JP4043132B2 - 自動分析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は血清等の試料を分析するための分析装置に係わり、例えば試料中に磁性粒子を混ぜて定量分析を行う自動分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に医療分野において、血液や尿等に極微量にしか含まれていない特定成分の定量を行う方法としては、例えば抗原抗体反応を利用した免疫学的測定方法が用いられている。免疫学的測定方法の場合、例えばガラスビーズや所定の磁性粒子を不溶性担体として用いて試料中の特定成分に対する抗体または抗原を固相化した試薬を用いる方法がある。その測定手順はおよそ次のように行う。最初に試料と抗原または抗体を固相化した不溶性担体を所定の容器中で混合させ、所定時間反応させる(第一次反応)。この第一次反応の後、反応液を吸引し、これによって固相体と結合しているもの(即ちBound)と結合していないもの(即ちFree)のうち、固相化された抗体または抗原と反応していない物質(Free成分)が除去されて、反応した物質(Bound成分)のみが容器中に残される。この様な動作は所謂「BF分離」と呼ばれ、固相体と結合しているBoundと結合していないFreeとを分離することを意味している。
【0003】
不溶性担体に磁性粒子を用いる場合は、図7(a)〜(h)に示す手順で行われる。図示の如く反応容器の両側には磁性試薬粒子を吸着する手段としての磁石を配し(図7(a))、この磁石によって反応容器内に磁力を与え磁性粒子をその反応容器の所定の場所に集めてBF分離を行うが、このとき磁性粒子等が反応容器から流出しないように注意する(図7(b))。次に、試料中の特定成分に対する抗体または抗原に酵素、蛍光物質または化学発光物質を標識した物質を反応溶液に加えて攪拌動作の後、一定時間反応させる(第二次反応)(図7(c))。そして第二次反応が終了後、BF分離を行って試料中の特定成分と結合していない物質を除去する(図7(d)〜(e))。その後、発色性物質、蛍光物質または化学発光物質などのそれぞれの標識物質に応じた検出系により特定成分の検出を行う(図7(f)〜(h)以降)。
【0004】
このような測定手法において不溶性担体に磁性粒子を用いた場合は、その担体が極く小さいためにその担体表面積と反応液量の接触面積が大きくなるので、短時間の分析が可能になる。
しかしながら、従来このBF分離を行う際には、初期に加えた磁性粒子等が反応容器外に一部流出したり、BF分離後の攪拌が不充分である等に起因する「攪拌不良」の発生により、磁性粒子が反応溶液中に均一に分散されていないという状態が起こり、その結果として、正確な分析測定データを得ることができない可能性があった。
【0005】
BF分離後の攪拌性能を確認する一方法としては例えば、測定以前に反応容器に磁性粒子を分注したものと分注していないものを両方または一方を予め透過光測光しておき、BF分離後の攪拌過程が終了したら再び透過光測光過程を行う。そしてBF分離前に測定しておいた吸光度とBF分離後の吸光度を相互比較して、もしその吸光度に著しい差が見られた場合には「攪拌不良」であると判断してオペレータにアラームで知らせるという従来技術があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来技術では、BF分離後の攪拌性能の確認において、BF分離過程の前後に得られた吸光度を相互に比較して判定していた。しかし実際の分析過程ではBF分離時に例えば磁性粒子の流出等も発生する可能性もある。すなわちこの従来の手法では得られた分析測定結果が、「磁性粒子流出」に起因する如くの攪拌性能以外の影響を受けることもあるので、従来の分析装置が攪拌不良のアラームを発しても、当該オペレータにはそれが本当に攪拌不良の発生であるかの特定はできなかった。
そこで本発明の目的は、定量分析過程におけるBF分離後の攪拌性能を確実に検証できる方法を実現する自動分析装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決し目的を達成するために、請求項に係わる本発明は次のような手段を講じている。すなわち、
