および第2の判定工程による判定結果の論理積に基づいてプロゾーン現象の有無を最終的に判定することを特徴とするものである。
【0008】
この発明の一実施形態では、前記第1の判定工程において、それぞれ所定の測定時点における二つの吸光度差の比に基づいてプロゾーン現象の有無を予備的に判定する。
【0009】
さらに、この発明の一実施形態では、前記第1の判定工程において、所定の時間間隔毎の複数の時点における順次の吸光度差の平均値と、前記吸光度差の最大値および最小値の差との比に基づいてプロゾーン現象の有無を予備的に判定する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、この発明に係るプロゾーン現象判定方法を実施する免疫学的自動分析装置の一例の構成を示すものである。この免疫学的自動分析装置は、複数個の反応容器1を同一円周上に等間隔に保持したターンテーブル2を有し、このターンテーブル2を所定のシーケンスに従って、順次のサイクルで反時計方向に(360°−1反応容器分)づつ回動するように、各サイクルの中で時計方向および反時計方向に所定ステップ回動させながら、各反応容器1に第1試薬(R1)、サンプルおよび第2試薬(R2)を順次分注し、第1試薬分注後の反応容器1内の液体を全反応過程測光方式により一定時間間隔で所定の波長の光で測光して分析を行うと共に、分析の終了した反応容器1を洗浄して繰り返し使用するようにしたものである。なお、ターンテーブル2の回動方式は、一度に360°−1反応容器分回転する必要はなく、分析シーケンスに応じて360°−1反応容器分の回動のなかで2〜5回停止させるように分割して行うようにしてもよい。
【0011】
このため、ターンテーブル2の周辺部分には、反応容器1に対して機能するように、第1試薬分注部3、攪拌部4、測光部5、サンプル分注部6、第2試薬分注部7および洗浄部8を設け、各反応容器1に対して、先ず、第1試薬分注部3で緩衝液を主成分とする第1試薬を分注し、その後、攪拌部4で攪拌する。第1試薬が分注された反応容器1に対しては、一定時間間隔で測光部5に位置決めされるか、あるいは通過する毎に、被検成分に対応する波長の光で該反応容器1を通して測光しながら、次に、サンプル分注部6において、サンプルテーブル11に保持されたサンプルカップ12からサンプル分注器13により血清等のサンプルを分注し、その後、攪拌部4で攪拌する。
【0012】
次に、第2試薬分注部7において、試薬テーブル15にセットされたそれぞれ異なる被検成分と抗原抗体反応する第2試薬を収容する複数の試薬タンク16のうちから、分析すべき被検成分に対応する第2試薬を試薬分注器17により分注し、その後、攪拌部4で攪拌して抗原抗体反応させる。所定の反応時間が経過した後は、洗浄部8において、反応容器1を洗浄して次の分析に備える。
【0013】
以上の各部の動作は、演算制御部21により所定のシーケンスに従って制御する。また、測光部5での各反応容器1の順次の測光データは、演算制御部21に取り込んでそれぞれ吸光度に変換し、その吸光度に基づいて各サンプル中の被検成分を定量分析して、その分析結果を入出力部22においてプリントアウトしたり、ディスプレイに表示する。
【0014】
図1に示す免疫学的自動分析装置で、例えば、免疫グロブリンIgAが大過剰に含まれている血清を生理食塩水で段階的に希釈したサンプルを分析すると、各サンプルの吸光度(Abs) は、図2に示すように変化する。ここで、横軸のP0 は第1試薬(R1)が分注されて攪拌された直後の測光ポイントを、P1 はサンプルが分注されて攪拌された直後の測光ポイントを、P11はサンプル中のIgA成分と抗原抗体反応する第2試薬(R2)が分注されて攪拌された直後の測光ポイントを、P27は最終測光ポイントをそれぞれ示し、P0 〜P27の各測光ポイントは、一定時間間隔となっている。なお、この場合の測光部5における測定波長は340nmである。
【0015】
図2から明らかなように、1/10〜8/10倍希釈したサンプルまでは、測光ポイントP10からP27までの吸光度差(ΔE)がほぼ比例して増加しており、吸光度差と濃度とが直線的関係にあることがわかる。しかし、9/10倍希釈のサンプル、および原液のサンプルについては、被検成分のIgAが大過剰に含まれているため、プロゾーン現象により吸光度が他の希釈倍率のサンプルとは異なり緩やかに上昇し続け、その吸光度差は本来期待される吸光度差以下となり、吸光度差と濃度とが直線的関係から外れることになる。このため、吸光度差に一定の係数を乗じて演算される濃度値(mg/dl)は、9/10倍希釈サンプルや原液サンプルでは、真の濃度よりも低い値となってしまう。
【0016】
