JPH11264821A - プロゾーン現象判定方法 - Google Patents

プロゾーン現象判定方法

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JPH11264821A
JPH11264821A JP6841598A JP6841598A JPH11264821A JP H11264821 A JPH11264821 A JP H11264821A JP 6841598 A JP6841598 A JP 6841598A JP 6841598 A JP6841598 A JP 6841598A JP H11264821 A JPH11264821 A JP H11264821A
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absorbance
sample
reaction
reagent
prozone phenomenon
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JP6841598A
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Mineo Hashimoto
峯生 橋本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロゾーン現象を常に正確に判定でき、再検
査によるサンプルや試薬等の無駄を有効に防止できるプ
ロゾーン現象判定方法を提供する。 【解決手段】 一定の時間間隔で反応容器を通して吸光
度を測定しながら、該反応容器内で、少なくとも、サン
プルと、所定の被検成分と抗原抗体反応する試薬とを混
合し、その吸光度に基づいて前記被検成分を分析するに
あたり、前記被検成分が大過剰に含まれてプロゾーン現
象が生じたときに得られる吸光度パターンと、プロゾー
ン現象が生じないときに得られる吸光度パターンとに基
づいて、プロゾーン現象を判定するための吸光度を得る
複数の測定点を予め設定し、前記サンプルを分析する際
に、前記設定された複数の測定点での吸光度に基づい
て、当該サンプルに対するプロゾーン現象の有無を判定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、サンプル中の所
定の被検成分を測定項目に応じた試薬との反応により分
析する際に生じるプロゾーン現象の判定方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、臨床化学検査の進歩に伴って、抗
原抗体反応を利用した免疫学的自動分析装置が用いられ
るようになっている。このような自動分析装置では、例
えば、サンプルを収容する反応容器中に、所定の被検成
分と抗原抗体反応する試薬を分注して抗原抗体反応を行
わせ、その反応液の吸光度を測定してサンプル中の被検
成分を定量分析するようにしている。
【0003】ところで、抗原抗体反応においては、分析
しようとする抗原や抗体がある濃度以上に過剰に存在す
ると、反応液の吸光度が期待される値よりも低くなると
いう、いわゆるプロゾーン現象が生じることが知られて
いる。このようなプロゾーン現象が生じると、サンプル
中に過剰に抗原や抗体が存在していても、吸光度に基づ
いて演算される濃度は低い値となるので、サンプルを分
析するにあたっては、プロゾーン現象が生じたか否かを
判定し、プロゾーン現象が生じた場合にはサンプルの希
釈倍率等を変更して再検査する必要がある。
【0004】このプロゾーン現象の判定方法として、例
えば、特開平6−213893号公報には、被検成分が
大過剰に存在する場合に、反応吸光度が正常反応に比較
してなだらかに変化することに着目して、抗原抗体反応
の反応過程における任意の2点間の吸光度変化率を求
め、その変化率が判定値よりも小さい場合にプロゾーン
現象が発生したと判定するようにしたものが提案されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のプロゾーン現象判定方法にあっては、抗原抗体
反応の反応過程における任意の2点間の吸光度変化率に
基づいてプロゾーン現象の有無を判定するようにしてい
るため、その吸光度変化率を反応初期の2点間で求めた
場合には、被検成分が大過剰に存在する場合で、反応初
期の吸光度の立ち上がりが速い反応に対しては、プロゾ
