JP4635138B2 - 特定成分の分析方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、検体中の特定成分の分析方法に関し、血中のグリコヘモグロビン、とくにヘモグロビンA1c(以下、HbA1cと略記する。)値の自動測定に好適に適用しうるものである。
【0002】
【従来の技術】
ヘモグロビンに糖が結合したグリコヘモグロビンのうち、とくにHbA1cは糖尿病の長期コントロールの指標として重要な測定項目となっている。これは、HbA1cの値が過去1〜3カ月間の平均空腹時血糖値と良い相関関係を示すからである。
【0003】
HbA1cの値は、血液試料中の全ヘモグロビン量に対するHbA1c量の相対比(%)で表され、このHbA1c値は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法、あるいは、免疫法によって測定される。免疫法には、たとえばラテックス免疫凝集法があり、これは、液状試薬中のラテックス粒子表面に検体中のHbA1cを吸着させ、これに抗HbA1c抗体を反応させ(抗原抗体反応)、このときに生じるラテックスの凝集を濁度として測定するものである。
【0004】
いずれの方法によってHbA1c値を検出する場合においても、検査試料(たとえば全血)は、前処理として、たとえば100倍に溶血希釈される。このように検査試料を溶血希釈したものを、本明細書では、検体と呼ぶことにする。上記のように前処理として溶血希釈する主たる理由は、HPLC法においては、測定対象物質の吸光度を計測し、免疫法においては濁度を計測するといったように、光学的な計測を行なうためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、HbA1c値は、全ヘモグロビン量に対するHbA1c量の相対比で表される。すなわち、同一の試料を計測する限りにおいて、検体中のヘモグロビン濃度にかかわらず、HbA1c量は一定である。しかしながら、実際の検査装置においては、検体中のヘモグロビン濃度により、測定HbA1c値に誤差が生じる。HbA1c値の測定は、通常、ヘモグロビン濃度と検出器の出力(吸光度)が直線関係を示す領域において実施されるが、この領域から外れるような高濃度のヘモグロビンを含む検体については、HbA1c値が変動してしまう。HbA1c濃度の計測が正確であっても、HbA1c値の演算のための除数であるヘモグロビン濃度の測定に誤差が生じてしまうからである。また、HbA1c濃度それ自体の測定値に誤差が生じる場合もありうる。このようなことは、被験者の性差、年齢差、貧血の有無等によって生じる試料中のヘモグロビン濃度の相違により、HbA1c値に誤差が生じてしまうことを意味する。
【0006】
このような問題を一応解消しようとするものとして、たとえば特開平4−70564号公報には、検体中のヘモグロビン濃度を測定し、この濃度が所定の値を超える場合には検体に希釈液を追加して検体中のヘモグロビン濃度を許容範囲に調整するという検体調整方法が提案されている。
【0007】
しかしながら、このような方法は、第1に、検体のヘモグロビン濃度を調整するためのバルブ、ポンプ、攪拌機構等の機構を追加する必要があり、装置のコストが上昇する、第2に、2段階にわけて希釈処理する場合が生じるので、通常の溶血希釈処理に比較して時間を要する、第3に、ヘモグロビン濃度が高い場合にしか対応できず、ヘモグロビン濃度が低い場合には対応できない、といった問題がある。
【0008】
一方、ラテックス免疫凝集法においては、所定倍率に溶血希釈して得た検体を所定量の試薬液中に分注し、各種ヘモグロビンが表面に吸着したラテックス粒子がHbA1cに特異的に反応する抗原抗体反応によって凝集する現象を利用し、試薬液の濁度を光学的に検出する。この場合HbA1cの比率によってラテックス粒子の凝集度合いが変化するため、試薬液の濁度を計測することにより、HbA1c値を測定することができる。