例えば血液、尿等の所望する試料と試薬を反応容器の中で反応させ、この反応過程中の時系列上の複数の測光ポイントにおいて前記反応容器に対し透過光測光する機能を有し、磁性粒子を不溶性担体として固相化された抗体または抗原と該試料中の特定成分とを反応させ、固相化された抗体または抗原と反応していない該試料中の特定成分以外の物質を分離する機能(以下「BF分離」と称す)を有する自動分析装置において、そのBF分離後の攪拌後に予め設定された特定の測光ポイント間における懸濁度変化量を透過光量に基づいて算出する機能を更に備え、その懸濁度変化量と予め設定された変化に関する所定の変化設定値とを比較する。もしその懸濁度変化量がこの変化設定値を超過した場合には、当該分析過程に何らかの異常が発生したと判断し、前記分析過程に何らかの異常が発生した場合、前記第2透過光量を得るために再度、透過光量の検出をさらに所定回数繰り返した後、前記第1透過光量と前記第2透過光量との差を算出し、所定の第2設定値と比較する。また、前記差が前記第2設定値以下の場合には攪拌不良と判定し、前記差が前記第2設定値より大きい場合には磁性粒子流出と判定して、それぞれに対応する警告情報を出力するように自動分析装置を構成する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら複数の実施形態例について説明する。
(第1実施形態例)
図1には、本発明に係わる第1実施形態例としての自動分析装置の構成を概略的に示している。この自動分析装置の本体1は平面図で示され、この本体1の基台は上方から観たとき図示の如く矩形を成している。すなわち、本発明の自動分析装置は、この分析装置本体1と、この本体の動作の制御手段として所定の制御プログラム等をメモリ21内に有する制御部20と、これに接続して分析情報及びメッセージ等を表示出力する表示部25、オペレータが入力指令を行うためのキー入力部26、および分析結果等をプリントアウトする帳表出力部27から構成されている。
【0011】
詳しくは、分析装置本体1の基台上の中央近傍を中心にして回転自在な反応テーブル2が設けられ、モータ4の駆動力を反時計回りに1回転−1容器分の所定ピッチで回転駆動されるように構成されている。また、反応テーブル2の周縁には矩形を成す多数の殆んど透明な反応容器(キュベット)3が、等間隔に配設された反応容器保持孔(図示せず)に挿脱可能に保持されている。
【0012】
一方、反応テーブル2の円周近傍の所定の位置には数種の機構が保持された各反応容器3に対してアクセス可能に配設されている。例えば、この反応容器3に試料を分注するための試料分注機構7、同じく反応容器3に試料中の被分析成分と免疫反応を起こす抗原又は抗体が固相化された所要量の懸濁性微粒子である磁性粒子を含む溶液を第1試薬として分注するための粒子試薬分注機構8、同じく反応容器3に試料中の被分析成分と免疫反応を起こすとともに発色反応を生じる標識物質としての発色試薬を第2試薬として分注するための発色試薬分注機構9、また被分析成分と反応していない液体を反応容器3から除去するための洗浄部としての吸引/吐出部10(検液吸引機構10a、洗浄液分注機構10b、洗浄液吸引機構10c)および、反応容器3中の液体を光学的に検出するための測光部11等が、それぞれ所定位置に設けられている。また、磁性試薬粒子の吸着手段としての磁石2aを有する磁力発生部12を、吸引/吐出部10に沿って回転テーブル2の近傍に配置している。
【0013】
なお、測光部11には、反応容器3中の対象物に所定の光を照射する光源部11aと、これに対峙する位置に設けられ、その照射透過光を受ける受光部11bが設けられており、これによって、反応容器3内の磁性粒子の分散や発色試薬による発色を測定するものである。さらに、反応容器3内の液体を攪拌するための攪拌機構13,14を図示の位置に配設している。
【0014】