ーン現象が生じていないと誤判定されるという問題があ
る。
【0006】この発明は、このような従来の問題点に着
目してなされたもので、プロゾーン現象を常に正確に判
定でき、したがって再検査によるサンプルや試薬等の無
駄を有効に防止できるプロゾーン現象判定方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、一定の時間間隔で反応容器を通して吸
光度を測定しながら、該反応容器内で、少なくとも、サ
ンプルと、所定の被検成分と抗原抗体反応する試薬とを
混合し、その吸光度に基づいて前記被検成分を分析する
にあたり、前記被検成分が大過剰に含まれてプロゾーン
現象が生じたときに得られる吸光度パターンと、プロゾ
ーン現象が生じないときに得られる吸光度パターンとに
基づいて、プロゾーン現象を判定するための吸光度を得
る複数の測定点を予め設定し、前記サンプルを分析する
際に、前記設定された複数の測定点での吸光度に基づい
て、当該サンプルに対するプロゾーン現象の有無を判定
することを特徴とするものである。
【0008】この発明の一実施形態においては、上記の
プロゾーン現象の有無を判定するにあたって、複数の吸
光度パターンの中からサンプル毎の測定項目に応じた吸
光度パターンを選択的に割り当てる。
【0009】さらに、この発明の一実施形態において
は、上記のプロゾーン現象の有無を判定するにあたっ
て、同一サンプルの測定に関する第1試薬および第2試
薬の各反応に応じた吸光度パターンを各反応開始時機に
合わせて割り当てる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照して説明する。図1は、この発明に係
るプロゾーン現象判定方法を実施する免疫学的自動分析
装置の一例の構成を示すものである。この免疫学的自動
分析装置は、複数個の反応容器1を同一円周上に等間隔
に保持したターンテーブル2を有し、このターンテーブ
ル2を所定のシーケンスに従って、順次のサイクルで例
えば反時計方向に(360°−1反応容器分)づつ回動
するように、各サイクルの中で時計方向および反時計方
向に所定ステップ回動させながら、各反応容器1に第1
試薬(R1)、サンプルおよび第2試薬(R2)を順次
分注し、第1試薬分注後の反応容器1内の液体を全反応
過程測光方式により一定時間間隔で所定の波長の光で測
光して分析を行うと共に、分析の終了した反応容器1を
洗浄して繰り返し使用するようにしたものである。な
お、ターンテーブル2の回動方式は、一度に360°−
1反応容器分回転する必要はなく、分析シーケンスに応
じて360°−1反応容器分の回動のなかで2〜5回停
止させるように分割して行うようにしてもよい。
【0011】このため、ターンテーブル2の周辺部分に
は、反応容器1に対して機能するように、第1試薬分注
部3、攪拌部4、測光部5、サンプル分注部6、第2試
薬分注部7および洗浄部8を設け、各反応容器1に対し
て、先ず、第1試薬分注部3で緩衝液を主成分とする第
1試薬を分注し、その後、攪拌部4で攪拌する。第1試
薬が分注された反応容器1に対しては、一定時間間隔で
測光部5に位置決めされるか、あるいは通過する毎に、
被検成分に対応する波長の光で該反応容器1を通して測
光しながら、次に、サンプル分注部6において、サンプ
ルテーブル11に保持されたサンプルカップ12からサ
ンプル分注器13により血清等のサンプルを分注し、そ
の後、攪拌部4で攪拌する。
【0012】次に、第2試薬分注部7において、試薬テ
ーブル15にセットされたそれぞれ異なる被検成分と抗
原抗体反応する第2試薬を収容する複数の試薬タンク1
6のうちから、分析すべき被検成分に対応する第2試薬
を試薬分注器17により分注し、その後、攪拌部4で攪
拌して抗原抗体反応させる。所定の反応時間が経過した
後は、洗浄部8において、反応容器1を洗浄して次の分
析に備える。
【0013】以上の各部の動作は、演算制御部21によ
り所定のシーケンスに従って制御する。また、測光部5
での各反応容器1の順次の測光データは、演算制御部2
1に取り込んでそれぞれ吸光度に変換し、その吸光度に
基づいて各サンプル中の被検成分を定量分析して、その
分析結果を入出力部22においてプリントアウトした
り、ディスプレイに表示する。
【0014】図1に示す免疫学的自動分析装置で、例え
ば、免疫グロブリンIgAが大過剰に含まれている血清