【0009】
この場合においても、検体中のヘモグロビン濃度には、被験者の性差や年齢差、あるいは貧血の有無によって相当のばらつきがあり、このようなばらつきに起因して、HbA1c値に誤差が生じる。たとえば、検体中のヘモグロビン濃度が濃い場合には、ラテックスに吸着されていないHbA1cに対しても抗原抗体反応が生じ、その結果、見かけ上のHbA1c値が変動してしまう。この場合、上に紹介した特開平4−70564号公報に記載された方法のようにして、希釈液を追加して検体中のヘモグロビン濃度を許容範囲まで低下させれば一応問題が解決されるが、この場合には、すでに述べたのと同様の問題が生じる。また、検体中のヘモグロビン濃度が低い場合には、必要量のヘモグロビンがラテックスに吸着することができず、この場合にも計測HbA1c値に誤差が生じる。
【0010】
また、一定倍率の溶血希釈処理を経た検体を用い、これを一定量の試薬液に分注して行なうラテックス凝集免疫法においては、糖尿病の長期コントロールのための検査であるという性格上、HbA1c値の異常値を検出できる量の試薬液を準備しておく必要があり、健常者についての検査を行なう場合においては、試薬中の成分(HbA1cに特異的な抗体)の多くが無駄になる。このことは、検査費用を押し上げる要因にもなっている。
【0011】
本願発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、装置の複雑化、検査スピードの遅れを招くことなく、検体中の特定成分の濃度いかんにかかわらず、特定成分量の分析を正確に行なうことができる方法を提供することをその課題としている。
【0012】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0013】
本願発明の第1の側面によって提供される特定成分の分析方法は、血液試料を所定倍率に溶血希釈して得た検体をカラムに導入して上記検体中のHbA1c値をHPLC法により測定する特定成分の分析方法であって、上記カラムに導入する前の上記検体のヘモグロビン濃度を測定し、このヘモグロビン濃度に応じて、上記ヘモグロビン濃度が高いほど上記カラムへの上記検体の導入量を少なくし、上記ヘモグロビン濃度が低いほど上記カラムへの上記検体の導入量を多くする傾向を与えつつ、上記カラムへの検体導入量を増減することを特徴とする。
【0014】
本願発明の第2の側面によって提供される特定成分の分析方法は、血液試料を所定倍率に溶血希釈して得た検体を一定量の液状試薬とともに検出用容器に分注して、上記検体中のHbA1c値を免疫法により測定する特定成分の分析方法であって、上記検出用容器に分注する前の上記検体のヘモグロビン濃度を測定し、このヘモグロビン濃度に応じて、上記ヘモグロビン濃度が高いほど上記検出用容器への上記検体の分注量を少なくし、上記ヘモグロビン濃度が低いほど上記検出用容器への上記検体の分注量を多くする傾向を与えつつ、上記検出用容器への検体分注量を増減することを特徴とする。
【0016】
本願発明の第の側面によって提供される特定成分の分析方法は、血液試料を所定倍率に溶血希釈して得た一定量の検体を液状試薬とともに検出用容器分注して、上記検体中のHbA1c値を免疫法により測定する特定成分の分析方法であって、上記検出用容器に分注する前の上記検体のヘモグロビン濃度を測定し、このヘモグロビン濃度に応じて、上記ヘモグロビン濃度が高いほど上記検出用容器に分注する上記液状試薬量を多くし、上記ヘモグロビン濃度が低いほど上記検出用容器に分注する液状試薬量を少なくする傾向を与えつつ、上記検出用容器における液状試薬量を増減することを特徴とする。
【0017】