そこで、この発明の第1実施形態においては、IgAのように、正常な抗原抗体反応では吸光度がほぼ平衡に達するのに対して、プロゾーン現象を伴う異常な抗原抗体反応では吸光度が緩やかに上昇する項目については、項目毎に、図3に示すように、抗原抗体反応開始後の測光ポイントの中から、吸光度EA 、EB 、EC から得られる二つの吸光度差(EB −EA )および(EC −EA )が、正常反応では(EB −EA )≒(EC −EA )となり、異常反応では(EB −EA )<(EC −EA )となるような所定の三つのチェックポイントPA 、PB 、PC (PA <PB <PC )を、入出力部22を介して演算制御部21に予め設定しておく。このようにして、第1の判定工程として、演算制御部21において、
判定値1<(EB −EA )/(EC −EA )<判定値2 ・・・(1)
の判定式を演算し、この判定式(1)を満たすとき、プロゾーン現象が発生したものと予備的に判定する。
【0017】
ここで、判定式(1)の判定値1および判定値2は、上記のIgA測定において、各サンプルの各測光ポイントの吸光度、チェックポイントPA 、PB 、PC における吸光度差(EB −EA ),(EC −EA )、およびその比(EB −EA )/(EC −EA )として、例えば、第1表に示す値が得られる場合には、IgAの判定値2として0.5程度を、判定値1は特に判定にかかわる要素がないので、この場合には最小値0.0を用いればよい。
【0018】
【表1】
【0019】
以上の判定式(1)を用いることにより、例えば、被検成分IgAが多く含まれているサンプルに対するプロゾーン現象の発生の有無を、その分析終了までに予備的に判定することができる。しかし、判定式(1)のみの判定では、分析すべきサンプルに、例えば被検成分IgAが微少量または全く含まれていない場合には、抗原抗体反応が緩やかに進行するため、プロゾーン現象と酷似した吸光度変化パターンとなり、例えば上記の原液サンプルを1/40倍および1/20倍にそれぞれ希釈したサンプルでは、(EB −EA )/(EC −EA )の値が、第2表に示すように、判定値2として定めた0.5以下となって、この場合にもプロゾーン現象が発生したと誤判定してしまうことになる。
【0020】
【表2】
【0021】
そこで、この実施形態では、被検成分が高濃度のサンプルと低濃度のサンプルとでは、抗原抗体反応開始直後の吸光度の立ち上がりに大きな差が見られることに着目し、図4に示すように、抗原抗体反応開始前後の測光ポイントの中から、所定の二つのチェックポイントPD 、PE (PD <PE )を、入出力部22を介して演算制御部21に予め設定しておく。なお、好ましくは、チェックポイントPD は、第1試薬(R1)が分注されて攪拌された直後の測光ポイントP0 に設定し、チェックポイントPE は、サンプル中の被検成分と抗原抗体反応する第2試薬(R2)が分注されて攪拌された直後の測光ポイントP11に設定する。このようにして、第2の判定工程として、演算制御部21においてチェックポイントPD ,PE での吸光度ED ,EE を用いて、
判定値3<(EE −ED ) ・・・(2)
の判定式を演算し、この判定式(2)を満たすとき、プロゾーン現象が発生したものと予備的に判定する。ここで、判定式(2)の判定値3は、上記のIgA測定の場合には、第2表の結果から、0.04に設定する。
【0022】
その後、上記の第1および第2の判定工程による判定結果の論理積に基づいて、すなわち、第1の判定工程における判定式(1)および第2の判定工程における判定式(2)の両方を満足した場合のみ、プロゾーン現象が発生したと最終的に判定する。
【0023】
このようにすれば、第2表から明らかなように、上記の原液サンプルを1/40倍および1/20倍にそれぞれ希釈した低濃度のサンプルでは、(EB −EA )/(EC −EA )の値が、判定値2(0.5)未満で判定式(1)を満たしても、(EE −ED )の値は、判定値3(0.04)以下で判定式(2)を満たさないので、低濃度サンプルの誤判定を回避することができる。
【0024】
以上、IgA測定の場合について説明したが、IgA測定の場合と同様の吸光度変化パターン、すなわち正常な抗原抗体反応では吸光度がほぼ平衡に達するのに対して、プロゾーン現象を伴う異常な抗原抗体反応では吸光度が緩やかに上昇する他の測定項目についても、同様にして判定値1〜3を定めて実施することができる。また、上述したように、第1試薬と第2試薬とでそれぞれの反応開始時機に応じた吸光度パターンを設定しているので、同一サンプルに関する複数の段階的な反応について、低濃度サンプルかプロゾーンかを誤って判定することがない。
【0025】