を生理食塩水で段階的に希釈したサンプルを分析する
と、各サンプルの吸光度(Abs) は、図2に示すように変
化する。ここで、横軸のP0 は第1試薬(R1)が分注
されて攪拌された直後の測光ポイントを、P1 はサンプ
ルが分注されて攪拌された直後の測光ポイントを、P11
はサンプル中のIgA成分と抗原抗体反応する第2試薬
(R2)が分注されて攪拌された直後の測光ポイント
を、P27は最終測光ポイントをそれぞれ示し、P0 〜P
27の各測光ポイントは、一定時間間隔となっている。な
お、この場合の測光部5における測定波長は340nm
である。
【0015】図2から明らかなように、1/10〜8/
10倍希釈したサンプルまでは、測光ポイントP10から
27までの吸光度差(ΔE)がほぼ比例して増加してお
り、吸光度差と濃度とが直線的関係にあることがわか
る。しかし、9/10倍希釈のサンプル、および原液の
サンプルについては、被検成分のIgAが大過剰に含ま
れているため、プロゾーン現象により吸光度が他の希釈
倍率のサンプルとは異なり緩やかに上昇し続け、その吸
光度差は本来期待される吸光度差以下となり、吸光度差
と濃度とが直線的関係から外れることになる。このた
め、吸光度差に一定の係数を乗じて演算される濃度値
(mg/dl)は、9/10倍希釈サンプルや原液サン
プルでは、真の濃度よりも低い値となってしまう。
【0016】そこで、この発明の第1実施形態において
は、IgAのように、正常な抗原抗体反応では吸光度が
ほぼ平衡に達するのに対して、プロゾーン現象を伴う異
常な抗原抗体反応では吸光度が緩やかに上昇する項目に
ついては、項目毎に、正常反応および異常反応における
吸光度パターンに基づいて、図3に示すように、抗原抗
体反応開始後の測光ポイントの中から、吸光度EA 、E
B 、EC から得られる二つの吸光度差(EB −EA )お
よび(EC −EA )が、正常反応では(EB −EA )≒
(EC −EA )となり、異常反応では(EB −EA )<
(EC −EA )となるような所定の三つのチェックポイ
ントPA 、PB 、PC (PA <PB <P C )を、入出力
部22を介して演算制御部21に予め設定しておく。こ
のようにして、先ず、演算制御部21において、 判定値1<(EB −EA )/(EC −EA )<判定値2 ・・・(1) の判定式を演算し、この判定式(1)を満たすとき、プ
ロゾーン現象が発生したものと予備的に判定する。
【0017】ここで、判定式(1)の判定値1および判
定値2は、上記のIgA測定において、各サンプルの各
測光ポイントの吸光度、チェックポイントPA 、PB
Cにおける吸光度差(EB −EA ),(EC
A )、およびその比(EB −EA)/(EC −EA
として、例えば、第1表に示す値が得られる場合には、
IgAの判定値2として0.5程度を、判定値1は特に
判定にかかわる要素がないので、この場合には最小値
0.0を用いればよい。
【0018】
【表1】
【0019】以上の判定式(1)を用いることにより、
例えば、被検成分IgAが多く含まれているサンプルに
対するプロゾーン現象の発生の有無を、その分析終了ま
でに予備的に判定することができる。しかし、判定式
(1)のみの判定では、分析すべきサンプルに、例えば
被検成分IgAが微少量または全く含まれていない場合
には、抗原抗体反応が緩やかに進行するため、プロゾー
ン現象と酷似した吸光度変化パターンとなり、例えば上
記の原液サンプルを1/40倍および1/20倍にそれ
ぞれ希釈したサンプルでは、(EB −EA )/(EC
A )の値が、第2表に示すように、判定値2として定
めた0.5以下となって、この場合にもプロゾーン現象
が発生したと誤判定してしまうことになる。
【0020】
【表2】
【0021】そこで、この実施形態では、被検成分が高
濃度のサンプルと低濃度のサンプルとでは、抗原抗体反
応開始直後の吸光度の立ち上がりに大きな差が見られる
ことに着目し、図4に示すように、抗原抗体反応開始前
後の測光ポイントの中から、所定の二つのチェックポイ
ントPD 、PE (PD <PE )を、入出力部22を介し
て演算制御部21に予め設定しておく。なお、好ましく
は、チェックポイントPD は、第1試薬(R1)が分注
されて攪拌された直後の測光ポイントP0 に設定し、チ
ェックポイントPE は、サンプル中の被検成分と抗原抗
体反応する第2試薬(R2)が分注されて攪拌された直