なお、制御部20を構成するCPUは、メモリ21内に予め格納されている制御プログラムに従ってこの分析装置本体1を駆動制御するが、後述の制御、攪拌性能の確認時に用いる測光ポイントおよび、その攪拌性能を判断する基準となる閾値等の値は、パラメータとしてオペレータが任意にキー入力部26から選択的に入力するか、又は適宜な値に設定することができる。
また、表示部25には例えば検査・分析経過やその結果を表示出力したり、又は異常状態の発生をオペレータに音と共に告知するためのCRT等で成る。更に、キー入力部26からは当該自動分析装置のオペレーション等に関する指令をキー入力するため、例えばキーボード等から成る入力端末で構成されている。
【0015】
次に、上述のメモリ21内に格納されCPUで起動する制御プログラムについて説明する。図2〜図3に例示されたフローチャートに従って本第1実施形態例の自動分析装置は次のように動作する。すなわち、
自動分析装置を起動した後にまず、サンプル分注機構7により反応容器3に所定の分析対象であるサンプルを分注する(S1)。
粒子試薬分注機構8によって反応容器3に所定の磁性粒子試薬を分注する(S2)。
そして攪拌機構13によってこの反応容器内の試薬と上記サンプルを充分に攪拌する(S3)。
【0016】
反応容器3内の透過状態を検出するため、測光部11の光源部11aからその反応容器に所定の光を照射する(S4)。
この反応容器3を透過してきた透過光を受光部11bで受けて検出する(S5)。
【0017】
この反応容器3を磁力発生部12の位置に搬送して、図7(a)のように磁性粒子を反応容器3の側面に吸着させる(S6)。
この吸着中に、検液を取り出すため反応液吸引機構10aにより、図7(b)のように反応容器3から検液吸引を行う(S7)。
引続きこの吸着中に、反応していない物質を除去するため洗浄液分注機構10bによって反応容器に洗浄液を分注する(S8)。
この吸着の最後に、残留洗浄液の除去のため洗浄液吸引機構10cによって洗浄に用いた洗浄液を吸引して洗浄を終了する(S9)。ここで、洗浄を充分に行うために、洗浄液分注機構10bに対して複数回(例えば3〜6回)反応容器3を戻す(反応テーブル2を1回転−2容器分移動させる)のが好ましい。
【0018】
磁力発生部12を通過することで、反応容器3への磁力吸着が解除される(S10)。
次に、発色試薬分注機構9により標識試薬を反応容器3に分注する(S11)。
そして再び、反応容器3内を攪拌機構14により充分に攪拌する(S12)。
測光部11の光源部11aから反応容器3に光を照射する(S13)。
【0019】
この反応容器3を透過してきた透過光を受光部11bで検出して透過光量▲1▼を判定用データとして得る(S14)。
ここで、この透過光量▲1▼と所定の設定値1とを比較し(S15)、仮にこの透過光量が設定値1以下であれば、「正常」に推移していると判定して、ステップ20(参照:図3)に移行して続く反応ステップの分析を行う。
【0020】
一方、この透過光量▲1▼が設定値1よりも大きければ、「何らかの異常がある」と判定して、次のステップS16およびS17を所定回数だけ繰り返した後、その異常の詳しい判定を行う。すなわち、
再び光源から反応容器に光を照射し(S16)、この反応容器を透過してきた透過光を受光素子で検出して透過光量▲2▼を判定用データとして得る(S17)という2つのステップを所定回数(例えば20回)だけ繰り返す。通常、吸引/吐出部10までの歩進の間に所定回数のデータが得られるが、好ましくは、1回転−容器分の歩進を2周以上行わせたり、1ヶ所又は複数ヵ所の停止位置で1回転以上余分に回転させることにより、充分数のデータを得るようにする。
これら透過光量▲1▼と透過光量▲2▼の差を、所定の設定値2と比較し(S18)、もし、この透過光量差が設定値2よりも大きければ、「磁性粒子流出」と判定する。
【0021】
一方、この透過光量差が設定値2以下であれば、「攪拌不良」と判定する。
そして、その異常な状態をオペレータに告知警告のため、その状況を表わすメッセージを表示部に表示出力すると共に、所望によりアラームを発音する(S19)。
【0022】
続いて図3に示すステップS20〜S28に進む。すなわち、
ステップS20においては、続く次の反応ステップへ移行するために、まず前述と同様に、磁力発生部12により反応容器3に磁性粒子を吸着させる(S20)。