ところで、測定項目によっては、上記のIgA測定の場合の吸光度変化パターンを示さないものもある。例えば、ASO(anti-streptolysin O )やAFP(α-fetoprotein)項目では、図5に示すように、第2試薬が分注されて抗原抗体反応が開始すると、正常な反応ではその検液の吸光度は時間に比例して直線的に増加するのに対し、プロゾーン現象が生じる異常な反応では反応開始初期において吸光度が急激に増加し、その後は円弧を描くように変化して、反応後半では吸光度の増加が少なくなる。
【0026】
この発明の第2実施形態では、図5に示すような吸光度変化パターンを示す測定項目に対して、プロゾーン現象の発生の有無を正確に判定するため、第1の判定工程として、抗原抗体反応開始後の測光ポイントの中から、所定の時間間隔毎の複数(好ましくは、5つ以上)のチェックポイントを予め設定し、その順次のチェックポイント間の吸光度差の平均値と、これら吸光度差の最大値および最小値の差との比に基づいてプロゾーン現象の有無を予備的に判定する。すなわち、図5に示すように、例えば、5つのチェックポイントPI ,PI+m ,PI+2m,PI+3m,PI+4m、(mは自然数)を予め設定して、チェックポイントPI の吸光度EI ,PI+m の吸光度EI+m ,PI+2mの吸光度EI+2m,PI+3mの吸光度EI+3m,PI+4mの吸光度EI+4mを用いて、順次の吸光度差ΔE1 =(EI+m −EI ),ΔE2 =(EI+2m−EI+m ),ΔE3 =(EI+3m−EI+2m),ΔE4 =(EI+4m−EI+3m)を求め、それらの平均値ΔEMEAN、最大値ΔEMAX および最小値ΔEMIN から、
判定値4≦(ΔEMAX −ΔEMIN )/ΔEMEAN ・・・(3)
の判定式を演算して、この判定式(3)を満たすとき、プロゾーン現象が発生したものと予備的に判定する。ここで、判定値4は、上記のIgA測定の場合と同様に、実際の正常反応および異常反応のデータに基づいて適宜設定する。
【0027】
また、上記の判定式(3)による判定のみでは、被検成分が微少量または全く含まれていない場合に、吸光度の絶対値が極めて小さいため、測光時のばらつき等の影響により、上記の判定式(3)における演算結果が大きくなり、誤判定を起こすおそれがある。そこで、第2の判定工程として、抗原抗体反応開始前後の測光ポイントの中から、所定の二つのチェックポイントPF 、PG (PF <PG )を、入出力部22を介して演算制御部21に予め設定し、これらチェックポイントPF ,PG での吸光度EF ,EG を用いて、
判定値5<(EG −EF ) ・・・(4)
の判定式を演算し、この判定式(4)を満たすとき、プロゾーン現象が発生したものと予備的に判定する。ここで、判定値5は、上記のIgA測定の場合と同様に、実際の正常反応および異常反応のデータに基づいて適宜設定する。また、チェックポイントPF は、好ましくは、上述した実施形態の判定式(2)と同様に、第1試薬(R1)が分注されて攪拌された直後の測光ポイントP0 に設定し、チェックポイントPG は、サンプル中の被検成分と抗原抗体反応する第2試薬(R2)が分注されて攪拌された直後の測光ポイントP11に設定する。
【0028】
このようにして、第1および第2の判定工程による判定結果の論理積に基づいて、すなわち、第1の判定工程における判定式(3)および第2の判定工程における判定式(4)の両方を満足した場合のみ、プロゾーン現象が発生したと最終的に判定する。
【0029】
したがって、この実施形態によれば、図5に示すような吸光度変化パターンを呈する測定項目において、低濃度サンプルでのプロゾーン現象の誤判定を回避することができる。
【0030】
なお、図1に示す免疫学的自動分析装置において、図3および図5で説明した測定項目を含む各種の測定項目を分析する場合には、測定項目に応じて測光ポイントのチェックポイントおよび判定式を入出力部22を介して演算制御部21に予め設定しておき、各サンプル毎に、例えばサンプルカップ12に貼付されたサンプルの測定項目等を表すバーコードの読み取り情報に基づいて演算制御部21でプロゾーン現象の有無を判定し、プロゾーン現象有りと判定された場合には、その判定結果を当該サンプルの測定項目の分析結果とともに入出力部22に出力すればよい。
【0031】
なお、この発明は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変更または変形が可能である。例えば、第1実施形態では、第1の判定工程として抗原抗体反応開始後の三つのチェックポイントPA 、PB 、PC における吸光度EA 、EB 、EC を用いて、(EB −EA )/(EC −EA )を演算するようにしたが、正常な抗原抗体反応とプロゾーン現象を伴う異常な抗原抗体反応とを区別できれば、例えば、(EB −EA )/(EC −EB )や、(EC −EA )/(EC −EB )を演算したり、単に、(EC −EB )、(EC −EA )あるいは(EB −EA )を演算して、プロゾーン現象の有無を予備的に判定することもできる。