後の測光ポイントP11に設定する。このようにして、演
算制御部21においてチェックポイントPD ,PE での
吸光度E D ,EE を用いて、 判定値3<(EE −ED ) ・・・(2) の判定式を演算し、この判定式(2)を満たすとき、プ
ロゾーン現象が発生したものと予備的に判定する。ここ
で、判定式(2)の判定値3は、上記のIgA測定の場
合には、第2表の結果から、0.04に設定する。
【0022】このようにして、上記の判定式(1)およ
び(2)の判定結果の論理積に基づいて、すなわち、判
定式(1)および判定式(2)の両方を満足した場合の
み、プロゾーン現象が発生したと最終的に判定する。
【0023】このようにすれば、第2表から明らかなよ
うに、上記の原液サンプルを1/40倍および1/20
倍にそれぞれ希釈した低濃度のサンプルでは、(EB
A)/(EC −EA )の値が、判定値2(0.5)未
満で判定式(1)を満たしても、(EE −ED )の値
は、判定値3(0.04)以下で判定式(2)を満たさ
ないので、低濃度サンプルの誤判定を回避することがで
きる。
【0024】以上、IgA測定の場合について説明した
が、IgA測定の場合と同様の吸光度変化パターン、す
なわち正常な抗原抗体反応では吸光度がほぼ平衡に達す
るのに対して、プロゾーン現象を伴う異常な抗原抗体反
応では吸光度が緩やかに上昇する他の測定項目について
も、同様にして判定値1〜3を定めて実施することがで
きる。また、上述したように、第1試薬と第2試薬との
各反応開始時機に応じて吸光度パターンによるプロゾー
ン判定を行っているので、同一サンプルの測定中に複数
の反応が混在していても正確な判定を行うことができ
る。
【0025】ところで、測定項目によっては、上記のI
gA測定の場合の吸光度変化パターンを示さないものも
ある。例えば、ASO(anti-streptolysin O )やAF
P(α-fetoprotein)項目では、図5に示すように、第
2試薬が分注されて抗原抗体反応が開始すると、正常な
反応ではその検液の吸光度は時間に比例して直線的に増
加するのに対し、プロゾーン現象が生じる異常な反応で
は反応開始初期において吸光度が急激に増加し、その後
は円弧を描くように変化して、反応後半では吸光度の増
加が少なくなる。
【0026】この発明の第2実施形態では、図5に示す
ような吸光度変化パターンを示す測定項目に対して、プ
ロゾーン現象の発生の有無を正確に判定するため、正常
反応および異常反応における吸光度パターンに基づい
て、抗原抗体反応開始後の測光ポイントの中から、所定
の時間間隔毎の複数(好ましくは、5つ以上)のチェッ
クポイントを予め設定し、その順次のチェックポイント
間の吸光度差の平均値と、これら吸光度差の最大値およ
び最小値の差との比に基づいてプロゾーン現象の有無を
予備的に判定する。すなわち、図5に示すように、例え
ば、5つのチェックポイントPI ,PI+m ,PI+2m,P
I+3m,PI+4m、(mは自然数)を予め設定して、チェッ
クポイントPI の吸光度EI ,PI+m の吸光度EI+m
I+2mの吸光度EI+2m,PI+3mの吸光度EI+3m,PI+4m
の吸光度EI+4mを用いて、順次の吸光度差ΔE1 =(E
I+m −EI ),ΔE2 =(EI+2m−EI+m ),ΔE3
(E I+3m−EI+2m),ΔE4 =(EI+4m−EI+3m)を求
め、それらの平均値ΔEMEAN、最大値ΔEMAX および最
小値ΔEMIN から、 判定値4≦(ΔEMAX −ΔEMIN )/ΔEMEAN ・・・(3) の判定式を演算して、この判定式(3)を満たすとき、
プロゾーン現象が発生したものと予備的に判定する。こ
こで、判定値4は、上記のIgA測定の場合と同様に、
実際の正常反応および異常反応のデータに基づいて適宜
設定する。
【0027】また、上記の判定式(3)による判定のみ
では、被検成分が微少量または全く含まれていない場合
に、吸光度の絶対値が極めて小さいため、測光時のばら
つき等の影響により、上記の判定式(3)における演算
結果が大きくなり、誤判定を起こすおそれがある。そこ
で、抗原抗体反応開始前後の測光ポイントの中から、所
定の二つのチェックポイントPF 、PG (PF <PG
を、入出力部22を介して演算制御部21に予め設定
し、これらチェックポイントPF ,PG での吸光度
F ,EG を用いて、 判定値5<(EG −EF ) ・・・(4) の判定式を演算し、この判定式(4)を満たすとき、プ