【0023】
また前述と同様にして、反応容器3から液体を吸引し(S21)、洗浄液を分注し(S22)、洗浄後にはこの洗浄液を吸引する(S23)。
そして再び、光源部11aから反応容器3に光を照射し(S24)、この反応容器3を透過してきた透過光を受光部11bで検出する(S25)。
そしてここで、この透過光量と所定の設定値1とを比較し(S26)、仮にこの透過光量が設定値1以下であれば、「正常」と判定して(S26)、標識物質の種類に応じた公知の方法によって被検体検知を行い(S27)、一連の処理ステップを正常終了することができる。
【0024】
一方、上記ステップS26の判定で、この透過光量が設定値1よりも大きければ、「BF異常」と判定して、その異常な状態を告知警告のため表示部に表示出力と共に所望によりアラームを発音し(S28)、そして異常終了する。最後に、反応容器3内の反応を測光部11で測定した反応容器3は、反応容器交換機構5により保持孔より抜き取られ、代わりに未使用の反応容器3がその保持孔に挿入保持されて、次の分析へと続く。
【0025】
本発明の分析装置を使い不溶性担体に磁性粒子を用いる反応においては、反応容器保持孔に挿入セットされた反応容器3中の磁性粒子が反応溶液中に分散しているところを光源部11aから光を当てて受光部11bを用いて透過光測光する。このとき磁性粒子が分散している懸濁液では光が磁性粒子に吸収されたり乱反射されたりするため、吸光度は通常高くなる。また、BF分離時に反応容器に隣接してセットされた磁石などにより適当な磁力を与えることで磁性粒子をその反応容器の一定の場所に集めて磁性粒子が分散しているときの吸光度と比較すると、通常このときの吸光度は低くなる。このことを利用して、試料中の特定成分を測定しようとする一連の反応過程においてその反応期間中に所定の測光ポイントを決めて、その反応溶液を一定時間間隔毎に複数ポイントの透過光測光を行う。
【0026】
BF分離後の攪拌が正常にしかも充分に行われて磁性粒子が分散されている場合は、BF分離後の反応を行っている期間はその吸光度は安定している。しかしBF分離後の攪拌が不充分な場合、磁力が加えていないことから時間の経過と共に磁性粒子が分散されて吸光度は時間経過に伴なって増大する。よって、攪拌過程後の一定時間の吸光度の変化に注目してこれを確認する。攪拌後の一定時間当たりの吸光度変化量に関する所定の閾値(設定値)を予めキー入力部26から入力しておき、この閾値を満足しない場合はBF分離後の攪拌が不充分(攪拌不良)であると判断する。また、メモリ21に一時記憶しておく測定値には「攪拌不良」を意味する記号等を付けておき、帳票出力部27からのリスト上にも印字する。さらに所望によれば、表示部25にメッセージを表示するかアラームを発音してもよい。
【0027】
このように、アラームまたは表示部のメッセージ表示に基づいて分析作業を担当するオペレータは適宜な対応をすることができる。例えば、この自動分析装置の運用・操作上の不具合の場合は、適宜にその不具合状態を知らせ、再度正しい適切な操作を促す。その他、当該装置自体の不具合(故障等)の場合には随時サービスマン等を呼ぶことになる。
【0028】
ここで図4〜図6のグラフを示し、吸光度の時間経過に伴なう変化を基に説明する。これらのグラフは、反応経過について反応過程中に反応容器3が測光部11を通過する毎に測光した吸光度の値を時系列における測定タイミングに対応する測光ポイントに添ってその吸光度の変化をプロットした帳票の一例である。なおここで言う「測光ポイント」の1ポイントとは、約15Sec. のオーダーの時間であると仮定する。
【0029】
最初に磁性粒子を担体として試料を加えて攪拌した後から吸光度のレベルを測定してプロットすると、磁力吸着工程(S6)の直前付近で測定した測光ポイント1で吸光度1.4であることが解る。一定時間反応させてからBF分離を行うが、図4のグラフの変化によれば、測光ポイント4近傍からBF分離のために反応容器に対して磁石で磁力をかけて、この反応容器の一定の場所に磁性粒子を集めている。