本願発明の第4の側面によって提供される特定成分の分析方法は、血液試料を所定倍率に溶血希釈して得た検体を液状試薬とともに検出用容器に分注して、上記検体中のHbA1c値を免疫法により測定する特定成分の分析方法であって、上記検出用容器に分注する前の上記検体のヘモグロビン濃度を測定し、このヘモグロビン濃度に応じて、上記ヘモグロビン濃度が高いほど上記検出用容器への上記検体の分注量を少なくするとともに上記検出用容器に分注する上記液状試薬量を多くし、上記ヘモグロビン濃度が低いほど上記検出用容器への上記検体の分注量を多くするとともに上記検出用容器に分注する液状試薬量を少なくする傾向を与えつつ、上記検出用容器における検体分注量および液状試薬量を増減することを特徴とする。
【0018】
【0019】
本願発明は要するに、検体中のヘモグロビン濃度を大まかであるにせよ測定し、こうして判明する検体中のヘモグロビン濃度に応じて、HbA1c値を検出するための検出部への検体導入量を増減するか、または、液状試薬を用いてHbA1c値を検出する場合においては、検体が導入される液状試薬量を増減しようとするものである。
【0020】
本願発明によれば、被験者の性差、年齢差、貧血の有無等により、所定倍率で溶血希釈して得られた検体中のヘモグロビン濃度にばらつきがあったとしても、検出部に導入された時点でのヘモグロビン量を、検出部がHbA1c値の測定を適切に行なうことができる範囲に調整することができる。
【0021】
本願発明においては、特開平4−70564号公報について述べた方法のように、検体中のヘモグロビン濃度に応じて検体に希釈液を追加するわけではないので、バルブ、ポンプ、攪拌機構等の機構を追加する必要がなない。また、2段階にわけて希釈処理するのではないので、検出時間が延長されることもない。さらには、ヘモグロビン濃度が低い場合にも対応して、適切にHbA1c値を測定することができる。
【0022】
加えて、ラテックス免疫凝集法による場合には、HbA1c値測定時点での試薬液中のヘモグロビン濃度を所定値以下に抑制することができるので、試薬液の使用量を抑制することができる。このことは、この種の検査費用の低減につながる。
【0023】
本願発明のその他の特徴および利点は、図面を参照して以下に行なう詳細な説明から、より明らかとなろう。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0025】
図1は、本願発明をラテックス免疫凝集法によるHbA1c値分析に適用する場合の装置の概略構成図である。
【0026】
被験者から採集され、かつ所定倍率に溶血希釈された検体は、試験管11に入れられた状態で検体ラック12に保持され、検体テーブル10上に装填される。この検体ラック12は、複数本の試験管11を保持しており、図1の紙面直交方向に順次移動させられ、分析するべき検体が選択される。
【0027】
検体ラック12を移動させることによって選択された検体Sは、検体サンプリングノズル21によって、ヘモグロビン濃度測定部20の検体容器22に所定量移送される。検体サンプリングノズル21は、駆動部23によって駆動されて、図に破線で示す検体ラック12上の位置と、図に実線で示す検体容器22上の位置間を移動可能となっており、かつ、各位置において上下動することができるようになっている。また、駆動部23は、ノズル21内に検体を吸引し、かつ、吐出するためのポンプ(図示略)を備えている。検体をヘモグロビン濃度測定部20の検体容器22に注入するには、試験管11の検体中にノズル21の先端を挿入した状態でポンプを吸引側に駆動して所定量の検体Sをノズル21内に吸引した後、ノズル21先端を検体容器22内に挿入した状態でポンプを吐出側に駆動してノズル21内の検体を検体容器22内に吐出することによって行なう。なお、検体サンプリングノズル21は、上記のような検体の移送を1回行なうごとに、図示しない洗浄液槽の洗浄液の吸引・吐出を複数回行なうとともに、ノズル外面に洗浄液を吹きかけるなどして洗浄される。
【0028】