ロゾーン現象が発生したものと予備的に判定する。ここ
で、判定値5は、上記のIgA測定の場合と同様に、実
際の正常反応および異常反応のデータに基づいて適宜設
定する。また、チェックポイントPF は、好ましくは、
上述した実施形態の判定式(2)と同様に、第1試薬
(R1)が分注されて攪拌された直後の測光ポイントP
0 に設定し、チェックポイントPG は、サンプル中の被
検成分と抗原抗体反応する第2試薬(R2)が分注され
て攪拌された直後の測光ポイントP11に設定する。
【0028】このようにして、上記の判定式(3)およ
び(4)の判定結果の論理積に基づいて、すなわち、判
定式(3)および判定式(4)の両方を満足した場合の
み、プロゾーン現象が発生したと最終的に判定する。
【0029】したがって、この実施形態によれば、図5
に示すような吸光度変化パターンを呈する測定項目にお
いて、低濃度サンプルでのプロゾーン現象の誤判定を回
避することができる。
【0030】なお、図1に示す免疫学的自動分析装置に
おいて、図3および図5で説明した測定項目を含む各種
の測定項目を分析する場合には、測定項目に応じて、そ
の正常反応および異常反応における吸光度パターンに基
づいて、測光ポイントのチェックポイントおよび判定式
を入出力部22を介して演算制御部21に予め設定して
おき、各サンプル毎に、例えばサンプルカップ12に貼
付されたサンプルの測定項目等を表すバーコードの読み
取り情報に基づいて、演算制御部21でプロゾーン現象
の有無を判定し、プロゾーン現象有りと判定された場合
には、その判定結果を当該サンプルの測定項目の分析結
果とともに入出力部22に出力すればよい。
【0031】なお、この発明は、上述した実施形態にの
み限定されるものではなく、幾多の変更または変形が可
能である。例えば、第1実施形態では、抗原抗体反応開
始後の三つのチェックポイントPA 、PB 、PC におけ
る吸光度EA 、EB 、EC を用いて、(EB −EA )/
(EC −EA )を演算するようにしたが、正常な抗原抗
体反応とプロゾーン現象を伴う異常な抗原抗体反応とを
区別できれば、例えば、(EB −EA )/(EC
B )や、(EC −EA )/(EC −EB )を演算した
り、単に、(EC −EB )、(EC −EA )あるいは
(EB −EA )を演算して、プロゾーン現象の有無を予
備的に判定することもできる。
【0032】また、第2実施形態では、抗原抗体反応開
始後の所定の時間間隔毎の複数のチェックポイントでの
順次の吸光度差の平均値と、これら吸光度差の最大値お
よび最小値の差との比を演算するようにしたが、例え
ば、図5において、e1 =(E I+m −EI )/(EI+2m
−EI ),e2 =(EI+2m−EI+m )/(EI+3m−EI+
m ),e3 =(EI+3m−EI+2m)/(EI+4m−EI+2m
を求め、それらの平均値eMEAN、最大値eMAX および最
小値eMIN から、 判定値6≦(ΔEMAX −ΔEMIN )/ΔEMEAN ・・・(5) の判定式を演算して、プロゾーン現象の発生の有無を予
備的に判定することもできる。
【0033】さらに、複数の異なる吸光度変化パターン
が混在するような複数項目を測定する分析装置において
は、演算制御部21内のメモリに、複数の吸光度パター
ンを登録しておき、分析シーケンスに応じて各サンプル
毎の測定項目に対応する吸光度パターンを選択的に割り
当てるようにするか、サンプル毎に実際に得られた吸光
度パターンをオペレータがディスプレイ上で確認して判
定基準の吸光度パターンを選択的に入力して割り当てる
ようにすれば、複数の測定項目に関するプロゾーン判定
を効率良く実行することができる。また、上述した実施
形態では、抗原抗体反応による免疫学的分析に適用した
が、吸光度パターンが複数生じる測定項目を実施する全
ての分析装置に適用でき、例えば、第1試薬および第2
試薬を用いる生化学分析や免疫と生化学等の分析を一台
の装置で行うものにも有効に適用できる。
【0034】
【発明の効果】この発明によれば、被検成分が大過剰に
含まれてプロゾーン現象が生じたときに得られる吸光度
パターンと、プロゾーン現象が生じないときに得られる
吸光度パターンとに基づいて、プロゾーン現象を判定す
るための吸光度を得る複数の測定点を予め設定し、サン
プルを分析する際に、前記設定された複数の測定点での