なお、実際にBF分離を行うのは、磁性粒子が反応容器の一定の場所に集まり、吸光度がほぼ0付近に低下し(即ち、反応容器内が殆んど透明になった)場合である。
【0030】
次に、グラフ中の測光ポイント17〜18では吸光度が急激に増大してほぼ最初の攪拌時直後の吸光度レベル(1.4)まで戻っているが、これはBF分離後の標識試薬の分注とその直後の再攪拌によって磁性粒子が再び容器内に急速に分散されたことに起因する。このような状態変化を「正常」な反応過程とみなし、再攪拌が正常に行われて磁性粒子が最初と同じ量で且つ同じ分散状態に戻ったことを意味する。よって、この直後からは続く第二次反応のステップへと進むことになる。
詳しくは、図4のグラフが示す如く攪拌に不具合が発生していない通常(正常)の場合には、分散開始直後である測光ポイント18と攪拌後の所要時間経過後である測光ポイント50の吸光度差はおよそ0.0334である。
【0031】
また図5のグラフには、BF分離後の再攪拌に不具合が生じた場合の吸光度変化を例示している。
このグラフから解るように、BF分離後の所謂「攪拌不良」が発生している場合、測光ポイント17〜18で吸光度は上昇していくが、最初のレベル(1.4)までは直ちには戻らず、測光ポイント19〜50以上の時間をかけて徐々にその最初の吸光度レベルに近づく。またこの例の場合、詳しくは、測光ポイント18と測光ポイント50の吸光度差はおよそ0.2943である。
【0032】
本発明の第1実施形態例が、攪拌性能を間違いなく判断するだけでよい場合としたときの判断基準となる第2設定値のための閾値は、「攪拌不良」の無い場合(図4)の吸光度差と、攪拌不良が発生した場合(図5)の吸光度差の間に設定すればよい。測定中の試料において、測光ポイント18と測光ポイント50の吸光度差がその閾値以上である場合にはBF分離後の「攪拌不良が発生した」と判断して、その旨を表わすメッセージを表示すると共に所望によりアラームを鳴らしてその状況を告知する。
【0033】
(作用効果1)
このように本第1実施形態例によれば、BF分離後の攪拌性能の確認(即ち攪拌不良の発生の有無の確認)を確実に行うことができる。そして分析作業を担当するオペレータは、その所定のアラームの音または表示部のメッセージ表示に基づき、適宜な対応をすることができる。その発生は表示出力やアラーム発音によりリアルタイムに知ることが可能となるので、運用上の分析作業の効率化も図られる。
【0034】
また、攪拌性能の確認時に用いる測光ポイントおよび、攪拌性能を判断するための閾値はパラメータとしてオペレータが任意に設定可能なので、分析対象およびその分析形態に対応する広い自由度を提供できる。
【0035】
(第2実施形態例)
次に、本発明に係わる第2実施形態例について説明する。ただし本実施形態例の自動分析装置は、第1実施形態例で詳説した構成のものと実質的に同じであるので説明は省略する。第2実施形態例の特徴は、その制御部20の制御方法とこれに関連する設定値にも特徴がある。すなわち、
制御部のメモリ中に格納された制御プログラムの制御手順において次のような動作上の特徴を有している。この特徴については図4〜図6のグラフを参照しながら以下に説明する。
【0036】
図6に示すグラフは、BF分離時に磁性粒子流出が発生したときの吸光度変化量の推移を表わしている。測光ポイント1の吸光度と測光ポイント18の吸光度差を比較すると、前述した如く通常の反応の場合(図4)の測光ポイント1と測光ポイント18の吸光度差は0.0326である。一方、BF分離後の攪拌に不具合が発生した場合(図5)の測光ポイント1と測光ポイント18の吸光度差は0.4856であることが解る。
【0037】
本第2実施形態例ではさらに、BF分離時に磁性粒子流出が発生した場合(図6)を判定できるが、このグラフ上では測光ポイント1と測光ポイント18の吸光度差は0.3995である。
本発明の第2実施形態例においては、測光ポイント1と測光ポイント18の吸光度差と比較する第1設定値のための閾値を、「通常の反応とBF分離後の攪拌に不具合が生じた場合」または「BF分離時に磁性粒子流出が発生した場合」のそれぞれの吸光度差の間に設定している。そして測光ポイント1と測光ポイント18の吸光度差が閾値から外れた場合には、分析過程における「BF分離に何らかの不具合が発生した」と判断する。