【0032】
また、第2実施形態では、第1の判定工程として、抗原抗体反応開始後の所定の時間間隔毎の複数のチェックポイントでの順次の吸光度差の平均値と、これら吸光度差の最大値および最小値の差との比を演算するようにしたが、例えば、図5において、e1 =(EI+m −EI )/(EI+2m−EI ),e2 =(EI+2m−EI+m )/(EI+3m−EI+m ) ,e3 =(EI+3m−EI+2m)/(EI+4m−EI+2m)を求め、それらの平均値eMEAN、最大値eMAX および最小値eMIN から、
判定値6≦(ΔEMAX −ΔEMIN )/ΔEMEAN ・・・(3)
の判定式を演算して、プロゾーン現象の発生の有無を予備的に判定することもできる。
【0033】
さらに、上述した実施形態では、抗原抗体反応による免疫学的分析について説明したが、異なる複数の吸光度パターンを生じるような複数の試薬を用いた分析であれば、生化学分析やその他の種々の分析に利用でき、免疫と生化学等の分析を一台の装置で行う場合にも有効に適用できる。
【0034】
【発明の効果】
この発明によれば、第1の判定工程によりサンプルおよび試薬の混合後における複数の時点での吸光度に基づいてプロゾーン現象の有無を予備的に判定し、さらに、第2の判定工程によりサンプルおよび試薬の混合前後の吸光度差に基づいてプロゾーン現象の有無を予備的に判定して、これら第1および第2の判定工程による判定結果の論理積に基づいてプロゾーン現象の有無を最終的に判定するようにしたので、従来のように被検成分が微少量または全く含まれていない場合にプロゾーン現象有りと誤判定するのを有効に防止でき、プロゾーン現象を常に正確に判定することができる。したがって、誤判定によるサンプルや試薬等の無駄を有効に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るプロゾーン現象判定方法を実施する免疫学的自動分析装置の一例の構成を示す図である。
【図2】図1に示す免疫学的自動分析装置で、免疫グロブリンIgAが大過剰に含まれている血清を生理食塩水で段階的に希釈したサンプルを分析した場合の各サンプルの吸光度の変化を示す図である。
【図3】被検成分IgAでの正常な抗原抗体反応における吸光度の変化と、プロゾーン現象を伴う異常な抗原抗体反応における吸光度の変化とのパターンを示す図である。
【図4】高濃度のサンプルと低濃度のサンプルとにおける抗原抗体反応開始直後の吸光度の変化を示す図である。
【図5】被検成分ASOやAFPでの正常な抗原抗体反応における吸光度の変化と、プロゾーン現象を伴う異常な抗原抗体反応における吸光度の変化との他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 反応容器
2 ターンテーブル
3 第1試薬分注部
4 攪拌部
5 測光部
6 サンプル分注部
7 第2試薬分注部
8 洗浄部
11 サンプルテーブル
12 サンプルカップ
13 サンプル分注器
15 試薬テーブル
16 試薬タンク
17 試薬分注器
21 演算制御部
22 入出力部
Claims (3)
- 一定の時間間隔で反応容器を通して吸光度を測定しながら、該反応容器内で、少なくとも、サンプルと、所定の被検成分と抗原抗体反応する試薬とを混合し、その吸光度に基づいて前記被検成分を分析するにあたり、
前記サンプルおよび前記試薬の混合後における複数の時点での吸光度に基づいてプロゾーン現象の有無を予備的に判定する第1の判定工程と、
前記サンプルおよび前記試薬の混合前後の吸光度差に基づいてプロゾーン現象の有無を予備的に判定する第2の判定工程とを有し、
前記第1および第2の判定工程による判定結果の論理積に基づいてプロゾーン現象の有無を最終的に判定することを特徴とするプロゾーン現象判定方法。 - 請求項1記載のプロゾーン現象判定方法において、
前記第1の判定工程は、それぞれ所定の測定時点における二つの吸光度差の比に基づいてプロゾーン現象の有無を予備的に判定することを特徴とするプロゾーン現象判定方法。 - 請求項1記載のプロゾーン現象判定方法において、
前記第1の判定工程は、所定の時間間隔毎の複数の時点における順次の吸光度差の平均値と、前記吸光度差の最大値および最小値の差との比に基づいてプロゾーン現象の有無を予備的に判定することを特徴とするプロゾーン現象判定方法。
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