ヘモグロビン濃度測定部20には、検体容器22を挟むようにして配置された発光部24aと受光部24bとからなる測光部24を備えている。また、検体容器22は、透明樹脂を成形して構成することができ、たとえば、多連式に構成して、図1の紙面直交方向に移動させることにより選択した検体容器22を測光部24に対応して位置させることができる。
【0029】
測光部24では、ヘモグロビンの吸収ピークがある波長、たとえば415nm付近、あるいは550nm付近における吸光度が計測され、この吸光度信号は制御部50内に形成されたヘモグロビン濃度演算部51に送られ、所定の検量線を使ってヘモグロビン濃度が演算される。
【0030】
HbA1c値測定部30では、所定量の液状試薬Mが入れられた検出用容器32が待機している。また、検出用容器32を挟むようにして配置された発光部34aと受光部34bとからなる測光部34が設けられている。この検出用容器32もまた、透明樹脂を成形して構成することができ、たとえば、多連式に構成して、図1の紙面直交方向に移動させることにより選択した検出用容器32を測光部34に対応して位置させることができる。
【0031】
検出用容器34には、試薬注入ノズル31によって試薬ボトル35から所定量の液状試薬Mが注入される。試薬注入ノズル31は、駆動部33によって駆動されて、図に破線で示す検出用容器32上の位置と、図に実線で示す試薬ボトル35上の位置間を移動可能となっており、かつ、各位置において上下動することができるようになっている。また、駆動部33は、ノズル31内に液状試薬を吸引し、かつ吐出するためのポンプ(図示略)を備えている。液状試薬を検出用容器32に注入するには、試薬ボトル35内の試薬中にノズル31の先端を挿入した状態でポンプを吸引側に駆動して所定量の試薬をノズル31内に吸引した後、ノズル31先端を検出用容器32内に挿入した状態でポンプを吐出側に駆動してノズル31内の試薬検体を検出用容器32内に吐出することによって行なう。なお、検出用容器32内に注入される試薬の量は、制御部50内に形成される液状試薬注入ノズル制御部52によって適宜制御できるようになっている。
【0032】
上記のようにしてヘモグロビン濃度の測定を終えた検体は、検体分注ノズル41によって、上記のように試薬Mが注入された状態で待機する検出用容器32内に所定量注入される。検体注入ノズル41は、駆動部43によって駆動されて、図に破線で示す検体容器22上の位置と、図に実線で示す検出用容器32上の位置間を移動可能となっており、かつ、各位置において上下動することができるようになっている。また、駆動部43は、ノズル41内に検体を吸引し、かつ吐出するためのポンプ(図示略)を備えている。検体を検出用容器32に注入するには、検体容器22内の検体中にノズル41の先端を挿入した状態でポンプを吸引側に駆動して所定量の検体をノズル41内に吸引した後、ノズル41先端を検出用容器32に対応して位置させた状態でポンプを吐出側に駆動してノズル41内の検体を検出用容器32内に吐出することによって行なう。なお、検出用容器32内に注入される検体の量は、制御部50内に形成される検体分注ノズル制御部53によって適宜制御できるようになっている。検体分注ノズル41は、ヘモグロビン濃度測定部20における検体容器22からHbA1c値測定部30における検出用容器32への上記のような検体の移送を1回行なうごとに、図示しない洗浄液槽の洗浄液の吸引・吐出を複数回行なうとともに、ノズル外面に洗浄液を吹きかけるなどして洗浄される。
【0033】
HbA1c値測定部30では、検出用容器32中の試薬Mに所定量の検体が注入されることにより、試薬中のラテックス粒子表面に検体中の各種ヘモグロビンが吸着させられ、そして、HbA1cに特異的に反応する抗原抗体反応によってラテックス粒子が凝集させられるという現象が起こる。検体中に含まれる全ヘモグロビン量に対するHbA1cの割合に応じて、上記のような凝集の度合いが異なるため、検出用容器32内の試薬・検体混合物の抗原抗体反応後の濁度を計測することにより、その検体のHbA1c値を得ることができる。濁度は、測光部34において、たとえば660nm付近の吸光度として計測され、この吸光度信号は制御部50内に形成されたHbA1c値演算部54に送られ、所定の検量線を使ってHbA1c値が演算される。