吸光度に基づいて、当該サンプルに対するプロゾーン現
象の有無を判定するようにしたので、被検成分が大過剰
に存在する場合で、反応初期の吸光度の立ち上がりが速
い反応の場合でも、プロゾーン現象を常に正確に判定す
ることができる。したがって、誤判定によるサンプルや
試薬等の無駄を有効に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るプロゾーン現象判定方法を実施
する免疫学的自動分析装置の一例の構成を示す図であ
る。
【図2】図1に示す免疫学的自動分析装置で、免疫グロ
ブリンIgAが大過剰に含まれている血清を生理食塩水
で段階的に希釈したサンプルを分析した場合の各サンプ
ルの吸光度パターンを示す図である。
【図3】被検成分IgAでの正常な抗原抗体反応におけ
る吸光度パターンと、プロゾーン現象を伴う異常な抗原
抗体反応における吸光度パターンとを示す図である。
【図4】高濃度のサンプルと低濃度のサンプルとにおけ
る抗原抗体反応開始直後の吸光度パターンを示す図であ
る。
【図5】被検成分ASOやAFPでの正常な抗原抗体反
応における吸光度パターンと、プロゾーン現象を伴う異
常な抗原抗体反応における吸光度パターンとを示す図で
ある。
【符号の説明】
1 反応容器 2 ターンテーブル 3 第1試薬分注部 4 攪拌部 5 測光部 6 サンプル分注部 7 第2試薬分注部 8 洗浄部 11 サンプルテーブル 12 サンプルカップ 13 サンプル分注器 15 試薬テーブル 16 試薬タンク 17 試薬分注器 21 演算制御部 22 入出力部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定の時間間隔で反応容器を通して吸光
    度を測定しながら、該反応容器内で、少なくとも、サン
    プルと、所定の被検成分と抗原抗体反応する試薬とを混
    合し、その吸光度に基づいて前記被検成分を分析するに
    あたり、 前記被検成分が大過剰に含まれてプロゾーン現象が生じ
    たときに得られる吸光度パターンと、プロゾーン現象が
    生じないときに得られる吸光度パターンとに基づいて、
    プロゾーン現象を判定するための吸光度を得る複数の測
    定点を予め設定し、前記サンプルを分析する際に、前記
    設定された複数の測定点での吸光度に基づいて、当該サ
    ンプルに対するプロゾーン現象の有無を判定することを
    特徴とするプロゾーン現象判定方法。
  2. 【請求項2】 複数の吸光度パターンの中からサンプル
    毎の測定項目に応じた吸光度パターンを選択的に割り当
    てるようにしてプロゾーン現象の有無を判定することを
    特徴とする請求項1記載のプロゾーン現象判定方法。
  3. 【請求項3】 同一サンプルの測定に関する第1試薬お
    よび第2試薬の各反応に応じた吸光度パターンを各反応
    開始時機に合わせて割り当てるようにしてプロゾーン現
    象の有無を判定することを特徴とする請求項1記載のプ
    ロゾーン現象判定方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1496361A1 (en) * 2003-07-07 2005-01-12 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Immunoassay method and immunoassay system using a Fourier transformation to judge the occurrence of zone phenomena.
WO2019049395A1 (ja) * 2017-09-08 2019-03-14 アルフレッサファーマ株式会社 分析装置および分析方法
JP2022501604A (ja) * 2018-09-28 2022-01-06 シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド 診断アッセイの実行中のまたはそれに起因する、目的とするアナライトと関連するフック効果を検出する方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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