【0038】
次に、BF分離時に「何らかの」不具合が発生したと判断した場合のみ、測光ポイント18と測光ポイント50の吸光度差を比較する(参照、図2のS15〜S19)。
なお、磁性粒子流出の発生は前述した図2中のステップS18における第1透過光量(▲1▼)と第2透過光量(▲2▼)の差(即ち透過光量差)と、予め設定されていた設定値2との大小比較により行うが、透過光量差が閾値として設定された第2設定値(設定値2)より大きい場合を「磁性粒子流出」とみなすように制御プログラムが作られている。
【0039】
また図6のグラフからも解るように、BF分離時に「磁性粒子流出」が発生した場合にはBF分離前と比較しBF分離後の吸光度は下がり、その後の時間経過によっても初期のレベルよりも下がったレベル(約1.0)のままである故に、測光ポイント18と測光ポイント50の吸光度差はほぼ0.0125であることが解る。
【0040】
BF分離後の攪拌に不具合が発生した場合(図5)の測光ポイント18と測光ポイント50の吸光度差は0.2943であるので、BF分離時に磁性粒子が流出した場合(図6)の吸光度差とBF分離後の「攪拌不良」が発生した場合(図5)の吸光度差のそれぞれの値の間に第2設定値のための閾値を設定している。
よって本第2実施形態例においては、測光ポイント18と測光ポイント50の吸光度差がその閾値以上の場合は、BF分離後の「攪拌不良」が発生したと判断し、また測光ポイント18と測光ポイント50の吸光度差が閾値より小さい場合はBF分離時に「磁性粒子流出」が発生したと判断している。その際、逐次プロットした測定結果には所定記号(マーク)を付記して記録しておきオペレータのための分析過程の記録データとする。
【0041】
(作用効果2)
このように本第2実施形態例によれば、BF分離後の攪拌性能の確認(例えば攪拌不良の有無の確認)のみならず、BF分離時の磁性粒子の流出の確認をも正確に行うことができる。なお、その他にも前述の第1実施形態例と同様な作用効果が得られる。
また、BF分離後の攪拌性能、特に「磁性粒子流出」に関する閾値、即ち第2設定値(設定値2)等の設定は、この自動分析装置を用いるオペレータが任意にキー入力部から選択的または任意な値を設定することができるので、様々な分析対象および分析形態にも適宜に対応できること言うまでもない。
【0042】
(その他の変形例)
なお、本発明は前述した各実施形態例の他にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。例えば、第1実施形態例において「攪拌不良」の判定またはアラーム発生の回数をカウントし、連続的に複数回カウントされたときには自動的に装置を停止するか、異なる音色、音量等のアラームを発生するようにして対処を促すようにするのが好ましい。
【0043】
また、第2実施形態において、「磁性粒子流出」は、サンプルや試薬の組合せによって不規則に発生し得るので、「磁性粒子流出」と判定されても分析を継続し、対応する測定データに対して判定表示を付与して、適宜、再検査実行するように自動分析装置を制御したり、オペレータに注意を促すのが好ましい。
また、上記実施形態において、3個以上の吸光度差を用いて、閾値及び/又は判定用データを得てもよく、吸光度差の代わりに変化率を求めてもよい。
また、第2実施形態において、攪拌不良と磁性粒子の流出の両方が発生する場合を考慮して、複数の吸光度差を総合的に判断したり、吸光度の絶対値を加味するようにしてもよい。
【0044】
また、例示した自動分析装置本体に係わる各部位の形状・寸法ならびに測定ポイントや吸光度差に関する閾値(設定値)等は、使用する反応容器、試薬、磁性粒子、サンプル等の種類や温度および反応速度等に応じて種々の変更と設定が可能である。また、抗原抗体反応による免疫学的測定方法以外にも、磁性粒子に核酸や酵素等の生体物質と固相化した遺伝学的測定ないし生化学測定にも応用可能である。
【0045】