【0034】
さて、本願発明では、HbA1c値測定部30において、検体中のヘモグロビン量と試薬量とが適正な割合となり、より正確なHbA1c値検出が行なえるように、とくに次のような操作を行なう。
【0035】
その第1は、検出用容器32に注入される試薬量を各検体ごとに一定とする一方、検出用容器32に注入される検体量をヘモグロビン濃度測定部20において測定されたヘモグロビン濃度に応じて変化させる、というものである。より具体的には、図2に示すように、検体中のヘモグロビン濃度が高いほど、検体注入量を少なくし、検体中のヘモグロビン濃度が低いほど、検体注入量を多くする傾向を与える。この場合、検体のヘモグロビン濃度に係るデータは検体分注ノズル制御部53に送られ、この検体分注ノズル制御部53が検体分注ノズル駆動部43を制御して、ポンプの駆動制御を行なう。
【0036】
その第2は、検出用容器32に注入される検体量を各検体ごとに一定とする一方、検出用容器32に注入される試薬量をヘモグロビン濃度測定部20において測定されたヘモグロビン濃度に応じて変化させる、というものである。より具体的には、図3に示すように、検体中のヘモグロビン濃度が高いほど、試薬注入量を多くし、検体中のヘモグロビン濃度が低いほど、試薬注入量を少なくする傾向を与える。この場合、検体のヘモグロビン濃度に係るデータは液状試薬注入ノズル制御部52に送られ、この液状試薬注入ノズル制御部52が試薬注入ノズル駆動部33を制御して、ポンプの駆動制御を行なう。
【0037】
その第3は、ヘモグロビン濃度測定部20において測定されたヘモグロビン濃度に応じて、検体用容器32に注入される検体量と、試薬量の双方を変化させる、というものである。より具体的には、検体中のヘモグロビン濃度が高いほど、検体注入量を少なくするとともに試薬注入量を多くする一方、検体中のヘモグロビン濃度が低いほど、検体注入量を多くするとともに試薬注入量を少なくする傾向を与える。この場合においても、検体のヘモグロビン濃度に係るデータは検体分注ノズル制御部53と液状試薬注入ノズル制御部52に送られ、これら制御部が検体注入ノズル駆動部43および試薬注入ノズル駆動部33を制御して、それらのポンプの駆動制御を行なう。
【0038】
上記のいずれの場合においても、要するに、検体中のヘモグロビン濃度が高い場合には、検体と試薬を混合した時点でのヘモグロビン量を少なくするように、逆に、検体中のヘモグロビン濃度が低い場合には、検体と試薬を混合した時点でのヘモグロビン量を多くするように、検出用容器32への検体および試薬の注入量を操作する。その結果、検体中のヘモグロビン濃度いかんにかかわらず、すなわち、被験者の性差、年齢差、貧血の有無等により、所定倍率で溶血希釈して得られた検体中のヘモグロビン濃度にばらつきがあったとしても、検出用容器内でのヘモグロビン濃度を所定の適正範囲内とするように調整することができ、ラテックス免疫凝集法によって、ラテックス粒子の凝集に起因する濁度として計測されるHbA1c値の誤差を著しく少なくすることができる。
【0039】
加えて、検出用容器32内でのヘモグロビン濃度が所定以下となるように調整すれば、試薬液の使用量を抑制することができ、このことは、この種の検査費用の低減につながる。
【0040】
以上は、本願発明をラテックス免疫凝集法に適用した場合について述べたが、本願発明の思想は、HPLC法によってHbA1c値を測定する場合にも適用することができる。この場合、血液試料を所定倍率に溶血希釈して得られる検体のヘモグロビン濃度に応じて、この検体をカラムに導入する量を増減することになる。すなわち、ヘモグロビン濃度が高い場合にはカラムに導入する検体量を少なくし、ヘモグロビン濃度が低い場合にはカラムに導入する検体量を多くする傾向を与える。