また、本発明における自動分析装置(例えば、反応テーブルの駆動方式や磁力発生部の構成、各処理部のポジション等)とその他の関連装置との組合せや、使用する制御部およびその周辺端末装置の構成および機能は、例示したものに限らず運用形態および必要に応じて任意に変形することで更に運用上便利に実施できる(特開昭61−76957、特開昭62−119460、特開昭62−148858、特開平6−160401、特開平8−178931、特開平9−325148等参照)。更に、本発明の要旨を他の分野(例えば、生化学、遺伝学)の分析装置へ応用することも可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上、複数の実施形態例および変形例に基づく説明の如く、本発明の自動分析装置によれば次のような効果が得られる。
不溶性担体に磁性粒子を用いている反応系において、BF分離後の攪拌性能を確実に検証できることによって、測定データ自身の信頼性を向上させることができる。つまり、従来、攪拌後の吸光度の値の1つを反応パラメータに使うことではBF分離時の「磁性粒子流出」と「攪拌不良」を区別できなかったが、本発明により例えば吸光度変化量(吸光度差)を判断のパラメータに使うことによって確実にBF分離時の磁性粒子流出と攪拌不良を区別できる。
以上述べたように、本発明によれば定量分析過程におけるBF分離後の攪拌性能を確実な検証ができる方法を実現する自動分析装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施形態例としての自動分析装置の概要構成を示す構成図。
【図2】 図2は、本発明の自動分析装置の動作制御を示すフローチャート。
【図3】 図3は、図2のフローチャートの続きを示すフローチャート。
【図4】 図4は、反応過程における吸光度変化を示すグラフ。
【図5】 図5は、BF分離後の攪拌に不具合のある場合の吸光度変化を示すグラフ。
【図6】 図6は、BF分離時に磁性粒子流出が発生したときの吸光度変化を示すグラフ。
【図7】 図7(a)〜(h)は、分析に係わる分注過程を概略的に示す説明図。
【符号の説明】
1…自動分析装置本体、
2…反応テーブル、
3…反応容器、
4…モータ、
5…反応容器交換機構、
7…試料分注機構、
8…磁性粒子試薬分注機構、
9…標識試薬分注機構、
10…吸引/吐出部
10a…検液吸引機構、
10b…洗浄液分注機構、
10c…洗浄液吸引機構
11…測光部、
11a…光源部、
11b…受光部、
12…磁力発生部、
12a…磁石、
13,14…攪拌機構、
20…制御部(CPU、メモリ等)、
25…表示部(CRT)、
26…キー入力部(キーボード)、
27…帳表出力部(プリンタ)、
28…攪拌機構。
S1〜S28…分析過程の処理ステップ。

Claims (1)

  1. 所望する試料と試薬を反応容器の中で反応させ、この反応過程中の時系列上の複数の測光ポイントにおいて前記反応容器に対し透過光測光する機能を有し、磁性粒子を不溶性担体として固相化された抗体または抗原と該試料中の特定成分とを反応させ、固相化された抗体または抗原と反応していない該試料中の特定成分以外の物質を分離する(即ちBF分離)機能を有する自動分析装置において、
    前記BF分離後の攪拌後に予め設定された特定の測光ポイント間における懸濁度変化量を透過光量に基づいて算出する機能を更に有し、
    前記懸濁度変化量と予め設定された変化に関する所定の変化設定値とを比較したとき、前記懸濁度変化量がこの変化設定値を超過した場合には、当該分析過程に何らかの異常が発生したと判断し
    前記分析過程に何らかの異常が発生した場合、前記第2透過光量を得るために再度、透過光量の検出をさらに所定回数繰り返した後、前記第1透過光量と前記第2透過光量との差を算出し、所定の第2設定値と比較する機能を有し、
    前記差が前記第2設定値以下の場合には攪拌不良と判定し、前記差が前記第2設定値より大きい場合には磁性粒子流出と判定して、それぞれに対応する警告情報を出力することを特徴とする自動分析装置。
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