【0041】
図4は、HPLC法によってHbA1c値の測定を行なうための装置例を概略的に示しており、以下、この装置を簡単に説明する。
【0042】
試料保持部61は、複数の試料容器を保持したラック62を載置できるようになっており、各ラック62はこれに保持される試料容器が順次サンプリング位置にくるように移動させられる。サンプリング部63には、2つのノズル64a,64bを備えたサンプリングノズル機構64と、溶血・洗浄液ポンプP1、試料吸引ポンプP2、検体導入ポンプP3および希釈分注槽65が設けられている。
【0043】
サンプリング部63では、試料吸引ポンプP2が駆動されて所定量の試料が第1のノズル64aから吸引される。サンプリングノズル機構64は希釈分注槽65に移動させられ、ポンプP1およびP2が駆動されて希釈分注槽65に上記のように吸引された試料、および、溶血・洗浄液が第1のノズル64aおよび第2のノズル64bから吐出される。こうして試料が所定倍率に希釈された検体は検体導入ポンプP3が駆動されることによって第1のノズル64aから吸引され、次いで検出部66の検体導入バルブ67に送りこまれる。この際、本願発明では、たとえば、検体導入ポンプP3と検体導入バルブ67とをつなぐ管路途中に光度計68を設置し、この光度計68によって計測される検体中のヘモグロビン濃度に応じて、検体導入ポンプP3の駆動量を制御して、検体導入バルブ67に送り込まれる検体量を調節する。より具体的には、検体中のヘモグロビン濃度が高い場合には検体導入バルブ67に送り込まれる検体量を少なくし、ヘモグロビン濃度が低い場合には検体導入バルブ67に送り込まれる検体量を多くする傾向とする。
【0044】
次いで、検体導入バルブ67は図4に示す状態から180度回転させられ、検体ループ67a内の検体はボトルユニット部69から送られてくる溶離液により押し出されてカラム70に注入される。HbA1cを含む検体中の各成分はカラム70内で分離され、順次光度計71で測光されてドレイン容器72に破棄される。測光結果はマイクロコンピュータ73に送られ、所定の演算処理が施されて、HbA1c値等が得られる。
【0045】
すなわち、HPLC法によってHbA1c値を求める場合、カラム70から溶出された各種ヘモグロビンの吸光度を計測し、HbA1c値を演算する。この場合、ヘモグロビン濃度と吸光度の直線相関関係がある領域を利用するが、この直線相関関係を外れる程度に検体ごとのヘモグロビン濃度にばらつきがあると、結局、HbA1c値に誤差が生じる。本願発明では、検体とともにカラムに導入されるヘモグロビン量を所定の許容範囲内に調整できるので、上記のようなHbA1c値の誤差の発生を好適に抑制することができる。また、検出部のダイナミックレンジのマージンを考慮する必要がなくなるので、より簡易な検出機能によっても正確な検出が可能となり、装置の低コスト化を図ることもできる。
【0046】
もちろん、この発明の範囲は上述した実施形態に限定されることはない。ラテックス免疫凝集法に係る実施形態においては、検体サンプリングからHbA1c値検出までの一連の操作を同一の装置内で行なっているが、たとえば、大規模医療施設等において、同一の検体を用いて各種の検査を行なうような場合、検体のヘモグロビン濃度を測定する場所と、HbA1c値を測定する場所とが異なっていても良い。すなわち、あらゆる検査の前処理として、検体のヘモグロビン濃度を測定してこれをデータとして確保しておく一方、その検体のHbA1c値を測定する局面において、その検体のヘモグロビン濃度データを利用し、これに応じて検出用容器内に注入する検体および/または試薬の量を前述したように調整する場合も、もちろん本願発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明に係る特定成分の分析方法を適用するための分析置の概略構成図である。
【図2】 本願発明方法を説明するためのグラフである。
【図3】 本願発明方法を説明するためのグラフである。
【図4】 本願発明に係る特定成分の分析方法を適用するための他の分析置の概略構成図である。
【符号の説明】
10 検体テーブル
11 試験管
12 ラック
20 ヘモグロビン濃度測定部
21 サンプリングノズル
22 検体容器
23 (サンプリングノズルの)駆動部
24 測光部
24a 発光部
24b 受光部
30 HbA1c測定部
31 試薬注入ノズル
32 検出用容器
33 (試薬注入ノズルの)駆動部
34 測光部
34a 発光部
34b 受光部
35 試薬ボトル
41 検体分注ノズル
43 (検体分注ノズルの)駆動部
50 制御部
51 ヘモグロビン濃度演算部
52 試薬注入ノズル制御部
53 検体分注ノズル制御部
54 HbA1c値演算部
61 試料保持部
62 ラック
63 サンプリング部
64 サンプリングノズル機構
64a 第1のノズル
64b 第2のノズル
65 希釈分注槽
66 検出部
67 検体導入バルブ
67a 検体ループ
68 光度計
69 ボトルユニット部
70 カラム
71 光度計
72 ドレイン容器
73 マイクロコンピュータ
S 検体
M 液状試薬

Claims (4)

  1. 血液試料を所定倍率に溶血希釈して得た検体をカラムに導入して上記検体中のHbA1c値をHPLC法により測定する特定成分の分析方法であって、
    上記カラムに導入する前の上記検体のヘモグロビン濃度を測定し、このヘモグロビン濃度に応じて、上記ヘモグロビン濃度が高いほど上記カラムへの上記検体の導入量を少なくし、上記ヘモグロビン濃度が低いほど上記カラムへの上記検体の導入量を多くする傾向を与えつつ、上記カラムへの検体導入量を増減することを特徴とする、特定成分の分析方法。
  2. 血液試料を所定倍率に溶血希釈して得た検体を一定量の液状試薬とともに検出用容器に分注して、上記検体中のHbA1c値を免疫法により測定する特定成分の分析方法であって、
    上記検出用容器に分注する前の上記検体のヘモグロビン濃度を測定し、このヘモグロビン濃度に応じて、上記ヘモグロビン濃度が高いほど上記検出用容器への上記検体の分注量を少なくし、上記ヘモグロビン濃度が低いほど上記検出用容器への上記検体の分注量を多くする傾向を与えつつ、上記検出用容器への検体分注量を増減することを特徴とする、特定成分の分析方法。
  3. 血液試料を所定倍率に溶血希釈して得た一定量の検体を液状試薬とともに検出用容器分注して、上記検体中のHbA1c値を免疫法により測定する特定成分の分析方法であって、
    上記検出用容器に分注する前の上記検体のヘモグロビン濃度を測定し、このヘモグロビン濃度に応じて、上記ヘモグロビン濃度が高いほど上記検出用容器に分注する上記液状試薬量を多くし、上記ヘモグロビン濃度が低いほど上記検出用容器に分注する液状試薬量を少なくする傾向を与えつつ、上記検出用容器における液状試薬量を増減することを特徴とする、特定成分の分析方法。
  4. 血液試料を所定倍率に溶血希釈して得た検体を液状試薬とともに検出用容器に分注して、上記検体中のHbA1c値を免疫法により測定する特定成分の分析方法であって、
    上記検出用容器に分注する前の上記検体のヘモグロビン濃度を測定し、このヘモグロビン濃度に応じて、上記ヘモグロビン濃度が高いほど上記検出用容器への上記検体の分注量を少なくするとともに上記検出用容器に分注する上記液状試薬量を多くし、上記ヘモグロビン濃度が低いほど上記検出用容器への上記検体の分注量を多くするとともに上記検出用容器に分注する液状試薬量を少なくする傾向を与えつつ、上記検出用容器における検体分注量および液状試薬量を増減することを特徴とする、特定成分の分析方法。
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